JPH08333674A - レーザ蒸着法による大面積薄膜の形成方法および装置 - Google Patents

レーザ蒸着法による大面積薄膜の形成方法および装置

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JPH08333674A
JPH08333674A JP7161502A JP16150295A JPH08333674A JP H08333674 A JPH08333674 A JP H08333674A JP 7161502 A JP7161502 A JP 7161502A JP 16150295 A JP16150295 A JP 16150295A JP H08333674 A JPH08333674 A JP H08333674A
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thin film
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JP7161502A
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Ryuki Nagaishi
竜起 永石
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複雑な装置および操作を用いずに大きい面積
の薄膜をレーザ蒸着法で成膜する。 【構成】 内部の圧力および雰囲気が調整可能な気密チ
ャンバ3内にターゲット6と基板4とを対向させて配置
する。ターゲット6にビーム分割器21により分割した4
本のビーム10を照射して、基板4の成膜面上に酸化物超
電導薄膜を成長させる。 【効果】 実質的にターゲットの広い面積をレーザ光が
同時に照射するので、大きい面積の薄膜が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ蒸着法による薄
膜の形成方法およびその方法を実施するための装置に関
する。より詳細には、本発明は、レーザ蒸着法により広
い面積の薄膜を成膜する方法およびそのための装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】レーザ蒸着法は、減圧下でターゲットに
高エネルギのレーザビームを照射し、蒸着物を発生させ
て基板上に薄膜を成長させる方法である。レーザ蒸着法
には、薄膜の組成の制御が容易で、成膜速度が高い等の
利点がある。また、一切の電磁場を必要としないので、
蒸着物中に荷電粒子が含まれていても、それが影響を受
けることがない。従って、高品質の薄膜を作製するのに
適した方法と考えられている。
【0003】一方、酸化物超電導体は多元系の複合酸化
物であり、組成比が僅かでも適正値から外れると超電導
特性が大幅に低下する。上記のように、レーザ蒸着法で
は、成膜する薄膜の組成の制御が容易であるので、レー
ザ蒸着法を使用して特性の優れた酸化物超電導薄膜を作
製することが研究されている。例えば、社団法人電気学
会による光・量子デバイス研究会資料(資料番号OQD
−92−53)pp.69-77(1992年10月28日)には、エキシマ
レーザを使用したレーザ蒸着法により、臨界温度が90.5
Kであり、ゼロ磁場下、77.3Kにおける臨界電流密度が
8,000,000A/cm2である高品質のY−Ba−Cu−O系酸
化物超電導薄膜を成膜する方法が開示されている。
【0004】レーザ蒸着法で薄膜を作製する場合は、上
記の文献に示されているように、内部を高真空に排気可
能で、任意の雰囲気ガスを導入できるチャンバ内に基板
およびターゲットを配置し、チャンバ外部に配置したレ
ーザ装置の発するレーザ光を光学手段により誘導し、必
要に応じて集光してターゲットに照射していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
文献でも述べられているようにレーザ蒸着法では、レー
ザ光がターゲットに照射されて発生するプルームと呼ば
れる発光の先端付近の狭い範囲でしか薄膜が成長しない
ので、成膜範囲が狭く、大きな面積の薄膜を成膜するこ
とが困難である。従って、レーザ蒸着法による成膜で
は、成膜速度そのものは速くても実質的な成膜効率が低
い。レーザ蒸着法により大きな面積の薄膜を成膜するた
めに、従来は、レーザ光や基板を走査したり、運動させ
たりして成膜を行っていた。例えば、SPIE Proc. 1
377, pp79(1990年)には、レーザ光を走査しながら成膜
を行う方法が開示されている。また、Appl. Phys. Let
t. 59,pp. 1374(1991年)には基板を回転させながら成
膜を行う方法が開示されている。さらに、J. Appl. Phy
s. 69, pp. 7182(1991年)には、基板を平面内で2次元
的に走査して成膜を行う方法が開示されている。
【0006】しかしながら、上記従来の方法では、レー
ザ光を精密に走査したり、成膜中の高温の基板を回転さ
せたり、走査しなければならない。そのためには、複雑
な機構を有する特別な成膜装置を使用する必要があっ
た。また、レーザ光の照射面積を大きくすることも考え
られるが、蒸着物を発生させるには、レーザ光にある程
度のエネルギ密度である。従って、レーザ光の照射面積
を大きくするためには、出力が極めて大きいレーザ装置
が必要となる。そこで、本発明の目的は、複雑な機構を
有する装置や高出力のレーザ装置を使用せず、レーザ蒸
着法により、面積が大きい高品質の薄膜を成膜する方法
およびそのための装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に従うと、内部の
圧力および雰囲気が調整可能な気密チャンバ内でターゲ
ットにレーザ光を照射して、ターゲットの被照射面に対
向して配置した基板の成膜面上に薄膜を成長させる方法
であって、レーザ光の光路上にレーザ光を複数のビーム
に分割する手段を配置し、該複数のビームでターゲット
の被照射面の実質的に広い面積を同時に照射して成膜を
行うことを特徴とする薄膜の形成方法が提供される。
【0008】本発明の方法においては、レーザ光の分割
手段が、レーザ光に対して透明な材料で構成された複数
の楔型の部材が対称的に配置されて構成されたビーム分
割器、レーザ光を反射する複数の楔型の部材が対称的に
配置されて構成されたセグメントミラーまたはレーザ光
に対して透明な材料で構成された多面プリズムであるこ
とが好ましい。また、本発明の方法でレーザ光の分割手
段に上記のビーム分割器またはセグメントミラーを使用
した場合には、レーザ光が各楔型の部材に入射する際の
入射角を、各楔型部材で独立に調整することが好まし
い。
【0009】一方、本発明に従うと、内部の圧力および
雰囲気が調整可能な気密チャンバと、気密チャンバ内で
ターゲットを保持するターゲットホルダと、気密チャン
バ内でターゲットに対向するよう基板を保持する基板ホ
ルダと、レーザ発振装置と、レーザ発振装置が発振する
レーザ光が所定のエネルギ密度でターゲットに照射され
るよう誘導する光学手段とを具備するレーザ蒸着装置に
おいて、レーザ光の光路上に配置されたレーザ光を複数
のビームに分割し、複数のビームでターゲットの被照射
面の実質的に広い面積を同時に照射するよう構成された
レーザ光分割手段を備えることを特徴とするレーザ蒸着
装置が提供される。
【0010】本発明の装置においては、レーザ光分割手
段が、レーザ光に対して透明な材料で構成された複数の
楔型の部材が対称的に配置されて構成されたビーム分割
器、レーザ光に対して透明な材料の板材を楔型の部材が
対称的に配置されたように光学的研磨して構成された多
面プリズムまたはレーザ光を反射する複数の楔型の部材
が対称的に配置されて構成されたセグメントミラーであ
ることが好ましい。さらに、本発明の装置は、レーザ分
割手段として上記のビーム分割器またはセグメントミラ
ーを使用した場合には、レーザ光が各楔型の部材に入射
する際の入射角を、各楔型部材で独立に調整できる調整
手段を有することが好ましい。また、上記のレーザ光
は、波長400 nm以下のエキシマレーザであることが好ま
しい。
【0011】
【作用】本発明では、レーザ蒸着法により薄膜を成膜す
る際に、基板とターゲットとを互いに対向させて配置す
るとともに、レーザ光の光路上にレーザ光を複数のビー
ムに分割する手段を配置し、複数のビームをターゲット
に照射する。これにより、ターゲットの被照射面の実質
的に広い面積を同時に照射して基板上に大きい面積の薄
膜を成膜する。本発明において、ターゲットの被照射面
の実質的に広い面積を同時に照射するという意味は、分
割された複数のビームがターゲットに当たって発生する
複数のプルームにより、基板の事実上1箇所に大きい面
積の薄膜が成長するように、ビーム間の距離を調整する
ということである。
【0012】本発明においては、レーザ光の分割をレー
ザ光に対して透明な材料で構成された複数の楔型の部材
が対称的に配置されて構成されたビーム分割器、レーザ
光を反射する複数の楔型の部材が対称的に配置されて構
成されたセグメントミラーまたはレーザ光に対して透明
な材料で構成された多面プリズムを使用して行うことが
好ましい。レーザ光に対して透明な材料は、例えば波長
400 nm以下のエキシマレーザを使用した場合には、合成
石英、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム等が好ま
しい。一方、レーザ光を反射する部材は、同様に波長40
0 nm以下のエキシマレーザを使用した場合には、95%以
上の高反射率を有する多層誘電体薄膜をコーティングし
たガラスが好ましい。
【0013】本発明では、レーザ光の分割を上記の楔型
部材を組み合わせたビーム分割器またはセグメントミラ
ーで行う場合に、各楔型部材へのレーザ光の入射角が独
立に調整可能であることが好ましい。この構成によれ
ば、分割したビーム間の距離を容易に調整可能である。
【0014】本発明は、任意の材料の薄膜の成膜に適用
可能であるが、特に酸化物超電導体、Y1Ba2Cu37-X
Bi2Sr2Ca2Cu3x 、Tl2Ba2Ca2Cu3x 等の高温酸化物超
電導体の薄膜の成膜に適用することが好ましい。また、
レーザとしてはエキシマレーザ、YAGレーザの高調波
等を使用することが好ましいが、特に波長400 nm以下の
エキシマレーザを使用することが好ましい。
【0015】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく
説明するが、以下の開示は本発明の単なる実施例に過ぎ
ず、本発明の技術的範囲をなんら制限するものではな
い。
【0016】
【実施例】
実施例1 図1(a)に、本発明のレーザ蒸着装置の一例の概略図を
示す。図1(a)のレーザ蒸着装置は、レーザ装置1と、
気密チャンバ3と、レーザ装置1が発振したレーザ光を
複数のビーム10に分割するビーム分割器21と、分割され
たビーム10をそれぞれ集光するレンズ2とを具備する。
気密チャンバ3は、分割されたビーム10が入射する入射
窓12、排気口11およびガス導入口13を備え、内部の圧力
および雰囲気を任意に変更することが可能である。ま
た、気密チャンバ3の内部には、モータ16により搭載し
たターゲット6を回転することが可能なターゲットホル
ダ7が、入射窓12から入射した分割されたビーム10がタ
ーゲット6に当たるような位置に配置されている。さら
に、気密チャンバ3の内部には、基板4をターゲット6
に対向するよう搭載する基板ホルダ5が備えられる。基
板ホルダ5は、基板4の位置および角度を調整可能であ
る。また、基板ホルダ5には、ヒータ(不図示)が内蔵
され、基板4を加熱できる。
【0017】図1(b)に本発明のレーザ装置のビーム分
割器21の斜視図を示す。図1(b)に示したビーム分割器2
1は、中央部がくりぬかれたアルミニウム製の基板211
上に4枚の合成石英製の楔型部材212 を点対称に配置し
て主に構成されている。楔型部材212 を構成する材料合
成石英は、使用するレーザ光(後述するよう本実施例で
はエキシマレーザ)に関して透明である。楔型部材212
は、水平断面が矩形で、各頂点の部分の厚さが全て異な
っており、その1頂点の部分が最も薄く、その頂点の対
角の頂点の部分が最も厚く形成されている。また、少な
くともレーザ光が入射する面と出射する面は光学的平面
に仕上げられており、レーザエネルギ損失の観点からそ
れらの両面には誘電体多層膜による無反射コーティング
が施されていることが好ましい。楔型部材212 は厳密に
は楔型ではないが、本明細書では便宜上楔型部材と称す
る。
【0018】本実施例のビーム分割器21では、同型およ
び対称型の4枚の楔型部材212 がその最も厚い頂点の部
分を中心に点対称に配置されている。各楔型部材212
は、それぞれ垂直および水平の軸を中心にその角度を独
立に調整可能である。この構成により、分割したビーム
間の距離を調整することができる。
【0019】レーザ装置1の発振したレーザ光は、ビー
ム分割器21により、外側に偏向された4本のビーム10に
分割され、レンズ2を透過し、入射窓12を経てターゲッ
ト6上の4点に集光される。ビーム10がターゲット6に
照射されると、被照射面にほぼ垂直にプルームと呼ばれ
る発光が発生する。この発光の先端近傍で最も効率良く
薄膜が成長する。基板4はプルームの先端近傍になるよ
う配置されている。なお、上記の装置では、ターゲット
6をその回転中心が、4つの照射部位の中心と重なら
ず、また4つの照射部位の中心から等距離にならないよ
うに回転させながらレーザ光を照射することで、ターゲ
ット6全体が使用されるようにしている。
【0020】上記本発明のレーザ蒸着装置を使用して、
本発明の方法で酸化物超電導薄膜を成膜した。また、ビ
ーム分割器21を使用しない従来の方法でも、他の条件を
等しくして酸化物超電導薄膜を成膜し、成膜された薄膜
を比較した。基板4には、20mm×20mmのSrTiO3単結晶
基板を使用し、ターゲット6には、Y1Ba2Cu37-X酸化
物超電導体の焼結体を使用した。
【0021】最初に、ターゲット6をターゲットホルダ
7に、基板4を基板ホルダ5にセットした。ターゲット
6と基板4との間の距離は70mmとした。気密チャンバ3
の内部を1×10-6Torrに排気してからO2 を導入し、圧
力を400 mTorrに調整した。他の成膜条件を以下に示
す。 レーザエネルギ 200 mJ/パルス レーザパルスレート 10 Hz 成膜時間 5 分間 各ビームが、ターゲット6上で3mm×1mmに集光され、
4つのビームが1辺30mmの正方形の頂点に照射されるよ
うビーム分割器21およびレンズ2を調整した。
【0022】ビーム分割器21を使用しない従来の方法で
成膜を行った場合には、±5%以内の膜厚分布で均一の
薄膜が形成されたのは、100mm2の領域であった。一方、
ビーム分割器21を使用した本発明の方法の場合、400mm2
の面積で膜厚分布が±5%以内の均一の薄膜が形成され
た。
【0023】実施例2 実施例1のビーム分割器21に代えて、多面プリズムを使
用して本発明の方法で酸化物超電導薄膜を成膜した。本
実施例で使用した多面プリズムは、合成石英の板材を、
実施例1のビーム分割器21の楔型の部材が対称的に配置
されたように光学的研磨して作製されたものである。多
面プリズムの各面の角度は、各ビームが、ターゲット6
上で3mm×1mmに集光され、4つのビームが1辺30mmの
正方形の頂点に照射されるよう光学研磨して調整し、そ
の後誘電体多層膜による無反射コーティングを施した。
【0024】他の成膜条件は、実施例1と同様にして成
膜を行った。その結果、本実施例においても400mm2の面
積で膜厚分布が±5%以内の均一の薄膜が形成された。
【0025】実施例3 図2(a)に、本発明のレーザ蒸着装置の別の例の概略図
を示す。図2(a)のレーザ蒸着装置は、実施例1のレー
ザ蒸着装置と基本的な構成が等しく、ビーム分割器22の
構成が異なる。従って、以下の説明は、ビーム分割器22
を中心に行う。図2(b)に本実施例のレーザ蒸着装置の
ビーム分割器22の斜視図を示す。図2(b)に示したビー
ム分割器22は、図1(b)のビーム分割器と同様に、中央
部がくりぬかれたアルミニウム製の基板221 上に4枚の
合成石英製の楔型部材222 を点対称に配置して主に構成
されている。楔型部材222 は、楔型部材212 と同型であ
り、水平断面が矩形で、各頂点の部分の厚さが全て異な
っており、その1頂点の部分が最も薄く、その頂点の対
角の頂点の部分が最も厚く形成されている。また、少な
くともレーザ光が入射する面と出射する面は光学的平面
に仕上げられており、レーザエネルギ損失の観点からそ
れらの両面には誘電体多層膜による無反射コーティング
が施されていることが好ましい。
【0026】本実施例のビーム分割器22では、同型およ
び対称型の4枚の楔型部材222 がその最も薄い頂点の部
分を中心に点対称に配置されている。各楔型部材222
は、それぞれ垂直および水平の軸を中心にその角度を独
立に調整可能である。この構成により、分割したビーム
間の距離を調整することができる。
【0027】本実施例のレーザ蒸着装置では、レーザ装
置1の発振したレーザ光は、ビーム分割器22により、中
心に向かって偏向された4本のビーム10に分割され、レ
ンズ2を透過し、入射窓12を経てターゲット6上の4点
に集光される。図2(a)に示すよう分割された4本のビ
ーム10は、ターゲット6に達するまでの間に互いに交差
してもよい。
【0028】実施例1と同様に各ビームがターゲット6
上で3mm×1mmに集光され、4つのビームが1辺30mmの
正方形の頂点に照射されるようビーム分割器22およびレ
ンズ2を調整した。実施例1と同様の成膜条件で酸化物
超電導薄膜の成膜を行った。ビーム分割器22を使用した
本発明の方法でも400mm2の面積で膜厚分布が±5%以内
の均一の薄膜が形成された。
【0029】実施例4 図3(a)に、本発明のレーザ蒸着装置のさらに別の例の
概略図を示す。図3(a)のレーザ蒸着装置は、実施例1
および2のレーザ蒸着装置と基本的な構成が等しいが、
ビーム分割器に代えてセグメントミラー23を使用した点
が異なる。従って、以下の説明は、相違点を中心に行
う。図3(a)のレーザ蒸着装置は、レーザ装置1と、気
密チャンバ3と、レーザ装置1が発振したレーザ光を反
射するとともに複数のビーム10に分割するセグメントミ
ラー23と、分割されたビーム10をそれぞれ集光するレン
ズ2とを具備する。気密チャンバ3の構成は、実施例1
および2のものと等しい。
【0030】図3(b)に本実施例のレーザ蒸着装置のセ
グメントミラー23の斜視図を示す。図3(b)に示したセ
グメントミラー23は、アルミニウム製の基板231 上に、
表面に誘電体多層膜で全反射コーティングを施した4枚
のガラス製の楔型ミラー232を点対称に配置して主に構
成されている。楔型ミラー232 の外形は、楔型部材212
と同型であり、水平断面が矩形で、各頂点の部分の厚さ
が全て異なっており、その1頂点の部分が最も薄く、そ
の頂点の対角の頂点の部分が最も厚く形成されている。
また、少なくとも反射面は光学的平面に仕上げられてい
る。
【0031】本実施例のセグメントミラー23では、同型
および対称型の4枚の楔型ミラー232 がその最も厚い頂
点の部分を中心に点対称に配置されている。各楔型ミラ
ー232 は、それぞれ垂直および水平の軸を中心にその角
度を独立に調整可能である。この構成により、分割した
ビーム間の距離を調整することができる。
【0032】本実施例のレーザ蒸着装置では、レーザ装
置1の発振したレーザ光は、セグメントミラー23によ
り、レンズ2の方向へ反射されるとともに外側に向かっ
て偏向された4本のビーム10に分割され、レンズ2を透
過し、入射窓12を経てターゲット6上の4点に集光され
る。本実施例のレーザ蒸着装置を使用して、実施例1と
等しい条件で酸化物超電導薄膜の成膜を行った。その結
果、実施例1と同様400mm2の面積で膜厚分布が±5%以
下の均一な薄膜が形成された。
【0033】実施例5 図4(a)に、本発明のレーザ蒸着装置の別の例の概略図
を示す。図4(a)のレーザ蒸着装置は、実施例3のレー
ザ蒸着装置と基本的な構成が等しく、セグメントミラー
24の構成が異なる。従って、以下の説明は、セグメント
ミラー24を中心に行う。図4(b)に本実施例のレーザ蒸
着装置のセグメントミラー24の斜視図を示す。図4(b)
に示したセグメントミラー24は、図3(b)のビーム分割
器と同様に、アルミニウム製の基板241 上に、表面に誘
電体多層膜で全反射コーティングを施した4枚のガラス
製の楔型ミラー242 を点対称に配置して主に構成されて
いる。楔型ミラー242 は、楔型ミラー232 と同型であ
り、水平断面が矩形で、各頂点の部分の厚さが全て異な
っており、その1頂点の部分が最も薄く、その頂点の対
角の頂点の部分が最も厚く形成されている。また、少な
くとも反射面は光学的平面に仕上げられている。
【0034】本実施例のセグメントミラー24では、同型
および対称型の4枚の楔型ミラー242 がその最も厚い頂
点の部分を中心に点対称に配置されている。各楔型ミラ
ー242 は、それぞれ垂直および水平の軸を中心にその角
度を独立に調整可能である。この構成により、分割した
ビーム間の距離を調整することができる。
【0035】本実施例のレーザ蒸着装置では、レーザ装
置1の発振したレーザ光は、セグメントミラー24によ
り、レンズ2の方向へ反射されるとともに中心に向かっ
て偏向された4本のビーム10に分割され、レンズ2を透
過し、入射窓12を経てターゲット6上の4点に集光され
る。図4(a)に示すよう分割された4本のビーム10は、
ターゲット6に達するまでの間に互いに交差してもよ
い。本実施例のレーザ蒸着装置を使用して、実施例1と
等しい条件で酸化物超電導薄膜の成膜を行った。その結
果、実施例1と同様400mm2の面積で膜厚分布が±5%以
下の均一な薄膜が形成された。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の装置を使
用した本発明のによれば、レーザ光を走査したり、基板
を運動させるなどの操作を行わずに大きい面積の薄膜が
レーザ蒸着法で成膜できる。レーザ蒸着法は、成膜速度
が速く、装置が簡単なので、本発明に従えば、酸化物超
電導薄膜を低コストで作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の装置の一例の概略図であり、
(b)は、(a)の装置のビーム分割器の斜視図である。
【図2】(a)は、本発明の装置の別の一例の概略図であ
り、(b)は、(a)の装置のビーム分割器の斜視図である。
【図3】(a)は、本発明の装置のさらに別の一例の概略
図であり、(b)は、(a)の装置のセグメントミラーの斜視
図である。
【図4】(a)は、本発明の装置の一例の概略図であり、
(b)は、(a)の装置のセグメントミラーの斜視図である。
【符号の説明】
1 レーザ装置 2 レンズ 3 気密チャンバ 4 基板 5 基板ホルダ 6 ターゲット 7 ターゲットホルダ 11 排気口 12 入射窓 13 ガス導入口 21、22 ビーム分割器 23、24 セグメントミラー

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部の圧力および雰囲気が調整可能な気
    密チャンバ内でターゲットにレーザ光を照射して、ター
    ゲットの被照射面に対向して配置した基板の成膜面上に
    薄膜を成長させる方法であって、レーザ光の光路上にレ
    ーザ光を複数のビームに分割する手段を配置し、該複数
    のビームでターゲットの被照射面の実質的に広い面積を
    同時に照射して成膜を行うことを特徴とする薄膜の形成
    方法。
  2. 【請求項2】 レーザ光の分割手段が、レーザ光に対し
    て透明な材料で構成された複数の楔型の部材が対称的に
    配置されて構成されたビーム分割器であることを特徴と
    する請求項1に記載の薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 レーザ光の分割手段が、レーザ光を反射
    する複数の楔型の部材が対称的に配置されて構成された
    セグメントミラーであることを特徴とする請求項1に記
    載の薄膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 レーザ光が各楔型の部材に入射する際の
    入射角を、各楔型部材で独立に調整することを特徴とす
    る請求項2または3に記載の薄膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 レーザ光の分割手段が、レーザ光に対し
    て透明な材料で構成された多面プリズムであることを特
    徴とする請求項1に記載の薄膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 波長400 nm以下のエキシマレーザを使用
    することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の薄膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 酸化物薄膜膜を形成することを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  8. 【請求項8】 内部の圧力および雰囲気が調整可能な気
    密チャンバと、気密チャンバ内でターゲットを保持する
    ターゲットホルダと、気密チャンバ内でターゲットに対
    向するよう基板を保持する基板ホルダと、レーザ発振装
    置と、レーザ発振装置が発振するレーザ光が所定のエネ
    ルギ密度でターゲットに照射されるよう誘導する光学手
    段とを具備するレーザ蒸着装置において、レーザ光の光
    路上に配置されたレーザ光を複数のビームに分割し、複
    数のビームでターゲットの被照射面の実質的に広い面積
    を同時に照射するよう構成されたレーザ光分割手段を備
    えることを特徴とするレーザ蒸着装置。
  9. 【請求項9】 レーザ光分割手段が、レーザ光に対して
    透明な材料で構成された複数の楔型の部材が対称的に配
    置されて構成されたビーム分割器であることを特徴とす
    る請求項8に記載のレーザ蒸着装置。
  10. 【請求項10】 レーザ光分割手段が、レーザ光を反射
    する複数の楔型の部材が対称的に配置されて構成された
    セグメントミラーであることを特徴とする請求項8に記
    載のレーザ蒸着装置。
  11. 【請求項11】 レーザ光が各楔型の部材に入射する際
    の入射角を、各楔型部材で独立に調整できる調整手段を
    有することを特徴とする請求項9または10に記載のレー
    ザ蒸着装置。
  12. 【請求項12】 レーザ光分割手段が、レーザ光に対し
    て透明な材料で構成された多面プリズムであることを特
    徴とする請求項8に記載のレーザ蒸着装置。
  13. 【請求項13】 レーザ発振装置が、波長400 nm以下の
    エキシマレーザ装置であることを特徴とする請求項8〜
    12のいずれか1項に記載のレーザ蒸着装置。
JP7161502A 1995-06-05 1995-06-05 レーザ蒸着法による大面積薄膜の形成方法および装置 Withdrawn JPH08333674A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021204390A1 (en) * 2020-04-09 2021-10-14 MAX-PLANCK-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Thermal laser evaporation system and method of providing a thermal laser beam at a source

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WO2021204390A1 (en) * 2020-04-09 2021-10-14 MAX-PLANCK-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Thermal laser evaporation system and method of providing a thermal laser beam at a source

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