JPH083599Y2 - 壁面材の取り付け位置調整具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、建築構造物に例えば
気泡コンクリート板、外壁用平行合板（ＬＶＬ）などの
重量物である壁面材を取り付ける際に使用する壁面材の
取り付け位置調整具に関する。

【０００２】

【従来技術及び考案が解決しようとする課題】例えば建
築構造物であるベランダなどの壁面に気泡コンクリート
板などの壁面材を取り付ける場合、上部及び下部を保持
しながら壁面に対して壁面材を上下方向へ移動して位置
調整した後、釘などにより該壁面材を建築構造物に固定
している。

【０００３】しかしながら、壁面材自体が重量物である
ため、壁面に対して各壁面材を上下方向へ微小移動させ
て下端を所定の高さに一致させる作業が極めて困難であ
り、夫々の壁面材を下端が水平方向へ一致した状態で取
り付けることができず、仕上り精度が悪かった。また、
取り付け作業に多くの人手を必要とするとともに時間が
かかり、作業性が悪かった。

【０００４】本考案は、上記した従来の欠点を解決する
ために考案されたものであり、その目的とするところ
は、多くの人手を要せずに壁面材を上下方向へ微小移動
させて建築構造物に対する壁面材の取り付け位置調整を
高い精度で行うことが可能な壁面材の取り付け位置調整
具を提供することにある。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】このため本考案は、水
平方向へ延出する係止アーム及び該係止アームより長い
距離で水平方向へ延出する支持アームを上下方向へ離間
した状態で有した本体と、係止アーム先端部に応じた支
持アームに上下方向へ移動可能に設けられて建築構造物
の一部を挟持する挟持部材と、支持アームの先端部に回
転可能に支持され、上下方向へ移動可能な送りねじと、
該送りねじの上部に設けられ、建築構造物に取り付けら
れる壁面材の下端部が載置される載置部材とからなるこ
とを特徴としている。

【０００６】

【考案の作用】本考案は上記のように構成されるため、
建築構造物の一部に係止アームを係止した状態で挟持部
材を移動して挟持させた後、載置部材上に壁面材を支持
した状態で送りねじを回動操作して載置部材を上方或い
は下方へ移動して壁面材の下端を所定の高さに一致させ
る。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に従って説明
する。

【０００８】図１は本考案に係る壁面材の取り付け位置
調整具の全体斜視図である。

【０００９】図２は図１の中央縦断面図である。

【００１０】取り付け位置調整具１の本体３は水平方向
へ延出する係止アーム５と支持アーム７とが上下方向へ
所定の間隔で離間し、かつ図示する右端で連結したほぼ
横Ｌ字形からなり、支持アーム７は係止アーム５より水
平方向へ長く形成されている。そして係止アーム５の先
端部には当て木９が固定されている。該当て木９の図示
する右下面には垂下壁９ａが一体形成され、該垂下壁９
ａは取り付け位置調整具１が下地鉄骨３１に取り付けら
れたとき、下地鉄骨３１の側面に係止して位置ずれを規
制している。

【００１１】そして当て木９に対向する支持アーム７に
は上下方向に軸線を有したナット部１１が取り付けら
れ、該ナット部１１には上下方向に軸線を有した挟持部
材を構成する固定用送りねじ１３が噛み合わされてい
る。該固定用送りねじ１３の軸上部には押圧板１５が回
動可能に支持されているとともに軸下部にはハンドル１
７が固定されている。

【００１２】支持アーム７の先端部には上下方向に軸線
を有したナット部１９が取り付けられ、該ナット部１９
には上下方向に軸線を有した送りねじ２１が噛み合わさ
れている。そして送りねじ２１の軸上部には載置部材を
構成する支持台２３が回動可能に支持されている。該支
持台２３は水平方向へ延出し、少なくとも支持しようと
する壁面材３３の下端面を支承可能な幅からなる支持部
２３ａと、該支持部２３ａの一端から長手方向全体にわ
たって起立する起立部２３ｂとが一体形成された縦断面
がほぼＬ字形に構成されている。また、送りねじ２１の
軸下部にはハンドル２５が固定されている。

【００１３】次に、上記のように構成された取り付け位
置調整具１の作用を図３に従って説明する。

【００１４】図３は壁面材の位置調整状態を示す説明図
である。

【００１５】建築構造物の下地鉄骨３１上面に当て木９
を係止した状態でハンドル１７を回動操作して固定用送
りねじ１３を上方へ移動して当て木９およぴ押圧板１５
とにより下地鉄骨３１を挟持して取り付け位置調整具１
を固定させる。このとき、当て木９の垂下壁９ａが下地
鉄骨３１の側面に係止して取り付け位置調整具１の位置
ずれを防止している。また、支持アーム７が係止アーム
５より水平方向へ長いため、支持台２３は下地鉄骨３１
から外方の壁面材３３の取り付け位置まで飛び出してい
る。

【００１６】上記状態にて支持台２３の支持部２３ａ上
に、壁面材３３の下部を起立部２３ｂに係止した状態で
載置させた後、ハンドル２５を回動操作して送りねじ２
１を軸線の上方或いは下方へ微小移動させる。該作業に
より下地鉄骨３１に対して支持台２３に支持された壁面
材３３の下端面が該下地鉄骨３１の下面と一致する高さ
（図３において実線で示す）或いは下地鉄骨３１の下面
より若干下方の高さ（図３において一点鎖線で示す）に
位置調整した後、釘或いは鉄筋溶接により壁面材３３を
下地鉄骨３１に固定して取り付け作業を完了する。

【００１７】このとき、壁面材３３の下部外面が起立部
２３ｂに係止しているため、ハンドル２５の回動操作に
伴って支持台２３から壁面材３３がずり落ちるのを防止
することができる。

【００１８】そして取り付けられた壁面材３３に対して
他の壁面材３３を下端面相互が一致した状態で取り付け
るには、上記と同様に次に壁面材３３が取り付けられる
箇所の下地鉄骨３１に取り付け位置調整具１を固定させ
た後、ハンドル２５を回動操作して支持台２３上に支持
された壁面材３３を上方或いは下方へ微小移動して相互
の下端が一致するように位置決めした後、該壁面材３３
を下地鉄骨３１に固定する。

【００１９】このように本実施例は、下地鉄骨３１に固
定された取り付け位置調整具１の支持台２３上に壁面材
３３の下端を支持した状態でハンドル２５を回動操作し
て上方或るいは下方へ微小移動させて取り付け位置調整
することができ、少ない人手で取り付け作業を高い位置
精度で簡易に行うことができる。

【００２０】上記説明は本体３に係止アーム５と支持ア
ーム７とを一体に形成したが、図４に示すように送りね
じ２１と反対側の支持アーム７端部に透孔４１を形成
し、該透孔４１に係止アーム５の他端に形成された上下
アーム４３を上下方向へ移動可能に挿入したものであっ
てもよい。この構成にあっては、固定用送りねじ１３を
回動操作して押圧板１５と係止アーム５とにより下地鉄
骨３１を挟持した際、透孔４１に対して上下アーム４３
が若干傾斜して喰い込むことにより位置ずれを規制する
ことができる。

【００２１】

【考案の効果】このため本考案は、多くの人手を要せず
に壁面材を上下方向へ微小移動させて建築構造物に対す
る壁面材の取り付け位置調整を高い精度で行うことが可
能な壁面材の取り付け位置調整具を提供することが可能
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る壁面材の取り付け位置調整具の全
体斜視図である。

【図２】図１の中央縦断面図である。

【図３】壁面材の位置調整状態を示す説明図である。

【図４】本考案の変更実施例を示す略体斜視図である。

【符号の説明】

１ 取り付け位置調整具 ３ 本体 ５ 係止アーム ７ 支持アーム １３ 挟持部材としての固定用送りねじ １５ 押圧部材としての押圧板 ２１ 送りねじ ２３ 載置部材としての支持台

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】水平方向へ延出する係止アーム及び該係止
   アームより長い距離で水平方向へ延出する支持アームを
   上下方向へ離間した状態で有した本体と、係止アーム先
   端部に応じた支持アームに上下方向へ移動可能に設けら
   れて建築構造物の一部を挟持する挟持部材と、支持アー
   ムの先端部に回転可能に支持され、上下方向へ移動可能
   な送りねじと、該送りねじの上部に設けられ、建築構造
   物に取り付けられる壁面材の下端部が載置される載置部
   材とからなる壁面材の取り付け位置調整具。