JPH08337891A - 金属洗浄剤 - Google Patents

金属洗浄剤

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JPH08337891A
JPH08337891A JP33273995A JP33273995A JPH08337891A JP H08337891 A JPH08337891 A JP H08337891A JP 33273995 A JP33273995 A JP 33273995A JP 33273995 A JP33273995 A JP 33273995A JP H08337891 A JPH08337891 A JP H08337891A
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metal
acid
group
degreasing
aluminum
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JP33273995A
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English (en)
Inventor
Sho Onodera
祥 小野寺
Munehiro Yamada
宗宏 山田
Ikuo Katsura
郁夫 桂
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】広いpH領域で、金属、特にアルミニウム系金属
のいずれに対しても腐食性が小さく、かつ毒性が低くて
身体および環境に対する影響が少ない上、優れた錆除去
性を有する金属洗浄剤、および前記特性を有するととも
に脱脂性能にも優れる金属洗浄剤を提供する。 【解決手段】カルボキシアルキルチオ無水コハク酸、カ
ルボキシアルキルチオコハク酸またはこれらの塩を含有
してなる金属洗浄剤、および、カルボキシアルキルチオ
無水コハク酸、カルボキシアルキルチオコハク酸または
これらの塩1〜99重量%と界面活性剤99〜1重量%
との混合物からなる金属洗浄剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属洗浄剤に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、金属に対する腐食性が
少なく、かつ毒性が低くて身体や環境に与える影響が少
ない上、優れた錆除去性を有する金属洗浄剤、および前
記特性を有するとともに、脱脂性能にも優れる金属洗浄
剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、金属を洗浄するためには様々
な洗浄剤が使用されている。金属洗浄剤は、その液性か
ら、大きく2つに類別される。一方のタイプは水に溶解
して使用する際に酸性を呈する金属洗浄剤(酸洗用洗浄
剤)であり、このタイプは金属表面の錆除去も可能であ
るため、特に錆除去の必要な車両洗浄、ボイラー洗浄な
どで広く用いられている。例えば、特開昭50−774
08号公報には、塩酸を含む酸が金属製車両の洗浄剤と
して提案されている。しかし、この洗浄剤は、塩酸が強
酸であって、アルミニウム系金属などの酸に弱い金属の
みならず、主たる被洗浄金属である鉄系金属をも腐食す
るおそれがある上、アルカリタイプの洗浄剤と併用する
と、有害な塩素ガスを発生する危険があるなどの欠点を
有している。この欠点を解決するため、特開昭62−1
85796号公報には、クエン酸などの有機酸を用いた
車両洗浄剤組成物が提案されている。このクエン酸など
を使用した金属洗浄剤により、金属洗浄剤の鉄に対する
腐食性は改善されたが、アルミニウム系金属には依然と
してかなりの腐食性を有する上、この洗浄剤組成物は錆
除去性能が十分ではないという欠点がある。
【0003】他方のタイプは、水に溶解して使用する際
にアルカリ性を呈する金属洗浄剤であり、このタイプは
錆除去性能は小さいが、金属表面の主として油汚れを除
去する性能(脱脂性能)が大きいため、一般にはアルカ
リ脱脂剤と呼ばれている。アルカリ脱脂剤は、特に加工
油などが付着した成形加工後の金属部品や、塗装前工程
の金属部位の洗浄に使用され、自動車工業、金属製造加
工業などで広く用いられている。従来のアルカリ脱脂剤
は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウムなどの強塩基性化合物を主体とし、こ
れに少量の石鹸などの界面活性剤を加えた洗浄剤組成物
として供せられる。しかし、これらアルカリ脱脂剤は、
脱脂力は十分であるものの2重量%水溶液のpHが10以
上という強アルカリ性であるため、両性金属を洗浄する
とアルカリ腐食が発生し、特にpHが8以上の水溶液と接
触するとアルカリ腐食が起こりやすいアルミニウム系金
属を洗浄することができないという欠点を有している。
【0004】このように、従来の金属洗浄剤は、酸性タ
イプ、アルカリ性タイプいずれの場合も、腐食の可能性
があるため、アルミニウム系金属を洗浄することが困難
であった。このため、近年、アルミニウム系金属を脱脂
洗浄する目的で非イオン界面活性剤を主成分とする中性
金属洗浄剤が使用されているが、これらの中性金属洗浄
剤は脱脂性能が十分ではない上、鉄系金属の錆除去性が
ほとんどないという欠点がある。ところが、近年、金属
部材の複合使用が盛んに行われるようになり、例えば、
自動車のシャーシや組立後機械のように、一つの部品の
中または完成された組立品にアルミニウムや鉄などの多
種の金属が併用されるようになってきた。このような複
合金属部品を、例えば、塗装前工程として洗浄しようと
すると、鉄用洗浄剤では部品中のアルミニウム部分が腐
食を起こす。また、アルミニウム部分の腐食を避けるた
めに中性の金属洗浄剤を用いると、鉄部分の錆除去およ
び脱脂が十分に行われないという問題が生じている。こ
のため、このような複合金属部品を洗浄しようとする
と、溶剤洗浄など、安全および環境上問題のある洗浄を
行うか、分解して各金属部位ごとに洗浄するという手間
のかかる洗浄を行う必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、広いpH領域で、金属、特にアルミニウム
系金属のいずれに対しても腐食性が小さく、かつ毒性が
低くて身体および環境に対する影響が少ない上、優れた
錆除去性を有する金属洗浄剤、および前記特性を有する
とともに脱脂性能にも優れる金属洗浄剤を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する金属洗浄剤を開発すべく鋭意研究を
重ねた結果、カルボキシアルキルチオ無水コハク酸、カ
ルボキシアルキルチオコハク酸およびこれらの塩を含有
する洗浄剤が、広いpH領域で金属、特にアルミニウム系
金属に対しても腐食性が小さい上、毒性が低いこと、ま
た、酸性領域では優れた錆除去性を有し、アルカリ性領
域では優れた脱脂性能を有すること、そしてこれらの化
合物と界面活性剤とを所定の割合で含有する混合物から
なる洗浄剤が、前記特性を有するとともに、脱脂性能に
さらに優れることを見いだし、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)一
般式[1]
【化5】 (ただし、式中、R1は炭素数1〜30のアルキレン基
であり、M1は水素原子、一価に相当する金属原子また
は無置換もしくは有機基置換アンモニウム基である。)
および一般式[2]
【化6】 (ただし、式中、R2は炭素数1〜30のアルキレン基
であり、M2、M3およびM4は水素原子、一価に相当す
る金属原子または無置換もしくは有機基置換アンモニウ
ム基であり、それらはたがいに同一であっても異なって
いてもよい。)で表される化合物の中から選ばれた少な
くとも1種を含有してなる金属洗浄剤、および、(2)
(A)一般式[1]
【化7】 (ただし、式中、R1は炭素数1〜30のアルキレン基
であり、M1は水素原子、一価に相当する金属原子また
は無置換もしくは有機基置換アンモニウム基である。)
および一般式[2]
【化8】 (ただし、式中、R2は炭素数1〜30のアルキレン基
であり、M2、M3およびM4は水素原子、一価に相当す
る金属原子または無置換もしくは有機基置換アンモニウ
ム基であり、それらはたがいに同一であっても異なって
いてもよい。)で表される化合物の中から選ばれた少な
くとも1種の化合物1〜99重量%と、(B)界面活性
剤99〜1重量%との混合物からなる金属洗浄剤、を提
供するものである。さらに、本発明の好ましい態様とし
て、(3)一般式[1]および[2]におけるR1およ
びR2が、炭素数1〜18のアルキレン基である第(1)
項または第(2)項記載の金属洗浄剤、および、(4)
(A)成分5〜95重量%と(B)成分95〜5重量%との
混合物からなる第(2)項または第(3)項記載の金属洗浄
剤、を挙げることができる。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
金属洗浄剤は、一般式[1]
【化9】 および一般式[2]
【化10】 で表される化合物の中から選ばれた少なくとも1種を含
有するものである。一般式[1]および[2]におい
て、R1およびR2はそれぞれ炭素数1〜30のアルキレ
ン基であり、このアルキレン基は直鎖状のものであって
もよいし、分岐を有するものであってもよく、その具体
例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、
ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、ノニレン
基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリ
デシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘ
キサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン
基、ノナデシレン基、アイコシレン基、ヘンイコシレン
基、ドコシレン基、トリコシレン基、テトラコシレン
基、ペンタコシレン基、ヘキサコシレン基、オクタコシ
レン基、ノナコシレン基、トリアコンチレン基などが挙
げられるが、これらの中で炭素数1〜18のアルキレン
基が好ましい。
【0008】一般式[1]および[2]において、
1、M2、M3およびM4は水素原子、一価に相当する金
属原子または無置換もしくは有機基置換アンモニウム基
であり、一般式[2]におけるM2、M3およびM4はそ
れらはたがいに同一であってもよく、異なっていてもよ
い。金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アル
ミニウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、錫などが挙げ
られるが、これらの中でリチウム、ナトリウム、カリウ
ム、カルシウム、マグネシウムが好ましい。一般式
[1]および[2]の金属原子に関して、一価に相当す
る金属原子とは、金属原子をその価数で除した仮想的な
金属原子をいい、例えば、金属原子が、カルシウム、マ
グネシウムなどの二価の金属である場合は、Ca1/2
Mg1/2などと仮想的に表され、アルミニウムのように
三価の金属である場合は、Al1/3などと仮想的に表さ
れる。実際は、一般式[1]で表される化合物において
は、二価の金属原子の場合は、その1個が2分子を架橋
する構造となり、三価の金属の場合は、その1個が3分
子を架橋する構造となる。一方、一般式[2]で表され
る化合物においては、二価の金属原子1個がM2、M3
よびM4のうち2に相当する。また、二価の金属原子は
一般式[2]で表される化合物の1分子内のM2、M3
よびM4のうちの2に相当してもよく、一般式[2]で
表される化合物の2分子のM2、M3およびM4のうちの
2に相当し、2分子を架橋する構造となってもよい。さ
らに、三価の金属原子は、一般式[2]で表される化合
物の1分子ないし3分子のM2、M3およびM4のうちの
3に相当する。金属原子がナトリウム、カリウムなどの
一価の金属である場合は、1個の金属原子が一価に相当
する金属原子である。
【0009】一般式[1]および[2]において、無置
換もしくは有機基置換アンモニウム基は、NH4基、有
機基が1個置換したアンモニウム基、有機基が2個置換
したアンモニウム基または有機基が3個置換したアンモ
ニウム基である。有機基置換アンモニウム基の有機基と
しては、炭素数1〜24、好ましくは1〜18の脂肪族
基、炭素数6〜24、好ましくは6〜18の芳香族基、
炭素数2〜24、好ましくは2〜18のヒドロキシアル
キル基などが挙げられる。また有機基が2個以上置換し
ている場合は、複数の有機基はたがいに同一であっても
よいし、異なっていてもよく、さらにたがいに結合して
環構造を形成していてもよい。このような有機基置換ア
ンモニウム基を形成する有機アミンとしては、例えば、
メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチル
アミン、ヘキシルアミン、オクチルアミンなどの脂肪族
アミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプ
ロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの
アルカノールアミン、アニリンなどの芳香族アミン、モ
ルホリン、ピリジン、ピロリジン、ピペリジンなどの複
素環式アミンなどが挙げられるが、これらの中で、特に
モルホリンおよびアルカノールアミンが好適である。
【0010】本発明に用いられる一般式[1]および
[2]で表される化合物の製造方法については特に制限
はなく、いかなる方法によって製造してもよい。例え
ば、無水マレイン酸にメルカプトカルボン酸またはその
塩を付加することにより、一般式[1]で表されるカル
ボキシアルキルチオ無水コハク酸またはカルボキシアル
キルチオ無水コハク酸塩が得られる。また、このように
して得られた一般式[1]で表される化合物を加水分解
し、そのまま、あるいは適当な塩基性化合物で中和して
塩とすることにより、一般式[2]で表される化合物を
得ることができる。本発明の金属洗浄剤を、特に錆除去
を目的として使用する場合には、金属洗浄剤水溶液が酸
性であることが好ましい。このため、中和の際には、中
和後の金属洗浄剤の2重量%水溶液のpHが1〜7、好ま
しくは1.5〜6となる量の塩基性化合物で中和を行う
ことが好ましい。一般式[2]で表される化合物の
2、M3およびM4がすべて水素原子である場合、すな
わち全く中和を行わなかった場合でも、2重量%水溶液
のpHは1以上であるため、2重量%水溶液のpHを1未満
にするためには鉱酸などの金属腐食性の高い強酸を加え
なければならず、本発明の金属洗浄剤の腐食性が大きく
なる。また、2重量%水溶液のpHが7を超えると錆除去
性能が低下する。
【0011】本発明の金属洗浄剤を、特に脱脂を目的と
して使用する場合には、金属洗浄剤水溶液がアルカリ性
であることが好ましい。このため、中和の際には、中和
後の金属洗浄剤の2重量%水溶液のpHが7〜13、好ま
しくは8〜12となる量の塩基性化合物を加えて中和を
行うことが好ましい。また、特にアルミニウム系金属な
どアルカリ腐食を生じやすい金属を洗浄する際には、金
属洗浄剤の2重量%水溶液のpHが7〜12、好ましくは
8〜11となる量の塩基性化合物を加えて中和を行うこ
とが特に好ましい。金属洗浄剤の2重量%水溶液のpHが
7未満である場合には、さらに界面活性剤を添加して、
当該界面活性剤の洗浄力を利用して脱脂を行わないと脱
脂力が小さくなり、逆に金属洗浄剤の2重量%水溶液の
pHが13以上となる量の塩基性物質を加えて中和を行っ
ても、それ以上に脱脂力は大きくならないため経済的に
不利なだけでなく、金属洗浄剤それ自身の人体への刺激
性が大きくなり好ましくない。また、アルミニウム系金
属などアルカリ腐食を生じやすい金属を洗浄する際に
は、pHが12を超えると、中和に使用されなかった過剰
の塩基性化合物が多くなり、本発明の金属洗浄剤を使用
してもアルカリ腐食が発生しやすくなる。
【0012】次に、本発明に用いられる一般式[1]お
よび[2]で表される化合物の製造方法の具体例を示す
と、まずジオキサンなどの適当な溶媒中において、トリ
エチルアミンなどの三級アミン触媒の存在下に、無水マ
レイン酸にメルカプトプロピオン酸を50〜150℃程
度の温度で0.5〜10時間程度反応させて付加したの
ち、得られた生成物を再結晶により精製して、カルボキ
シエチルチオ無水コハク酸を得、このカルボキシエチル
チオ無水コハク酸をそのまま一般式[1]で表される化
合物とする方法、同様の方法で得られた一般式[1]で
表される化合物に対して、最終的に2重量%の水溶液の
pHが目的とする値となるように計算された量の水酸化ナ
トリウム、炭酸カルシウム、アンモニア、有機アミンな
どを、水中で添加して中和し、一般式[2]で表される
化合物とする方法、あるいは前記のカルボキシエチルチ
オ無水を水と共に30〜100℃程度の温度において
0.1〜20時間程度かき混ぜ、一般式[2]で表され
る化合物の一例であるカルボキシエチルチオコハク酸を
得る方法などがある。本発明の金属洗浄剤においては、
前記一般式[1]で表される化合物を1種用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また前記一
般式[2]で表される化合物を1種用いてもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、一般式
[1]で表される化合物1種以上と一般式[2]で表さ
れる化合物1種以上とを組み合わせて用いてもよい。
【0013】本発明の金属洗浄剤においては、特に被洗
浄物の金属が、鉱油や油脂などの疎水性物質で汚染され
ている場合には、これらの疎水性物質の除去を効果的に
行う目的、すなわち脱脂の目的で、(A)成分の一般式
[1]および[2]で表される化合物の中から選ばれた
少なくとも1種とともに、(B)成分として界面活性剤を
併用することが好ましい。(B)成分を併用することによ
って、(A)成分単独の2重量%水溶液が酸性である場合
には、錆除去性能を有したまま、脱脂性能を向上させる
ことができ、また、(A)成分単独の2重量%水溶液がア
ルカリ性である場合には、アルミニウム系金属の腐食性
を抑えたままで、より一層の脱脂性能の向上が可能とな
る。
【0014】本発明の金属洗浄剤において、(B)成分と
して使用する界面活性剤については特に制限はなく、例
えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イ
オン界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。こ
れらの界面活性剤は、1種を用いてもよく、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。陰イオン界面活性剤として
は、例えば、ラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸な
どの飽和または不飽和脂肪酸の塩(石鹸)、ラウリルサ
ルフェート、ステアリルサルフェート、パルミチルフェ
ノールサルフェートなどの高級アルコール硫酸エステル
の塩またはアルキルフェノール硫酸エステルの塩、ラウ
リルエーテルサルフェート、オレイルエーテルサルフェ
ートなどのアルキルエーテルサルフェートの塩、硫酸化
油の塩、硫酸化脂肪酸エステルの塩、硫酸化脂肪酸の
塩、ラウリルスルフォネート、オレイルスルフォネート
などのアルキルスルフォン酸の塩、ラウリルベンゼンス
ルフォネート、ノニルベンゼンスルフォネートなどのア
ルキルベンゼンスルフォン酸の塩、パラフィンスルフォ
ネートなどのオレフィンスルフォネートの塩、さらには
ラウリルフォスフォネート、ジステアリルフォスフォネ
ートなどのアルキルあるいはジアルキルフォスフォネー
トの塩などが挙げられる。陽イオン界面活性剤として
は、例えば、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン
酢酸塩などのアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルア
ンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアン
モニウムブロマイドなどの第四級アンモニウム塩などが
挙げられる。非イオン界面活性剤としては、例えば、ラ
ウリルアルコールエチレンオキシド付加物、オレイルア
ルコールエチレンオキシド付加物などの高級アルコール
アルキレンオキシド付加物、ラウリルフェノールエチレ
ンオキシド付加物、ステアリルフェノールエチレンオキ
シド付加物などのアルキルフェノールアルキレンオキシ
ド付加物、ラウリン酸エチレンオキシド付加物、オレイ
ン酸エチレンオキシド付加物、ステアリン酸エチレンオ
キシド付加物などの脂肪酸アルキレンオキシド付加物、
ラウリルアミンエチレンオキシド付加物、オレイルアミ
ンエチレンオキシド付加物、ステアリルアミンエチレン
オキシド付加物などのアルキルまたはアルケニルアミン
アルキレンオキシド付加物、ラウリン酸アミドエチレン
オキシド付加物、オレイン酸アミドエチレンオキシド付
加物、ステアリン酸アミドエチレンオキシド付加物など
の脂肪酸アミドアルキレンオキシド付加物、ラウリン酸
モノグリセライド、ペンタエリスリトールステアリンエ
ステルなどが挙げられる。両性界面活性剤としては、例
えば、アミノ酸型両性界面活性剤、ステアリルジメチル
ベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどの
ベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
【0015】本発明の金属洗浄剤を錆除去も目的として
使用する際には、金属洗浄剤水溶液は酸性であることが
好ましいため、使用される(B)成分の界面活性剤も酸性
下で界面活性を示す界面活性剤であることが好ましい。
このような界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、
陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤およびサルフェー
ト型陰イオン界面活性剤、スルフォネート型陰イオン界
面活性剤、ホスフォネート型陰イオン界面活性剤などが
挙げられる。また、本発明の金属洗浄剤を脱脂を主たる
目的として使用する場合には、(B)成分の界面活性剤を
含有すれば、金属洗浄剤水溶液は酸性、中性またはアル
カリ性のいずれの液性でもかまわないが、特に油汚れが
大きい金属部分を洗浄するためには、アルカリ性である
ことが好ましい。このため、使用される(B)成分の界面
活性剤もアルカリ性下で界面活性を示す界面活性剤であ
ることが好ましい。このような界面活性剤としては、石
鹸、両性界面活性剤、サルフェート型陰イオン界面活性
剤、スルフォネート型陰イオン界面活性剤、ホスフォネ
ート型陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤などが
挙げられるが、これらの中で洗浄廃液を酸性としたとき
容易に界面活性を失い、油分を分離除去することができ
る石鹸が特に好ましい。
【0016】本発明の金属洗浄剤においては、(A)成分
化合物と、(B)成分の界面活性剤とを配合する場合、
(A)成分1〜99重量%および(B)成分99〜1重量%
の割合で混合することが重要である。(B)成分の量が1
重量%未満であると、界面活性が不十分であり、脱脂性
能の向上効果が低くなるおそれがある。(B)成分が99
重量%を超えると、(A)成分の化合物の特徴である錆除
去性能や金属腐食性の小ささが損なわれるおそれがあ
る。本発明の金属洗浄剤を錆除去および脱脂ともに目的
として使用する場合には、錆除去性能と脱脂性能のバラ
ンスの面から、(A)成分および(B)成分の好ましい混合
割合は、(A)成分5〜95重量%、(B)成分95〜5重
量%の範囲であり、特に(A)成分40〜80重量%、
(B)成分60〜20重量%の範囲が好適である。(A)成
分の化合物と(B)成分の界面活性剤とを混合する方法に
ついては特に制限はなく、例えば、予め(A)成分の化合
物と(B)成分の界面活性剤とを混合し、本発明の金属洗
浄剤として洗浄液に添加し、溶解させて使用する方法、
あるいは洗浄液に(A)成分の化合物および(B)成分の界
面活性剤をそれぞれ別々に添加し、溶解して使用する方
法などを用いることができる。
【0017】本発明の金属洗浄剤は、本発明の特徴を損
なわない範囲で、他の公知の酸や公知の塩基性化合物、
添加剤を所望に応じ併用することができる。公知の酸と
しては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜硝酸、
亜硫酸、亜リン酸などの鉱酸、酢酸、乳酸、コハク酸、
シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、クエン
酸、安息香酸、フタル酸、ポリアクリル酸などの有機酸
があるが、鉱酸は多量に添加すると本発明の金属洗浄剤
に金属腐食性をもたらす可能性が高いため、本発明の金
属洗浄剤と併用する場合には、本発明の金属洗浄剤10
0重量部に対し50重量部以下、好ましくは10重量部
以下の範囲にとどめることが望ましい。一方、有機酸に
ついては、本発明の金属洗浄剤と併用する場合、本発明
の金属洗浄剤100重量部に対し、400重量部以下、
好ましくは200重量部以下の割合で用いることが望ま
しい。その他の有機酸の使用量が400重量部を超える
と、相対的に本発明の金属洗浄剤の洗浄液中での比率が
低下し、錆除去性能が小さくなる。
【0018】また、公知の塩基性化合物としては、水酸
化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化カルシウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化
物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、炭酸水
素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、
炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウムなどの炭酸
水素塩、アンモニア、炭酸アンモニウム、炭酸水素アン
モニウムなどのアンモニウム化合物、メチルアミン、エ
チルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシル
アミン、オクチルアミンなどの脂肪族アミン、エタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミ
ン、トリイソプロパノールアミンなどのアルカノールア
ミン、アニリンなどの芳香族アミン、モルホリン、ピリ
ジン、ピロリジン、ピペリジンなどの複素環式アミンな
どの有機アミンが挙げられる。これらの塩基性化合物
は、主として本発明の金属洗浄剤を水溶液とした際のpH
調整剤として使用され、一般式[1]または[2]で表
される化合物を中和する際に、中和塩基と共に添加して
もよく、本発明の金属洗浄剤に後から添加してもよい。
【0019】これら塩基性化合物は多量に添加すると、
本発明の金属洗浄剤の水溶液のpHが上昇しすぎて取り扱
いが危険になるとともに、アルミニウム系金属を洗浄す
る際には、金属腐食性をもたらす可能性が高いため、本
発明の金属洗浄剤と併用する場合には、金属洗浄剤の2
重量%水溶液のpHが13を超えない範囲にとどめること
が好ましい。また、添加剤としては、例えば、ビルダ
ー、キレート剤、再付着防止剤、スカム分散剤、防錆
剤、腐敗防止剤、香料、酵素など、公知の添加剤を使用
することができる。本発明の金属洗浄剤を用いて洗浄す
る対象となる材料は特に限定されず、鉄鋼材料、非鉄金
属材料、金属−セラミック複合材料、またはこれらの複
合材料、組み合わせ材料など、いずれの材料をも洗浄す
ることができる。本発明の金属洗浄剤が適用される用途
については、金属部位を有する材料の洗浄であれば特に
制限されず、例えば、金属板、金属パイプ、金属ブロッ
クなどの金属成型品用洗浄剤のほか、ボイラー用洗浄
剤、車両用洗浄剤、電子機器用洗浄剤、機械洗浄剤、窓
枠洗浄剤、金型洗浄剤、建築用洗浄剤、配管洗浄剤な
ど、複数の金属部品からなる加工品用洗浄剤が挙げられ
る。
【0020】本発明の金属洗浄剤は、金属の洗浄剤全重
量に基づき、通常0.01〜95重量%、好ましくは0.
05〜50重量%、さらに好ましくは0.1〜30重量
%となるように洗浄剤に添加して使用される。本発明の
金属洗浄剤は、水系洗浄、アルコール系洗浄、脂肪族系
溶剤洗浄、芳香族系溶剤洗浄、石油系溶剤洗浄、含ハロ
ゲン系溶剤洗浄、粉体洗浄などいかなる洗浄形態に使用
してもよいが、これらの中で水系洗浄が本発明の金属洗
浄剤の特徴を最も効果的に発揮しうるので好適である。
水系洗浄において、本発明の金属洗浄剤を使用する方法
については特に制限はなく、例えば、(1)(A)成分の
化合物を粉体、ブロック、水溶液などの形態にて単独で
洗浄水に溶解して使用する方法、(2)(A)成分の化合
物と(B)成分の界面活性剤と所望に応じて用いられる添
加剤などを、洗浄の際に順次洗浄水に投入し、溶解して
使用する方法、(3)予め(A)成分の化合物と(B)成分
の界面活性剤と所望に応じて用いられる添加剤などとを
混合してなる水溶液、ブロック状物、粉体状物を洗浄水
に溶解して使用する方法、などを用いることができる。
【0021】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの実施例によって何ら限
定されるものではない。 製造例1 かき混ぜ機、窒素ガス導入管、還流冷却器および温度計
を付した四ツ口フラスコに、無水マレイン酸98g、メ
ルカプトプロピオン酸106g、トリエチルアミン6g
および溶剤であるジオキサン1,000mlを入れ、窒素
ガス雰囲気下で混合物を65℃まで昇温し、65℃で1
時間反応を行った。その後、減圧下、55℃で溶剤を除
去した後、水に溶解させ、一般式[2]において、R2
の炭素数が2であり、かつM2、M3およびM4がすべて
水素原子であるカルボキシエチルチオコハク酸の水溶液
を得た。 製造例2 製造例1と同様にして、カルボキシメチルチオコハク酸
の水溶液を得た。 製造例3 製造例1と同様にして、カルボキシヘプチルチオコハク
酸の水溶液を得た。
【0022】
【表1】
【0023】(注)これらの化合物は、いずれも、一般
式[2]におけるM2、M3およびM4がすべて水素原子
である。 製造例4 製造例1で得られたカルボキシルエチルチオコハク酸
(固形分換算)22.2gを用い、これに20重量%水
酸化ナトリウム水溶液20.0gを加えて中和し、カル
ボキシエチルチオコハク酸の部分ナトリウム塩の水溶液
を得た。 製造例5〜9 製造例4と同様にして、第2表に示す化合物と塩基の組
み合わせで中和を行い、一般式[2]で表される塩の水
溶液を得た。
【0024】
【表2】
【0025】実施例1(鋼の錆除去試験および鋼、アル
ミニウムの腐食性試験) 3cm×5cmの冷間圧延鋼板試験片を研磨後、温度60
℃、相対湿度90%の条件下に24時間放置し、試験片
表面に鉄酸化物を生成させた。製造例1で得られた洗浄
剤の5重量%水溶液を調製し、30℃で45分間、鉄酸
化物を生成させた試験片の浸漬洗浄を行った後、水洗し
た。水洗直後の残存鉄酸化物面積%は、2%であった。
また、上記試験に用いた洗浄剤と全く同じ洗浄剤に、3
cm×5cmの冷間圧延鋼板およびアルミニウム試験片を室
温で1時間浸漬し、その後十分に水洗し外観を観察した
が、腐食は認められなかった。 実施例2〜4(鋼の錆除去試験および鋼、アルミニウム
の腐食性試験) 製造例2、3および6で得られた洗浄剤をそれぞれ使用
して、実施例1と全く同様にして錆除去試験および腐食
性試験を行った。錆除去性は、水洗後ただちに残存鉄酸
化物面積%を求め、その面積から次の3段階で評価し
た。 ○:残存鉄酸化物面積が5%未満。 △:残存鉄酸化物面積が5%以上20%未満。 ×:残存鉄酸化物面積が20%以上。 また、腐食性は、試験片を室温で1時間洗浄剤に浸漬
し、その後十分に水洗した試験片の外観より、次の3段
階で評価した。 ○:腐蝕が認められない。 △:全面積の20%未満が腐蝕している。 ×:全面積の20%以上が腐蝕している。 比較例1(鋼の錆除去性試験および鋼、アルミニウムの
腐食性試験) 実施例1と同様にして、冷間圧延鋼板試験片の表面に鉄
酸化物を生成させた。コハク酸の5重量%水溶液を洗浄
剤として、30℃で45分間、鉄酸化物を生成させた試
験片の浸漬洗浄を行った後、水洗した。水洗直後の残存
鉄酸化物面積%は、45%であった。また、実施例1と
同様にして鋼板、アルミニウムの腐食性試験を行ったと
ころ、鋼板では腐蝕は認められなかったが、アルミニウ
ム試験片は全面が腐蝕していた。 比較例2〜3(鋼の錆除去試験および鋼、アルミニウム
の腐食性試験) クエン酸の5重量%水溶液および塩酸の5重量%水溶液
を洗浄剤として、実施例1と全く同様にして錆除去性試
験および腐食性試験を行った。実施例1〜4および比較
例1〜3の結果をまとめて、第3表に示す。
【0026】
【表3】
【0027】第3表の結果から分かるように、一般式
[2]で表される化合物のみを用いた本発明の金属洗浄
剤(実施例1〜4)は錆除去性能に優れ、金属腐食性も
小さい。これに対し、従来の有機酸(比較例1〜2)で
は錆除去性能が十分ではなく、アルミニウムに対する腐
食性が見られる。また、従来の無機酸(比較例3)で
は、錆除去性能は十分であるが、鋼板、アルミニウムい
ずれに対しても腐食性が大きい。 実施例5(脱脂性試験および腐食性試験:[鋼、アルミ
ニウム]) スピンドル油/牛脂(重量比60/40)混合物に、1
5cm×15cmの冷間圧延鋼板試験片およびアルミニウム
試験片を60℃で浸漬し取り出した後、24時間放置し
た。製造例1で得られた洗浄剤(固形分換算)60重量
%、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム20重量
%、ノニルフェノールエチレンオキシド10モル付加物
19重量%およびラウリルジメチルベタイン1重量%の
混合物が3重量%水溶液となるように調製した洗浄剤を
用いて、上記の冷間圧延鋼版試験片およびアルミニウム
試験片に40℃、3分間、2kg/cm2の条件でスプレー
洗浄を行い、次の式により洗浄力を求めたところ、洗浄
力はそれぞれ、92.5%(冷間圧延鋼板)、93.7%
(アルミニウム)であった。 洗浄力(%)=[洗浄されたオイル量(g)/付着オイル量
(g)]×100 また、上記脱脂性試験に用いたものと同じ洗浄剤に、3
cm×5cmの冷間圧延鋼板試験片およびアルミニウム試験
片を室温で1時間浸漬し、その後十分に水洗し外観を観
察したが、腐蝕は認められなかった。 実施例6〜11(脱脂性試験および腐食性試験:[鋼、
アルミニウム]) 製造例1で得られた洗浄剤の代わりに、それぞれ製造例
2、3、4、5、6および7で得られた洗浄剤を用いた
以外は、実施例5と全く同じ操作を繰り返した。なお、
脱脂性は得られた洗浄力の数値から次の4段階で評価し
た。 ◎:洗浄力が99%以上 ○:洗浄力が95%以上99%未満 △:洗浄力が90%以上95%未満 ×:洗浄力が90%未満 腐食性は、試験片を室温で1時間浸漬し、その後十分に
水洗した試験片の外観より、次の3段階で評価した。 ○:腐蝕が認められない。 △:全面積の20%未満が腐蝕している。 ×:全面積の20%以上が腐蝕している。
【0028】実施例12(脱脂性試験および腐食性試
験:[鋼、アルミニウム]) 製造例1で得られた洗浄剤(固形分換算)の2重量%水
溶液に、pH調整剤として水酸化ナトリウムの2重量%水
溶液を添加してpH=10とした洗浄剤を用い、実施例5
と全く同じ操作を繰り返した。 実施例13(脱脂性試験および腐食性試験:[鋼、アル
ミニウム]) 製造例2で得られた洗浄剤(固形分換算)の2重量%水
溶液に、pH調整剤として水酸化カリウムの2重量%水溶
液を添加してpH=10とした洗浄剤を用い、実施例5と
全く同じ操作を繰り返した。 実施例14(脱脂性試験および腐食性試験:[鋼、アル
ミニウム]) 製造例3で得られた洗浄剤(固形分換算)の2重量%水
溶液に、pH調整剤としてモノエタノールアミンの2重量
%水溶液を添加してpH=10とした洗浄剤を用い、実施
例5と全く同じ操作を繰り返した。 実施例15(脱脂性試験および腐食性試験:[鋼、アル
ミニウム]) 製造例1で得られた洗浄剤(固形分換算)70重量%、
ラウリン酸ナトリウム30重量%の混合物2重量部にイ
オン交換水98重量部を加え、かき混ぜながら中和およ
びpH調整用塩基性化合物として水酸化ナトリウムの2重
量%水溶液を添加し、pH=10の洗浄液(2重量%水溶
液)を得た。この洗浄液を用いて実施例5と全く同じ操
作を繰り返した。 実施例16(脱脂性試験および腐食性試験:[鋼、アル
ミニウム]) 中和およびpH調整用塩基性化合物としてモルホリンを用
いた以外は、実施例15と全く同じ操作を繰り返した。 実施例17(脱脂性試験および腐食性試験:[鋼、アル
ミニウム]) 製造例1で得られた洗浄剤の代わりに製造例5で得られ
た化合物を用い、中和およびpH調整用塩基性化合物とし
てモノエタノールアミンを用いた以外は実施例15と全
く同じ操作を繰り返した。
【0029】比較例4(脱脂性試験および腐食性試験:
[鋼、アルミニウム]) 製造例1で得られた洗浄剤の代わりに、コハク酸を用い
た以外は、実施例5と全く同じ操作を繰り返した。 比較例5(脱脂性試験および腐食性試験:[鋼、アルミ
ニウム]) 製造例1で得られた洗浄剤の代わりにクエン酸を用いた
外は、実施例5と全く同じ操作を繰り返した。 比較例6(脱脂性試験および腐食性試験:[鋼、アルミ
ニウム]) 製造例1で得られた洗浄剤の代わりにコハク酸を用いた
外は、実施例12と全く同じ操作を繰り返した。 比較例7(脱脂性試験および腐食性試験:[鋼、アルミ
ニウム]) 製造例1で得られた洗浄剤の代わりにクエン酸を用いた
以外は、実施例12と全く同じ操作を繰り返した。 比較例8(脱脂性試験および腐食性試験:[鋼、アルミ
ニウム]) 製造例1で得られた洗浄剤の代わりにコハク酸を用いた
以外は、実施例15と全く同じ操作を繰り返した。 比較例9(脱脂性試験および腐食性試験:[鋼、アルミ
ニウム]) 製造例5で得られた化合物の代わりにクエン酸を用いた
以外は、実施例17と全く同じ操作を繰り返した。 比較例10、11(脱脂性試験および腐食性試験:
[鋼、アルミニウム]) 市販の有機酸系金属洗浄剤および市販の鉱酸系金属洗浄
剤を用い、界面活性剤を併用することなく、実施例5と
同様にして、スピンドル油/牛脂(重量比60/40)
混合物の付着した15cm×15cmの冷間圧延鋼板試験片
およびアルミニウム試験片の脱脂性試験、および3cm×
5cmの冷間圧延鋼板試験片およびアルミニウム試験片の
腐食性試験を行った。 比較例12、13(脱脂性試験および腐食性試験:
[鋼、アルミニウム]) 市販の中性脱脂剤および市販のアルカリ性脱脂剤を用
い、界面活性剤を併用することなく、実施例5と同様に
して、スピンドル油/牛脂(重量比60/40)混合物
の付着した15cm×15cmの冷間圧延鋼板試験片および
アルミニウム試験片の脱脂性試験、および3cm×5cmの
冷間圧延鋼板およびアルミニウム試験片の腐食性試験を
行った。実施例5〜17および比較例4〜13の結果
を、まとめて第4表に示す。
【0030】
【表4】
【0031】第4表の結果から分かるように、一般式
[2]で表される化合物と界面活性剤とからなる本発明
の金属洗浄剤(実施例5〜11)は脱脂性を有し、金属
腐食性が小さい。また、一般式[2]で表される化合物
のアルカリ性水溶液を金属洗浄剤として用いた場合(実
施例12〜14)は、脱脂性に優れ、金属腐食性も小さ
い。さらに、一般式[2]で表される化合物と界面活性
剤とからなるアルカリ性金属洗浄剤では、金属腐食性が
小さいままで、さらに脱脂性が向上する。このように本
発明の金属洗浄剤は、いずれも金属、特にアルミニウム
を腐蝕することなく脱脂することができる。これに対
し、従来の有機酸と界面活性剤とからなる金属洗浄剤
(比較例4、5)および市販の有機酸系金属洗浄剤(比
較例10)では脱脂性が悪く、金属腐食性を示すものも
ある。また、市販の鉱酸系の金属洗浄剤(比較例11)
は、金属腐食性が大きく、脱脂剤として使用することは
困難である。さらに、従来の有機酸のアルカリ性水溶液
を金属洗浄剤として用いた場合(比較例6、7)、従来
の有機酸と界面活性剤からなるアルカリ性水溶液を金属
洗浄剤として用いた場合(比較例8、9)および市販の
アルカリ性脱脂剤(比較例13)では、鋼板に対する脱
脂性は十分であり、鋼板に対する腐食性も小さいが、い
ずれもアルミニウムにアルカリ腐蝕をもたらす。また、
市販の中性脱脂剤(比較例12)では、鋼板、アルミニ
ウムいずれに対しても腐食性は小さいが、同じpHの本発
明の金属洗浄剤(実施例9、実施例11)に比して脱脂
性が悪い。
【0032】
【発明の効果】本発明の金属洗浄剤は、毒性が小さく、
環境および人体に与える影響が少ない上、本発明の金属
洗浄剤のうち、酸性の金属洗浄剤は、金属に対する腐食
性が小さく、優れた錆除去性を有しており、また界面活
性剤を併用したものは、前記特性を有すると共に、脱脂
性能を有している。また本発明の金属洗浄剤のうち、中
性またはアルカリ性の本発明の金属洗浄剤は、金属に対
する腐食性が小さく、脱脂性能に優れ、また界面活性剤
を併用したものは、前記特性を有しながら脱脂性能がさ
らに向上しているため、アルミニウムのアルカリ脱脂が
可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[1] 【化1】 (ただし、式中、R1は炭素数1〜30のアルキレン基
    であり、M1は水素原子、一価に相当する金属原子また
    は無置換もしくは有機基置換アンモニウム基である。)
    および一般式[2] 【化2】 (ただし、式中、R2は炭素数1〜30のアルキレン基
    であり、M2、M3およびM4は水素原子、一価に相当す
    る金属原子または無置換もしくは有機基置換アンモニウ
    ム基であり、それらはたがいに同一であっても異なって
    いてもよい。)で表される化合物の中から選ばれた少な
    くとも1種を含有してなる金属洗浄剤。
  2. 【請求項2】(A)一般式[1] 【化3】 (ただし、式中、R1は炭素数1〜30のアルキレン基
    であり、M1は水素原子、一価に相当する金属原子また
    は無置換もしくは有機基置換アンモニウム基である。)
    および一般式[2] 【化4】 (ただし、式中、R2は炭素数1〜30のアルキレン基
    であり、M2、M3およびM4は水素原子、一価に相当す
    る金属原子または無置換もしくは有機基置換アンモニウ
    ム基であり、それらはたがいに同一であっても異なって
    いてもよい。)で表される化合物の中から選ばれた少な
    くとも1種の化合物1〜99重量%と、(B)界面活性
    剤99〜1重量%との混合物からなる金属洗浄剤。
JP33273995A 1995-04-13 1995-11-28 金属洗浄剤 Pending JPH08337891A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102989712A (zh) * 2012-10-17 2013-03-27 张志明 抽油烟机洗涤方法
JP2016056443A (ja) * 2014-09-04 2016-04-21 イルクワンポリマー シーオー., エルティーディー.Ilkwangpolymer Co., Ltd. アルミニウム‐樹脂複合体の製造方法

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CN102989712A (zh) * 2012-10-17 2013-03-27 张志明 抽油烟机洗涤方法
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