JP2004024204A - 水中又は水浜の環境改善方法及び環境改善用資材 - Google Patents

水中又は水浜の環境改善方法及び環境改善用資材 Download PDF

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Abstract

【課題】安価に且つ大量に入手できる敷設材料を用い、特に水浜や浅場・干潟等において生物の棲息に好ましい環境を形成する。
【解決手段】粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上である高炉水砕スラグを水底又は水浜に敷設する。高炉水砕スラグは性状・外観が天然砂に近く、且つ化学的な底質・水質浄化作用を有するとともに、ケイ酸塩イオン放出源としても機能するため、敷設材料として好適であり、しかもスラグの粒度構成を調整してあるため底棲生物の棲息に好適な水底を形成でき、また針状物の割合が非常に少ないため安全な水底、水浜を形成できる。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、水中又は水浜の環境改善技術に関するもので、特に、覆砂、養浜、浅場や干潟の造成等において生物の棲息に好ましい環境を提供するのに好適な環境改善方法及びこれに用いられる資材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、港湾その他の沿岸海域において、底質のヘドロ化による底質・水質の汚染、海砂の採取・流失による浅場や砂浜の消失等が問題となっている。なかでも、底質・水質の汚染等により直接又は間接に引き起こされる青潮や赤潮の発生、海藻や水中生物の生育・棲息環境の衰退、消失等の防止対策が大きな課題となっており、これを解決できる海洋環境改善技術の開発が望まれている。
【0003】
従来、ヘドロ化した底質を改善するために海底を天然砂(海砂、山砂)を用いて覆砂する等の対策が採られることがあり、水底にヘドロが堆積している場合は同時にヘドロの浚渫が行われることもある。
また、天然砂で覆砂する場合には、同時に砂質水底に棲息する魚介類等の棲息場の造成も兼ねて行うことがあり、また築磯効果を期待して天然砂に代えて天然石を用いる場合もある。
【0004】
しかし、覆砂材として天然砂や天然石を用いることは、その採取によって新たな環境破壊が引き起こされるおそれがある。また、天然砂や天然石は特に化学的な底質・水質浄化作用、すなわち底質から溶出する燐等の富栄養成分の除去作用や硫化水素の発生抑制・除去作用等を有していないため、これらでヘドロ化した水底を覆砂しても底質・水質の浄化効果はあまり期待できない。このため沿岸海域における赤潮や青潮の発生、生物や海藻の棲息・生育環境の減衰・消失等の問題を効果的に改善することができない。
【0005】
また、近年、海岸の浸食等によって消失した砂浜の回復を目的とし、或いは海洋レクリエーションの場である人工ビーチの造成を目的として、海浜に大量の砂を投入する、所謂養浜が行われている。さらに、最近では干潟や浅場の優れた水質浄化機能が認識されつつあり、失われた干潟や浅場を人工的に復元したり、新たに造成する試みがなされているが、この場合にも覆砂や造成のために大量の砂等が投入される。しかし、このような養浜や干潟・浅場等の造成に用いる敷設材を天然砂や天然石に求めた場合、その採取により新たな環境破壊が引き起こされるおそれがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、天然砂や天然石以外で安価に且つ大量に入手できる敷設材を用い、水底や水浜における好ましい環境、特に覆砂、養浜、浅場や干潟の造成等において砂地に棲息する生物に好適な環境を形成することができる環境改善方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、赤潮や青潮の発生防止、磯焼けなどによる海藻成育環境の衰退・消失の防止等にも有効な環境改善方法を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、そのような環境改善方法に好適な敷設用資材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述したような従来技術の問題に対し、本発明者らは、特に覆砂や養浜、或いは干潟、浅場の造成に好適な敷設材料について検討を行い、その結果、鉄鋼製造プロセスで発生する高炉水砕スラグが、▲1▼性状、外観ともに天然砂に近いこと、▲2▼天然砂とは異なり、水中に敷設した場合に化学的な底質・水質浄化作用を有していること、▲3▼ケイ酸を多量に含み且つケイ酸塩イオンの溶出性が高いため、珪藻類、海藻類の生育や赤潮等の発生防止に有効なケイ酸塩イオンの放出源として有効に機能すること、▲4▼安価で且つ大量に入手することができるため広い水域や海浜に大量に投入することができること、等の点で上述した敷設材料として非常に好適なものであることを見い出した。
【0008】
さらに、本発明者らは、覆砂や養浜、或いは干潟、浅場の造成に敷設材料として適用する際の高炉水砕スラグの最適条件について検討を行い、その結果、高炉水砕スラグ特有の性状及び粒子形態からして、特定の粒度構成を有する高炉水砕スラグを用いることが特に有効であることを見い出した。
本発明は以上のような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下の通りである。
【0009】
(1) 粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上である高炉水砕スラグを水底又は水浜に敷設することを特徴とする水中又は水浜の環境改善方法。
(2) 粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上である高炉水砕スラグを水底又は水浜に敷設することを特徴とする水中又は水浜の環境改善方法。
(3) 上記(1)又は(2)の環境改善方法において、高炉水砕スラグを、覆砂材、養浜材、浅場造成材、干潟造成材、藻場造成材、磯焼け防止材、赤潮防止材又は青潮防止材として、水底又は水浜に敷設することを特徴とする水中又は水浜の環境改善方法。
【0010】
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかの環境改善方法において、水底又は水浜に敷設された高炉水砕スラグがケイ酸塩イオン放出源となることを特徴とする水中又は水浜の環境改善方法。
(5) 水底又は水浜に覆砂材、養浜材、浅場造成材、干潟造成材、藻場造成材、磯焼け防止材、赤潮防止材又は青潮防止材として敷設される資材であって、粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上である高炉水砕スラグからなることを特徴とする水中又は水浜の環境改善用資材。
(6) 水底又は水浜に覆砂材、養浜材、浅場造成材、干潟造成材、藻場造成材、磯焼け防止材、赤潮防止材又は青潮防止材として敷設される資材であって、粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上である高炉水砕スラグからなることを特徴とする水中又は水浜の環境改善用資材。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の水中又は水浜の環境改善方法では、所定の粒度構成を有する高炉水砕スラグを水底又は水浜に敷設するものであるが、高炉水砕スラグが水底や水浜への敷設材料として非常に好適なものである理由は以下の通りである。
▲1▼ 高炉水砕スラグは粒状で且つ白色であり、天然砂に近い性状及び外観を有しているため、砂地に棲息する生物に適した環境を提供できる。
▲2▼ 高炉水砕スラグは天然砂とは異なり、水底や水浜に敷設した場合に化学的な底質・水質浄化作用を有している。
【0012】
▲3▼ 高炉水砕スラグはケイ酸を多量に含み、且つケイ酸塩イオンの溶出性が高いため、海藻類の生育、磯焼けや赤潮の発生防止に有効なケイ酸塩イオンの放出源として有効に機能する。
▲4▼ 高炉水砕スラグは鉄鋼製造プロセスにおいて副生成物として大量に生産され、しかも非常に安価な材料であるため水中や水浜への大量投入が可能であり、例えば、1つの海域や海浜に百万トンオーダーで投入することが可能である。
なお、上記▲2▼、▲3▼の作用については、後に詳述する。
【0013】
本発明法は、特に砂地に棲息する生物(例えば、貝類やゴカイ類の底棲生物)に好適な水底又は水浜環境を提供することができる環境改善方法であり、したがって、覆砂、養浜、浅場造成、干潟造成等に特に好適に適用できる。これらの場合には、高炉水砕スラグを覆砂材、養浜材、浅場造成材又は干潟造成材等として水底又は水浜に敷設する。
また、本発明法は藻場造成、磯焼け防止、赤潮防止、青潮防止にも有効であり、これらの場合には、高炉水砕スラグを藻場造成材、磯焼け防止材、赤潮防止材又は青潮防止材として水底又は水浜に敷設する。
【0014】
高炉水砕スラグとしては、鉄鋼製造プロセスにおいて副生成物として得られたままのスラグ、或いはスラグを地鉄(鉄分)除去したもの、破砕処理したもの、地鉄除去の前又は後に破砕処理したものなどを用いることができるが、本発明法ではこれらのスラグを篩い分けなどで粒度調整し、所定の粒度構成とした高炉水砕スラグを用いる。
【0015】
海底、海浜、干潟等の砂地に棲息する貝類やゴカイ類等の底棲生物の棲息量は、砂地を構成する砂の大きさと大きく関係し、比較的粗めの砂の方が棲息量が多い。これは、砂地に棲息する生物の多くは砂の中に潜り込んで棲息するため、砂が或る程度粗く、砂粒子間の隙間が大きい方がそれら生物が棲息しやすい環境となるからである。しかし、隙間が大き過ぎると、小さな生物にとっては逆に棲息しにくい環境となるため、隙間の大きさも適度なものである必要がある。
【0016】
高炉水砕スラグは、元々(すなわち、生成ままの状態で)粒径5mm以下のスラグ粒子の割合が90mass%以上で、D50が1mm〜1.5mm程度の粒状のものである。図1に、生成ままの高炉水砕スラグの代表的な精度構成(篩い通過重量)を示す。また、この高炉水砕スラグは、その製法上の理由から針状物が多く含まれており、この針状物は人や生物が触れると、刺さって傷を負わせるような鋭いものである。
【0017】
本発明者らは、ヘドロの堆積した浅場の海底に種々の粒度構成を有する高炉水砕スラグを敷設し、一定期間経過後における底棲生物(貝類やゴカイ類)の棲息量を確認する実験を行った。その結果、高炉水砕スラグを敷設した浅場の海底は、その粒度構成に拘りなくヘドロの堆積した海底に較べて底棲生物の棲息量の増加が認められたが、特に粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上の粒度構成、とりわけ粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上の粒度構成を有する高炉水砕スラグを敷設した場合に、底棲生物の棲息量の顕著な増加が認められた。
【0018】
また、高炉水砕スラグを篩目が0.49mmと1.18mmの篩でふるって、粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合及び粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合と針状物の含有量との関係を調査した。その結果を表1に示す。これによれば、粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が増えると針状物の割合が減少し、特に粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上の粒度構成になると、針状物の含有量は当初(篩い分け前)の1/10程度になっている。また、粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上では、針状物の含有量は当初(篩い分け前)の1/100程度になっている。したがって、高炉水砕スラグの粒度構成を、粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上とすることにより、針状物の含有量が少ない安全性の高い敷設材とすることができる。
【0019】
【表1】
Figure 2004024204
【0020】
また、細粒分を多く含んだ高炉水砕スラグを水中や水浜に敷設すると、敷設層中で細粒部分が次第に偏在し、この偏在した細粒部分が固結してしまうことがあるが、上述したような比較的粗い粒度構成とすることにより、そのような細粒部分の固結も生じることはない。
以上の理由から、本発明法では、粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上である高炉水砕スラグを水底又は水浜に敷設するものである。また、表1の結果等からして、高炉水砕スラグのより好ましい粒度構成は粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が80mass%以上である。
このような粒度構成の高炉水砕スラグを得るために、通常、高炉水砕スラグの篩い分けを行う。篩い分け法は、乾式篩い、湿式篩い、気流分離などのいずれでもよい。
【0021】
以下、本発明法の基本的な実施形態について説明する。
(A)青潮発生防止等を目的とする高炉水砕スラグの敷設(覆砂)
内湾等において水底で海水の停滞が生じると硫化水素が発生し、所謂青潮の発生原因となる。
硫化水素の主要な発生源は、水が停滞しやすく且つ有機物が堆積し、酸素消費量が多いヘドロ状の水底部であり、特に土砂採取等によって水底が部分的に掘られ、比較的深さのある凹部が形成された水底部において硫化水素が発生しやすい。すなわち、このような凹部内では水が停滞する結果、特に夏期において著しい無酸素状態となり、有機物の腐敗やバクテリア(硫酸還元菌)の作用によって大量の硫化水素が発生し、硫化水素を含んだ大量の無酸素水塊が生じる。このように凹部内で硫化水素が大量発生すると、凹部内やその周囲の棲息生物が減少するだけでなく、硫化水素を含んだ上記水塊が周辺水域に流出し、所謂青潮の発生に至る。また、凹部以外の水底部であっても、水が停滞しやすく且つ有機物が堆積して酸素消費量が多いヘドロ状の水底部では、同様に硫化水素が発生して硫化水素を含んだ無酸素水塊が生じ、底棲生物のへい死を招いたり、無酸素水塊が周辺水域に流出して青潮を発生させたりする。
【0022】
従来、このような問題に対しては、水底(特に水底の凹部)に石灰を散布したり、水底を天然砂(海砂、山砂)を用いて覆砂する、などの対策が採られているが、先に述べたように天然砂や天然石は特に化学的な底質・水質浄化作用を有していないため、これらを水底に敷設した場合、例えば、夏期の海水停滞期や生物の活動が活発な時期になると、ヘドロが堆積していない状態でも間隙水中において硫酸還元菌の作用により数ppm程度の硫化水素が生成してしまう。
【0023】
一方、水底に石灰を散布する方法には、▲1▼多大なコストかかる、▲2▼pHの制御が困難で水質が高アルカリになる場合がある、▲3▼石灰が水底で板状に固まってしまうため、その下部の泥質中の水が入れ替らず、このため硫化水素がより多量に発生し、ある時期に板状に固った石灰層が崩壊すると高濃度の硫化水素を含む水が周囲に流れ出てしまう、等の問題がある。また、石灰を散布するとしても石灰によって凹部を埋めてしまうことは困難であるため、結果的に凹部はそのまま残ることになり、したがって、凹部内の水が夏期の海水停滞期に無酸素化し、硫化水素が大量発生するという現象を根本的に解消することはできない。
【0024】
このような問題に対し、本発明法により所定の粒度構成を有する高炉水砕スラグを硫化水素の発生源となる水底に敷設することによって、硫化水素の発生(さらには、海水の富栄養化)とこれにより引き起こされる青潮の発生を効果的に抑制することができる。また、水底に敷設された高炉水砕スラグは、先に述べた理由により底棲生物に対して良好な棲息環境を提供し、それらの棲息量の顕著な増大をもたらす。
【0025】
本発明法により硫化水素の発生源となる水底(例えば、水底に形成された凹部)に高炉水砕スラグを敷設することにより、以下のような作用が得られる。
(1) 高炉水砕スラグは化学的な底質・水質浄化作用を有している。すなわち、高炉水砕スラグ中に含まれるCaOが水中に溶出することによって水中のpHが適度に高められ、この結果、硫化水素を発生させる硫酸還元菌の活動が抑制される。また、高炉水砕スラグに含まれるCaO、Feによって水中の硫化水素を固定化することにより、水中の硫化水素の低減化が図られる。さらに、高炉水砕スラグ中に含まれるCaOによって水中の燐が吸着・固定され、青潮発生等の要因の一つである水の富栄養化が抑制される。このため高炉水砕スラグを水底の凹部等のような硫化水素の発生源に敷設した場合、その領域で底泥からの硫化水素の発生が抑制されるとともに、敷設材上部層の間隙水中での硫化水素の発生も抑制され、さらに、スラグ粒子への硫化水素や燐の固定化作用による水質浄化作用も得られる。また、敷設材の上部層は硫化水素が少なく溶存酸素の多い状態となるため着生する生物にとって棲息しやすい環境となり、生物の着生基盤としても高い機能を有することになる。
【0026】
(2) 高炉水砕スラグは高温の溶融状態にある高炉スラグ(溶融スラグ)を噴流水で急冷して得られるものであるため、その形態や組織において他のガラス質材料には無い以下のような特質がある。すなわち、一般のガラス質材料は組織が緻密であるのに対し、高炉水砕スラグの場合には、溶融状態にあるスラグを噴流水で急冷する過程でスラグ中に溶け込んでいる窒素や水分などによってスラグが発泡するため、得られるスラグ粒子は無数の内部気孔を有する多孔質組織のガラス質材料となり、しかも比較的細かい粒子となる。また、同様の理由から高炉水砕スラグの粒子は角張った形状(表面に多数の尖った部分を有する形状)を有している。このような形態上の特徴から、高炉水砕スラグの集合物は一般のガラス質材料からなる粒状物の集合物に較べて充填間隙が大きく、加えて本発明で使用する高炉水砕スラグは比較的粗い粒度構成を有しているため、通水性が非常に優れている。このためスラグ粒子間の間隙の水が入れ替りやすく、この間隙での溶存酸素濃度が十分に確保されるため、底棲生物に良好な環境を提供することができる。
【0027】
(3) 高炉水砕スラグを水底に敷設した場合、スラグからのCa分の微量溶解によって間隙水中のpHが8.5程度に維持されることで、硫酸還元菌の活性が弱められ、硫酸還元菌による硫化水素の発生が効果的に抑制されるが、特に高炉水砕スラグは上述したようにガラス質であることから、他のスラグに較べて含有成分の溶出や水中又は底泥中の成分との反応が非常にゆっくりと進行する。このため水中のpHを急激に上昇させたり、底質・水質の改善効果が短期間で消失することがない。
【0028】
(4) 天然砂や天然石を硫化水素の発生源である水底の凹部に敷設した場合、凹部の内壁に敷設材による大きな圧力が作用し、敷設後ある程度の期間が過ぎると敷設材が凹部の内壁を押し広げて水平方向に広がってしまい、その結果、敷設当初は周囲の水底面と略同レベルであった敷設材の上面レベル(水底面)が大きく沈下し、これより水の停滞を生じるような凹部が再び形成されてしまうという問題がある。
これに対して高炉水砕スラグは天然砂や天然石に較べて内部摩擦角がかなり大きく、このため高炉水砕スラグを水底の凹部に敷設した場合、敷設材から凹部の内壁に作用する圧力が比較的小さい。このため天然砂や天然石を用いた場合のように敷設材が凹部の内壁を押し広げて水平方向に広がってしまう現象が生じにくく、敷設材の上面レベル(水底面)の沈下も生じにくい。特に、高炉水砕スラグは他のスラグに較べても内部摩擦角が大きく、このため凹部内壁に対する圧力が小さく、また他のスラグに較べて嵩密度も小さいため、自重による沈下も起こりにくい。したがって、敷設材の上面レベル(水底面)の沈下も最小限に抑えることができる。
【0029】
これを図2及び図3に基づいて説明する。図2は敷設材として天然砂や天然石を用いた従来法、図3は敷設材として高炉水砕スラグを用いた本発明法を示している。まず、従来法のように天然砂や天然石を水底の凹部1に敷設した場合(図2(a))、凹部1の内壁に敷設材2による大きな圧力Fが作用し、敷設後ある程度の期間が過ぎると、図2(b)に示すように敷設材2が凹部1の内壁を押し広げて水平方向に広がってしまう。その結果、敷設当初は周囲の水底面Yと略同レベルであった敷設材の水底面Xが沈下し、これより再び凹部1′が形成されてしまう。これに対して高炉水砕スラグを水底の凹部1に敷設した場合(図3(a))、高炉水砕スラグは天然砂や天然石に較べて内部摩擦角がかなり大きいため、敷設材2から凹部1の内壁に作用する圧力Fが小さい。このため図3(b)に示すように敷設材2が凹部1の内壁を押し広げて水平方向に広がってしまう現象が生じにくく、敷設材2の水底面Xの沈下も生じにくい。
【0030】
(5) 敷設材を水底に敷設する場合、敷設材を船で敷設場所に運搬し、これを船上から直接又はシュート等を介して硫化水素の発生源となる水底に投入することになるが、この際、水底を構成する泥質や堆積したヘドロが水中に巻き上げられて大量の浮泥が発生し、この浮泥により周辺水域の水質や水底が汚染されてしまうという問題がある。ここで、高炉水砕スラグは比較的多量の未反応Caを含んでおり、このため個々のスラグ粒子の表面にも未反応Caが存在している。このため敷設材として高炉水砕スラグを船上から水底に投入した場合、水底を構成する泥質や堆積したヘドロが水中に巻き上げられて大量の浮泥が発生するが、浮泥は水底に降下する途中のスラグの表面に存在するCa基により凝集・捕捉され、スラグとともに水底に沈降する。特に、スラグは天然砂や天然石等に較べて真比重が大きいので、浮泥を凝集・捕捉したスラグは水底に速やかに沈降する。この結果、敷設材の水底への投入に伴う浮泥の発生と、この浮泥による周辺水域の水質や水底の汚染が適切に防止できる。
【0031】
本実施形態において高炉水砕スラグを敷設する対象となる水底とは、硫化水素の発生源である又は発生源となるおそれのある水底であり、具体的には、(1)水底に形成された凹部、(2)底層水中で硫化水素が検出された水域又は底層水中の溶存酸素濃度が所定値以下の水域の水底、(3)底層水の流速が所定値以下の水域の水底、(4)水中に水温又は/及び塩分濃度による密度躍層が形成された水域の水底、のいずれかが対象となる。また、適用される水域としては、港湾を含む海、河川、河口、湖沼等のいずれでもよい。
【0032】
本実施形態において高炉水砕スラグを敷設する対象となる水底の凹部とは、通常は土砂採取や浚渫等によって水底に人為的に形成された穴状または溝状の凹部であるが、これに限定されるものではなく、例えば、自然に形成された水底の凹部や、土砂採取や元々の地形により傾斜面や浅い凹部が形成されている水底にケーソン等を設置することで人工的に形成された凹部等も対象となる。一般に凹部が形成される水底は泥質又は砂質である。このような水底に形成された凹部は、水が停滞しやすく、またヘドロも溜まりやすいため、硫化水素の発生源となりやすい。
なお、凹部の定義としては、水の停滞等を考慮した場合、一般には周囲の水底面よりも2m以上深くなっている水底部を凹部としてよい。また、場合によっては、周囲の水底面よりも1m以上深くなっている水底部、或いは0.5m以上深くなっている水底部を凹部としてよい。
【0033】
ここで、適用される凹部の種類や規模には特別な制約はないが、典型的な形態として以下のようものがある。
(a) 自然に存在する水底の凹部:このような水底の凹部は比較的面積が大きい。一般にこの種のもので本発明法の対象となる凹部は、平面的でみて最も幅が狭い部分の幅が50m以上、深さが2m以上あるような規模の凹部である。
(b) 土砂採取や浚渫等によって水底に人為的に形成された凹部:このような水底の凹部は比較的面積が小さい。一般にこの種のもので本発明法の対象となる凹部は、平面的でみて最も幅が狭い部分の幅が10m以上、深さが5m以上あるような規模の凹部である。
(c) 水底にケーソン等の構造物を設置した場所において、この構造物と水底(例えば、自然に存在する水底の凹部や、土砂採取や元々の地形により傾斜面や浅い凹部が形成されている水底)とにより結果的に形成された凹部:このような水底の凹部も比較的面積が小さい。一般にこの種のもので本発明法の対象となる凹部は、平面的でみて最も幅が狭い部分の幅が10m以上、深さが2m以上あるような規模の凹部である。
【0034】
凹部内へ敷設材(高炉水砕スラグ)の敷設形態に特に制限はないが、凹部内に敷設された敷設材上面により形成される水底面は、その周囲の水底面と略同等かそれ以上の高さを有することが好ましい。また、少なくとも、敷設された敷設材により形成される水底面Aの平均水深dと凹部周囲(凹部近傍の周囲)の水底面Bの平均水深dとの差[d−d]が2m以下、好ましくは1m以下、より好ましくは0.5m以下、特に好ましくは0.3m以下(但し、いずれも[d−d]がマイナス値の場合を含む)となるようにすることが特に望ましい。この差[d−d]が2m以下、好ましくは1m以下、より好ましくは0.5m以下、特に好ましくは0.3m以下であれば、凹部が十分に浅くなるため凹部内外での水の流出入が円滑に行われるようになり(すなわち、凹部内での水の停滞がなくなる)、夏期等に凹部内の水が無酸素状態になるような現象が適切に防止できる。
【0035】
ここで、敷設材上面により形成される水底面Aの平均水深dとは、敷設材により形成される水底面Aに起伏や凹凸があるために水深にバラツキがある場合に、その水底面を平らに均した際の水深であり、また、凹部周囲(凹部近傍の周囲)の水底面Bの平均水深dとは、凹部周囲の水底面Bに起伏や凹凸があるために水深にバラツキがある場合に、その水底面を平らに均した際の水深である。
【0036】
また、上述のように水底の形態(凹部)に基づいて敷設材の敷設場所を選定する以外に、底層水中の硫化水素又は溶存酸素濃度を測定し、底層水中で硫化水素が検出された水域又は底層水中の溶存酸素濃度が所定値以下の水域の水底に、敷設材(高炉水砕スラグ)を敷設するようにしてもよい。
ここで、底層水とは水底の近くに存在する水のことであり、一般には水の深さ方向で水底から2m以内、好ましくは1m以内の水であればよく、このような底層水で硫化水素が検出され、或いは測定された溶存酸素濃度が所定値以下である水域の水底に敷設材を敷設する。硫化水素の場合は、それが底層水から検出されれば、その水域の水底に敷設材を敷設する。また、溶存酸素濃度の場合は、一般に底層水の溶存酸素濃度が飽和溶存酸素濃度の10%以下であると硫酸還元菌の作用によって硫化水素が発生するおそれがあるため、溶存酸素濃度が飽和溶存酸素濃度の10%以下の水域の水底に敷設材を敷設することが好ましい。また、一般に底層水の溶存酸素濃度が飽和溶存酸素濃度の60%以下であると底棲生物の棲息に問題を生じるため、溶存酸素濃度が飽和溶存酸素濃度の60%以下の水域の水底に敷設材を敷設するようにしてもよい。
【0037】
また、底層水の流速を測定し、その流速が所定値以下である水域の水底に、敷設材(高炉水砕スラグ)を敷設するようにしてもよい。底層水の流速が小さく、水の停滞が生じやすい水底が硫化水素の発生源となりやすいからである。なお、底層水とは先に述べた通り水底の近くに存在する水のことであり、一般には水の深さ方向で水底から2m以内、好ましくは1m以内の水であればよい。
一般に底層水の流速が20cm/秒以下の水域は底層水の溶存酸素濃度や硫化水素濃度が水底の影響を強く受けるため、そのような流速の水域の水底に敷設材を敷設することが好ましい。
【0038】
さらに、水中に水温や塩分濃度による密度躍層が形成された水域の水底に、敷設材(高炉水砕スラグ)を敷設するようにしてもよい。水中に密度躍層が形成されると、大気から水中に供給される酸素が底層水まで拡散しにくくなり、硫化水素が発生しやすくなる。
密度躍層が形成されたことは水中の塩分濃度及び/又は水温等を測定することにより判定することができ、密度躍層が形成されたと判定されたときは、その水域の水底に敷設材を敷設する。
以上のように、(a)底層水中で硫化水素が検出された水域又は底層水中の溶存酸素濃度が所定値以下の水域の水底、(b)底層水の流速が所定値以下の水域の水底、(c)水中に水温又は/及び塩分濃度による密度躍層が形成された水域の水底、のいずれかを敷設材の敷設場所とする場合は、例えば、閉鎖性の高い港や湾(例えば、リアス式海岸等にある湾)等が対象とすることができる。
【0039】
上述したような高炉水砕スラグの作用からして、敷設材としては高炉水砕スラグ100%が最も好ましいと言えるが、高炉水砕スラグとそれ以外の素材、例えば製鋼スラグ等の高炉水砕スラグ以外のスラグやスラグ以外の素材を併用してもよい。高炉水砕スラグ以外の鉄鋼製造プロセスで発生するスラグとしては、高炉で発生する高炉徐冷スラグ、予備処理、転炉、鋳造等の工程で発生する脱炭スラグ、脱燐スラグ、脱硫スラグ、脱珪スラグ、鋳造スラグ等の製鋼スラグ、鉱石還元スラグ、電気炉スラグ等を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、また2種以上のスラグを混合して用いることもできる。また、これらのスラグは、水和処理、炭酸化処理、エージング、水和硬化、炭酸化硬化等を経たものを用いてもよい。また、スラグ以外の素材としては、資源のリサイクルという観点からは都市ゴミスラグ、廃コンクリート、モルタルや耐火物の廃材等が好ましいが、それ以外に例えば建設発生残土、フライアッシュ、天然砂、天然石等を用いてもよい。
また、都市ゴミスラグや廃コンクリート等は、水和処理、炭酸化処理、エージング、水和硬化、炭酸化硬化等を経たものを用いてもよい。
【0040】
敷設材として高炉水砕スラグとそれ以外の素材とからなるものを用いる場合、上述したような高炉水砕スラグによる作用を適切に得るために、凹部に敷設された敷設材の50mass%以上、好ましくは80mass%以上が高炉水砕スラグで構成されることが望ましい。また、その場合には高炉水砕スラグとそれ以外の素材が混合されるか、又は高炉水砕スラグが上層側、それ以外の素材が下層側になるようにして凹部内に敷設されることが好ましい。
【0041】
また、上層を高炉水砕スラグを含む敷設材で構成し、下層をそれ以外の素材からなる敷設材で構成する場合、上述したような高炉水砕スラグによる作用を適切に得るために、上層中の高炉水砕スラグの含有率は60mass%以上、好ましくは80mass%以上とすることが望ましい。
また、このように凹部内の敷設材の上層を高炉水砕スラグ又は高炉水砕スラグを60mass%以上(好ましくは80mass%以上)含む敷設材で構成する場合、この上層の厚みは0.1m以上、好ましくは0.5m以上とすることが望ましい。この上層の厚みが0.1m未満では、その下方の硫化水素を含んだ水が簡単に通過してしまい、上述したような作用が十分に得られなくなる恐れがある。また、厚みが0.1m未満では施工の際の厚み管理自体も難しくなる。また、特にこの上層の厚みが1m以上あれば、当該上層部は底泥と混合しなくなるため、スラグが固結するようなことがなく、このため生物の棲息環境として好適な砂質水底を提供できる。
【0042】
なお、高炉水砕スラグとともに他のスラグを使用する場合において、脱珪スラグ、脱炭スラグ等の製鋼スラグを用いた場合、これらのスラグは酸化鉄の含有量が高いため高炉水砕スラグ等に較べて硫化水素や燐を固定化する作用が大きいという特徴がある。このため、例えば凹部内の敷設材の下層を製鋼スラグ又は製鋼スラグを含む敷設材で構成することにより、底泥中の硫化水素や燐を効果的に固定することができる。下層を製鋼スラグを含む敷設材で構成する場合、下層中の製鋼スラグの含有率は60mass%以上、好ましくは80mass%以上とすることが望ましい。下層中の製鋼スラグの含有率が60mass%未満では、上述した製鋼スラグに特有の作用が十分に得られない。
【0043】
また、このように凹部内の敷設材の下層を製鋼スラグ又は製鋼スラグを60mass%以上(好ましくは80mass%以上)含む敷設材で構成する場合、この下層の厚みは0.1m以上、好ましくは0.3m以上とすることが望ましい。この下層の厚みが0.1m未満では、製鋼スラグによる泥質中の硫化水素や燐の固定が十分に行われる前に、硫化水素や燐を含んだ水がこの下層を通過してしまい、硫化水素や燐の固定化作用が十分に得られなくなるおそれがある。また、厚みが0.1m未満では、施工の際の厚み管理自体も難しくなる。
【0044】
以上述べたような各スラグの特性からして、凹部内への敷設材の敷設形態としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
▲1▼ 敷設材の全部:高炉水砕スラグ
▲2▼ 敷設材の上層:高炉水砕スラグ、敷設材の下層:高炉水砕スラグ以外のスラグ及び/又はスラグ以外の素材
▲3▼ 敷設材の上層:高炉水砕スラグ、敷設材の下層:製鋼スラグ
▲4▼ 敷設材の上層:高炉水砕スラグ、敷設材の中層:スラグ以外の素材又はスラグとスラグ以外の素材との混合物、敷設材の下層:製鋼スラグ
【0045】
図4(a)〜(d)は、それぞれ水底の凹部1に敷設材2(高炉水砕スラグ又は高炉水砕スラグを含む敷設材)を敷設した状態を示しており、図4(a)に示すように、敷設材2はこれにより形成される水底面Aの平均水深dと凹部周囲の水底面Bの平均水深dとの差[d−d]が2m以下、好ましくは1m以下となるように(特に好ましくは、敷設材2により形成される水底面Aが凹部周囲の水底面Bと略同等かそれ以上の高さとなるように)敷設される。
【0046】
図4(a)は、高炉水砕スラグ100%の敷設材2又は高炉水砕スラグとそれ以外の素材(例えば、廃コンクリート)とを混合した敷設材2を凹部1内に敷設した実施形態を示している。また、図4(b)は、敷設材2として高炉水砕スラグとそれ以外の素材を用いたもので、高炉水砕スラグ以外の素材21(例えば、廃コンクリート)を下層側に、高炉水砕スラグ20を上層側にそれぞれ敷設した実施形態を示している。また、図4(c)は、敷設材2として高炉水砕スラグ20aとその他のスラグ20b(例えば、製鋼スラグ)を用いたもので、高炉水砕スラグ20aを上層側に、それ以外のスラグ20bを下層側にそれぞれ敷設した実施形態を示している。さらに、図4(d)は、浅い凹部が形成されている水底にケーソン3を設置することで人工的に形成された凹部1内に敷設材2(例えば、上記(a)〜(c)のような形態の敷設材)を敷設した実施形態を示している。
【0047】
また、凹部以外の水底に敷設材を敷設する場合も、敷設材中の高炉水砕スラグの含有率は60mass%以上、好ましくは80mass%以上とすることが望ましく、特に高炉水砕スラグのみからなる敷設材が最も好ましい。高炉水砕スラグ以外の敷設材としては、上述した各種スラグや都市ゴミスラグ、廃コンクリート等を用いることができる。また、敷設材の厚みは、上述したと同様の理由から0.1m以上、好ましくは0.5m以上とすることが望ましい。
【0048】
以上述べた青潮発生防止等を目的とする高炉水砕スラグの敷設(覆砂)に関する好ましい実施形態を整理すると、以下のようになる。
(1) 硫化水素発生源である水底に、粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上の高炉水砕スラグを敷設する水中の環境改善方法。
(2) 水底に形成された凹部内に、全部又は一部が、粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上の高炉水砕スラグからなる敷設材を敷設する水中の環境改善法。
(3) 底層水中で硫化水素が検出された水域又は底層水中の溶存酸素濃度が所定値以下の水域の水底に、全部又は一部が、粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上の高炉水砕スラグからなる敷設材を敷設する水中の環境改善法。
【0049】
(4) 底層水の流速が所定値以下の水域の水底に、全部又は一部が、粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上の高炉水砕スラグからなる敷設材を敷設する水中の環境改善法。
(5) 水中に水温又は/及び塩分濃度による密度躍層が形成された水域の水底に、全部又は一部が、粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上の高炉水砕スラグからなる敷設材を敷設する水中の環境改善方法。
【0050】
(6) 水底に形成された凹部内に、全部又は一部が、粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上の高炉水砕スラグからなる敷設材を敷設し、該敷設材により形成される水底面の平均水深dと凹部周囲の水底面の平均水深dとの差[d−d]を2m以下(但し、[d−d]がマイナス値の場合を含む)とする水中の環境改善方法。
(7) 上記(1)〜(6)の環境改善方法において、敷設材が高炉水砕スラグとそれ以外の素材とからなり、該敷設材は、高炉水砕スラグとそれ以外の素材が混合された状態であるか、又は高炉水砕スラグが上層側、それ以外の素材が下層側になるようにして水底に敷設される水中の環境改善方法。
【0051】
(8) 上記(1)〜(7)の環境改善方法において、水底に敷設された敷設材の50mass%以上が高炉水砕スラグからなる水中の環境改善方法。
(9) 上記(8)の環境改善方法において、水底に敷設された敷設材の最上部層が、高炉水砕スラグを60mass%以上含む水中の環境改善方法。
(10) 硫化水素の発生源となる水底に敷設される青潮防止材であって、粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上の高炉水砕スラグからなることを特徴とする水中の環境改善用資材。
【0052】
(B)養浜、浅場造成又は干潟造成等を目的とする高炉水砕スラグの敷設
養浜とは、海岸の浸食等により砂浜が消失した海岸や人工ビーチを造成する海岸に外部から砂を供給することを指す。
また、干潟とは、満潮時には水没するが干潮時には干上がり、表面に砂泥が堆積している平坦な場所を指し、一般に干潟は河口域や内湾の奥に発達している。また、浅場とは文字通り水深が数m以下の浅い海域を指す。海岸から沖合に向かって伸びる海底では、おおよそ水深数mほどのところで所謂灘落ちと呼ばれるやや急な斜面に移行する地形がしばしば認められるが、一般に、浅場とはこの灘落ち点よりも浅い側の海域を指す。
【0053】
砂浜や干潟、浅場は貝類やゴカイ類等の底棲生物の主要な棲息環境であるが、本発明法により所定の粒度構成を有する高炉水砕スラグを養浜材或いは干潟・浅場造成材として敷設することによって、先に述べたように底棲生物にとって棲息しやすい環境を提供することができ、底棲生物の棲息量を顕著に増大させることができる。
【0054】
また、本発明法に敷設される高炉水砕スラグは、白色で且つ元々の高炉水砕スラグに含まれる針状物の割合が非常に少ないため、天然の砂地同様の外観で、しかも人や生物が針状物で傷付いたりすることがない安全な砂地(砂浜、干潟、浅場)を形成することができる。
また、養浜材、干潟や浅場の造成材として敷設された高炉水砕スラグは、先に(A)で述べたような底質・水質の浄化機能を有し、また後述するようなケイ酸塩イオンの放出源としての機能も有することから、底質・水質浄化作用やスラグから溶出したケイ酸塩イオンによる海藻類等の生育促進作用も得られる。
本実施形態が適用される水浜又は水域としては、港湾を含む海、河川、河口、湖沼等のいずれでもよい。
【0055】
以上述べた養浜、干潟・浅場造成等を目的とする高炉水砕スラグの敷設に関する好ましい実施形態を整理すると以下のようになる。
(1) 水浜に、養浜材として粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上の高炉水砕スラグを敷設することにより、養浜を行う水中又は水浜の環境改善方法。
(2) 干潟を造成(修復を含む)すべき場所に、干潟造成材として粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上の高炉水砕スラグを敷設することにより、干潟造成を行う水中又は水浜の環境改善方法。
(3) 浅場を造成(修復を含む)すべき海底部に、浅場造成材として粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上の高炉水砕スラグを敷設することにより、浅場造成を行う水中又は水浜の環境改善方法。
【0056】
(C)磯焼け防止等を目的とする高炉水砕スラグの敷設
本実施形態が適用される磯焼けが生じている海底部とは、岩礁や人工魚礁などの海藻着生基盤の表面が石灰藻に覆われることにより、コンブ、ワカメ、アラメなどの有用海藻が消失し又は消失しつつある海底部を指す。
岩礁や人工魚礁などの海藻着生基盤の表面が石灰藻に覆われる所謂“磯焼け”状態となった海域は、魚介類の餌となる有用海藻(例えば、コンブ、ワカメ、アラメなど)が繁殖せず、その海域の漁業生産量が著しく低下するという問題がある。
【0057】
従来、磯焼けが生じた海域に対しては鋼製の藻礁を設置するなどの対策が試みられてきたが、鋼製藻礁を設置すると2年間程度は石灰藻以外の海藻が藻礁に繁殖して藻礁部分は磯焼け状態が解消されるものの、3年程度経過すると鋼製藻礁も石灰藻に覆われてしまい、その効果が無くなってしまう。このため再度鋼製藻礁を設置するなどの対策が必要となり、磯焼け防止の抜本的な解決策とはなり得ていない。また最近では、磯焼けが生じた海域のウニを駆除することによって藻場を復活させた例もあるが、ウニの駆除は人力で行う必要があるため効率が悪く、コストも多くかかる上、一度に適用できる海域が狭いなど、磯焼け解消の切り札とはなり得ていない。
【0058】
一方、海水中のケイ酸塩濃度を高めることにより珪藻類が増殖し、その結果として石灰藻の増殖が抑制されることが知られており、このようなメカニズムを利用した磯焼けの改善方法として、コンクリート製などの藻礁の表面に成分の溶解度を調整したガラスプレートを張り付け、これを磯焼け海域に沈設する方法が提案されている。また、特開平6−335330号公報には、構成成分の海水中への溶出により海藻類を増殖させることを目的として、ケイ素、ナトリウム及び/又はカリウム、鉄を含有するガラス質材料からなる藻場増殖材を海中に沈設する方法が提案されている。
【0059】
しかし、このような従来技術において海水中のケイ酸塩濃度を高めるために用いられるガラス質材料は人工物であるため高価であり、これを磯焼けが発生したり、何らかの原因で海藻成育環境が衰退・消失した広い海域に大量に設置するとなると膨大な費用がかかる。また、本発明者らが検討したところによれば、従来技術で用いられる人工のガラス質材料は海水などへのケイ素の溶出性が必ずしも十分ではなく、また沈設量も限られるため、ケイ素の供給はその設置場所近傍に限られてしまい、有効な磯焼け改善効果や海藻成育環境の改善効果が得られないことが判った。
【0060】
このような問題に対して、本発明法により所定の粒度構成を有する高炉水砕スラグを磯焼けが生じている又は生じる恐れのある海域或いは海藻成育環境が衰退・消失している海域の水底に敷設することにより、高炉水砕スラグが海藻類の生育に有効なケイ酸塩イオンの放出源となり、磯焼けの改善又は予防や海藻類の生育促進を図ることができる。また、水底に敷設された高炉水砕スラグは、先に述べた理由により底棲生物に対して良好な棲息環境を提供し、それらの棲息量の顕著な増大をもたらす。
また、高炉水砕スラグを水底に敷設する際には、他の材料(例えば、製鋼スラグ、フライアッシュ、けい砂、山砂、海砂、粘土など)と混合した状態で用いることができるが、この場合でも所望のケイ酸塩溶出量を確保するために必要とされる量の高炉水砕スラグを用いる必要がある。
【0061】
高炉水砕スラグはSiO成分とCaO成分とを多量に含むガラス質材料(一般に、SiO:30mass%以上、CaO:35mass%以上)であり、このため水底に敷設された高炉水砕スラグは、これに含まれるCaOの溶解により生じたCaイオンのケイ酸塩網目構造へのアタックによりケイ酸塩網目構造が分断され、この結果、水中にケイ酸塩イオンを溶出させる。すなわち、高炉水砕スラグの場合には、水分子によるケイ酸塩網目構造の切断により徐々にケイ酸塩イオンが水中に溶解する作用に加えて、スラグから溶解したCaイオンによるケイ酸塩網目構造の分断によりケイ酸塩イオンが水中に溶解する作用が得られ、したがって、このような高炉水砕スラグのケイ酸塩イオンの溶出機構は、先に従来技術として挙げた人工のガラス質材料と同様の水分子によるケイ酸塩イオンの溶出作用と、Caイオンのアタックによるケイ酸塩イオンの溶出作用とが組み合わされたものとなり、人工のガラスよりもはるかにケイ酸塩が溶出しやすい。
【0062】
さらに、高炉水砕スラグは高温の溶融状態にある高炉スラグ(溶融スラグ)を噴流水で急冷して得られるものであるため、その形態や組織において人工のガラス質材料には無い以下のような特質がある。
すなわち、一般に人工のガラス質材料は組織が緻密であるのに対し、高炉水砕スラグは、先に述べたように無数の内部気孔を有する多孔質組織のガラス質材料となり、しかも比較的細かい粒子となる。また、同様の理由から高炉水砕スラグの粒子は角張った形状(表面に多数の尖った部分を有する形状)を有している。したがって、このような形態及び組織面での特質から、高炉水砕スラグは人工のガラス質材料を破砕装置で破砕して得られたような粒状物に較べて比表面積が格段に大きく、その分ケイ酸塩イオンが溶出しやすいという特徴がある。さらに、高炉水砕スラグ粒子表面に多数存在する尖った部分は微細な形態であるため、微細な粉体が成分の溶解性が高いのと同様に、ケイ酸塩の溶解に非常に適している。
【0063】
また、上記のような形態上の特徴から、高炉水砕スラグの積層物は人工のガラス質材料を破砕装置で破砕して得られたような粒状物の積層物に較べて充填間隙が大きく、しかも本発明で使用する高炉水砕スラグは比較的粗い粒度構成を有しているため、通水性が非常に優れている。このため高炉水砕スラグの積層物から溶出するケイ酸塩イオンは、人工のガラス質材料のそれに較べて積層物の外部に拡散し易いという特徴がある。
【0064】
また、高炉水砕スラグはCaイオンを溶出するため、水中に設置された場合に先に述べたような硫化水素の発生抑制効果を有し、このため高炉水砕スラグの積層物内では硫酸還元が起こりにくく、天然の砂やガラスの積層物内に較べて硫化水素が少なく溶存酸素の多い状態となる。この状態は着生する生物にとって棲息しやすい状態であると言え、したがって、海中に設置された高炉水砕スラグはケイ酸塩イオンの供給源であるとともに、生物の着生基盤としても機能し、この点からも磯焼けの改善に有効である。
【0065】
ところで、鉄鋼製造プロセスにおいて副生成物として得られるスラグとしては、高炉水砕スラグ以外にも高炉徐冷スラグや製鋼スラグ(例えば、脱炭スラグ、脱燐スラグ、脱硫スラグ、脱珪スラグ、電気炉製鋼スラグなど)などがあるが、これらのスラグ粒子は組織が緻密で高炉水砕スラグのような多孔質組織ではなく、しかも、スラグ粒子の粒径も高炉水砕スラグに較べて格段に大きく、またこれを粉砕処理した場合でも個々のスラグ粒子の形状は高炉水砕スラグのような角張った形状(表面に多数の尖った部分を有する形状)にはならない。このため比表面積は高炉水砕スラグに較べて格段に小さい。また、高炉徐冷スラグは、硫化物の溶出量が大きいため、海水のCODを高めたり、スラグ積層物の充填間隙中で硫化水素の濃度が高くなるという問題がある。また、製鋼スラグの多くはSiOの含有量が少なくCaOの含有量が多いため、この面からもケイ酸塩の溶解量が少ない。したがって、これらのスラグからは水中へのケイ酸塩イオンの供給が十分にできず、いずれも磯焼け防止材には適さない。
【0066】
なお、高炉水砕スラグの塩基度は四成分塩基度(CaO+Al+MgO)/SiOで1.6〜2.5、望ましくは1.6〜2.0であることが好ましい。高炉水砕スラグの上記塩基度が1.6未満ではスラグ中でのSiOの安定度が高まるためケイ酸塩イオンの海水中への溶出性が低下する傾向がある。一方、上記塩基度が2.0を超え、特に2.5を超えるとスラグ中の結晶質の量が増加し、ケイ酸塩の溶出と同時にCaの溶出も増加するため、ケイ酸塩がCaと沈殿物を生成してケイ酸塩の水中への供給量が低下する場合がある。
【0067】
珪藻類の増殖に必要な水中のケイ酸塩イオンの濃度は10μmol/L以上とされているが、このようなケイ酸塩イオン濃度は高炉水砕スラグの敷設によって容易に達成される。これにより海底の海藻着生基盤表面に珪藻類が安定的に繁殖し、この結果、石灰藻の増殖が抑えられるとともに、昆布やアラメなどの大型の海藻類が繁殖する。また、海藻着生基盤表面に繁殖した珪藻類は、石灰藻とは異なり魚介類の餌となるため、珪藻類が繁殖すれば磯焼け海域において水産資源が増加する。また、高炉水砕スラグからのケイ酸塩イオンの溶出は長期間継続するため、珪藻類の増殖及びこれに伴う磯焼け防止効果も長期間に亘って継続することになる。
【0068】
次に、磯焼け海域の藻場造成法について特に好ましい実施形態について説明する。
この藻場造成法では、磯焼けが生じている海底部において海藻着生基盤の周囲又は近傍に高炉水砕スラグを設置するのが好ましい。これにより高炉水砕スラグから溶出したケイ酸塩イオンにより海藻着生基盤周囲の海水が高ケイ酸塩濃度化し、海藻着生基盤に珪藻類を効果的に繁殖させることができる。
海藻着生基盤は天然又は人工のいずれでもよく、前者の場合は岩礁などであり、後者の場合には鋼製ブロック、コンクリートブロック、天然石、スラグ塊などである。また、この後者の場合には、高炉水砕スラグを敷設した後に海藻着生基盤を設置してもよい。人工の海藻着生基盤を設置する海底は、岩礁帯、砂地などを問わない。
【0069】
また、高炉水砕スラグは、現に磯焼けを生じている海域だけでなく、磯焼けが生じる恐れのある海底部に設置することができ、これにより当該海域での磯焼けを予防する。この場合も高炉水砕スラグは、先に述べたものと同様の形態で設置される。
なお、上述したように本実施形態である磯焼け海域の藻場造成法や磯焼け防止法が適用される主たる海域(磯焼けを現に生じ又は生じる恐れのある海域)は主として外海に面した海域であり、したがって所謂赤潮が生じるような河川流入栄養塩などにより富栄養化した海域とは対照をなすような海域である。
【0070】
以上述べた磯焼け防止等を目的とする高炉水砕スラグの敷設に関する本発明法の好ましい実施形態を整理すると以下のようになる。
(1) 磯焼けが生じている海底部に、磯焼け防止材として粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上の高炉水砕スラグを敷設することにより、磯焼け海域での藻場造成を行う水中の環境改善方法。
(2) 上記(1)の環境改善方法において、天然又は人工の海藻着生基盤の周囲又は近傍に高炉水砕スラグを敷設することにより、磯焼け海域での藻場造成を行う水中の環境改善方法。
(3) 上記(2)の環境改善方法において、高炉水砕スラグを敷設した後、人工の海藻着生基盤を設置することにより、磯焼け海域での藻場造成を行う水中の環境改善方法。
【0071】
(4) 磯焼けが生じるおそれがある海底部に、磯焼け防止材として粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上の高炉水砕スラグを敷設することにより、磯焼けを防止する水中の環境改善方法。
(5) 上記(4)の環境改善方法において、天然又は人工の海藻着生基盤の周囲又は近傍に高炉水砕スラグを敷設することにより、磯焼けを防止する水中の環境改善方法。
(6) 上記(5)の環境改善方法において、高炉水砕スラグを敷設した後、人工の海藻着生基盤を設置することにより、磯焼けを防止する水中の環境改善方法。
(7) 磯焼けが発生している海底部又は磯焼けの発生を予防すべき海底部に敷設される磯焼け防止材であって、粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上の高炉水砕スラグからなる水中の環境改善用資材。
【0072】
(D)赤潮発生防止を目的とする高炉水砕スラグの敷設
赤潮とは水中の微生物、とりわけ植物プランクトンが異常増殖して海水が着色する現象であり、近年、養殖魚類(例えば、ハマチやタイなど)を大量斃死させるなど、特に養殖漁業に大きな被害を及ぼしていることから、その防止対策が切望されている。
赤潮を起こす生物の種類は多岐にわたると考えられるが、その中でもシャットネラなどの特定の鞭毛藻類の大増殖が養殖魚類の大量斃死を招く赤潮の主要な原因であると考えられている。赤潮は富栄養化の進行した海域において発生することから、赤潮の防止には覆砂や浚渫、下水道整備による河川流入栄養塩の低減化が有効であるとされている。
【0073】
しかしながら、覆砂や浚渫は工事完了後に新たに堆積する有機物によってその効果が失われてしまい、また、工事可能な海域が比較的浅い海域に限られるため、赤潮の大発生が問題となる瀬戸内海中心部などへの適用は困難である。また、これらの工事には多大な費用がかかり、このことも適用範囲が限られる要因となる。また、下水道整備による河川流入栄養塩の低減化は、海域全体の栄養塩量を減らすには有効であるが、これも瀬戸内海中心部のような海岸から離れた場所では、夏期の海水停滞期に表層海水の貧栄養化の原因となり、この貧栄養化によって表層海水中の珪藻類が減少することが、赤潮の原因となるシャットネラなどの鞭毛藻類の増殖要因の一つとなる。
【0074】
最近、赤潮防止対策の一つとして可溶性のケイ素(ケイ酸塩イオン)の海水中への付与により珪藻類を繁殖させ、赤潮の原因となるシャットネラなどの鞭毛藻類の増殖を抑制する方法が検討され、この方法に関して、可溶性のケイ素を含有した人工のガラス質材料を浮体に装着して海中に設置する赤潮予防方法が特開平10−94341号公報に提案されている。
可溶性のケイ素の海水中への付与は貧栄養状態となった表層海水中の珪藻類を繁殖させることが知られており、珪藻類は赤潮の原因となるシャットネラなどの鞭毛藻類の競合種であり、しかも鞭毛藻類よりも増殖力が高いため、珪藻類が表層海水中に安定に存在するとシャットネラなどの鞭毛藻類の異常増殖が抑制され、その結果、赤潮の発生が防止されることになる。
【0075】
しかし、上記のような従来技術において海水中のケイ酸塩濃度を高めるために用いられるガラス質材料は人工物であるため高価であり、これを赤潮が発生した広い海域に大量に設置するとなると膨大な費用がかかる。また、先に述べたように、本発明者らが検討したところによれば、従来技術で用いられる人工のガラス質材料は海水などへのケイ素の溶出性が必ずしも十分ではなく、また沈設量も限られるため、ケイ素の供給はその設置場所近傍に限られてしまい、有効な赤潮防止効果が得られないことが判った。
このような問題に対して、本発明法により所定の粒度構成を有する高炉水砕スラグを赤潮防止材として水底に敷設することにより、高炉水砕スラグがケイ酸塩イオンの放出源となり、赤潮の発生が効果的に抑えられる。また、水底に敷設された高炉水砕スラグは、先に述べた理由により底棲生物に対して良好な棲息環境を提供し、それらの棲息量の顕著な増大をもたらす。
【0076】
高炉水砕スラグを水底に敷設する際には、他の材料(例えば、製鋼スラグ、フライアッシュ、けい砂、山砂、海砂、粘土など)と混合した状態で用いることができるが、この場合でも所望のケイ素(ケイ酸塩イオン)溶出量を確保するために必要とされる量の高炉水砕スラグを用いる必要がある。
高炉水砕スラグがケイ酸塩イオンの放出源として優れた特性を有することは先に(C)で述べた通りであり、したがって、この実施形態の環境改善法においても、使用される高炉水砕スラグの組成や性状、高炉水砕スラグの敷設形態、高炉水砕スラグからのケイ酸塩イオンの溶出機構、その他の高炉水砕スラグの機能などは、先に(C)に関して述べたものと同様である。
【0077】
また、本実施形態による赤潮防止法において、高炉水砕スラグは水深15m以内(以浅)、好ましくは10m以内(但し、いずれも干潮時の水深)に設置するのが望ましい。これは、高炉水砕スラグの設置深度があまり大きいと溶出したケイ酸塩イオンが表層海水に到達しにくくなり、表層海水のケイ酸塩濃度を高める上で効率が悪いからである。
また、赤潮発生海域が沿岸に近い場合(例えば、沿岸から数km以内の場合)には、水深15m以内、好ましくは10m以内の海底を覆うように高炉水砕スラグを敷設すればよく、この高炉水砕スラグから溶出したケイ酸塩イオンにより沿岸海域の海水が高ケイ酸塩濃度化し、この海水が海流によって沖合に流されるため、その海域一帯の表層海水のケイ酸塩濃度が高まり、珪藻類を効果的に増殖させることができる。
【0078】
珪藻類の増殖に必要な海水中でのケイ酸塩イオンの濃度は10μmol/L以上とされているが、このようなケイ酸塩イオン濃度は本発明法により高炉水砕スラグを海中に設置すること、好ましくは水深15m以内(より好ましくは水深10m以内)の海中に設置することによって容易に達成される。これにより表層海水中に珪藻類(シャットネラなどの鞭毛藻類の競合種)が安定的に繁殖し、赤潮の原因となるシャットネラなどの鞭毛藻類の異常増殖が防止される。また、珪藻類の安定的な繁殖は、これを食料とする魚介類の増殖にも効果があり、水産資源の増加にも効果がある。また、高炉水砕スラグからのケイ酸塩イオンの溶出は長期間継続するため、珪藻類の増殖及びこれに伴う赤潮防止効果も長期間に亘って継続することになる。
【0079】
本実施形態による赤潮防止法が適用される主たる海域(旧来の赤潮多発海域)は主として内海や湾などにおいて河川流入栄養塩などにより富栄養化した海域であり、したがって所謂“磯焼け”が生じるような海域とは対照をなすような海域である。
また、以上の実施形態では本発明を海水域に適用する場合について説明したが、赤潮は汽水域や淡水域でも発生するものであり、したがって、本実施形態による赤潮防止方法はこれらの水域に対しても適用することができる。
【0080】
以上述べた赤潮発生防止を目的とする高炉水砕スラグの敷設に関する好ましい実施形態を整理すると以下のようになる。
(1) 海水域、汽水域又淡水域において、水中に赤潮防止材として粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上の高炉水砕スラグを設置することにより赤潮発生を防止する水中の環境改善方法。
(2) 上記(1)の環境改善法において、水深15m以内の水中に高炉水砕スラグを設置することにより赤潮発生を防止する水中の環境改善方法。
(3) 赤潮が発生している海域又は赤潮の発生を予防すべき海域に設置される赤潮防止材であって、粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上の高炉水砕スラグからなる水中の環境改善用資材。
【0081】
本発明の水中の環境改善方法の具体的な実施形態としては、以上説明した形態、すなわち青潮防止法(覆砂)、養浜又は干潟・浅場の造成法、磯焼け海域の藻場造成法、磯焼け防止法、赤潮防止法以外にも、例えば、磯焼け以外の原因で海藻成育環境が衰退・消失した海域の環境改善法(修復)等などがある。
このような環境改善法においても、使用される高炉水砕スラグの組成や性状、高炉水砕スラグの敷設形態、高炉水砕スラグからのケイ酸塩イオンの溶出機構、その他の高炉水砕スラグの機能などは、先に磯焼け海域の藻場造成法や磯焼け防止法に関して述べたものと同様である。
【0082】
以上述べた本発明の(A)、(C)、(D)の各実施形態は、海岸に面した所謂浅場の造成又は修復を兼ねて行ってもよい。すなわち、主に海岸に面した海域において海藻類や魚介類の成育・棲息に適した所謂浅場が海砂の流失や浚渫などにより衰退・消失する場合があり、このような海底部を本来の浅場としての環境に造成又は修復することを兼ねて、その海底部に覆砂材等として高炉水砕スラグを敷設することができる。
またこの場合、海流等による高炉水砕スラグの流失を防止するため、敷設された高炉水砕スラグの周囲に潜堤を設置することが好ましい。また、高炉水砕スラグの敷設領域には人工の海藻着生基盤や漁礁を設置し、海藻類や魚介類の成育・棲息環境を整えることが好ましい。
【0083】
高炉水砕スラグの流失を防止するための潜堤は任意の材料で構成することができるが、塊状スラグ(鉄鋼製造プロセスで発生した塊状スラグ)を積み上げて潜堤を構築することにより、例えばコンクリート製品を用いたり、コンクリート構造物を構築したりすることなく、簡易且つ安価に潜堤を形成することができる。高炉水砕スラグが元々粒状の形態であるのに対して、製鋼スラグ等は塊状のものが得られやすく且つ比重も大きいため、これを所定の高さに積み上げることにより堅牢な潜堤を構築することができ、しかもスラグが塊状であるため海流等により消失する恐れもない。また、製鋼スラグには底質や水質を浄化する作用もあるため、水中の環境改善にも寄与できるという利点がある。
【0084】
使用する塊状スラグとしては、高炉で発生する高炉徐冷スラグ(但し、この高炉徐冷スラグは水中でSが溶出しないようにするため、十分にエージング処理したものが好ましい)、予備処理、転炉、鋳造等の工程で発生する脱炭スラグ、脱燐スラグ、脱硫スラグ、脱珪スラグ、鋳造スラグ等の製鋼スラグ、鉱石還元スラグ、電気炉スラグ等が挙げられ、これらの2種以上を用いてもよい。またこれらのスラグなかでも、高比重であるという点では脱炭スラグ、鋳造スラグが特に好ましい。またスラグの大きさとしては、一般に塊径が30mm程度以上のものが好ましい。
また、上記潜堤は後述するようなスラグを主原料とするブロック、すなわち、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする粉粒状原料を炭酸反応で生成させたCaCOを主たるバインダーとして固結させて得られたブロック、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする水和硬化体ブロックなどで構成することもできる。これらのブロックを適当に積み上げることにより、堅牢な潜堤を構築することができる。これらと上記塊状スラグを併用してもよい。
【0085】
高炉水砕スラグの敷設領域に設置される人工の海藻着生基盤や漁礁は、自然石、ブロック、鋼製構造体等の任意のもので構成することができるが、特に、上述したような鉄鋼製造プロセスで発生した塊状スラグ、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグ(鉄鋼スラグ)を主原料とする粉粒状の原料を炭酸固化させて得られたブロック、或いは同じく鉄鋼スラグを主原料とする水和硬化体ブロックなどを用いるのが好ましい。
【0086】
これらのうち鉄鋼製造プロセスで発生した塊状スラグについては、先に述べた通りである。
また、主原料である鉄鋼スラグを炭酸固化させて得られたブロックとしては、例えば特許第3175694号で提案されている、鉄鋼スラグを主原料とする粉粒状原料を炭酸化反応で生成させたCaCO(場合によっては、さらにMgCO)を主たるバインダーとして固結させ、塊状させたものを用いることができる。また、鉄鋼スラグとしては、先に挙げたような各種スラグ、すなわち高炉で発生する高炉水砕スラグや高炉徐冷スラグ、予備処理、転炉、鋳造等の工程で発生する脱炭スラグ、脱燐スラグ、脱硫スラグ、脱珪スラグ、鋳造スラグ等の製鋼スラグ、鉱石還元スラグ、電気炉スラグ等を用いることができる。
【0087】
このような鉄鋼スラグを炭酸固化させて得られたブロック(石材)は、▲1▼スラグ中に含まれるCaO(またはCaOから生成したCa(OH))の大部分がCaCOに変化するため、CaOによる海水のpH上昇を防止できる、▲2▼スラグに適量の鉄分(特に、金属鉄、含金属鉄材)が含まれることにより、この鉄分が海水中に溶出することで海水中に栄養塩として鉄分が補給され、これが海藻類の育成に有効に作用する、▲3▼スラグを炭酸固化して得られたブロックは全体(表面及び内部)がポーラスな性状を有しており、このため石材表面に海藻類が付着し易く、しかも石材内部もポーラス状であるため、石材中に含まれている海藻類の成育促進に有効な成分(例えば、ケイ酸塩イオンや鉄分)が海水中に溶出しやすい、などにより海藻の着生基盤や漁礁として有効に機能する。また、主原料であるスラグの一部又は全部として高炉水砕スラグを用いることにより、上述したようなケイ酸塩イオンの溶出を特に促進することができるため、海藻成育環境の改善や磯焼け防止、赤潮防止などに特に有効である。このためブロックの全原料又は主原料を高炉水砕スラグとすることが最も好ましい。
【0088】
また、鉄鋼スラグを主原料とする水和硬化ブロックは、鉄鋼スラグを主原料(骨材及び/又は結合材)として含む原料を水和硬化させて得られるものであり、鉄鋼スラグとしては、先に挙げたような各種スラグ、すなわち高炉で発生する高炉水砕スラグや高炉徐冷スラグ、予備処理、転炉、鋳造等の工程で発生する脱炭スラグ、脱燐スラグ、脱硫スラグ、脱珪スラグ、鋳造スラグ等の製鋼スラグ、鉱石還元スラグ、電気炉スラグ等を用いることができる。水和硬化によるブロックの製造では、原料を水と混練後、型枠に入れ、通常1〜4週間養生することによってブロックが製造される。
【0089】
また、主原料(骨材及び/又は結合材)であるスラグの一部又は全部として高炉水砕スラグを用いることにより、上述したようなケイ酸塩イオンの溶出を特に促進することができるため、海藻成育環境の改善や磯焼け防止、赤潮防止などに特に有効である。このためブロックの全原料又は主原料を高炉水砕スラグとすることが最も好ましい。
なお、ブロックに用いる結合材としては、上述した高炉水砕スラグの微粉末などの他にシリカ含有物質(例えば、粘土、フライアッシュ、ケイ砂、シリカゲル、シリカシューム)、セメント、消石灰、NaOHなどを適宜組み合わせて使用することもできる。
【0090】
以上のようなブロックを高炉水砕スラグの敷設領域に設置する場合には、個々のブロックを高炉水砕スラグ層上に設置してもよいし、複数のブロックを積み上げ或いは組み付けてもよい。特に、ブロックに漁礁としての機能を持たせる場合には、複数のブロックを積み上げ或いは組み付けることにより、複数のブロック間に魚介類が棲息できるような空間部を形成することが好ましい。
また、塊状スラグを高炉水砕スラグの敷設領域に設置する場合には、例えばスラグを山状に積み上げたり、或いはスラグを金網籠など入れて設置するなど、任意の設置形態を採ることができる。
【0091】
以上述べたような高炉水砕スラグを敷設材とする浅場の造成又は修復において、高炉水砕スラグの流出防止用の潜堤として塊状スラグ及び/又はスラグ(特に好ましくは高炉水砕スラグ)を主原料とするブロックを用い、且つ高炉水砕スラグの敷設領域に設置する海藻着生基盤や漁礁としても、塊状スラグ及び/又はスラグ(特に好ましくは高炉水砕スラグ)を主原料とするブロックを用いることにより、先に述べたようなスラグによる水中の環境改善作用(すなわち、珪藻類の増殖による海藻類成育環境の改善作用や磯焼け・赤潮の発生抑制作用、硫化水素の発生防止による青潮の発生抑制作用、底質・水質の浄化作用など)が最も効果的に得られ、しかも浅場の造成又は修復用の資材として天然資源を用いることなく、100%リサイクル材(鉄鋼スラグ)を用いることができ、リサイクル材の有効利用、施工の低コスト化、天然資源の利用による環境破壊の防止などの面からも極めて有利である。
【0092】
図5は、高炉水砕スラグを敷設材とする浅場の造成又は修復の一実施形態を示したもので、4は水底に適当な厚さに敷設された高炉水砕スラグ、5は敷設された高炉水砕スラグの流失を防止するために高炉水砕スラグ4の周囲に設置された潜堤であり、この潜堤5は塊状スラグ(製鋼スラグ)を積み上げることにより構築されている。さらに、6は敷設された高炉水砕スラグ層上に積み上げられることにより海藻着生基盤及び/又は漁礁を構成するブロックであり、このブロック6としては、鉄鋼スラグ(好ましくは高炉水砕スラグ)を主原料とする粉粒状原料を炭酸固化させて得られたブロック、或いは同じく鉄鋼スラグ(好ましくは高炉水砕スラグ)を主原料とする水和硬化体ブロックなどを用いる。
【0093】
このように高炉水砕スラグ4を海底に敷設するとともに、その流失防止用の潜堤5として塊状スラグを用い、さらに高炉水砕スラグ4の敷設領域に鉄鋼スラグ(好ましくは高炉水砕スラグ)で構成されたブロック6を海藻着生基盤及び/又は漁礁として設置することにより、海藻類や魚介類の成育・棲息環境に最も適した浅場が造成又は修復されることになる。
なお、以上述べた浅場の造成又は修復においても、使用される高炉水砕スラグの組成や性状、高炉水砕スラグの敷設形態、高炉水砕スラグからのケイ酸塩イオンの溶出機構、その他の高炉水砕スラグの機能などは、先に磯焼け海域の藻場造成法や磯焼け防止法に関して述べたものと同様である。
【0094】
以上のようなスラグ流失防止用の潜堤を設ける場合の好ましい実施形態を整理すると以下のようになる。
(1) 海岸に面した海底に、粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上、好ましくは粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上の高炉水砕スラグを敷設するとともに、該高炉水砕スラグの敷設領域の周囲にスラグ流失防止用の潜堤を設置し、且つ該高炉水砕スラグの敷設領域には人工の海藻着生基盤及び/又は漁礁を設置する水中の環境改善方法。
(2) 上記(1)の環境改善方法において、潜堤の少なくとも一部を、鉄鋼製造プロセスで発生した塊状のスラグ、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする粉粒状原料を炭酸反応で生成させたCaCOを主たるバインダーとして固結させて得られたブロック、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする水和硬化体ブロックの中から選ばれる1種以上で構成する水中の環境改善方法。
(3) 上記(1)又(2)の環境改善方法において、人工の海藻着生基盤及び/又は漁礁の少なくとも一部を、鉄鋼製造プロセスで発生した塊状のスラグ、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする粉粒状原料を炭酸反応で生成させたCaCOを主たるバインダーとして固結させて得られたブロック、鉄鋼製造プロセスで発生したスラグを主原料とする水和硬化体ブロックの中から選ばれる1種以上で構成する水中の環境改善方法。
【0095】
【実施例】
[実施例1]
水深4mのヘドロが堆積した海底において、篩い分けして得られた粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上の高炉水砕スラグを30cmの厚さで10m×10mの範囲に敷設した(本発明例)。また、比較例として、隣接する同様の条件の海底部に、篩い分けして得られた粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が85mass%の高炉水砕スラグを同様の条件で敷設した。なお、このヘドロが堆積した海底部には少量のゴカイ類のみが棲息していた。
【0096】
敷設から1年経過後に、高炉水砕スラグの敷設層における生物棲息量、敷設層直上水と周囲のヘドロ層直上水の溶存酸素量と硫化水素量の調査を行った。その結果、本発明例、比較例とも高炉水砕スラグの敷設層中には貝類やゴカイ類等の多様な底棲生物が棲息していたが、生物棲息量は湿重量で本発明例が637g/m、比較例が503g/mであり、本発明例の生物棲息量は比較例に較べて約20%多かった。また、溶存酸素量については、ヘドロ直上水の溶存酸素量が1.2ppmであったのに対して、敷設層直上水の溶存酸素量は本発明例、比較例ともに6ppmであった。また、硫化水素量については、ヘドロ直上水では0.02ppmの硫化水素が検出されたのに対して、本発明例、比較例の敷設層直上水ではともに硫化水素は検出されなかった。
【0097】
[実施例2]
水深5mのヘドロが堆積した海底から砂浜となる海岸までの領域において、篩い分けして得られた粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が80mass%以上の高炉水砕スラグを50cm〜2mの厚さで20m×60mの範囲に敷設した(本発明例)。また、比較例として、隣接する同様の条件の海底部に、篩い分けして得られた粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が80mass%の高炉水砕スラグを同様の条件で敷設した。なお、ヘドロが堆積した海底部には少量のゴカイ類のみが棲息していた。
【0098】
敷設から1年経過後に、高炉水砕スラグの敷設層における生物棲息量、敷設層直上水と周囲のヘドロ層直上水の溶存酸素量と硫化水素量、敷設層中の間隙水のpHの調査を行った。その結果、本発明例、比較例とも高炉水砕スラグの敷設層中には貝類やゴカイ類等の多様な底棲生物が棲息していたが、生物棲息量は湿重量で本発明例が786g/m、比較例が472g/mであり、本発明例の生物棲息量は比較例に較べて約40%多かった。また、溶存酸素量については、ヘドロ直上水の溶存酸素量が0.5ppmであったのに対して、水深2mの敷設層直上水の溶存酸素は本発明例、比較例ともに7ppmであった。また、硫化水素量については、ヘドロ直上水では0.05ppmの硫化水素が検出されたのに対して、本発明例、比較例の敷設層直上水ではともに硫化水素は検出されなかった。また、水深2m、スラグ敷設厚さ2mの地点におけるスラグ敷設層上面から深さ0.5mでの間隙水のpHは、本発明例では8.5であり、硫酸還元菌の活動を抑えられるレベルであった。また、比較例では間隙水のpHは、本発明例よりも高い8.7であった。
【0099】
[実施例3]
・発明例(1)
図6に示すように磯焼けした岩礁性の海底の凹部に、篩い分けして得られた粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が95mass%以上の高炉水砕スラグを20cm厚さで10m×10mの範囲に設置した。その後、この付近の海底部での珪藻類及び大型海藻類の着生の調査を継続して行った。その結果、スラグ設置1週後には、スラグ設置場所近傍の岩礁に付着珪藻が観察され、スラグ設置1ヶ月後にはスラグ設置場所から海流の下流側30mまで付着珪藻が観察された。また、大型の海藻類は、スラグ設置1ヶ月後にスラグ設置場所の近傍に観察され、スラグ設置6ヶ月後には海流の下流側20mの範囲で観察された。また、長期の観察では、5年経過した後も6ヶ月後と同様に珪藻類と大型の海藻類が観察された。特に大型の海藻類はその種類も増加した。
【0100】
・発明例(2)
砂質の海底で、その周囲20mの岩礁性海底部が磯焼け状態となっている海域において、図7に示すように砂質部に、篩い分けして得られた粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が85mass%以上の高炉水砕スラグを50cmの厚さで30m×30mの範囲に設置した。さらに、その上に製鋼スラグ硬化体及び製鋼スラグを設置し、人工の岩礁を作った。その後、この付近の海底部での付着珪藻及び大型海藻類の着生の調査を継続して行った。その結果、スラグ設置1週間後には、スラグ設置場所の人工岩礁に付着珪藻が観察され、スラグ設置1ヶ月後にはスラグ設置場所から20m離れた岩礁においても付着珪藻が観察された。また、大型の海藻類については、スラグ設置1ヶ月後にスラグ設置場所の人工岩礁に観察され、スラグ設置6ヶ月後には設置場所から20m離れた岩礁においても観察された。長期の観察では、5年経過した後も6ヶ月後と同様に人工岩礁と天然岩礁の双方に珪藻類と大型海藻類が観察された。特に大型の海藻類はその種類も増加した。
【0101】
[実施例4]
沿岸から沖合500m〜1kmの赤潮多発海域(湾内)において、海岸近くの海底に、篩い分けして得られた粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が95mass%以上の高炉水砕スラグを略30cmの厚さに敷設した。その敷設範囲は海岸線から沖合に40m(水深2〜7m)までの範囲であって、海岸線の総延長200mの範囲とした。
高炉水砕スラグの設置後(設置時期は夏期)、その設置場所と旧来の赤潮発生ポイント(海域)の表層海水中のケイ酸塩濃度と珪藻量とを継続的に調査した。その結果を表2に示す。これによれば、高炉水砕スラグの設置2週間後には、その設置場所と旧来の赤潮発生ポイントでの表層海水中のケイ酸塩濃度が増加しており、元々ケイ酸塩濃度の低かった赤潮発生ポイントでも珪藻量が増加していた。また、高炉水砕スラグの設置後3年間調査を継続したが、この間赤潮の発生は全く認められず、また高炉水砕スラグの設置場所では海藻や魚介類も多数観察された。
【0102】
【表2】
Figure 2004024204
【0103】
[実施例5]
・発明例(1)
湾内の平坦な水底(砂質上に泥質が堆積した水底)に形成された直径が約30mの凹部(深掘り部分)に、篩い分けして得られた粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上の高炉水砕スラグを凹部周囲の水底面との平均高低差が1m以下([d−d]≦1m)となるように敷設した。敷設厚みは約15mであった。
この敷設材の敷設による水中の懸濁の度合いを調べるため、凹部の中心部の直上水深5m地点において、上記敷設材の敷設直前の懸濁物質量と敷設材の敷設直後(30分後)の懸濁物質量をそれぞれ測定し、その差を求めた。
また、敷設材の敷設後、3年にわたって半年毎に敷設部水底面の直上、敷設部から50m離れた地点での水底面の直上及び敷設部から100m離れた地点での水底面の直上の各位置で水の硫化水素濃度を測定した。また、敷設してから3年後の敷設材上面レベル(水底面)の沈下量(平均値)を測定した。それらの結果を表3に示す。
【0104】
・発明例(2)
湾内の平坦な水底(砂質上に泥質が堆積した水底)に形成された直径が約20mの凹部(深掘り部分)に、篩い分けして得られた粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が85mass%以上の高炉水砕スラグ60mass%、高炉徐冷スラグ10mass%、製鋼スラグ20mass%、都市ゴミスラグ10mass%の混合物を凹部周囲の水底面との平均高低差が1m以下([d−d]≦1m)となるように敷設した。敷設厚みは約10mであった。
この敷設材の敷設による水中の懸濁の度合いを調べるため、凹部の中心部の直上水深5m地点において、上記敷設材の敷設直前の懸濁物質量と敷設材の敷設直後(30分後)の懸濁物質量をそれぞれ測定し、その差を求めた。
また、敷設材の敷設後、3年にわたって半年毎に敷設部水底面の直上、敷設部から50m離れた地点での水底面の直上及び敷設部から100m離れた地点での水底面の直上の各位置で水の硫化水素濃度を測定した。また、敷設してから3年後の敷設材上面レベル(水底面)の沈下量(平均値)を測定した。それらの結果を表3に示す。
【0105】
・発明例(3)
湾内の平坦な水底であって、砂質上に泥質が堆積した水底の50m×50mの範囲に、篩い分けして得られた粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上の高炉水砕スラグ90mass%、製鋼スラグ10mass%の混合物を厚さ50cmに敷設した。
この敷設材の敷設による水中の懸濁の度合いを調べるため、敷設領域の中心部の直上水深5m地点において、上記敷設材の敷設直前の懸濁物質量と敷設材の敷設直後(30分後)の懸濁物質量をそれぞれ測定し、その差を求めた。
また、敷設材の敷設後、3年にわたって半年毎に敷設部水底面の直上、敷設部から50m離れた地点での水底面の直上及び敷設部から100m離れた地点での水底面の直上の各位置で水の硫化水素濃度を測定した。それらの結果を表3に示す。
【0106】
・比較例(1)
湾内の平坦な水底(砂質上に泥質が堆積した水底)に形成された直径が約40mの凹部(深掘り部分)に、海砂を凹部周囲の水底面との平均高低差が1m以下([d−d]≦1m)となるように敷設した。敷設厚みは約8mであった。この敷設材の敷設による水中の懸濁の度合いを調べるため、凹部の中心部の直上水深5m地点において、上記敷設材の敷設直前の懸濁物質量と敷設材の敷設直後(30分後)の懸濁物質量をそれぞれ測定し、その差を求めた。
また、敷設材の敷設後、3年にわたって半年毎に敷設部水底面の直上、敷設部から50m離れた地点での水底面の直上及び敷設部から100m離れた地点での水底面の直上の各位置で水の硫化水素濃度を測定した。また、敷設してから3年後の敷設材上面レベル(水底面)の沈下量(平均値)を測定した。それらの結果を表3に示す。
【0107】
・比較例(2)
湾内の平坦な水底(砂質上に泥質が堆積した水底)に形成された直径が約30m、深さ10mの凹部(深掘り部分)について、発明例1における敷設材の敷設時とほぼ同時期から3年にわたって半年毎に深掘部水底面の直上、深掘部から50m離れた地点での水底面の直上及び深掘部から100m離れた地点での水底面の直上の各位置で水の硫化水素濃度を測定した。その結果を表3に示す。
【0108】
【表3】
Figure 2004024204
【0109】
[実施例6]
底層水の溶存酸素濃度が約2ppm(飽和溶解度:約7ppm)となっている水域(約400m四方の水域)の海底に、篩い分けして得られた粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が85mass%以上の高炉水砕スラグを厚さ約20cmに敷設した。1ヶ月経過後に、スラグ敷設水域の底層水の溶存酸素濃度を測定したところ約4.5ppmに上昇していた。
[実施例7]
底層水の硫化水素濃度が0.5〜1.2ppmとなっている水域(約1ha)の海底に、篩い分けして得られた粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上の高炉水砕スラグを厚さ約35cmに敷設した。1ヶ月経過後、6ヶ月経過後、1年経過後にそれぞれスラグ敷設水域の底層水の硫化水素濃度を測定(測定方法:検知管式、検出限界:0.01ppm)したが、硫化水素は検出されなかった。
【0110】
[実施例8]
底層水の流速が3cm/秒の水域(約1.5ha)の海底に、篩い分けして得られた粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が95mass%以上の高炉水砕スラグを厚さ約3mに敷設した。このスラグ敷設前とスラグを敷設してから3ヶ月経過後の底層水の水質を比較したところ、スラグ敷設前は硫化水素濃度が1.8ppm、溶存酸素濃度が0.2ppmであったのに対し、スラグを敷設してから3ヶ月経過後では硫化水素濃度が検出限界以下に、溶存酸素濃度が4.8ppmにそれぞれ改善された。
【0111】
[実施例9]
海水塩分濃度による密度躍層(表層水の塩分濃度:1.5%、底層水の塩分濃度:2.6%)が形成された水域(約10ha)の海底に、篩い分けして得られた粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が95mass%以上の高炉水砕スラグを厚さ約0.2mに敷設した。このスラグ敷設前とスラグを敷設してから3ヶ月経過後の底層水の水質を比較したところ、スラグ敷設前は硫化水素濃度が3ppm、溶存酸素濃度が0.1ppmであったのに対し、スラグを敷設してから3ヶ月経過後では硫化水素濃度が検出限界以下に、溶存酸素濃度が4ppmにそれぞれ改善され、また、高炉水砕スラグの敷設により水底が浅くなったため、底層水の塩分濃度も2.3%まで低下した。
【0112】
[実施例10]
海水温による密度躍層(表層水の水温:24℃、底層水の水温:14℃)が形成された水域(約0.5ha)の海底に、篩い分けして得られた粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上の高炉水砕スラグを厚さ約3mに敷設した。このスラグ敷設前とスラグを敷設してから6ヶ月経過後の底層水の水質を比較したところ、スラグ敷設前は硫化水素濃度が0.8ppm、溶存酸素濃度が0.3ppmであったのに対し、スラグを敷設してから6ヶ月経過後では硫化水素濃度が検出限界以下に、溶存酸素濃度が3ppmにそれぞれ改善され、また、高炉水砕スラグの敷設により水底が浅くなったため、底層水の水温も16℃まで上昇した。
【0113】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の水中の環境改善方法によれば、安価で且つ大量に入手できる所定の粒度構成を有する高炉水砕スラグを水中に設置するだけで、水底や水浜における好ましい環境、特に覆砂、養浜、浅場や干潟の造成等において砂地に棲息する生物に好適な環境を形成することができる。また、青潮の発生防止、磯焼けの防止、赤潮の発生防止、或いは藻場の造成や海藻成育環境の修復などにも優れた効果を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】生成ままの高炉水砕スラグの代表的な粒度構成(篩い通過重量)を示すグラフ
【図2】従来法において水底の凹部に敷設した敷設材の作用を示す説明図
【図3】本発明の実施形態において水底の凹部に敷設した敷設材の作用を示す説明図
【図4】本発明による水中の環境改善方法の一実施形態を示す説明図
【図5】本発明による水中の環境改善方法の実施形態において、造成された浅場を示す説明図
【図6】実施例3における磯焼け海域の藻場造成の実施状況を示す説明図
【図7】実施例3における磯焼け海域の藻場造成の他の実施状況を示す説明図
説明図
【符号の説明】
A…高炉水砕スラグ、1,1′…凹部、2…敷設材、3…ケーソン、4…高炉水砕スラグ、5…潜堤、6…ブロック、20…スラグ、20a…高炉水砕スラグ、20b…高炉水砕スラグ以外のスラグ、21…スラグ以外の素材、X,Y…水底面

Claims (6)

  1. 粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上である高炉水砕スラグを水底又は水浜に敷設することを特徴とする水中又は水浜の環境改善方法。
  2. 粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上である高炉水砕スラグを水底又は水浜に敷設することを特徴とする水中又は水浜の環境改善方法。
  3. 高炉水砕スラグを、覆砂材、養浜材、浅場造成材、干潟造成材、藻場造成材、磯焼け防止材、赤潮防止材又は青潮防止材として、水底又は水浜に敷設することを特徴とする請求項1又は2に記載の水中又は水浜の環境改善方法。
  4. 水底又は水浜に敷設された高炉水砕スラグがケイ酸塩イオン放出源となることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の水中又は水浜の環境改善方法。
  5. 水底又は水浜に覆砂材、養浜材、浅場造成材、干潟造成材、藻場造成材、磯焼け防止材、赤潮防止材又は青潮防止材として敷設される資材であって、粒径0.5mm以上のスラグ粒子の割合が90mass%以上である高炉水砕スラグからなることを特徴とする水中又は水浜の環境改善用資材。
  6. 水底又は水浜に覆砂材、養浜材、浅場造成材、干潟造成材、藻場造成材、磯焼け防止材、赤潮防止材又は青潮防止材として敷設される資材であって、粒径1.0mm以上のスラグ粒子の割合が70mass%以上である高炉水砕スラグからなることを特徴とする水中又は水浜の環境改善用資材。
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