JPH0841286A - 耐フロン性の優れたabs樹脂組成物およびかかる組成物からなる冷蔵庫内箱 - Google Patents

耐フロン性の優れたabs樹脂組成物およびかかる組成物からなる冷蔵庫内箱

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JPH0841286A
JPH0841286A JP19727994A JP19727994A JPH0841286A JP H0841286 A JPH0841286 A JP H0841286A JP 19727994 A JP19727994 A JP 19727994A JP 19727994 A JP19727994 A JP 19727994A JP H0841286 A JPH0841286 A JP H0841286A
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weight
polymer
graft polymer
graft
particle diameter
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JP19727994A
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Hiromitsu Aoki
寛充 青木
Yasushi Nakajima
靖 中嶋
Hiroshi Kojima
洋 小島
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Sumika Polycarbonate Ltd
Original Assignee
Sumitomo Dow Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 粒子径0.4〜0.6μのゴム20〜80重
量%の存在下にシアン化ビニル化合物(ACN)20〜
40重量%と芳香族ビニル化合物(STY)80〜60
重量%の単量体80〜20重量%を重合してなるグラフ
ト重合体(X)、粒子径0.05〜0.2μのゴム40
〜80重量%の存在下にACN30〜45重量%とST
Y70〜55重量%の単量体60〜20重量%を重合し
てなるグラフト率10〜40%の小粒子径グラフト重合
体(y)が重量平均粒子径0.8〜2.0μの房状に凝
集してなる凝集グラフト重合体(Y)、ACN35〜4
5重量%とSTY65〜55重量%を重合してなる固有
粘度0.6〜0.9である共重合体(Z)から構成さ
れ、グラフト重合体(X)のゴムと(Y)のゴムとの重
量比が1対1〜4で、ゴムの総量が15〜25重量%で
あるABS樹脂組成物。 【効果】 優れた耐フロン性および外観(光沢)に優
れ、また代替フロン(HCFC−141b)用冷蔵庫製
造に適す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐フロン性の優れたA
BS樹脂組成物およびかかる組成物からなる冷蔵庫内箱
に関する。特に、CFC−11の代替物質を発泡剤とし
て用いるポリウレタン発泡法による冷蔵庫内箱製造に適
したABS樹脂組成物およびその冷蔵庫内箱に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、冷蔵庫、冷凍庫、製氷機などの保
冷を目的とする断熱用箱体の内箱には耐衝撃性ポリスチ
レン(HIPS)やABS樹脂(アクリロニトリルーブ
タジエンゴムースチレン)が、また、断熱材としてはフ
ロンであるトリクロロモノフロロメタン(CFC−1
1)を発泡剤としたポリウレタン発泡体が利用されてい
る。特にABS樹脂は、機械的強度、加工性はもとよ
り、ウレタン発泡体との接着性、CFC−11との接触
やウレタン発泡時の発熱、冷却に起因する応力特性に優
れることより断熱用箱体の内箱材料としては最適であ
る。
【0003】しかしながら、近年、CFC−11などの
オゾン層破壊物質の生産、使用が規制されてきており、
新たな発泡剤が検討されている。CFC−11の代替物
質としては、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフロ
ロエタン(HCFC−123)、1,1−ジクロロ−1
−フロロエタン(HCFC−141b)などが提案され
ているが、それら代替物質はCFC−11より極性が強
く、従来のABS樹脂では代替物質との接触により容易
にクラックや割れを発生する。
【0004】すでに、ABS樹脂を構成するゴム成分や
アクリロニトリル成分を増加させる方法が提案されてい
るが、ゴム成分の増加(特開平4−132712)は樹
脂の剛性を低下させる、またアクリロニトリル成分の増
加(特開平4−170409、5−17540、5−1
7541)はABS樹脂本来の優れた機械的強度や熱安
定性が犠牲となる。共重合体成分としてメタクリル酸エ
ステルを導入してなるABS樹脂(特開平4−1267
56)も提案されているが耐フロン性が十分でなく、ア
クリロニトリル成分の増加と同様ABS樹脂本来の優れ
た機械的強度が犠牲となる。
【0005】また、ABS樹脂に他ポリマーを配合する
方法も提案されている。例えば、熱可塑性ポリエステル
エラストマーの配合(特開平4−132762、4−1
70451)、アクリロニトリル成分を増加してなるA
BS樹脂への高級脂肪酸トリグリセリドの配合(特開平
4−154858)、アクリロニトリル成分を増加させ
たアクリル系ゴム変性グラフトとブタジエン系ゴム変性
グラフトの併用(特開平4−170460)、エチレン
−プロピレン系ゴム変性グラフトとブタジエン系ゴム変
性グラフトの併用(特開平4−170461)、エチレ
ン−プロピレン系ゴム変性グラフトとアクリル系ゴム変
性グラフトの併用(特開平4−170462)、ポリエ
ステルの配合(特開平5−17658)などである。こ
れらも耐フロン性を向上させるものの十分とは言い難
い。
【0006】さらに、ABS樹脂を構成するゴムまたは
グラフト成分として、凝集体を用いることも提案されて
いる。たとえば、ゴム成分として凝集ゴムを用いる方法
(特公昭52−30034)、ゴム成分に少量の化合物
をグラフト(低グラフト率)させた後、かかるグラフト
重合体を凝集肥大化させる方法(特公平2−2737
8)、ゴム成分に少量の化合物をグラフトさせた後、凝
集肥大化させてクラスター状とし、その後さらに多量の
化合物をグラフトさせる方法(特開平5−25227)
などである。これらも耐フロン性は向上させるが十分と
は言い難い。
【0007】このため、ABS樹脂の特長である優れた
機械的強度、熱安定性、加工性、などを犠牲にすること
なく、より耐フロン性(代替物質との接触により容易に
クラックや割れを発生しない。)ならびに表面光沢に優
れる材料の開発が望まれていた。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】本発明は、HCFC−123やHCFC−
141bなどの代替フロンを用いる断熱用箱体の内箱製
造に適したABS樹脂組成物およびその冷蔵庫内箱を提
供するものである。
【問題点を解決するための手段】
【0009】本発明者は、中粒子径のゴムを用いてなる
グラフト重合体、小粒子径ゴムを用いたグラフト重合体
を房状に凝集してなる大粒子径グラフト重合体、および
共重合体とからなる組成物およびかかる組成物からなる
冷蔵庫内箱が、ABS樹脂の特長である優れた機械的強
度、熱安定性、加工性、さらには外観(光沢)を有し、
また極めて耐フロン性に優れる材料であることを見出
し、本発明に到達したものである。
【0010】すなわち、本発明は、重量平均粒子径0.
4〜0.6μのゴム質重合体20〜80重量%の存在下
にシアン化ビニル化合物20〜40重量%と芳香族ビニ
ル化合物80〜60重量%の単量体80〜20重量%を
重合してなるグラフト重合体(X)、重量平均粒子径
0.05〜0.2μのゴム質重合体40〜80重量%の
存在下にシアン化ビニル化合物30〜45重量%と芳香
族ビニル化合物70〜55重量%の単量体60〜20重
量%を重合してなる小粒子径グラフト重合体(y)が重
量平均粒子径0.8〜2.0μの房状に凝集してなる凝
集グラフト重合体(Y)、シアン化ビニル化合物35〜
45重量%と芳香族ビニル化合物65〜55重量%を重
合してなる固有粘度0.6〜0.9である共重合体
(Z)から構成され、グラフト重合体(X)のゴム質重
合体と凝集グラフト重合体(Y)のゴム質重合体の重量
比が1対1〜4で、ゴム質重合体の総量が15〜25重
量%である耐フロン性ならびに光沢に優れたABS樹脂
組成物ならびにかかる組成物からなる耐フロン性ならび
に光沢に優れた冷蔵庫内箱を提供するものである。以下
に、本発明につき詳細に説明する。
【0011】グラフト重合体(X)、(Y)を構成する
ゴム質重合体とは、ポリブタジエン、ブタジエン−スチ
レン重合体、ブタジエン−アクリロニトリル重合体等の
共役ジエン系ゴム、エチレン−プロピレン重合体、エチ
レン−プロピレン−非共役ジエン(エチリデンノルボル
ネン、ジシクロペンタジエンなど)重合体、エチレン−
ブチレン重合体等のエチレン−αオレフィン系ゴム、ポ
リイソプレン、ポリブチルアクリレート、エチレン−酢
酸ビニル重合体、塩素化ポリエチレン、ブタジエン−ス
チレン重合体の水添化物(SEBS)などが挙げられ、
一種または二種以上用いることができる。特に共役ジエ
ン系ゴムならびにエチレン−αオレフィン系ゴムが好ま
しい。
【0012】グラフト重合体(X)、(Y)ならびに共
重合体(Z)を構成するシアン化ビニル化合物として
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニ
トリル等が挙げられ、一種または二種以上用いることが
出来る。特にアクリロニトリルが好ましい。また、芳香
族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルビニル
トルエン、ジメチルスチレン、クロルスチレン、ジクロ
ルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ビニ
ルナフタレン等が例示され、一種または二種以上用いる
ことが出来る。特にスチレンが好ましい。
【0013】なお、本発明の目的を逸脱しない範囲内
で、上記芳香族ビニル化合物の一部をメチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート等の不飽和カルボン酸アルキルエステル、マ
レイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、N−
フェニルマレイミド、O−クロル−N−フェニルマレイ
ミド等のマレイミド化合物に置換することも十分可能で
ある。
【0014】・グラフト重合体(X) グラフト重合体(X)は、重量平均粒子径0.4〜0.
6μのゴム質重合体20〜80重量%の存在下にシアン
化ビニル化合物20〜40重量%と芳香族ビニル化合物
80〜60重量%の単量体80〜20重量%を重合して
なるグラフト重合体である。
【0015】ゴム質重合体の重量平均粒子径が0.4μ
未満では耐衝撃性に劣り、0.6μを越すと耐フロン性
の改善が図れない。ゴム質重合体が20重量%未満では
耐衝撃性に劣り、80重量%を越すと剛性が低下し好ま
しくない。また、シアン化ビニル化合物が20重量%未
満(芳香族ビニル化合物80重量%を越す)では耐フロ
ン性が改善されず、40重量%を越す(芳香族ビニル化
合物60重量%未満)と熱安定性に劣り、好ましくな
い。耐フロン性ならびに機械的強度および熱安定性の面
より、重量平均粒子径0.4〜0.5μのゴム質重合体
40〜60重量%の存在下にシアン化ビニル化合物25
〜30重量%と芳香族ビニル化合物75〜70重量%の
単量体60〜40重量%を重合してなるグラフト重合体
が好ましい。ゴム質重合体上に結合してなるシアン化ビ
ニル化合物と芳香族ビニル化合物の量を示すグラフト率
にも何ら制限はないが、耐フロン性ならびに機械的強度
および熱安定性の面より、30〜70%が好ましい。
【0016】・グラフト重合体(Y) グラフト重合体(Y)は、重量平均粒子径0.05〜
0.2μのゴム質重合体40〜80重量%の存在下にシ
アン化ビニル化合物30〜45重量%と芳香族ビニル化
合物70〜55重量%の単量体60〜20重量%を重合
してなるグラフト率10〜40重量%の小粒子径グラフ
ト重合体(y)が重量平均粒子径0.8〜2.0μの房
状に凝集してなるグラフト重合体(Y)である。
【0017】ゴム質重合体の重量平均粒子径が0.05
μ未満では耐フロン性に劣り、0.2μを越すと耐フロ
ン性の改善が図れない。ゴム質重合体が40重量%未満
では小粒子径グラフト重合体(y)が房状とならず耐フ
ロン性の改善が図れない、80重量%を越すと耐フロン
性が低下し好ましくない。また、シアン化ビニル化合物
が30重量%未満(芳香族ビニル化合物70重量%を越
す)では耐フロン性に劣り、45重量%を越すと(芳香
族ビニル化合物55重量%未満)小粒子径グラフト重合
体(y)の熱安定性が低下する。ゴム質重合体上に結合
してなるシアン化ビニル化合物と芳香族ビニル化合物の
量を示すグラフト率は10〜40重量%である。グラフ
ト率は、アセトンを溶媒として可溶部と不溶部に分離
し、次式に従い求める。 グラフト率(%)=〔アセトン不溶部重量−グラフト重
合体(Y)中のゴム質重合体重量〕÷グラフト重合体
(Y)中のゴム質重合体重量×100。 なお、グラフト率が10重量%未満では耐フロン性およ
び外観(光沢)に劣り、40重量%を越すとグラフト重
合体(y)が房状とならず耐フロン性改善が図れない。
グラフト率は、重合温度、化合物の添加方法、組成比率
など重合条件を適宜変更することにより調整することが
できる。さらに、グラフト重合体(y)を製造する方法
としては、公知の乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合
法、塊状重合法ならびにそれらの組み合わせが挙げられ
る。重合に際しては分子量調整剤、開始剤など公知の重
合助剤を用いることが出来る。
【0018】上述の組成、構造を有する小粒子径グラフ
ト重合体(y)は、造粒、成形加工時に房状に凝集す
る。凝集グラフト重合体は房状であり、従来公知のドー
ナッツ状に凝集したグラフト重合体では優れた耐フロン
性が得られない。凝集体グラフト重合体の大きさは重量
平均粒子径0.8〜2.0μである。0.8μ未満では
耐フロン性に劣り、また2.0μを越すと外観(光沢)
が劣り好ましくない。耐フロン性ならびに機械的強度の
面より、重量平均粒子径0.05〜0.2μのゴム質重
合体50〜60重量%の存在下にシアン化ビニル化合物
35〜40重量%と芳香族ビニル化合物65〜60重量
%の単量体50〜40重量%を重合してなる小粒子径グ
ラフト重合体が重量平均粒子径0.8〜2.0μの房状
に凝集してなるグラフト重合体が好ましい。凝集体の重
量平均粒子径は、電子顕微鏡写真より凝集体の長軸と短
軸を測定し、その平均値を粒子径とし、その様にして測
定された凝集体の少なくとも10個の粒子径より平均粒
子径を算出する。
【0019】・共重合体(Z) 本発明で用いられる共重合体(Z)とは、シアン化ビニ
ル化合物35〜45重量%と芳香族ビニル化合物65〜
55重量%を重合してなる固有粘度0.6〜0.9の共
重合体である。シアン化ビニル化合物が35重量%未満
(芳香族ビニル化合物65重量%を越す)では耐フロン
性の改善が図れず、45重量%を越すと(芳香族ビニル
化合物55重量%未満)熱安定性に劣り好ましくない。
なお、共重合体の固有粘度とは、共重合体の濃度を変え
たジメチルホロムアミド溶液(0.1〜0.5重量%濃
度)を作成し、粘度管を用いて30℃にて各比粘度を求
め、比粘度と濃度の関係式より濃度0時の値である。ま
た、共重合体の固有粘度が0.6未満では耐フロン性の
改善が図れず、0.9を越すとシート加工性に劣り好ま
しくない。組成物および成形品の耐フロン性、機械的強
度、熱安定性、シート加工性などの面より、シアン化ビ
ニル化合物35〜40重量%と芳香族ビニル化合物65
〜60重量%を重合してなる固有粘度0.7〜0.8の
共重合体が特に好ましい。固有粘度は、分子量調整剤や
開始剤の種類や量、重合温度、化合物の添加方法、組成
比率など重合条件を適宜変更することにより調整するこ
とができる。
【0020】さらに、共重合体(Z)を製造する方法と
しては、公知の乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、
塊状重合法ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
重合に際しては分子量調整剤、開始剤など公知の重合助
剤を用いることが出来る。
【0021】・組成物 本発明のABS樹脂組成物および成形品は、上述のグラ
フト重合体(X)、グラフト重合体(Y)、共重合体
(Z)から構成される。グラフト重合体(X)のゴム質
重合体とグラフト重合体(Y)のゴム質重合体の重量比
が1対1〜4であり、かかる比率が1より少ないと(Y
のゴム質重合体重量がXのゴム質重合体重量を下回る)
耐フロン性に劣り、4より大きいと(Yのゴム質重合体
重量がXのゴム質重合体重量の4倍を越す)外観(光
沢)に劣り好ましくない。特にかかる重量比が1対1.
5〜3が好ましい。また、組成物中に占めるゴム質重合
体(グラフト重合体Xとグラフト重合体Yからもたらさ
れるゴム質重合体の総量)は、15〜25重量%であ
る。15重量%未満では耐衝撃性、耐フロン性に劣り、
また25重量%を越すと剛性に劣り好ましくない。耐フ
ロン性、機械的強度の面より20〜25重量%が特に好
ましい。
【0022】グラフト重合体(X)、グラフト重合体
(y)、共重合体(Z)との混合方法については特に制
限はなく、水分散状態(ラテックス)で、又は粉末、ビ
ーズ、ペレット等の状態で混合することができる。ま
た、その混合順序にも制限はなく三成分の一括混合、特
定の二成分を混合した後残りの成分を添加混合する方法
などが挙げられる。さらに、溶融混練方法としては、バ
ンバリーミキサー、ロール、押出機等の公知の方法を採
用することができる。なお、混合時に、必要に応じて酸
化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、染料、顔
料、可塑剤、難燃剤、離型剤等の添加剤を配合すること
ができる。
【0023】本発明の冷蔵庫内箱は、上述のABS樹脂
組成物をシート押出した後、真空成形法で内箱を成形す
る方法やかかる組成物から直接内箱を射出成形する方法
などが挙げられる。
【0024】以下に実施例により本発明を具体的に説明
する。なお、部数および%についてはいずれも重量基準
で示した。
【0025】参考例1 ・グラフト重合体X用ゴム質重合体 ブタジエン90部、スチレン10部、オレイン酸ナトリ
ウム0.5部、ドデシルメルカプタン0.2部、過硫酸
カリウム0.3部、水酸化ナトリウム0.1部及び脱イ
オン水95部を、攪拌機付ステンレス製反応器に仕込
み、60℃で18時間、次いで70℃で15時間重合さ
せた。重量平均粒子径は0.45μであった。
【0026】参考例2 ・グラフト重合体y用ゴム質重合体 オレイン酸ナトリウム量を1.5部、脱イオン水量を1
70部とした以外は参考例1と同様の操作を行い、重量
平均粒子径0.15μのゴム質重合体を得た。
【0027】参考例3 ・凝集ゴム質重合体 参考例2で作成された0.15μのゴム質重合体ラテッ
クスを攪拌しながらリン酸水溶液(5%)を添加し、p
H3とした後、さらに水酸化ナトリウム水溶液(25
%)を添加し、重量平均粒子径0.80μの房状に凝集
したゴム質重合体を得た。
【0028】参考例4 ・グラフト重合体X 還流冷却器付重合槽に参考例1で得られた0.45μの
ゴム質重合体ラテックス(固形分50%)100部と脱
イオン水80部にデキストリン0.1部、無水ピロリン
酸ナトリウム0.1部及び硫酸第一鉄0.005部を溶
解した水溶液を添加し、気相部を窒素置換したのち70
℃に昇温した。槽内温度が70℃に達したらアクリロニ
トリル14部、スチレン36部、t−ドデシルメルカプ
タン0.2部、クメンハイドロパーオキサイド0.3部
の混合液及び脱イオン水20部にオレイン酸カリウム
1.5部を溶解した乳化剤溶液を4時間に亘り連続添加
した。連続添加終了後、さらに70℃で2時間熟成さ
せ、重合を完了させた。得られたグラフト重合体ラテッ
クスを硫酸マグネシウムにて塩析し、脱水、乾燥を経て
グラフト率40%のグラフト重合体Xを得た。
【0029】参考例5 ・グラフト重合体y 参考例2で得られた0.15μのゴム質重合体ラテック
ス(固形分35.3%)170部、アクリロニトリル1
4部、スチレン26部、t−ドデシルメルカプタン0.
5部、脱イオン水10部に変更した以外は参考例4と同
様の手順にて重合し、グラフト率30%のグラフト重合
体yを得た。
【0030】参考例6 ・グラフト重合体 参考例2で得られた0.15μのゴム質重合体ラテック
ス(固形分35.3%)226部、アクリロニトリル7
部、スチレン13部に変更した以外は参考例5と同様の
手順にて重合し、グラフト率6%のグラフト重合体を得
た。
【0031】参考例7 ・グラフト重合体 t−ドデシルメルカプタンを0部に変更した以外は参考
例5と同様の手順にて重合し、グラフト率50%のグラ
フト重合体を得た。
【0032】参考例8 ・グラフト重合体 参考例3で得られた凝集ゴム質重合体を使用した以外は
参考例5と同様の手順にて重合し、グラフト率30%の
グラフト重合体を得た。
【0033】参考例9 ・共重合体Z 攪拌機付ステンレス製反応器を窒素置換した後、脱イオ
ン水100部に硫酸カリウム0.3部を溶解した開始剤
水溶液を仕込み65℃まで昇温。その時点からスチレン
65部、アクリロニトリル35部、t−ドデシルメルカ
プタン0.25部からなる単量体混合物と、脱イオン水
20部、オレイン酸ナトリウム1.5部からなる乳化剤
水溶液を4時間に亘り連続添加し、重合した。連続添加
終了後、70℃に昇温し、2時間熟成を行い反応を完了
した。得られた共重合体ラテックスを硫酸マグネシウム
で塩析し、脱水、乾燥を経てパウダー状の共重合体Zを
得た。共重合体Z中のアクリロニトリルは33.9%、
固有粘度は0.75であった。
【0034】参考例10 ・共重合体 スチレン70部、アクリロニトリル30部、t−ドデシ
ルメルカプタン0.22部に変更した以外は参考例9と
同様の手順にて重合し共重合体を得た。得られた共重合
体中のアクリロニトリルは28.5%、固有粘度は0.
75であった。
【0035】参考例11 ・共重合体 t−ドデシルメルカプタン0.5部に変更した以外は参
考例9と同様の手順にて重合し共重合体を得た。得られ
た共重合体中のアクリロニトリルは33.6%、固有粘
度は0.55であった。
【0036】実施例及び比較例 表−1〜2に示される配合比率に基づき参考例で得られ
たグラフト重合体と共重合体を混合後、40mm径の一
軸押出機を用い、220℃にて溶融混練し、各種組成物
(ペレット)を得た。グラフト重合体の凝集状況を確認
すると共に各種組成物の特性を評価した。結果を表−1
〜2に示す。表中のAはアクリロニトリル、IVは固有
粘度を示す。
【0037】凝集状況の確認方法。 得られたペレットより熱プレスシートを作成し、電子顕
微鏡写真より、凝集の有無を判定すると共に凝集体の大
きさを算出した。
【0038】各種特性は次の要領で評価した。 (1)ノッチ付きアイゾット衝撃強度(NI) 3.5オンス射出成形機を用い、シリンダー設定温度2
20℃でASTM D−256に準拠し、1/4インチ
厚の試験片を作成後23℃で測定。 (2)加工性 220℃、10kg/cm荷重下でのMFR(メルトフ
ローレート)を測定。 (3)熱安定性 高化式フローテスター内に260℃にて30分間滞留さ
せ、その後の変色度合いを目視判定。 ○:変色 無〜小 △: 〃 中 ×: 〃 大 (4)耐フロン性 i)膨潤度 ペレットを220℃で2mm厚にプレスし、4cm×2
cmのテスト用シートとした後、マイナス30℃にて6
0時間、HCFC−141bに浸漬した後の重量変化よ
り算出。 値の低い方が耐フロン性に優れる。 ii)臨界歪 3.5オンス射出成形機を用い、シリンダー設定温度2
20℃で15cm×2cm×0.3cm厚の射出成形品
を成形した後、片持ちばりの治具に固定し3cmのたわ
みをかけ、HCFC−141b蒸気中に放置。その後、
手で折ってクラックのはいる歪量(最大値1.3%)を
求めた。値の大きい方が耐フロン性に優れる。 (5)光沢 3.5オンスの射出成形機を用い、シリンダー設定温度
240℃にて10cm×6cm×0.3cm厚の射出成
形品を作成し、ASTM−D523に準拠して表面光沢
を測定した。
【0039】
【表−1】
【0040】
【表−2】
【0041】
【発明の効果】本発明のABS樹脂組成物は、従来の組
成物に比べ優れた耐フロン性(耐HCFC−141b
性)を有すると共にスチレン系樹脂の特長である優れた
機械的強度、加工性、外観(光沢)、熱安定性等を有し
ている。このため、代替フロン(HCFC−141b)
を用いる冷蔵庫、冷凍庫の内箱成形に適した材料として
利用価値が高い。
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】参考例8 ・グラフト重合体 参考例3で得られた凝集ゴム質重合体ラテックス(固形
分32.0%)187部に変更した以外は参考例5と同
様の手順にて重合し、グラフト率30%のグラフト重合
体を得た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量平均粒子径0.4〜0.6μのゴム質
    重合体20〜80重量%の存在下にシアン化ビニル化合
    物20〜40重量%と芳香族ビニル化合物80〜60重
    量%の単量体80〜20重量%を重合してなるグラフト
    重合体(X)、 重量平均粒子径0.05〜0.2μのゴム質重合体40
    〜80重量%の存在下にシアン化ビニル化合物30〜4
    5重量%と芳香族ビニル化合物70〜55重量%の単量
    体60〜20重量%を重合してなるグラフト率10〜4
    0%の小粒子径グラフト重合体(y)が重量平均粒子径
    0.8〜2.0μの房状に凝集してなる凝集グラフト重
    合体(Y)、 シアン化ビニル化合物35〜45重量%と芳香族ビニル
    化合物65〜55重量%を重合してなる固有粘度0.6
    〜0.9である共重合体(Z)から構成され、グラフト
    重合体(X)のゴム質重合体とグラフト重合体(Y)の
    ゴム質重合体の重量比が1対1〜4で、ゴム質重合体の
    総量が15〜25重量%であることを特徴とする耐フロ
    ン性の優れたABS樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の組成物から成形されてなる
    ことを特徴とする耐フロン性の優れた冷蔵庫内箱。
JP19727994A 1994-07-27 1994-07-28 耐フロン性の優れたabs樹脂組成物およびかかる組成物からなる冷蔵庫内箱 Pending JPH0841286A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005530899A (ja) * 2002-06-21 2005-10-13 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 衝撃改質された組成物
KR100540910B1 (ko) * 1999-12-15 2006-01-12 제일모직주식회사 내구성/내충격성이 우수한 abs수지 조성물
JP2008525610A (ja) * 2004-12-28 2008-07-17 チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド 環境応力抵抗性が優れた冷蔵庫用熱可塑性樹脂組成物
US8969476B2 (en) 2002-06-21 2015-03-03 Sabic Global Technologies B.V. Impact-modified compositions

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