JPH0839157A - ヘミング装置 - Google Patents

ヘミング装置

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JPH0839157A
JPH0839157A JP17381794A JP17381794A JPH0839157A JP H0839157 A JPH0839157 A JP H0839157A JP 17381794 A JP17381794 A JP 17381794A JP 17381794 A JP17381794 A JP 17381794A JP H0839157 A JPH0839157 A JP H0839157A
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JP
Japan
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arm
blade
outer panel
flange portion
bending
Prior art date
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Application number
JP17381794A
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English (en)
Inventor
Shoji Umemura
庄司 梅村
Ryuji Sonoda
竜司 薗田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アウタパネルのフランジ部がプリ刃の退避位
置に対して反対側に傾いている場合でも、プリ刃による
フランジ部の押圧角度を最適に維持しつつ、予備曲げ加
工後は、プリ刃とヘム刃の干渉を防止する。 【構成】 アウタパネル30のフランジ部30aを予備
曲げするためのプリ刃50を、上型44の下降に伴い独
立して揺動する第1のアーム62と第2のアーム64を
有する揺動力付与手段60により、退避位置M1 と下型
42に載置されたアウタパネル30のフランジ部30a
に当接する位置との間で所定の軌跡および速度をもって
揺動させ、予備曲げ終了後には、プリ刃50をヘム刃5
2の下降に対して素早く逃がす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリ刃による予備曲げ
とヘム刃による本曲げとによりアウタパネルのフランジ
部をヘミング加工するヘミング装置に関し、とくにアウ
タパネルのフランジ部がプリ刃の退避位置に対して反対
側に傾いている場合でも、プリ刃とヘム刃との干渉を防
止することが可能なヘミング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アウタパネルの端部に形成されたフラン
ジ部を内側に折り曲げてインナパネルの端部をはさみ込
むことにより、アウタパネルとインナパネルとを一体化
するヘミング加工は、従来から知られている。ヘミング
加工に関する先行技術の一例として、特開平3−210
916号公報が知られている。本公報には、下型にセッ
トされたアウタパネルのフランジ部を上型の下降に伴っ
て揺動可能なプリ刃にて押圧することにより予備曲げ加
工(プリ曲げ加工)を行った後、プリ刃を逃がし上型に
設けたヘム刃にて予備曲げされたフランジ部を押圧する
ことにより、本曲げ加工(ヘム曲げ加工)を行う旨が開
示されている。
【0003】図31は、ヘミング加工の予備曲げ加工条
件を示している。下型4に載置されたアウタパネル2を
プリ刃5により予備曲げする際には、アウタパネル2の
フランジ部2aを斜め上方から押圧する必要がある。す
なわち、フランジ部2aをプリ刃5によって押圧する力
Pは角度θをもって作用させることが必要であり、角度
θが小さすぎるとアウタパネル2を下型4に十分に密着
させることができず、アウタパネル2が下型4から浮き
上ってしまう。また、角度θが大きすぎると、フランジ
部2aが座屈してしまう。したがって、フランジ部2a
の予備曲げ加工においては、プリ刃5による押圧力の方
向を所定の角度の範囲に設定する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アウタパネル
のフランジ部がプリ刃の退避位置に対して反対側に大き
く傾いている形状である場合は、つぎの問題が生じる。
図32に示すように、アウタパネル2が下型4に傾斜し
た状態で配置される場合は、アウタパネル2のフランジ
部2aの端面からプリ刃5の退避位置までの距離が長く
なり、予備曲げ加工のためのプリ刃5のフランジ部2a
側への進入量を多く取る必要がある。そのため、プリ刃
5によるフランジ部2aの予備曲げ加工後、上型に取付
けられたヘム刃6の下降に対してプリ刃が逃げきれず、
プリ刃5とヘム刃6が干渉するという問題がある。これ
を、図33ないし図36を用いて説明する。
【0005】図33および図34は、ヘミング装置の一
例を示している。下型10には、アウタパネル2が傾斜
した状態で載置されている。インナパネル3は、アウタ
パネル2に重ねられている。プリ刃11は、アーム12
に固定されており、アーム12は下型10側に軸13を
介して揺動可能に支持されている。アーム12は、上型
14に取付けられたカム15に接触することにより、ア
ウタパネル2側に揺動し、プリ刃11によってアウタパ
ネル2のフランジ部2aが予備曲げされる。つぎに、上
型14の下降量が多くなると、アーム12がカム15の
上面に接触し、プリ刃11はフランジ部2aから後退す
るが、上型14に取付けられたヘム刃16の下降に対し
てプリ刃11が逃げきれず、図34のAに示すように、
プリ刃11とヘム刃16が干渉する。
【0006】図35および図36は、ヘミング装置の別
の例を示している。下型20には、アウタパネル2が傾
斜した状態で載置されている。インナパネル3は、アウ
タパネル2に重ねられている。プリ刃21は、アーム2
2に固定されている。アーム22は、平行リンク23を
介して下型20側に揺動可能に支持されている。アーム
22は、上型24に取付けられたカム25に接触するこ
とにより、アウタパネル2側に揺動し、プリ刃21によ
ってアウタパネル2のフランジ部2aが予備曲げされ
る。つぎに、上型24の下降量が多くなると、アーム2
2がカム25の上面に接触し、プリ刃21はフランジ部
2aから後退するが、上型24に取付けられたヘム刃2
6の下降に対してプリ刃21が逃げきれず、図36のB
に示すように、プリ刃21とヘム刃26が干渉する。
【0007】上述のように、プリ刃とヘム刃が干渉する
ことは、1工程でのヘミング加工ができないことであ
り、プリ刃による予備曲げとヘム刃による本曲げの2工
程が必要となる。そのため、プレス設備が増加するとと
もに、その分の設備スペースも確保しなければならない
という問題が生じる。したがって、ヘミング加工におい
ては、プリ刃によるフランジ部の押圧角度を最適に維持
しつつ、予備曲げ加工後は、プリ刃とヘム刃の干渉を防
止することが要求される。
【0008】本発明は、アウタパネルのフランジ部がプ
リ刃の退避位置に対して反対側に傾いている場合でも、
プリ刃によるフランジ部の押圧角度を最適に維持しつ
つ、プリ刃とヘム刃の干渉を防止することが可能なヘミ
ング装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
のヘミング装置は、つぎのように構成されている。 (1)端部にフランジ部が形成されたアウタパネルと、
該アウタパネルに重ねられたインナパネルとが載置され
る固定型と、前記固定型の上方に配置され、固定型に対
して進退可能な可動型と、前記固定型に載置された前記
アウタパネルのフランジ部を予備曲げするためのプリ刃
と、前記可動型の固定型側への移動に伴い独立して揺動
する第1のアームと第2のアームを有し、該第2のアー
ムと連結される第1のアームに取付けられた前記プリ刃
を、退避位置と固定型に載置されたアウタパネルのフラ
ンジ部に当接する位置との間で揺動させる揺動力付与手
段と、前記可動型に設けられ、前記揺動力付与手段によ
るプリ刃の揺動により予備曲げされたフランジ部の本曲
げを行うヘム刃と、を備えたことを特徴とするヘミング
装置。 (2)前記プリ刃の先端に、予備曲げ時にアウタパネル
のフランジ部の端面と係合する係合用ストッパが設けら
れ、該係合用ストッパはシム板の交換によりプリ刃に対
して位置調整自在である上記(1)記載のヘミング装
置。 (3)前記揺動力付与手段の第1のアームに、インナパ
ネルをアウタパネルに押し付けるインナパネル押え部が
設けられた上記(2)記載のヘミング装置。 (4)前記可動型の固定型側への移動に伴いアウタパネ
ルに向って揺動するロケータを有し、該ロケータがアウ
タパネルのフランジ部を押圧することによりアウタパネ
ルの下型に対する位置決めを行う可動ロケータ機構部が
設けられた上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の
ヘミング装置。 (5)前記揺動力付与手段は、プリ刃が取付けられる第
1のアームと、一方が第1のアームと揺動可能に連結さ
れ、他方が固定型側に揺動可能に連結され、第1のアー
ムの側面と当接可能なストッパを有する第2のアーム
と、第1のアームを第2のアームのストッパ側に引き寄
せるスプリングと、第2のアームをアウタパネルのフラ
ンジ部から離れる方向に引き寄せるスプリングと、可動
型に取付けられ、第1のアームと接触可能なカムと、可
動型に取付けられ、第2のアームと接触可能なカムと、
を備えた上記(1)記載のヘミング装置。 (6)前記揺動力付与手段は、プリ刃が取付けられる第
1のアームと、一方が第1のアームと揺動可能に連結さ
れ、他方が固定型側に揺動可能に連結される第2のアー
ムと、一方が第1のアームと揺動可能に連結され、他方
が固定型側に揺動可能に連結される揺動アームと、第2
のアームをアウタパネルのフランジ部から離れる方向に
引き寄せるスプリングと、可動型に取付けられ、第2の
アームと接触可能なカムと、を備えた上記(1)記載の
ヘミング装置。
【0010】
【作用】上記(1)のヘミング装置においては、プリ刃
を第1のアームと第2のアームとを有する揺動力付与手
段によって揺動させるようにしているので、アウタパネ
ルのフランジ部への押圧角度を最適に維持しつつ、プリ
刃の揺動量を大きくすることが可能となる。すなわち、
プリ刃が取付けられる第1のアームは第2のアームと連
結され、第1のアームと第2のアームは独立して揺動す
るので、第1のアームの揺動によりプリ刃によるフラン
ジ部への押圧角度を最適に維持でき、フランジ部の予備
曲げ後は、第2のアームの揺動によりプリ刃をヘム刃の
下降に対して素早く逃がすことができ、プリ刃とヘム刃
の干渉を防止することができる。上記(2)のヘミング
装置においては、アウタパネルの剛性が小さい場合等
は、プリ刃によってフランジ部の先端を斜め上方から押
圧しても、フランジ部が曲がらずアウタパネルが固定型
から浮き上がってしまうことがある。ここで、プリ刃の
先端に、予備曲げ時にアウタパネルのフランジ部の端面
と係合する係合用ストッパを設けることにより、アウタ
パネルを固定型に十分に密着させることが可能となる。
また、係合用ストッパはシム板の変更により位置調整自
在であるので、プリ刃に対する係合用ストッパの位置調
整が容易となり、アウタパネルの設計変更等に容易に対
応可能となる。上記(3)のヘミング装置においては、
揺動力付与手段の第1のアームに、インナパネルをアウ
タパネルに押し付けるインナパネル押え部を設けたの
で、ヘミング加工時におけるインナパネルのアウタパネ
ルに対する位置ずれが防止される。また、プリ刃と同様
にインナパネル押え部をヘム刃の下降に対して素早く逃
がすことができ、インナパネル押え部とヘム刃の干渉が
防止される。上記(4)のヘミング装置においては、ロ
ケータが揺動可能であるので、固定型に載置されたアウ
タパネルのフランジ部がプリ刃の反対側に傾いている形
状であっても、フランジ部の側面をロケータにより押圧
することが可能となり、アウタパネルを下型に対して確
実に位置決めすることが可能となる。
【0011】
【実施例】
第1実施例 図1ないし図23は、本発明の第1実施例を示してお
り、とくに自動車のドアの成形に適用した場合を示して
いる。図1において、40はヘミング装置を示してい
る。ヘミング装置40は、固定型としての下型42と可
動型としての上型44を有している。下型42は、ベー
ス46に取付けられている。ベース46は、図示しない
プレス機械のベッドに固定されている。上型44は、図
示しないプレス機械のラムに固定されている。上型44
は、下型42に対して昇降可能(進退可能)となってい
る。下型42の上面には、端部にフランジ部30aが形
成された薄板鋼板からなるアウタパネル30が載置され
ている。アウタパネル30の上面には、薄板鋼板からな
るインナパネル32が重ねられている。
【0012】下型42の外方には、下型42に載置され
たアウタパネル30のフランジ部30aを予備曲げする
ためのプリ刃50が配置されている。上型44には、プ
リ刃50によって予備曲げされたフランジ部30aを本
曲げするヘム刃52が取付けられている。下型42の外
側には、プリ刃50を、図1に示す退避位置M1 と図4
に示す下型42に載置されたアウタパネル30のフラン
ジ部30aに当接する位置M2 との間で所定の軌跡およ
び速度で揺動させる揺動力付与手段60が設けられてい
る。
【0013】揺動力付与手段60は、つぎのように構成
されている。揺動力付与手段60は、第1のアーム6
2、第2のアーム64、スプリング66、スプリング6
8、カム70、カム72を有している。第1のアーム6
2には、プリ刃50が取付けられている。第1のアーム
62は、第2のアーム64にピン63を介して揺動可能
に連結されている。第2のアーム64は、ベース46に
固定されたベースブラケット67にピン65を介して揺
動可能に連結されている。第2のアーム62には、カム
ローラ62aがピン62bを介して回転自在に取付けら
れている。
【0014】第2のアーム64には、第1のアーム62
の側面が当接可能なストッパ64aが設けられている。
第1のアーム62には、スプリングフック62cが取付
けられている。第2のアーム64には、カムローラ64
bがピン64cを介して回転自在に取付けられている。
第1のアーム62のスプリングフック62cと第2のア
ーム64のピン64cは、スプリング(引張りコイルス
プリング)66を介して連結されている。第1のアーム
62は、スプリング66の引張り力により第2のアーム
64のストッパ64a側に引き寄せられるようになって
いる。
【0015】ベースブラケット67には、支持ブラケッ
ト69が取付けられている。支持ブラケット69には、
スプリングフック69aが取付けられている。第1のア
ーム62と第2のアーム64とを連結するピン63は、
スプリング(引張りコイルスプリング)68を介してス
プリングフック63と連結されている。第2のアーム6
4は、スプリング68の引張り力によりアウタパネル3
0のフランジ部30aから離れる方向に引き寄せられる
ようになっている。
【0016】上型44には、下方に延びるカムドライバ
ー74が取付けられている。カムドライバー74には、
カム70とカム72がそれぞれ取付けられている。カム
70は、カム72よりも下方に位置している。カム70
には、第2のアーム64のカムローラ64bのみが接触
可能となっている。カム72には、第1のアーム62の
カムローラ62aのみが接触可能となっている。すなわ
ち、第1のアーム62はカム72との接触のみによって
第2のアーム64に対して揺動し、第2のアーム64は
カム70との接触のみによってベースブラケット67に
対して揺動するようになっている。
【0017】カム70の上面70aは、水平面に近い傾
斜面となっている。カム72の上面72aは、水平面に
近い傾斜面となっている。カム70の上面70aを水平
面に近い傾斜面とすることにより、予備曲げ終了後は、
第2のアーム64は上型44の僅かな下降でアウタパネ
ル30のフランジ部30aから遠ざかる方向に素早く揺
動するようになっている。同様に、カム72の上面72
aを水平面に近い傾斜面とすることにより、予備曲げ終
了後は、第1のアーム62は上型44の僅かな下降でア
ウタパネル30のフランジ部30aから遠ざかる方向に
素早く揺動するようになっている。
【0018】支持ブラケット69側には、リミットスイ
ッチ80が取付けられている。リミットスイッチ80
は、第2のアーム64側に取付けられたドッグ82と当
接可能となっている。第2のアーム64側には、リミッ
トスイッチ84が取付けられている。リミットスイッチ
84は、第1のアーム62側に取付けられたドッグ86
と当接可能となっている。各リミットスイッチ80、8
4は、スプリング66、68の破損を検出するものであ
り、第1のアーム62および第2のアーム64がスプリ
ング66、68の切断によって所定の姿勢にならない場
合は、リミットスイッチ80、84の動作により、プレ
ス機械(図示略)が自動停止するようになっている。こ
れにより、揺動力付与手段60の破損が未然に防止され
る。
【0019】図8は、プリ刃の変形例を示している。ア
ウタプレート30のフランジ部30aの高さが著しく高
い場合や、アウタプレート30の剛性が小さい場合は、
プリ刃50によるフランジ部30aの予備曲げ時に、ア
ウタプレート30が下型42の上面から浮き上がること
がある。そこで、プリ刃50の先端には係合用ストッパ
90が設けられている。プリ刃50の端面50bと係合
用ストッパ90との間には、複数枚のシム板92が設け
られている。係合用ストッパ90と各シム板92には、
ボルト穴(図示略)が形成されている。係合用ストッパ
90と各シム板92は、ボルト穴に挿入されたボルト9
4によってプリ刃50に締結されている。
【0020】係合用ストッパ90は、プリ刃50の押圧
面50aよりも斜め下方に突出しており、この突出部分
にアウタパネル30のフランジ部30aの端面が係合可
能となっている。プリ刃50の端面50bから係合用ス
トッパ90までの距離Sは、シム板92の枚数を増減す
ることにより変化させることができる。これにより、フ
ランジ部30aの形状が設計変更等により変化した場合
でも、対応が容易になる。
【0021】ヘミング加工においては、アウタパネル3
0に対するインナパネル32の位置は決められており、
ヘミング加工時におけるアウタパネル30に対するイン
ナパネル32の位置ずれ発生を防止する必要がある。そ
こで、本実施例では、図9ないし図15に示すように、
揺動力付与手段60の第1のアーム62に、インナパネ
ル32をアウタパネル30に押し付けるインナパネル押
え部100が設けられている。インナパネル押え部10
0は、図15に示すように、先端面100aと段差面1
00bとを有しており、先端面100aでアウタパネル
30を下型42に押圧し、段差面100bでインナパネ
ル32をアウタパネル30に押圧するようになってい
る。図9ないし図15では、アウタパネル30は下型4
2に水平に載置されているが、図1のように下型42に
対して斜めに載置されている場合でも、インナパネル押
え部100により確実にインナパネル32を押圧するこ
とができる。
【0022】従来では、インナパネル32の位置ずれを
防止するのに、上型44側にインナパネル33を押圧す
る機構を設けていたが、図15に示すように、インナパ
ネル32の一部32aがフランジ部30aの直上に位置
する場合は、インナパネル押え部100を単に上方から
下降させることはできない。そこで、本実施例では、イ
ンナパネル押え部100を揺動力付与手段60により移
動させることにより、これを解決している。なお、イン
ナパネル押え部100を揺動力付与手段60により移動
させる場合は、インナパネル押え部100とアウタパネ
ル30のフランジ部30aが干渉するので、インナパネ
ル押え部100が進入可能なスペース分だけフランジ部
30aに切欠部30bを形成する必要がある。
【0023】インナパネル押え部100は、第1のアー
ム62に取付けられたプリ刃50に併設してもよい。す
なわち、同一の第1のアーム62にプリ刃50とインナ
パネル押え部100を設けてもよい。また、プリ刃50
が設けられる揺動力付与手段60と別の揺動力付与手段
60を単独に設け、この揺動力付与手段60の第1のア
ーム62にインナパネル押え部100のみを設ける構成
としてもよい。この場合の揺動力付与手段60は、図9
ないし図15に示すように、予備曲げ加工手段として機
能するのではなく、インナパネル32の位置ずれ防止手
段として機能する。なお、インナパネル押え部100
は、揺動力付与手段60に取付けられるので、ヘム刃6
2とインナパネル押え部100の干渉も確実に防止され
る。
【0024】図23の(A)に示すように、アウタパネ
ル30の形状が平坦である場合は、下型42に対するア
ウタパネル30の水平方向(X方向)の位置決めは、下
型42に固定されたロケータ102によって行うことが
できるが、図23の(B)に示すように、アウタパネル
30が下型42に傾斜して配置される場合は、アウタパ
ネル30の上下方向(Y方向)の位置ずれを下型42に
固定されたロケータ102によって防止することができ
ない。したがって、本実施例のように、図23の(B)
の場合には、下型42に対するアウタパネル30の位置
ずれを防止する必要がある。
【0025】図16ないし図21は、下型42に対する
アウタパネル30の位置ずれを防止する可動ロケータ機
構部110を示している。可動ロケータ機構部110
は、つぎように構成されている。可動ロケータ機構部1
10は、下型42を中心として水平方向に対向するよう
にそれぞれ配置することで、アウタパネル30の下型4
2に対する位置ずれを防止することができる。可動ロケ
ータ機構部110は、ブラケット112、ロケータ11
4、スプリング116、カム118を有している。ブラ
ケット112は、ベース46に固定されている。ブラケ
ット112には、ピン113を介してロケータ114が
揺動可能に支持されている。ブラケット112には、ロ
ケータ114のブラケット112に対する過度の揺動を
規制するストッパ112aが設けられている。ロケータ
114には、アウタパネル30側に延びるアーム部11
4aが形成されている。アーム部114aの先端は、ア
ウタパネル30のフランジ部30aと当接可能となって
いる。
【0026】ロケータ114には、カムローラ115が
回転自在に取付けられている。ロケータ114には、ス
プリングフック114bが取付けられている。ブラケッ
ト112には、スプリングフック112bが取付けられ
ている。スプリングフック112bとスプリングフック
114bは、スプリング(引張りコイルスプリング)1
16を介して連結されている。ロケータ114は、後面
がストッパ112aと当接するようにスプリング116
によって引張られている。上型44には、下方に延びる
カムドライバー117が取付けられている。カムドライ
バー117には、カムローラ115に接触可能なカム1
18が固定されている。
【0027】上型44が下降した際には、カム118が
ロケータ114のカムローラ115に接触し、ロケータ
114はアウタパネル30のフランジ部30a側に揺動
するようになっている。ロケータ114がアウタパネル
30側に揺動した際には、フランジ部30aはロケータ
114のアーム部114aによって押圧される。予備曲
げ用のプリ刃50は、当初フランジ部30aの端面のみ
に当接するようになっているが、ロケータ114のアー
ム114aの先端はフランジ部30aの側面全面に当接
するようになっている。したがって、ロケータ114の
押圧によるフランジ部30aの曲げ変形は防止されてい
る。
【0028】可動ロケータ機構部110においては、ア
ウタパネル30のフランジ部30aを折り曲げする必要
がないので、ロケータ114のフランジ部30aへの進
入量を多く取る必要はない。また、ロケータ114の進
入角も問題とならない。そのため、プリ刃50による予
備曲げ完了後、ヘム刃52の下降に対してロケータ11
4が逃げきれないという問題は生じない。したがって、
可動ロケータ機構部110を図1に示す第1のアーム6
2と第2のアーム64を用いた揺動力付与手段60のよ
うな機構にしなくとも、ロケータ114とヘム刃52の
干渉は確実に防止される。
【0029】図22は、図16の変形例を示している。
図16の可動ロケータ110は、上型44側に設けられ
たカム118の押圧力を利用してロケータ114を揺動
させる構成としたが、図22では空気圧等の流体圧を利
用してロケータを揺動させる構成としている。図22に
おいて、可動ロケータ機構部120は下型42に取付け
られている。可動ロケータ機構部120は、ロケータ1
22、エアシリンダ124を有している。ロケータ12
2は、下型42に形成されたアーム42aにピン123
を介して揺動可能に支持されている。エアシリンダ12
4の下端部は、下型42に形成されたアーム42bにピ
ン125を介して揺動可能に支持されている。
【0030】エアシリンダ124のロッド124aは、
ピン126を介してロケータ122の一方と連結されて
いる。ロケータ122は、エアシリンダ124のロッド
124aの伸縮によりピン123を中心として揺動する
ようになっている。ロケータ122の先端面は、下型4
2に載置されたアウタパネル30のフランジ部30aの
全面と当接可能になっている。エアシリンダ124は、
上型44が所定の位置まで下降した時に、ロケータ12
2をアウタパネル30のフランジ部30aに向けて揺動
させ、フランジ部30aの予備曲げ完了後は、素早くロ
ケータ122をフランジ部30aから外方に逃がすよう
に動作する。エアシリンダ124の動作制御は、上型4
4の下降量を検知するスイッチ等に基づき行われる。こ
れにより、ロケータ122とヘム刃52との干渉が確実
に防止されている。
【0031】つぎに、第1実施例における作用について
説明する。上型44が上死点で静止している状態では、
下型42の上面にアウタパネル30とインナパネル32
が載置される。アウタパネル30の端部には、別の工程
にて予めフランジ部30aが形成されている。インナパ
ネル32は、アウタパネル30に重ねられている。アウ
タパネル30とインナパネル32の下型42への搬入が
完了すると、上型44の下降が開始する。
【0032】上型44が一定量だけ下降すると、カム7
0が第2のアーム64のカムローラ64bに接触し、カ
ム70の押圧によって第2のアーム64がアウタパネル
30のフランジ部30a側に揺動する。この状態では、
図1および図2に示すように、第2のアーム64のスト
ッパ64aに第1のアーム62の側面が当接しているの
で、第1のアーム62は第2のアーム64の揺動に伴い
ピン65を中心にアウタパネル30のフランジ部30a
側に揺動する。さらに、下型42が下降すると、第2の
アーム64のカムローラ64bは、カム70の垂直面に
接触するので、上型44が下降しても第2のアーム64
は静止した状態となる。
【0033】上型44がさらに下降すると、図3に示す
ように、第1のアーム62のカムローラ62aに別のカ
ム72が接触し、第2のアーム64はカム72の押圧に
よりアウタパネル30のフランジ部30a側に揺動す
る。すなわち、第1のアーム62は、静止している第2
のアーム64に対して単独で揺動するので、プリ刃50
の移動方向が変化し、プリ刃50は斜め下方に移動する
ことになる。さらに、上型44が下降すると、カムロー
ラ62aは、カム72の頂部と接触することになり、第
1のアーム62がアウタパネル30のフランジ部30a
側に傾倒する。これにより、第1のアーム62に取付け
られたプリ刃50が斜め上方から所定の角度でアウタパ
ネル30のフランジ部30aの端部に当接し、図4に示
すように、フランジ部30aはプリ刃50の押圧によっ
て予備曲げされる。
【0034】さらに、上型44が下降すると、第1のア
ーム62のカムローラ62aがカム72の上面側に接触
するので、図5に示すように、第1のアーム62はスプ
リング66の引張り力によって第2のアーム64のスト
ッパ64a側に揺動する。これにより、プリ刃50はア
ウタパネル30のフランジ部30aから離れる方向に移
動する。さらに、上型44が下降すると、第2のアーム
64のカムローラ64bがカム70の上面側と接触する
ので、第2のアーム64はスプリング68の引張り力に
よってアウタパネル30のフランジ部30aから離れる
方向に移動する。
【0035】第2のアーム64の揺動により、プリ刃5
0がアウタパネル30のフランジ部30aの直上から外
方に逃げた状態では、図6に示すように、ヘム刃52が
フランジ部30aの直上まで下降する。ここで、揺動力
付与手段60は、第1のアーム62と第2のアーム64
は揺動可能に連結され、第1のアーム62と第2のアー
ム64は独立して揺動するので、フランジ部30aの予
備曲げ後は、カム70の水平面に近い上面70aとカム
72の水平面に近い上面72aの作用により、上型44
の僅かな下降により第1のアーム62と第2のアーム6
4をアウタパネル30のフランジ部30aから離れる方
向に大きく揺動させることができる。したがって、プリ
刃50をヘム刃52の下降に対して素早く逃がすことが
でき、プリ刃50とヘム刃52の干渉を防止することが
できる。
【0036】さらに、上型44が下降すると、図7に示
すように、予備曲げされたアウタパネル30のフランジ
部30aは、ヘム刃52の押圧によって本曲げされる。
これにより、インナパネル32の外周端部はフランジ部
30aによって折り込まれた状態となる。アウタパネル
30のフランジ部30aの本曲げ加工が終了すると、上
型44が上昇する。上型44が上昇する際には、各カム
ローラ62a、64bと各カム70、72が再度接触す
るので、第1のアーム62および第2のアーム64は、
上述した動作と逆の動作をすることになる。
【0037】フランジ部30aの予備曲げ時には、図1
6ないし図21に示すように、可動ロケータ110のロ
ケータ114によるフランジ部30aの押圧により、下
型42に対するアウタパネル30の位置ずれが防止でき
る。したがって、フランジ部30aの所望の部位をプリ
刃50によって確実に押圧することができ、加工精度の
バラツキを防止することができる。また、フランジ部3
0aの予備曲げ時には、インナパネル押え部100によ
ってインナパネル32がアウタパネル30に押し付けら
れるので、アウタパネル30に対するインナパネル32
の位置ずれが防止される。したがって、インナパネル3
2のアウタパネル30に対する片寄りがなくなり、ヘミ
ング加工における不良製品の発生を防止することができ
る。
【0038】また、アウタプレート30のフランジ部3
0aの高さが高い場合や、アウタプレート30の剛性が
小さい場合は、プリ刃50の予備曲げ時に、アウタプレ
ート30が下型42の上面から浮き上がることがある
が、プリ刃50の先端に係合用ストッパ90を設けるこ
とにより、プリ刃50による予備曲げ時にはフランジ部
30aと端部と係合用ストッパ90との係合により、フ
ランジ部30aの付根部分が下型42の上面に押圧され
る。したがって、アウタプレート30の端部は下型42
に密着した状態となり、精度の高い予備曲げ加工が可能
となる。さらに、係合用ストッパ90の位置は、シム板
92の枚数を増減することにより変更することができ、
位置調整やアウタパネル30の設計変更に対しても容易
に対応することができる。
【0039】第2実施例 図24ないし図27は、本発明の第2実施例を示してお
り、とくに自動車のドアの成形に適用した場合を示して
いる。図24において、200はヘミング装置を示して
いる。ヘミング装置200は、固定型としての下型20
2と可動型としての上型204を有している。下型20
2は、ベース206に取付けられている。ベース206
は、図示しないプレス機械のベッドに固定されている。
上型204は、図示しないプレス機械のラムに固定され
ている。上型204は、下型202に対して昇降可能と
なっている。下型202の上面には、端部にフランジ部
30aが形成されたアウタパネル30が載置されてい
る。アウタパネル30の上面には、インナパネル32が
重ねられている。
【0040】下型202の外方には、下型202に載置
されたアウタパネル30のフランジ部30aを予備曲げ
するためのプリ刃210が配置されている。上型204
には、プリ刃210によって予備曲げされたフランジ部
30aを本曲げするヘム刃212が取付けられている。
下型202の外側には、プリ刃210を、図24に示す
退避位置M1 と図25に示す下型202に載置されたア
ウタパネル30のフランジ部30aに当接する位置との
間で所定の軌跡および速度で揺動させる揺動力付与手段
220が設けられている。
【0041】揺動力付与手段220は、つぎのように構
成されている。揺動力付与手段220は、第1のアーム
222、第2のアーム224、スプリング226、揺動
アーム228、カム230、強制戻し232を有してい
る。第1のアーム222には、プリ刃210が取付けら
れている。第1のアーム222は、第2のアーム224
にピン223を介して揺動可能に連結されている。第2
のアーム224は、ベース206に固定されたベースブ
ラケット227にピン225を介して揺動可能に連結さ
れている。第2のアーム224には、カムローラ224
aがピン224bを介して回転自在に取付けられてい
る。
【0042】揺動アーム228は、一方がベースブラケ
ット227にピン228aを介して揺動可能に連結され
ている。揺動アーム228の上端部は、ピン222bを
介して第1のアーム222の下端部に揺動可能に連結さ
れている。ベースブラケット227の上端部には、第2
のアーム224の過度の揺動を規制するストッパ227
aが設けられている。ベースブラケット227の下部に
は、揺動アーム228の過度の下方への揺動を規制する
ストッパ227bが設けられている。
【0043】第2のアーム224には、スプリングフッ
ク224cが取付けられている。ベースブラケット22
7の下部には、スプリングフック227cが取付けられ
ている。スプリングフック224cとスプリング227
cは、スプリング(引張りコイルスプリング)226を
介して連結されている。第2のアーム224は、スプリ
ング226の引張り力によりアウタパネル30のフラン
ジ部30aから離れる方向に引き寄せられている。
【0044】上型204には、下方に延びるカムドライ
バー229が取付けられている。カムドライバー229
には、カム230と強制戻し232がそれぞれ取付けら
れている。カム230は、強制戻し232よりも下方に
位置している。第2のアーム224のカムローラ224
aは、カム230と強制戻し232に接触可能となって
いる。上型204の下降時には、カムローラ224aは
カム230の下面230bに接触した後、カム230の
頂面230cに接触し、その後カム232の上面230
aに接触するようになっている。すなわち、第2のアー
ム224は、カム230の下面230bとの接触により
ピン225を中心にベースブラケット227に対して揺
動し、第1のアーム222は第2のアーム224の揺動
に伴って、第2のアーム224および揺動アーム228
に対して揺動するようになっている。
【0045】カム230の上面230aは、水平面に近
い傾斜面となっている。カム230の上面230aを水
平面に近い傾斜面とすることにより、予備曲げ終了後
は、第2のアーム224は上型204の僅かな下降でア
ウタパネル30のフランジ部30aから遠ざかる方向に
素早く揺動するようになっている。なお、カム230の
上方に設けられている強制戻し232は、カムローラ2
24aを強制的にカム230の上面230aに導くもの
であり、上型204が高速で下降してもカムローラ22
4aは常時カム230と接触した状態を保つようになっ
ている。
【0046】ヘミング加工においては、アウタパネル3
0に対するインナパネル32の位置は決められており、
ヘミング加工時におけるアウタパネル30に対するイン
ナパネル32の位置ずれを防止する必要がある。そこ
で、第2実施例では、図28に示すように、揺動力付与
手段220の第1のアーム222に、インナパネル押え
部240が設けられている。インナパネル押え部240
は、第1のアーム222に取付けられたプリ刃210に
併設してもよい。すなわち、同一の第1のアーム222
にプリ刃210とインナパネル押え部240を設けても
よい。また、第1実施例と同様にインナパネル押え24
0専用の揺動力付与手段220を別個に設ける構成とし
てもよい。
【0047】なお、第2実施例においても、第1実施例
の図8に示す係合用ストッパ90をシム板92を介して
プリ刃210に取付ける構成としてもよいし、可動ロケ
ータ110によってアウタパネル30の位置ずれを防止
する構成を採用してもよい。
【0048】つぎに、第2実施例における作用について
説明する。上型204が上死点で静止している状態で
は、下型202の上面にアウタパネル30とインナパネ
ル32が載置される。アウタパネル30の端部には、別
の工程にて予めフランジ部30aが形成されている。イ
ンナパネル32は、アウタパネル30に重ねられてい
る。アウタパネル30とインナパネル32の下型202
への搬入が完了すると、上型204の下降が開始する。
【0049】下型202が一定量だけ下降すると、図2
4に示すように、カム230が第2のアーム224のカ
ムローラ224aに接触し、カム230の押圧により第
2のアーム224がピン225を中心としてアウタパネ
ル30のフランジ部30a側(矢印F1 方向)に揺動す
る。ここで、第1のアーム222は、ピン223を介し
て第2のアーム224と連結されているので、第1のア
ーム222もアウタパネル30のフランジ部30a側に
揺動するが、第1のアーム222の下端部はピン222
bを介して揺動アーム228に連結されているので、第
1のアーム222の下端部の動きが揺動アーム228に
よって規制される。これにより、第1のアーム222は
図24の矢印F2 に示すように、斜め下方に揺動するこ
とになる。
【0050】さらに、上型204の下降量が大となる
と、第1のアーム222の下方への移動量が大きくな
り、アウタパネル30のフランジ部30aがプリ刃21
0によって押圧される。ここで、第1のアーム222
は、第2のアーム224と揺動アーム228の双方に連
結されているので、第2のアーム224と揺動アーム2
28の動きに拘束されることになる。したがって、予備
曲げ加工においては、第1のアーム222に取付けられ
たプリ刃210は、図25の矢印F3 に示すように、最
初は緩やかな円弧を描くようにアウタパネル30のフラ
ンジ部30a側に移動し、フランジ部30aを予備曲げ
する直前では、揺動アーム228の動きにより、斜め下
方に移動方向を変え、予備曲げ加工に必要な角度でフラ
ンジ部30aに向って移動する。
【0051】プリ刃210の押圧により、フランジ部3
0aの予備曲げが終了すると、第2のアーム224のカ
ムローラ224aが下降してくるカム232と接触し、
第2のアーム224はフランジ部30aから離れる方向
に揺動する。第2のアーム224の揺動により、プリ刃
210がアウタパネル30のフランジ部30aの直上か
ら外方に逃げた状態では、図26に示すように、ヘム刃
212がフランジ部30aの直上まで下降する。ここ
で、揺動力付与手段220は、第1のアーム222と第
2のアーム224は独立して揺動するので、フランジ部
30aの予備曲げ後は、カム230の水平面に近い上面
230aの作用により、上型204の僅かな下降により
第2のアーム224をアウタパネル30のフランジ部3
0aから離れる方向に大きく揺動させることができる。
したがって、プリ刃210をヘム刃212の下降に対し
て素早く逃がすことができ、プリ刃210とヘム刃21
2の干渉を防止することができる。
【0052】さらに、上型204が下降すると、図27
に示すように、予備曲げされたアウタパネル30のフラ
ンジ部30aは、ヘム刃212によって本曲げされる。
これにより、インナパネル30の外周端部はフランジ部
30aによって折り込まれた状態となる。アウタパネル
30のフランジ部30aの本曲げ加工が終了すると、上
型204が上昇する。上型204が上昇する際には、カ
ムローラ224aとカム230が再度接触するので、第
1のアーム222および第2のアーム224は、上述し
た動作の逆の動作をすることになる。
【0053】上述したように、第1実施例における揺動
力付与手段60は単リンク構造であり、第2実施例にお
ける揺動力付与手段220は4リンク構造である。した
がって、第1実施例の揺動力付与手段60の場合は、ア
ウタパネル30のフランジ部30aが第1のアーム62
の支点となるピン63に対して一定の位置関係でない
と、プリ刃50による予備曲げ時の押圧角度(図31の
角度θ)が一定とならず、特定のワーク形状にしか対応
できない。これに対し、第2実施例の揺動力付与手段2
20の場合は、フランジ部30aの位置が変化してもプ
リ刃210による押圧角度を一定とすることが可能であ
り、適用範囲が広くなる。
【0054】
【発明の効果】
(1)請求項1のヘミング装置によれば、アウタパネル
のフランジ部を予備曲げするためのプリ刃を、可動型の
下降に伴い独立して揺動する第1のアームと第2のアー
ムを有する揺動力付与手段によって揺動させるようにし
たので、プリ刃によるアウタパネルのフランジ部の押圧
角度を最適に維持しつつ、予備曲げ加工後には、プリ刃
をヘム刃の下降に対して素早く逃がすことができ、プリ
刃とヘム刃の干渉を防止することができる。したがっ
て、アウタパネルのフランジ部がプリ刃の退避位置に対
して反対側に傾いている場合でも、プリ刃による予備曲
げとヘム刃による本曲げを1工程で行うことができ、プ
レス設備のコストを低減および設備スペースの拡大を回
避することができる。 (2)請求項2のヘミング装置によれば、プリ刃の先端
に、予備曲げ時にアウタパネルのフランジ部の端面と係
合する係合用ストッパを設け、係合用ストッパの位置を
シム板の交換にて調整可能としたので、プリ刃に対する
係合用ストッパの位置調整が容易となり、アウタパネル
の設計変更等に容易に対応することができる。 (3)請求項3のヘミング装置によれば、揺動力付与手
段の第1のアームに、インナパネルをアウタパネルに押
し付けるインナパネル押え部を設けたので、ヘミング加
工時におけるインナパネルのアウタパネルに対する位置
ずれを防止することができる。 (4)請求項4のヘミング装置によれば、可動型の固定
型側への移動に伴いアウタパネルに向って揺動し、下型
に載置されたアウタはフランジ部と当接するロケータを
有する可動ロケータ機構部を設けたので、アウタパネル
のフランジ部がプリ刃の退避位置に対して反対側に傾い
ている場合でも、アウタパネルの固定型に対する位置ず
れを防止することができる。したがって、予備曲げ時に
はアウタパネルのフランジ部の所望の位置を確実に押圧
することができ、加工精度のバラツキを防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るヘミング装置におけ
るヘミング加工開始直後の状態を示す要部側面図であ
る。
【図2】図1のヘミング装置における揺動力付与手段の
第2のアームの動きの変化を示す要部側面図である。
【図3】図1のヘミング装置における揺動力付与手段の
第1のアームの動きの変化を示す要部側面図である。
【図4】図1のヘミング装置のプリ刃によるアウタパネ
ルのフランジ部の予備曲げ加工状態を示す要部側面図で
ある。
【図5】図1のヘミング装置による予備曲げ加工終了直
後のプリ刃の動きを示す要部側面図である。
【図6】図1のヘミング装置による予備曲げ加工後にお
けるプリ刃とヘム刃の位置関係を示す要部側面図であ
る。
【図7】図1のヘミング装置のヘム刃によるアウタパネ
ルのフランジ部の本曲げ加工状態を示す要部側面図であ
る。
【図8】図1のヘミング装置のプリ刃に係合用ストッパ
を取付けた状態を示す要部拡大側面図である。
【図9】図1のヘミング装置におけるインナパネル押え
部の動きを示す要部側面図である。
【図10】図8の揺動力付与手段の第2のアームの動き
に伴うインナパネル押えの動きを示す要部側面図であ
る。
【図11】図8の揺動力付与手段の第1のアームの動き
に伴うインナパネル押えの動きを示す要部側面図であ
る。
【図12】図8の揺動力付与手段に取付けられたインナ
パネル押え部によるインナパネルの押圧状態を示す要部
側面図である。
【図13】図8のインナパネル押えの予備曲げ加工終了
直後の動きを示す要部側面図である。
【図14】図8のインナパネル押えの予備曲げ加工後に
おけるヘム刃との位置関係を示す要部側面図である。
【図15】図8のインナパネル押えによるインナパネル
の押圧状態を示す部分拡大側面図である。
【図16】図1のヘミング装置における可動ロケータ機
構部の側面図である。
【図17】図16の可動ロケータ機構部におけるロケー
タの動きを示す側面図である。
【図18】図16の可動ロケータ機構部におけるロケー
タによるアウタパネルの位置決め状態を示す側面図であ
る。
【図19】図16のロケータの予備曲げ加工後における
ヘム刃との位置関係を示す要部側面図である。
【図20】図18の部分拡大側面図である。
【図21】図20の部分拡大側面図である。
【図22】図16の可動ロケータ機構部の変形例を示す
側面図である。
【図23】固定のロケートによるアウタパネルの位置決
め状態を示す断面図である。
【図24】本発明の第2実施例に係るヘミング装置にお
けるヘミング加工開始直後の状態を示す要部側面図であ
る。
【図25】図24のヘミング装置のプリ刃によるアウタ
パネルのフランジ部の予備曲げ加工状態を示す要部側面
図である。
【図26】図24のヘミング装置による予備曲げ加工後
におけるプリ刃とヘム刃の位置関係を示す要部側面図で
ある。
【図27】図24のヘミング装置のヘム刃によるアウタ
パネルのフランジ部の本曲げ加工状態を示す要部側面図
である。
【図28】図24のヘミング装置の揺動力付与手段に取
付けられたインナパネル押え部の動きを示す要部側面図
である。
【図29】図28のインナパネル押え部によるインナパ
ネルの押圧状態を示す要部側面図である。
【図30】図28のインナパネル押え部の予備曲げ加工
後におけるヘム刃との位置関係を示す要部側面図であ
る。
【図31】ヘミング加工におけるアウタパネルのフラン
ジ部の予備曲げ加工条件を示す部分拡大断面図である。
【図32】ヘミング加工におけるアウタパネルのフラン
ジ部がプリ刃の退避位置に対して反対側に傾いている場
合のフランジ部の予備曲げ加工条件を示す部分拡大断面
図である。
【図33】従来のヘミング装置を図32のアウタパネル
のヘミング加工に適用した場合の要部側面図である。
【図34】図33のヘミング装置におけるプリ刃とヘム
刃の干渉状態を示す概念図である。
【図35】従来の別のヘミング装置を図32のアウタパ
ネルのヘミング加工に適用した場合の要部側面図であ
る。
【図36】図35のヘミング装置におけるプリ刃とヘム
刃の干渉状態を示す概念図である。
【符号の説明】
30 アウタパネル 30a フランジ部 32 インナパネル 40 ヘミング装置 42 下型 44 上型 50 プリ刃 52 ヘム刃 60 揺動力付与手段 62 第1のアーム 64 第2のアーム 90 係合用ストッパ 92 シム板 100 インナパネル押え部 110 可動ロケータ機構部 120 可動ロケータ機構部 200 ヘミング装置 202 下型 204 上型 210 プリ刃 212 ヘム刃 220 揺動力付与手段 222 第1のアーム 224 第2のアーム 240 インナパネル押え部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部にフランジ部が形成されたアウタパ
    ネルと、該アウタパネルに重ねられたインナパネルとが
    載置される固定型と、 前記固定型の上方に配置され、固定型に対して進退可能
    な可動型と、 前記固定型に載置された前記アウタパネルのフランジ部
    を予備曲げするためのプリ刃と、 前記可動型の固定型側への移動に伴い独立して揺動する
    第1のアームと第2のアームを有し、該第2のアームと
    連結される第1のアームに取付けられた前記プリ刃を、
    退避位置と固定型に載置されたアウタパネルのフランジ
    部に当接する位置との間で揺動させる揺動力付与手段
    と、 前記可動型に設けられ、前記揺動力付与手段によるプリ
    刃の揺動により予備曲げされたフランジ部の本曲げを行
    うヘム刃と、を備えたことを特徴とするヘミング装置。
  2. 【請求項2】 前記プリ刃の先端に、予備曲げ時にアウ
    タパネルのフランジ部の端面と係合する係合用ストッパ
    が設けられ、該係合用ストッパはシム板の交換によりプ
    リ刃に対して位置調整自在である請求項1記載のヘミン
    グ装置。
  3. 【請求項3】 前記揺動力付与手段の第1のアームに、
    インナパネルをアウタパネルに押し付けるインナパネル
    押え部が設けられた請求項1記載のヘミング装置。
  4. 【請求項4】 前記可動型の固定型側への移動に伴いア
    ウタパネルに向って揺動するロケータを有し、該ロケー
    タがアウタパネルのフランジ部を押圧することによりア
    ウタパネルの下型に対する位置決めを行う可動ロケータ
    機構部が設けられた請求項1ないし請求項3のいずれか
    に記載のヘミング装置。
JP17381794A 1994-07-26 1994-07-26 ヘミング装置 Pending JPH0839157A (ja)

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