JPH08329521A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH08329521A
JPH08329521A JP7153839A JP15383995A JPH08329521A JP H08329521 A JPH08329521 A JP H08329521A JP 7153839 A JP7153839 A JP 7153839A JP 15383995 A JP15383995 A JP 15383995A JP H08329521 A JPH08329521 A JP H08329521A
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JP7153839A
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English (en)
Inventor
Norihito Tamura
礼仁 田村
Yoshihiro Ikari
喜博 碇
Toshiaki Yasui
俊明 泰井
Norio Ota
憲雄 太田
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Publication date
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 CD規格に適合した反射率及び信号変調度を
有し且つCD規格の再生速度と同じ線速度において記録
可能な相変化型光記録媒体を提供する。 【構成】 基板上に、金属層、第1保護層、記録層、第
2保護層及び反射層を備え且つ記録層の結晶状態から非
晶質状態に相変化することによって記録が行われる相変
化型光記録媒体である。記録層が、Ge−Te−Sb−
Se系の記録材料から構成され、記録層の膜厚方向の平
均組成が、原子%で表して、 Ge≧40%、及び、Sb+Se≦25% を満足する。記録層が結晶状態または非晶質状態のいず
れか一方の状態において反射率が再生光に対して70%
以上であり、他方の状態において40%未満である。金
属層としてAuCo合金が使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、概して、非晶質−結晶
間の相変化により記録が行われる相変化型光記録媒体に
関し、特に、反射率及び信号変調度がCD規格に適合し
た相変化型記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、再生専用の光ディスクは音楽用C
D、CD−ROMをはじめとして、CD−I、ビデオC
Dなど、音楽、映像、コンピュータの分野で広く普及し
ている。一般に、光ディスクは、ポリカーボネートなど
のプラスチック基板上に、あらかじめ凹状のピットを形
成した後、アルミニウムなどの金属反射層をコーティン
グして作製され、これにレーザ光を照射してピットの有
無(信号)が反射光量の差として読出される。この技術
は、はじめ音楽用としての規格が定められ、1982
年、最初の製品が発売された。これは、ランダムアクセ
ス性に優れること、媒体のサイズが80〜120mmと
取り扱いやすい大きさであること、媒体及びシステムが
安価であること等の理由から市場に受け入れられ、従来
のアナログレコードに代替するに至った。次いで、この
技術を応用した、データ用のCD−ROM、静止画像や
動画も取り扱うことができるCD−I、カラオケCD、
ビデオCDなどの規格が定められ、この規格に適合する
種々のアプリケーションが登場してきている。また、1
988年にはデータの追記が1度だけできる追記型CD
(CD−R)が発表され、CDの少量出版やCD−RO
M開発時におけるデバッグ用として市場を形成しつつあ
る。
【0003】書き換え可能な媒体も急速に開発が進めら
れており、遷移金属−希土類金属系等の光磁気記録材料
の光磁気現象を利用したものや、相変化などの可逆的な
原子配列変化を利用したものが知られおり、今日多数が
製品化されている。相変化型記録媒体として、例えば、
特開昭61−258787号に開示されたGe−Sb−
Te−X系記録材料(XはAl、Si、Tiなど)や、
特開昭62−152786号に開示されたGe−Te−
A−B−C系記録材料(AはSb、Snなど、BはTl
など、CはCo、Seなど)が知られている。このよう
な書替え可能な記録媒体についても前記CDやCD−R
OMと互換性のあるプレーヤやドライブ装置を用いて情
報の再生を行えることが望ましい。
【0004】このためCDプレーヤやCD−ROMドラ
イブでの再生が可能で、書き換えが可能な媒体(以下、
書き換え可能CDという)について、相変化型記録媒体
を中心に研究開発が進められている。例えば、特開平4
−228126号には、Sb−Se系記録材料やGe−
Te系記録材料を用いた書換え可能CDに関する技術が
開示されている。
【0005】第5回相変化記録研究会シンポジウム講演
予稿集5ページから8ページ、および9ページから14
ページには、In−Ag−Te−Sb−V系記録材料を
用いた書換え可能CD及びGe−Sb−Te系記録材料
を用いた書換え可能なCDに関する技術が開示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、CDプレー
ヤやCD−ROMドライブで情報の再生を行うために
は、その光記録媒体の反射率、信号変調度などの特性が
CD規格(レッドブック)を満たす必要がある。すなわ
ち、波長770〜830nmの光に対して、反射率が7
0%以上、EFM(Eight-Fourteen Modulation ;8−
14変調)信号のうち最長マークである11T信号をマ
ーク間隔11Tで記録したときの信号変調度が60%以
上、最短のマークである3T信号をマーク間隔3Tで記
録したときの信号変調度が30〜70%などの条件を満
足しなければならない。
【0007】しかしながら、上述の製品化されている相
変化型や光磁気型の光記録媒体は、反射率が低いのでC
D規格を満足せず、CD関連のシステムと互換性がなか
った。それゆえ、相変化型や光磁気型の光記録媒体は、
CDプレーヤやCD−ROMドライブで情報の再生を行
うことができず、逆に、相変化媒体用ドライブや光磁気
媒体用ドライブで音楽用CD媒体やCD−ROM媒体を
再生することもできないという欠点があった。従って、
相変化型や光磁気型の記録媒体の再生システムとして、
CD関連のシステムとはまったく異なるシステムを構築
せざるを得なかった。
【0008】一方、書き換え可能CDとして、オーバラ
イト可能な相変化型光記録媒体を用いてCDプレーヤや
CD−ROMドライブでの再生の可能性は示されている
ものの、CD規格を満足するための70%以上の高い反
射率と60%以上の大きな信号変調度を同時に満足する
ものは知られていない。これらの相変化型光記録媒体
は、初期状態及び消去状態を反射率の高い結晶状態に対
応させ、記録状態を反射率の低い非晶質状態に対応させ
ているため、初期状態に第1回目の記録を行う場合、膜
面で50mW以上の大きなレーザパワーが必要とされて
いた。また、古い情報の上に新しい情報をマークエッジ
方式で直接重ね書きする場合、古い記録マークが残って
いる非晶質部分と記録されていない結晶部分に記録用パ
ワーのレーザ光が照射されると、非晶質部分の熱伝導率
は低く且つ吸熱効果が高いために、前者の部分に後者の
部分よりも多くの熱が吸収されて蓄積し易くなる。この
結果、新しい記録マークに歪みが生じてジッターが増大
するという問題点も有していた。
【0009】さらに、CD規格により再生時の線速度は
1.2〜1.4m/sec であるので、CDドライブで再
生可能な相変化型記録媒体が開発されたとしても、1.
2〜1.4m/sec の線速度で記録可能であることが望
ましい。しかしながら、このような比較的遅い線速度で
は、記録の際に記録層に光照射しても、記録層の冷却速
度が遅くなるために、初期状態の結晶状態から非晶質状
態への変化が起こりにくくなる。従って、記録材料の結
晶速度や熱伝導性等を考慮して、上記のような線速度で
記録しても、結晶状態から非晶質状態への相変化が確実
に起こることによって記録が実行されるような相変化型
の記録材料を選択しなければならない。
【0010】特開平5−047036号は、記録層にG
e−Sb−Te系を用い、記録層の上下に透明干渉層を
用い、各層の膜厚と屈折率を調整することより記録状態
である非晶質化膜の反射率を未記録状態である結晶化膜
の反射率より高くした追記型光記録媒体を開示してい
る。しかしながら、実際に記録層からどの程度の反射率
が得られたかは開示されていない。
【0011】SPIE,Vol.2338,OPTICAL DATA STORA
GE,第94〜106頁にはGe−Sb−Te−Se系記
録材料を用いた書換え可能な相変化型CDに関する技術
が開示されている。この記録材料を用いることにより、
再生光に対する反射率として70%を得ることができる
ことが開示されている。しかしながら、この相変化型C
Dは信号変調度がCD規格の値より小さく、書き換え可
能回数も10回程度であり、実用性という点で十分でな
かった。このGe−Sb−Te−Se系記録材料は、本
願発明に用いるGe−Sb−Te−Se系記録材料と異
なる組成を有する。
【0012】本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解
消し、CD規格に適合した反射率及び信号変調度を有す
る相変化型光記録媒体を提供することにある。
【0013】また、本発明の目的は、マークエッジ方式
で記録再生しても記録マークの変形を防止することがで
きる相変化型記録媒体を提供することにある。
【0014】さらに本発明の目的は、低いレーザパワー
で記録が可能な相変化型記録媒体を提供することにあ
る。
【0015】本発明のさらに別の目的は、CD規格に適
合した反射率及び信号変調度を有し且つCD規格の再生
速度と同じ線速度において記録可能な相変化型光記録媒
体を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の一態様によれば、基板上に、金属層、第1
保護層、記録層、第2保護層及び反射層を備え且つ記録
層の原子配列が安定状態から準安定状態に変化すること
によって記録が行われ、準安定状態から安定状態に変化
することによって初期化及び消去が行われる光記録媒体
において、記録層が、Ge、Te、Sb及びSeを主成
分とする材料から構成され、記録層の膜厚方向の平均組
成が、原子%で表して、 Ge≧40%、及び、Sb+Se≦25% を満足し、且つ、記録層の原子配列が安定状態にあると
きに記録媒体の反射率が再生光に対して40%以下であ
り、記録層の原子配列が準安定状態にあるときに記録媒
体の反射率が再生光に対して70%以上であることを特
徴とする光記録媒体が提供される。上記光記録媒体にお
いて、第1保護層の屈折率n1 及び膜厚d1 、第2保護
層の屈折率n2 及び膜厚d2 、安定状態にある記録層の
屈折率nc 及び消衰係数kc 、準安定状態にある記録層
の屈折率na 及び消衰係数ka 、記録層の膜厚dr並び
に記録・再生光の波長λに対して、
【数3】 なる関係を満足することが好ましい。
【0017】本発明の第2の態様に従えば、基板上に、
金属層、第1保護層、記録層、第2保護層及び反射層を
備え且つ記録層の原子配列が安定状態から準安定状態に
変化することによって記録が行われ、準安定状態から安
定状態に変化することによって初期化及び消去が行われ
る光記録媒体において、記録層が、Ge、Te、Sb及
びSeを主成分とする材料から構成され、記録層の膜厚
方向の平均組成が、原子%で表して、 Ge≧40%、及び、Sb+Se≦25% を満足し、且つ、記録層の原子配列が安定状態にあると
きに記録媒体の反射率が再生光に対して70%以上であ
り、記録層の原子配列が準安定状態にあるときに記録媒
体の反射率が再生光に対して40%以下であることを特
徴とする光記録媒体が提供される。
【0018】上記本発明の第2の態様における光記録媒
体において、第1保護層の屈折率n1 及び膜厚d1 、第
2保護層の屈折率n2 及び膜厚d2 、安定状態にある記
録層の屈折率nc 及び消衰係数kc 、準安定状態にある
記録層の屈折率na 及び消衰係数ka 、記録層の膜厚d
r 並びに記録・再生光の波長λに対して、
【数4】 なる関係を満足することが好ましい。
【0019】本発明の光記録媒体において、記録層の膜
厚方向の平均組成において、Geの原子%をGe≧40
%として且つSb及びSeの原子%をSb+Se≦25
%とすることによって、CD規格で定められたような再
生時の線速度1.2〜1.4m/sで記録しても、記録
の際に光照射により記録層を結晶状態から非晶質状態に
変化させることができ、確実な記録が行われる。記録層
の膜厚方向の平均組成は、原子%で表して、 40%≦Ge≦64% 45%≦Te≦59% 1%≦Sb+Se≦20% Sb<Se なる関係を満足することが好ましい。上記比率で上記記
録層にGe、Te、Sb及びSeを共存させることによ
って非晶質状態を安定に保持し、且つ記録・消去時の結
晶化を高速で行うことを可能にする。一層好ましくは、 40%≦Ge≦55% 35%≦Te≦50% 5%≦Sb+Se≦20% Sb<Se なる関係を満たすことであり、特に好ましくは、 40%≦Ge≦50% 35%≦Te≦45% 10%≦Sb+Se≦20% Sb<Se なる関係を満足することである。
【0020】上記記録層には、Ge,Te,Sb,Se
以外の元素を含むことができ、10原子%以下の割合で
含むことが好ましい。記録層に含むことができるGe,
Te,Sb,Se以外の元素としては、Au、Ag、C
u、Pd、Ta、W、Ir、Sc、Y、Ti、Zr、
V、Nb、Cr、Mo、Mn、Fe、Ru、Co、Rh
及びNiなどの融点の高い金属元素が挙げられる。これ
らの元素は、半導体レーザ光などの長波長光の吸収を容
易にして記録感度を高める効果を持ち、また、記録・消
去時にも溶融しにくいので結晶化の際に結晶核になりや
すく、高速結晶化を促進する。また、Tl、ハロゲン元
素、アルカリ金属などの、結晶化速度を向上させ且つ非
晶質状態の安定性を向上させる効果を持つ元素を含ませ
ることもできる。Tlなどの元素とCoなどの高融点金
属とが共存すれば、高速結晶化が可能で、且つ非晶質状
態の安定性が高く、記録感度も高くなる。Tlなどの元
素とCoなどの高融点金属のいずれか一方を添加する場
合、Tlなどの元素を添加した方が、膜形成の容易さの
点で好ましいが、耐酸化性は低下する。また、N、O、
HおよびArなどの不活性元素を含ませることもでき、
これらは、熱伝導率を適当な値に設定して記録感度を高
める効果を持ち、また、非晶質状態の安定性を向上させ
る効果がある。これらは結晶粒系を小さくしてノイズレ
ベルを低く抑える効果も持つ。また、希土類元素などを
記録材料に1〜5%添加すると再生信号強度を大きくす
るとともに、結晶化温度を高めることができる。上記G
e,Te,Sb,Se以外の記録層に含めることができ
る元素のうち、少なくとも2種類以上が記録層中に含ま
れる場合、これらは化合物の形で含まれていてもよい。
たとえば、SiO2 、Al2 3 などの酸化物、ZnS
などの硫化物、MgF2 などの弗化物、Si3 4 、A
lNなどの窒化物、SiCなどの炭化物などが挙げられ
る。これらの化合物は、記録層の光学定数を適当な値に
調整して反射率を高くし且つ信号変調度を大きくする効
果を持つ。また、熱伝導率を適当な値に調整して記録感
度を高める効果もある。上記元素を記録層中に添加した
場合、これらがGe、Te、Sb及びSeのうちの少な
くとも1つの元素と化合物を作ってもよい。例えば、Z
nTe、Ag2 Te、SnTe、Cr4 Te5 などは、
融点が高く記録・消去時にも溶融しにくいので、結晶化
の際に結晶核になりやすく、高速結晶化を可能にする。
また、記録層の流動などによる物理的な変形を防ぐ効果
も持ち、多数回の書き換えを可能にする。
【0021】上記記録層は膜厚方向の平均組成が上記の
範囲内に有れば膜厚方向に組成が変化していてもよい。
各元素の含有量の膜厚方向の変化は通常は小さいが、任
意のパターンの変化が存在しても差し支えない。ただ
し、組成の変化は連続的であるのが好ましい。Sb、S
e及びSについては、記録層のいずれか一方の界面付近
あるいは他の層との界面において、記録層の内側よりも
高い含有量であることが耐酸化性の面から好ましい。
【0022】上記記録層中に極めて小さい針状磁性体を
均一に分散または析出させると、これらを核として結晶
が促進される効果がある。また、外部磁場中で記録を行
うと、記録層が溶融したときに針状磁性体が外部磁場の
方向にそろうので、外部磁場ゼロで記録した、この磁性
体がランダムな方向を向いている場合に比べ、異なる構
造の結晶状態あるいは非晶質状態を造ることができる。
これにより、レーザ光変調と磁界変調を組み合わせて4
つの異なる状態を発生させることができる。
【0023】上記記録層を形成する際に、記録層を2層
に分割するように、記録層中に中間層を設けることもで
きる。この中間層により、記録層の冷却時間の制御、結
晶化過程の制御等を行うことができる。また、中間層に
よって分けられた2層の記録層のうち、片方のみに情報
を記録したり、両方に記録したりすることで、1つの記
録ビットに複数の情報を持たせることも可能である。中
間層として、前記の界面層と同様の材料を用いることが
できるが、その膜厚は10nm以下であることが好まし
い。また、中間層は、必ずしも均一に形成される必要は
なく、アイランド状に形成されていてもよい。
【0024】本発明において、記録層の原子配列の安定
状態及び準安定状態とは、代表的には、記録層の原子配
列がそれぞれ結晶状態及び非晶質状態にあることを意味
する。しかしながら、これに限定されず、膜の形状変化
をほとんど伴わない種々の原子配列変化によって光学的
性質を変化する2つの異なる状態でもよい。例えば、結
晶粒径や結晶形が異なる状態(α、β、π、γ型等の異
なる結晶状態)でもよい。非晶質状態と結晶状態の変化
においては、非晶質は完全な非晶質でなく、結晶部分が
混在していてもよい。また、記録層と保護層、中間層の
うちの少なくとも一者との間で、これらの層を構成する
原子のうちの一部が移動(拡散、化学反応などによる)
することにより、あるいは移動と相変化の両方により状
態変化が生じて一方が安定状態に、他方が準安定状態に
なり得る場合も該当する。
【0025】本発明の光記録媒体に用いる保護層は、例
えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリオレフィ
ン、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリスチ
レン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リ4フッ化エチレン(テフロン)などのフッ素樹脂など
の有機物より形成されていてもよく、酸化物、弗化物、
窒化物、硫化物、セレン化物、炭化物、ホウ化物、ホウ
素、炭素、あるいは金属などを主成分とする無機物より
形成されていてもよい。また、これらの複合材料でもよ
い。耐熱性の面で有機物よりも無機物が好ましい。無機
物よりなる保護層の場合は、そのままの形で電子ビーム
蒸着、スパッタリング等で形成してもよいが、反応性ス
パッタリングや、金属、半金属、半導体の少なくとも一
元素よりなる膜を形成したのち、酸素、硫黄、窒素のう
ちの少なくとも一者と反応させるようにすると製造が容
易である。無機物保護層の例としては、Ce、La、S
i、In、Al、Ge、Pb、Sn、Bi、Te、T
a、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Cr及びWより
なる群より選ばれた少なくとも一元素の酸化物、Cd、
Zn、Ga、In、Sb、Ge、Sn、Pb、Biより
なる群より選ばれた少なくとも一元素の硫化物またはセ
レン化物、Mg、Ce、Caなどの弗化物、Si、A
l、Ta、Bなどの窒化物、B、Siなどの炭化物、T
iなどのホウ化物、ホウ素、炭素よりなるものであっ
て、たとえば主成分がCeO2 、La2 3、SiO、
SiO2 、In2 3 、Al2 3 、GeO、Ge
2 、PbO、SnO、SnO2 、Bi2 3 、TeO
2 、Ta2 5 、Sc2 3 、Y2 3 、TiO2 、Z
rO2 、V2 5 、Nb2 5 、Cr2 3 、WO2
WO3 、CdS、ZnS、CdSe、ZnSe、In2
3 、In2 Se3 、Sb2 3 、Sb2 Se3 、Ga
2 3 、Ga2 Se3 、GeS、GeSe、GeS
2 、SnS、SnS2 、SnSe、SnSe2 、Pb
S、PbSe、Bi2 Se3 、Bi2 3 、MgF2
CeF3 、CaF2 、TaN、Si3 4 、AlN、B
N、Si、TiB2 、B4 C、SiC、B、C及びそれ
らに類似した組成を有するもの並びにこれらの混合物で
ある。これらのうち、硫化物ではZnSまたはそれに類
似した組成の化合物が、屈折率が適当な大きさであり且
つ膜が安定である点で好ましい。窒化物として、表面反
射率があまり高くなく、膜が安定で且つ強固である点
で、TaN、Si3 4 、AlNまたはAlSiN2
びそれらに類似する組成の化合物が好ましい。酸化物と
して好ましいのはY2 3 、Sc2 3、CeO2 、T
iO2 、ZrO2 、SiO、Ta2 5 、In2 3
Al2 3 、SnO2 またはSiO2 に類似した組成の
酸化珪素である。水素を含むSiの非晶質も好適であ
る。SiAlONまたはそれに類似する組成の化合物も
好ましい。第1保護層と第2保護層は、膜形成操作が容
易になるという理由から同じ材料で形成するのが好まし
いが、異なる材料を用いてもよい。それぞれに用いる材
料の熱伝導率や熱膨張率を適当に選べば、記録感度を向
上させ、また記録層の物理的変形を防ぐことが可能とな
る。
【0026】記録層と保護層との間に、記録層に接して
界面層を設けることもできる。これは記録層の片方のみ
に設けてもよいし、記録層の両面に設けてもよい。この
界面層は、記録層との濡れ性を改善することによって記
録層の流動を防ぎ、書替え回数を向上することが可能に
なる。また、この界面層により、記録層の結晶化過程を
制御することも可能である。界面層を構成する材料とし
ては、Au、Ag、Cu、Pd、Ta、W、Ir、S
c、Y、Ti、Zr、V、Nb、Cr、Mo、Mn、F
e、Ru、Co、Rh、Ni、Pt、Si、Ge等の融
点の高い金属元素や半導体元素及びこれらの合金材料を
用いることができる。また、Ce、La、Si、In、
Al、Ge、Pb、Sn、Bi、Te、Ta、Sc、
Y、Ti、Zr、V、Nb、Cr及びWなる群より選ば
れた少なくとも一元素の酸化物、Cd、Zn、Ga、I
n、Sb、Ge、Sn、Pb、Bi、よりなる群より選
ばれた少なくとも一元素の硫化物またはセレン化物、M
g、Ce、Ca等のフッ化物、Si、Al、Ta、B等
の窒化物、B、Si等の炭化物、Tiなどのホウ化物、
ホウ素、炭素のうち保護膜として用いる材料と異なるも
のを用いることができる。金属あるいは半導体材料な
ど、記録再生用光に対して吸収を持つ材料を用いる場合
には、その膜厚が10nm以下であるのが好ましい。こ
の界面層は、必ずしも均一に形成される必要はなく、ア
イランド状に形成されていてもよい。
【0027】本発明の光情報記録媒体に用いる反射層
は、Au、Ag、Cu、Alあるいはこれらの元素のう
ち少なくとも1つを主成分とするものが、反射率が高い
という点で好ましい。これらの元素を単独で用いる場
合、反射率はきわめて高くなるが、熱伝導率が大きいた
め記録感度が低下する。これらの元素を主成分とし、他
の元素を少量添加したものは、反射率も高く且つ熱伝導
率もこれらの元素を単独で用いた場合に比べて小さくな
るので記録感度がよい。例えば、上記元素としてAuを
選んだ場合、添加元素として、Ti、Cr、Co、Ni
などが好ましく、Coが最も好ましい。添加元素の含有
量は10原子%以下が好ましい。上記元素の合金も用い
ることができる。たとえば、Au−Ag系合金、Au−
Cu系合金は、反射率と記録感度の点で上記Au合金と
同等以上の特性を示す。この場合、それぞれの含有量は
25〜75%が好ましい。また、上記した以外にもS
b、Bi、In、Te、Se、Si、Ge、Pb、G
a、As、Zn、Cd、Sc、Ti、V、Cr、Mn、
Fe、Co、Ni、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、R
u、Rh、Pd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、
Pt、ランタノイド元素、アクチノイド元素のうちの少
なくとも1つを主成分とする反射層を用いてもよく、ま
たこれらは添加元素として用いてもよい。
【0028】本発明の光情報記録媒体において、基板と
第1保護層の間に用いる金属層は上記の反射層と同様の
材料を用いることができる。この金属層として、特に反
射率が高く且つ熱伝導性がそれぞれの元素を単独で用い
た場合に比べて小さくなり、本発明の光記録媒体の記録
感度を向上させるという理由からAuCo合金が好まし
い。
【0029】本発明の光記録媒体においては、反射層の
記録層の側と反対側にさらに保護層を形成するのが好ま
しい。これは、例えば、ポリスチレン、ポリ4フッ化エ
チレン(テフロン)、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリ
オレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネート、エポキシ樹脂、ホットメルト接着剤として知ら
れているエチレン−酢酸ビニル共重合体等、及び粘着剤
や紫外線硬化樹脂などの有機物が用いられる。この有機
物層は基板であってもよい。もちろん、酸化物、弗化
物、窒化物、硫化物、セレン化物、炭化物、ホウ化物、
ホウ素、炭素、あるいは金属などを主成分とする無機物
も用いることができる。また、有機物と無機物からなる
2層以上の構成であってもよい。上記のような保護膜の
形成によって記録書き換え時の記録層の変形によるノイ
ズ増加を防止することができる。
【0030】本発明の記録媒体の上記の各層は、種々の
方法により形成し得、例えば、真空蒸着、ガス中蒸着、
スパッタリング、イオンビーム蒸着、イオンプレーティ
ング、電子ビーム蒸着、射出成形、キャスティング、回
転塗布、プラズマ重合などから適宜選択することができ
る。金属層、第1および第2保護層、記録層、反射層お
よび反射層に隣接した無機保護層は、再現性が良く、量
産性に優れるという理由からスパッタリングにより形成
するのが最も好ましい。
【0031】本発明の光記録媒体においては、記録層の
全面をあらかじめ結晶化させることによって初期化する
必要がある。基板に有機物を用いている場合には記録媒
体全体を高温にすることができないので、他の方法で記
録層を結晶化させる。その場合、一定時間の通電、スポ
ット径2μm以下まで集光したレーザ光の照射、キセノ
ンランプ、水銀ランプなどの紫外線照射と加熱、フラッ
シュランプよりの光の照射、高出力ガスレーザや高出力
半導体レーザからの大きな光スポットによる光の照射、
あるいは加熱とレーザ光照射との組み合わせなどを行う
のが好ましい。高出力ガスレーザや高出力半導体レーザ
からの光の照射の場合、光スポット径(半値幅)5μm
以上5mm以下とすると効率がよい。また、この場合、
光スポットの長手方向をトラックと直角にすると初期結
晶化に要する時間を短縮できる。結晶化は記録トラック
上のみで起こらせ、トラック間は非晶質のままとしても
よい。一方、たとえばGe、Te、Sb及びSeを主成
分とする薄膜を、複数の蒸発源からの回転蒸着によって
形成した場合、蒸着直後にはGe、Te、Sb及びSe
がほとんど結合していない場合が多い。また、スパッタ
リングによって形成した場合も原子配列が極めて乱れた
状態になる。このような場合は、まず、高いパワー密度
のレーザ光を記録トラック上に照射して、場合によって
は膜を融解させるのがよい。さらに記録トラック上に低
いパワー密度のレーザ光を照射し、結晶化させるのとト
ラック一周にわたっての反射率が均一になりやすい。こ
うして初期化された記録媒体にデータを記録するには、
光照射により記録層を、例えば、結晶状態から非晶質状
態への原子配列変化を起こさせることによって実行す
る。この際、記録層に大きな物理的な変形を生じさせる
ことのない照射時間及び光パワーで行われる。
【0032】本発明の記録媒体の形状は、ディスク状の
みならず、テープ状、カード状などの種々の形状にし得
る。
【0033】本発明の光記録媒体は、マークエッジ方式
により記録・再生が行われる記録媒体であることが好ま
しい。マークエッジ方式での記録・再生には記録マーク
端部位置の精度が要求され、本発明の相変化型材料では
記録時に記録マークの変形が極めて少ないからである。
【0034】記録膜のデータを書き替える場合、新しい
データは、既記録データが一旦消去した後に記録される
かあるいは直接重ね書きによって記録されるが、一般
に、同じ記録トラックに書かれていた古いデータ信号は
完全に消去することはできず、消え残りが発生すること
がある。消え残りは、非晶質あるいはそれに近い状態の
領域近くには少なく、結晶あるいはそれに近い状態の領
域近くに多く存在する。従って、これらの消え残りを消
去するには結晶あるいはそれに近い状態の領域近くから
の再生信号レベルを一定レベルに揃えてしまうか、ある
いは少なくとも変動を小さくするような処理を行えば消
え残りの影響を低減することができる。また、このよう
な消え残りはトラック中心部ではなく左右の側に偏在し
易いので、トラックに直角方向に配置した複数のディテ
クターのそれぞれへ入射する反射光には差が生じること
になる。一方、新たに記録した信号はトラックの左右の
側での対称性が良い。従って、トラックの片側のディテ
クターとその反対側のディテクターの信号の差を取り、
適当な倍数をかけてこれらの信号の和から差し引けば、
消え残りに基づく信号を小さくすることができる。これ
らの消え残り抑制方法は、結晶と非晶質間の相変化型材
料に限らず、相変化などの原子配列変化によって記録す
る他の材料に適用しても有効である。
【0035】本発明のように、非晶質状態等の準安定状
態の反射率を低くし且つ結晶状態等の安定状態の反射率
を高く設定すると、ダイレクトオーバーライトによって
新しく記録したマークに歪みが生じにくいという利点が
あるが、記録波形を工夫することによってさらに効果を
挙げることができる。例えば、矩形の記録波形を複数の
パルスに分割するマルチパルス記録方式では、記録マー
クの後端に熱が蓄積するのを防ぎ、記録マークの前端と
後端で対称性のよいマークを形成することができる。N
T(N=3〜11)のEFM信号を記録する際に、1T
ごとに1つのパルスをN個発生する方法や、(N−1)
個発生する方法は、簡単な回路でマルチパルス波形を作
ることができ且つ対称性が良くジッターの小さい記録マ
ークを形成することができる。この方法でパルス幅を全
てのパルスで一定とすると、極めて単純な回路でマルチ
パルスを発生することができるので、安価なドライブを
供給できるという利点を持つ。一方、パルス幅を変えた
い場合には、より対称性の高い記録マークを形成するこ
とが可能となる。パルス幅を変える方法としては、最初
のパルスのみを長くして温度上昇しにくいマーク前端部
の温度をすみやかに上昇させる方法や、後のパルスほど
パルス幅を長くする方法などがある。後のパルスを長く
する方法は、結晶化速度の速い記録膜を用いた媒体を低
線速(CD−ROMの標準線速〜倍速)で回転させて記
録を行う場合に特に効果がある。媒体を低線速で回転さ
せると記録層に熱が蓄積し易くなり、記録層の冷却時間
が長くなる。すると、非晶質記録マークを形成するため
に記録層を溶融しても、冷却中に結晶化がおこり記録マ
ークが形成できなくなる。このとき、マーク後端部に相
当する最後のパルス付近では、蓄熱しにくく冷却時間が
最も短いので、この部分のみが非晶質化され、対称性の
よい正常なマークが形成できなくなる。そこで、はじめ
の方のパルス幅を短くして熱の蓄積を防ぎ、記録層の冷
却時間を短くすれば非晶質化が正常に行われ、対称性の
よい記録マークの形成が可能になる。このようにパルス
幅を変化させる場合、その変化は連続的であってもよい
し不連続的であってもよい。さらに、それぞれのパルス
のパワーを変えてもよい。パワーを変える場合、先頭の
パルスほど高いパワーにして、それぞれのパルスのエネ
ルギーをほぼ一定にするのが好ましい。パルス幅のみあ
るいはパルス幅とパワーの両方を変える場合、記録を行
うマークのマーク長、直前及び直後の記録マークとの間
隔、直前及び直後の記録マーク長等の関数として、記録
マークが最適なるように予め決めておいてもよいし、媒
体の一部に試し書き領域を設けて、適宜その領域に試し
書きを行い、記録マークが最適となるようにその都度調
整してもよい。
【0036】また、新しい記録マークを形成する前に、
連続光による消去を行うと、より対称性の高い記録マー
クを形成することができる。連続光消去は、記録を行う
光ヘッドで行ってもよいし、それとは別の消去用ヘッド
で行ってもよい。また、連続光消去用の光の波長を記録
用のものと変えることもできる。この場合には、記録用
の半導体レーザとそれとは波長の異なる連続消去用の半
導体レーザを一つの対物レンズで集光してもよく、もち
ろん2つのヘッドを用いてもよい。
【0037】本発明の光記録媒体は、線速1.2m/s
以上で固相消去を行えることが好ましい。固相消去を行
えば消去時に記録膜が溶融しないので、記録層が流動、
偏析を起こしにくく、書換え回数が向上する。また、線
速1.2m/s以上で記録消去する場合は、その使用線
速以上で固相消去できる記録層を用いるのが好ましい。
また、本発明の相変化型光記録媒体は、CDプレーヤ等
で再生可能な媒体であるので、CDの再生時の線速度で
ある1.2〜1.4m/sと同じ線速度で記録できるこ
とがデータの読出の点で有利となる。
【0038】
【作用】請求項1の発明の光記録媒体によれば、記録層
の原子配列が安定状態にあるとき、すなわち記録媒体が
初期化状態にあるとき、記録媒体の反射率が40%と低
いため、記録層の光吸収率が大きくなり、記録を行う
際、少ないレーザパワーで高感度記録することが可能と
なる。また、古い情報の上に新しい情報を直接記録する
ダイレクトオーバライトを行う場合、記録マーク(非晶
質状態)の反射率を消去状態(結晶状態)の反射率より
高く設定しているので、古い記録マークの部分に照射さ
れた光は吸収されにくく、記録マークのなかった部分に
照射された光は吸収されやすい。図8に、従来の相変化
型の記録媒体において、古い記録マークの上に新しいマ
ークを記録する場合の反射率の分布35を示した。これ
まで、古いマーク31部分は反射率が低かったため、記
録時に高レーザパワーの光は、新しいマーク32が重な
る部分33に一層吸収されていた。さらに、熱伝導率は
記録マークが存在する非晶質部分が低いために、新しい
記録マークの先端部分33には熱が一層蓄積し易くな
る。この蓄積された熱は、部分33から徐々に拡散する
ため、記録マーク32の先端部分33が変形し易くな
る。これに対して、本発明では、記録マークと初期化部
分で反射率分布を反転しているために、古い記録マーク
と重なる新しい記録マーク部分33に熱が蓄積にくくな
る。一方、熱伝導率は記録マークの方が初期化されてい
る部分より小さいので、熱の蓄積が少ない部分33に熱
が留まり易く、逆に熱が蓄積された部分(マーク32の
部分33以外の領域)から熱が逃げ易くなる。この結
果、古い記録マークが残っていた部分とそうでない部分
にレーザ照射して新たな記録マークを形成しても、熱の
吸収率と伝導率による記録マークに与える影響が相殺さ
れて、マークの歪みが従来の相変化型記録媒体における
マークに比べて一層小さくなる。
【0039】本発明において上記のような反射率の条件
を満たすには、第1及び第2保護膜、並びに記録層の膜
厚及び屈折率を以下のように調整することで達成するこ
とができる。すなわち、第1保護層の屈折率n1 及び膜
厚d1 、第2保護層の屈折率n2 及び膜厚d2 、安定状
態にある記録層の屈折率nc 及び消衰係数kc 、準安定
状態にある記録層の屈折率na 及び消衰係数ka 、記録
層の膜厚dr 並びに記録・再生光の波長λに対して、
【0040】
【数5】 なる関係を同時に満たすように記録媒体を構成する。
【0041】式(1) は、波長λの光に対して、記録層が
非晶質状態のような準安定状態にある場合の方が、結晶
状態のような安定状態よりも光を吸収しにくい材料の条
件を示す。式(2) 及び(3) の左辺は、膜厚dr の記録層
を光が透過するとき、記録層に入射した光の振幅に対す
る記録層を透過した光の振幅の比を示す。式(2) におい
ては、記録層が準安定状態に有るときに、光が記録層を
透過する望ましい範囲を示している。図4に、この場合
の光記録媒体からの光の反射の様子を示す。比較的多く
の光量が記録層17を透過するために、記録媒体からの
反射光全体のうち、第2保護層18と反射層19との界
面からの反射光の寄与が大きい。従って、基板14と金
属層15との界面での反射光21(以下、反射光1とい
う)と第2保護層18と反射層19との界面での反射光
22(以下、反射光4という)との間で干渉作用を起こ
させることで、記録媒体全体の反射率を向上することが
できる。この干渉作用の影響を第1保護膜16と第2保
護膜18の膜厚との関係で調査してみたところ、第1保
護層16の膜厚と第2保護層18との膜厚の和が一定で
あれば記録媒体全体からの反射率は略一定になることが
わかった。すなわち、第1及び第2保護層の膜厚に対し
て、図5に示したような等反射率線23が書けることに
なる。ここで、簡単のため、記録層の膜厚、屈折率等を
一定と考え、第1保護層16と第2保護層18とを同じ
材料とした。
【0042】一方、式(3) は、記録層が安定状態にある
とき、記録層を透過する光量が所定の値以下にすべきで
あることを示す。すなわち、記録媒体全体からの反射光
のうち、記録層を透過する光の量を制限して、第2保護
層18と反射層19との界面からの反射光の影響を少な
くする。この条件を満たす材料では、図6に示したよう
に、基板14と金属層15との界面での反射光21(反
射光1)と第1保護層16と記録層17との界面での反
射光26(反射光2)との干渉が全体の反射率に大きな
影響を及ぼすことになる。全体の反射率に対する第1保
護層16及び第2保護層18の膜厚の関係を調べてみる
と、図7に示したような等反射率線を書くことができ、
記録媒体全体からの反射率は殆ど第1保護層16の膜厚
のみに依存している。
【0043】図5と図7とを重ねてみると、記録層が非
晶質状態であるときの全体の反射率Raが最大になるよ
うな等反射率線24と、記録層が結晶状態であるときの
全体の反射率Rcが最小になるような等反射率線25と
が交差する点があり、この点の周囲の比較的広い領域で
結晶と非晶質との間の反射率差を大きくとれることがわ
かる。従って、(2) 及び(3) 式を満足することで、第1
及び第2の保護層の膜厚に対して広いマージンを保ちな
がら、結晶と非晶質との間において反射率差を大きく取
れるようになる。
【0044】式(4) 〜(7) は、Ra が70%以上であり
且つRc が40%以下となるための条件を示している。
式(4) は、記録層が非晶質状態等の準安定状態にある場
合に、基板と金属層との界面での反射光(反射光1)と
第2保護層と反射層との界面での反射光(反射光4)と
が干渉して強め合う条件:
【0045】
【数6】 からのずれがλ/4以下であること示しており、この条
件が満たされるときに記録媒体からの反射率が70%以
上となることがわかった。なお、式中のΔ1は、光路差
を考慮しない場合の反射光1に対する反射光4の位相の
ずれを示している。Δ1は各層の材料や膜厚によって種
々の値をとることができ、絶対値として最大λ/2まで
の値を取り得るが、例えば、金属層と反射層にAuを主
成分とする材料、第1及び第2保護層に屈折率が2程度
の材料、記録層に非晶質状態の屈折率が4程度であり消
衰係数が1程度の材料を用いた場合、Δ1を計算すると
λ/20程度となる。それゆえ式(4) は、以下のように
なる。
【0046】
【数7】 このとき、N=1が最も好ましい。
【0047】式(5) は、記録層が結晶状態等の安定状態
にある場合に、基板と金属層との界面での反射光(反射
光1)と第1保護層と記録層との界面での反射光(反射
光2)とが干渉して弱め合う条件:
【0048】
【数8】 からのずれがλ/4以下である条件を示しており、この
条件を満足することで反射率40%以上となることがわ
かった。なお、式中のΔ2は、光路差を考慮しない場合
の反射光1に対する反射光2の位相のずれを示してい
る。Δ2は各層の材料や膜厚によって種々の値をとるこ
とができ、絶対値として最大λ/2までの値を取り得る
が、例えば、金属層と反射層にAuを主成分とする材
料、第1及び第2保護層に屈折率が2程度の材料、記録
層に結晶状態の屈折率が5.5程度、消衰係数が4程度
の材料を用いた場合、Δ2を計算するとλ/3程度とな
る。それゆえ、式(5) は、以下のようになる。
【0049】
【数9】 このとき、N=0が最も好ましい。
【0050】本発明の光記録媒体として、以下のような
材料、すなわち、 金属層及び反射層:Auを主成分とする材料 第1及び第2保護層:屈折率2の材料 記録層:非晶質状態の屈折率4、消衰係数1であり、結
晶状態の屈折率5.5、消衰係数4の記録材料のような
材料を用い、記録再生用として波長780nmのレーザ
光を用いたとき、上記条件式を満たすには各層の膜厚の
最も好ましい範囲は以下のようになる。 第1保護層:114〜211nm 記録層:4〜27nm 第1保護層と第2保護層の和:129〜250nm
【0051】次に、本発明の第2の態様に従う光記録媒
体、すなわち、記録層の原子配列が安定状態にあるとき
に記録媒体の反射率が70%以上であり、記録層の原子
配列が準安定状態にあるときに記録媒体の反射率が40
%以下であるような光記録媒体は、第1及び第2保護
膜、並びに記録層の膜厚及び屈折率を以下のように調整
することで達成することができる。第1保護層の屈折率
1 及び膜厚d1 、第2保護層の屈折率n2 及び膜厚d
2 、安定状態にある記録層の屈折率nc 及び消衰係数k
c 、準安定状態にある記録層の屈折率na 及び消衰係数
a 、記録層の膜厚dr 並びに記録・再生光の波長λに
対して、
【0052】
【数10】 なる関係を同時に満たすように記録媒体を構成する。
【0053】式(8) は、波長λの光に対して、記録層が
非晶質状態のような準安定状態にある場合の方が、結晶
状態のような安定状態よりも光を吸収しにくい材料の条
件を示す。式(9) 及び(10)の左辺は、前述の式(2) 及び
(3) と同様に、膜厚dr の記録層を光が透過するとき
に、記録層に入射した光の振幅に対する記録層を透過し
た光の振幅の比を示し、式(9) においては、記録層が準
安定状態にあるときに、光が記録層を透過する望ましい
範囲を示している。図4に、この場合の光記録媒体から
の光の反射の様子を示す。前述の場合と同様に、基板1
4と金属層15との界面での反射光1と第2保護層18
と反射層19との界面での反射光4との間で干渉作用を
起こさせることで、記録媒体全体の反射率を向上するこ
とができる。また、第1保護層16の膜厚と第2保護層
18との膜厚の和が一定であれば記録媒体全体からの反
射率は略一定になり、第1及び第2保護層の膜厚に対し
て、図5に示したような等反射率線23が書ける。ここ
でも、簡単のため、記録層の膜厚、屈折率等を一定と考
え、第1保護層16と第2保護層18とを同じ材料とし
た。
【0054】一方、式(10)は、式(3) と同様に、記録層
が安定状態にあるとき、記録層を透過する光量が所定の
値以下にすべきであることを示す。すなわち、記録媒体
全体からの反射光のうち、記録層を透過する光の量を制
限して、第2保護層18と反射層19との界面からの反
射光の影響を少なくする。この条件を満たす材料では、
図6に示したように、基板14と金属層15との界面で
の反射光21(反射光1)と第1保護層16と記録層1
7との界面での反射光26(反射光2)との干渉が全体
の反射率に大きな影響を及ぼすことになる。全体の反射
率に対する第1保護層16及び第2保護層18の膜厚の
関係は、前述の場合と同様に、図7に示したような等反
射率線により表され、記録媒体全体からの反射率は殆ど
第1保護層16の膜厚のみに依存する。
【0055】図5と図7との重ね合わせより、記録層が
非晶質状態であるときの全体の反射率Raが最大になる
ような等反射率線24と、記録層が結晶状態であるとき
の全体の反射率Rcが最小になるような等反射率線25
とが交差する点があり、この点の周囲の比較的広い領域
で結晶と非晶質との間の反射率差を大きくとれることが
わかる。従って、(9) 及び(10)式を満足することで、第
1及び第2の保護層の膜厚に対して広いマージンを保ち
ながら、結晶と非晶質との間において反射率差を大きく
取れる。
【0056】式(11)〜(14)は、Ra が40%以下であり
且つRc が70%以上となるための条件を示している。
式(11)は、記録層が非晶質状態等の準安定状態にある場
合に、基板と金属層との界面での反射光(反射光1)と
第2保護層と反射層との界面での反射光(反射光4)と
が干渉して弱め合う条件:
【0057】
【数11】 からのずれがλ/4以下であること示しており、この条
件が満たされるときに記録媒体からの反射率が40%以
下となることがわかった。なお、式中のΔ1は、光路差
を考慮しない場合の反射光1に対する反射光4の位相の
ずれを示している。Δ1は各層の材料や膜厚によって種
々の値をとることができ、絶対値として最大λ/2まで
の値を取り得るが、例えば、金属層と反射層にAuを主
成分とする材料、第1及び第2保護層に屈折率が2程度
の材料、記録層に非晶質状態の屈折率が4程度であり消
衰係数が1程度の材料を用いた場合、Δ1を計算すると
λ/20程度となる。それゆえ式(11)は、以下のように
なる。
【0058】
【数12】 このとき、N=0が最も好ましい。
【0059】式(12)は、記録層が結晶状態等の安定状態
にある場合に、基板と金属層との界面での反射光(反射
光1)と第1保護層と記録層との界面での反射光(反射
光2)とが干渉して強め合う条件:
【0060】
【数13】 からのずれがλ/4以下である条件を示しており、この
条件を満足することで反射率70%以上となることがわ
かった。なお、式中のΔ2は、光路差を考慮しない場合
の反射光1に対する反射光2の位相のずれを示してい
る。Δ2は各層の材料や膜厚によって種々の値をとるこ
とができ、絶対値として最大λ/2までの値を取り得る
が、例えば、金属層と反射層にAuを主成分とする材
料、第1及び第2保護層に屈折率が2程度の材料、記録
層に結晶状態の屈折率が5.5程度、消衰係数が4程度
の材料を用いた場合、Δ2を計算するとλ/3程度とな
る。それゆえ、式(12)は、以下のようになる。
【0061】
【数14】 このとき、N=0が最も好ましい。
【0062】本発明の光記録媒体として、以下のような
材料、すなわち、 金属層及び反射層:Auを主成分とする材料 第1及び第2保護層:屈折率2の材料 記録層:非晶質状態の屈折率4、消衰係数1であり、結
晶状態の屈折率5.5、消衰係数4の記録材料のような
材料を用い、記録再生用として波長780nmのレーザ
光を用いたとき、上記条件式を満たすには各層の膜厚の
最も好ましい範囲は以下のようになる。 第1保護層:16〜114nm 記録層:11〜43nm 第1保護層と第2保護層の和:134nm以下
【0063】
【実施例】
実施例1 本発明に従い、記録層の原子配列が安定状態にあるとき
に記録媒体の反射率が40%以下であり、記録層の原子
配列が準安定状態にあるときに記録媒体の反射率が70
%以上であるような光記録媒体を以下のようにして作製
した。直径120mm、厚さ1.2mmのポリカーボネ
ート樹脂板の表面に、幅0.8μm、深さ20nmのU
字型の案内溝が1.6μmピッチであらかじめ形成され
た基板を用意した。この基板を、複数のスパッタ室を持
ち、膜厚の均一性及び再現性に優れたマグネトロンスパ
ッタリング装置内の第1のスパッタ室内に配置した。タ
ーゲットとしてAuCo合金を用い、スパッタガスとし
てアルゴンガスを用いて基板上に厚さ18nmのAu97
Co3 金属層を形成した。次いでこの基板を、第2のス
パッタ室に移動した後、ターゲットをZnSとSiO2
の混合物として、アルゴンガス中で厚さ135nmの
(ZnS)80(SiO2 20(モル%)第1保護層を形
成した。同様にして、第3のスパッタ室内で、ターゲッ
トをGeTeSbSe焼結体として、アルゴンガス中で
厚さ10nmのGe43Te41Sb7 Se9 記録層を形成
した。次いで、第4のスパッタ室内でターゲットをZn
SとSiO2 の混合物として、アルゴンガス中で、厚さ
30nmの(ZnS)80(SiO2 20第2保護層を形
成した。最後に、第5のスパッタ室内で、ターゲットを
AuCo合金として、アルゴンガス中で、厚さ35nm
のAu97Co3 反射層を形成した。積層された基板をス
パッタリング装置から取り出し、最上層の上に紫外線硬
化樹脂保護層をスピンコートした。こうして得られた光
記録媒体の断面図を図1に示す。本実施例の光記録媒体
は、ポリカーボネート基板1上に、Au−Co系金属層
2、ZnS−SiO2 系第1保護層3、Ge−Te−S
b−Se系記録層4、ZnS−SiO2 系第2保護層
5、Au−Co系反射層6、及び紫外線硬化樹脂保護層
7が順次積層されてなる。
【0064】各層を形成する材料の、波長780nmの
光に対する屈折率及び消衰係数を測定した。結果を以下
に示す: Au97Co3 金属層及びAu97Co3 反射層:0.34
5−5.069i (ZnS)80(SiO2 20第1及び第2保護層:2.
0−0.0i Ge43Te41Sb7 Se9 記録層:4.14−0.89
i(非晶質) 5.52−3.80i(結晶) ここで、屈折率及び消衰係数を分光エリプソメータによ
り測定した。また、記録層については透過率と反射率の
値からMale法によっても算出した。
【0065】上記のように作製したディスクを、ドライ
ブ装置にて線速1.2m/sで回転させながら、波長7
80nmの半導体レーザ光を用いて、自動焦点合わせを
行った。この際、レーザ光強度を記録が行われない程度
に保ち、記録ヘッド中のレンズで集光した後、基板を通
して記録層に照射してその反射光を検出することによっ
て記録層上に焦点が来るように調整した。このようにし
て自動焦点合わせを行いながら、さらに案内溝の中心に
光スポットの中心が常に一致するようにヘッドを駆動し
てトラッキングを行った。このとき、特別に作製した案
内溝のない部分での反射率は74%、案内溝の部分での
反射率は70%であった。
【0066】次いで、トラッキングを行いながら、9m
Wのレーザ光を連続的に照射することによって記録トラ
ック上の記録層を加熱し、各元素を反応及び結晶化させ
て記録層の初期化を行った。初期化後の反射率は、案内
溝のない部分で25%、案内溝の部分で21%であっ
た。このとき、記録層には大きな物理的な変形は認めら
れなかった。
【0067】次いで、ディスクの線速を1.2m/sに
保って、11Tの繰り返し信号を、15mWのレーザ光
パワーで記録したところ、記録部分の反射率は70%に
上昇した。信号変調度を記録部分の反射率(信号強度)
に対する記録部分と未記録部分の反射率の差(信号強度
差)と定義すると、このとき得られた信号変調度は70
%となった。こうして一度記録されたトラック上に、3
Tの繰り返し信号をオーバライト記録した。この際、記
録、消去及び再生を図2に示すようなオーバライト波形
で行った。記録パワーは、最初の記録時と同様に15m
Wとし、消去パワー及び再生パワーはそれぞれ、9mW
及び1mWとした。3T信号記録時の信号変調度45%
が得られた。この際、11T信号の消去比は30dBで
あった。
【0068】上記のようにして作製したディスクを、9
mWの連続光で初期化後、まず3T信号を記録し、その
後11T信号をオーバライトした場合も、同様の信号変
調度及び3T信号の消去比が得られた。さらにこのオー
バライト操作を、1000回繰り返したが、その後のこ
れらの値はほとんど変化しなかった。消去パワーを12
mWに上げて溶融消去を行った場合、オーバーライト回
数が10回後、消去比が25dB以下に低下し、11T
の信号の変調度も50%となった。
【0069】次いで、レーザパワーを15mWと9mW
との間で変調して、EFM信号を記録し、これを波長7
80nmの光ヘッドを有するCD−ROMテスタに装着
し、ブロックエラー率(BLER)を測定した。このと
きのC1エラー率は0.3%と良好な値を示した。
【0070】上記と同じ実験を、記録パルスを複数のパ
ルスに分割して行った。まず、11T信号を記録する場
合には、パルス幅77nsのパルスを231ns周期で
11個発生させることによって行い、3T信号を記録す
る場合には、同じパルスを同じ周期で3個発生させるこ
とによって行った。この方法で記録を行うと、記録マー
クの対称性が増し、ジッターが減少した。また、この方
法において、図9に示した記録パルス波形のように、パ
ルスの数を1個減少させ、1つのパルスから次のパルス
までの間のレーザパワーを0mWあるいは再生光のパワ
ー近くまで下げることにより、さらにジッターが減少
し、C1エラー率が減少する効果があった。また、各パ
ルスのパルス幅を変え、先頭パルスに近い程パルス幅を
短くすると、再結晶を防止する効果が確認された。この
とき、先頭パルスに近いほどパワーを大きくするとさら
に効果があった。9mWの連続光で消去を行った後、ダ
イレクトオーバーライトによって新しい情報を書き込ん
だところ、連続光消去を行わない場合に比べてジッター
が減少した。
【0071】上記のディスクにおいて記録層の膜厚と第
1保護層の膜厚を保持したまま、第2保護層の膜厚を表
1のように変化させて種々のディスクを作製した。各デ
ィスク反射率及び記録に必要なレーザ光パワーは表1の
ように変化した。
【0072】
【表1】
【0073】また、上記のディスクにおいて、記録層の
膜厚と第2保護層の膜厚を、それぞれ、10nm及び3
0nmに維持し、第1保護層の膜厚を表2のように変化
させて種々のディスクを上記実施例の操作に従って作製
した。得られた各ディスクの反射率を表2に示す。
【0074】
【表2】
【0075】また、上記のディスクにおいて、第1及び
第2保護層の膜厚を、それぞれ、135nm及び30n
mに維持したまま、記録層の膜厚を表3のように変化し
て種々のディスクを上記実施例の操作に従って作製し
た。得られた各ディスクの反射率は表3に示す。
【0076】
【表3】
【0077】以上のことより、前述の式(2) 及び(5) を
満たす範囲の膜厚に設定すると、非晶質状態の反射率7
0%以上、結晶状態の40%以下を実現でき且つ感度良
く記録できることがわかる。なお、記録感度の点から、
第2保護層の膜厚は、好ましくは5nm以上、さらに好
ましくは10nm以上、最も好ましくは20nm以上で
ある。
【0078】上記の実験に用いた記録層のGeの含有量
を40%から60%、Teの含有量を45%から59
%、SbとSeの含有量の和を1から20%の間で種々
の範囲で変えた場合に上記とほぼ同様の結果が得られ
た。
【0079】また、GeとTeの含有量を一定に保っ
て、SbとSeの含有量の和を以下の範囲で変えて一回
のレーザ光照射で固相消去が可能な最大の線速を調べ
た。
【0080】
【表4】
【0081】次に、SbとSeの合計含有量を以下の範
囲で変え、線速1.2m/sで3T信号と11T信号を
記録パワー15mW,消去パワー9mWで交互に100
0回書換えて、消去比を調べた。
【0082】
【表5】
【0083】なお、SbとSeの合計含有量が30原子
%のものは溶融消去をしなければならず、書換え回数1
0回で消去比が5dB以上低下した。また、上記の範囲
において消去パワーを上げて溶融消去を行った場合には
SbとSeの合計含有量にかかわらず、書換え回数10
回で消去比が5dB以上低下した。
【0084】記録層と保護層の間に、記録層に接した少
なくとも一方に界面層としてAu,Ti,W,CO,C
r,Mo,Si,Ge等の高融点金属元素や半導体元素
及びこれらの合金材料,Si,Al,Y,Zr等の酸化
物,Zn,Pbなどのセレン化合物や硫化物,Si,A
l,Ta等の窒化物,Mg等のフッ化物,B,Si等の
炭化物等からなる層を設けたところ、書換え回数を向上
する効果があった。この界面層を、アイランド状に形成
しても同様の効果が確認された。
【0085】また、上記実施例において、記録層を2層
に分割するように、記録層中に中間層として前記の界面
層と同様の材料からなる層を設けたところ、記録層の冷
却時間の制御、結晶化過程の制御等を行うを効果がみら
れた。また、記録パワーの大小によって、中間層によっ
て分けられた2層の記録層のうち、片方のみに情報を記
録したり、両方に記録したりすることで、1つの記録ビ
ットに複数の情報を持たせることができた。
【0086】上記実施例において、記録層中に極めて小
さい針状磁性体であるα−Fe,フェライト,バリウム
フェライト,マンガンジンクフェライト,α−FeOO
H,α−FeO(OH),α−Fe2 3 ,γ−Fe2
3 ,Fe3 4 ,Co−Ni,Co−Cr,CoOま
たはCo−Pt等を均一に分散または析出させたとこ
ろ、これらを核として結晶化が促進され、また、外部磁
場中で記録を行ったときに、外部磁場ゼロで記録した場
合と異なる構造の結晶状態あるいは非晶質状態を造るこ
とができた。
【0087】本発明の記録媒体の記録層は、単一の円形
光スポットによるオーバーライトが可能であるが、これ
らの記録層に、一旦消去した後記録を行うか、あるいは
重ね書きによって記録書き換えを行う場合、同じ記録ト
ラックに前に書かれていた信号の消え残りが発生するこ
とがある。消え残りは、前記のように結晶領域近くから
の再生信号レベルを一定レベルに揃えることによって低
減することができた。また、トラックの片側からの反射
光を検出するのディテクターとその反対側のディテクタ
ーの信号の差を取り、適当な倍数をかけてこれらの信号
の和から差し引くことによって、消え残り成分を小さく
することができた。
【0088】本実施例で得られた記録媒体から記録層部
分のみを取り出して60℃相対湿度95%の条件下に1
000時間置いて耐酸化性試験を実施した。1000時
間後の記録層部分はほとんど酸化されていなかった。
【0089】実施例2 本発明に従い、記録層の原子配列が安定状態にあるとき
に記録媒体の反射率が70%以上であり、記録層の原子
配列が準安定状態にあるときに記録媒体の反射率が40
%以下であるような光記録媒体を以下のようにして作製
した。直径120mm、厚さ1.2mmのポリカーボネ
ート樹脂板の表面に、幅0.8μm、深さ20nmのU
字型の案内溝が1.6μmピッチであらかじめ形成され
た基板を用意した。この基板を、実施例1で用いたマグ
ネトロンスパッタリング装置内の第1のスパッタ室内に
配置した。ターゲットとしてAuCo合金を用い、スパ
ッタガスとしてアルゴンガスを用いて基板上に厚さ14
nmのAu97Co3 金属層を形成した。次いでこの基板
を、第2のスパッタ室に移動した後、ターゲットをZn
SとSiO2 の混合物として、アルゴンガス中で厚さ2
5nmの(ZnS)80(SiO2 20(モル%)第1保
護層を形成した。同様にして、第3のスパッタ室内で、
ターゲットをGeTeSbSe焼結体として、アルゴン
ガス中で厚さ20nmのGe43Te41Sb7 Se9 記録
層を形成した。次いで、第4のスパッタ室内でターゲッ
トをZnSとSiO2 の混合物として、アルゴンガス中
で、厚さ30nmの(ZnS)80(SiO2 20第2保
護層を形成した。最後に、第5のスパッタ室内で、ター
ゲットをAuCo合金として、アルゴンガス中で、厚さ
35nmのAu97Co3 反射層を形成した。積層された
基板をスパッタリング装置から取り出し、最上層の上に
紫外線硬化樹脂保護層をスピンコートした。
【0090】こうして得られた光記録媒体は、図3に示
した断面構造を有し、ポリカーボネート基板1上に、A
u−Co系金属層2、ZnS−SiO2 系第1保護層
3、Ge−Te−Sb−Se系記録層4、ZnS−Si
2 系第2保護層5、Au−Co系反射層6、及び紫外
線硬化樹脂保護層7が順次積層されてなる。各層を形成
する材料の、波長780nmの光に対する屈折率及び消
衰係数は、実施例1と同様の手法で測定したところ、実
施例1と同様の結果が得られた。
【0091】上記のように作製したディスクを、実施例
1と同様にして自動焦点合わせ及びトラッキングを行っ
た。このとき、特別に作製した案内溝のない部分での反
射率は20%、案内溝の部分での反射率は18%であっ
た。
【0092】次いで、トラッキングを行いながら、17
mWのレーザ光を連続的に照射することによって記録ト
ラック上の記録層を加熱し、各元素を反応及び結晶化さ
せて記録層の初期化を行った。初期化後の反射率は、案
内溝のない部分で72%、案内溝の部分で70%であっ
た。このとき、記録層には大きな物理的な変形は認めら
れなかった。
【0093】次いで、ディスクの線速を1.2m/sに
保って、11Tの繰り返し信号を、34mWのレーザ光
パワーで記録したところ、記録部分の反射率は27%に
低下した。信号変調度を、未記録部分の反射率(信号強
度)に対する記録部分と未記録部分の反射率の差(信号
強度差)と定義すると、このとき得られた信号変調度は
61%となった。こうして一度記録されたトラック上
に、3Tの繰り返し信号をオーバライト記録した。この
際、記録、消去及び再生を図2に示すようなオーバライ
ト波形で行った。但し、この実施例では、記録パワーは
最初の記録時と同様に34mWとし、消去パワー及び再
生パワーはそれぞれ15.5mW及び1mWとした。3
T信号記録時の信号変調度40%が得られた。この際、
11T信号の消去比は30dBであった。
【0094】上記のようにして作製したディスクを、1
7mWの連続光で初期化後、まず3T信号を記録し、そ
の後11T信号をオーバライトした場合も、同様の信号
変調度及び3T信号の消去比が得られた。さらにこのオ
ーバライト操作を、1000回繰り返したが、その後の
これらの値はほとんど変化しなかった。消去パワーを2
0mWに上げて溶融消去を行った場合、オーバーライト
回数が10回後、消去比が25dB以下に低下し、11
Tの信号の変調度も50%となった。
【0095】次いで、レーザパワーを34mWと15.
5mWとの間で変調して、EFM信号を記録し、これを
波長780nmの光ヘッドを有するCD−ROMテスタ
に装着し、ブロックエラー率(BLER)を測定した。
このときのC1エラー率は0.3%と良好な値を示し
た。
【0096】上記と同じ実験を、実施例1と同様にして
記録パルスを複数のパルスに分割して行った。この結
果、記録マークの対称性が増し、ジッターが減少するこ
とがわかった。また、この方法においてパルスの数を1
個減少させたり、1つのパルスから次のパルスまでの間
のレーザパワーを0mWあるいは再生光のパワー近くま
で下げることにより、さらにジッターが減少し、C1エ
ラー率が減少する効果があった。また、各パルスのパル
ス幅を変え、先頭パルスに近い程パルス幅を短くする
と、再結晶を防止する効果が確認された。このとき、先
頭パルスに近いほどパワーを大きくするとさらに効果が
あった。17mWの連続光で消去を行った後、ダイレク
トオーバーライトによって新しい情報を書き込んだとこ
ろ、連続光消去を行わない場合に比べてジッターが減少
した。
【0097】上記の実験に用いた記録層のGeの含有量
を40%から60%、Teの含有量を45%から59
%、SbとSeの含有量の和を1から20%の間で種々
の範囲で変えた場合に上記とほぼ同様の結果が得られ
た。
【0098】また、GeとTeの含有量を一定に保っ
て、SbとSeの含有量の和を以下の範囲で変えてレー
ザ光一回の照射で固相消去が可能な最大の線速を調べ
た。
【0099】
【表6】
【0100】次に、SbとSeの合計含有量を以下の範
囲で変え、線速1.2m/sで3T信号と11T信号を
記録パワー34mW,消去パワー15.5mWで交互に
1000回書換えて、消去比を調べた。
【0101】
【表7】
【0102】なお、SbとSeの合計含有量が30原子
%のものは溶融消去をしなければならず、書換え回数1
0回で消去比が5dB以上低下した。また、上記の範囲
において消去パワーを上げて溶融消去を行った場合には
SbとSeの合計含有量にかかわらず、書換え回数10
回で消去比が5dB以上低下した。
【0103】実施例1と同様に、記録層と保護層の間
に、記録層に接した少なくとも一方に界面層としてA
u,Ti,W,CO,Cr,Mo,Si,Ge等の高融
点金属元素や半導体元素及びこれらの合金材料,Si,
Al,Y,Zr等の酸化物,Zn,Pbなどのセレン化
合物や硫化物,Si,Al,Ta等の窒化物,Mg等の
フッ化物,B,Si等の炭化物等からなる層を設けたと
ころ、書換え回数を向上する効果があった。この界面層
を、アイランド状に形成しても同様の効果が確認され
た。
【0104】また、本実施例において、記録層を2層に
分割するように、記録層中に中間層として前記の界面層
と同様の材料からなる層を設けたところ、記録層の冷却
時間の制御、結晶化過程の制御等を行うを効果がみられ
た。また、記録パワーの大小によって、中間層によって
分けられた2層の記録層のうち、片方のみに情報を記録
したり、両方に記録したりすることで、1つの記録ビッ
トに複数の情報を持たせることができた。
【0105】本実施例において、記録層中に極めて小さ
い針状磁性体であるα−Fe,フェライト,バリウムフ
ェライト,マンガンジンクフェライト,α−FeOO
H,α−FeO(OH),α−Fe2 3 ,γ−Fe2
3 ,Fe3 4 ,Co−Ni,Co−Cr,CoOま
たはCo−Pt等を均一に分散または析出させたとこ
ろ、これらを核として結晶化が促進され、また、外部磁
場中で記録を行ったときに、外部磁場ゼロで記録した場
合と異なる構造の結晶状態あるいは非晶質状態を造るこ
とができた。
【0106】本実施例の光記録媒体においても、実施例
1で説明したような手法で、単一の円形光スポットによ
るオーバーライトの際に生じる信号の消え残り成分を小
さくすることができた。
【0107】実施例2で得られた記録媒体から記録層部
分のみを取り出して60℃相対湿度95%の条件下に1
000時間置いて耐酸化性試験を実施した。1000時
間後の記録層部分はほとんど酸化されていなかった。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低レーザパワーでも高感度で記録でき且つ記録の書き換
えも極めて多数回可能な光記録媒体を得ることができ
た。本発明の記録媒体は、反射率及び信号変調度の点で
CD規格を満足するため、CDプレーヤやCD−ROM
ドライブでの再生が可能となる。本発明の相変化型記録
媒体は記録時に記録マークの変形が極めて少ないため、
マークエッジ方式の記録・再生に好適である。また、本
発明の相変化型記録媒体は、記録層に特定の組成のGe
−Te−Sb−Se系材料を選択したため、CD規格の
再生時の線速度と同じ線速度で記録することができ、C
DプレーヤやCD−ROMドライブでデータの読出が容
易となる。本発明の光記録媒体は耐久性にも優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られた光記録媒体の構造
を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例におけるオーバライト用記録レ
ーザ波形を示す図である。
【図3】本発明の実施例2で得られた光記録媒体の構造
を示す断面図である。
【図4】記録層が非晶質状態にある場合の反射の様子を
示す概念図である。
【図5】図4の反射が支配的である場合に、第1保護膜
及び第2保護膜の膜厚に対する反射率を示すグラフであ
る。
【図6】記録層が結晶状態にある場合の反射の様子を示
す概念図である。
【図7】図6の反射が支配的である場合に、第1保護膜
及び第2保護膜の膜厚に対する反射率を示すグラフであ
る。
【図8】古い記録マーク上に新しい記録マークが重ね書
きされる場合の記録レーザ光の反射率とレーザパワーを
示す。
【図9】本発明の実施例おいて光記録媒体に11T及び
3T信号をオーバライト記録する際に用いたパルス信号
波形を示す図である。
【符号の説明】
1 ポリカーボネート基板 2 Au−Co系金属層 3 ZnS−SiO2 系第1保護層 4 Ge−Te−Sb−Se系記録層 5 ZnS−SiO2 系第2保護層 6 Au−Co系反射層 7 紫外線硬化樹脂保護層 8 ポリカーボネート基板 9 ZnS−SiO2 系透明層とSiO2 系透明層から
なる第1保護層 10 Ge−Te−Sb−Se系記録層 11 ZnS−SiO2 系第2保護層 12 Au−Co系反射層 13 紫外線硬化樹脂保護層 21 反射光1 22 反射光4 23 等反射率線 24 最大反射率を示す等反射率線 25 最小反射率を示す等反射率線 26 反射光2 31 古い記録マーク 32 新しい記録マーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G11B 7/00 7416−2H B41M 5/26 X (72)発明者 太田 憲雄 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、金属層、第1保護層、記録
    層、第2保護層及び反射層を備え且つ記録層の原子配列
    が安定状態から準安定状態に変化することによって記録
    が行われ、準安定状態から安定状態に変化することによ
    って初期化及び消去が行われる光記録媒体において、 記録層がGe、Te、Sb及びSeを主成分とする材料
    から構成され、記録層の膜厚方向の平均組成が、原子%
    で表して、 Ge≧40%、及び、Sb+Se≦25% を満足し、且つ、 記録層の原子配列が安定状態にあるときに記録媒体の反
    射率が再生光に対して40%以下であり、記録層の原子
    配列が準安定状態にあるときに記録媒体の反射率が再生
    光に対して70%以上であることを特徴とする光記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 第1保護層の屈折率n1 及び膜厚d1
    第2保護層の屈折率n2 及び膜厚d2 、安定状態にある
    記録層の屈折率nc 及び消衰係数kc 、準安定状態にあ
    る記録層の屈折率na 及び消衰係数ka 、記録層の膜厚
    r 並びに記録・再生光の波長λに対して、 【数1】 なる関係を満足する請求項1の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 基板上に、金属層、第1保護層、記録
    層、第2保護層及び反射層を備え且つ記録層の原子配列
    が安定状態から準安定状態に変化することによって記録
    が行われ、準安定状態から安定状態に変化することによ
    って初期化及び消去が行われる光記録媒体において、 記録層がGe、Te、Sb及びSeを主成分とする材料
    から構成され、記録層の膜厚方向の平均組成が、原子%
    で表して、 Ge≧40%、及び、Sb+Se≦25% を満足し、且つ、 記録層の原子配列が安定状態にあるときに記録媒体の反
    射率が再生光に対して70%以上であり、記録層の原子
    配列が準安定状態にあるときに記録媒体の反射率が再生
    光に対して40%以下であることを特徴とする光記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 第1保護層の屈折率n1 及び膜厚d1
    第2保護層の屈折率n2 及び膜厚d2 、安定状態にある
    記録層の屈折率nc 及び消衰係数kc 、準安定状態にあ
    る記録層の屈折率na 及び消衰係数ka 、記録層の膜厚
    r 並びに記録・再生光の波長λに対して、 【数2】 なる関係を満足する請求項3の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記記録層の膜厚方向の平均組成が、原
    子%で表して、 40%≦Ge≦64% 45%≦Te≦59% 1%≦Sb+Se≦20% Sb<Se なる関係を満足することを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか一項の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記記録層に、Ge,Te,Sb,Se
    以外の元素を、10原子%以下の割合で含むことを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか一項の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 上記記録層の膜厚方向の平均組成が、原
    子%で表して、 40%≦Ge≦55% 35%≦Te≦50% 5%≦Sb+Se≦20% Sb<Se なる関係を満足することを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれか一項の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 上記記録層の膜厚方向の平均組成が、原
    子%で表して、 40%≦Ge≦50% 35%≦Te≦45% 10%≦Sb+Se≦20% Sb<Se なる関係を満足することを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれか一項の光記録媒体。
  9. 【請求項9】 上記金属層が、AuCo合金から構成さ
    れていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項
    の光記録媒体。
  10. 【請求項10】 上記反射層が、AuCo合金から構成
    されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一
    項の光記録媒体。
  11. 【請求項11】 記録時に、2.8m/sec 以下の線速
    度で記録される請求項1〜10のいずれか一項の光記録
    媒体。
  12. 【請求項12】 記録時に、1.4m/sec 以下の線速
    度で記録される請求項1〜11のいずれか一項の光記録
    媒体。
  13. 【請求項13】 マークエッジ方式により記録・再生が
    行われる請求項1〜12のいずれか一項の光記録媒体。
  14. 【請求項14】 上記安定状態が結晶状態であり、準安
    定状態が非結晶状態である相変化型の光記録媒体である
    請求項1〜13のいずれか一項の光記録媒体。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19980059949A (ko) * 1996-12-31 1998-10-07 구자홍 상변화형 광디스크 및 그의 제조방법
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