JPH08332649A - 透明タッチパネル用基板の製造方法 - Google Patents

透明タッチパネル用基板の製造方法

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JPH08332649A
JPH08332649A JP16690395A JP16690395A JPH08332649A JP H08332649 A JPH08332649 A JP H08332649A JP 16690395 A JP16690395 A JP 16690395A JP 16690395 A JP16690395 A JP 16690395A JP H08332649 A JPH08332649 A JP H08332649A
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touch
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transparent
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JP16690395A
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English (en)
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Kazuhiro Noda
和裕 野田
Tetsushi Deguchi
哲志 出口
Shuji Furukawa
修二 古川
Yukio Murakami
雪雄 村上
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Gunze Ltd
Original Assignee
Gunze Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ニュートンリング防止用の微細凹
凸面を有する透明タッチパネル用基板を、金型を用いる
透明樹脂の射出成形によって製造することを目的とす
る。 【構成】 微細凹凸を設けたキャビテーと、空隙部が形
成されるようにコアを組み合わせた金型により非晶性ポ
リエステルを射出成形する。所望のサイズの微細凹凸タ
ッチ側(押圧側)透明基板を成形し非タッチ側基板も金
型の空隙部の深さを変更するだけで微細凹凸を賦形し製
造する。透明タッチパネルは、タッチ入力時押圧して
も、その点にニュートンリング(光干渉)の発生はな
い。また、電極引き出し穴用コアピンを同金型に設けて
あるので、基板に前記穴も設けることが可能となる。該
穴は電極と導通化することにより、これにコネクターを
使ってインターフェースボード等とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特定の透明タッチパネル
基板用金型を使って、一挙に透明タッチパネル用基板を
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】透明タッチパネルとしては、タッチ側
(押圧側)基板として、ポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム、非タッチ側(ディスプレイ側)基
板として、例えばガラス板を用い、そして各々の一面に
ITO(酸化インジウム・スズ)等で抵抗膜を設け、絶
縁性スペーサを介して対向配置し組み合わされたもの等
がある。ここでタッチ側基板からタッチ入力された入力
電流を導き出して、他の回路(端末機器等)に接続する
ために、FPCリード線が該パネルの側面から外部に向
かって取り出されてもいる。
【0003】タッチパネルの入力は、ペンとか指でタッ
チ側基板を押して行われるが、透明性を重要視すること
から、平面はより平滑であることも求められている。し
かしより平滑であることは、タッチ側と非タッチ側の基
板がタッチ面で付着し易いということにもなる。付着し
易いと、その面(点)を中心にニュートンリングが発生
し易い。ニュートンリングは光干渉による縞模様であ
り、透明タッチパネルの品質面で問題となる。このニュ
ートンリングを防止するために、タッチ側基板又は非タ
ッチ側基板面に3〜100μmの微粒子をスプレー法等
で堆積分布(例えば300〜3000粒子/inch2)せ
しめることが知られている。この内容は特開昭62−7
6118号公報で紹介されている。
【0004】またタッチ側基板からタッチ入力された入
力電流を導き出して、他の回路(例えばLCD)と連結
するためにFPCを使ったリード線が透明タッチパネル
の側面から外に向かって取り出されている。
【0005】更にタッチ側及び非タッチ側の基板は一般
に各々予め製品にされている原反又は原板を所望サイズ
にカットして使用されているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】まず前記特開昭公報に
見られるニュートンリング対策について、本発明者らが
追試したところでは確かにニュートンリングの発生は抑
制されるが、透明性に低下傾向が見られ、また50μm
程度以上の微粒子では、極めて粗いコーティング面にな
るために、タッチパネルとしての機能低下の要因にもな
った。更にはコーティングという別工程の必要性と、全
面均一にコーティングすることは難しく、ばらつきが発
生し易いという種々の欠点が見られた。
【0007】そして透明タッチパネルの側面から引き出
されているFPCリード線は取扱中に断線の危険性と
か、場所をとるためにコンパクト化ができにくいとか、
また該パネルを新品と交換したい場合、素人ではできな
い等の問題がある。
【0008】また前記各基板の原反又は原板からの所望
サイズへの切り出しは、カッティングという別工程の必
要性と共に、切り屑、カッティングロスの発生はまぬが
れない状況にある。
【0009】本発明は前記問題に対して鋭意検討した結
果見いだされたものであり、その第1の目的は、ニュー
トンリング防止対策を施した透明タッチパネル用基板を
成形によって、一挙に製造する方法の提供にある。そし
て第2の目的は更に電極引き出し手段を付与した該基板
を同様にして一挙に製造する方法の提供にあり、更に第
3の目的は軽量で取扱も容易でかつ新品との交換も素人
でも可能な透明タッチパネルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るために、まずニュートンリング防止用微細凹凸部を設
けた透明タッチパネル用金型に、透明性樹脂を射出し成
形して、ニュートンリング防止用の微細凹凸面を持つ透
明タッチパネル基板を製造することを特徴とする。以下
詳細に説明する。
【0011】所望とする透明タッチパネル用基板自身の
製造のために、金型を必要とする。該金型は基本的には
キャビテー(雌)とコア(雄)とからなり、中に空隙部
が形成される。空隙部への透明樹脂の射出によって透明
タッチパネル用基板が製造されるので、従って、基本的
には空隙部の大きさ(縦×横×深さ)を変えることによ
って、それと同サイズのタッチ側又は非タッチ側の基板
を製造することができる。タッチ側基板、非タッチ側基
板の大きさ(縦×横)は目的・用途によって異なるの
で、それに応じて空隙部の大きさを変えればよいが、厚
さについては一般にタッチ側基板は約0.1〜0.25
mm、非タッチ側基板は約0.25〜5mmであるので、こ
れに基づいて空隙部の深さを決めればよい。
【0012】尚、前記するように該各基板の大きさ(縦
×横×厚さ)は基本的には空隙部の大きさによって決ま
るが、一般に樹脂は成形収縮があるので、それを考慮し
て金型の設計をすることが望まれる。またここでいう透
明タッチパネル用基板はタッチ側又は/及び非タッチ側
の基板をいう。
【0013】そして本発明は金型によって前記各基板そ
のものを一挙に製造することの他に、同時に該基板面に
ニュートンリング防止対策のための微細な凹凸を付与せ
しめる必要があるので、そのために金型内つまりキャビ
テー又はコア面に微細凹凸部も設けられる。微細凹凸が
賦形されることによって、透明タッチパネルのタッチ点
(面)でのニュートンリングの発生が解消されるが、し
かしこの微細凹凸もあまりにも小さく、又逆にあまりに
も大きいことは望ましくないので、適正な範囲以内にす
ることが望まれる。この範囲はカットオフ値を0.8mm
以下、好ましくは0.08〜0.25mmとし、中心線平
均粗さ(以下Raと呼ぶ)を0.05〜2μm、好まし
くは0.1〜1μmとするのがよい。
【0014】カットオフ値は一般には表面のうねりの程
度をいうが、本発明では微細凹凸の山と山又は谷と谷と
の距離をいう。この距離があまりに大きくても小さくて
も好ましくないので、前記のような範囲が望ましい範囲
として例示される。
【0015】そしてRaは全面に無数に均一に付与され
る微細凹凸(深さ)の程度であるが、Raが0.05mm
未満では、ニュートンリングの発生よりもむしろ透明性
が悪くなり、逆に2μmを超えるとニュートンリングの
発生が見られるので好ましくない。
【0016】ニュートンリング防止用微細凹凸の形状、
配列状態には特に限定されない。例えば円柱、円錐、角
柱、直方、立方又はこれらの混合された各形状でこれを
規則的又は不規則的に配列する。
【0017】透明タッチパネル用基板に賦形されるニュ
ートンリング防止用微細凹凸は、タッチ側又は/及び非
タッチ側の基板に賦形されるが、透明性への影響を考え
るといずれか一方がよい。しかしタッチ側基板において
は、その両面に該凹凸を賦形してもよい。この場合上面
になる凹凸面は、周囲の物体によるタッチ表面への映り
込みを防止する役目をすることになる。低光線反射作用
によって映らなくなるので、見やすく操作しやすくな
る。またこの映り込み防止対策は、非タッチ基板側にニ
ュートンリング防止用微細凹凸を設け、タッチ側基板に
設けた微細凹凸面を上面として両者組み合わせればニュ
ートンリング防止と共に、映り込みの防止も可能とな
る。
【0018】ニュートンリング防止用微細凹凸を金型内
に作製する手段は、特に限定される方法はない。例示す
れば写真製版・エッチング法、放電加工法、サンドブラ
スト法等がある。ここで写真製版・エッチング法は金型
のキャビテー、又はコアの面に感光液をコーティングし
て所望する凹凸のパターンのネガ、又はポジ型のフィル
ムをマスキングして露光・現像後、塩化第二鉄、硝酸等
の水溶液でエッチングする方法であり、放電加工は絶縁
液中で母型を通して放電を行うものである。従って、両
方ともマスクを通して行うので所定の形と大きさで規則
的につくられる。一方サンドブラストは形状、大きさ、
配列も一定せずランダム的である。いずれが適当な方法
かは予備テストして決めるのが望ましい。
【0019】かくして得た金型を用いてこれに透明性樹
脂を射出して所望のニュートンリング防止用微細凹凸が
賦形された透明タッチパネル用基板を一体成形するが、
ここで該樹脂と射出成形については次の通りである。
【0020】まず前記樹脂としては、優れた透明性を有
し、かつ所定温度で溶融又は軟化する合成樹脂である。
ここで該透明性はタッチパネル用基板として必要不可欠
な条件であり、それはより曇価が小さく(例えば5%以
下)より全光線透過率の大きい(例えば80%以上)と
いうことになる。また強度、耐熱性、耐薬品性にも優れ
ていることが望ましいのは勿論であるが、硬度も高い
(例えばロックウエル硬度で60以上、好ましくは70
以上)方が好ましい。硬度は特にタッチ側基板において
より高い方が望まれる。これはペンタッチの場合の耐傷
性の向上のためである。
【0021】従って前記条件を満足する樹脂であれば現
存するいかなるものも使用できるが、例示すれば次の通
りである。非晶性ポリエステル(例えばイーストマンケ
ミカル社のイースター)、ポリメチルメタアクリレー
ト、ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリ
ルカーボネート、ポリスチレン、スチレン・アクリルニ
トリル共重合ポリマ、スチレン・メチルメタアクリレー
トとの共重合ポリマ、ポリ塩化ビニル、ポリサルホン、
ポリメチルペンテン、アクリル−イミド系ポリマ(例え
ば住化ハーキュレス社製のケイマックス、三菱レイヨン
社製のPMIレジン)、シンジオタクテックポリプロピ
レンを主体とするブレンドポリマ等を挙げることができ
る。尚、熱硬化樹脂において、そのプレポリマの段階で
前記条件に合うものがあれば、該樹脂も使用することが
できるが、かかる場合成形はプレポリマの段階で金型に
射出し、後硬化のための加熱の必要がある。
【0022】射出成形法には特別の条件といえるものは
なく、一般に行われている方法による。例えばポリメチ
ルメタアクリレートを用いて、非タッチ側の基板を作製
しようとするならば、まずニュートンリング防止用微細
凹凸部がキャビテー側に設けられた金型をスクリュー式
押出機に取り付ける。該樹脂のペレットは80〜95℃
で4〜6時間程度真空乾燥して水分を完全に除去する。
そしてこれを該押出機のバレル温度を220〜270
℃、金型温度50〜90℃に調整された押出機のホッパ
ーから所定速度で定量供給する。該基板を成形する量が
供給されたらストップし冷却してノックアウトにより自
動的に取り出す。
【0023】更に前記第2の目的達成のためにとられる
手段は、ニュートンリング防止用微志凹凸に加えて、電
極引き出し穴用コアピンを金型内に設け、前記同様に透
明性樹脂を射出し成形するもので、これによって製造さ
れる透明タッチパネル用基板はニュートンリング防止用
微細凹凸と電極引き出し穴とを持っている。
【0024】電極引き出し穴は透明タッチパネルの周縁
部に設けられる。これは該パネル内に設けられている引
き出し電極が、周縁部にあたるためで、従って該穴を作
製する前記コアピンもそれに対応する位置に垂設され
る。前記する如く該穴は該電極を外部に引き出すための
もので、これによって一般的に行われている、該パネル
の側面からのFPCリード線の引き出しは完全に除かれ
ることになる。
【0025】前記コアピンは金型のキャビテー又はコア
のいずれかに垂設され、その数は必要な電極引き出し穴
によって決まる。該穴数は一般に透明タッチパネルの
(機能別)方式によって決まる。該方式にはアナログ方
式とマトリックス方式、更には両併合方式がある。例え
ばアナログ方式ではタッチ側と非タッチ側の基板に各々
2穴(4線式)、又は各々4穴(8線式)の電極引き出
し穴が必要であるので、該コアピンは2本、又は4本を
必要とする。マトリックス方式では帯状に設けられてい
る抵抗膜の数だけ該穴を必要とするので、それに相当す
る該コアピンを垂設すればよい。該コアピンの形状は一
般には約1〜3mmφ前後の円柱であるが、これが楕円
状、角柱等であってもよい。
【0026】前記のコアピンを設けた金型によって射出
成形して得たタッチ側又は非タッチ側の透明樹脂基板に
は各々必要数の穴が明いているので、該穴を導通してそ
こから端末機器に結ぶように配線される。しかしながら
該穴は、タッチ側又は非タッチ側の基板のいずれか一方
にまとめることもでき、場合によってはこれが好まし
い。つまり例えばアナログ方式で4線式の場合にはいず
れか一方に4個の穴を、8線式の場合にはいずれか一方
に8個の穴を設けるということである。従って金型内に
垂設する該コアピンは4本又は8本ということになる。
【0027】尚、前記基板に設けられた穴の電極部との
導通化は、該穴に導電性ペーストを注入するか、銅等に
よるめっきか、スパッタリング等によって行えばよい。
【0028】尚、前記の様にして製造される透明タッチ
パネル用基板において、電極引き出し用穴のない場合と
か、本発明の射出成形によってつくられる基板がタッチ
側か非タッチ側かのいずれか一方だけの場合もある。こ
のような場合には、従来から一般に行われている方法で
前記機能を持った透明タッチパネル用基板を別途作製し
て、これを本発明によって作製されたいずれかの該基板
と組み合わせて、透明タッチパネルとして組み立てて使
用することもできる。
【0029】前記金型は1個でもよいが、ランナーを介
して複数個設け、1度に多数成形するのが好ましい。金
型を構成するキャビテーとコアは、いずれが可動側であ
っても固定側であってもかまわないが、キャビテーを固
定側とするのが好ましい。
【0030】尚、前記透明タッチパネル用基板は最終的
には透明タッチパネルとして組み立てられ、アルミシャ
ーシ等で枠組みされるが、該シャーシ等への定位置での
固定を迅速に、かつ確実に行うために該基板に縁を設
け、この縁部分に固定手段、例えば装着用の突起とか、
引っかけるようにして固定するフックとか、該縁部を接
着剤を介して固定する等を取り入れてもよい。勿論この
ような固定手段を設ける場合には、これを金型に付設し
て射出成形によって一挙に設けるとよい。
【0031】
【作用】ニュートンリング、つまり光干渉による縞模様
が発生しないのは、タッチ点でできる等しい波長又はそ
れに近い波長を持った2つ以上の波動(光)がタッチ点
に存在する微細凹凸によって散乱光となり、その結果波
動が重ならずに干渉しなくなるものと考えられる。
【0032】また、前記無数の微細凹凸は、透明性樹脂
の金型による一体成形により該樹脂基板に常に一定して
賦形されるので、製品間に品質・性能のバラツキはな
い。
【0033】
【実施例】以下に実施例によって更に詳述するが、該例
に本発明が制約されるものではない。 実施例1 深さ3.0mm、縦200mm、横250mmの鉄系のキャビ
テーを準備して、その内面をRa0.03μm以下にな
るように鏡面仕上げをした。次に該鏡面仕上げ面にアク
リル系感光性樹脂を薄くコーティングし乾燥して感光化
した。一方、正方形ドットで作られた600線の平網ポ
ジフィルムを準備して、これを前記キャビテーの感光面
に真空密着して紫外線露光し、アルカリ現像後、塩化第
二鉄水溶液でエッチングして未露光部分を腐食した。レ
ジスト膜を除去し、十分水洗し乾燥した。尚、エッチン
グの際には、塩化第二鉄水溶液が感光膜面以外に接触し
ないよう十分注意した。
【0034】前記エッチングによって得られた微細凹凸
を表面粗さ形状測定機・サーコム570A型(株式会社
東京精密製)で測定した結果、カットオフ値0.08μ
mでRaは0.93〜1.10μmであった。これを固
定側型板とする。
【0035】一方、前記キャビテーに密着状態で2.8
0mm冠着できるようにした空隙部深さ0.2mmコアをキ
ャビテーと同一材料で製作準備した。該コアもRa0.
03μmになるように鏡面仕上げを行った。これを移動
側型板とする。
【0036】そして前記キャビテーに透明樹脂のゲー
ト、突出しピン、空気抜きを設けて、コアと共に射出成
形機の先端にセットして、次の条件で射出成形した。透
明樹脂として十分乾燥された非晶性ポリエステルである
イースターPETG(イーストマンケミカル社製)ペレ
ットを用い、バレル温度90〜120℃、金型となる該
キャビテーとコアとの温度を40℃に各々温調して50
0枚成形した。得られた成形品は、厚さ0.19mm、縦
198.5mm、横249.5mmの透明なフィルムであっ
た。
【0037】前記成形フィルムの粗化面を、前記サーコ
ム570A型測定機で測定したところ、カットオフ値
0.08mmでRa0.91〜1.08μmであり、ほぼ
金型の微細凹凸と一致した。ロックウエル硬度(D78
5)はR107であった。以下これをタッチ側フィルム
基板と呼ぶ。
【0038】一方、非タッチ側基板として厚さ1.0m
m、縦198.5mm、横249.5mmのガラス板を準備
してこの片面に、前記タッチ側基板の微細凹凸面にもI
TOのスパッタリングを行って、各々に抵抗膜を設け
た。更に該ガラス板については、その抵抗膜側に直径3
0μm、高さ10μmのドットを3mmピッチで格子状に
配置した絶縁スペーサを、紫外線硬化型のアクリル樹脂
にて形成せしめた。
【0039】前記2枚の基板を周囲に厚さ20μm、幅
3mmの絶縁テープを介して重ね合わせてセットし、ニュ
ートンリングの発生状況をチェックした。指先とペンと
でタッチ側フィルム基板を押圧したが、いづれの場合も
ニュートンリングの発生は全く観察されなかった。
【0040】実施例2 実施例1のキャビテーを使って、これに高さ3.5mm、
直径1.5mmのステンレス製のコアピンの4本を横周辺
に3mmピッチで並列状態で垂設・固定した。これに対す
るコアは、該キャビテーに密着状態で0.7mmが冠着で
きるようにして(空隙部深さ2.8mm)キャビテーと同
一材料で作製した。尚、該コアはRa0.03μm以下
になるように鏡面仕上げを行い、かつキャビテーとの冠
着時に4本の前記コアピンの先端が容易に嵌脱されるよ
うな受け穴を設けた。これを図面で示すと図1の断面図
のとおりである。ここで1は実施例1で形成せしめたカ
ットオフ値0.08mm、Ra0.93〜1.10μmの
微細凹凸3を有するキャビテーで、更にこれには4で示
する4本(1.5mmφ、3mmピッチ)のコアピンが横
(手前側)に垂設されている。2はキャビテーに密着状
態で冠着するコアであり、該コアピンに対応して7に示
す受け穴が設けてある。5は空隙部であり、6はコア2
がキャビテー1から抜かれた状態を示す想像図である。
【0041】そして図1に示す金型を、射出成形機の先
端にセットしてバレル温度220〜260℃、金型温度
65℃に制御し、十分乾燥したポリメチルメタアクリレ
ートのペレットを該成形機から押出して、シート状成形
体を500枚得た。
【0042】得られた前記成形体の厚さは2.78mm、
縦199.0mm、横249.3mmで、設けられた穴の直
径は1.49mmであり、そして微細凹凸面の粗度を実施
例1と同様に測定すると、カットオフ値0.08mmで、
Raが0.93〜1.09μmであり、ほぼ金型と同一
に再現されていることも確認した。以下この成形体を非
タッチ側基板とよぶ。
【0043】次に実施例1で得られたタッチ側と非タッ
チ側の各基板の各1枚について、前者は平滑面(非微細
凹凸面)に、後者は微細凹凸面に各々ITOによるスパ
ッタリングを行って、アナログ方式用の抵抗膜(膜厚
0.05μm)を形成した。尚、非タッチ側基板の4個
の穴内も同時にスパッタリングを行ったが、該凹凸面に
形成された抵抗膜とは連結されずに、独立してスパッタ
リングされるようにマスキング材を使って行った。また
各基板の周囲10mmはITO抵抗膜が形成されないよう
に、これもマスキング材を使ってスパッタリングを行っ
た。
【0044】そして前記得られた非タッチ側基板のIT
O抵抗膜面に、直径30μm、高さ10μmのドットを
3mmピッチで格子状に配置した絶縁スペーサを、紫外線
硬化型のアクリル樹脂にて形成せしめた後、該抵抗膜か
ら引き出される電極の2本を銀ペーストのスクリーン印
刷によって設け、前記4個の穴の中の2個を導通するよ
うにした。一方前記非タッチ側のフィルム基板において
も、その抵抗膜に引き出し用の電極の2本を前記同様に
銀ペーストによって設けた。尚この場合該電極の端子
は、該4個の穴の内、残る2個の穴に一致するようにし
た。
【0045】次に前記2枚の基板を、そのITO抵抗膜
面を対向して、幅3mm、厚さ20μmの絶縁テープを介
してセットした。そして、4個の穴の中に銀ペーストを
注入して各々基板に引き出された電極につなぎ、導通す
るようにした。以上、セット化された透明タッチパネル
について図面で示すと、図2の側断面図のとおりであ
る。まず8は非タッチ側となる透明なポリメチルメタア
クリレート基板で、これには微細凹凸面に設けられたI
TO抵抗膜11と絶縁スペーサ12と該抵抗膜から引き
出される2本の電極9、10及び電極を外に引き出すた
めの4つの穴が設けられている(13、14、19、2
0に対応)。該基板8に対して、実施例1で成形した非
晶性ポリエステル製のタッチ側基板15が厚さ20μm
の絶縁テープによって対向セット化されている。21は
該基板15の平滑面に設けられた抵抗膜、そして17と
18は抵抗膜21から引き出された電極である。16は
微細凹凸面で、ここでは上面にして映り込み防止対策に
意味をもたせている。13と14とは非タッチ側基板8
からの2本の電極9と10とを外に向かって引き出すた
めの穴に注入された銀ペーストによる導通体で、そして
19、20はタッチ側基板15からの2本の電極17、
18とを外に向かって引き出すために穴に注入された銀
ペーストによる導通体である。この4つの導通体にLC
D等の端末機器をつなげばよいことになる。従って従来
のように透明タッチパネルの側面からFPCリード線を
引き出さなくてもよいことになる。尚、図では空隙部分
がある如く示しているが、これは内面構造を説明するた
めに便宜上図示したにすぎず、実際には絶縁スペーサ1
1の高さと同じか、又は若干高い程度の隙間である。
【0046】図2に示す透明タッチパネルの13、1
4、19、20の導通体端子に、LCD(液晶ディスプ
レイ)からの引き出し線にコネクターを介して接続し、
ペンで情報をタッチ入力して全体の駆動状況をチェック
した。その結果、特に問題なく入力情報が表示され、ま
たニュートンリングについては全く発生しなかった。更
にタッチ表面に周囲の物体が映し出される現象もなく、
見やすく操作ができた。
【0047】
【発明の効果】本発明は以上に説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0048】まず、ニュートンリング防止用の微細凹凸
が賦形されている透明タッチパネル用基板を透明性樹脂
の金型への射出成形によって一挙に一体成形するので常
に品質の安定した所望の該基板を迅速かつ効率よく製造
取得することができる。
【0049】最終製品として得られる透明タッチパネル
において、タッチ点でのニュートンリング、つまり光干
渉縞の発生が全くないので、操作上のわずらわしさと
か、品質上のトラブルもない。
【0050】更にニュートンリング防止対策の他に、金
型内に垂設されたコアピンによって前記基板に電極引き
出し用穴も同時に成形されるので、そのための穴を別途
穿設する必要もなく、また該穴が電極とつなぐ導体化に
よって従来のように透明タッチパネル側面からFPCリ
ード線を取り出すような配線構造はとらなくなる。これ
は特に取扱中等に見られる断線の危険性が全くなくな
る。
【0051】また、電極引き出しが、前記基板内に設け
られた穴の導通化によって行われるので、該導通穴とイ
ンターフェースボード、LCD等とのコネクションをワ
ンタッチ的に行うことが可能になるので、透明タッチパ
ネルが故障するとか、寿命によって使えなくなった場合
に新品との交換が素人でも簡単にできるようになる。
【0052】更にタッチ側基板面に現れやすい周囲の物
体の映り込みが、微細凹凸面を上にして使用することに
よって防止することもできる。
【0053】一般に別途行うカッティング加工とか、ニ
ュートンリング防止対策とか、孔明け加工等の別工程が
一切必要でないことは、透明タッチパネル自身の製造に
おいて製造装置、生産管理、製造時間等の点でその効果
は極めて大きいものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】金型の側断面図である。
【図2】透明タッチパネルの側断面図である。
【符号の説明】
1 キャビテー(実施例1による) 2 コア 3 微細凹凸 4 コアピン 5 空隙部 6 抜かれたコアの想像図 7 コアに設けられたコアピンのための受け穴 8 ポリメチルメタアクリレート製非タッチ側基板 9 電極 10 同上 11 ITO抵抗膜 12 絶縁スペーサ 13 導通体(穴部) 14 導通体(穴部) 15 非晶性ポリエステル製タッチ側基板 16 微細凹凸 17 電極 18 電極 19 導通体(穴部) 20 導通体(穴部) 21 抵抗膜 22 絶縁テープ
フロントページの続き (72)発明者 村上 雪雄 滋賀県守山市森川原町163番地 グンゼ株 式会社開発事業部電子機能材料センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニュートンリング防止用微細凹凸部を設
    けた透明タッチパネル基板用金型に、透明性樹脂を射出
    し成形することを特徴とする透明タッチパネル用基板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】ニュートンリング防止用微細凹凸部と電極
    引き出し穴用コアピンとを設けた透明タッチパネル基板
    用金型に、透明性樹脂を射出し成形することを特徴とす
    る透明タッチパネル用基板の製造方法。
  3. 【請求項3】ニュートンリング防止用微細凹凸部がカッ
    トオフ値0.8mm以下、中心線平均粗さ0.05〜2μ
    mである無数の微細凹凸からなる請求項1及び請求項2
    に記載の透明タッチパネル用基板の製造方法。
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