JPH08335580A - 誘電体薄膜の製造方法及びそれを用いた強誘電体記憶素子の製造方法 - Google Patents

誘電体薄膜の製造方法及びそれを用いた強誘電体記憶素子の製造方法

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JPH08335580A
JPH08335580A JP14174995A JP14174995A JPH08335580A JP H08335580 A JPH08335580 A JP H08335580A JP 14174995 A JP14174995 A JP 14174995A JP 14174995 A JP14174995 A JP 14174995A JP H08335580 A JPH08335580 A JP H08335580A
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thin film
srtio
heat treatment
forming
dielectric
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JP14174995A
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Yasushi Ogimoto
泰史 荻本
Nobuhito Ogata
信人 緒方
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、MFIS−FET型の強誘電体記
憶素子に用いて好適な誘電体薄膜の製造方法を提供する
ことを目的とする。 【構成】 シリコン基板上に酸化シリコン薄膜を形成す
る工程と、その酸化シリコン薄膜上にSrTiO3薄膜
を基板加熱してた状態でスパッタリング法により形成す
る工程と、そのSrTiO3薄膜形成工程の後に、Sr
TiO3形成時の基板加熱の温度以上かつ800℃以下
で熱処理する工程とから成る誘電体薄膜の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不揮発メモリの強誘電
体記憶素子に用いられる誘電体薄膜の製造方法、及びそ
れを用いた強誘電体薄膜素子の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン単結晶基板上に形成され
る誘電体薄膜としては、シリコンとの優れた界面保護膜
で絶縁膜となるがゆえに、MOS−FETのゲート絶縁
膜に用いられるSiO2熱酸化膜が代表的なものであっ
た。
【0003】一方、MOS−FETのゲート絶縁膜に強
誘電体薄膜を用いた不揮発性の半導体記憶素子である、
MFS(Metal Ferroelectric Semiconductor)−FE
T(Field Effect Transistor)構造の強誘電体記憶素
子が提案されている。すなわち、MFS−FET構造の
強誘電体記憶素子は、図8に示すように、シリコン基板
101表面の不純物拡散層104、105に挟まれたチ
ャネル領域上に、強誘電体膜106とゲート電極107
とが順次形成された構成となる。このような構造の強誘
電体記憶素子は、強誘電体薄膜106の自発分極の向
き、大きさに応じて、その自発分極を補償するようにシ
リコン基板101表面のチャネル領域に誘起される電荷
により、チャネル領域の伝導率が変調されることを利用
して、メモリ内容の読み出しを行うものである。この素
子は、読み出し時にメモリ内容を破壊しない非破壊読み
出しが可能なので、優れたメモリとして注目されてい
る。
【0004】しかしながら、PZT(チタン酸ジルコン
酸鉛)、SrBi2Ta29、Bi4Ti312などのペ
ロブスカイト構造を有する酸化物強誘電体薄膜をシリコ
ン基板上に直接形成して、強誘電体記憶素子を実現する
には、下記のような問題のために困難なものとなってい
る。
【0005】それは、強誘電体薄膜を形成するプロセス
が500〜800℃の高温熱処理プロセスを含むため、
強誘電体の構成元素とシリコンとが相互に拡散し、シリ
コン基板との界面での反応による異なる相の生成、強誘
電性の劣化、界面のダメージ等を引き起こすというもの
である。更に、PZTにおいては、熱膨張係数の違いに
より、クラックを発生することさえある。
【0006】このような問題を解決するため、シリコン
基板と強誘電体薄膜との間に誘電体バッファ膜を介在さ
せたMFIS(Metal Ferroelectric Insulator Semico
nductor)−FET構造が検討されており、この構造に
適用可能な誘電体薄膜やこの構造を実現するためにシリ
コン基板上への誘電体薄膜の製造方法の確立が必要とさ
れている。
【0007】現在、このようなMFIS−FET構造の
誘電体薄膜や誘電体薄膜の製造方法として様々なものが
検討されているが、シリコン基板上に清浄な界面を保ち
ながら誘電体薄膜を形成するのに、超高真空又は高真空
中での成膜方法がよく用いられている。例えば、SrT
iO3/SrO、SrTiO3/SrF2、SrTiO3
CaF2等の2層構造の誘電体バッファ膜を、高真空蒸
着法を用いて形成したものが報告されている(第42回
応用物理学関係連合講演会30p-D-4:K.Itani,etal.等参
照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
MFIS−FET構造において、シリコン基板側にフッ
化物薄膜を用いたSrTiO3/SrF2、SrTiO3
/CaF2等の誘電体バッファ層では、シリコン基板と
の界面が比較的清浄に形成できるが、その誘電体バッフ
ァ層上に500〜800℃の高温で酸化物強誘電体薄膜
を成膜するプロセスにおいて、シリコン基板と誘電体バ
ッファ層との界面等がダメージを受ける等の問題を生じ
る。また、シリコン基板側に酸化物を用いたSrTiO
3/SrOのような誘電体バッファ層では、誘電体バッ
ファ層上への高温プロセスによる強誘電体薄膜の形成時
に、シリコンと誘電体バッファ層との界面で反応が起こ
るという問題が発生する。
【0009】これらの問題点は、従来のMFIS−FE
T構造では、記憶素子としての特性を悪化させる様々な
要因となっていた。
【0010】そこで、発明者らは、MFIS−FET構
造の誘電体バッファ層として、SrTiO3/SiO2
電体バッファ層を適用することを提案した。すなわち、
上記従来のSrTiO3/SrO、SrTiO3/SrF
2、SrTiO3/CaF2等の2層構造誘電体バッファ
層では、シリコン基板との界面における問題があったの
で、シリコン基板との界面保護性に最も優れている熱酸
化シリコン(SiO2)膜をシリコン基板側に配したS
rTiO3/SiO2誘電体バッファ層に着眼したのであ
る。
【0011】SrTiO3/SiO2誘電体バッファ層
は、 高温の強誘電体薄膜成膜プロセスに耐え得る界面保護
膜となる絶縁膜 強誘電体薄膜が結晶化可能である下地誘電体薄膜 という特性が期待できる優れた誘電体バッファ層と成り
得ると考えられる。
【0012】ところが、シリコン基板上にSiO2熱酸
化膜を形成し、続いて基板加熱した状態でスパッタリン
グ法によりSrTiO3薄膜を成膜することにより得ら
れるSrTiO3/SiO2誘電体バッファ層では、Sr
TiO3/SiO2薄膜中に正の固定電荷が存在し、フラ
ットバンド電圧Vfb(バンド理論においてシリコン基板
とゲート電極とのそれぞれの価電子準位を等しくする
(シリコン基板とゲート電極とのそれぞれの価電子準位
をフラットバンドにする)のに必要なシリコン基板−ゲ
ート電極間への印加電圧)が、負バイアス方向にシフト
(ネガティヴ・シフト:negarive-shift)してしまうこ
とが判明した。
【0013】このVfbのネガティヴ・シフトは、しきい
値電圧Vth(シリコン基板−ゲート電極間の電圧印加に
よりシリコン基板の価電子準位とゲート電極の価電子準
位が逆転するときに生じる反転層が、形成し始めるとき
のシリコン基板−ゲート電極間の電圧)のずれを生じさ
せ、 (a)n型のチャネルを用いた場合には、ソース−ドレイ
ン間の漏れ電流の増加 (b)p型のチャネルを用いた場合には、動作電圧のしき
い値の増大 という問題を引き起こすため、MFIS−FET構造の
強誘電体記憶素子の実用化にとって大きな問題となる。
【0014】このような問題点は、スパッタ法によりS
rTiO3薄膜を形成するため、スパッタガスのプラズ
マによってSiO2薄膜がダメージを受けることや、S
rTiO3薄膜中の欠陥等が物理的原因となり、SrT
iO3/SiO2薄膜中に正の固定電荷が存在してしまう
ことに起因していると考えられる。
【0015】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものであって、MFIS−FET型の強誘
電体記憶素子に用いて好適な誘電体薄膜の製造方法を提
供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、シリコン基板上に酸化シリコン薄膜を
形成する工程と、その酸化シリコン薄膜上にSrTiO
3薄膜を基板加熱した状態でスパッタリング法により形
成する工程と、そのSrTiO3薄膜形成工程の後に、
SrTiO3形成時の基板加熱の温度以上かつ800℃
以下で熱処理する工程とから成る誘電体薄膜の製造方法
としている。
【0017】さらに、本発明では、上記の誘電体薄膜の
製造方法において、熱処理工程を酸素雰囲気中で行うこ
ととしている。
【0018】また、本発明では、上記の誘電体薄膜の製
造方法において、熱処理工程を不活性ガス雰囲気中で行
うこととしている。
【0019】また、本発明では、上記の誘電体薄膜の成
膜方法において、熱処理工程を酸素と不活性ガスとの混
合ガス雰囲気中で行うこととしている。
【0020】また、本発明では、シリコン基板表面に2
つの不純物拡散層を形成する工程と、そのシリコン基板
表面の2つの不純物拡散層に挟まれたチャネル領域上に
酸化シリコン薄膜を形成する工程と、その酸化シリコン
薄膜上にSrTiO3薄膜を基板加熱した状態でスパッ
タリング法により形成する工程と、そのSrTiO3
膜形成工程の後に、前記SrTiO3形成時の基板加熱
の温度以上かつ800℃以下で熱処理する工程と、Sr
TiO3薄膜上に強誘電体薄膜を形成する工程とから成
る強誘電体記憶素子の製造方法としている。
【0021】
【作用】本発明によれば、スパッタ法によるSrTiO
3薄膜の形成後、熱処理工程を施すことにより、SiO2
薄膜のダメージが解消されると共に、SrTiO3薄膜
が結晶化膜となり、SrTiO3薄膜中の構成原子が欠
陥位置から格子位置に存在させるようにして、SrTi
3/SiO2薄膜中の正の固定電荷を解消することがで
きるものと考えられる。
【0022】また、本発明の熱処理工程の処理温度とし
ては、スパッタ法によるSrTiO3薄膜形成時の基板
加熱温度以上の温度で、かつ、シリコンを用いた素子の
製造プロセスとして可能な温度である800℃以下の処
理温度で、効果が得られるものである。
【0023】また、本発明の熱処理工程は、酸素雰囲気
中、又は不活性ガス雰囲気中、又は不活性ガスと酸素と
の混合ガス雰囲気中で行うことが好ましいものである。
ここで、不活性ガスとは、He、Ne、Ar等の希ガス
のみを意味するものでなく、これの希ガスに加えてN2
等の反応性に乏しいガスを意味するものである。
【0024】このような本発明の作用により、Vfb及び
thのシフトを抑制することが可能となる。したがっ
て、本発明の誘電体薄膜の製造方法によれば、MFIS
−FET構造強誘電体記憶素子のシリコン基板−強誘電
体薄膜間の誘電体バッファ層の特性を、大きく改善する
ことができる。ゆえに、本発明の強誘電体記憶素子の製
造方法によれば、誘電体バッファ層の特性改善により、
素子特性に優れたMFIS−FET構造強誘電体記憶素
子を実現することが可能となる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。図1は、本発明の誘電体薄膜の製造方法
により、作製したサンプルの要部断面図であり、シリコ
ン基板1上に、酸化シリコン膜2と、SrTiO3薄膜
3が順次形成されたものである。
【0026】先ず、本実施例でのサンプルの作製につい
て説明する。シリコン基板1として、p型で抵抗率が8
〜12ΩcmのSi(100)基板1を用い、この表面
をドライ熱酸化することにより膜厚が30nmのシリコ
ン酸化膜(SiO2薄膜)2を形成した。そして、この
SiO2薄膜2上に、RF−マグネトロンスパッタリン
グ法により、膜厚が30nmのSrTiO3薄膜3を形
成した。このときのSrTiO3薄膜の成膜は、スパ
ッタターゲットにSrTiO3の焼結体ターゲット(純
度:4N(99.99%))を用い、成膜室内を一旦
2×10-4Paまで真空排気した後、基板加熱温度を
400℃、RFパワーを50W、スパッタガスをAr:
2=8:2の混合ガス(成膜室内のガス圧:2Pa)
として行った。
【0027】このようにして、Si基板上にSiO2
膜とSrTiO3薄膜とを順次形成したサンプルを、S
rTiO3薄膜の成膜に用いたスパッタ装置から取り出
し、赤外線ランプを用いた熱処理装置により、処理時間
を30分間とし、大気圧の酸素雰囲気中で熱処理を行っ
た。このときの熱処理の処理温度としては、スパッタリ
ング法によるSrTiO3薄膜の形成時の基板加熱温度
以上であり、かつ、シリコンを用いた素子製造プロセス
として可能な温度である、500℃、600℃、700
℃、800℃とした。これら、4種類の温度による熱処
理を行い、4種類のサンプルを作製した。
【0028】これら熱処理温度が異なる4種類のサンプ
ルについて、C−V特性の測定からVfbの負バイアス方
向へのシフト(ネガティヴ・シフト)を求めた結果を図
2に示す。このときの測定条件は、上部電極としてHg
(水銀)−プローブ(面積≒0.5mmφ)を用い、上
部電極−Si基板裏面間に、振幅15mVrmsで92
0kHzの正弦波にDCバイアスを−10〜+10Vま
で印加し(バイアスの掃引速度ΔV=500mV/se
c.)、測定を行ったものである。
【0029】図2の縦軸はVfbのネガティヴ・シフト
(V)を示している。この図2によれば、本実施例の熱
処理工程を施す前のもの(as-depo)でのVfbのネガテ
ィヴ・シフトが−5.4Vであったが、熱処理温度50
0℃のサンプルでは−1.4V、熱処理温度600℃の
サンプルでは−1.8V、熱処理温度700℃のサンプ
ルでは−1.7V、熱処理温度500℃のサンプルでは
−1.5Vと、いずれのサンプルにおいても、Vfbのネ
ガティヴ・シフトが大きく減少して改善できていること
がわかる。
【0030】次に、上記実施例で作製した熱処理温度が
異なる4種類のサンプルについて、X線回折による観察
結果について説明する。本実施例の熱処理工程を施す前
のもの(as-depo)のX線回折を観察すると、回折ピー
クを示さないアモルファス薄膜であったが、熱処理工程
を施したサンプルでは、SrTiO3薄膜の(11
0)、(200)の回折ピークを示し、SrTiO3
膜が結晶化していることがわかった。このときの、本実
施例の熱処理温度が異なる4種類のサンプルでの、Sr
TiO3薄膜の(110)、(200)のX線回折ピー
ク強度の観察結果を図3に示す。
【0031】図3の縦軸は回折ピーク強度(CPS)を
示しており、この図3を見ると、熱処理工程を施す前の
もの(アニールなし)では回折ピークを示していない
が、熱処理工程により結晶化され、(110)の回折ピ
ーク強度は700℃と800℃の熱処理温度のサンプル
が最も大きくなっており、(200)の回折ピーク強度
は800℃の熱処理温度のサンプルが最も大きくなって
いる。このことから、本実施例の熱処理工程によれば、
熱処理温度が500℃、600℃、700℃、及び80
0℃のいずれのサンプルにおいても、SrTiO3薄膜
を結晶化でき、殊に熱処理温度800℃のサンプルが最
も結晶化を促進できていることがわかる。
【0032】また、本実施例のサンプルの誘電率を測定
すると、スパッタリング法によるSrTiO3薄膜形成
工程後の熱処理工程を施す前のアモルファスSrTiO
3薄膜が20〜30であったのに対して、熱処理工程を
施したサンプルでは、70〜75に上昇した。このこと
から、MFIS−FET構造においては、誘電体バッフ
ァ層の誘電率が大きい方が、強誘電体薄膜に電圧が印加
され易くなので、この構造に用いるのに良好な特性を示
していることがわかった。
【0033】また、本実施例で作製したサンプルのSr
TiO3薄膜表面は、緻密で平坦なものであったので、
実際の素子作製時に、微細加工が可能な良好なものであ
ることが確認できた。
【0034】次いで、第2の実施例として、上記第1の
実施例の熱処理工程の条件のうち、ガス雰囲気のみをO
2雰囲気に代えて不活性ガスであるN2雰囲気にしたもの
について説明する。
【0035】第2の実施例では、SrTiO3薄膜形成
後の熱処理工程をN2雰囲気中で行い、その他のサンプ
ル作製条件を第1の実施例と同じにしてサンプルを作製
した。そして、ここで作製したサンプルについても、第
1の実施例と同様に、C−V特性の測定によるVfbのネ
ガティヴ・シフトの評価及びX線回折の観察を行ったと
ころ、第1と同様の結果が得られた。このうち、SrT
iO3薄膜形成後の熱処理工程の処理温度を800℃と
したサンプルについて、C−V特性の測定によるVfb
ネガティヴ・シフトの評価及びX線回折の観察の結果
を、それぞれ図4及び図5に示す。なお、図4及び図5
において、比較のために、第1の実施例の熱処理温度が
800℃のサンプルのデータも示されている。
【0036】図4から、N2雰囲気中で熱処理工程を施
したサンプルではVfbのネガティヴ・シフトが−0.6
Vとなり、第1の実施例のO2雰囲気中で熱処理工程を
施したものと比較すると、更に0.9VもVfbのネガテ
ィヴ・シフトが低減され、Vfbのネガティヴ・シフトを
著しく改善できた結果となった。また、図5から、第1
の実施例のものより回折ピーク強度は小さいものの、第
2の実施例においても、SrTiO3薄膜の結晶化がで
きていることがわかる。
【0037】また、第2の実施例のサンプルの誘電率を
測定すると、第1の実施例と同様に、熱処理工程による
誘電率の上昇が観察された。そして、第2の実施例で作
製したサンプルのSrTiO3薄膜表面も、第1の実施
例のものと同様、緻密で平坦なものであった。
【0038】次いで、第3の実施例として、上記第1の
実施例の熱処理工程の条件のうち、ガス雰囲気のみを、
2雰囲気に代えて不活性ガスのN2とO2との混合ガス
雰囲気にしたものについて説明する。第3の実施例で
は、SrTiO3薄膜形成後の熱処理工程をO2とN2
の混合ガス雰囲気中で行い、その他のサンプル作製条件
を第1の実施例と同じにしてサンプルを作製した。ただ
し、ここで、混合ガスのO2とN2との混合比は、O2
2=8:2、5:5、2:8の3種類について検討行
った。すると、いずれの混合比の場合でも、第1及び第
2の実施例と同様に、C−V特性の測定によるVfbのネ
ガティヴ・シフトの評価及びX線回折の観察を行ったと
ころ、Vfbのネガティヴ・シフトの低減とSrTiO3
薄膜の結晶化が、上記第1及び第2の実施例と同様に確
認された。
【0039】また、第3の実施例のサンプルの誘電率を
測定すると、第1及び第2の実施例と同様に、熱処理工
程による誘電率の上昇が観察された。そして、第3の実
施例で作製したサンプルのSrTiO3薄膜表面も、第
1及び第2の実施例のものと同様、緻密で平坦なもので
あった。
【0040】なお、上記第2及び第3の本実施例では、
不活性ガスとしてN2を用いたが、これ以外に、Ar、
He等も用いることができる。しかし、実際の素子製造
に用いる場合には、生産コストを考慮すると、N2、A
rが好ましい。
【0041】なお、上記第1〜3の実施例において、ス
パッタリング法によるSrTiO3薄膜形成工程後の熱
処理工程を、処理時間30分で行ったが、1分以上で本
発明の効果を得られることが確認できており、これらの
実施例の処理時間に限定されるものではない。
【0042】なお、上記第1〜3の実施例において、S
i基板としてp型を用いたが、n型でもよい。また、シ
リコン酸化膜の膜厚を30nm、SrTiO3薄膜の膜
厚を30nmとしたが、これらに限定されるものではな
いが、シリコン酸化膜の膜厚が5〜50nm、SrTi
3薄膜の膜厚が10〜150nmであることが望まし
い。
【0043】次いで、上記の実施例と同条件で作製した
SrTiO3薄膜上に、強誘電体薄膜を形成してMFI
S−FET構造の強誘電体記憶素子を作製した第4の実
施例について、図6を用いて説明する。
【0044】図6は、第4の実施例で作製した強誘電体
記憶素子の基本構成を示す要部断面図であり、p型Si
(100)基板11の表面に、2つの不純物拡散層1
4、15に挟まれたチャネル領域上に、SiO2薄膜1
2が配置され、そのSiO2薄膜12上に、SrTiO3
膜13が配置され、更に、そのSrTiO3薄膜13上
に強誘電体薄膜16及びゲート電極17が順次配置され
た構造となっている。
【0045】本実施例での素子の作製は、あらかじめS
i基板11表面上に、イオン注入法により、ソース領域
及びドレイン領域となるn+不純物拡散層14、15を
形成した後、上記第1〜3の実施例と同様にして、Si
基板11上に、ドライ熱酸化によりSiO2薄膜12
(膜厚30nm)を、RFスパッタリング法によりSr
TiO3薄膜13(膜厚30nm)を順次形成した。そ
して、上記第1〜3の実施例と同様の熱処理工程を施し
た。
【0046】それから、本実施例では、強誘電体薄膜1
6として、Bi系層状構造強誘電体材料の一つであるS
rBi2Ta29からなる薄膜を、ゾルーゲル法を用い
て成膜した。このゾルーゲル法による成膜時の熱処理の
条件としては、熱処理温度が700〜800℃で、処理
時間が10分〜60分間という条件が好ましく、本実施
例では、熱処理温度800℃で30分間成膜を行い、膜
厚が200nmのSrBi2Ta29薄膜を形成した。
そして、スパッタリング法により、ゲート電極17とし
てPt電極を形成した。その後、レジストによりマスク
を行いエッチング技術を用いて、SiO2薄膜12、S
rTiO3薄膜13、強誘電体薄膜(SrBi2Ta29
薄膜)16、及びゲート電極(Pt電極)17のチャネ
ル部分以外を取り除き、図5に示したようなMFSFE
T構造の強誘電体記憶素子の作製を完了した。
【0047】このようにして作製した本実施例の強誘電
体記憶素子において、スパッタリング法によるSrTi
3薄膜形成後の熱処理工程を、N2雰囲気中で、熱処理
温度800℃、処理時間30分間行ったものについて、
高周波C−V特性を測定を行った。このときの高周波C
−V特性の測定条件は、ゲート電極面積が2×10-3
2で、周波数1MHz、ゲート電圧の掃引は−10V
から+10V及び−10Vから+10Vとした。
【0048】図7はその高周波C−V特性の測定結果を
示したものであり、横軸はゲート電極とシリコン基板と
の間に印加したゲート電圧(V)であり、縦軸はゲート
電極−シリコン基板間の静電容量(pF)である。この
図7によれば、本実施例の強誘電体記憶素子は、メモリ
ウインドウが約3Vの良好なヒステリシス曲線を描いて
た。また、Vfbのネガティヴ・シフトの抑制による漏れ
電流の低減や動作電圧の低減など、本発明を強誘電体記
憶素子に適用すれば、記憶素子として良好な特性が得ら
れることが確認できた。
【0049】なお、強誘電体薄膜材料や電極材料は、上
記実施例に限定されるものではなく、例えば、強誘電体
材料として、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)やBi系
層状構造強誘電体等の強誘電体材料を用いることができ
る。ここで、Bi系層状構造強誘電体とは、上記SrB
2Ta29の他、代表的なものにBi4Ti312があ
るが、これ以外には、SrBi2Nb29、BaBi2
29、BaBi2Ta29、Pb2Bi2Nb29、P
bBi2Ta29、SrBi4Ti415、BaBi4Ti
415、PbBi4Ti415、Na0.5Bi4.5Ti
415、K0.5Bi4.5Ti415、Sr2Bi4Ti
518、Ba2Bi4Ti518、Pb2Bi4Ti518
がある。これらのBi系層状構造強誘電体材料は、誘電
率がおおよそ200以下程度であり、PZTよりも小さ
な誘電率を示す。このような小さい誘電率の強誘電体薄
膜をMFIS−FET構造に用いれば、ゲート電極に電
圧を印加する際に、強誘電体薄膜に電圧が加われ易くな
るので、より低電圧駆動が可能となる。また、強誘電体
薄膜の成膜方法についても、ゾル−ゲル法のほかに、ス
パッタリング法、MOCVD法、などを用いることがで
き、上記実施例に限定されるものではない。
【0050】なお、第4の実施例についても、上記第1
〜3の実施例と同様に、Si基板の種類、シリコン酸化
膜の膜厚、SrTiO3薄膜の膜厚等は、この実施例に
限定されるものではない。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明の誘電体薄膜の製
造方法によれば、SiO2薄膜のダメージを解消すると
共に、SrTiO3薄膜を結晶化させることができるの
で、SrTiO3/SiO2薄膜中に存在した固定電荷を
消失させることができ、フラットバンド電圧Vfb及びし
きい値電圧Vthのシフトを良く制することが可能とな
る。さらに、SrTiO3薄膜を結晶化させることがで
き、誘電率を高くすることができるので、強誘電体記憶
素子に適用した場合、誘電体薄膜に電圧を印加され易く
することができる。
【0052】また、本発明の強誘電体記憶素子の製造方
法によれば、素子特性に優れ、更に低電圧駆動が可能
で、漏れ電流が低減できるので、低消費電力の強誘電体
記憶素子を実現することができる、。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の誘電体薄膜の製造方法によ
り作製したサンプルの要部断面図である。
【図2】第1の実施例で作製したサンプルのC−V特性
の測定からVfbのネガティヴ・シフトを求めた結果を示
す図である。
【図3】第1の実施例で作製したサンプルのSrTiO
3薄膜のX線回折ピーク強度の観察結果を示す図であ
る。
【図4】第2の実施例で作製したサンプルのC−V特性
の測定からVfbのネガティヴ・シフトを求めた結果を示
す図である。
【図5】第2の実施例で作製したサンプルのSrTiO
3薄膜のX線回折ピーク強度の観察結果を示す図であ
る。
【図6】第4の実施例で作製したMSIF−FET構造
の強誘電体記憶素子の要部断面図である。
【図7】第4の実施例で作製したMSIF−FET構造
の強誘電体記憶素子の高周波C−V特性の測定結果を示
した図である。
【図8】従来のMSF−FET構造の強誘電体記憶素子
の要部断面図である。
【符号の説明】
1,11 シリコン基板 2,12 SiO2薄膜 3,13 SrTiO3薄膜 14,15 不純物拡散層 16 強誘電体薄膜 17 ゲート電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/43 H01L 29/62 G 21/8247 29/78 371 29/788 29/792

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板上に酸化シリコン薄膜を形
    成する工程と、 該酸化シリコン薄膜上にSrTiO3薄膜を基板加熱し
    た状態でスパッタリング法により形成する工程と、 該SrTiO3薄膜形成工程の後に、前記SrTiO3
    成時の基板加熱の温度以上かつ800℃以下で熱処理す
    る工程とから成る誘電体薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記熱処理工程を酸素雰囲気中で行うこ
    とを特徴とする請求項1に記載の誘電体薄膜の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記熱処理工程を不活性ガス雰囲気中で
    行うことを特徴とする請求項1に記載の誘電体薄膜の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記熱処理工程を酸素と不活性ガスとの
    混合ガス雰囲気中で行うことを特徴とする請求項1に記
    載の誘電体薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 シリコン基板表面に2つの不純物拡散層
    を形成する工程と、 該シリコン基板表面の2つの不純物拡散層に挟まれたチ
    ャネル領域上に酸化シリコン薄膜を形成する工程と、 該酸化シリコン薄膜上にSrTiO3薄膜を基板加熱し
    た状態でスパッタリング法により形成する工程と、 該SrTiO3薄膜形成工程の後に、前記SrTiO3
    成時の基板加熱の温度以上かつ800℃以下で熱処理す
    る工程と、 前記SrTiO3薄膜上に強誘電体薄膜を形成する工程
    とから成る強誘電体記憶素子の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN109898138A (zh) * 2019-02-28 2019-06-18 西安交通大学 一种在锗衬底上外延生长单晶钛酸钡薄膜的方法

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