JPH083513A - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物

Info

Publication number
JPH083513A
JPH083513A JP13528994A JP13528994A JPH083513A JP H083513 A JPH083513 A JP H083513A JP 13528994 A JP13528994 A JP 13528994A JP 13528994 A JP13528994 A JP 13528994A JP H083513 A JPH083513 A JP H083513A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
coating film
coating
hydroxyl group
examples
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13528994A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Fukami
竜雄 深海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Chemical Co Ltd
Original Assignee
Aisin Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Chemical Co Ltd filed Critical Aisin Chemical Co Ltd
Priority to JP13528994A priority Critical patent/JPH083513A/ja
Publication of JPH083513A publication Critical patent/JPH083513A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラスチック材料、特にポリプロピレン樹脂
に対する塗膜の密着性を向上し、プライマの使用を不要
とする。 【構成】 アクリル−メラミン系等の熱硬化型樹脂をバ
インダとする塗料に、フェノール等の水酸基含有化合物
で変性したテルペン重合体を添加すると共に、その組成
を調整して、焼付乾燥後の塗膜のガラス転移点(Tg)
が40℃以下となるようにする。変性テルペン重合体
は、熱硬化型樹脂バインダ100重量部に対して、一般
に3〜30重量部の割合で添加することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗料組成物に関するもの
であり、特に、プラスチック製品の塗装に適した塗料組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、バンパー、フェンダーエプロ
ン、グローブボックス等の自動車の内外装部品の多くに
は、ポリプロピレン樹脂等のプラスチック材料が使用さ
れている。そして、このようなプラスチック製品には、
保護や意匠性確保等の目的で塗装を施すことが多い。
【0003】ところが、プラスチック表面には一般に塗
膜が付着しにくく、特にポリプロピレン樹脂は、結晶化
しやすく、また自己凝集力が大きいために、塗膜の密着
性が他のプラスチック素材と比較しても劣っている。そ
こで、塗膜の密着性を良好にするために、塗装に先立っ
てクロム酸浸液による酸エッチング処理、プラズマ処
理、ガス炎処理等の表面処理を施すことも知られている
が、これらの処理にはそのための特別な処理設備が必要
である。
【0004】そのため、ポリプロピレン樹脂等のプラス
チック製品の塗装は、プラスチックに対して接着性のよ
いプライマを使用し、これを塗布した後、塗料の塗装を
行うことが一般的である。そして、このプライマとして
は、例えばポリプロピレン樹脂の場合、塩素化ポリプロ
ピレン等の塩素化ポリオレフィン系樹脂やイソシアネー
ト系等のプライマが一般に使用されている。
【0005】なお、プライマを使用しないでもプラスチ
ック表面に密着性の良い塗膜を形成できる塗料も知られ
ている。例えば特開昭58−136627号公報には、
ポリプロピレン樹脂用塗料組成物として、塩素化ポリプ
ロピレン樹脂を樹脂バインダとすると共に、鮮映性を向
上するために、これに更にテルペンフェノール共重合体
を配合したものが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塩素化
ポリオレフィン樹脂を樹脂バインダとした塗料はプラス
チック、特にポリプロピレン樹脂に対する密着性は良い
ものの、それによる塗膜は、分離生成した塩素イオンに
よって塗膜全体が劣化され、耐候性に劣る傾向があるも
のであった。そして、この傾向は、塩素化ポリオレフィ
ン樹脂をプライマとして用いた場合でも同様であり、こ
れに上塗された塗膜の耐候性を低下させることがあっ
た。
【0007】そのため、塗膜の耐候性が重視される場合
には、プラスチック、特にポリプロピレン樹脂製品の塗
装には、塩素化ポリオレフィン樹脂以外のプライマを使
用すればよいことになる。しかし、いずれにしても、プ
ライマを塗装することはそのための工数と材料費を要
し、その改善が求められていた。
【0008】そこで、本発明は、プライマーを使用しな
くても、プラスチック材料、特にポリプロピレン樹脂に
対して密着性の良い塗膜を形成することができる塗料組
成物の提供を課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、熱硬化型樹
脂をバインダとする塗料にフェノール等の水酸基含有化
合物で変性したテルペン重合体を添加すると共に、その
組成を調整し、焼付乾燥後に形成される塗膜のガラス転
移点(Tg)を適切にすることによって、上記課題が有
利に解決できることを見出し、また確認した。
【0010】即ち、本発明にかかる塗料組成物は、熱硬
化型樹脂バインダと、水酸基含有化合物変性テルペン重
合体とを含むと共に、焼付乾燥後の塗膜のガラス転移点
(Tg)が40℃以下であるものである。
【0011】以下、この本発明にかかる塗料組成物につ
いて、更に詳細に説明する。
【0012】熱硬化型樹脂バインダとしては、アクリル
−メラミン系、ポリエステル−メラミン系等、熱硬化型
塗料の樹脂バインダとして一般に使用されている任意の
ものを用いることができ、また、紫外線で硬化する樹脂
バインダ等も用いることができる。そして、このような
樹脂バインダは、一般に、1分子中に水酸基を2個以上
含有する水酸基含有樹脂と、アミノ樹脂、ポリイソシア
ネート化合物等のその硬化剤からなり、その水酸基含有
樹脂としては水酸基を含有するアクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹
脂、フッ素系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ポ
リエーテル系樹脂等を挙げることができる。これらの水
酸基含有樹脂は、その任意の1種または2種以上を組合
わせて使用することができるが、これらの中でも好まし
いものは、水酸基含有のアクリル樹脂とポリエステル樹
脂である。
【0013】水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基含有ビ
ニル単量体とその他のビニル単量体との共重合によって
得ることができ、数平均分子量が1000〜1500
0、水酸基価が50〜200、酸価が5〜50程度であ
ることが一般に好ましい。ここで、水酸基含有ビニル単
量体としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸、メタ
クリル酸の炭素数2〜24のヒドロキシアルキルエステ
ル類、N−メチロールアクリルアミド、N−ジヒドロキ
シエチルメタクリルアミド等のアクリル酸、メタクリル
酸の炭素数1〜12のヒドロキシアルキドアミド類等が
挙げられる。そして、これらの水酸基含有ビニル単量体
は、それぞれ単独で、または適宜組合わせて使用するこ
とができる。また、その他のビニル単量体としては、イ
ソブチルアクリレート等のアクリル酸の炭素数1〜24
のアルキルエステル類、n−ブチルメタクリレート等の
メタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステル類、
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等の
カルボキシル基含有ビニル単量体、グリシジルメタクリ
レート等のグリシジル基含有ビニル単量体、スチレン、
ビニルトルエン等が挙げられる。そして、これらのビニ
ル単量体についても、それぞれ1種または2種以上を適
宜組合わせて使用することができる。
【0014】水酸基含有ポリエステル樹脂は、多価アル
コールと多塩基酸またはその無水物とのエステル反応生
成物で、分子内に残留水酸基を有するものであり、その
数平均分子量は200〜10000、水酸基価は50〜
350、酸価は5〜50程度であることが一般に好まし
い。そして、この水酸基含有ポリエステル樹脂を形成す
るための多価アルコールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリト
リット、等を単独で、または組合わせて使用することが
できる。また、多塩基酸またはその無水物としては、フ
タル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、
テトラヒドロ無水フタル酸、コハク酸、無水マレイン
酸、フマル酸、無水トリメリット酸、等を同様に用いる
ことができる。そして、これらの多価アルコールと多塩
基酸またはその無水物とは、一般に、その水酸基とカル
ボキシル基とがモル比で1.2〜1.8となるように反
応させることができる。
【0015】また、これらの水酸基含有樹脂の硬化剤と
しては、この種の硬化剤として一般に使用される任意の
ものを使用することができ、例えば、メラミン樹脂、尿
素樹脂等のアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物等を
挙げることができる。ここで、アミノ樹脂としては、メ
ラミン、尿素、ジシアンジアミド等のアミノ成分と、ホ
ルムアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒドとの
反応によって得られるメチロール化アミノ樹脂や、この
メチロール化アミノ樹脂をエチルアルコール、2−エチ
ルヘキサノール等の適当なアルコールによってエーテル
化したアルキルエーテル化アミノ樹脂を使用することが
できる。これらの中でも、ブチルエーテル化メラミン樹
脂が最も代表的である。また、ポリイソシアネート化合
物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の
脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
(IPDI)等の環状脂肪族ジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、m−または
p−キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ジイソシ
アネート等のジイソシアネートそれ自体、またはこれら
のジイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエ
ステル樹脂等との付加物、或いはジイソシアネートの重
合体等が挙げられる。そして、これらのイソシアネート
化合物は、ブロック化剤でブロック化して用いることも
できる。
【0016】また、本発明の塗料組成物においては、水
酸基含有化合物変性テルペン重合体を必須成分とする。
この水酸基含有化合物変性テルペン重合体は、リモネ
ン、ジペンテン、α−ピネン、β−ピネン等のテルペン
重合体を、フェノール、クレゾール等のフェノール類、
またはアルコール類等の水酸基含有化合物で変性したも
のである。そして、その分子量は一般に500〜100
0程度の範囲であることが好ましく、分子量が大きすぎ
ると塗料組成物中の樹脂バインダとの相溶性が不十分と
なり、また、分子量が小さすぎるとその接着性が十分で
はなくなる傾向にある。また、この水酸基含有化合物変
性テルペン重合体は、その添加量が余り少なすぎると、
実用上十分な接着性を得ることができず、また、多すぎ
ると、形成される塗膜の硬度が不足する傾向にある。こ
のため、その添加量は、実用上一般に、樹脂バインダー
100重量部に対して3〜30重量部が好ましい。しか
し、これは限定的なものではなく、それ以上の配合も可
能である。
【0017】なお、本発明の塗料組成物には、その具体
的用途等に応じて、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
等を適宜配合することができる。
【0018】顔料としては、有機系顔料及び無機系顔料
が挙げられる。そして、有機系顔料としてはアゾ系、フ
タロシアン系等の顔料または染料等が挙げられ、無機系
顔料としては二酸化チタン、酸化鉄、ベンガラ等の無機
顔料、硫酸バリウム、タルク、マイカ等の体質顔料、カ
ーボンブラック等の炭素系顔料、メタリック粉末等が挙
げられる。これらの顔料は、その1種または2種以上を
任意に使用することができる。
【0019】紫外線吸収剤として、2−(2′−ヒドロ
キシ−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール等
のベンゾトリアゾール系化合物、2,4−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、ジフェニ
ルアクリレート等のアクリレート系化合物、p−オクチ
ル−フェニルサリシレート等のサリシレート系化合物、
2−ヒドロキシ−ナフトフェノン、ニッケル−ビスオク
チルフェニルスルフィド等のその他の化合物が挙げら
れ、これらは1種または2種以上組合わせて使用するこ
とができる。
【0020】この紫外線吸収剤は単独で使用することも
できるが、好ましくは、酸化防止剤と合わせて使用する
ことができる。そして、酸化防止剤としては、ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート等のヒンダードアミン系、フェノール
系、スルフィド系の化合物を挙げることができる。
【0021】その他、シリコーンやその他の有機高分子
等の表面調整剤、シリカ微粉末等のタレ止め剤、増粘剤
等も、必要に応じて適宜用いることができる。
【0022】本発明の塗料組成物は以上の材料の配合か
らなるが、ここで、この塗料組成物は、それによって形
成される焼付硬化後の塗膜のガラス転移点(Tg)が4
0℃以下であることが必要である。即ち、塗膜のガラス
転移点(Tg)が40℃を越えると、その物性はガラス
に近い状態となり、ガラスと同様に脆いため、外部から
のストレスに対して弱く、ワレ等の破壊が発生しやすく
なり、その結果、プラスチック材料に対して十分な密着
性が得られない。これに対し、塗膜のガラス転移点(T
g)が40℃以下であると、その物性はゴムに近い状態
となり、ゴムと同様に屈曲性を有し、また歪み率が大き
くなるため、外部からのストレスに対して強く、ワレ等
の破壊が発生しにくくなる。したがって、プラスチック
材料に対して良好な密着性を確保することができる。
【0023】そこで、形成される塗膜のガラス転移点
(Tg)が40℃以下となるように、本発明の塗料組成
物を形成する各成分の配合等が調整される。一般に、熱
硬化型樹脂バインダの硬化剤の配合量が多い程、また顔
料の配合量が多い程、塗膜のガラス転移点(Tg)は高
くなる傾向にあり、また逆に、それらの硬化剤、顔料が
少なく、また水酸基含有化合物変性テルペン重合体の配
合量が多い程、塗膜のガラス転移点(Tg)が低くなる
傾向にある。そのため、形成される塗膜のガラス転移点
(Tg)を40℃以下とすることは、それらの硬化剤、
水酸基含有化合物変性テルペン重合体、顔料等の配合割
合を適切に調整することによって行うことができる。
【0024】そして、以上の本発明の塗料組成物は、溶
剤等によって適当な粘度に調整し、スプレー塗装等の適
宜の塗装手段によって塗布することができる。また、塗
布された塗料の塗膜は、セッティング等を行った後、そ
れの硬化に適した温度で加熱することによって、焼付硬
化される。
【0025】
【作用】本発明にかかる塗料組成物においては、水酸基
含有化合物変性テルペン重合体を含むので、後の実施例
からも分かるように、プラスチック、特にポリプロピレ
ン樹脂に対する優れた密着性を得ることができる。これ
は、水酸基含有化合物変性テルペン重合体が、それ自体
優れた接着性を有することに加えて、プラスチック表面
に対する塗料の濡れ性を高めるためであると考えられ
る。また、それと共に、形成された塗膜のガラス転移点
(Tg)が40℃以下であるので、塗膜の物性はゴムに
近い状態となり、屈曲性に優れ、また歪み率が大きくな
るため、外部からのストレス、或いは変形に対して強
く、ワレ等の破壊が生じ難いので、プラスチック表面に
対する優れた密着性が得られる。そのため、プライマを
使用しないでも、プラスチック表面に塗装することがで
きる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって更
に具体的に説明する。
【0027】〈実施例1〜3〉本発明の塗料組成物をメ
タリック塗料として具体化し、図1の配合で、実施例1
〜3の塗料組成物を調製した。
【0028】図1のように、実施例1〜3のメタリック
塗料は、アクリル樹脂とその硬化剤であるメラミン樹脂
とからなる熱硬化型樹脂バインダと、フェノール変性テ
ルペン重合体と、アルミペーストとを含むものであり、
各実施例において、アルミペースト以外の成分の配合量
が変えられている。即ち、実施例1はアクリル樹脂10
0重量部、メラミン樹脂40重量部、フェノール変性テ
ルペン重合体5重量部、及びアルミペースト10重量部
からなるが、実施例2では、フェノール変性テルペン重
合体を増量し、10重量部配合している。また、実施例
3は実施例1のアクリル樹脂とメラミン樹脂の配合を変
え、それぞれ110重量部、30重量部とし、硬化剤で
あるメラミン樹脂の配合を少なくしたものである。
【0029】ここで、アクリル樹脂は水酸基含有のアク
リル樹脂(アクリディック A−345 大日本インキ
化学工業(株)製)であり、また、メラミン樹脂はブチ
ルエーテル化メラミン樹脂(スーパーベッカミン L−
117−60 大日本インキ化学工業(株)製)であ
る。また、水酸基含有化合物変性テルペン重合体として
は、フェノール変性テルペン重合体(マイティエース
G−150 ヤスハラケミカル(株)製)を使用した。
なお、メタリック顔料としては、アルミぺースト(アル
ペースト 7790N 東洋アルミ(株)製)を使用し
た。
【0030】塗料の調製は具体的には次のように行っ
た。先ず、上述の配合でアクリル樹脂とフェノール変性
テルペン重合体を混合し、ペイントシェーカで20分間
分散させた後、メラミン樹脂及びアルミペーストを配合
した。そして、これを、ソルベッソ100の30容量部
とトルエン70容量部とからなる混合溶剤を用いて、フ
ォードカップNo.3にて粘度を20秒(20℃)に調
節した。
【0031】このようにして、メタリック塗料である実
施例1〜3の各塗料組成物を調整した。
【0032】〈実施例4〉また、本発明の塗料組成物を
ソリッドカラー塗料として具体化し、図1の配合で、実
施例4の塗料組成物を調製した。
【0033】この実施例4の塗料組成物は、実施例1〜
3の塗料組成物において顔料として使用したアルミペー
ストに代えて、チタン白顔料を使用したものであり、ア
クリル樹脂100重量部、メラミン樹脂40重量部、フ
ェノール変性テルペン重合体20重量部とチタン白顔料
50重量部を含み、更に表面調整剤0.2重量部が添加
されている。ここでは、顔料が多く使用されており、フ
ェノール変性テルペン重合体も多く配合されている。
【0034】なお、チタン白顔料は二酸化チタン(タイ
ペーク CR−95 石原産業(株)製)であり、ま
た、表面調整剤はシリコーン系の表面調整剤(BYK−
300ビックケミー社製)である。
【0035】この実施例4のソリッドカラー塗料の調製
は、具体的には次のように行った。先ず、上述の配合で
アクリル樹脂、フェノール変性テルペン重合体、及びチ
タン白顔料を混合し、ペイントシェーカで30分間分散
させた後、メラミン樹脂及び表面調整剤を配合した。そ
して、これを実施例1〜3と同様に、ソルベッソ100
の30容量部とトルエン70容量部とからなる混合溶剤
を用いて、フォードカップNo.3にて粘度を20秒
(20℃)に調節した。
【0036】このようにして、ソリッドカラー塗料とし
ての実施例4の塗料組成物を調製した。
【0037】〈比較例1〜3〉また、実施例と対比する
ために、図1の配合で、比較例1〜3の塗料組成物を調
製した。
【0038】比較例1,2は実施例1〜3と対比するた
めのメタリック塗料であり、比較例1は実施例1の配合
からフェノール変性テルペン重合体を除いたものであ
り、また、比較例2はフェノール変性テルペン重合体を
5重量部添加しているが、アクリル樹脂を80重量部、
メラミン樹脂を60重量部として、硬化剤の配合割合を
多くしたものである。
【0039】また、比較例3はソリッドカラー塗料であ
り、実施例4におけるチタン白顔料を更に増量し、80
重量部としたものである。
【0040】そして、実施例1〜4と同様に混合溶剤を
用いて粘度を調節し、これらの比較例1〜3の塗料組成
物を調製した。
【0041】〔塗膜の形成〕以上の実施例1〜4及び比
較例1〜3の塗料組成物について、その密着性等を評価
するために塗装試験を行い、また、形成された塗膜のガ
ラス転移点(Tg)を測定した。
【0042】塗装試験にはポリプロピレン樹脂の試験板
を使用した。そして、実施例1〜3及び比較例1,2の
メタリック塗料の場合には、脱脂処理した試験板にそれ
らのメタリック塗料を塗布した後、ウェットオンウェッ
トでクリヤー塗料を塗布し、セッティング後、温度12
0℃で30分間保持し、塗膜の焼付乾燥を行った。この
ようにして、試験板の表面に膜厚15〜20μmのメタ
リックベース塗膜と膜厚25〜30μmのクリヤー塗膜
からなるメタリック塗装塗膜を形成した。
【0043】なお、ここで使用したクリヤー塗料は以下
の配合のものである。
【0044】
【表1】
【0045】ここで、アクリル樹脂、メラミン樹脂及び
表面調整剤は、実施例及び比較例の塗料組成物に使用し
たものと同じであり、紫外線吸収剤としてベンゾトリア
ゾール系の紫外線吸収剤(チヌビン 900 チバガイ
ギー社製)、酸化防止剤としてヒンダードアミン系の酸
化防止剤(サノール LS−292 (株)三共)を使
用した。なお、このクリヤー塗料は、実施例及び比較例
と同様に、混合溶剤を用いて、フォードカップNo.4
にて粘度を20秒(20℃)に調節して、使用した。
【0046】また、実施例4及び比較例3のソリッドカ
ラー塗料の場合には、同様に脱脂処理したポリプロピレ
ン樹脂の試験板に、それらのソリッドカラー塗料を塗布
し、セッティング後、温度120℃で30分間保持して
塗膜の焼付乾燥を行った。これによって、試験板の表面
に膜厚30〜40μmのソリッドカラー塗膜を形成し
た。
【0047】そして、このように形成した実施例1〜4
及び比較例1〜3の塗料組成物の塗膜について、動的粘
弾性測定器「レオバイブロン」を使用して、そのガラス
転移点(Tg)(℃)を測定した。
【0048】その測定結果を図1に合わせて示す。そし
て、図1に示すように、実施例1の塗料組成物による塗
膜のガラス転移点(Tg)は30℃であった。また同様
に、実施例2は28℃、実施例3は27℃、実施例4は
40℃、また、比較例1は34℃、比較例2は44℃、
比較例3は48℃であった。
【0049】〔評価試験〕そして、以上のように実施例
及び比較例の塗料組成物によってポリプロピレン樹脂の
試験板に形成したメタリック塗膜及びソリッドカラー塗
膜について、その初期密着性、鮮映性、耐湿試験後の密
着性及び外観、耐候性(比較例2、3は除く)を試験
し、評価を行った。
【0050】初期密着性については、塗膜を形成してか
ら24時間経過した後、1mmクロスカット試験を行っ
た。この1mmクロスカット試験は、試験板に形成され
た塗膜に、縦横に1mmの間隔でそれぞれ平行線をカッ
ターナイフを使用して碁盤目状に切り傷をつけるもので
あり、またこの時、カッターナイフの刃先を塗面に対し
て35〜45度の範囲の一定の角度に保ち、塗膜を貫通
して試験板に届くようにする。そして、塗面に現れた碁
盤目状の傷の状態を観察し、以下の基準に準じて塗膜の
密着性を評価した。 ○:切り傷の一本ごとが細くて両側が滑らかで、切り傷
の交点と正方形の一目一目に剥れがなく、欠損部の面積
が全正方形面積の5%未満。 ×:切り傷の両側と交点に剥れがあって、欠損部の面積
は全正方形面積の5%以上。
【0051】鮮映性については、鏡面光沢計にて角度6
0°グロス値を測定し、以下の基準に準じて評価した。 ○:グロス値が85以上。 ×:グロス値が85未満。
【0052】耐湿試験後の密着性については、塗装した
試験板を温度50℃、湿度95%の雰囲気中に100時
間放置して耐湿試験を行い、次いで、上述の1mmクロ
スカット試験を行った。そして、耐湿試験後の塗膜の密
着性について、初期密着性の場合と同じ基準で評価し
た。
【0053】また、耐湿試験後の塗膜の外観について
は、ブリスタの発生、変色等について観察し、以下の基
準に準じて評価した。 ○:異常なし。 ×:ブリスタの発生、変色等がある。
【0054】促進耐候性については、促進耐候試験器S
WOMを使用して800時間の促進耐候試験を行い、塗
膜の変色等の有無を目視にて観察し、以下の基準に準じ
て評価した。 ○:異常が認められない。 ×:変色が認められる。
【0055】また、この促進耐候試験後の塗膜につい
て、測色計を使用してΔE値を測定した。
【0056】なおこの耐候性に関しては、比較例1の場
合だけ、塩素化ポリオレフィン系プライマを用いて、こ
れを下塗した後塗膜を形成したものについて試験した。
【0057】〈評価試験結果〉以上の評価試験の結果を
図1に合わせて示す。
【0058】図1に示されるように、フェノール変性テ
ルペン重合体を含有し、また塗膜のガラス転移点(T
g)が40℃以下である実施例1〜4の塗料組成物は、
初期密着性、鮮映性(光沢)、耐湿試験後の密着性及び
外観、耐候性の全てに関して良好な結果が得られた。
【0059】これに対して、フェノール変性テルペン重
合体が配合されていない比較例1の塗料組成物は、鮮映
性は良好であるが、ポリプロピレン樹脂に対する塗膜の
密着性に関しては、初期密着性においても十分なもので
はなかった。また、比較例2,3の塗料組成物について
も、フェノール変性テルペン重合体が配合されているも
のの、形成された塗膜のガラス転移点(Tg)が40℃
を越えるものであり、同様に十分な密着性が得られない
ものであった。
【0060】また、比較例1の耐候性試験の結果に示さ
れるように、塩素化ポリオレフィン系のプライマを使用
すると、塗膜に変色が生じる傾向が見られた。
【0061】そして、この評価試験の結果から、塗料組
成物中にフェノール等の水酸基含有化合物で変性したテ
ルペン重合体を配合すると共に、形成される塗膜のガラ
ス転移点(Tg)を40℃以下にすることによって、塩
素化ポリオレフィン系等のプライマを使用しないでも、
プラスチック材料、特にポリプロピレン樹脂に対して密
着性に優れた塗膜を形成できることが分かる。
【0062】なお、以上においては、本発明の塗料組成
物をメタリック塗料及びソリッドカラー塗料として具体
化した実施例について説明したが、本発明の塗料組成物
は、これら以外にもクリヤー塗料、アンダーコート用塗
料等の各種の塗料として具体化することができる。ま
た、本発明の塗料組成物は、ポリプロピレン樹脂等のプ
ラスチック表面の塗装に特に適したものであるが、金属
等のプラスチック以外の表面の塗装にも適用することが
できる。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる塗料組成
物は、熱硬化型樹脂バインダと、水酸基含有化合物変性
テルペン重合体とを含むと共に、焼付乾燥後の塗膜のガ
ラス転移点(Tg)が40℃以下であるものである。
【0064】したがって、水酸基含有化合物変性テルペ
ン重合体を添加すると共に、焼付乾燥後の塗膜のガラス
転移点(Tg)が40℃以下となるようにしているの
で、プラスチック材料、特にポリプロピレン樹脂に対し
て良好な密着性を有する塗膜を形成することができる。
そのため、従来のようにプライマを使用しなくてもよい
ため、プライマの塗装工程を省くことができ、これにか
かる工数及び材料費が削減できる。また、塩素化ポリオ
レフィン系のプライマを用いた場合のように、塗膜の耐
候性が劣化することがない。更に、樹脂バインダとして
塩素化された樹脂を使用しなくても済むために、耐候性
に優れた塗膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施例及び比較例の塗料組成物
の配合と、形成された塗膜のガラス転移点(Tg)と、
評価試験の結果とを示す表図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化型樹脂バインダと、水酸基含有化
    合物変性テルペン重合体とを含むと共に、 焼付乾燥後の塗膜のガラス転移点(Tg)が40℃以下
    であることを特徴とする塗料組成物。
JP13528994A 1994-06-17 1994-06-17 塗料組成物 Pending JPH083513A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13528994A JPH083513A (ja) 1994-06-17 1994-06-17 塗料組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13528994A JPH083513A (ja) 1994-06-17 1994-06-17 塗料組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH083513A true JPH083513A (ja) 1996-01-09

Family

ID=15148223

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13528994A Pending JPH083513A (ja) 1994-06-17 1994-06-17 塗料組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH083513A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008067095A2 (en) 2006-11-29 2008-06-05 Ppg Industries Ohio, Inc. Coatings comprising terpene
WO2008067092A3 (en) * 2006-11-29 2009-05-14 Ppg Ind Ohio Inc Coatings comprising the reaction product of a terpene, an acrylic monomer and a phenolic compound
US7776960B2 (en) 2006-11-29 2010-08-17 Ppg Industries Ohio, Inc. Epoxy functional polymers comprising the reaction product of terpene and an epoxy functional monomer and coatings comprising such polymers
JPWO2010018852A1 (ja) * 2008-08-13 2012-01-26 旭硝子株式会社 塗料組成物および塗膜が形成された物品

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008067095A2 (en) 2006-11-29 2008-06-05 Ppg Industries Ohio, Inc. Coatings comprising terpene
WO2008067092A3 (en) * 2006-11-29 2009-05-14 Ppg Ind Ohio Inc Coatings comprising the reaction product of a terpene, an acrylic monomer and a phenolic compound
WO2008067095A3 (en) * 2006-11-29 2009-07-09 Ppg Ind Ohio Inc Coatings comprising terpene
US7608676B2 (en) 2006-11-29 2009-10-27 Ppg Industries Ohio, Inc. Coatings comprising the reaction product of a terpene, an acrylic monomer and a phenolic compound
US7776960B2 (en) 2006-11-29 2010-08-17 Ppg Industries Ohio, Inc. Epoxy functional polymers comprising the reaction product of terpene and an epoxy functional monomer and coatings comprising such polymers
US7776959B2 (en) 2006-11-29 2010-08-17 Ppg Industries Ohio, Inc. Coatings comprising terpene
JPWO2010018852A1 (ja) * 2008-08-13 2012-01-26 旭硝子株式会社 塗料組成物および塗膜が形成された物品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101939389B (zh) 塑料基材用涂料组合物、由其形成的涂膜、以及成形体
JP2869443B2 (ja) 上塗り塗料組成物
EP2098575B1 (en) Epoxy functional acrylic coating powders and powder coatings therefrom having filiform corrosion resistance
JP3106745B2 (ja) 塗膜形成方法及びその方法により得られた塗装物
JP2016000770A (ja) ベース塗料組成物
RU2746777C1 (ru) Способ получения системы покрытия с водным базовым покрытием
US6699932B2 (en) Binder resin composition for high-solid primer
JP2020055900A (ja) 塗料組成物
JP3673233B2 (ja) 自動車外板用上塗り塗料、塗装方法、及び塗膜
EP1907493B1 (en) Paint compositions and painted objects
JPH083513A (ja) 塗料組成物
JP5511058B2 (ja) 塗料組成物およびこれを用いた塗膜
KR20010061957A (ko) 페인트 조성물
JP2816617B2 (ja) 塗料用樹脂組成物
JPH0657177A (ja) 透明な防食性厚膜塗料組成物および透明な塗膜の形成方法
JP3232153B2 (ja) 塗装鋼板の製造方法
JPH10140073A (ja) 塗料用樹脂組成物
JPH0362867A (ja) 塗料組成物
KR20210027949A (ko) 분체도료 조성물
JPH02286763A (ja) 塗料組成物
JP2003253021A (ja) プラスチック用塗料組成物
JP2000017226A (ja) ウレタン塗料組成物
JPH11323242A (ja) 自動車外板上塗り塗料組成物及び塗装方法
JPH1180662A (ja) 塗料用樹脂組成物
KR102583106B1 (ko) 클리어 코트 조성물