JPH083964A - 陶磁質れんが又は陶磁質ブロックによる河川構造体 - Google Patents

陶磁質れんが又は陶磁質ブロックによる河川構造体

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JPH083964A
JPH083964A JP13587394A JP13587394A JPH083964A JP H083964 A JPH083964 A JP H083964A JP 13587394 A JP13587394 A JP 13587394A JP 13587394 A JP13587394 A JP 13587394A JP H083964 A JPH083964 A JP H083964A
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ceramic
river
water
riverbed
ceramic bricks
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JP13587394A
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Keizo Ota
惠三 太田
Fumio Omori
文雄 大森
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MASUMOTO YOSHIO
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MASUMOTO YOSHIO
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単で汎用性を持ち、施工に要する時
間、労力を削減し、かつ自然と調和する陶磁質れんが等
で河川構造体を構築する。 【構成】カルシウム(Ca)、リン(P)、鉄(Fe)を含有し、
通気性又は通水性を有する陶磁質れんが11,21又は陶磁
質ブロック31を河川沿岸の法面、河川敷又は河川内へ所
定形状に敷き詰める又は所定間隔で配列してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、護岸を目的として構築
される護岸構造体(河川に沿った地表面に対して)、治水
を目的として構築される河川敷構造体(川辺から川底に
かけて)、浄化を目的として構築される接水構造体(河川
に接触又は浸漬させて)など、河川に近接又は河川に対
して構築される陶磁質れんが又は陶磁質ブロックによる
河川構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】河川に対して構築されている河川構造体
には、護岸を目的とした護岸構造体、治水を目的とした
河川敷構造体などがある。従来、これらの河川構造体に
は、主としてコンクリートが直接打設されて河川敷全面
を覆ったり、コンクリートブロックを敷き詰めるなどし
て構築していた。これは、コンクリートの汎用性による
と共に、施工の簡便性に由来している。
【0003】一方、近年見られる自然環境保護の観点か
ら、動植物の生息を妨げないような特性、例えば動植物
の生息空間確保や通気性、通水性、を有するブロック等
を、河川構造体として用いる例も見られる。これらは、
コンクリート製品ではあるが、動植物の生息空間を確
保するための開口部や中空部を有するもの、前記開口
部や中空部に自然石や礫、多孔の人造ブロック物を充填
したものに分けることができる。用途が特定され、施工
もコンクリート単体の場合に比べ大変だが、環境に優し
い河川構造体を構築できる利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記河川構造体は、河
川に近接して居住する人間、又は河川の水を利用する人
間の便宜のために構築されるが、主としてコンクリート
を利用した従来の河川構造体は、自然の河川を人工的に
変質させてしまい、自然環境のバランスを崩す、場合に
よっては自然環境を破壊する場合がある。例えば、護岸
構造体により河川周辺の植物の生息を不能にしたり、河
川敷構造体により水中生物の生息不能、澱み(よどみ)に
よる水質汚染などを例に挙げることができる。
【0005】こうした問題は、河川構造体として使用し
ているコンクリートの性質に因るところが大きい。コン
クリートで河川敷等の全面を覆う河川構造体では、当然
に植物の植生を不能にするので、植物は当然に生息がで
きない。また、仮りに植生が可能なように、打設したコ
ンクリート面から地表面に対して孔を貫通させる、若し
くはコンクリートブロックを所定間隔で配列した場合で
も、コンクリートがアルカリ性を有するために、植物、
生物の生息を阻害してしまうのである。
【0006】その結果、河川周辺における生息条件が厳
しくなり、極めて自然に乏しい環境が創造されることに
なる。場合によっては、河川における澱みから水質汚染
が発生することもあり、人間にとっても問題となってき
ている。これを反省して用いられるようになってきてい
る通気性、通水性等を有するブロックの場合には、汎用
性が乏しく、施工に要する手間と費用がかさんでしま
う。そこで、自然環境を損なうことなく構築できる河川
構造体について再考し、より構造が簡単で汎用性に優
れ、かつ施工に要する手間と労力を緩和できる河川敷構
造体について検討することとした。
【0007】
【課題を解決するための手段】その結果開発したもの
が、カルシウム(Ca)、リン(P)、鉄(Fe)を含有し、通気
性又は通水性を有する陶磁質れんが又は陶磁質ブロック
を河川沿岸の法面、河川敷又は河川内へ所定形状に敷き
詰める又は所定間隔で配列してなる河川構造体である。
【0008】本発明における陶磁質れんがとは、生態系
を構成する炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)、
硫黄(S)、リン、塩素(Cl)、カルシウム、カリウム
(K)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、鉄、アルミ
ニウム(Al)、珪素(Si)のうち、酸素、硫黄、リン、カル
シウム、カリウム、ナトリウム、鉄、アルミニウムと珪
素を主成分とした焼成体で、特に、カルシウムをリン酸
三カルシウム(Ca3(PO4)2、3CaO・P25)又はセメント
鉱物(4CaO・Al23・Fe23、CaO・SiO2、2CaO・SiO
2、3CaO・SiO2、2CaO・Fe23)の形で含有するもの
が好ましい。具体的な主原料としては、高炉スラグ、溶
融スラグ、下水汚泥や都市ごみの焼成灰等の廃棄物や、
ヘドロの乾燥粉等がある。
【0009】
【作用】本発明の河川構造体は、水に触れることで極微
量の石灰を溶出し、コンクリートに比べて中性に近い弱
アルカリ性を有する陶磁質れんが又は陶磁質ブロックを
単位として構成されるため、従来アルカリ基(OH基)が植
物、生物の生息を妨げていた問題を解決する。また、こ
うした陶磁質れんが又は陶磁質ブロックは、一般に小孔
を無数に有していて、地表面と外界との通気性、通水性
とを確保する。この陶磁質れんが又は陶磁質ブロックの
小孔は、例えば水がこの小孔を通って移動する間に、水
が含有する不純物を捉えるので、陶磁質れんが又は陶磁
質ブロックは河川の水に対してフィルタの機能を有し、
水を浄化することができる。
【0010】石灰(CaO)を含有する陶磁質れんが又は陶
磁質ブロックは、この石灰を水(H2O)と反応させること
で消石灰(CaOH2)を生成し、この消石灰が陶磁質れんが
又は陶磁質ブロック中の二酸化珪素(SiO2)を加水分解す
ることにより、れんが表面はSi-OH基で覆われてしま
う。このSi-OH基が植物の付着を促し、れんがのフィル
タ機能による河川の浄化と相俟って、水中植物及び生物
が生息可能な環境を構築することができる。着色剤は、
構築した河川構造体の色彩を変えて見映えをよくし、主
原料となる廃棄物は、資源の再生に役立つと共に、陶磁
質れんが又は陶磁質ブロックのコストを下げる働きを有
する。
【0011】
【実施例】本発明の河川構造体の実施例について、図を
参照しながら説明する。図1は、護岸構造体1として、
河川4に沿った土手41に、陶磁質れんが11を敷き詰めた
状態を表す斜視図、図2は、河川敷構造体2として、河
川4の岸辺42から水底43にかけて、陶磁質れんが21を所
定間隔で配列した状態を表す斜視図である。図1又は図
2に見られるように、本発明の河川構造体は、コンクリ
ートを打設する代わりに所定形状の陶磁質れんが11又は
陶磁質ブロック12を敷き詰める又は所定間隔(一定間隔
だけでなく、不規則な間隔でもよい)で配列するだけで
よいという施工の簡便さがある。
【0012】図1に見られるように、護岸構造体1は、
所定形状、本実施例では直方体形状に焼成された陶磁質
れんが11を、河川4方向に沿って敷き詰めた外観を有す
る。本実施例に使用した陶磁質れんがは、粒径10mm以
下のセルベン又はタイル屑を60重量%以下、粒径10mm
以下の下水道汚泥溶融スラグ又は高炉スラグを60重量%
以下、湖沼ヘドロ乾燥粉又はごみ焼却灰を60重量%、
微粉状の粘土系廃棄粉を40重量%以下で混練、生成
し、焼成したものである。このように、原料はすべてを
廃棄物でまかなうことができ、製品歩留まりも高いのが
特徴である。
【0013】前記陶磁質れんが11を用いた護岸構造体1
は、コンクリートを打設して構築されたものではなく、
陶磁質れんが11を単位として敷き詰めて構築されるの
で、陶磁質れんが11,11間の隙間に植物が生息可能とな
る。これは、陶磁質れんが11が無数の小孔を有している
ため、たとえれんがに覆われている地表面と言えども、
植物に必要な水、酸素の通過が可能であることも大きな
要素となっている。
【0014】上記利点は、図2に見られるように、陶磁
質れんが21(上記実施例の陶磁質れんがとは原料組成は
同じ)を単位として河川敷構造体2を構築した場合、更
に効果的に現れる。従来のコンクリートを利用した河川
敷構造体では、河川と接する部分で、アルカリ性を示
し、水中植物及び生物の生息を阻害していたが、本発明
における河川敷構造体2に用いている陶磁質れんが21は
中性に近い弱アルカリ性を示し、更に無数の小孔がフィ
ルタとして水を浄化するので、自然の状態と変わらぬ環
境を実現できる。特に、フィルタ機能は、水流の遅いと
ころ、つまりは澱みが発生しやすい場所に有効である。
従来は、この澱みに因り水質が汚染されていたが、この
フィルタ機能によりそうした問題がなくなるのである。
【0015】上記陶磁質れんが又は陶磁質ブロックの特
性を積極的に利用したのが、接水構造体3である。図3
は、対抗面が貫通した陶磁質ブロック31(上記実施例の
陶磁質れんが11と原料組成は同じ)を、河川4の水底43
に浸漬させて配した状態を表す斜視図であり、図4には
その陶磁質ブロック31の斜視図を示す。陶磁質ブロック
31の浄化能力は、フィルタ機能が発揮されるように、川
の流れに対向する面の表面積を広くするのがよい。そこ
で、この接水構造体3においては、陶磁質ブロック31の
形状をL字型に成形した、図4に見られるような構造と
している。
【0016】これらの河川構造体1,2,3は、陶磁質れ
んが11,21又は陶磁質ブロック31だけを用いても上記の
ような効果が見られるが、図3に見られるように、必要
に応じて自然石又は礫等を共に載置したり、図4に見ら
れるような陶磁質ブロック31に自然石又は礫等を混在さ
せて浸漬させてもよい。この場合には、接水構造体3
は、水中生物、特に魚に対し、いわゆる「魚巣ブロック」
として機能することになる。この点に鑑み、陶磁質ブロ
ックの積み重ねの構造をもう少し複雑な形状として、陶
磁質ブロック単体で「魚巣ブロック」としての機能を持た
せてもよい。
【0017】また、護岸構造体、河川敷構造体、そして
接水構造体は、それぞれ独立して設けられるものである
が、施工後の外観の統一性を考えれば、図5に見られる
ように各構造体1,2,3を同一河川4に対し、若しくは
選択して組み合わせ、施工することも考えられる。当然
に、環境等をあまり考慮しなくてよい場所には従来通り
コンクリートを利用した施工を行い、河川に接する部分
に本発明の河川構造体を施工することも可能であるし、
既に施工済みの河川に対し、河川の浄化を目的として接
水構造体のみを設置することも可能である。また、陶磁
質れんが又は陶磁質ブロックは用途が限定されず、河川
を中心としてかなり広い範囲に用いることができ、護岸
構造体から接水構造体までを連続して一体の構造物とし
て構築することも可能である。
【0018】河川構造体の外観は、単位となる陶磁質れ
んが又は陶磁質ブロックの配列、組み合わせによるだけ
でなく、陶磁質れんが又は陶磁質ブロックの原料に混入
した着色剤により色彩的に変化を持たせることができ
る。主原料として、汚泥溶融スラグや回収されたヘドロ
の乾燥粉を用いることができるので、資源の再生にも寄
与する。
【0019】
【発明の効果】本発明の河川構造体により、河川の護岸
等の施工により人工物にあっても、自然環境に馴染むだ
けでなく、生態系の繁殖に適した環境を積極的に構築で
きるようになる。単位となる陶磁質れんがは、その製造
も簡単な上、副原料として用いた着色剤が河川構造体の
色彩的なデザインをも可能としながら、主原料として廃
棄物を利用できることから、単価を抑えることができ
る。
【0020】従来のコンクリートの打設や魚巣ブロック
への礫の充填などのように、複雑で手間の掛る施工は不
要で、施工に要する労力と経費を軽減することができ
る。以上のように、本発明の河川構造体は、単位となる
陶磁質れんがのコストは低く、生態系への寄与という高
い効果が得られることから、費用対効果が優れていると
いえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】護岸構造体を表す斜視図である。
【図2】河川敷構造体を表す斜視図である。
【図3】接水構造体を表す斜視図である。
【図4】接水構造体に使用する陶磁質ブロックの斜視図
である。
【図5】護岸構造体、河川敷構造体、接水構造体を同河
川に設けた斜視図である。
【符号の説明】
1 護岸構造体 2 河川敷構造体 3 接水構造体 11 陶磁質れんが 21 陶磁質れんが 31 陶磁質ブロック

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルシウム(Ca)、リン(P)、鉄(Fe)を含
    有し、通気性又は通水性を有する陶磁質れんが又は陶磁
    質ブロックを河川沿岸の法面、河川敷又は河川内へ所定
    形状に敷き詰め又は所定間隔で配列してなる河川構造
    体。
JP13587394A 1994-06-17 1994-06-17 陶磁質れんが又は陶磁質ブロックによる河川構造体 Pending JPH083964A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104773929A (zh) * 2015-05-04 2015-07-15 河海大学 灌区生活污水零价铁/微生物复合渗滤墙净化***

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