JPH08337660A - 摩擦材 - Google Patents
摩擦材Info
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- JPH08337660A JPH08337660A JP7147149A JP14714995A JPH08337660A JP H08337660 A JPH08337660 A JP H08337660A JP 7147149 A JP7147149 A JP 7147149A JP 14714995 A JP14714995 A JP 14714995A JP H08337660 A JPH08337660 A JP H08337660A
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- alkali metal
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Abstract
(57)【要約】
【目的】自動車のブレーキ装置等を構成する摩擦材の摩
擦特性の改良。 【構成】樹脂に基材を配合した混合物を結着成形してな
る摩擦材において、基材として、ＲＴｉＯ3 〔式中、Ｒ
はアルカリ土類金属〕で表されるチタン酸アルカリ土類
金属（例えば、ＣａＴｉＯ3 ）の結晶粒と、Ｍ2 Ｔｉn
Ｏ2n+1〔式中、Ｍはアルカリ金属，ｎは２〜６〕で表さ
れるチタン酸アルカリ金属（例えば、Ｋ2Ｔｉ6 Ｏ13）
の結晶粒、またはこれらの結晶粒とチタニア（Ｔｉ
Ｏ2 ）の結晶粒とからなる２相または３相結晶複合チタ
ン化合物粉末を配合する。
擦特性の改良。 【構成】樹脂に基材を配合した混合物を結着成形してな
る摩擦材において、基材として、ＲＴｉＯ3 〔式中、Ｒ
はアルカリ土類金属〕で表されるチタン酸アルカリ土類
金属（例えば、ＣａＴｉＯ3 ）の結晶粒と、Ｍ2 Ｔｉn
Ｏ2n+1〔式中、Ｍはアルカリ金属，ｎは２〜６〕で表さ
れるチタン酸アルカリ金属（例えば、Ｋ2Ｔｉ6 Ｏ13）
の結晶粒、またはこれらの結晶粒とチタニア（Ｔｉ
Ｏ2 ）の結晶粒とからなる２相または３相結晶複合チタ
ン化合物粉末を配合する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車，鉄道車両，航
空機，産業機械類等の制動装置におけるブレーキライニ
ング，ディスクパッド，クラッチフェーシング等の摺動
面を構成する摩擦材に関する。
空機，産業機械類等の制動装置におけるブレーキライニ
ング，ディスクパッド，クラッチフェーシング等の摺動
面を構成する摩擦材に関する。
【０００２】
【従来の技術】上記制動装置の摩擦材は、樹脂（フェノ
ール樹脂，エポキシ樹脂等）を結合剤としてこれに基材
を分散し、必要に応じて摩擦・摩耗調整剤（硫酸バリウ
ム等）を添加した混合物を加熱・加圧下に結着成形する
ことにより製造される。従来より基材としてアスベスト
繊維が使用されてきたが、その摩擦材は、摩擦面の高温
化に伴い摩耗損傷が著しく増大すると共に、摩擦係数の
急激な低下・フェード現象を生じ易い。またアスベスト
繊維には発がん性の問題も指摘されている。このため、
アスベスト代替品の開発が進められ、その基材として、
Ｍ2 Ｔｉn Ｏ2n+1〔式中，ＭはＫ，Ｎａ，Ｌｉ，Ｒｂ等
のアルカリ金属，ｎ＝２〜６〕で示されるチタン酸アル
カリ金属繊維〔代表的には六チタン酸カリウム繊維（Ｋ
2 Ｔｉ6 Ｏ 13）〕、あるいはアルミナ・シリカ繊維等を
配合した摩擦材の実用化が試みられている（例えば、特
開昭６１−１９１５９９号公報，特開平１−２９４５５
３号公報等）。
ール樹脂，エポキシ樹脂等）を結合剤としてこれに基材
を分散し、必要に応じて摩擦・摩耗調整剤（硫酸バリウ
ム等）を添加した混合物を加熱・加圧下に結着成形する
ことにより製造される。従来より基材としてアスベスト
繊維が使用されてきたが、その摩擦材は、摩擦面の高温
化に伴い摩耗損傷が著しく増大すると共に、摩擦係数の
急激な低下・フェード現象を生じ易い。またアスベスト
繊維には発がん性の問題も指摘されている。このため、
アスベスト代替品の開発が進められ、その基材として、
Ｍ2 Ｔｉn Ｏ2n+1〔式中，ＭはＫ，Ｎａ，Ｌｉ，Ｒｂ等
のアルカリ金属，ｎ＝２〜６〕で示されるチタン酸アル
カリ金属繊維〔代表的には六チタン酸カリウム繊維（Ｋ
2 Ｔｉ6 Ｏ 13）〕、あるいはアルミナ・シリカ繊維等を
配合した摩擦材の実用化が試みられている（例えば、特
開昭６１−１９１５９９号公報，特開平１−２９４５５
３号公報等）。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】自動車用ブレーキ装置
の小型化、軽量化等の要請に対処するには、高い摩擦係
数をもち、広い温度域で高摩擦係数を安定に維持し得る
摩擦材が要求される。上記六チタン酸カリウム繊維等の
チタン酸アルカリ金属繊維は、強度，強度，耐熱性，耐
摩耗性，補強性等にすぐれ、かつ摩擦材として適度の硬
度を有する材料であり、これを基材として製作された摩
擦材は、アスベスト繊維を使用した従来の摩擦材を凌ぐ
摩擦摩耗特性を示す。しかし、高温域（約３００℃以
上）における耐フェード特性、摩擦係数は十分なものと
はいえない。耐フェード特性等を更に高める目的で、チ
タン酸カリウム繊維とアルミナ・シリカ繊維を複合配合
することも提案されているが、アルミナ・シリカ繊維は
モース硬度約７と硬質であるため、複合配合に伴つて相
手材攻撃性が強くなってしまう。本発明は、従来の摩擦
材に付随する問題を解消し、高温域における摩擦特性を
安定に維持し得る摩擦材を提供しようとするものであ
る。
の小型化、軽量化等の要請に対処するには、高い摩擦係
数をもち、広い温度域で高摩擦係数を安定に維持し得る
摩擦材が要求される。上記六チタン酸カリウム繊維等の
チタン酸アルカリ金属繊維は、強度，強度，耐熱性，耐
摩耗性，補強性等にすぐれ、かつ摩擦材として適度の硬
度を有する材料であり、これを基材として製作された摩
擦材は、アスベスト繊維を使用した従来の摩擦材を凌ぐ
摩擦摩耗特性を示す。しかし、高温域（約３００℃以
上）における耐フェード特性、摩擦係数は十分なものと
はいえない。耐フェード特性等を更に高める目的で、チ
タン酸カリウム繊維とアルミナ・シリカ繊維を複合配合
することも提案されているが、アルミナ・シリカ繊維は
モース硬度約７と硬質であるため、複合配合に伴つて相
手材攻撃性が強くなってしまう。本発明は、従来の摩擦
材に付随する問題を解消し、高温域における摩擦特性を
安定に維持し得る摩擦材を提供しようとするものであ
る。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦材は、樹脂
に基材を配合した混合物を結着成形してなる摩擦材にお
いて、基材として、ＲＴｉＯ3 〔式中、Ｒはアルカリ土
類金属〕で表されるチタン酸アルカリ土類金属の結晶粒
と、Ｍ2 Ｔｉn Ｏ2n+1〔式中、Ｍはアルカリ金属，ｎは
２〜６〕で表されるチタン酸アルカリ金属の結晶粒、ま
たはこれらの結晶粒とチタニア（ＴｉＯ2 ）の結晶粒と
からなる複合チタン化合物粉末が配合されていることを
特徴としている。
に基材を配合した混合物を結着成形してなる摩擦材にお
いて、基材として、ＲＴｉＯ3 〔式中、Ｒはアルカリ土
類金属〕で表されるチタン酸アルカリ土類金属の結晶粒
と、Ｍ2 Ｔｉn Ｏ2n+1〔式中、Ｍはアルカリ金属，ｎは
２〜６〕で表されるチタン酸アルカリ金属の結晶粒、ま
たはこれらの結晶粒とチタニア（ＴｉＯ2 ）の結晶粒と
からなる複合チタン化合物粉末が配合されていることを
特徴としている。
【０００５】
【作用】チタン酸アルカリ土類金属〔ＲＴｉＯ3 〕（Ｒ
は、Ｍｇ，Ｃａ，Ｓｒ，Ｂａ等）はペロブスカイト型結
晶構造を有する化合物であり、このものは強度，耐熱
性，断熱性，耐摩耗性等にすぐれ、また摩擦材の基材と
して適度の硬度を有する。このペロブスカイト型構造の
チタン酸アルカリ土類金属を、層状もしくはトンネル型
構造のチタン酸アルカリ金属〔Ｍ2 Ｔｉn Ｏ2n+1〕の結
晶粒に混在させた２相複合粉末、またはこれらの結晶粒
にチタニア（ＴｉＯ2 ）の結晶粒を混在させた３相複合
粉末を基材とする本発明の摩擦材は、チタン酸アルカリ
金属の単相材料を基材とする摩擦材を凌ぐ改良された高
摩擦係数を有し、広い温度域に亘つて高摩擦係数を安定
に維持する。
は、Ｍｇ，Ｃａ，Ｓｒ，Ｂａ等）はペロブスカイト型結
晶構造を有する化合物であり、このものは強度，耐熱
性，断熱性，耐摩耗性等にすぐれ、また摩擦材の基材と
して適度の硬度を有する。このペロブスカイト型構造の
チタン酸アルカリ土類金属を、層状もしくはトンネル型
構造のチタン酸アルカリ金属〔Ｍ2 Ｔｉn Ｏ2n+1〕の結
晶粒に混在させた２相複合粉末、またはこれらの結晶粒
にチタニア（ＴｉＯ2 ）の結晶粒を混在させた３相複合
粉末を基材とする本発明の摩擦材は、チタン酸アルカリ
金属の単相材料を基材とする摩擦材を凌ぐ改良された高
摩擦係数を有し、広い温度域に亘つて高摩擦係数を安定
に維持する。
【０００６】基材として配合される上記複合チタン化合
物粉末を構成する各結晶相の複合比率は任意であるが、
チタン酸アルカリ土類金属〔ＲＴｉＯ3 〕とチタン酸ア
ルカリ金属〔Ｍ2 Ｔｉn Ｏ2n+1〕とからなる２相複合粉
末では、ＲＴｉＯ3 ／Ｍ2 Ｔｉn Ｏ2n+1の比（モル
比）：（０．２〜４０）／１の複合比率を有するもの、
チタニア（ＴｉＯ2 ）が混在する３相複合粉末では、Ｒ
ＴｉＯ3 ／Ｍ2 Ｔｉn Ｏ2n +1／ＴｉＯ2 の比（モル
比）：（０．２〜４０）／１／（０．１〜２０）の複合
比率を有するものは好ましい複合粉末として使用され
る。複合粉末の配合割合は、約３〜５０重量％の範囲が
適当である。約３重量％より少ないと、その配合効果が
少なく、他方５０重量％をを越えると、摩擦・摩耗特性
の改善効果は飽和し、それ以上に増量する利益がないか
らである。
物粉末を構成する各結晶相の複合比率は任意であるが、
チタン酸アルカリ土類金属〔ＲＴｉＯ3 〕とチタン酸ア
ルカリ金属〔Ｍ2 Ｔｉn Ｏ2n+1〕とからなる２相複合粉
末では、ＲＴｉＯ3 ／Ｍ2 Ｔｉn Ｏ2n+1の比（モル
比）：（０．２〜４０）／１の複合比率を有するもの、
チタニア（ＴｉＯ2 ）が混在する３相複合粉末では、Ｒ
ＴｉＯ3 ／Ｍ2 Ｔｉn Ｏ2n +1／ＴｉＯ2 の比（モル
比）：（０．２〜４０）／１／（０．１〜２０）の複合
比率を有するものは好ましい複合粉末として使用され
る。複合粉末の配合割合は、約３〜５０重量％の範囲が
適当である。約３重量％より少ないと、その配合効果が
少なく、他方５０重量％をを越えると、摩擦・摩耗特性
の改善効果は飽和し、それ以上に増量する利益がないか
らである。
【０００７】上記複合チタン化合物粉末は、後記参考例
に示すように、ＴｉＯ2 （または加熱によりＴｉＯ2 を
生成するチタン化合物））と、ＲＯ〔Ｒはアルカリ土類
金属〕（または加熱によりＲＯを生成するアルカリ土類
金属化合物）と、Ｍ2 Ｏ〔Ｍはアルカリ金属〕（または
加熱によりＭ2 Ｏを生成するアルカリ金属化合物）と
を、Ｚ≧Ｘ＋ｎＹ（但し、ＸはＲＯのモル数、ＹはＭ2
Ｏのモル数、ＺはＴｉＯ 2 のモル数、ｎは前記と同じ）
となる割合に配合して原料混合物を調製し、７００〜１
３００℃で焼成処理することにより製造される。得られ
る複合粉末を構成するチタン酸アルカリ土類金属とチタ
ン酸アルカリ金属の比率は、原料調製におけるＲＯとＭ
2 Ｏの配合比率により任意に制御される。
に示すように、ＴｉＯ2 （または加熱によりＴｉＯ2 を
生成するチタン化合物））と、ＲＯ〔Ｒはアルカリ土類
金属〕（または加熱によりＲＯを生成するアルカリ土類
金属化合物）と、Ｍ2 Ｏ〔Ｍはアルカリ金属〕（または
加熱によりＭ2 Ｏを生成するアルカリ金属化合物）と
を、Ｚ≧Ｘ＋ｎＹ（但し、ＸはＲＯのモル数、ＹはＭ2
Ｏのモル数、ＺはＴｉＯ 2 のモル数、ｎは前記と同じ）
となる割合に配合して原料混合物を調製し、７００〜１
３００℃で焼成処理することにより製造される。得られ
る複合粉末を構成するチタン酸アルカリ土類金属とチタ
ン酸アルカリ金属の比率は、原料調製におけるＲＯとＭ
2 Ｏの配合比率により任意に制御される。
【０００８】本発明の摩擦材は、基材として、上記複合
チタン化合物粉末と共に、公知の他材種のものを複合的
に配合することもできる。例えばポリアミド（ナイロ
ン）繊維，アラミド繊維，スチール繊維，ステンレス繊
維，銅繊維，黄銅繊維，炭素繊維，ガラス繊維，アルミ
ナ・シリカ繊維，ロックウール，木質パルプ等が挙げら
れる。これらはその１種〜２種以上が任意に選択され、
配合量は特に限定されないが、複合チタン化合物粉末と
の合計量で約１０〜６５重量％となる範囲で配合してよ
い。基材は必要に応じ、分散性、結合剤樹脂との結着性
の向上等を目的として、シラン系カップリング剤（アミ
ノシラン，ビニルシラン，エポキシシラン，メタアクリ
ロキシラン，メルカプトキシラン等）、またはチタネー
ト系カップリング剤（イソプロピルトリイソステアロイ
ルチタネート，ジ（ジオクチルパイロホスフェート）エ
チレンチタネート等）による表面処理（カップリング処
理）が常法に従って施されて使用される。
チタン化合物粉末と共に、公知の他材種のものを複合的
に配合することもできる。例えばポリアミド（ナイロ
ン）繊維，アラミド繊維，スチール繊維，ステンレス繊
維，銅繊維，黄銅繊維，炭素繊維，ガラス繊維，アルミ
ナ・シリカ繊維，ロックウール，木質パルプ等が挙げら
れる。これらはその１種〜２種以上が任意に選択され、
配合量は特に限定されないが、複合チタン化合物粉末と
の合計量で約１０〜６５重量％となる範囲で配合してよ
い。基材は必要に応じ、分散性、結合剤樹脂との結着性
の向上等を目的として、シラン系カップリング剤（アミ
ノシラン，ビニルシラン，エポキシシラン，メタアクリ
ロキシラン，メルカプトキシラン等）、またはチタネー
ト系カップリング剤（イソプロピルトリイソステアロイ
ルチタネート，ジ（ジオクチルパイロホスフェート）エ
チレンチタネート等）による表面処理（カップリング処
理）が常法に従って施されて使用される。
【０００９】本発明の摩擦材は、所望により、公知の摩
擦摩耗調整剤、例えば、加硫もしくは未加硫の天然・合
成ゴム粉末，カシュー樹脂粉粒体，レジンダスト，ゴム
ダスト等の有機物粉末、天然・人造黒鉛，二硫化モリブ
デン，三硫化アンチモン，硫酸バリウム，炭酸カルシウ
ム等の無機質粉末、銅，アルミニウム，亜鉛，鉄等の金
属粉末、アルミナ，シリカ，酸化クロム，酸化銅，三酸
化アンチモン，酸化チタン，酸化鉄等の酸化物粉末等か
ら選ばれる１種ないし２種以上の成分が、摩擦摩耗特性
（摩擦係数，摩耗抵抗性，振動特性，ナキ等）の改善を
目的として適量（例えば２０〜７０重量％）配合され
る。また、各種添加剤、例えば防錆剤、潤滑剤、研削剤
等が、その用途・使用態様等に応じて適量配合（例えば
５０重量％以下）されることも通常の摩擦材と異ならな
い。
擦摩耗調整剤、例えば、加硫もしくは未加硫の天然・合
成ゴム粉末，カシュー樹脂粉粒体，レジンダスト，ゴム
ダスト等の有機物粉末、天然・人造黒鉛，二硫化モリブ
デン，三硫化アンチモン，硫酸バリウム，炭酸カルシウ
ム等の無機質粉末、銅，アルミニウム，亜鉛，鉄等の金
属粉末、アルミナ，シリカ，酸化クロム，酸化銅，三酸
化アンチモン，酸化チタン，酸化鉄等の酸化物粉末等か
ら選ばれる１種ないし２種以上の成分が、摩擦摩耗特性
（摩擦係数，摩耗抵抗性，振動特性，ナキ等）の改善を
目的として適量（例えば２０〜７０重量％）配合され
る。また、各種添加剤、例えば防錆剤、潤滑剤、研削剤
等が、その用途・使用態様等に応じて適量配合（例えば
５０重量％以下）されることも通常の摩擦材と異ならな
い。
【００１０】結合剤である樹脂成分は、通常使用される
材種、例えばフェノール樹脂，ホルムアルデヒド樹脂，
エポキシ樹脂，シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂、また
はこれらの変性（カシュー油変性，乾性変性等）熱硬化
性樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム，ニトリル
ゴム等のゴム系樹脂等が挙げられる。
材種、例えばフェノール樹脂，ホルムアルデヒド樹脂，
エポキシ樹脂，シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂、また
はこれらの変性（カシュー油変性，乾性変性等）熱硬化
性樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム，ニトリル
ゴム等のゴム系樹脂等が挙げられる。
【００１１】本発明の摩擦材を製造するための原料混合
物の調製は、基材として上記複合チタン化合物粉末が使
用される点を除いて、従来一般の摩擦材と異ならず、ま
たその製造工程にも特別の条件ないし制限は課せられな
い。すなわち、基材を結合剤樹脂中に分散し、必要に応
じて配合される摩擦摩耗調整剤、および防錆剤，潤滑
剤，研削剤等を添加し、均一に混合して原料組成物を調
製し、予備成形についで金型成形等により、加熱・加圧
下（加圧力約１０〜４０ＭＰａ，温度約１５０〜２００
℃）に結着成形を行い、型から取り出した後、所望によ
り加熱炉内で熱処理（温度約１５０〜２００℃，保持時
間約１〜１２Ｈｒ）を施し、しかる後その成形体に機械
加工、研磨加工を加えて所定の形状を有する摩擦材に仕
上げる。別法として、原料組成物を、水等に分散懸濁さ
せ、抄き網で抄きあげ、搾水してシートを抄造し、その
適当枚数を重ね、加熱・加圧下に結着成形する工程を経
由し、その成形体を機械加工，研磨加工して所定の摩擦
材を得ることもできる。
物の調製は、基材として上記複合チタン化合物粉末が使
用される点を除いて、従来一般の摩擦材と異ならず、ま
たその製造工程にも特別の条件ないし制限は課せられな
い。すなわち、基材を結合剤樹脂中に分散し、必要に応
じて配合される摩擦摩耗調整剤、および防錆剤，潤滑
剤，研削剤等を添加し、均一に混合して原料組成物を調
製し、予備成形についで金型成形等により、加熱・加圧
下（加圧力約１０〜４０ＭＰａ，温度約１５０〜２００
℃）に結着成形を行い、型から取り出した後、所望によ
り加熱炉内で熱処理（温度約１５０〜２００℃，保持時
間約１〜１２Ｈｒ）を施し、しかる後その成形体に機械
加工、研磨加工を加えて所定の形状を有する摩擦材に仕
上げる。別法として、原料組成物を、水等に分散懸濁さ
せ、抄き網で抄きあげ、搾水してシートを抄造し、その
適当枚数を重ね、加熱・加圧下に結着成形する工程を経
由し、その成形体を機械加工，研磨加工して所定の摩擦
材を得ることもできる。
【００１２】
（１）原料組成物の調製 表１参照。表中、基材欄の記号は次のとおりである。基
材Ａ1 〜Ａ4 は後記参考例による（複合比率はモル比表
示である）。 Ａ1 : 複合チタン化合物（CaTiO 3 / K 2 Ti6 Ｏ13＝２
／１） Ａ2 : 複合チタン化合物（CaTiO 3 / K 2 Ti6 Ｏ13＝４
／１） Ａ3 : 複合チタン化合物（CaTiO 3 / K 2 Ti6 Ｏ13＝１
０／１） Ａ4 : 複合チタン化合物（CaTiO 3 / K 2 Ti6 Ｏ13/ Ti
O 2 ＝４／１／１）（粉末粒径：いずれも１０〜１００
μｍ） Ｂ1 : 六チタン酸カリウム（K 2 Ti6 Ｏ13）単相（球状
粒子）（粉末粒径：１０〜１００μｍ） Ｂ2 : 六チタン酸カリウム（K 2 Ti6 Ｏ13）単相（繊
維）（繊維長：１５０μｍ（平均），繊維径：３０μｍ
（平均）） Ｃ : チタン酸カルシウム（CaTiO 3 ）単相粉末（粉末
粒径：１〜５μｍ） Ｄ : アスベスト繊維（６クラス）
材Ａ1 〜Ａ4 は後記参考例による（複合比率はモル比表
示である）。 Ａ1 : 複合チタン化合物（CaTiO 3 / K 2 Ti6 Ｏ13＝２
／１） Ａ2 : 複合チタン化合物（CaTiO 3 / K 2 Ti6 Ｏ13＝４
／１） Ａ3 : 複合チタン化合物（CaTiO 3 / K 2 Ti6 Ｏ13＝１
０／１） Ａ4 : 複合チタン化合物（CaTiO 3 / K 2 Ti6 Ｏ13/ Ti
O 2 ＝４／１／１）（粉末粒径：いずれも１０〜１００
μｍ） Ｂ1 : 六チタン酸カリウム（K 2 Ti6 Ｏ13）単相（球状
粒子）（粉末粒径：１０〜１００μｍ） Ｂ2 : 六チタン酸カリウム（K 2 Ti6 Ｏ13）単相（繊
維）（繊維長：１５０μｍ（平均），繊維径：３０μｍ
（平均）） Ｃ : チタン酸カルシウム（CaTiO 3 ）単相粉末（粉末
粒径：１〜５μｍ） Ｄ : アスベスト繊維（６クラス）
【００１３】（２）摩擦材の成形 原料組成物を予備成形（加圧力：14.7ＭＰａ＝150Kg /c
m 2 ，温度：常温，時間：1 分間）の後、金型による結
着成形（加圧力：14.7ＭＰａ＝150Kg/cm 2，温度：170
℃, 加圧保持時間：5 分間）を行い、成形後、離型して
乾燥炉で熱処理（180 ℃に3 時間保持) を施す。その
後、所定寸法に切断し、研磨加工を加えて供試摩擦材(
ディスクパッド) を得る。
m 2 ，温度：常温，時間：1 分間）の後、金型による結
着成形（加圧力：14.7ＭＰａ＝150Kg/cm 2，温度：170
℃, 加圧保持時間：5 分間）を行い、成形後、離型して
乾燥炉で熱処理（180 ℃に3 時間保持) を施す。その
後、所定寸法に切断し、研磨加工を加えて供試摩擦材(
ディスクパッド) を得る。
【００１４】（３）摩擦試験 各供試摩擦材について、JASO C 406 乗用車ブレーキ装
置ダイナモメータ試験方法」に準拠した第２効力試験を
行い、表２の下欄に示す結果を得た。 （試験条件） 制動初速度: ５０Km / h ,１００Km / h。 減速度 : ０．３Ｇ
置ダイナモメータ試験方法」に準拠した第２効力試験を
行い、表２の下欄に示す結果を得た。 （試験条件） 制動初速度: ５０Km / h ,１００Km / h。 減速度 : ０．３Ｇ
【００１５】
【表１】
【００１６】上記摩擦試験結果に示したように、基材と
して、チタン酸アルカリ金属単相材を使用したもの（比
較例１，比較例２）、チタン酸アルカリ土類金属単相材
を使用したもの（比較例３）、アスベストを使用したも
の（比較例４）に比べて、チタン酸アルカリ土類金属−
チタン酸アルカリ金属複合粉末を使用した発明例の摩擦
材（実施例１〜４）は、比較的低い制動初速度から、摩
擦面の著しい昇温を伴う高い制動初速度にわたって高い
摩擦係数を有している。
して、チタン酸アルカリ金属単相材を使用したもの（比
較例１，比較例２）、チタン酸アルカリ土類金属単相材
を使用したもの（比較例３）、アスベストを使用したも
の（比較例４）に比べて、チタン酸アルカリ土類金属−
チタン酸アルカリ金属複合粉末を使用した発明例の摩擦
材（実施例１〜４）は、比較的低い制動初速度から、摩
擦面の著しい昇温を伴う高い制動初速度にわたって高い
摩擦係数を有している。
【００１７】
（チタン酸アルカリ土類金属−チタン酸アルカリ金属複
合粉末の製造）精製アナターゼ（ＴｉＯ2 ）粉末と、炭
酸カルシウム（ＣａＣＯ3 ）粉末と、炭酸カリウム（Ｋ
2 ＣＯ）粉末とを下記の配合比で混合する。 原料Ａ1 : ＴｉＯ2 ／ＣａＯ／Ｋ2 Ｏ（モル比）＝ ８
／２／１ 原料Ａ2 : ＴｉＯ2 ／ＣａＯ／Ｋ2 Ｏ（モル比）＝１０
／４／１ 原料Ａ3 : ＴｉＯ2 ／ＣａＯ／Ｋ2 Ｏ（モル比）＝１６
／１０／１ 原料Ａ4 : ＴｉＯ2 ／ＣａＯ／Ｋ2 Ｏ（モル比）＝１１
／４／１ 上記混合粉末に適量の水（粉末合計量の約２倍量）を加
えてスラリーとし、スプレードライヤーで乾燥して造粒
粉（平均粒径: 約４０μｍ）を得、これを、温度１１５
０℃で１Ｈｒ焼成する。上記工程により複合チタン化合
物粉末Ａ1,Ａ2,Ａ3,およびＡ4 を得た。各粉末は、顆粒
粉末（平均粒径：約３３μｍ）であり、顆粒はチタン酸
カルシウム（CaTiO 3 ) , 六チタン酸カリウム（K 2 Ti
6 O 13）, チタニア（TiO 2 ）等の微細結晶粒（サブミ
クロン・オーダ）で構成されている。各粉末の結晶相の
複合率は次のとおりである（モル比、括弧内は重量
比）。 CaTiO3 / K 2 Ti 6 O 13 / TiO 2 複合粉末Ａ1 : ２／１／０ （３２／６８／０） 複合粉末Ａ2 : ４／１／０ （４９／５１／０） 複合粉末Ａ3 : １０／１／０ （７０／３０／０） 複合粉末Ａ4 : ４／１／１ （４５／４８／７）
合粉末の製造）精製アナターゼ（ＴｉＯ2 ）粉末と、炭
酸カルシウム（ＣａＣＯ3 ）粉末と、炭酸カリウム（Ｋ
2 ＣＯ）粉末とを下記の配合比で混合する。 原料Ａ1 : ＴｉＯ2 ／ＣａＯ／Ｋ2 Ｏ（モル比）＝ ８
／２／１ 原料Ａ2 : ＴｉＯ2 ／ＣａＯ／Ｋ2 Ｏ（モル比）＝１０
／４／１ 原料Ａ3 : ＴｉＯ2 ／ＣａＯ／Ｋ2 Ｏ（モル比）＝１６
／１０／１ 原料Ａ4 : ＴｉＯ2 ／ＣａＯ／Ｋ2 Ｏ（モル比）＝１１
／４／１ 上記混合粉末に適量の水（粉末合計量の約２倍量）を加
えてスラリーとし、スプレードライヤーで乾燥して造粒
粉（平均粒径: 約４０μｍ）を得、これを、温度１１５
０℃で１Ｈｒ焼成する。上記工程により複合チタン化合
物粉末Ａ1,Ａ2,Ａ3,およびＡ4 を得た。各粉末は、顆粒
粉末（平均粒径：約３３μｍ）であり、顆粒はチタン酸
カルシウム（CaTiO 3 ) , 六チタン酸カリウム（K 2 Ti
6 O 13）, チタニア（TiO 2 ）等の微細結晶粒（サブミ
クロン・オーダ）で構成されている。各粉末の結晶相の
複合率は次のとおりである（モル比、括弧内は重量
比）。 CaTiO3 / K 2 Ti 6 O 13 / TiO 2 複合粉末Ａ1 : ２／１／０ （３２／６８／０） 複合粉末Ａ2 : ４／１／０ （４９／５１／０） 複合粉末Ａ3 : １０／１／０ （７０／３０／０） 複合粉末Ａ4 : ４／１／１ （４５／４８／７）
【００１８】
【発明の効果】本発明の摩擦材は、複合チタン化合物粉
末の配合効果として、改良された摩擦係数と耐摩耗性と
を有し、高温域においても優れた耐フェード特性，耐摩
耗性を示す。従って、自動車，車両，航空機，各種産業
機械類の制動装置を構成するブレーキライニング，ディ
スクパッド，クラッチフェーシング等として有用であ
り、制動装置の小型化・軽量化等への対応を可能とし、
制動機能の向上・安定化、耐久性の改善等の効果が得ら
れる。
末の配合効果として、改良された摩擦係数と耐摩耗性と
を有し、高温域においても優れた耐フェード特性，耐摩
耗性を示す。従って、自動車，車両，航空機，各種産業
機械類の制動装置を構成するブレーキライニング，ディ
スクパッド，クラッチフェーシング等として有用であ
り、制動装置の小型化・軽量化等への対応を可能とし、
制動機能の向上・安定化、耐久性の改善等の効果が得ら
れる。
Claims (3)
- 【請求項１】 樹脂に基材を配合した混合物を結着成形
してなる摩擦材において、基材として、ＲＴｉＯ3 〔式
中、Ｒはアルカリ土類金属〕で表されるチタン酸アルカ
リ土類金属の結晶粒と、Ｍ2 Ｔｉn Ｏ2n+1〔式中、Ｍは
アルカリ金属，ｎは２〜６〕で表されるチタン酸アルカ
リ金属の結晶粒からなる複合チタン化合物粉末が配合さ
れていることを特徴とする摩擦材。 - 【請求項２】 樹脂に基材を配合した混合物を結着成形
してなる摩擦材において、基材として、ＲＴｉＯ3 〔式
中、Ｒはアルカリ土類金属〕で表されるチタン酸アルカ
リ土類金属の結晶粒と、Ｍ2 Ｔｉn Ｏ2n+1〔式中、Ｍは
アルカリ金属，ｎは２〜６〕で表されるチタン酸アルカ
リ金属の結晶粒と、チタニア（ＴｉＯ 2 ）の結晶粒とか
らなる複合チタン化合物粉末が配合されていることを特
徴とする摩擦材。 - 【請求項３】 チタン酸アルカリ土類金属が、チタン酸
カルシウム（ＣａＴｉＯ3 ）、チタン酸アルカリ金属
が、六チタン酸カリウム（Ｋ2 Ｔｉ6 Ｏ13）であること
を特徴とする請求項１または請求項２に記載の摩擦材。
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1995
- 1995-06-14 JP JP14714995A patent/JP3229777B2/ja not_active Expired - Lifetime
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