JPH0835970A - 自動分析装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】操作者が標準試料や精度管理用試料の追加を行
うことなく一定間隔ごとの標準試料や精度管理用試料の
測定を行うことができ、且つ、測定の終了した患者検体
と測定の終了していない患者検体の交換・追加に伴う作
業量や誤作業を低減することを可能にすることにより、
操作性を向上した汎用自動分析装置を提供すること。 【構成】上記目的は、１台の自動分析装置が試料容器保
持部として、標準試料や精度管理用試料や緊急検体をセ
ットするためのディスク形試料容器保持部と患者検体を
セットするためのラック形試料容器保持部と供給ラック
トレー及び回収ラックトレーを併せ持つことにより達成
される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、汎用自動分析装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】血液等の生体試料に含まれる成分を化学
分析する自動分析装置において、従来は患者検体を収容
する試料容器を複数保持する棒上の保持部（以下、ラッ
ク形試料容器保持部）及びラック形試料容器保持部を複
数保持する皿（以下、ラックトレー）を用いたものと、
円形上のテーブルに複数の試料容器配置孔を持つ試料容
器保持部（以下、ディスク形試料容器保持部）を用いた
ものがあった。

【０００３】ラック形試料容器保持部を用いた自動分析
装置は、ディスク形試料容器保持部を用いた自動分析装
置よりも一度に多数の患者検体をセットすることができ
るため試料の交換・追加に要する作業量が少なく、一般
に測定を行う患者検体をセットするラックトレー（以
下、供給ラックトレー）と測定の終了した患者検体を回
収するラックトレー（以下、回収ラックトレー）がそれ
ぞれ配置されているため、試料の取り違いが少ない。

【０００４】一方、上記ディスク形試料容器保持部を用
いた自動分析装置は、一定間隔毎の標準試料や精度管理
用試料等の測定を行う場合には、標準試料や精度管理用
試料をディスク形試料容器保持部の所定の位置に配置
し、予め標準試料や精度管理用試料の測定間隔を設定す
れば、操作者は一定間隔毎に標準試料や精度管理用試料
の追加を行う必要がなく、容易に一定間隔毎の標準試料
や精度管理用試料等の測定を行うことができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、操作
性の点においてラック形試料容器保持部及びラックトレ
ーのみを用いた自動分析装置とディスク形試料容器保持
部のみを用いた自動分析装置はそれぞれ短所があった。
ラック形試料容器保持部及びラックトレーを用いた自動
分析装置では、複数回数，一定間隔毎に標準試料や精度
管理用試料等の測定を行うためには、操作者は一定間隔
で標準試料や精度管理用試料を保持するラック形試料容
器保持部を回収ラックトレーから供給ラックトレーへの
追加を行う必要があり、操作者の作業量が増加し操作者
は常時、自動分析装置のそばに待機する必要があり、ま
た一定間隔で標準試料や精度管理用試料を追加するのを
忘れるおそれがあった。一方、ディスク形試料容器保持
部を用いた自動分析装置は、前記ラック形試料容器保持
部及びラックトレーを用いた自動分析装置に比較し、一
般に一度にセットできる患者検体の数が少ないため、デ
ィスク形試料容器保持部にセット可能な患者検体の数よ
りも多くの患者検体を測定する際には、測定の終了した
患者検体と新たに測定する患者検体を交換・追加を行う
必要があり、患者検体の交換の際に試料の取り違いが発
生し易いという問題点があった。

【０００６】本発明は、ラック形試料容器保持部に通常
試料をセットし、ディスク形試料容器保持部に標準試料
や精度管理用試料や緊急検体をセットし、予め標準試料
や精度管理用試料の測定間隔を設定すれば、操作者が標
準試料や精度管理用試料の追加を行うことなく一定間隔
ごとの標準試料や精度管理用試料の測定を行うことがで
き、且つ、測定の終了した患者検体と測定の終了してい
ない患者検体の交換・追加に伴う作業量や誤作業を低減
することを可能にすることにより、操作性を向上した汎
用自動分析装置を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】自動分析装置は、試料を
収容する試料容器と試料容器をセットする試料保持部
と，試料容器から試料を採取する試料分注機構と試薬を
採取する試薬分注機構と試料と試薬を混合した反応液に
含まれる特定の物質の濃度を測定する分析部と，試料保
持部及び分析部の機構制御とデータ処理を行うコンピュ
ータ制御部と操作者が測定条件を設定する操作部に大別
される。

【０００８】上記目的は、１台の自動分析装置が試料容
器保持部として、標準試料や精度管理用試料や緊急検体
をセットするためのディスク形試料容器保持部と患者検
体をセットするためのラック形試料容器保持部と供給ラ
ックトレー及び回収ラックトレーを併せ持つことにより
達成される。

【０００９】

【作用】操作者は、ラック形試料容器保持部に患者検体
を収容する試料容器をセットし、ラック形試料容器保持
部を供給ラックトレーにセットし、ディスク形試料容器
保持部には一定間隔毎の測定を行う標準試料や精度管理
用試料をセットし、標準試料や精度管理用試料の測定間
隔等の分析条件を設定する。測定の終了した患者検体を
収容する試料容器を保持するラック形試料保持部は、測
定終了後、回収ラックトレーに回収される。このように
患者検体をセットする場合、供給ラックトレーと回収ラ
ックトレーに別れているため操作者は、ラック形試料容
器保持部には患者検体側のみをセットでき、測定の終了
した患者検体と測定の終了していない患者検体の判別が
容易であり、且つ、ディスク形試料容器保持部にセット
された標準試料や精度管理用試料の一定間隔毎の測定を
行うことができる。

【００１０】

【実施例】以下本発明の実施例を図１，図２を用いて詳
細に説明する。

【００１１】図２は本発明を適用した自動分析装置の好
適な一実施例を示す構成上視図である。

【００１２】図２は本発明を適用した自動分析装置の好
適な一実施例を示す構成上視図である。

【００１３】（実施例１）図１において、患者検体を分
析する場合は、患者検体を収容する試料容器１をラック
形試料容器保持部２にセットし、当該ラック形試料容器
保持部２を供給ラックトレー１５にセットする。当該ラ
ック形試料容器保持部２はラック移動経路３を順次試料
吸引位置まで移動後停止し、試料容器１から試料分注機
構４により、患者検体を所定量吸引するが、この時、試
料分注機構４を構成するサンプリングアームは、反時計
回りの方向に回転する。患者検体を吸引した前記サンプ
リングアームは、時計回り方向に回転し試料吐出位置で
停止後、当該試料を反応容器５に吐出する。前記試料分
注機構４による試料の吸引が終了した前記試料容器１を
保持するラック形試料容器保持部２は順次、回収ラック
トレー６へ移動する。回収ラックトレー６に収容された
ラック形試料容器保持部の数が、回収ラックトレー６の
収容可能なラック形試料容器保持部の数に近づくと上記
の状態を操作者に知らせるアラームが発生し、操作者
は、前記回収ラックトレーに収容されている測定の終了
した患者検体を回収する。

【００１４】標準試料や精度管理用試料や緊急検体等の
特定試料を測定する場合は、標準試料や精度管理用試料
や緊急検体を収容する試料容器１７をディスク形試料容
器保持部７にセットし、操作者が操作部１８から予め設
定した測定間隔に応じて、前記ディスク形試料容器保持
部７が回転することにより、当該試料容器１７が試料吸
引位置へ移動し試料分注機構４を構成するサンプリング
アームは、反時計回りの方向に回転し試料容器１７から
試料分注機構４にて標準試料や精度管理用試料等を所定
量吸引する。次に、前記サンプリングアームは、時計回
り方向に回転し試料吐出位置で停止後、当該試料を反応
容器５に吐出する。これらラック形試料容器保持部２と
ディスク形試料容器保持部７の動作はコンピューターに
より制御され、操作者が予め設定した測定条件で測定さ
れる。以下、患者検体または精度管理用試料または標準
試料が反応容器５に吐出された後の分析過程を述べる。

【００１５】反応容器５を多数円形状に配列した反応ラ
イン（反応テーブル）８は、図示しないコンピューター
により制御されている駆動装置によって図示矢印方向に
回転し、試料が吐出された前記反応容器５が試薬吐出位
置まで移動して停止し、試薬の添加が行われる。試薬の
添加は、試薬テーブル９にセットされた試薬ビン１０か
ら試薬分注機構１１にて試薬を吸引し、前記反応容器５
内に吐出する。前記反応容器５は撹拌位置まで移動して
停止し前記反応容器５の内容物は撹拌機構１６により撹
拌されたのち、所定時間反応ライン上を回転し所定の間
隔で光源１２から発した光束を通過し、前記反応容器５
を通過した光束の吸光度は光度計１３で検知される。検
知された吸光度信号は図示しないアナログ／デジタル変
換機を経由して、図示しないインタフェースを介してコ
ンピューターに入り、試料中の測定対象濃度に変換され
る。濃度変換されたデータは、前記インタフェースを介
して図示しないプリンタから印字出力されるか、操作部
１８を構成するＣＲＴ画面上に表示される。分析の終了
した前記反応容器５は、洗浄機構１４の位置まで順次移
動し、洗浄され、次の分析に供される。

【００１６】（実施例２）図２のように標準試料や精度
管理用試料を保持するディスク形試料容器保持部７をラ
ック形試料容器保持部２の移動路内側に配置した場合で
は試料の吸引は、前記ラック形試料容器保持部２の試料
吸引位置とラック形試料容器保持部２の移動路内側のデ
ィスク形試料容器保持部７の試料吸引位置において、試
料分注機構４を構成するサンプリングアームにより前記
（実施例１）と同様に、コンピューターにより制御され
実施される。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、操作者は一定間隔毎の
標準試料や精度管理用試料の測定間隔を操作部から設定
し、標準試料や精度管理用試料や緊急検体をディスク形
試料容器保持部にセットし、患者検体を試料容器に分取
し当該試料容器を供給ラックトレーに保持されるラック
形試料容器保持部にセットし、自動分析装置による測定
を開始しすれば、自動分析装置による測定が終了するま
で一定間隔ごとに標準試料や精度管理用試料の追加を行
うことなく一定間隔毎の標準試料や精度管理用試料の測
定が可能であり、且つ、多数の患者検体をセットできる
ラック形試料容器保持部と供給ラックトレーと回収ラッ
クトレーを用いることにより、患者検体の追加・交換回
数をディスク形試料容器保持部を用いた自動分析装置よ
りも減らすことができ、且つ、操作者は測定の終了した
患者検体と測定の終了していない患者検体の判別が容易
であるため、操作者の誤作業を低減でき自動分析装置の
操作性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した自動分析装置の一実施例を示
す略示構成上視図である。

【図２】本発明を適用した自動分析装置の一実施例を示
す略示構成上視図である。

【符号の説明】

１，１７…試料容器、２…ラック形試料容器保持部、６
…回収ラックトレー、７…ディスク形試料容器保持部、
１５…供給ラックトレー、１８…操作部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 克明 茨城県勝田市大字市毛882番地 株式会社 日立製作所計測器事業部内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】反応容器列が移送される反応ラインと，試
   料容器から上記反応ライン上の反応容器へサンプルプロ
   ーブによって試料を分注する試料分注装置と，上記反応
   ライン上の反応容器へ試薬を分注する試薬分注装置と上
   記反応容器に分注された試料，試薬、及び試料と試薬を
   混合した反応液に含まれる特定の物質の濃度を測定する
   光度計を備えた自動分析装置において、上記試料容器の
   保持部として、患者検体を収容する試料容器を複数セッ
   トできるラック形試料容器保持部及び複数のラック形試
   料容器保持部をセットできる供給ラックトレーと分析の
   終了した試料容器を回収する回収ラックトレーと、複数
   の精度管理用試料や複数の標準試料や複数の緊急検体を
   収容する試料容器を保持するディスク形試料容器保持部
   を持つことを特徴とする自動分析装置。
2. 【請求項２】上記ラック形試料容器保持部の移動経路の
   内側に上記ディスク形試料容器保持部を配置したことを
   特徴とする請求項１記載の自動分析装置。