JPH08323948A - 木目化粧材およびその製造方法 - Google Patents

木目化粧材およびその製造方法

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JPH08323948A
JPH08323948A JP15710495A JP15710495A JPH08323948A JP H08323948 A JPH08323948 A JP H08323948A JP 15710495 A JP15710495 A JP 15710495A JP 15710495 A JP15710495 A JP 15710495A JP H08323948 A JPH08323948 A JP H08323948A
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JP
Japan
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pattern
shining
wood grain
decorative material
conduit
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Application number
JP15710495A
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English (en)
Inventor
Eisuke Arai
榮助 荒井
Yoshio Sukegawa
佳夫 助川
Masaru Okamoto
優 岡本
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 より天然木に近い肌合いを再現することがで
きる木目化粧材およびその製造方法を提供する。 【構成】 塩化ビニルからなる支持層1上に印刷用イン
キで印刷層2を形成する。この印刷層2には、天然木か
ら得た年輪模様が表現されている。この印刷層2の上に
塩化ビニルからなる透明な表面保護層3を形成する。表
面保護層3の上面には、エンボス加工による凹凸構造が
形成されている。この凹凸構造は、導管パターンBと照
りパターンCとからなる。導管パターンBは、天然木の
導管溝に相当する導管溝模様を表現し、照りパターンC
は、天然木の繊維状の細胞内腔の凹状の内表面群からの
反射光に基づく光沢感を表現する。照りパターンCは、
所定領域内に100μm程度のピッチの万線条溝を形成
することにより構成され、領域中央部から領域境界線付
近にゆくに従って、幅あるいは深さが漸次減少する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は木目化粧材およびその製
造方法、特に、木目の年輪模様、導管溝模様、照り模様
が表現された木目化粧材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】壁紙、床材、家具などには、表面に木目
模様をあしらった木目化粧材が広く利用されている。こ
のような木目化粧材の木目模様は、通常、天然木板の木
目画像に基づいて形成され、年輪模様、導管溝模様、照
り模様から構成される。年輪模様は、一年ごとの寒暖差
に基づいて天然木の一年ごとの成長に合わせて形成され
る細胞組織の粗密の模様である。一方、導管溝模様は、
天然木の成長に必要な水分や養分の通路として用いられ
る繊維状の導管を切断することによって得られる断面模
様であり、通常は、ややいびつな楕円状をした模様にな
る。また、照り模様は、天然木を鉋で削ることにより細
胞内腔の凹状の内表面群が露出し、これが入射光に対し
て異方向性をもった拡散反射を行わせ、干渉光沢を発生
させることにより得られる模様とされており、通常は、
光源からの光の入射方向および観察者による観察方向に
応じて異なった光沢感、すなわち異方性の光沢感をもっ
た閉領域から構成される。
【0003】木目化粧材の表面には、このような天然木
の木目模様をできるだけ忠実に再現するため、実際の天
然木から抽出した年輪模様、導管溝模様、照り模様をあ
しらうのが一般的である。従来の一般的な木目化粧材
は、塩化ビニールなどのシート上に、これらの模様を印
刷によって形成したものであるが、より凹凸感を出すた
めに、印刷層の上にエンボス加工などの方法により導管
溝模様を形成したものも用いられている。また、照り模
様については、表面の凹凸模様として複数の閉領域内に
多数の万線条溝を形成し、各閉領域ごとに万線条溝の方
向を天然木の細胞繊維の配列方向に一致させるように配
列することにより、天然木の照り模様を疑似的に表現す
る方法が提案されている(特開平5−289302号公
報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
木目化粧材およびその製造方法では、天然木の肌合いを
忠実に表現することが困難であるという問題がある。上
述のように、天然木の木目模様は、年輪模様、導管溝模
様、照り模様という3種類の模様が融和してなる自然の
模様であるが、これを人造の木目化粧材に従来の方法で
適用した場合、3種類の模様の配置や相関関係に不自然
さが残ってしまっていた。
【0005】なお、照り模様については、特開平5−2
8930号公報に開示されている方法を用いれば、一
応、天然木板の照り領域と対応する化粧材表面領域に、
天然木板と同様の異方性光沢を形成することまでは可能
になる。しかし、1つの領域とそれに隣接する別な領域
との境界において、この異方性光沢が不連続に変化する
ため、各領域の輪郭が鮮明になり、周囲の部分から独立
して見えることになる。これは、異方性光沢の強弱が連
続的に変化している天然木板と比べると、やはり不自然
さが残る原因となる。
【0006】そこで本発明は、より天然木に近い肌合い
を再現することができる木目化粧材およびその製造方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、化粧材全体を支持する機
能をもった支持層と、この支持層の上に形成されたイン
キからなる印刷層と、を有し、この印刷層の上面もしく
は上方に凹凸模様が形成され、印刷層によって木目の年
輪模様を表現し、凹凸模様の凹凸構造により、木目の照
り模様を表現した木目化粧材において、個々の照り模様
形成領域ごとに、それぞれ固有の方向に沿った万線条溝
を配置することにより照り模様を表現し、かつ、照り模
様形成領域の境界付近において万線条溝の幅を細くする
ようにしたものである。
【0008】(2) 本発明の第2の態様は、化粧材全体
を支持する機能をもった支持層と、この支持層の上に形
成されたインキからなる印刷層と、を有し、この印刷層
の上面もしくは上方に凹凸模様が形成され、印刷層によ
って木目の年輪模様を表現し、凹凸模様の凹凸構造によ
り、木目の照り模様を表現した木目化粧材において、個
々の照り模様形成領域ごとに、それぞれ固有の方向に沿
った万線条溝を配置することにより照り模様を表現し、
かつ、照り模様形成領域の境界付近において万線条溝の
深度を浅くするようにしたものである。
【0009】(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1
または第2の態様に係る木目化粧材において、凹凸模様
として、更に、天然木目の導管溝を模倣した凹陥部を形
成し、万線条溝によって照り模様を表現し、凹陥部によ
って導管溝模様を表現したものである。
【0010】(4) 本発明の第4の態様は、木目の年輪
模様、導管溝模様、照り模様が表現された木目化粧材を
製造する方法において、天然木板から年輪パターン画像
を抽出する段階と、天然木板から導管パターン画像を抽
出する段階と、導管パターン画像の抽出に用いた同じ天
然木板を、所定方向から光を照射した状態で所定方向か
ら観察したときに、所定光量以上の反射光が得られる照
り領域を抽出する段階と、多数の万線条溝を、照り領域
と同じ条件の反射光が得られるように照り領域内に割り
付け、照りパターン画像を作成する段階と、年輪パター
ン画像に基づいて印刷版を作成し、この印刷版を用い
て、化粧材全体を支持する機能をもった支持層上に年輪
パターンを印刷する段階と、導管パターン画像および照
りパターン画像を、天然木板の導管パターンおよび照り
パターンに対応する位置に配置することによりエンボス
版を作成し、このエンボス版を用いてエンボス加工を行
い、年輪パターンの印刷層上に導管溝模様および照り模
様を形成する段階と、を有することを特徴とする木目化
粧材の製造方法。
【0011】(5) 本発明の第5の態様は、上述の第4
の態様に係る木目化粧材の製造方法において、照り領域
を抽出する段階で、光の照射方向および観察方向を変え
ることによって、複数の照り領域を抽出し、照りパター
ン画像を作成する段階で、個々の照り領域について、光
の照射方向および観察方向に基づいて割付対象となる万
線条溝の向きを決定するようにしたものである。
【0012】(6) 本発明の第6の態様は、上述の第5
の態様に係る木目化粧材の製造方法において、デジタル
画像処理または写真処理により、各照り領域の周縁境界
付近の万線の幅を細くする処理を行うようにしたもので
ある。
【0013】
【作 用】本発明に係る木目化粧材は、支持層および印
刷層の少なくとも2層構造をもち、印刷層には年輪模様
が表現される。また、印刷層には凹凸構造が形成され、
この凹凸構造により導管溝模様および照り模様が凹凸構
造として表現される。この木目化粧材を上方から観察す
ると、印刷層上の年輪模様とともに、導管溝模様および
照り模様が観察でき、結局、年輪模様、導管溝模様、照
り模様が融合した状態で観察できる。しかも、導管溝模
様と照り模様とは、いずれも凹凸構造として表現される
ため、両模様の領域が互いに重なることはなく、天然木
の木目模様に近い肌合いが得られることになる。また、
照り模様を多数の万線条溝によって表現し、個々の照り
模様形成領域ごとに、それぞれ固有の方向に沿った万線
条溝を形成し、同一の入射光方向および観察方向に対し
て、天然木板の該当領域と同様の光沢が得られるように
万線条溝を配列するようにすれば、個々の領域ごとに照
り模様の観察態様が変わることになり、より天然木に近
い模様が得られることになる。
【0014】本発明では、更に、照り模様形成領域の境
界付近において、万線条溝の幅を連続的に漸次細くした
り、深度を浅くしたりすることにより、照り模様形成領
域の輪郭部分において、光沢の強度を徐々に低下させ、
この領域内外の光沢が連続的になじむようにしている。
このため、照り模様形成領域の輪郭部をぼかすことがで
き、より天然木板の表面に近い照り領域を実現できる。
【0015】本発明に係る木目化粧材の製造方法では、
天然木に基づいて、年輪模様が作成され、この年輪模様
が支持層上に印刷層として形成される。また、天然木に
基づいて、導管溝模様と照り模様との両方を作成すれ
ば、これらが印刷層上に凹凸模様として形成される。こ
こで、導管模様および照り模様は、同一の天然木板を素
材として用いるため、両模様の領域が互いに重なること
はなく、天然木板の木目模様に近い肌合いが得られるこ
とになる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を図示する実施例に基づいて説
明する。はじめに、天然木の木目模様に現れる「照り模
様」について簡単に説明しておく。この「照り模様」
は、天然木を鉋で削ることにより細胞内腔の凹状の内表
面群が露出することにより得られる模様とされており、
光沢感をもった閉領域として観察されるのが一般的であ
る。この照り模様は、光源の位置(入射方向)や観察方
向によって、明るく高光沢をもって観察されたり、暗く
低光沢をもって観察されたりする方向性(異方性光沢)
をもった模様になる。このように方向性をもつのは、図
1に示すように、天然木の細胞内腔の内表面群が細長い
繊維状をしているためである。すなわち、まず正反射方
向から観察する場合について考えると、図1(a) に示す
ように、繊維状の細胞内腔に、繊維に沿った方向から光
が当たると、この光は正反射(鏡面反射)して出てく
る。このように正反射した光が正反射方向(入射角=反
射角の条件を満たす方向)から観測されると、この正反
射面が「照り模様」の領域(明るく光った領域)として
認識されることになる。ところが、図1(b) に示すよう
に、繊維に対して直交する方向から光が当たると、この
光は細胞側壁で散乱し、強い反射光はどの方向からも観
測されなくなる。すなわち、正反射方向から観察すると
暗くなり、照りはほとんど消失する。
【0017】一方、正反射方向以外の方向から観察した
場合、たとえば、天然木板の法線方向から観察した場合
は、図1(a) よりわかるように、入射光線が繊維に沿っ
た方向から入射すると法線方向へ反射する光線は完全に
零になる。また、図1(b) のように、入射光線が細胞壁
の繊維方向と直交して入射すると、法線方向には少量な
がら反射光が存在するので、弱い照り模様が観察され
る。このように、ある領域が「照り模様」として観察さ
れるか否かは、相対的な光沢の平面分布によって決定さ
れることになる。一般に、天然木の細胞壁の配列方向
は、近接したもの同士は所定領域内ではほぼ同方向に揃
う。しかし、十分離れると、配列方向は異なってくる。
このため、配列方向が同一な部分が局部的な1つの模様
領域を形成し、観察される「照り」は模様状に分布す
る。
【0018】このように、「照り模様」は方向性をもっ
て観察される模様であり、細胞繊維に沿った方向から光
を照射した状態で、その正反射方向から観察したときに
は、光沢強弱のコントラストの強い模様として表れ、天
然木板の法線方向から観察したときには、コントラスト
の弱い模様として現れることになる。しかも入射光線の
方向が同一であれば、正反射方向から観察する限り模様
は高コントラストとなり、法線方向から観察する限り模
様は低コントラストとなる。なお、これらの照り模様は
互いにネガとポジ(陰画と陽画)の関係になる。したが
って、天然木の板に対する光源位置や観察方向を変える
ことにより、「照り模様」が現れる領域も変化すること
になる。図2は、この現象を説明するためのモデル図で
ある。図2(a) ,(b) ,(c) は、いずれも天然木の板1
0に対して所定方向(図の矢印方向)から光を照射した
状態において、板10の法線方向(図では、紙面に対し
て垂直上方)から観察したときに「照り模様」が現れる
閉領域を示したものである。図に一点鎖線で示した水平
線を基準にすれば、天然木の板10の右側辺がなす角度
は、図2(a) では45°、図2(b) では90°、図2
(c) では135°となっている。このため、このモデル
では、図2(a) ,(b) ,(c) の各観察条件では、それぞ
れ閉領域(照り領域)11,12,13に「照り模様」
が現れている。
【0019】天然木の木目模様としては、この照り模様
の他に、年輪模様および導管溝模様がある。本発明は、
これら各模様をできるだけ天然木に近い状態で融合させ
た木目化粧材を提供するものである。図3は、本発明の
一実施例に係る木目化粧材の製造方法の工程図である。
以下、この工程図を参照しながら、本発明を説明する。
【0020】はじめに、ステップS1において、年輪模
様抽出用の天然木板を用意し、ステップS2において、
この天然木から年輪パターン画像を抽出する。年輪模様
は、図4(a) に示すように、天然木20を成長方向に対
して所定角度をもった方向(通常は平行あるいは斜め方
向、図の例では、切断面x−xに沿った方向)に切断す
ることによって得られる模様であり、実際には、天然木
をこのような方向で切断して得られる板を用意し、この
板の表面に現れた年輪パターンを画像として抽出するこ
とになる。図4(b) は、こうして得られた年輪パターン
Aの一例を示す図である。続くステップS3では、抽出
した年輪パターン画像に基づいて印刷版の作成が行われ
る。通常の写真製版を行うのであれば、天然木の板の表
面を写真撮影し、この写真画像に基づいて印刷版を作成
すればよいが、最近普及しているコンピュータを用いた
デジタル製版を行う場合には、年輪パターン画像をデジ
タルデータとしてコンピュータに取り込んだ上で、必要
があれば所定の画像処理を施し、印刷版を出力するよう
にすればよい。年輪パターン画像をコンピュータに取り
込むには、天然木の板の表面を写真撮影し、この写真を
入力スキャナにかけてもよいし、ビデオカメラを用いて
直接取り込むようにしてもよい。
【0021】一方、ステップS4では、導管抽出用の天
然木を用意する。この導管抽出用の天然木は、ステップ
S1で用意した年輪抽出用の天然木と同一のものであっ
てもよいが、一般には、年輪模様と導管溝模様との両方
が意匠的に優れている天然木を用意するのは困難である
ため、それぞれ別個の天然木の板を用意するのが実用的
である。すなわち、ステップS1では、年輪模様が意匠
的に優れている天然木の板を用い、ステップS2では、
導管溝模様が意匠的に優れている天然木の板を用いるこ
とになる。
【0022】続いて、ステップS5において、用意した
天然木の板から導管パターン画像を抽出する。導管溝模
様は、天然木の成長に必要な水分や養分の通路として用
いられる繊維状の導管を切断することによって得られる
断面模様であり、通常は、ややいびつな楕円状をした模
様になる。図5は、天然木の板に導管溝模様が現れる原
理を説明する図である。図5(a) に示す導管21は、水
分や養分の通路として用いられる繊維状の管であり、通
常は天然木の成長方向に伸びている。天然木から板を切
り出すと、この導管21は、成長方向に対して斜め(図
の切断面y−yに沿った方向)に切断されることにな
り、その断面として図5(b) に示すような導管パターン
Bが板の表面に現れることになる。導管21が幾何学的
に完全な円筒であれば、導管パターンBも幾何学的に完
全な楕円になるが、実際は、導管21はかなりいびつな
形状をしているため、個々の導管パターンBもいびつな
形状となって現れる。実際の板の表面には、この導管パ
ターンBが多数分布して現れることになり、図5(c) に
示すように、肉眼で観察すると、導管パターンBは多数
の細長い溝として認識されることになる。天然木の板か
ら、このような導管パターン画像を抽出する方法は公知
であるため、ここでは詳しい説明は省略する。通常は、
板の導管溝の部分を染色した上で写真撮影を行い、これ
を入力スキャナにかけてデジタル画像データとして取り
込むのが一般的である。
【0023】一方、ステップS6において、用意した天
然木の板から「照り領域」、すなわち「照り模様」が現
れる閉領域を抽出する。前述したように、照り模様が現
れる領域は、光源位置や観察方向によって異なってくる
ため、このステップS6の作業では、所定の光源位置お
よび所定の観察方向を定めて、所定の照り領域を抽出す
ることになる。具体的には、たとえば、図2(a) に示す
ような方向から光を照射した状態で、この天然木の板1
0の表面の輝度分布を所定方向から観測し(写真撮影や
ビデオカメラ入力)、所定のしきい値以上の輝度を示し
た閉領域を、照り領域11として抽出すればよい。
【0024】なお、天然木の板では、導管溝模様が現れ
る領域と、照り模様が現れる領域とは、完全に分離して
いる。すなわち、両模様は同一領域上に重なって現れる
ことはなく、図5(c) に示されているように、照りパタ
ーンCが現れる領域には、導管パターンBが現れること
はない。これは、天然木の生物学的な構造に基づくもの
である。すなわち、導管が存在する部分には、照りを生
じさせる繊維細胞は存在しないのである。したがって、
より自然に近い肌合いを再現するためには、導管パター
ンBが分布する領域と、照りパターンCが現れる領域と
を分離する必要がある。本発明では、ステップS5にお
ける導管パターン画像の抽出にも、ステップS6におけ
る照り領域の抽出にも、ステップS4で用意した同一の
天然木を抽出対象として用いているため、抽出した導管
パターンと照り領域とは重なりあうことはなく、自然に
近い態様で、両パターンを融合させることが可能にな
る。
【0025】なお、良好な意匠の天然木板が存在する場
合には、この同一の天然木板から、年輪模様、照り模
様、導管溝模様のすべてを抽出するのが好ましい。すな
わち、上述のステップS2,S5,S6では、いずれも
同一の天然木板を用いるのが好ましい。そうすれば、3
つの模様のパターンは違和感がなくなり、天然木に忠実
に一致したものになる。また、導管溝を再現する必要の
ない場合(たとえば、天然木自体の導管溝が目立たない
場合など)は、専ら年輪模様と照り模様とを違和感がな
いように同調させればよい。したがって、この場合は、
同一の天然木から年輪模様と照り模様とを抽出すればよ
い(ステップS5を省略し、ステップS2とステップS
6において同一の天然木を用いる)。
【0026】ところで、ステップS6において抽出した
ものは、「照り領域」であって「照り模様」のパターン
そのものではない。別言すれば、単なる二次元の閉領域
を示す情報だけであり、この閉領域の中身については何
ら情報は抽出されていない。そこで、天然木の「照り模
様」を疑似的に表現しうる「照りパターン」を作成する
必要がある。本発明では、ステップS7において万線条
溝パターンMを生成し、ステップS8で、この万線条溝
パターンMを照り領域内に割り付けることにより、照り
パターン画像を作成している。図6にこの作業の概念図
を示す。図6(a) は万線条溝パターンMの一例を示す図
である。ここでは、平面上に描かれた多数の線として万
線条溝パターンMを示してあるが、実際の万線条溝は、
凹凸構造をもった細い溝の集合であり、ステップS7で
は、このような凹凸構造をもった多数の細い溝が定義さ
れることになる。こうして、万線条溝パターンMが生成
できると、図6(b) に示すように、ステップS6で抽出
された照り領域の内部に、この万線条溝パターンMを割
り付けることにより、照りパターンCが形成されること
になる。
【0027】こうして、ステップS5において導管パタ
ーンBの画像が抽出され、ステップS8において照りパ
ターンCの画像が作成されると、これらの画像に基づい
て、ステップS9においてエンボス版が作成される。エ
ンボス版は、表面に凹凸構造をもち、エンボス加工を行
うための版である。このエンボス版の作成工程を理解す
るには、前工程において用意された導管パターンBや照
りパターンCが、いずれも三次元の構造に関連したパタ
ーンであることを認識しておく必要がある。図5(b) に
示したように、1つの導管パターンBは、いびつな楕円
状のパターンであるが、実際には、この導管パターンB
の内部には深さ分布が存在する。この様子は、図7(a)
のモデル図を参照すると理解できる。すなわち、導管2
1を所定の切断面y−yに沿って切断すると、その断面
には楕円状の導管パターンBが現れるが、実際の天然木
の板の表面に形成されているのは、単なる二次元的な楕
円状のパターンではなく、図7(a) にハッチングを施し
て示した「導管溝」という三次元の凹凸構造である。要
するに、個々の導管パターンは、深さの情報をもった三
次元の構造体として、天然木の板の表面に現れることに
なる。
【0028】また、ステップS7において生成した万線
条溝パターンMも、単なる二次元平面上の線ではなく、
図7(b) に示すように、凹凸構造をもった三次元構造体
である。この万線条溝の寸法は、木目化粧材の表面にこ
のような条溝を形成したときに、天然木の板に現れる照
り模様に近似した光反射が得られるように最適な値を定
めるようにする。溝のピッチがあまり小さすぎると、回
折現象が生じてしまうために好ましくなく、逆にあまり
大きすぎると、肉眼によっても線として認識されてしま
うために好ましくない。したがって、肉眼によって線と
して認識される程の寸法よりは小さく、回折現象が生じ
る程の寸法よりは大きくする必要がある。具体的には、
図7(b) において、溝の幅Wおよび隣接する溝の間隔
としては、1〜100μm程度(より好ましくは、
40〜50μm程度)、溝の深さDとしては、1〜10
0μm程度(より好ましくは、5〜20μm程度)にす
るのが好ましい。
【0029】このように、導管パターンBも照りパター
ンCも、いずれも三次元の構造を示すことができるパタ
ーンであるため、これらのパターンに基づいて、ステッ
プS9においてエンボス版を作成することが可能であ
る。もっとも、このエンボス版の表面に形成すべき凹凸
構造は、実際の製品としての木目化粧材の表面に形成す
べき凹凸構造と逆の構造にしておく必要があるため、た
とえば、導管パターンBとしては、凹状の溝部ではな
く、凸状の***部が形成されることになる。
【0030】このように、ステップS9においてエンボ
ス版を作成する工程を行う以上、導管パターンBも照り
パターンCも、いずれも三次元の凹凸構造を定義するこ
とができるデータである必要があるが、ステップS5で
抽出する導管パターンBやステップS8で作成する照り
パターンCは、必ずしも当初から三次元情報をもったパ
ターンである必要はない。たとえば、導管パターンBの
場合、ステップS4で用意した天然木の板の表面に形成
されている自然の導管溝の三次元構造をそのまま抽出す
ることができればよいのであるが、実際には、切断面に
おける楕円状の二次元パターンとしてしか画像を取り込
むことができないのが実情である。その場合には、たと
えば、図7(a) に示すようなモデルを想定し、仮想の深
さ分布を幾何学的な演算によって求め、この演算によっ
て求めた深さを二次元パターンに付加することにより、
三次元の凹凸構造を規定すればよい。また、照りパター
ンCの場合には、万線条溝パターンMをストライプ状の
二次元二値画像データとして用意しておき、白または黒
のいずれか一方の縞状部分に所定の深さDを定義すれば
よい。
【0031】こうして、ステップS3において印刷版が
作成でき、ステップS9においてエンボス版が作成でき
れば、本発明に係る木目化粧材を大量生産する準備は完
了である。まず、ステップS10において、化粧材全体
を支持する機能をもった支持層上に、作成した印刷版を
用いて印刷を行い、続いて、ステップS11において、
作成したエンボス版を用いてエンボス処理を行えばよ
い。このステップS11のエンボス処理は、印刷層上に
エンボス版を押圧して凹凸構造を形成する処理である。
こうして製造された木目化粧材の側断面図を図8に示
す。支持層1の上に、ステップS10の印刷工程で形成
された印刷層2が積層しており、その上にステップS1
1のエンボス工程で形成/凹凸加工された透明な表面保
護層3が積層した構造になっている。この実施例では、
支持層1および表面保護層3は、いずれも塩化ビニルに
よって構成され、印刷層2は印刷インキによって構成さ
れている。また、少なくとも表面保護層3を形成する塩
化ビニルは透明であり、上方から観察した場合に、印刷
層2に形成された年輪模様を観察することが可能であ
る。もちろん、表面保護層3がなくても十分な表面物性
が確保できる場合は、表面保護層3を省略し、直接支持
層1にエンボス加工による凹凸構造を形成してもよい。
一方、表面保護層3の上面には、三次元凹凸構造をもっ
た導管パターンBおよび照りパターンCが形成されてお
り、これらにより導管溝模様および照り模様が表現され
ることになる。既に述べたように、本発明では同一の天
然木から導管パターンBおよび照りパターンCを得てい
るので、両パターンは重なり合うことはなく、これらの
パターンの下地として年輪パターンAが観察されるの
で、年輪模様、導管溝模様、照り模様が自然に融合した
木目模様が実現できる。
【0032】ところで、本発明では、照り模様を万線条
溝パターンMによって表現することになるが、表面保護
層3上に形成された万線条溝パターンMは、観察する方
向によって光って見えたり見えなかったりする。したが
って、本発明に係る木目化粧材上に表現された照り模様
は、実際の天然木の板の表面に現れる照り模様と同様
に、方向性をもって観察される模様になるため、自然な
肌合いが再現されることになる。
【0033】ここで、この万線条溝パターンMによって
表現された照りパターンCの観察方向について考えてみ
る。上述したような寸法をもった万線条溝を塩化ビニル
製の表面保護層3上に形成し、天然木板の法線方向およ
び正反射方向から観察すると、ともにこの万線条溝の形
成領域が、天然木板の照り模様領域と似た表面領域とし
て認識できることが確認できた。天然木板の場合には、
板の法線方向から観察した場合には、図1(b) に示すよ
うに、繊維細胞の長手方向と入射光線の入射方向とが直
交する領域(図2における閉領域11,12,13)に
おいて照り模様が観察され、図1(a) に示すように、繊
維細胞の長手方向と入射光線の入射方向とが平行になる
領域(図2における閉領域11,12,13の外側の領
域)において照り模様は観察されない。これは、表面保
護層3上に形成された万線条溝に関しても同様である。
【0034】したがって、図2に示すモデルのような天
然木の板10上の照り領域11,12,13を木目化粧
材30上に再現するには、図9(a) ,(b) ,(c) に示す
木目化粧材30上の照り領域11,12,13の内部に
それぞれ示したような向きの万線条溝を形成すればよい
ことになる。このような向きの万線条溝を形成しておけ
ば、図9の矢印方向から光が入射し、それを、それぞれ
化粧材の法線方法、すなわち図9の紙面に垂直な方向か
ら観察すると、閉領域11,12,13はいずれも図1
(b) に示す原理により、弱い光沢を有し、これら領域の
外部は暗く無光沢になり、しかもその領域内外の明暗、
光沢のコントラストは弱い。一方、正反射方向、すなわ
ち、図の下方に示す位置から観察した場合は、入射光線
方向および観察方向は各万線条溝の長手方向に対して直
角な方向となり、光線は乱反射するため、図9(a) ,
(b) ,(c) のそれぞれの場合、閉領域11,12,13
は暗く低光沢となる。そして閉領域11,12,13の
外部の領域は、鏡面反射により高光沢となり、ここが照
り領域として観察されることになる。そして、領域内外
の明暗のコントラストは強くなる。
【0035】結局、木目化粧材30の表面保護層上に
は、図10に示すように各閉領域11,12,13ごと
に、それぞれ45°,0°,−45°(135°)の角
度で万線条溝を形成しておけばよいことになる。このよ
うに、ステップS8において照りパターン画像を作成す
る場合には、ステップS6における照り領域の抽出工程
における観察方向を考慮して、割り付ける万線条溝の向
きを決定すると、より天然木に近い照り模様の再現が可
能になる。すなわち、ステップS6の工程では、同一の
光源方向に対して観察角度を何通りか変えて、複数の照
り領域の抽出を行うようにし、ステップS8の照りパタ
ーン画像の作成工程では、各照り領域ごとに、その抽出
工程時における光源方向、観察方向、光沢の明暗および
万線条溝との間の関係、を考慮した所定の向きに万線条
溝を配置するようにすればよい。
【0036】もっとも、木目化粧材に施す模様として
は、必ずしも天然木の木目模様を忠実に再現したものが
最良であるとは限らない。むしろ、天然木には見られな
い特殊な効果を付加することにより、斬新な意匠をもっ
た製品を作成することも可能である。したがって、たと
えば、図11に示すように、ステップS6において抽出
された1閉領域15内において、種々の向きをもった万
線条溝を割り付けることも可能である。図11に示す例
では、閉領域15内の左側では45°、中央では0°、
右側では−45°と万線条溝の向きが徐々に変化するよ
うにしている。このような閉領域15によって照り模様
を表現すると、観察角度によって照り具合が微妙に変化
する特有の効果が付加できる。
【0037】ところで、一般的な天然木の板に現れる照
り模様の領域は、その輪郭が不明確であることが多い。
すなわち、領域の中央から周辺にゆくに従って連続的に
光沢が低下し、やがて光沢が消失することが普通であ
り、輪郭がいわば「ボンヤリ」とした照り領域が認識さ
れるのであって、「照り領域」という閉領域が鮮明に区
別されて認識されるものではない。これに対して、上述
した方法によって、万線条溝の形成により木目化粧材3
0上に表現された「照り領域」は、その輪郭が鮮明に認
識されやすい。そこで、「照り領域」の輪郭線を不明確
にするためには、次のような手法が有効である。
【0038】第1の手法は、図12に示すように、各万
線条溝の両端の幅を連続的に漸次小さくするという方法
である。図12は、木目化粧材の表面保護層上に形成さ
れた照りパターンの部分拡大図であり、左右の輪郭線K
1,K2で挟まれた領域が、ステップS6で抽出された
「照り領域」である。この「照り領域」内に万線条溝M
1,M2,…が割り付けられることになる。ただし、各
万線条溝M1,M2,…は、領域の中央部分は一定の幅
であるが、その両端にゆくほど幅が小さくなってきてい
る。このように領域の境界線付近において万線条溝の幅
を小さくするようにすれば、肉眼で観察した場合、境界
線K1,K2が鮮明に認識されることはなくなり、より
天然木に近い「ボンヤリ」とした照り領域が表現できる
ようになる。
【0039】第2の手法は、図13に示すように、各万
線条溝の両端の深度を浅くするという方法である。図1
3は、木目化粧材の表面保護層3の上部を拡大した側断
面図であり、K1,K2は、ステップS6で抽出された
「照り領域」の境界位置を示している。この境界線K
1,K2の間の領域内に万線条溝M3,…が割り付けら
れることになるが、万線条溝M3,…は、領域の中央部
分は一定の深度であるが、その両端にゆくほど深度が連
続的に浅くなってきている。このように領域の境界線付
近において万線条溝の深度を浅くするようにすれば、肉
眼で観察した場合、やはり境界線K1,K2が鮮明に認
識されることはなくなり、より天然木に近い「ボンヤ
リ」とした照り領域が表現できるようになる。
【0040】また、第1の手法と第2の手法とを組み合
わせ、領域の境界線付近において、万線条溝の幅および
深度の両方を連続的に漸次減少させてゆくようにしても
よい。なお、本明細書における「連続的」という文言
は、数学的な厳密な意味での「連続」に限定されるもの
ではなく、たとえば、万線条溝の幅あるいは深度が階段
状に減少するような構成にしてもよい。要するに、「照
り」の明暗が、視覚上、違和感なく連続的に変化して見
える程度の細かな階段状になっていても本発明の効果は
得られ、本明細書における「連続的」なる文言は、この
ような階段状の変化をも含むものである。
【0041】以上、本発明を図示する実施例に基づいて
説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものでは
なく、この他にも種々の態様で実施可能である。たとえ
ば、上述の実施例では、年輪パターン画像、導管パター
ン画像、照りパターン画像を、いずれもコンピュータ内
のデジタル画像データとして用意し、このデジタル画像
データに基づいて印刷版やエンボス版の作成を行ってい
るが、本発明では必ずしもこのようなコンピュータを利
用した製版を行う必要はなく、従来からの写真製版法に
よって印刷版やエンボス版を作成してもかまわない。
【0042】
【発明の効果】以上のとおり本発明に係る木目化粧材に
よれば、印刷層によって年輪模様を、また、閉領域内に
配置した万線条溝によって照り模様を、それぞれ表現
し、更に、この閉領域内の境界線近傍の万線条溝の幅あ
るいは深度を減少させるようにしたため、照り模様領域
の中央部から周縁輪郭部に向かって光沢や明度を連続的
に減少させることができ、より天然木に近い肌合いを再
現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】天然木の細胞内腔の内表面群における光の反射
態様を示す図である。
【図2】天然木の板についての照り模様と観察方向との
関係を示す図である。
【図3】本発明の一実施例に係る木目化粧材の製造方法
の工程図である。
【図4】一般的な年輪パターンの生成原理を説明する概
念図である。
【図5】一般的な導管パターンの生成原理を説明する概
念図である。
【図6】本発明に係る方法において、万線条溝パターン
Mを照り領域に割り付けることにより照りパターンCを
作成する手法を説明する概念図である。
【図7】導管パターンBおよび照りパターンCが規定す
る三次元構造を示す図である。
【図8】本発明の一実施例に係る木目化粧材の基本構造
を示す側断面図である。
【図9】本発明に係る方法において、照り領域に割り付
ける万線条溝の向きを決定する方法を示す概念図であ
る。
【図10】本発明に係る木目化粧材に形成された照り領
域と万線条溝の向きとの関係を示す上面図である。
【図11】本発明において、1閉領域内に割り付ける万
線条溝の向きを変化させた実施例を示す図である。
【図12】本発明において、割り付ける万線条溝の幅を
境界付近で小さくした実施例を示す上面図である。
【図13】本発明において、割り付ける万線条溝の深度
を境界付近で浅くした実施例を示す側断面図である。
【符号の説明】
1…支持層(塩化ビニル) 2…印刷層(印刷用インキ) 3…表面保護層(塩化ビニル) 10…天然木の板 11〜13…照り領域 15…照り領域 20…天然木 21…導管 A…年輪パターン B…導管パターン C…照りパターン K1,K2…境界線 M…万線条溝パターン M1〜M3…万線条溝

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化粧材全体を支持する機能をもった支持
    層と、この支持層の上に形成されたインキからなる印刷
    層と、を有し、前記印刷層の上面もしくは上方に凹凸模
    様が形成され、前記印刷層によって木目の年輪模様を表
    現し、前記凹凸模様の凹凸構造により、木目の照り模様
    を表現した木目化粧材において、 個々の照り模様形成領域ごとに、それぞれ固有の方向に
    沿った万線条溝を配置することにより照り模様を表現
    し、かつ、照り模様形成領域の境界付近において万線条
    溝の幅を細くするようにしたことを特徴とする木目化粧
    材。
  2. 【請求項2】 化粧材全体を支持する機能をもった支持
    層と、この支持層の上に形成されたインキからなる印刷
    層と、を有し、前記印刷層の上面もしくは上方に凹凸模
    様が形成され、前記印刷層によって木目の年輪模様を表
    現し、前記凹凸模様の凹凸構造により、木目の照り模様
    を表現した木目化粧材において、 個々の照り模様形成領域ごとに、それぞれ固有の方向に
    沿った万線条溝を配置することにより照り模様を表現
    し、かつ、照り模様形成領域の境界付近において万線条
    溝の深度を浅くするようにしたことを特徴とする木目化
    粧材。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の木目化粧材に
    おいて、 凹凸模様として、更に、天然木目の導管溝を模倣した凹
    陥部を形成し、万線条溝によって照り模様を表現し、凹
    陥部によって導管溝模様を表現したことを特徴とする木
    目化粧材。
  4. 【請求項4】 木目の年輪模様、導管溝模様、照り模様
    が表現された木目化粧材を製造する方法において、 天然木板から年輪パターン画像を抽出する段階と、 天然木板から導管パターン画像を抽出する段階と、 前記導管パターン画像の抽出に用いた同じ天然木板を、
    所定方向から光を照射した状態で所定方向から観察した
    ときに、所定光量以上の反射光が得られる照り領域を抽
    出する段階と、 多数の万線条溝を、前記照り領域と同じ条件の反射光が
    得られるように前記照り領域内に割り付け、照りパター
    ン画像を作成する段階と、 前記年輪パターン画像に基づいて印刷版を作成し、この
    印刷版を用いて、化粧材全体を支持する機能をもった支
    持層上に年輪パターンを印刷する段階と、 前記導管パターン画像および前記照りパターン画像を、
    前記天然木板の導管パターンおよび照りパターンに対応
    する位置に配置することによりエンボス版を作成し、こ
    のエンボス版を用いてエンボス加工を行い、前記年輪パ
    ターンの印刷層上に導管溝模様および照り模様を形成す
    る段階と、 を有することを特徴とする木目化粧材の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の木目化粧材の製造方法
    において、 照り領域を抽出する段階で、光の照射方向および観察方
    向を変えることによって、複数の照り領域を抽出し、照
    りパターン画像を作成する段階で、個々の照り領域につ
    いて、光の照射方向および観察方向に基づいて割付対象
    となる万線条溝の向きを決定することを特徴とする木目
    化粧材の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の木目化粧材の製造方法
    において、 デジタル画像処理または写真処理により、各照り領域の
    周縁境界付近の万線の幅を細くする処理を行うことを特
    徴とする木目化粧材の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008088682A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Dainippon Printing Co Ltd 床材用化粧シート
WO2009077890A1 (en) * 2007-12-14 2009-06-25 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Product with embossments having a decreasing line weight
JP2011067978A (ja) * 2009-09-24 2011-04-07 Toyoda Gosei Co Ltd 樹脂成形部材
JP2014069507A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート及び化粧板
JP2016203639A (ja) * 2016-07-15 2016-12-08 大日本印刷株式会社 化粧シート及び化粧板

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