JPH0839287A - 高強度Cr−Mo鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤ - Google Patents

高強度Cr−Mo鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤ

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JPH0839287A
JPH0839287A JP17501494A JP17501494A JPH0839287A JP H0839287 A JPH0839287 A JP H0839287A JP 17501494 A JP17501494 A JP 17501494A JP 17501494 A JP17501494 A JP 17501494A JP H0839287 A JPH0839287 A JP H0839287A
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JP
Japan
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steel
strength
welding wire
toughness
arc welding
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Application number
JP17501494A
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English (en)
Inventor
Kenji Oi
健次 大井
Koichi Yasuda
功一 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強度かつ高靱性の溶接金属から得られる2
1/4Cr −1Mo鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤを提供
する。 【構成】 重量%で、C:0.04〜0.13%、Si:0.25〜0.
60%、Mn:0.60〜1.40%、Cr:2.20〜2.65%、Mo:0.85
〜1.15%、V:0.15〜0.39%、Nb:0.03%以下、Ti:0.
01〜0.05%、Al:0.05〜0.20%、B:0.0005〜0.002
%、N:0.001 〜0.009 %、残部がFeと不可避的不純物
であることを特徴とする鋼ワイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温高圧の圧力容器に
用いられる2 1/4Cr −1Mo鋼のガスシールドアーク溶接
ワイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】石油精製分野において用いられる圧力容
器などには、クリープ強度の高い2 1/4Cr −1Mo鋼や3
Cr−1Mo鋼が、従来から用いられており、JIS にも取り
入れられている。近年、この分野において、プラントの
操業効率の向上を狙って、強度・クリープ特性および耐
水素アタック性を従来鋼より向上させた改良鋼が開発さ
れるとともに、その溶接金属にもそれに対応する特性が
要求されるようになり、例えば特開昭62-101394 号公報
や特開昭63-112094 号公報に見られるように、Ti、V、
Nb、B等を添加し高強度化を図った溶接ワイヤが提案さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高強度2 1/4Cr −1Mo
鋼におけるガスシールドアーク溶接金属では、アークを
安定させるために酸化性ガスを使用するため、溶接金属
中の酸素レベルが高くなり、溶接金属の冷却過程におけ
る焼入性が著しく低下し、その後溶接後熱処理(PWHT)に
より十分な靱性を確保することが困難である。そのため
特開昭63-112094号公報に開示されたように、Ti添加を
行った鋼ワイヤがあるが、Tiの添加量が多すぎると強度
が上がりすぎて靱性の低下を招くという問題がある。ま
た、3Cr−1Mo鋼用ワイヤについて特開昭62-101394 号
公報に開示された技術では、V、Nb、Bを添加して焼入
性を高め、高強度を達成するとしているが、Bは酸素と
の結合力が強く、酸素の高い溶接金属では有効な固溶B
が十分得られず、かえって粗大な酸化物を形成して靱性
劣化を招くという問題がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記問題点を
解決し、高酸素の溶接金属においてもTiおよびBの添加
効果を高めて、高強度を保ちつつ、靱性にも優れた特性
を有するためのガスシールドアーク溶接ワイヤを提供す
るものである。すなわち、酸化性ガスをシールドガスと
することで、Bは高酸素となった溶接金属において酸素
との結合力が強く、酸化物となって消耗し、焼入性効果
を有する固溶Bを十分確保できないという問題点を回避
するために、Alによる脱酸を優先的に行わせて酸素量を
低減する。Alを添加しない場合には脱酸のためにTiを大
量に添加する必要があるが、本発明によればAlの添加に
よる脱酸効果により、Tiの過剰添加がもたらす強度の上
がりすぎによる靱性低下を防ぐことが可能となり、適量
のTiO が生成され、結晶の核生成サイトとして働いて結
晶粒を微細化し、溶接金属の靱性を高めることが可能と
なった。さらに、Nを添加することでTiNを生成し、TiO
と同様の結晶粒微細化の働きにより靱性を高めること
ができ、また程良い強度上昇効果も得られる。このよう
に、TiとBを有効に作用させるためにAlとNを複合添加
することにより、強度の向上と靱性の大幅な改善が図れ
ることを新たに見い出し、本発明に至ったものである。
【0005】すなわち本発明は、Ar-CO2混合ガスまたは
Ar-O2 混合ガスをシールドガスとして用いる溶接ワイヤ
であって、重量%で、C:0.04〜0.13%、Si:0.25〜0.
60%、Mn:0.60〜1.40%、Cr:2.20〜2.65%、Mo:0.85
〜1.15%、V:0.15〜0.39%、Nb:0.03%以下、Ti:0.
01〜0.05%、Al:0.05〜0.20%、B:0.0005〜0.002
%、N:0.001 〜0.009 %、残部がFeと不可避的不純物
であることを特徴とする高純度Cr-Mo 鋼用ガスシールド
アーク溶接ワイヤである。
【0006】
【作用】本発明の溶接ワイヤの成分限定理由を以下に示
す。Cは、0.04%未満では十分な強度確保が困難で、0.
13%を超えると強度、硬さの上昇による靱性低下と溶接
金属の割れが問題となる。したがってC量の範囲として
は0.04〜0.13%とした。
【0007】Siは、脱酸剤として有効であるが、0.25%
未満では十分な効果が得られず、0.60%を超えると焼戻
し脆化が大となる。したがってSi量の範囲を0.25〜0.60
%とした。Mnも、Siと同様の脱酸の働きをするため、0.
60〜1.40%に限定した。Cr、Mo、Vは、本発明が適用対
象とする高強度2 1/4Cr −1Mo鋼の基本成分であり、母
材と含有量が同等になるように規定した。
【0008】Nbは、クリープ強度向上に有効であるが、
0.03%を超えると強度上昇による靱性の劣化を招くの
で、添加量を0.03%以下と規定した。Ti、Al、Bおよび
Nは、本発明において重要な役割をなす元素である。Ti
およびBは非常に重要な作用を持つものであるが、過剰
になると有害な作用も顕著になるので最小限度の添加に
とどめ、この最小限度の量を最大限に有効に作用させる
ようにAlおよびNを複合添加するのが本発明のポイント
である。
【0009】Tiは、酸素および窒素と結びつき変態時の
結晶粒生成の核となるもので、0.01%未満では組織を微
細にする核生成サイトの数が十分でなく、0.05%を超え
ると強度が高くなりすぎ靱性が劣化する。したがって0.
01〜0.05%の範囲とした。Alは、適当な脱酸剤として働
く元素で0.05%未満では効果がなく、0.20%を超えると
脱酸によりTiの酸化物が減少し、核生成サイトを少なく
する。したがって0.05〜0.20%の範囲とした。
【0010】Bは、固溶Bしている場合、焼入性を向上
させる元素であるが、5ppm 未満では、通常、すべて酸
化物、窒化物となり焼入れ性を上げるのに効果がなく、
20ppm を超えると溶接金属の割れ発生の原因となる。し
たがって0.0005〜0.002 %の範囲とした。Nは、鋼溶製
時に真空脱ガス処理などを施してもある程度は存在する
ものであり、またNを含有させればTiと結合して核生成
サイトとして働く。しかし、含有量が90ppm を超えると
Bと結合して固溶Bを減少させ、焼入性向上作用を減殺
する。したがって、 0.001〜 0.009%の範囲とした。
【0011】
【実施例】板厚50mmの高強度2 1/4Cr −1Mo鋼母材を、
図1に示す開先形状に加工後、表1の組成の鋼ワイヤN
o. 1〜14を用いて、表2に示す条件でガスシールドア
ーク溶接を行い、溶接継手を得た。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】その後得られた溶接継手を 690℃×24hの
PWHT処理を行い、溶接金属の中心から採取した試験片に
よりシャルピー衝撃試験及び 482℃での丸棒高温引張試
験を行い、 VTr40及び482 ℃での引張強さを求め、表1
にその結果を示した。表1の結果から明らかなように、
本発明の溶接ワイヤNo. 1〜6を用いて作製した溶接金
属では強度、靱性ともに良好な値が得られた。一方比較
例の溶接ワイヤNo. 7 はTiが適正範囲を超えているた
め、高強度であるが靱性が低い。しかし、Tiを添加しな
いNo. 11は強度も低く、靱性も低い。Alが適正範囲を超
えたNo.8は強度、靱性とも実施例に比較してかえって
劣化の傾向を示している。Alを添加していないNo. 12は
高強度であるが、靱性が悪い。Bを添加していないNo.
9は低強度かつ低靱性である。反対にB含有量の過剰な
No. 13は高強度であるが低靱性である。Nが適正範囲を
超えたNo. 10は高強度であるが、靱性が劣化している。
Nが適正範囲未満であるNo. 14は低強度かつ低靱性であ
った。すなわち、Ti、Al、B、N量が適正範囲をはずれ
た場合には靱性値が非常に低下する結果となった。ま
た、強度においても高Tiまたは高Nの場合には高くなり
すぎ、高Al、B無添加の場合には低下しており、本発明
のような安定した強度も得られなかった。
【0015】
【発明の効果】本発明の溶接ワイヤは、Ti、Al、B、N
を複合添加することにより、高酸素の溶接金属において
も焼入性が高く、微細な組織を得ることで高強度、高靱
性を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に用いた開先形状を示す断面図。
【符号の説明】 1 母材 2 裏当て金 3 開先
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/32

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ar-CO2混合ガスまたはAr-O2 混合ガスを
    シールドガスとして用いるガスシールドアーク溶接ワイ
    ヤであって、重量%で、C:0.04〜0.13%、Si:0.25〜
    0.60%、Mn:0.60〜1.40%、Cr:2.20〜2.65%、Mo:0.
    85〜1.15%、V:0.15〜0.39%、Nb:0.03%以下、Ti:
    0.01〜0.05%、Al:0.05〜0.20%、B:0.0005〜0.002
    %、N:0.001 〜0.009 %、残部がFeと不可避的不純物
    であることを特徴とする高強度Cr-Mo 鋼用ガスシールド
    アーク溶接ワイヤ。
JP17501494A 1994-07-27 1994-07-27 高強度Cr−Mo鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤ Pending JPH0839287A (ja)

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