JPH08325759A - 表面処理装置 - Google Patents

表面処理装置

Info

Publication number
JPH08325759A
JPH08325759A JP7156968A JP15696895A JPH08325759A JP H08325759 A JPH08325759 A JP H08325759A JP 7156968 A JP7156968 A JP 7156968A JP 15696895 A JP15696895 A JP 15696895A JP H08325759 A JPH08325759 A JP H08325759A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode body
frequency power
power supply
plasma
high frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7156968A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3425009B2 (ja
Inventor
Kojin Nakagawa
行人 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Anelva Corp
Original Assignee
Anelva Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Anelva Corp filed Critical Anelva Corp
Priority to JP15696895A priority Critical patent/JP3425009B2/ja
Publication of JPH08325759A publication Critical patent/JPH08325759A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3425009B2 publication Critical patent/JP3425009B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Plasma Technology (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型の電極を使用する場合や高い周波数の高
周波電力を使用する場合でも、プラズマ密度が不均一化
することがなく、均一な表面処理が行えるようする。 【構成】 真空容器1内に配置された電極体3に複数の
電力供給箇所で高周波電力を印加し放電用ガスを放電さ
せてプラズマを生成する。電極体3はプラズマを生成す
る空間に対向した表面の周縁上の任意の二点のうちの最
も距離の長い二点間の距離が高周波電力の波長の四分の
一よりも長い形状であり、かつ、電極体3への複数の電
力供給箇所は例えば中心対称状のように均等な位置に設
定される。電極体3の表面インピーダンスによる損失が
小さくかつ損失が均一になり、高周波電力の波長の影響
によるプラズマの不均一性も生じないので、高い密度の
均一なプラズマを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願の発明は、プラズマを利用し
て基板の表面に所定の処理を施す表面処理装置に関し、
特に、高周波電力により生じさせた気体放電によってプ
ラズマを生成するタイプの表面処理装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】基板の表面に各種処理を施すことは、L
SI(大規模集積回路)、LCD(液晶ディスプレ
イ)、情報記録ディスク等の製作において盛んに行われ
ている。表面処理の種類は、薄膜形成、エッチング、表
面改質など多岐に亘るが、多くの場合、プラズマの物理
的又は化学的作用を利用した表面処理が行われている。
このような表面処理のためのプラズマ生成の方式には、
いつかのタイプが存在するが、高密度プラズマを高効率
で得る観点から、高周波電力により生じさせた気体放電
を使用する方式が頻繁に採用されている。
【0003】図5は、このような高周波電力による気体
放電を使用した従来の表面処理装置の構成を説明する概
略図である。図5に示す表面処理装置は、排気系11を
備えた真空容器1と、真空容器1内に放電用ガスを導入
する放電用ガス導入系2と、真空容器1内の所定の位置
に配置された電極体3と、この電極体3に高周波電力を
印加して放電用ガスを放電させてプラズマを生成する電
力印加機構4とを具備している。
【0004】電力印加機構4は、高周波を発生させる高
周波電源41と、高周波電源41が発生させた高周波電
力を真空容器1内の電極体3に導く導波体42と、導波
体42上に配置された整合器43等から構成される。基
板50は、多くの場合、プラズマが生成される空間(以
下、プラズマ生成空と略称する)を挟んで電極体3に対
向して配置された基板ホルダ5上に保持される。
【0005】図5の表面処理装置において、排気系11
によって排気された真空容器1内に放電用ガス導入系2
によって放電用ガスを導入するとともに、電力印加機構
4によって電極体3に所定の高周波電力を印加する。導
入された放電用ガスは電極体3に誘起された高周波の電
界によって放電し、プラズマを生成する。そして、生成
されたプラズマの物理的又は化学的作用によって、基板
5の表面に所定の処理が施される。例えば放電用ガスと
してエッチング作用を有するガスを導入すれば、基板5
の表面に所定のエッチング処理が行われることになる。
尚、印加される高周波電力は、HF帯に属する13.5
6MHzの周波数のものが採用されることが多い。ま
た、ECR(電子サイクロトロン共鳴)を利用してプラ
ズマを生成する装置では、2.54GHzのマイクロ波
が使用される場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような表面処理
装置の一つの傾向として、処理される基板の大型化とい
う点がある。これは、例えばLCD用の基板の場合、表
示面積の大きなLCDを製作する必要から、基板が大型
化する傾向がある。また、LSI用のウエハの分野で
も、一枚のウエハから多くのデバイスを製作する要請
上、ウエハサイズは大きくなる傾向にある。このように
大型の基板の表面をプラズマによって処理する場合、基
板の表面の大きさに対応した大きなプラズマ生成空間が
必要になる。このことは、上記のような電極体を使用し
た表面処理装置では、基板の大型化に従って電極体も大
きくしていかなければならないことを意味する。
【0007】しかしながら、発明者の研究によると、上
述のような高周波電力を使用した装置において電極体が
大きくなると、高周波電力の波長に対する電極体の大き
さの相対的な関係から、生成されるプラズマの分布が不
均一になり易いことが判明した。即ち、電極体のプラズ
マ生成空間に対向した表面(以下、前面と称す)の大き
さが、高周波電力の波長よりも充分小さい場合には、高
周波電力の波長に起因するプラズマ密度の不均一性の問
題は生じない。しかし、電極体の前面の大きさが高周波
電力の波長の四分の一の長さ(以下、λ/4)に近づく
と、プラズマ密度の不均一性の問題が徐々に顕在化す
る。これは、電極体によってプラズマ生成空間に誘起さ
れる電界の強度が高周波電力の波長に応じた強弱の分布
を有することに起因している。発明者の検討によると、
電極体が大きくなり前面の大きさがλ/4を越えてしま
うと、上記従来装置の構成では実用上かなり問題となる
プラズマ密度不均一性となってしまう。
【0008】一方、アモルファスシリコン薄膜等を作成
する表面処理の分野では、良質な薄膜を得るため、上述
のようなHF帯の高周波ではなく、VHF帯の高周波の
使用が提案されている(S.Oda, Plasma
Sources Sci.Technol., 2
(1993) 26)。この提案によると、13.56
MHzの場合と同じ大きさの電圧を144MHzの高周
波で印加することによって成膜速度は13.56MHz
の場合の約30倍となり、かつ膜中のSiH2結合の現
象により膜質が向上し、さらにSiの微粒子の生成も防
ぐことが可能であると報告されている。
【0009】しかしながら、144MHz程度のVHF
帯の高周波を使用すると、上記のようなプラズマ密度の
不均一性の問題は避けられなくなる。即ち、例えばTF
Tアクティブマトリックス型LCDを製作する際のアモ
ルファスシリコン薄膜の作成では、500mm×600
mm程度の方形な板状の電極体が使用される。一方、1
44MHzの高周波電力の波長は2.1m程度となり、
従って、λ/4は500mm程度となる。この数字は、
前記電極体の前面の大きさにほぼ等しくなる。このた
め、上記文献で提案されているような144MHzの高
周波を従来の装置に適用した場合には、前述のように不
均一なプラズマが生成されてしまう。
【0010】また一方、上記文献のようなVHF帯の高
周波を使用したプラズマでは、表皮効果に起因した電極
体の表面インピーダンスの問題も顕在化する。即ち、V
HF帯のように周波数が高くなると、高周波電流は導体
表面付近のみを流れるようになる。電流が流れる導体表
面付近の領域の厚さ(以下、表皮厚み)δは、δ=√
{2/(ωμ0 σ)}(但し、ω;角周波数,μ0 ;透
磁率,σ;導電率)で与えられる。即ち、表皮厚みδ
は、ω(=2πf)の1/2乗に比例して小さくなるた
め、VHF波の場合、13.56MHzのHF波に比べ
ると2/3〜1/5程度となってしまう。
【0011】このため、電極体の表面におけるジュール
損が大きくなり、その結果、プラズマ生成全体の電力効
率が低下するとともに、伝搬経路の長さの相違によるプ
ラズマ密度の不均一化の問題も生じる。さらに、電極体
の表面インピーダンスは、電極体の表面の荒さや汚れ等
に左右され、一様な表面インピーダンスを達成すること
は困難である。それ故、この点でも従来の装置でのVH
F波の使用は、プラズマ密度の不均一化をもたらすこと
になる。尚、上記のようなプラズマ密度の不均一化は、
当然のことながら、基板に対する表面処理の不均一化を
もたらす。
【0012】本願発明は、かかる課題を解決するために
なされたものであり、大型の電極を使用する場合や、又
は、より高い周波数の高周波電力を使用したりする場合
であっても、プラズマ密度が不均一化することがなく、
基板に対する均一な表面処理が行えるような装置を提供
することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願の請求項1記載の発明は、排気系を備えた真空
容器と、真空容器内に放電用ガスを導入する放電用ガス
導入系と、真空容器内の所定の位置に配置された電極体
と、この電極体に高周波電力を印加して放電用ガスを放
電させてプラズマを生成する電力印加機構とを具備し、
生成したプラズマを利用して基板の表面を処理する表面
処理装置において、前記電極体は、その前面の周縁上の
任意の二点のうちの最も距離の長い二点間の距離が、前
記高周波電力の波長の四分の一よりも長い形状であり、
かつ、前記電力印加機構による電極体への電力供給箇所
は均等な位置に複数設定されているという構成を有す
る。同様に上記目的を達成するため、請求項2記載の発
明は、上記請求項1の構成において、高周波電力の周波
数は、30から300MHzのVHF帯に属していると
いう構成を有する。同様に上記目的を達成するため、請
求項3記載の発明は、上記請求項1又は2の構成におい
て、電力印加機構は、高周波電力を発生させる高周波電
源と、高周波電源の出力を複数の電力供給箇所の数に相
当する数に分岐させる分岐器と、高周波電源から分岐器
への高周波電力の供給ライン上に配置された整合器と、
分岐器で分岐された高周波電力を前記電力供給箇所の各
々に導く分岐導波体とから構成されている。同様に上記
目的を達成するため、請求項4記載の発明は、上記請求
項1又は2の構成において、電力印加機構は、高周波電
力を発生させる高周波電源と、高周波電源の出力を複数
の電力供給箇所の数に分岐させる分岐器と、この分岐器
で分岐された高周波電力を電力供給箇所の各々に導く分
岐導波体と、各々の分岐導波体による高周波電力の供給
ライン上にそれぞれ配置された整合器とから構成されて
いる。同様に上記目的を達成するため、請求項5記載の
発明は、上記請求項1,2,3又は4の構成において、
電極体は板状の部材であり、電力供給箇所は、裏面即ち
プラズマ生成空間に対向した前面とは反対側の面におい
て当該裏面の中心に対して中心対称状又は中心を通る裏
面上の線に対して線対称状に設定されているという構成
を有する。同様に上記目的を達成するため、請求項6記
載の発明は、上記請求項1,2,3又は4の構成におい
て、電極体は、板状の電極本体とこの電極本体の周縁か
らプラズマ生成空間とは反対側に向けて延びるようにし
て設けられたスカート部から構成されており、前記電力
供給箇所は、このスカート部に設定されているという構
成を有する。同様に上記目的を達成するため、請求項7
記載の発明は、上記請求項6の構成において、電力供給
箇所は、電極本体の中心軸に対して中心対称状又は中心
軸に垂直に交わる線に対して線対称状に設定されている
という構成を有する。同様に上記目的を達成するため、
請求項8記載の発明は、上記請求項1,2,3,4,
5,6又は7の構成において、電極体は方形な前面を有
し、プラズマを利用して処理される基板は液晶ディスプ
レイ用又は太陽電池用の基板であるという構成を有す
る。
【0014】
【実施例】以下、本願の発明の実施例を説明する。以下
の説明では、表面処理装置の一例として、TFTアクテ
ィブマトリックス型LCDを製作する際に必要なアモル
ファスシリコン薄膜を作成する装置が想定されている。
但し、本願の発明の対象が、この種の装置に限定される
ものでは勿論ない。
【0015】図1は、本願発明の第一実施例の表面処理
装置を説明する概略図であり、図2は、図1の装置にお
ける分岐器及び分岐導波体の構成を説明する斜視外観図
である。図1に示す表面処理装置は、図5の装置と同
様、排気系11を備えた真空容器1と、真空容器1内に
放電用ガスを導入する放電用ガス導入系2と、真空容器
1内の所定の位置に配置された電極体3と、電極体3に
高周波電力を印加して放電用ガスを放電させてプラズマ
を生成する電力印加機構4とを具備している。
【0016】まず、真空容器1内の所定の位置には、処
理される基板50が載置される基板ホルダ5が配置され
ている。処理される基板50は、550mm×650m
m程度の大きさの方形なガラス基板である。
【0017】一方、本実施例における電極体3は、基板
50の形状に対応した方形な板状の部材である。この板
状の電極体3は、基板ホルダ5に平行に対向するように
真空容器1内に配置されている。そして、対向する基板
ホルダ5と電極体3によって挟まれた空間がプラズマ生
成空間であり、この空間にプラズマが生成される。電極
体3は、各辺が500mm角から1m角程度の長方形又
は正方形の板状の部材であり、全体の厚さは60mm程
度である。但し、高周波電流は電極体3の表面付近のみ
を流れるので、厚さとしては表皮厚み(VHF帯で20
〜30μm)に相当する大きさがあれば電気的には充分
である。電極体3の材質としては、ステンレス鋼等が使
用されることが多い。このような電極体3は、絶縁物1
3を介して真空容器1の器壁に取り付けられている。即
ち、図1に示すように真空容器1は上面の器壁部分に開
口を有し、この開口の部分に絶縁物13を介して電極体
3が取り付けられている。尚、真空容器1の器壁と絶縁
物13の間及び絶縁物13と電極体3との間には不図示
のシール部材が配設され、真空シールされている。
【0018】次に、このような電極体3に所定の高周波
電力を印加する電力印加機構4の構成について説明す
る。本実施例における電力印加機構4は、所定の高周波
電力を発生させる高周波電源41と、高周波電源41の
出力を複数に分岐させる分岐器44と、高周波電源41
から分岐器44への高周波電力の供給ライン上に配置さ
れた整合器43と、分岐器44で分岐された高周波電力
を電力供給箇所の各々に導く分岐導波体45とから構成
されている。
【0019】まず、本実施例における高周波電源41
は、30〜300MHzのVHF帯の高周波電力を発生
させるものであり、例えば前掲の文献と同様の144M
Hzを含む60〜150MHz程度のVHF波を発生可
能なものが好適に使用される。高周波電源41の出力電
力は、例えば500W程度である。
【0020】本実施例の装置では四つの電力供給箇所が
設定されており、電力印加機構4の分岐器44は、上記
高周波電源41の出力を四つに分岐するものが使用され
ている。この分岐器44は、図2に示すように、中央に
配置された円柱状の接続ポート441と、この接続ポー
ト441から放射状に延びる四本の帯板状の分岐ポート
442とから構成されている。
【0021】接続ポート441は、上流側に配置された
整合器43と分岐器44とを繋ぐ導波体(図2中不図
示)が接続される部分である。四本の分岐ポート442
は、この接続ポート441から90度間隔で放射状に延
びるように配置されている。不図示の導波体と接続ポー
ト441の接続及び接続ポート441と分岐ポート44
2との接続は、溶接、半田付け、ロー付け又はネジ止め
などの方法により行われる。また、接続ポート441及
び分岐ポート442の材質は、ともにアルミニウム又は
銅等の金属又は合金である。また尚、接続ポート441
の大きさは、直径30mm、高さ30mm程度である。
分岐ポート442は、幅30mm、厚さ1mm、長さ2
00mm程度である。
【0022】一方、本実施例における分岐導波体45
は、図2に示すように円柱状の部材である。この分岐導
波体45は、上記分岐ポート442に対して垂直な姿勢
で配置されている。分岐導波体45は、図2に示すよう
に、その先端部分が各々の分岐ポート442の後端に接
続され、下端部分が上記電極体3の裏面に接続されてい
る。分岐導波体45は、上記接続ポート441等と同様
にアルミニウム又は銅等の金属又は合金から形成されて
いる。寸法としては、直径20mm、高さ100mm程
度である。分岐導波体45と分岐ポート442との接続
及び分岐導波体45と電極体3との接続は、同様に、溶
接、半田付け、ロー付け又はネジ止め等の方法により行
われる。尚、本実施例では分岐導波体45がアルミニウ
ム等であって電極体3がステンレスであることから、異
種金属の接続となる。このような異種金属の溶接は一般
に困難であるから、分岐導波体45の下端に所定のフラ
ンジ部を形成して、そのフランジ部を電極体3の裏面に
対してネジ止めする構成が実用的である。
【0023】図2及び上記説明から明かな通り、本実施
例における電力供給箇所は、電極体3の裏面の中心に対
して中心対称状に設定されている。即ち、電極体3の裏
面の中心を中心として正方形の各頂点上に四つ設定され
ている。具体的には、上記分岐器44の接続ポート44
1は電極体3の中心軸上に配置され、接続ポート441
から45度ずつ隔てて放射状に延びる分岐ポート442
は全て同じ長さものが使用されている。分岐導波体45
は分岐ポート442の後端から垂直に下方に延び、電極
体3の裏面に接続されている。従って、四つの電力供給
箇所は、分岐ポート442の長さのほぼ2倍(400m
m程度)を対角線とする正方形の各頂点の位置になる。
【0024】尚、電力供給箇所は、電極体3の中心軸か
らなるべく遠ざかった位置に設定されることが好まし
い。これは、プラズマへの高周波電力の供給経路をなる
べく短くして高周波電力の損失を小さくするためであ
る。即ち、プラズマに供給される高周波エネルギーを大
きくするためには、電極体3の部分での高周波電力の損
失を小さくする必要があるが、電極体3の表面インピー
ダンスから、ある程度の損失は避けられない。この場
合、インピーダンスの大きい部分の供給経路をできるだ
け短くすれば、高周波電力の損失を小さくすることが可
能となる。
【0025】一方、図2に示すような構成の場合、高周
波電流は、導体の表面付近のみを流れる。従って、分岐
導波体45から流入する高周波電流は電極体3の裏面を
端部に向かって流れ、端面を周り込むようにして流れて
から、前面31の中央に向かって流れる。従って、分岐
導波体45をなるべく外側に配置して電力供給箇所が電
極体3の端部に近い位置になるようにすることで、上記
電力供給経路を短くすることができ、これによって電極
体3の表面インピーダンスによる高周波電力の損失を極
力小さくすることができる。
【0026】なお、上記の分岐器44の上流側の供給ラ
イン上には、整合器43が配置される。整合器43は、
整合器43と分岐器44とを繋ぐ不図示の導波体、分岐
器44、分岐導波体45及び電極体3も含めて、整合器
43から下流側の負荷全体が所定のインピーダンスにな
るよう調整するものである。インピーダンスの値は、印
加する高周波電力の周波数に応じて変化するのは勿論で
ある。また、高周波電源41から整合器43への高周波
電力の供給ラインには同軸ケーブルが採用される。周波
数が高くなると、矩形導波管等が採用される場合もあ
る。
【0027】次に、電力印加機構4以外の構成につい
て、簡単に説明する。まず、気体放電によるプラズマ生
成のためのガスを導入する放電用ガス導入系2について
説明する。放電用ガス導入系2は、放電用ガスを溜めた
不図示のガスボンベと、ガスボンベ内の放電用ガスを真
空容器1内に導く主配管21と、主配管21上に配置さ
れたバルブ22や不図示のマスフローコントローラ等か
ら構成されている。
【0028】図1に示すように、本実施例の電極体3
は、内部が中空であり、前面31にガス吹き出し孔32
を多数有している。図1に示すように、電極体3の裏面
には、ガス導入管23の接続部33が形成されている。
ガス導入管23は、アルミナ等の絶縁物で形成された短
い管(不図示)を途中に挟み込むことにより絶縁した絶
縁構造を有し、放電用ガス導入系2の主配管21の終端
に接続される。尚、電極体3の前面31に設けられたガ
ス吹き出し孔32は、直径0.5mm程度の小さなもの
であり、10〜15mm程度の間隔で設けられている。
ガス吹き出し孔32が大きくなると、真空容器1内の圧
力によってはガス吹き出し孔32の内側部分で放電が生
じてしまう場合がある。このような放電が生じると、電
極体3の前面31の表面インピーダンスが不均一になっ
てプラズマ密度も不均一になる問題があるので、放電が
生じない程度の大きさにする必要がある。この大きさ
は、真空容器1内の圧力にもよるが、例えば1Torr
程度の圧力の場合、1mm程度以下である。
【0029】上記構成にかかる放電用ガス導入系2で
は、主配管21からガス導入管23を経由して電極体3
の内部に放電用ガスが供給される。供給されたガスは、
ガス吹き出し孔32から吹き出して、前方のプラズマ生
成空間に達するようになっている。このように電極体3
の前面31に設けられた多数のガス吹き出し孔32から
ガスを吹き出させてプラズマ生成空間にガスを供給する
ようにすると、プラズマ生成空間におけるガスの分布が
均一になり、基板50に対する均一な表面処理に寄与で
きる。尚、放電用ガスとしては、表面処理の種類によっ
て異なるが、放電によるプラズマ生成のみを行えば良い
場合、典型的にはアルゴン等の不活性ガスが採用され
る。
【0030】一方、真空容器1に付設された排気系11
は、油回転ポンプやターボ分子ポンプ等の真空ポンプ1
11を備えて例えば10-5Torr程度の到達圧力まで
排気できるよう構成される。その他、真空容器1は基板
50の出入り用のゲートバルブ12を備え、ゲートバル
ブ12を通して基板50を搬入搬出するための不図示の
搬送系が配設されている。
【0031】次に、上記構成に係る本実施例の装置の動
作を説明する。まず、不図示の搬送系が基板50をゲー
トバルブ12を通して真空容器1内に搬入し、基板ホル
ダ5上に配置する。そして、排気系11が動作して真空
容器1内を10-5Torr程度まで排気し、その後放電
用ガス導入系2が放電用ガスを導入する。
【0032】次に、上記電力印加機構4が動作する。即
ち、高周波電源41が発生させた高周波は、供給ライン
を構成する同軸ケーブルによって整合器43に導かれ、
整合器43を通って分岐器44に達する。そして、分岐
器44で四つに分岐された後、分岐導波体45を経て電
極体3にそれぞれ印加される。印加された高周波電力
は、電極体3の裏面から端面をまわって前面31に供給
される。供給された高周波電力は、プラズマ生成空間に
導入された放電用ガスを電離させて放電を生じさせ、こ
の放電によってプラズマが生成される。このプラズマに
よって、基板ホルダ5上の基板50の表面に所定の処理
が施される。
【0033】この際、前述の通り、複数の電力供給箇所
が均等に設定されているので、電極体3の前面31に供
給される際の高周波電力の損失が小さくなるとともに、
高周波電力によって生成されるプラズマのプラズマ密度
が均一になる。即ち、電力供給箇所を複数設定した結
果、電極体3の前面31への電力供給経路が一つの場合
に比べて小さくなり、表面インピーダンスに起因した電
力損失が低減される。また電力供給箇所が均等であるこ
とから、各々の電力供給箇所から供給される高周波電力
は、電極体3の前面31へのそれぞれの供給経路におい
て均等に損失する。その結果、各々の供給経路から供給
された高周波は、電極体3の前面31において均等に重
畳し、均一なプラズマを生成するのに貢献する。尚、電
極体3の表面の凹凸や汚れのため、表面インピーダンス
の不均一性はあり得るが、電力供給経路自体が従来より
短くなっているため、この表面インピーダンスの不均一
性の問題は従来に比べ遥かに少ない。このように均一プ
ラズマが得られることから、基板50の表面への処理は
均一なものとなる。
【0034】また、高周波電力の波長と電極体3の前面
31の大きさの相対的な関係からくるプラズマ密度の不
均一性は、従来の技術の部分で説明したように、高周波
電力の波長のλ/4程度よりも電極体3の前面31が大
きくなった場合に生じる。色々な電極体3の形状を想定
して一般的な形で表現すると、電極体3の前面31の周
縁上の任意の二点のうちの最も距離の長い二点間の距離
が高周波電力の波長のλ/4程度よりも長い形状という
ことになる。このような形状の電極体3を使用した場
合、プラズマ密度の不均一性を解消する本実施例の構成
の優位性が発揮される。即ち、高周波電力を分岐させて
供給し電極体3の前面31で重畳させているので、電極
体3の前面31の周縁上の任意の二点のうちの最も距離
の長い二点間の距離がλ/4を越える場合であってもプ
ラズマ密度の不均一性の問題が生じない。特に、本実施
例の装置のようなLCD用の基板50を処理する表面処
理装置では、電極体3が大型化する傾向があり、上記の
ような高周波電力の波長のλ/4を越える前面31を有
する電極体3を採用することになり易い。従って、本実
施例の構成は、このようなLCD用の基板50を処理す
る装置として好適なものである。
【0035】また一方、高周波電力の供給経路において
発生する定在波は、プラズマに供給されないエネルギー
を消費するため、効率を低下させる原因となる。従っ
て、定在波の発生を極力抑える構成が肝要である。本実
施例の装置でいうと、例えば四本の分岐導波体45のい
ずれか二本の配置間隔が高周波電力の波長の1/2に相
当しており、その二本に同相の高周波電力が印加されて
いる場合、その二本の分岐導波体45の接続部分の間で
強い定在波が発生する恐れがある。従って、高周波電力
を同相で供給する場合、すべての分岐導波体45同士の
間隔が高周波電力の波長の1/2から充分外れているよ
う構成することが肝要である。尚、高周波電力を異なる
位相でそれぞれの分岐導波体45に供給するようにすれ
ば上記定在波の問題は無くなるが、異なる位相で高周波
電力を供給するようにすることは電力供給機構の構成を
複雑し、高コストになる欠点がある。
【0036】具体的な表面処理の例について説明する
と、例えばCVD(気相成長)によって基板50の表面
にアモルファスシリコン薄膜を作成する場合、放電用ガ
スとしてシラン及び水素の混合ガスを導入する。そし
て、混合ガスの流量を1000sccm、雰囲気圧力を
1Torrに設定し、周波数100MHzの高周波電力
を200W程度電極体3に印加する。シラン/水素の混
合ガスのプラズマ中でシランが分解し、所定のアモルフ
ァスシリコン薄膜が基板50の表面上に堆積する。本実
施例では、上述のように均一なプラズマが生成されるこ
とから、堆積するアモルファスシリコンの膜厚や膜質が
均一なものとなる。尚、上述のようなLCD用の基板5
0に対する薄膜作成処理では、アモルファスシリコンの
成膜に続いてシリコンナイトライド等の成膜を行って薄
膜を積層することが頻繁に行われる。この場合には、放
電用ガス導入系2は、それぞれの成膜に必要な放電用ガ
スを選択的に真空容器1内に導入できるよう構成され
る。
【0037】次に、本願発明の第二実施例について説明
する。図3は、第二実施例の表面処理装置を説明する概
略図である。図3に示す表面処理装置は、図1の装置と
同様、排気系11を備えた真空容器1と、真空容器1内
に放電用ガスを導入する放電用ガス導入系2と、真空容
器1内の所定の位置に配置された電極体3と、この電極
体3に高周波電力を印加して放電用ガスを放電させてプ
ラズマを生成する電力印加機構4とを具備している。そ
して、この第二実施例における電力印加機構4も、第一
実施例と同様、所定の高周波電力を発生させる高周波電
源41と、高周波電源41の出力を複数に分岐させる分
岐器44と、高周波電源41から分岐器44への高周波
電力の供給ライン上に配置された整合器43と、分岐器
44で分岐された高周波電力を前記電力供給箇所の各々
に導く分岐導波体45とから構成されている。
【0038】一方、電極体3の構成は、第一実施例とは
大きく異なっている。この実施例における電極体3は、
円板状の電極本体34とこの電極本体34の周縁からプ
ラズマ空間とは反対側に向けて延びるようにして設けら
れたスカート部35から構成されている。スカート部3
5は、帯板状の部材を円周状に丸めて形成した円環状の
部材であり、その幅方向が電極本体34の厚さ方向にな
るように電極本体34の周縁に延設されている。
【0039】そして、このスカート部35に、複数の電
力供給箇所が設定されている。即ち、前述と同様に例え
ば四つの電力供給箇所が設定され、この四つの電力供給
箇所は、円環状のスカート部35の外面に均等に設定さ
れている。即ち、1/4の円弧ずつ隔てて等間隔に設定
されている。具体的には、分岐導波体45の終端が、溶
接、半田付け、ロー付け又はネジ止め等の方法によりス
カート部35の外面に接続されている。
【0040】このように電極体3の周縁にスカート部3
5を設け、このスカート部35に電力供給箇所を設定す
ると、電極体3の前面31に至る高周波電力の供給経路
がさらに短縮され、表面インピーダンスに起因した損失
やプラズマの不均一性等の問題がされに低減される。つ
まり、第一実施例で説明したように、前面31への電力
供給経路を短縮するには、電力供給箇所を電極体3の裏
面においてできるだけ周縁に近い位置にもってくること
が好ましい。これを押し進めると、電極体3の周面に電
力供給箇所を設定することが最適ということになるが、
板状の電極体3の場合、周面に分岐導波体45を接続す
ることは現実的に困難である。そこで、この実施例のよ
うに、スカート部35を設けてこのスカート部35に分
岐導波体45を接続するようにするのである。
【0041】尚、電力供給経路を短くする意味から、分
岐導波体45の接続箇所は、電極体3の前面31に可能
な限り近い位置即ちスカート部35の下縁に可能な限り
近い位置とすることが好ましいのは勿論である。また、
電力供給箇所からスカート部35の上縁までの距離d
は、スカート部35の内面への高周波の流入を防止する
点で重要な寸法である。即ち、距離dを高周波電力の波
長の1/4又は1/2に設定しておくと、電力供給箇所
とスカート部35の上縁との間で定在波が形成されるの
で、上縁を回り込んでのスカート部35の内面への高周
波の流入が抑制される。内面に流入する高周波はプラズ
マ生成には寄与せずに無駄に消費されるエネルギーであ
るので、これを抑制することは、エネルギー効率の向上
のため重要である。
【0042】電極体3の大きさとしては、前述したLC
D用の基板50を処理する場合、電極本体34の部分の
大きさが例えば直径400mm程度とされる。電極本体
34の厚さ、表面処理、ガス吹き出し孔32等の構成
は、前述した第一実施例の電極体3と同様に構成でき
る。スカート部35の材質や表面処理等も、電極本体3
4と同様に構成される。尚、電極本体34の形状は円板
でなくともよく、正方形や長方形等の方形やその他の形
状でもよい。この第二実施例の装置も、第一実施例と同
様に均一なプラズマを得て均一な表面処理を基板50に
施すことが可能である。装置の動作やプロセスの例等
は、第一実施例と同様なので説明を省略する。
【0043】次に、本願発明の第三実施例について説明
する。図4は、第三実施例の表面処理装置を説明する概
略図である。図4に示す表面処理装置は、前述した各実
施例と同様、排気系11を備えた真空容器1と、真空容
器1内に放電用ガスを導入する放電用ガス導入系2と、
真空容器1内の所定の位置に配置された電極体3と、こ
の電極体3に高周波電力を印加して放電用ガスを放電さ
せてプラズマを生成する電力印加機構4とを具備してい
る。
【0044】そして、この第三実施例における電力印加
機構4は、所定の高周波電力を発生させる高周波電源4
1と、高周波電源41の出力を前記複数の電力供給箇所
の数に分岐させる分岐器44と、分岐器44で分岐され
た高周波電力を前記電力供給箇所の各々に導く分岐導波
体45と、各々の分岐導波体45による高周波電力の供
給ライン上にそれぞれ配置された整合器43とから構成
されている。即ち、高周波電力を分岐させてから整合さ
せる点で、前述した第一第二実施例と異なっている。
【0045】この実施例の分岐導波体45としては、前
述した第一実施例における分岐ポート442や分岐導波
体45のような導波手段又は市販の同軸ケーブル等から
適宜選択して使用することができる。また、分岐器44
としては、第一実施例と同様なものを採用できる。この
ように、高周波電力を分岐させてから整合を取るように
すると、分岐させた各々の電力供給ラインにおいて個別
にインピーダンス整合を行うことが可能となる。このた
め、各々の分岐導波体45自体の僅かなインピーダンス
の相違や電極体3との接続部分におけるインピーダンス
の相違等を補償して、最適なインピーダンス整合を達成
することができる。その他の電極体3等の構成及び装置
の動作等は、第一実施例の場合と同様なので説明を省略
する。
【0046】次に、本願発明における複数の電力供給箇
所の設定位置について補足的に説明する。本願発明にお
いて複数の電力供給箇所を設定するのは、いうまでもな
く一つの電力供給箇所の場合よりもプラズマ密度を均一
化させるためである。従って、請求項1における「均等
な位置に」とは、一つの電力供給箇所の場合に比べてプ
ラズマ密度が電極体3の前面31に平行な面内で均一に
なるような位置ということである。この位置の例とし
て、前述したような電極体3の裏面の中心又は電極本体
34の中心軸に対して中心対称状に設定する例が、前述
した各実施例では採用されている。これは、電極体3又
は電極本体34の形状が方形又は円形であることから、
複数の電力供給箇所を中心対称状に設定して電極体3の
前面31へのそれぞれの電力供給経路を等しくする構成
である。
【0047】また、電極体3自体の形状が中心対称状で
なかったり、周辺部分に表面インピーダンスを不均一に
する部材が配設されていたりする場合は、「電極体3の
前面31へのそれぞれの電力供給経路が等しくなるよう
にする」というだけでは、プラズマ密度の均一性が達成
されない場合もあり得る。つまり、電力供給箇所からそ
れぞれ印加される高周波電力は、最小インピーダンスと
なる経路を通って電極体3の前面31に達する。従っ
て、各々の電力供給経路の最小インピーダンスが等しく
なるように複数の電力供給箇所の位置を設定することが
必要になる場合もある。
【0048】このような設定を計算上行うことが難しい
場合、実験的に求めることも可能である。即ち、複数の
電力供給箇所の設定を色々と変えて実験を行い、最も均
一なプラズマが生成される複数の電力供給箇所の位置
を、実験的に求めていくようにするのである。尚、プラ
ズマ密度分布の測定はプローブ法等によって可能である
が、基板50に対する表面処理の進み具合の分布からプ
ラズマ密度分布を間接的に求めるようにしても良い。表
面処理の進み具合の分布(例えば、薄膜堆積速度分布)
は、プラズマ密度分布以外のパラメータ(例えば、電極
体3の温度やガスの流れ等)によっても影響を受けるの
で、電力供給箇所の位置以外のパラメータは同一にして
上記実験を行うようにする。
【0049】上述した第一実施例の構成において、電極
体3は、方形(正方形もしくは長方形)又は円形の板状
の部材からなるとして説明したが、これに限られるもの
ではなく、三角形その他の多角形状の板状であっても良
いし、その他の形状の板状でも良い。また、箱状や柱状
等の板状以外の形状であっても良い。また、電極体3が
板状である場合、上記「均等な位置」の複数の電力供給
箇所の例としては、「電極体3の裏面の中心に対して中
心対称状又は裏面の中心を通る裏面上の線分に対して線
対称状に配置する」と表現することができる。この場
合、「裏面の中心」とは、一般化すれば、「『電極体が
均一な密度で形成された場合の重心点』を通り当該裏面
に垂直な線と当該裏面とが交わる点」と考えることがで
きる。
【0050】また、第二実施例の構成では、円板状と説
明した電極本体34の部分について上記第一実施例の電
極体3とほぼ同様に考えることができる。即ち、電極本
体34は、三角形その他の多角形状の板状であっても良
いし、その他の形状の板状でも良い。そして、この場
合、スカート部35に設定される複数の電力供給箇所の
「均等な位置」の例としては、「電極本体34の中心軸
に対して中心対称状又は中心軸に垂直に交わる線に対し
て線対称状」と表現することができる。尚、この場合の
「中心軸」とは、上記「裏面の中心」と同様の意味での
「中心」を通り電極本体34の板面(表面又は裏面)に
垂直な線と考えることができる。
【0051】さらに、本願発明の装置は、前述したアモ
ルファスシリコンやシリコンナイトライド等以外の薄膜
の作成や、ポリシリコン等のエッチング、表面酸化又は
表面窒化等の表面改質等にも使用することが可能であ
る。例えば、本願発明の装置をエッチングに適用した場
合、均一なプラズマによって均一なエッチング処理が進
行するので、下地材料を削ってしまったりエッチング対
象材料が残留してしまったりすることがない良質なエッ
チングが可能となる。また、本願発明の構成は、LSI
用のウエハや太陽電池用のシリコン基板等のような大型
化する傾向にある基板50に対して、本願発明は大きな
効果を発揮する。さらに、基板50が大型化しなくて
も、VHF帯の高周波を使用する場合のように、電極体
3の大きさに対して相対的に短い波長の高周波を使用す
る場合に、本願発明は大きな効果を発揮する。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の表面処
理装置によれば、複数の電力供給箇所が均等な位置に設
定されるので、電極体の前面に供給される高周波電力の
分布が均一になり、この結果均一なプラズマが生成され
る。これによって、基板に対する均一な表面処理が可能
となる。この効果は、大型の基板や相対的に短い波長の
高周波を使用する場合に著しい。また、請求項2の表面
処理装置によれば、上記請求項1の効果に加え、VHF
帯の高周波を使用するメリットを享受しながら、均一な
表面処理を行うことが可能となる。また、請求項3の表
面処理装置によれば、上記請求項1又は2の効果に加
え、高周波電源及び整合器が一つにまとめられているの
で、電力印加機構の構成が簡素となり、コスト的に安価
となるという効果がある。また、請求項4の表面処理装
置によれば、上記請求項1又は2の効果に加え、高周波
を分岐させてから整合させるので、各々の分岐導波体自
体のインピーダンスの相違等を補償して最適なインピー
ダンス整合を達成することが可能となるという効果が得
られる。また、請求項5の表面処理装置によれば、上記
請求項1,2,3又は4の効果に加え、正多角形又は円
形に近似した形状の基板を処理する装置として最適な構
成となるという効果が得られる。また、請求項6の表面
処理装置によれば、上記請求項1,2,3又は4の効果
に加え、電極体の前面への電力供給経路がさらに短縮さ
れるので、電極体の表面インピーダンスに起因した問題
をさらに低減させることができるという効果が得られ
る。また、請求項7の表面処理装置によれば、上記請求
項6の効果に加え、スカート部の内面への高周波の流入
が抑制され、エネルギー効率の点で好適な装置となると
いう効果が得られる。さらに、請求項8の表面処理装置
によれば、上記請求項1,2,3,4,5,6又は7の
効果に得て液晶ディスプレイ用の基板に対する表面処理
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第一実施例の表面処理装置を説明す
る概略図である。
【図2】図1の装置における分岐器および分岐導波体の
構成を説明する斜視外観図である。
【図3】第二実施例の表面処理装置を説明する概略図で
ある。
【図4】第三実施例の表面処理装置を説明する概略図で
ある。
【図5】従来の表面処理装置の構成を説明する概略図で
ある。
【符号の説明】
1 真空容器 11 排気系 2 放電用ガス導入系 3 電極体 31 前面 34 電極本体 35 スカート部 4 電力印加機構 41 高周波電源 43 整合器 44 分岐器 45 分岐導波体 5 基板ホルダ 50 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/31 9216−2G H05H 1/46 A H05H 1/46 H01L 21/302 C

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気系を備えた真空容器と、真空容器内
    に放電用ガスを導入する放電用ガス導入系と、真空容器
    内の所定の位置に配置された電極体と、この電極体に高
    周波電力を印加して放電用ガスを放電させてプラズマを
    生成する電力印加機構とを具備し、生成したプラズマを
    利用して基板の表面を処理する表面処理装置において、 前記電極体は、その前面即ちプラズマを生成する空間に
    対向した表面の周縁上の任意の二点のうちの最も距離の
    長い二点間の距離が、前記高周波電力の波長の四分の一
    よりも長い形状であり、かつ、前記電力印加機構による
    電極体への電力供給箇所は均等な位置に複数設定されて
    いることを特徴とする表面処理装置。
  2. 【請求項2】 前記高周波電力の周波数は、30から3
    00MHzのVHF帯に属していることを特徴とする請
    求項1記載の表面処理装置。
  3. 【請求項3】 前記電力印加機構は、高周波電力を発生
    させる高周波電源と、高周波電源の出力を前記複数の電
    力供給箇所の数に相当する数に分岐させる分岐器と、高
    周波電源から分岐器への高周波電力の供給ライン上に配
    置された整合器と、分岐器で分岐された高周波電力を前
    記電力供給箇所の各々に導く分岐導波体とから構成され
    ていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の表
    面処理装置。
  4. 【請求項4】 前記電力印加機構は、高周波電力を発生
    させる高周波電源と、高周波電源の出力を前記複数の電
    力供給箇所の数に分岐させる分岐器と、この分岐器で分
    岐された高周波電力を前記電力供給箇所の各々に導く分
    岐導波体と、各々の分岐導波体による高周波電力の供給
    ライン上にそれぞれ配置された整合器とから構成されて
    いることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の表面
    処理装置。
  5. 【請求項5】 前記電極体は板状の部材であり、前記電
    力供給箇所は、裏面すなわちプラズマを生成させる空間
    に対向した前面とは反対側の面において当該裏面の中心
    に対して中心対称状又は中心を通る裏面上の線に対して
    線対称状に設定されていることを特徴とする請求項1,
    2,3又は4記載の表面処理装置。
  6. 【請求項6】 前記電極体は、板状の電極本体とこの電
    極本体の周縁からプラズマを生成させる空間とは反対側
    に向けて延びるようにして設けられたスカート部から構
    成されており、前記電力供給箇所は、このスカート部に
    設定されていることを特徴とする請求項1,2,3,又
    は4記載の表面処理装置。
  7. 【請求項7】 前記電力供給箇所は、前記電極本体の中
    心軸に対して中心対称状又は中心軸に垂直に交わる線に
    対して線対称状に設定されていることを特徴とする請求
    項6記載の表面処理装置。
  8. 【請求項8】 前記電極体は方形な前記前面を有し、プ
    ラズマを利用して処理される前記基板は液晶ディスプレ
    イ用又は太陽電池用の基板であることを特徴とする請求
    項1,2,3,4,5,6及び7記載の表面処理装置。
JP15696895A 1995-05-30 1995-05-30 表面処理装置 Expired - Fee Related JP3425009B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15696895A JP3425009B2 (ja) 1995-05-30 1995-05-30 表面処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15696895A JP3425009B2 (ja) 1995-05-30 1995-05-30 表面処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08325759A true JPH08325759A (ja) 1996-12-10
JP3425009B2 JP3425009B2 (ja) 2003-07-07

Family

ID=15639266

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15696895A Expired - Fee Related JP3425009B2 (ja) 1995-05-30 1995-05-30 表面処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3425009B2 (ja)

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000058465A (ja) * 1998-05-29 2000-02-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd プラズマ化学蒸着装置
JP2001060581A (ja) * 1999-08-20 2001-03-06 Tokyo Electron Ltd プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
JP2001118795A (ja) * 1999-10-19 2001-04-27 Mitsubishi Heavy Ind Ltd プラズマ生成装置
JP2002184599A (ja) * 2000-12-19 2002-06-28 Tokyo Electron Ltd プラズマ装置
AU751927B2 (en) * 2000-03-13 2002-08-29 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Discharge plasma generating method, discharge plasma generating apparatus, semiconductor device fabrication method, and semiconductor device fabrication apparatus
WO2004006320A1 (ja) * 2002-07-03 2004-01-15 Tokyo Electron Limited プラズマ処理装置
WO2004056159A1 (ja) * 2002-12-16 2004-07-01 Japan Science And Technology Agency プラズマ生成装置、プラズマ制御方法及び基板製造方法
JP2004228354A (ja) * 2003-01-23 2004-08-12 Japan Science & Technology Agency プラズマ生成装置
JP2005149956A (ja) * 2003-11-17 2005-06-09 Ulvac Japan Ltd 大面積高均一プラズマ処理方法及び装置
JP2006128446A (ja) * 2004-10-29 2006-05-18 Ulvac Japan Ltd プラズマcvd方法及び装置
JP2006219702A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Ulvac Japan Ltd プラズマ成膜装置
WO2008123411A1 (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Mitsui Engineering & Shipbuilding Co., Ltd. プラズマ生成装置およびプラズマ成膜装置
US20080257498A1 (en) * 2002-07-03 2008-10-23 Tokyo Electron Limited Plasma processing apparatus
JP2008277583A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Ulvac Japan Ltd プラズマ処理装置
JP2009079265A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Fuji Electric Systems Co Ltd プラズマ装置
WO2009148155A1 (ja) * 2008-06-06 2009-12-10 株式会社アルバック 薄膜太陽電池製造装置
JP2010157511A (ja) * 2003-01-16 2010-07-15 Japan Science & Technology Agency 高周波電力供給装置およびプラズマ発生装置
US8282770B2 (en) 2007-03-12 2012-10-09 Tokyo Electron Limited Substrate processing apparatus and electrode structure

Cited By (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000058465A (ja) * 1998-05-29 2000-02-25 Mitsubishi Heavy Ind Ltd プラズマ化学蒸着装置
JP2001060581A (ja) * 1999-08-20 2001-03-06 Tokyo Electron Ltd プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
JP2001118795A (ja) * 1999-10-19 2001-04-27 Mitsubishi Heavy Ind Ltd プラズマ生成装置
EP1134773A3 (en) * 2000-03-13 2005-05-04 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Method and apparatus for generating a plasma and semiconductor device fabrication method and apparatus
AU751927B2 (en) * 2000-03-13 2002-08-29 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Discharge plasma generating method, discharge plasma generating apparatus, semiconductor device fabrication method, and semiconductor device fabrication apparatus
US6456010B2 (en) 2000-03-13 2002-09-24 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Discharge plasma generating method, discharge plasma generating apparatus, semiconductor device fabrication method, and semiconductor device fabrication apparatus
EP2190004A2 (en) 2000-03-13 2010-05-26 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Method and apparatus for generating a plasma and semiconductor device fabrication method and apparatus
JP2002184599A (ja) * 2000-12-19 2002-06-28 Tokyo Electron Ltd プラズマ装置
JP4535356B2 (ja) * 2000-12-19 2010-09-01 東京エレクトロン株式会社 プラズマ装置
WO2004006320A1 (ja) * 2002-07-03 2004-01-15 Tokyo Electron Limited プラズマ処理装置
US20080257498A1 (en) * 2002-07-03 2008-10-23 Tokyo Electron Limited Plasma processing apparatus
US8444806B2 (en) 2002-12-16 2013-05-21 Japan Science And Technology Agency Plasma generator, plasma control method and method of producing substrate
WO2004056159A1 (ja) * 2002-12-16 2004-07-01 Japan Science And Technology Agency プラズマ生成装置、プラズマ制御方法及び基板製造方法
US7785441B2 (en) 2002-12-16 2010-08-31 Japan Science And Technology Agency Plasma generator, plasma control method, and method of producing substrate
JP2010157511A (ja) * 2003-01-16 2010-07-15 Japan Science & Technology Agency 高周波電力供給装置およびプラズマ発生装置
JP2004228354A (ja) * 2003-01-23 2004-08-12 Japan Science & Technology Agency プラズマ生成装置
JP2005149956A (ja) * 2003-11-17 2005-06-09 Ulvac Japan Ltd 大面積高均一プラズマ処理方法及び装置
JP2006128446A (ja) * 2004-10-29 2006-05-18 Ulvac Japan Ltd プラズマcvd方法及び装置
JP2006219702A (ja) * 2005-02-09 2006-08-24 Ulvac Japan Ltd プラズマ成膜装置
US8282770B2 (en) 2007-03-12 2012-10-09 Tokyo Electron Limited Substrate processing apparatus and electrode structure
US8480849B2 (en) 2007-03-12 2013-07-09 Tokyo Electron Limited Substrate processing apparatus and electrode structure
US8758551B2 (en) 2007-03-12 2014-06-24 Tokyo Electron Limited Substrate processing apparatus and electrode structure
WO2008123411A1 (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Mitsui Engineering & Shipbuilding Co., Ltd. プラズマ生成装置およびプラズマ成膜装置
JP2008277583A (ja) * 2007-04-27 2008-11-13 Ulvac Japan Ltd プラズマ処理装置
JP2009079265A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Fuji Electric Systems Co Ltd プラズマ装置
WO2009148155A1 (ja) * 2008-06-06 2009-12-10 株式会社アルバック 薄膜太陽電池製造装置
JP5535906B2 (ja) * 2008-06-06 2014-07-02 株式会社アルバック 薄膜太陽電池製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3425009B2 (ja) 2003-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3425009B2 (ja) 表面処理装置
JP5454467B2 (ja) プラズマエッチング処理装置およびプラズマエッチング処理方法
JP4944198B2 (ja) プラズマ処理装置および処理方法
KR101183047B1 (ko) 플라즈마 처리 장치
KR100652982B1 (ko) 플라즈마 처리 방법 및 장치
KR100307998B1 (ko) 프라즈마 처리방법
KR101677239B1 (ko) 플라즈마 처리 장치 및 플라즈마 처리 방법
TWI506668B (zh) Plasma processing device and plasma processing method
US5015330A (en) Film forming method and film forming device
KR101124924B1 (ko) 플라즈마 처리 장치, 플라즈마 처리 방법 및 기억 매체
JP3174981B2 (ja) ヘリコン波プラズマ処理装置
JP3224011B2 (ja) プラズマ励起化学蒸着装置及びプラズマエッチング装置
JP3726477B2 (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP3243125B2 (ja) 処理装置
KR102661830B1 (ko) 플라즈마 처리 장치
US20030010453A1 (en) Plasma processing apparatus and plasma processing method
JP2008124028A (ja) プラズマ発生装置、プラズマ発生方法、及びそれを用いたプラズマディスプレイ装置の製造方法
JP3408994B2 (ja) プラズマ処理装置及びプラズマ処理装置の制御方法
JP3720901B2 (ja) プラズマ処理装置及びアンテナの製造方法
JP2000031121A (ja) プラズマ放出装置及びプラズマ処理装置
JP2000260598A (ja) プラズマ発生装置
JP3732287B2 (ja) プラズマ処理装置
JPH1167725A (ja) プラズマエッチング装置
JP2004363247A (ja) プラズマ処理装置
JPH08250477A (ja) プラズマ装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080502

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080502

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090502

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100502

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110502

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120502

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130502

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees