JPH0839947A - 転写型ラミネートフィルム - Google Patents

転写型ラミネートフィルム

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JPH0839947A
JPH0839947A JP6197859A JP19785994A JPH0839947A JP H0839947 A JPH0839947 A JP H0839947A JP 6197859 A JP6197859 A JP 6197859A JP 19785994 A JP19785994 A JP 19785994A JP H0839947 A JPH0839947 A JP H0839947A
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film
laminate
layer
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transfer type
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JP6197859A
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Inventor
Satoru Shinohara
悟 篠原
Motohiro Mizumachi
元弘 水町
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 印画紙の画像形成面上にマット状のラミネー
ト層を、ラミネート時のエネルギーを増大させることな
く、速い速度で、熱変形させることなく、安価に形成で
きるようにする。 【構成】 転写型ラミネートフィルム用基材フィルム1
0aを、PETフィルム等のポリエステルフィルム11
と、表面にマット加工が施されているポリオレフィン系
樹脂層12との積層体から構成する。転写型ラミネート
フィルム20aは、この基材用フィルム10aのポリオ
レフィン系樹脂層12上にラミネート層21を設けるこ
とに得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印画紙に形成された画
像の上に、表面保護等のための透明フィルムを形成する
ラミネートフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、印画紙に形成された画像、特
に昇華性あるいは熱拡散性染料を使用した昇華型熱転写
方式により形成された画像に対し、その表面保護、変退
色の防止、耐皮脂性の付与等のために、透明フィルムを
ラミネートすることがなされている。
【0003】透明フィルムのラミネート方法としては、
基材と該基材上に形成された熱可塑性樹脂からなるラミ
ネート層とを有するラミネートフィルムであって、その
ラミネートフィルムを部分的に加熱加圧することにより
加熱部分のラミネート層のみを印画紙上に転写すること
ができる転写型ラミネートフィルムを使用する方法が提
案されている(特開昭60−204397号公報、特開
昭59−85793号公報、特開昭59−76298号
公報)。このような転写型ラミネートフィルムを使用す
ることにより、透明フィルムをラミネートした印画紙の
カールを防止でき、また手脂に対する耐皮脂性や、壁
紙、フロアマット、テーブルクロス等の塩化ビニル製品
に含有されているような可塑剤に対する耐可塑剤性も良
好に高めることが可能となる。
【0004】しかし、これらの透明フィルムをラミネー
トした画像は、通常、光沢性の高いグロス調となるた
め、指紋が目立ちやすいという問題がある。また、光沢
性が高いために画面が見づらくなり、特に大判の場合に
はその傾向が強いという問題がある。
【0005】このような問題に対しては、透明フィルム
をラミネートした後の印画紙の画像面がマット状となる
ようにすることが有効である。印画紙の画像面がマット
状になるように透明フィルムをラミネートする方法とし
ては、画像形成前の印画紙の表面に予めマット加工を施
しておき、そのマット加工面に熱転写画像を形成し、更
にその上に透明フィルムをラミネートするという方法が
ある。しかし、印画紙に予めマット加工を施しておく
と、熱転写画像形成時に印画紙とインクリボンとの密着
性が損なわれるので、印画むらや白抜けが生じるという
問題がある。
【0006】そこで、印画紙の画像面がマット状になる
ように透明フィルムをラミネートする他の方法として、
図9に示したように、転写型ラミネートフィルム1とし
て、紙類等のマット状の表面を有する基材2の上に、熱
可塑性樹脂からなるラミネート層3を塗布形成したもの
を使用する方法が知られている。この場合、基材2とラ
ミネート層3との間には、必要に応じて剥離層が設けら
れる。
【0007】このような転写型ラミネートフィルム1の
使用方法としては、図10に示したように、転写型ラミ
ネートフィルム1を、画像を形成した印画紙4の画像形
成面(即ち、染料受容層4a)上に重ねてローラ5で熱
圧着し(同図(a))、その後、基材2を剥離する(同
図(b))。これにより、基材2のマット加工面の凹凸
が、印画紙4に転写したラミネート層3の表面に転写さ
れるので、印画紙4の画像面はマット状となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、転写型
ラミネートフィルム1の基材2として紙類を使用する
と、基材2の熱伝導性が低くなるため、図10に示した
ように、転写型ラミネートフィルム1を印画紙4と重ね
合せて加熱圧着することによりラミネート層3を印画紙
4にラミネートする際に、大きなエネルギーが必要とな
る。このため、ラミネート速度を遅くせざるを得ず、ラ
ミネート温度を高くした場合には、ラミネート層3をラ
ミネートした印画紙4が熱変形するという問題が生じ
る。
【0009】そこで、基材2として、紙類よりも熱伝導
性の高いPETフィルムあるいはポリオレフィンフィル
ム等にマット加工を施したものを使用することが考えら
れる。
【0010】ところで、転写型ラミネートフィルム1の
ラミネート層3を印画紙4に均一にラミネートするため
には、転写型ラミネートフィルム1を印画紙4と重ね合
せて加熱圧着する際にエアの巻き込みが生じないよう
に、転写型ラミネートフィルム1の基材2としては、そ
の一方の面のみにマット加工が施され、他面は平滑であ
るものが好ましい。しかしながら、PETフィルムにマ
ット加工を施すには相当の高温が必要となり、歪みが生
じやすいので、一方の面がマット状で、他面が平滑なP
ETフィルムを安価に量産することは難しい。PETフ
ィルムとしては、サンドブラストによる無光沢フィルム
やエンボスフィルムも市販されているが、サンドブラス
トによる無光沢フィルムを基材2とした場合には、印画
紙にラミネートしたラミネート層3が無光沢となり、か
えって指紋等が目立つので好ましくない。また、エンボ
スフィルムを基材2とした場合には、両面に凹凸がある
ため、ラミネート層3を印画紙4にラミネートするとき
に気泡を巻き込み、均一にラミネートすることができな
いので好ましくない。
【0011】また、基材2としてポリオレフィンフィル
ムを使用した場合には、マット加工自体は容易である
が、ラミネート層3を印画紙にラミネートする時に熱収
縮や変形が生じやすいという問題がある。基材2として
塩化ビニルフィルムを使用した場合にも、マット加工自
体は容易であるが、耐熱性が低いので印画紙とのラミネ
ート時に熱収縮や変形が生じやすいという問題があり、
さらに耐溶剤性も低いので基材2上にラミネート層3を
溶剤を用いて塗布形成することが困難になるという問題
もある。
【0012】本発明は以上のような従来技術の課題を解
決しようとするものであり、印画紙の表面にマット状の
透明フィルムをラミネートするにあたり、安価に得られ
る転写型ラミネートフィルムを用い、また、ラミネート
に要するエネルギーを増大させることなく、しかもラミ
ネート速度を低下させることなく、熱変形を生じさせな
いで、均一にラミネートできるようにすることを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、転写型ラミ
ネートフィルムの基材として、PETフィルム等のポリ
エステルフィルムとポリオレフィン系樹脂層との積層構
造のフィルムであって、そのポリオレフィン系樹脂層に
マット加工を施したものを使用することにより上記の目
的が達成できることを見出し、本発明を完成させるに至
った。
【0014】即ち、本発明は、ポリエステルフィルムと
ポリオレフィン系樹脂層との積層体からなり、該ポリオ
レフィン系樹脂層の表面がマット加工されていることを
特徴とする転写型ラミネートフィルム形成用基材フィル
ムを提供する。
【0015】また、本発明は、上記の本発明の転写型ラ
ミネートフィルム形成用基材フィルムのポリオレフィン
系樹脂層上に熱可塑性樹脂からなるラミネート層を設け
た転写型ラミネートフィルムを提供する。
【0016】以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明
する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要
素を表している。
【0017】図3は、本発明の基本的態様の転写型ラミ
ネートフィルム形成用基材フィルム10aの断面図であ
る。同図のように、この転写型ラミネートフィルム形成
用基材フィルム10aは、ポリエステルフィルム11と
マット状の表面12sを有するポリオレフィン系樹脂層
12の積層構造となっている。また、ポリエステルフィ
ルム11とポリオレフィン系樹脂層12とは接着剤層1
3により接合している。
【0018】ここで、ポリオレフィン系樹脂層の表面1
2sのマット状態としては、写真用のマット状態が好ま
しい。また、その構成樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等を使用
することができる。このように基材フィルムのマット面
をポリオレフィン系樹脂層12で形成すると、容易に所
望のマット加工を施すことが可能となる。例えば、マッ
ト加工を施したロールを用いてそのロールのマット状態
をポリオレフィン系樹脂層に転写することにより、容易
にかつ安価に所望のマット加工を施すことが可能とな
る。また、ポリオレフィン系樹脂層は、後述するラミネ
ート層の形成に使用する熱可塑性樹脂の汎用溶媒に対し
て溶解性が低いので、溶媒を用いたラミネート層形成用
塗料のコーティングによりラミネート層を形成すること
が可能となる。さらに、ラミネート層との接着性が低い
ため、基材フィルムとラミネート層との間に剥離層を設
けることも不要となる。
【0019】ポリオレフィン系樹脂層12の厚さとして
は、マット加工前で10〜50μmが好ましい。ポリオ
レフィン系樹脂層12の厚さが薄すぎるとマット加工が
しにくく、厚すぎるとラミネートによる変形が生じやす
くなるので好ましくない。
【0020】一方、ポリエステルフィルム11として
は、PETフィルム、PENフィルム等を使用すること
ができる。このように基材フィルム10aの構成材料に
ポリエステルフィルムを使用することにより、この基材
フィルム10aを用いた転写型ラミネートフィルムのラ
ミネート層を印画紙にラミネートするときに、熱変形や
熱収縮を防止することができる。このポリエステルフィ
ルム11の表面凹凸状態あるいは平滑状態に関しては特
に制限はなく、例えば、両面が平滑な通常のフィルムを
好ましく使用することができる。また、ポリオレフィン
系樹脂層12と反対側のポリエステルフィルム11の面
11sが平滑面となるようにすると、この基材を用いた
転写型ラミネートフィルムのラミネート層を印画紙にラ
ミネートする際のエアの巻き込みを防止できるので好ま
しい。ポリエステルフィルム11の厚さとしては、25
〜100μmが好ましい。ポリエステルフィルム11の
厚さが薄すぎるとラミネート歪みが生じやすくなり、厚
すぎると熱伝導性が低下するので好ましくない。
【0021】ポリエステルフィルム11とポリオレフィ
ン系樹脂層12とを接合する接着剤層13は、塩素化ポ
リオレフィン系接着剤、エチレン−酢酸ビニル系接着剤
等から形成することができる。また、その厚さは、3〜
20μmが好ましい。接着剤層13の厚さが薄すぎると
接着不良が生じやすくなり、厚すぎるとラミネートによ
る変形が生じやすくなるので好ましくない。
【0022】図4は、本発明の他の態様の転写型ラミネ
ートフィルム形成用基材フィルム10bの断面図であ
る。同図の基材フィルム10bは、図3に示した基材フ
ィルム10aのポリオレフィン系樹脂層12と反対側の
ポリエステルフィルム11上にさらに接着剤層13を介
してポリオレフィン系樹脂層14を設けたものである。
これにより、基材フィルム10bのカールを確実に防止
することができる。この場合、ポリオレフィン系樹脂層
14の構成樹脂としては、マット状の表面を有するポリ
オレフィン系樹脂層12と同様に、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等を使用す
ることができる。また、その厚さは10〜50μmが好
ましい。ポリオレフィン系樹脂層14の厚さが薄すぎる
と、ポリオレフィン系樹脂層14を設けることによるカ
ール防止効果を得られなくなり、厚すぎてもカールしや
すくなるので好ましくない。一般には、両面のポリオレ
フィン系樹脂層12、14を同定度の厚さとすることが
好ましい。
【0023】図3、図4に示した本発明の転写型ラミネ
ートフィルム形成用基材フィルムは種々の方法で製造す
ることができるが、例えば、図3に示した転写型ラミネ
ートフィルム形成用基材フィルム10aは、図5に示し
たように、まず両面平滑なPETフィルム等のポリエス
テルフィルム11をロールから巻き出して接着剤13a
を塗布し、乾燥炉15を通して乾燥し、次に押し出しダ
イ16からポリオレフィン系樹脂を押し出しコーティン
グしてポリオレフィン系樹脂層12を形成する。さら
に、このポリオレフィン系樹脂層12に対して、マット
加工を施したロール17を重ね合わせ、冷却しながらロ
ール17のマット状態をポリオレフィン系樹脂層12に
転写し、転写型ラミネートフィルム形成用基材フィルム
10aを形成する。得られた転写型ラミネートフィルム
形成用基材フィルム10aはロール18に巻き取る。あ
るいは、図6に示したように、ポリエステルフィルム1
1に接着剤13aを塗布した後、ポリオレフィンフィル
ム12bをロールから巻き出してポリエステルフィルム
11上の接着剤層13に重ね、マット加工を施したロー
ル17と加熱ラミネーター19の間を通し、ロール17
のマット状態をポリオレフィンフィルム12bに転写
し、転写型ラミネートフィルム形成用基材フィルム10
aを形成し、それをロール18に巻き取るようにしても
よい。この他、ポリオレフィン系樹脂層の形成を、ポリ
オレフィン系樹脂のエマルジョンの塗工により行っても
よい。
【0024】本発明の転写型ラミネートフィルムは、以
上のような転写型ラミネートフィルム形成用基材フィル
ムのポリオレフィン系樹脂層上にラミネート層を設けた
ものである。例えば、図1に示した本発明の転写型ラミ
ネートフィルム20aは、図3に示した転写型ラミネー
トフィルム形成用基材フィルム10aのポリオレフィン
系樹脂層12上にラミネート層21を形成したものであ
る。
【0025】ここで、ラミネート層21は、熱圧着によ
り印画紙の画像形成面上に転写され、印画紙の表面を保
護し、耐皮脂性や耐可塑剤性等を向上させる機能を担う
層である。このため、印画紙の表面を良好に保護できる
と共に、熱圧着時に容易に基材フィルム10aから剥離
して印画紙の画像形成面に転着するように、基材10a
と非相溶性又は低相溶性であって且つ印画紙の画像形成
面と接着性の高い樹脂から適宜選択することが好まし
い。このような樹脂としては、例えば、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、セルロースアセテートブチレート、
ポリエステル等の熱可塑性樹脂を使用することができ
る。また、ラミネート層21は、印画紙に筆記性を付与
するための水性インク定着層用組成物(特願平5−12
5445号明細書)から形成してもよい。さらに、ラミ
ネート層21には、必要に応じて、UV吸収剤、酸化防
止剤、HALS(ヒンダードアミン光安定剤)、帯電防
止剤等を含有させることができる。
【0026】また、ラミネート層21の表面21sは光
沢面とすることが好ましい。これにより、ラミネート層
21を印画紙にラミネートするときにエアの巻き込みを
一層良好に防止できるようになる。
【0027】ラミネート層21の厚さは、印画紙に転写
させるときにエアの巻き込みを防止し、また印画紙に対
する接着力を高めるため、通常は15〜50μmとする
ことが好ましい。
【0028】図1に示した転写型ラミネートフィルム2
0aは、そのラミネート層21が、印画紙への接着機能
と、印画紙へラミネートした後の印画紙の表面保護機能
の双方を担うものであるが、本発明においては、この機
能を分離し、図2に示す転写型ラミネートフィルム20
bのように、ラミネート21を接着層22と表面保護層
23との2層構造としてもよい。
【0029】また、必要に応じてラミネート層21をさ
らに多層構造としてもよい。例えば、基材フィルム10
aのポリオレフィン系樹脂層12の表面に、予め、帯電
防止剤を塗布しておき、その上に表面保護層23と接着
層22を順次形成してもよい。これにより、印画紙へラ
ミネート層21を転写するときの帯電防止を図ることが
できる。
【0030】また、ラミネート層21と基材フィルム1
0aとの間には、前述のように必ずしも剥離層を設ける
必要はないが、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フ
ッ素系樹脂等の剥離層、あるいはシリコーン系剥離剤、
フッ素系剥離剤、脂肪酸エステル等を内添した樹脂層を
設けてもよい。
【0031】本発明の転写型ラミネートフィルムは、種
々の方法で製造することができるが、例えば図1に示し
た転写型ラミネートフィルム20aは、図7に示したよ
うに、本発明の転写型ラミネートフィルム形成用基材フ
ィルム10aをロールから巻出し、ラミネート層形成用
塗料21aを塗布し、乾燥炉24を通して乾燥すること
により製造することができる。得られた転写型ラミネー
トフィルム20aは、ロール25に巻き取る。この場
合、ラミネート層形成用塗料21aの塗布方法として
は、グラビアコータ、ロールコーター、リバースコータ
ー、ダイコーター等の一般的なコーティング装置を用い
て行うことができる。
【0032】本発明の転写型ラミネートフィルムは、従
来の転写型ラミネートフィルムと同様に使用することが
できる。例えば、図8に示したように、転写型ラミネー
トフィルム20aのラミネート層21を、画像を形成し
た印画紙4の画像形成面(即ち、染料受容層4a)上に
重ねてローラ5で熱圧着し(同図(a))、その後、基
材フィルム10aを剥離する(同図(b))。これによ
り、基材フィルム10aのポリオレフィン系樹脂層12
のマット加工面の凹凸が、印画紙4に転写したラミネー
ト層21の表面に転写されるので、印画紙4の画像面は
マット状となる。
【0033】
【作用】本発明の転写型ラミネートフィルム用基材フィ
ルムは、PET等のポリエステルフィルムと、表面にマ
ット加工が施されているポリオレフィン系樹脂層からな
っている。また、この基材フィルムとラミネート層とか
ら本発明の転写型ラミネートフィルムは構成されてい
る。ここで、基材フィルムを構成するポリエステルフィ
ルムは、ポリオレフィンフィルムや塩化ビニルフィルム
等に比して耐熱性が高い。したがって、本発明の転写型
ラミネートフィルムを用いてラミネート層を印画紙にラ
ミネートすると熱変形や熱収縮を防止することが可能と
なる。
【0034】また、本発明の基材フィルムのマット加工
面は、ポリオレフィン系樹脂層から形成されているが、
このポリオレフィン系樹脂層へのマット加工は、表面に
マット加工を施したロールを押圧すること等により容易
に行うことができる。したがって、本発明の基材フィル
ムは、表面に所望のマット状態を有し、かつ安価に得ら
れるものとなる。
【0035】さらに本発明の基材フィルムは、ポリエス
テルフィルムとポリオレフィン系樹脂層からなるので、
その熱伝導性が紙類に比して高い。したがって、このよ
うな基材フィルムを用いた本発明の転写型ラミネートフ
ィルムからそのラミネート層を印画紙にラミネートする
と、ラミネートに必要なエネルギーを節減することが可
能となり、ラミネート速度を向上させることが可能とな
る。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0037】実施例1 38μm厚のPETフィルム上に以下の組成の接着剤を
乾燥厚が5μmとなるようにコーティングし、さらにそ
の上にポリエチレンをホットメルトダイにより押し出し
ながら厚さ25μmラミネートし、そのポリエチレン層
の上に写真様のマット加工を施したチルロール(冷却ロ
ール)を押しつけ、ポリエチレン層の表面にマット加工
面を形成し、基材フィルムを得た。
【0038】 [接着剤組成] 塩素化ポリオレフィン接着剤 42.5重量% (スーパークロン822(固形分20%)、日本製紙(株)製) 3官能エポキシ化合物 1.5重量% (エポトートYH300、東都化成(株)製) 第3級アミン系触媒(DBU) 0.1重量% トルエン 55.9重量%。
【0039】次に、マット加工面上に、表面保護層とし
て、ポリメチルメタクリレート(パラロイドA−11、
ロームアンドハース社製)の10%MEK溶液を乾燥厚
で約3μmとなるように塗布し、さらに以下のラミネー
ト形成用組成物Aを乾燥厚30μm塗布してラミネート
層を形成し、転写型ラミネートフィルムを製造した。 [ラミネート形成用組成物A] 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 24重量% (デンカビニール #1000D、電気化学工業(株)製) 可塑剤(ダイヤサイザー D160) 6重量% メチルエチルケトン 35重量% トルエン 35重量%。
【0040】一方、ラミネート層を適用する印画紙Aと
して、印画紙(UPC3010、ソニー(株)製)にカ
ラープリンター(UP−3000、ソニー(株)製)で
黒べた印画を行ったものを用意し、この印画紙Aの画像
上にラミネータ(IC−320、インターコスモス
(株)製)を用いて1m/minで上述の転写型ラミネ
ートフィルムをラミネートし、基材フィルムを剥離し
た。その結果、印画紙に良好なマット面を形成すること
ができた。
【0041】実施例2 25μm厚のPETフィルム上に実施例1と同様の接着
剤を乾燥厚が3μmとなるようにコーティングし、さら
にその上に20μm厚のポリプロピレンフィルムをラミ
ネートした。同様にして、PETフィルムの他方の面に
も20μm厚のポリプロピレンフィルムをラミネートし
た。そして、写真様のマット加工を施したヒートローラ
ー(ラミネーター)と他のローラーとの間を通し、片方
のポリプロピレンフィルムの表面にマット加工面を転写
し、基材フィルムを得た。
【0042】次に、マット加工面に、表面保護層とし
て、セルロースアセテートブチレート(CAB500−
5、イーストマンケミカル(株)製)を乾燥厚5μmと
なるように塗布し、さらに以下のラミネート形成用組成
物Bを乾燥厚25μm塗布してラミネート層を形成し、
転写型ラミネートフィルムを製造した。
【0043】 [ラミネート形成用組成物B] セルロースアセテートブチレート 15重量% (CAB551−0.01、イーストマンケミカル(株)製) セルロースアセテートブチレート 3重量% (CAB500−5、イーストマンケミカル(株)製) 可塑剤(ダイヤサイザ−DBP、三菱化成ビニル(株)製) 2重量% メチルエチルケトン 40重量% トルエン 40重量% 一方、ラミネート層をラミネートする印画紙Bを次のよ
うに作製した。まず、合成紙(YUPO、王子製紙
(株)製)60μm/コート紙60μm/合成紙(YU
PO、王子製紙(株)製)60μmの貼り合わせ基材上
に次の染料受容層用組成物を乾燥厚5μm塗布して印画
紙を形成し、次にこの印画紙上に、カラープリンター
(CVP−G7、ソニー(株)製)でインクリボン(V
PM−30STA、ソニー(株)製)を用いて黒べた印
画を行い、印画紙Bを得た。
【0044】 [染料受容層用組成物] セルロースアセテートブチレート 7.7重量% (CAB500−5、イーストマンケミカル(株)製) セルロースアセテートブチレート 7.7重量% (CAB551−0.01、イーストマンケミカル(株)製) シリコンオイル 0.5重量% (SF8427、東レダウコーニングシリコーン(株)製) ポリイソシアネート 0.5重量% (タケネートD110N、武田薬品工業(株)製) メチルエチルケトン 41.8重量% トルエン 41.8重量% そして、この印画紙Bの画像上に上述の転写型ラミネー
トフィルムを実施例1と同様にラミネートし、基材フィ
ルムを剥離した。その結果、印画紙に良好なマット面を
形成することができた。
【0045】実施例3 基材フィルムのPETフィルムとして、50μmのPE
Tフィルムを使用する以外は実施例1を繰り返して基材
フィルムを得、さらにそのマット加工面に上述のラミネ
ート形成用組成物Bを乾燥厚が25μmとなるように塗
布してラミネート層を形成し、転写型ラミネートフィル
ムを製造した。
【0046】得られた転写型ラミネートフィルムを印画
紙Bの画像上に実施例1と同様にしてラミネートし、基
材フィルムを剥離した。その結果、印画紙に良好なマッ
ト面を形成することができた。
【0047】比較例1 サンドブラストマット加工(エンブレット サンドマッ
ト75μm、ユニチカ(株)製)上にポリメチルメタク
リレート(パラロイドA−11、ロームアンドハース社
製)の10%MEK溶液を乾燥厚が約3μmとなるよう
に塗布し、この上に上述のラミネート形成用組成物Bを
乾燥厚が25μmとなるように塗布してラミネート層を
形成し、転写型ラミネートフィルムを製造した。
【0048】得られた転写型ラミネートフィルムを印画
紙Bの画像上に実施例1と同様にしてラミネートし、基
材フィルムを剥離した。その結果、画像面にはサンドブ
ラスト面のマット形状が転写され、光散乱が大きく、黒
濃度が低く見えた。また、マット形状が細かいため、指
紋も目立った。
【0049】比較例2 銀塩写真用マット状印画紙(富士写真フィルム(株)
製)上に上述のラミネート形成用組成物Bを乾燥厚が2
5μmとなるように塗布してラミネート層を形成し、転
写型ラミネートフィルムを製造した。
【0050】得られた転写型ラミネートフィルムを印画
紙Bの画像上に実施例1と同様にしてラミネートしよう
としたが、印画紙とラミネート層とを良好に密着させる
ためには、0.5m/minで3回ものラミネート操作
が必要であった。
【0051】比較例3 エンボス加工PETフィルム(エンブレットエンボス
(50μm厚)、ユニチカ(株)製)上に、直接ラミネ
ート形成用組成物Bを乾燥厚が40μmとなるように塗
布してラミネート層を形成し、転写型ラミネートフィル
ムを製造した。
【0052】得られた転写型ラミネートフィルムを印画
紙Bの画像上に実施例1と同様にしてラミネートし、基
材フィルムを剥離した。その結果、エアの巻き込みが多
く、外観不良となっていた。
【0053】
【発明の効果】本発明の転写型ラミネートフィルムによ
れば、印画紙上にマット状のラミネート層を形成するに
あたり、ラミネートに要するエネルギーを増大させず、
ラミネート速度を向上させ、かつ熱変形を生じさせるこ
となく、均一にラミネート層をラミネートすることが可
能となる。また、本発明によれば、転写型ラミネートフ
ィルムを安価に容易に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写型ラミネートフィルムの断面図で
ある。
【図2】本発明の転写型ラミネートフィルムの断面図で
ある。
【図3】本発明の転写型ラミネートフィルム用基材フィ
ルムの断面図である。
【図4】本発明の転写型ラミネートフィルム用基材フィ
ルムの断面図である。
【図5】本発明の転写型ラミネートフィルム用基材フィ
ルムの製造方法の説明図である。
【図6】本発明の転写型ラミネートフィルム用基材フィ
ルムの製造方法の説明図である。
【図7】本発明の転写型ラミネートフィルムの製造方法
の説明図である。
【図8】本発明の転写型ラミネートフィルムの使用方法
の説明図である。
【図9】従来の転写型ラミネートフィルムの断面図であ
る。
【図10】従来の転写型ラミネートフィルムの使用方法
の説明図である。
【符号の説明】
10a、10b 転写型ラミネートフィルム用基材フ
ィルム 11 ポリエステルフィルム 12 ポリオレフィン系樹脂層 13 接着剤層 20a、20b 転写型ラミネートフィルム 21 ラミネート層 22 接着層 23 表面保護層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムとポリオレフィン
    系樹脂層との積層体からなり、該ポリオレフィン系樹脂
    層の表面がマット加工されていることを特徴とする転写
    型ラミネートフィルム形成用基材フィルム。
  2. 【請求項2】 ポリエステルフィルムがPETフィルム
    からなる請求項1記載の転写型ラミネートフィルム形成
    用基材フィルム。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン系樹脂層と反対側のポリ
    エステルフィルムの表面が平滑である請求項1又は2記
    載の転写型ラミネートフィルム形成用基材フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の転写型
    ラミネートフィルム形成用基材フィルムのポリオレフィ
    ン系樹脂層上に熱可塑性樹脂からなるラミネート層を設
    けた転写型ラミネートフィルム。
  5. 【請求項5】 ポリオレフィン系樹脂層がポリエチレン
    又はポリプロピレンからなる請求項4記載の転写型ラミ
    ネートフィルム。
JP6197859A 1994-07-30 1994-07-30 転写型ラミネートフィルム Pending JPH0839947A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6084620A (en) * 1996-05-02 2000-07-04 Ricoh Company, Ltd. Image forming method and apparatus for rapidly fixing ink on a recording medium

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6084620A (en) * 1996-05-02 2000-07-04 Ricoh Company, Ltd. Image forming method and apparatus for rapidly fixing ink on a recording medium
US6161928A (en) * 1996-05-02 2000-12-19 Ricoh Company, Ltd. Image forming method and apparatus for rapidly fixing ink on a recording medium

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