JPH0839306A - スローアウェイチップ - Google Patents

スローアウェイチップ

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Publication number
JPH0839306A
JPH0839306A JP17929594A JP17929594A JPH0839306A JP H0839306 A JPH0839306 A JP H0839306A JP 17929594 A JP17929594 A JP 17929594A JP 17929594 A JP17929594 A JP 17929594A JP H0839306 A JPH0839306 A JP H0839306A
Authority
JP
Japan
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cutting edge
land
cutting
nose
throw
Prior art date
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Pending
Application number
JP17929594A
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English (en)
Inventor
Masayuki Okawa
昌之 大川
Shoichiro Watanabe
彰一郎 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP17929594A priority Critical patent/JPH0839306A/ja
Publication of JPH0839306A publication Critical patent/JPH0839306A/ja
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  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 多角形平板状のチップ本体11の側面がすく
い面12とされるとともに周面が逃げ面13とされ、こ
れらの交差稜線部に側面角部のノーズ部14から延びる
切刃15が形成されている。この切刃15には、ノーズ
部14側の切刃部位15Aに沿って一定幅W1で延びる
第一ランド部18Aと、この第一ランド部18Aに連な
り、ノーズ部14から所定距離L離間した位置Pにおい
てすくい面12の内方に向かって幅W2に拡幅する第二
ランド部18Bとからなるランド18が形成されてい
る。 【効果】 鋳鉄等の鋳肌部を切削する場合でも、ノーズ
部14側の切刃部位15Aにおける切削抵抗の増大を抑
えつつ、ノーズ部14から離間した切刃部位15Bにチ
ッピングや欠損が生じるのを確実に防ぐことができ、工
具寿命の延長を図ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スローアウェイ式切削
工具に着脱自在に装着されて切刃を提供するスローアウ
ェイチップ(以下、チップと称する。)に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】この種のチップとしては、例えば図14
ないし図16に示すようなものが知られている。これら
の図に示すチップは、略正方形平板状をなすチップ本体
1の一対の側面がそれぞれすくい面2として使用可能と
されるとともに、このすくい面2の周囲に配置される4
つの周面がそれぞれ逃げ面3とされ、これらすくい面2
と逃げ面3との交差稜線部に、略正方形をなす上記側面
の角部に位置するノーズ部4から延びるように切刃5が
形成されてなるものである。ここで、上記すくい面2の
切刃5側には、該切刃5に沿ってすくい面2上を周回す
るように凹溝状のブレーカー6が形成されている。ま
た、このブレーカー6の内側のすくい面2の中央部に
は、チップ本体1の厚さ方向に直交するように正方形状
の平坦面7が形成されている。なお、この平坦面7は、
切刃5よりもチップ厚さ方向外側に僅かに突出するよう
に形成されている。そして切刃5には、該切刃5に沿っ
て一定幅ですくい面2の外周を周回するように、チップ
厚さ方向に垂直な平面状のランド8が形成されている。
【0003】このような構成のチップは、チップ本体1
の一方の側面に形成された平坦面7を、スローアウェイ
式のフライスやバイト等の工具本体に形成されたチップ
取付座の底面に密着させて、この工具本体に着脱自在に
装着される。そして、他方の側面のすくい面2と一の逃
げ面3との交差稜線部に形成されたノーズ部4から延び
る切刃5を用いて被削材を切削してゆく。しかるに、こ
のようなチップでは、切刃5に沿って凹溝状のブレーカ
ー6が形成されているため、切刃5の実質的なすくい角
を正として切削抵抗を低減することができるとともに、
これにより切刃5の刃先角が減少して刃先強度が低減さ
れるのを、ランド8を設けることによって抑え、チップ
の長寿命化を図るようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
チップを用いて、例えば鋳鉄の鋳肌部、いわゆる黒皮と
呼ばれる部分を切削しようとすると、切刃5のノーズ部
4近傍の部位により切削される鋳肌部の内部に対して、
このノーズ部4から離間した部位の切刃5により切削さ
れる鋳肌部の表面部分は硬度が高くてきわめて被削性が
悪く、このためランド8を設けているにも関わらず、こ
の鋳肌部の表面部分を切削する切刃5のノーズ部4から
離間した部位にチッピングや欠損等が生じて被削材の加
工面精度を劣化させてしまうという問題があった。加え
て、この鋳肌部の表面は切刃5による切り込みの境界と
なるため、上記切刃5のノーズ部4から離間した位置に
おけるチッピングや欠損は一層助長されることとなる。
その一方で、このような欠損を防止するためにランド8
の幅を切刃5の全周に亙って幅広に形成すると、ノーズ
部4近傍の部位の切刃5による鋳肌部の内部の切削にお
いて切削抵抗の増大を招く結果となる。
【0005】ここで、このような問題を解決するため、
例えば特開平6−23604号公報に記載されているよ
うに、ランド8の幅をノーズ部4から離間するに従い漸
次直線的に増大させるようにしたチップも提案されてい
る。しかしながら、このようなチップをもってしても、
鋳肌の表面部分を切削する切刃部位では、そのノーズ部
4側の部分が相対的に幅狭となって刃先強度が損なわれ
る一方、鋳肌内部を切削する切刃部位では、そのノーズ
部4から離間した部位が相対的に幅広となってしまい、
切削抵抗の増大を避けることができない。
【0006】さらに、上記チップでは、チップ本体1の
両側面がすくい面2として使用可能とされていて、その
周縁部に全周に亙って凹溝状のブレーカー6が形成され
ており、このため当該チップをスローアウェイ式切削工
具の工具本体に装着する際には、この工具本体のチップ
取付座の底面にチップ本体1の着座面とされる側面の中
央の平坦面7を密着させて該チップを取り付けるように
している。ところが、これにより、着座面積が限定され
てチップの安定性が低下するのはもちろん、例えば図1
7に示すように切削に供される切刃5の反対側において
チップ本体1と工具本体9のチップ取付座底面10との
間に間隙が形成されて、図中に符号Hで示す範囲でチッ
プがオーバーハング状態となり、これによって工具剛性
が損なわれてビビリ振動等が惹起され、加工面精度をさ
らに劣化させるという問題も生じる。
【0007】本発明は、このような背景の下になされた
もので、その目的とするところは、鋳鉄等の鋳肌部を切
削する場合においても切削抵抗の増大を招くことなく、
より効果的に切刃の欠損やチッピングを防止して寿命の
延長を図ることが可能なチップを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決してこの
ような目的を達成するために、本発明は、多角形平板状
のチップ本体の少なくとも一方の側面がすくい面とされ
るとともに、このすくい面の周りに配される周面が逃げ
面とされ、これらすくい面と逃げ面との交差稜線部に、
上記側面角部のノーズ部から延びる切刃が形成されてな
るチップにおいて、上記切刃に、上記ノーズ部から該切
刃に沿って一定幅で延びた後、該ノーズ部から所定距離
離間した位置において上記すくい面の内方に向かって拡
幅するランドを形成したことを特徴とする。
【0009】
【作用】このような構成のチップによって鋳鉄等の鋳肌
部を切削した場合、まずこの鋳肌部の内部を切削する切
刃のノーズ部近傍においてはランドの幅が一定とされて
いるため、このノーズ部近傍の切刃部位のうち特にノー
ズ部から離間した部位において切削抵抗が増大するよう
なこともなく、全体的に低い切削抵抗で切削を行うこと
が可能となる。その一方で、ノーズ部から所定距離離間
した位置から該ノーズ部の反対側の切刃部位において
は、ランドがすくい面の内方に向かって拡幅していて、
当該切刃部位の全体に亙って高い刃先強度が確保されて
いるため、この切刃部位によって上記鋳肌部の表面部分
を切削するように当該チップを配することにより、被削
性の悪いこの表面部分の切削においても切刃の欠損やチ
ッピングの発生を防止することが可能となる。
【0010】ここで、上記ノーズ部側の切刃部位に沿っ
て一定とされるランドの幅は0.05〜0.3mmに設定
されるとともに、上記ノーズ部から所定距離離間した位
置からのすくい面の内方に拡幅するランドの幅は0.3
mm以上に設定されるのが望ましい。これは、上記ノーズ
部側のランドの幅が0.05mmを下回ると比較的硬度の
低い鋳肌部内部の切削においても切刃の刃先強度を確保
するのが困難となる一方、0.3mmを上回ると切削抵抗
の増大を招くおそれが生じるからである。また、すくい
面内方に拡幅するランドの幅が0.3mmを下回ると、鋳
肌部表面の切削において切刃の刃先強度を確保すること
が難しくなるおそれがある。
【0011】さらに、上記ノーズ部から上記ランドが拡
幅する位置までの距離は、一般的な鋳肌部の切削の切り
込み量を考慮して、切刃の有効切刃長に対して20〜7
0%に設定されるのが望ましく、この距離が有効切刃長
の20%を下回ると鋳肌部内部への切り込み量を確保す
ることができなくなり、逆に70%を上回ると相対的に
ランドが拡幅する部分の切刃部位が短くなって、鋳肌部
の表面部分を切削するに十分な切刃長を確保することが
できなくなるおそれが生じる。
【0012】また、切刃の全体に亙って切削抵抗の低減
を図るには、すくい面の少なくともノーズ部の近傍に、
切刃に対して陥没するように凹溝状のブレーカーを形成
するのが望ましい。この場合、ブレーカーは、上述した
従来のチップと同様に、多角形平板状のチップ本体のす
くい面とされる側面の周縁部全周に亙って形成されるよ
うにしてもよいが、特にチップ本体の両側面をすくい面
として使用可能とする場合には、上記すくい面の内方
に、チップ本体の厚さ方向に直交するように平坦面を形
成するとともに、上記ランドを、上記ノーズ部から所定
距離離間した位置において、上記平坦面に面一に連続す
るように形成して、ブレーカーがノーズ部の近傍に部分
的に形成されるようにするのが望ましい。これにより、
該すくい面を着座面として工具本体のチップ取付座底面
に着座せしめた際には、面一に連続する上記平坦面と拡
幅したランドとにより着座面積が増大するため、安定し
た着座性を確保することができるとともに、切削に供さ
れる切刃のうち拡幅するランドに沿う切刃部位について
は、そのチップの反対側で平坦面に面一に連続するラン
ドがチップ取付座底面に密着するため、この部分がオー
バーハング状となるのを避けることができ、工具剛性の
向上を図ることが可能となる。
【0013】
【実施例】図1ないし図5は本発明の一実施例を示すも
のである。これらの図においてチップ本体11は超硬合
金等の硬質材料から略正方形平板状に形成され、その略
正方形をなす2つの側面にすくい面12が形成されて選
択的に使用可能とされるとともに、このすくい面12の
周囲に配置される4つの周面がそれぞれ逃げ面13とさ
れている。そして、これらすくい面12と逃げ面13と
の交差稜線部に、該すくい面12の角部に位置するノー
ズ部14から延びるように切刃15が形成されている。
従って、本実施例では一つのチップ本体11に表裏それ
ぞれ4つの合計8つの切刃15…が形成されることとな
り、すなわち一つのチップで少なくとも8回の使い回し
が可能とされている。なお、上記ノーズ部14は、すく
い面12側からの平面視に1/4凸円弧状を呈するよう
に形成されている。
【0014】また、このすくい面12には、該すくい面
12の外周縁部を切刃15に沿って周回するように、該
切刃15に対して陥没する凹溝状のブレーカー16が形
成されている。このブレーカー16は、その切刃15に
直交する断面において、切刃15側から離間するに従
い、一定の傾斜でチップ厚さ方向(図2において上下方
向)をチップ本体1の内側に向けて陥没した後、円弧状
に凹曲してチップ厚さ方向外側に切れ上がるように形成
されている。さらに、すくい面12のこのブレーカー1
6の内方には、チップ厚さ方向に直交する平坦面17が
形成されている。ここで、この平坦面17は、切刃15
から略等しい位置に外周縁を有する正方形状に形成され
ており、またチップ厚さ方向には切刃15よりも僅かに
外側に位置するように形成されている。
【0015】そして上記切刃15には、該切刃15に沿
うようにしてランド18が形成されており、このランド
18は本実施例では、ノーズ部14側から切刃15に沿
って所定の距離Lだけ離間した位置Pまでの間に一定の
幅W1で延びる第一ランド部18Aと、この第一ランド
部18Aのノーズ部14とは反対側に連なり、平面視に
すくい面12の内方に向かって一段拡幅して第一ランド
部18Aの幅W1よりも大きな一定の幅W2で延びる第二
ランド部18Bとから構成されている。なお、これら第
一ランド部18Aおよび第二ランド部18Bは、各すく
い面12側においてそれぞれ、チップ厚さ方向に直交す
る一の仮想平面に沿って互いに面一となるように形成さ
れている。また、ノーズ部14から距離L離間した位置
Pにおいてランド18がすくい面12の内方に拡幅する
部分は、本実施例ではすくい面12側からの平面視に第
一ランド部18Aから第二ランド部18Bにかけて凹円
弧を描いて連なるように形成されている。
【0016】なお、上記第一ランド部18Aの幅W1
0.05〜0.3mmに設定されるのが望ましく、本実施
例では0.25mmに設定されている。また、上記第二ラ
ンド部18Bの幅W2は0.3mm以上に設定されるのが
望ましく、本実施例では0.4mmに設定されている。さ
らに、上記ノーズ部14からランド18が拡幅する位置
Pまでの距離Lは、切刃15の有効切刃長Cに対して2
0〜70%の範囲に設定されるのが望ましい。ただし、
ここでは上記距離Lを、図1に示すように円弧状をなす
ノーズ部14の一端から、該ノーズ部14の他端を通っ
てランド18が拡幅し始める位置までの、直線状に延び
る切刃15に平行な方向の距離をいうものとする。ま
た、本実施例のチップは、一のノーズ部14を挟んで隣
接する切刃15,15のいずれの側でも使用可能とされ
た、いわゆる勝手なしのチップであるため、切刃15の
有効切刃長Cは、上記すくい面12がなす正方形の一辺
の1/2の長さとされているが、例えば一のノーズ部1
4から一方の側に延びる切刃15しか使用しない、いわ
ゆる勝手つきのチップの場合には、この切刃15の有効
切刃長Cは、上記すくい面12がなす正方形の略全長に
亙ることとなる。
【0017】このような構成のチップは、例えば図6お
よび図7に示すように、正面フライスのようなスローア
ウェイ式の切削工具の軸線O回りに回転される工具本体
21に形成されたチップ取付座22に、一方のすくい面
12が工具回転方向側を向くようにして着脱自在に取り
付けられ、切削加工に供される。ここで、この正面フラ
イスにおいては、工具本体21の先端外周部に形成され
たチップポケット23の工具回転方向後方に取付凹所2
4が形成され、この取付凹所24にチップ本体11とク
サビ部材25とが挿入されて、このクサビ部材25をク
ランプネジ26によって締め付けることにより、該クサ
ビ部材25の工具回転方向側を向く面25Aと取付凹所
24の工具回転方向後方を向く面24Aとがチップ本体
11の両側面の平坦面17,17に密着してチップ本体
11を挟装し、当該チップを固定する構成となってい
る。そして本実施例のチップは、工具回転方向側から見
て、一のノーズ部14が工具先端側に突出し、このノー
ズ部14に連なる切刃15が工具基端側に向かうに従い
工具外周側に向かうように傾斜して取り付けられてお
り、これによりノーズ部14の上記一端から他端を通っ
て上記有効切刃長Cまでの間の切刃15が使用可能とさ
れている。
【0018】しかるに、こうして本実施例のチップを装
着した正面フライスによって、例えば鋳鉄等の鋳肌部の
切削を行うには、図8に示すように切刃15による切り
込みを、ランド18の第一ランド部18Aに連なるノー
ズ部14側の切刃部位15Aによって鋳肌部Dの内部F
が切削されるように、かつ第二ランド部18Bに連なる
ノーズ部14から離間した切刃部位15Bによって鋳肌
部Dの表面部分Eが切削されるように調整すればよい。
すなわち、第一ランド部18Aから第二ランド部18B
に拡幅する位置Pが鋳肌部Dの内部Fと表面部分Eとの
境界部分に配されるように切刃15の切り込みを設定す
ればよく、これにより、硬度の高い鋳肌部Dの表面部分
Eは、拡幅した第二ランド部18Bを備えて高い刃先強
度が確保された切刃部位15Bによって切削される一
方、鋳肌部Dの内部Fは、第二ランド部18Bよりも幅
狭の一定幅とされた第一ランド部18Aに連なる切刃部
位15Aによって切削されることとなる。
【0019】従って、上記構成の本実施例のチップによ
れば、このノーズ部14側の切刃部位15Aによる切削
において全体に亙って切削抵抗の増大を抑えつつも、ノ
ーズ部14から離間した切刃部位15Bにおいては、被
削性の悪い表面部分Eに対しても高い刃先強度によって
十分に抗することができ、これにより当該切刃部位15
Bにおけるチッピングや欠損が発生を防止することが可
能となる。また、特に切り込みの境界となる鋳肌部Dの
表面についても、拡幅した第二ランド部18Bに連なる
切刃部位15Bによって切削が行われることとなるた
め、かかる切り込み境界における切刃15のチッピング
や欠損をも効果的に防ぐことができ、これらによってチ
ップの寿命の大幅な延長を図ることが可能となる。
【0020】ここで、本実施例では切刃15のノーズ部
14側の切刃部位15Aに沿って一定とされる第一ラン
ド部18Aの幅W1が0.25mmに設定される一方、ノ
ーズ部14から離間した切刃部位15Bに沿ってすくい
面12の内方に拡幅する第二ランド部18Bの幅W2
0.4mmに設定されているが、上記第一ランド部18A
の幅W1が小さすぎると、特に本実施例のように切刃1
5に沿って凹溝状のブレーカー16を形成した場合など
には、ノーズ部14側の切刃部位15Aの刃先強度が著
しく小さくなって、比較的硬度の低い鋳肌部Dの内部F
の切削にも耐えられなくなるおそれが生じる一方、逆に
第一ランド部18Aの幅W1が大きすぎると、本発明の
目的に反して切削抵抗が増大してしまうおそれが生じ
る。また、第二ランド部18Bの幅W2が小さいと、切
刃部位15Bに十分な刃先強度を確保することができな
くなって、欠損等を確実に防止することができなくなる
おそれが生じる。このような事情を考慮すると、上述し
たように第一ランド部18Aの幅W1は0.05〜0.
3mmに、また第二ランド部18Bの幅W2は0.3mm以
上に設定されるのが望ましい。
【0021】また、ノーズ部14の一端からランド18
が拡幅する第二ランド部18Bのノーズ部14側の位置
Pまでの距離Lについては、切刃15の切り込み量にも
よるが、この距離Lが切刃15の有効切刃長Cに対して
小さすぎると、上述のように切刃15の切り込みを調整
した場合に鋳肌部Dの内部Fへの切り込み量が小さくな
って、この鋳肌部Dの内部Fを必要十分に切削すること
ができなくなるおそれが生じ、逆に上記距離Lが切刃1
5の有効切刃長Cに対して占める割合が大きすぎると、
相対的に切刃15の第二ランド部18Bに連なる切刃部
位15Bが小さくなってしまい、鋳肌部Dの表面部分E
を切削するのに十分な切刃長を得ることができなくなる
おそれが生じる。このため、ノーズ部14からランド1
8が拡幅する位置Pまでの距離Lは、上述のように切刃
15の有効切刃長Cに対して20〜70%の範囲に設定
されるのが望ましいのである。
【0022】なお、図6ないし図8では、本実施例のチ
ップをスローアウェイ式の正面フライスに装着した場合
について説明したが、これ以外の例えばスローアウェイ
式のバイトのような切削工具に本実施例のチップを装着
しても、上述したのと同様の作用効果を得ることができ
るのはもちろんである。また、ランド18を形成する他
に、切刃15の全体あるいは一部に沿って丸ホーニング
やチャンファーホーニングを施すようにしてもよく、こ
れにより切削抵抗を増大させることなく、より一層の切
刃15の刃先強度の向上を図ることができる。さらにま
た、本実施例では、切刃15に沿ってすくい面12の外
周縁部に凹溝状のブレーカー16が形成されており、こ
れによって切刃15の実際のすくい角を正角側に設定す
ることができるため、特にノーズ部14側の切刃部位1
5Aにおいて一層の切削抵抗の低減が図られるととも
に、本実施例のチップをバイトのような旋削工具に装着
した場合に、連続して生成される切屑を円滑に処理する
ことができるという効果を奏している。
【0023】ところで、上記実施例のチップでは、この
凹溝状のブレーカー16をすくい面12の全周に亙って
切刃15に沿うように形成したが、例えばこのブレーカ
ー16を図9ないし図12に示すようにすくい面12上
の4つのノーズ部12の近傍のみに形成するようにして
もよい。ただし、これら図9ないし図12に示したチッ
プにおいては、図1ないし図5に示したチップと構成要
素として共通する部分には同一の符号を配してある。こ
の実施例のチップでは、ブレーカー16がノーズ部14
の近傍のみに形成されることから、切刃15の各ノーズ
部14から離間した部分の切刃部位15Bにおいてはブ
レーカー16がなく、このため該切刃部位15Bに沿う
第二ランド部18Bは切刃15側からチップ厚さ方向に
直交する方向にすくい面12の内方に延びている。そし
て、この第二ランド部18Bは、すくい面12の中央部
に形成された平坦面17に面一に連続するように形成さ
れている。
【0024】なお、この実施例では、切刃15のノーズ
部14側の切刃部15Aは、上記平坦面17よりチップ
厚さ方向内方に一段低い位置に形成されており、すなわ
ち切刃部位15Aおよび第一ランド部18Aと切刃部位
15Bおよび第二ランド部18Bとの間には、チップ本
体11の周面方向から見て図10に示すように、ランド
18が拡幅し始める位置Pに合わせて段差が形成される
こととなる。また、第二ランド部18Bに連なる切刃部
15Bには、図12に示すようにチャンファーホーニン
グが施されている。さらに第二ランド部18Bは、ラン
ド18が拡幅し始める位置Pから切刃15に沿ってノー
ズ部14に対して離間する側に向かうに従い、漸次すく
い面12の内方に向けて拡幅して上記平坦面17に連な
るように形成されている。
【0025】しかるに、このような構成のチップにおい
ても、切刃15のノーズ部14側の切刃部位15Aには
一定幅W1の第一ランド部18Aが形成される一方、こ
のノーズ部14から離間した切刃部位15Bにおいて
は、上記幅W1よりも大きな幅W2となるようにすくい面
12の内方に拡幅する第二ランド部18Bが形成されて
おり、従って上記図1ないし図5に示した実施例と同様
の効果を得ることができる。さらに、本実施例のチップ
によれば、ランド18の拡幅した第二ランド部18Bが
すくい面12の中央の平坦面17に面一に連続するよう
に形成されているため、当該チップをスローアウェイ式
切削工具の本体に形成されたチップ取付座に装着する際
に、図13に示すようにチップの着座面となる平坦面1
7に加えて第二ランド部18Bがチップ取付座の底面3
1に密着することとなり、これによってチップの着座面
積の増大が図られてチップを安定的に工具に装着するこ
とが可能となる。
【0026】また、これにより、切削に供される切刃1
5の反対側においてチップ本体11と取付座底面31と
の間に形成される間隙を小さくして、チップがオーバー
ハング状態となる範囲Hを縮小することができるので、
本実施例によれば特に切刃15に主分力が作用する方向
について工具剛性を十分に確保することが可能となり、
このため切削時にビビリ振動等が発生するのを防ぐこと
ができる。そして、これと上述したチップの着座安定性
の向上とにより、チップを強固に工具本体に装着するこ
とができ、高い加工面精度を得ることが可能となる。
【0027】なお、これら図1ないし図13に示したチ
ップはいずれも正方形平板状のものであったが、三角形
や菱形など他の多角形の平板状にチップに本発明を適用
するようにしても、もちろん構わない。また、これらの
実施例ではチップ本体11の両側面にすくい面12を形
成したが、一方の側面のみにすくい面12を形成するよ
うにしてもよい。さらに、本実施例ではいずれも逃げ面
13がチップ厚さ方向に沿って形成された、いわゆるネ
ガティブチップについて図示されているが、これをポジ
チップとしても構わない。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、鋳
鉄等の鋳肌部を切削する場合でも、一定幅のランドが形
成されたノーズ部側の切刃部位によって鋳肌部の内部を
切削するとともに、すくい面の内方に拡幅するランドが
形成されたノーズ部側から離間した切刃部位によって鋳
肌部の表面部分を切削することにより、ノーズ部側の切
刃部位における切削抵抗の増大を抑えつつ、ノーズ部か
ら離間した切刃部位にチッピングや欠損が生じるのを確
実に防ぐことができ、これによって工具寿命の延長を図
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すチップの平面図であ
る。
【図2】図1に示す実施例の周面(逃げ面)側からの図
である。
【図3】図1におけるノーズ部14の近傍の拡大平面図
である。
【図4】図1におけるUU断面図である。
【図5】図1におけるVV断面図である。
【図6】図1に示すチップを装着したスローアウェイ式
正面フライスの断面図である。
【図7】図6に示すスローアウェイ式正面フライスのチ
ップ取付座周辺を示す側面図である。
【図8】図6に示しスローアウェイ式正面フライスによ
り鋳肌部Dの切削を行う場合を示した図である。
【図9】本発明の他の実施例を示す平面図である。
【図10】図9に示す実施例の周面(逃げ面)側からの
図である。
【図11】図9におけるXX断面図である。
【図12】図9におけるYY断面図である。
【図13】図9に示すチップをチップ取付座に装着した
状態を示す図である。
【図14】従来のチップを示す平面図である。
【図15】図14に示す従来例の周面(逃げ面)側から
の図である。
【図16】図14におけるZZ断面図である。
【図17】図14に示すチップをチップ取付座に装着し
た状態を示す図である。
【符号の説明】
1,11 チップ本体 2,12 すくい面 3,13 逃げ面 4,14 ノーズ部 5,15 切刃 15A 切刃15のノーズ部14側の切刃部位 15B 切刃15のノーズ部14から離間した側の切刃
部位 6,16 ブレーカー 7,17 平坦面 8,18 ランド 18A 第一ランド部 18B 第二ランド部 W1 第一ランド部18Aの幅 W2 第二ランド部18Bの幅 P ランド18が拡幅する位置 L ノーズ部14からランド18が拡幅する位置Pまで
の距離

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多角形平板状のチップ本体の少なくとも
    一方の側面がすくい面とされるとともに、このすくい面
    の周りに配される周面が逃げ面とされ、これらすくい面
    と逃げ面との交差稜線部に、上記側面角部のノーズ部か
    ら延びる切刃が形成されてなるスローアウェイチップに
    おいて、上記切刃には、上記ノーズ部から該切刃に沿っ
    て一定幅で延びた後、該ノーズ部から所定距離離間した
    位置において上記すくい面の内方に向かって拡幅するラ
    ンドが形成されていることを特徴とするスローアウェイ
    チップ。
  2. 【請求項2】 上記ノーズ部側における上記ランドの幅
    が0.05〜0.3mmに設定されるとともに、上記すく
    い面の内方に拡幅した上記ランドの幅が0.3mm以上に
    設定されていることを特徴とする請求項1に記載のスロ
    ーアウェイチップ。
  3. 【請求項3】 上記ノーズ部から上記ランドが拡幅する
    位置までの距離が、上記切刃の有効切刃長に対して20
    〜70%に設定されていることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載のスローアウェイチップ。
  4. 【請求項4】 上記すくい面の少なくとも上記ノーズ部
    の近傍には、上記切刃に対して陥没するように凹溝状の
    ブレーカーが形成されていることを特徴とする請求項1
    ないし請求項3のいずれかに記載のスローアウェイチッ
    プ。
  5. 【請求項5】 上記すくい面の内方には、上記チップ本
    体の厚さ方向に直交するように平坦面が形成されるとと
    もに、上記ランドは、上記ノーズ部から所定距離離間し
    た位置において、上記平坦面に面一に連続するように形
    成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4
    のいずれかに記載のスローアウェイチップ。
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