JPH08323461A - Ａｌ−Ｓｉ系過共晶合金製成形品の製造方法 - Google Patents
Ａｌ−Ｓｉ系過共晶合金製成形品の製造方法Info
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- JPH08323461A JPH08323461A JP7136327A JP13632795A JPH08323461A JP H08323461 A JPH08323461 A JP H08323461A JP 7136327 A JP7136327 A JP 7136327A JP 13632795 A JP13632795 A JP 13632795A JP H08323461 A JPH08323461 A JP H08323461A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 Al-Si系過共晶合金材料製の成形品であって
均質な金属組織からなるものを比較的容易に製造するこ
とを目的とし、最終的にはAl-Si系過共晶合金製成形品
の需要を拡大する。 【構成】 半凝固状態のAl-Si系過共晶合金材料からな
るビレットＢを加圧しつつ金型２のキャビティ４内に充
填することにより前記材料Ｍを所要の形状に成形する。
均質な金属組織からなるものを比較的容易に製造するこ
とを目的とし、最終的にはAl-Si系過共晶合金製成形品
の需要を拡大する。 【構成】 半凝固状態のAl-Si系過共晶合金材料からな
るビレットＢを加圧しつつ金型２のキャビティ４内に充
填することにより前記材料Ｍを所要の形状に成形する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、Al-Si系過共晶合金
材料を用いて成形品を製造する方法に関するものであ
る。
材料を用いて成形品を製造する方法に関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】Al-Si系過共晶合金材料（すなわち、共
晶点より多量のSiを含有するAl-Si系合金材料）を用い
て成形品を製造する場合、Al-Si系過共晶合金材料の溶
湯を用意して鋳造で製造するとすれば、溶湯の凝固の際
に初晶Siが晶出した後に共晶が発生するので、Al-Si系
過共晶合金の金属組織は、初晶Siと共晶組織との混在し
たものとなる。
晶点より多量のSiを含有するAl-Si系合金材料）を用い
て成形品を製造する場合、Al-Si系過共晶合金材料の溶
湯を用意して鋳造で製造するとすれば、溶湯の凝固の際
に初晶Siが晶出した後に共晶が発生するので、Al-Si系
過共晶合金の金属組織は、初晶Siと共晶組織との混在し
たものとなる。
【０００３】そして、このようなAl-Si系過共晶合金材
料の凝固過程において、初晶Siの密度は共晶となる液相
の密度より小さいものであるので、初晶として形成され
た粒径の大きいSiの結晶は、液相の表面上に浮上して偏
析することとなり、均質な成形品を得ることが困難であ
る。
料の凝固過程において、初晶Siの密度は共晶となる液相
の密度より小さいものであるので、初晶として形成され
た粒径の大きいSiの結晶は、液相の表面上に浮上して偏
析することとなり、均質な成形品を得ることが困難であ
る。
【０００４】そのため、従来にあっては、このようなAl
-Si系過共晶合金材料製の成形品を製造する場合、一般
に主に鍛造により成形が行なわれている。
-Si系過共晶合金材料製の成形品を製造する場合、一般
に主に鍛造により成形が行なわれている。
【０００５】また、かかる材料の成形をダイカストによ
って行なう場合には、溶湯を高速で金型内に射出するの
で、ガス等が成形品内に巻き込まれ，T6処理等の熱処理
を行なうとブリスタ（ふくれ）の発生の不具合がある。
って行なう場合には、溶湯を高速で金型内に射出するの
で、ガス等が成形品内に巻き込まれ，T6処理等の熱処理
を行なうとブリスタ（ふくれ）の発生の不具合がある。
【０００６】さらに、前記のように一般に用いられるこ
との多い，鍛造にあっても、Al-Si系過共晶合金材料を
溶融させない程度に加熱することによって前記の初晶Si
の浮上を防止しつつ、徐々に最終的な成形品形状となる
ように多数の金型を順次用いる多工程で行なうことが必
要である。
との多い，鍛造にあっても、Al-Si系過共晶合金材料を
溶融させない程度に加熱することによって前記の初晶Si
の浮上を防止しつつ、徐々に最終的な成形品形状となる
ように多数の金型を順次用いる多工程で行なうことが必
要である。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来の技術
においては前記したようにAl-Si系過共晶合金製成形品
を得るための工程が煩雑なものとなっている。
においては前記したようにAl-Si系過共晶合金製成形品
を得るための工程が煩雑なものとなっている。
【０００８】また、前記のいずれの場合においても、初
晶Siが均一に金属組織中に分散されているとは言い難い
状態である。
晶Siが均一に金属組織中に分散されているとは言い難い
状態である。
【０００９】この発明は、このような事情に基づいてな
されたもので、Al-Si系過共晶合金材料製の成形品であ
って均質な金属組織からなるものを比較的容易に製造す
ることを目的とし、最終的にはAl-Si系過共晶合金製成
形品の需要を拡大するものである。
されたもので、Al-Si系過共晶合金材料製の成形品であ
って均質な金属組織からなるものを比較的容易に製造す
ることを目的とし、最終的にはAl-Si系過共晶合金製成
形品の需要を拡大するものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項１記載の発明は、半凝固状態のAl-Si系過共
晶合金材料を加圧しつつ金型のキャビティ内に充填する
ことにより前記材料を所要の形状に成形することを特徴
とする。
に、請求項１記載の発明は、半凝固状態のAl-Si系過共
晶合金材料を加圧しつつ金型のキャビティ内に充填する
ことにより前記材料を所要の形状に成形することを特徴
とする。
【００１１】また、請求項２記載の発明は、請求項１記
載のAl-Si系過共晶合金製成形品の製造方法において、
前記Al-Si系過共晶合金材料として、連続鋳造により形
成されたビレットを用いることとし、そのビレットを固
相線温度と同温もしくは高温で液相線温度より低温に加
熱して半凝固状態とすることを特徴とする。
載のAl-Si系過共晶合金製成形品の製造方法において、
前記Al-Si系過共晶合金材料として、連続鋳造により形
成されたビレットを用いることとし、そのビレットを固
相線温度と同温もしくは高温で液相線温度より低温に加
熱して半凝固状態とすることを特徴とする。
【００１２】
【作用】請求項１記載の発明によれば、半凝固状態のAl
-Si系過共晶合金材料を加圧しつつ金型のキャビティ内
に充填することにより前記材料を所要の形状に成形する
ので、半凝固状態の材料のキャビティ内への充填に伴う
材料の流れによって、初晶Si相と液相とが撹拌されるの
で、初晶Si相の偏在が軽減され成形品の金属組織を均質
にすることができるとともにその製造も比較的容易であ
る。
-Si系過共晶合金材料を加圧しつつ金型のキャビティ内
に充填することにより前記材料を所要の形状に成形する
ので、半凝固状態の材料のキャビティ内への充填に伴う
材料の流れによって、初晶Si相と液相とが撹拌されるの
で、初晶Si相の偏在が軽減され成形品の金属組織を均質
にすることができるとともにその製造も比較的容易であ
る。
【００１３】また、請求項２記載の発明によれば、請求
項１記載のAl-Si系過共晶合金製成形品の製造方法にお
いて、前記Al-Si系過共晶合金材料として連続鋳造によ
るビレットを半凝固状態として用いるので、比較的均質
なAl-Si系過共晶合金材料である連続鋳造によるビレッ
トを使用するうえ、その材料のキャビティ内への充填に
伴う材料の流れによって、初晶Si相と液相とがさらに撹
拌されるので、成形品の金属組織を一層均質にすること
ができ，その製造も比較的容易である。
項１記載のAl-Si系過共晶合金製成形品の製造方法にお
いて、前記Al-Si系過共晶合金材料として連続鋳造によ
るビレットを半凝固状態として用いるので、比較的均質
なAl-Si系過共晶合金材料である連続鋳造によるビレッ
トを使用するうえ、その材料のキャビティ内への充填に
伴う材料の流れによって、初晶Si相と液相とがさらに撹
拌されるので、成形品の金属組織を一層均質にすること
ができ，その製造も比較的容易である。
【００１４】
【実施例】以下、図面に示す実施例によりこの発明を説
明するが、まず、図２により本願の製造方法に用いられ
る製造装置の構造を説明する。
明するが、まず、図２により本願の製造方法に用いられ
る製造装置の構造を説明する。
【００１５】図２において、１は成形品の製造装置を示
す。
す。
【００１６】製造装置１は、ビレット状の形態で供給さ
れる材料Ｍを成形する型装置２と、型装置２の上方に設
置され，材料Ｍを型装置２に加圧しつつ充填する充填装
置３とを有する。
れる材料Ｍを成形する型装置２と、型装置２の上方に設
置され，材料Ｍを型装置２に加圧しつつ充填する充填装
置３とを有する。
【００１７】型装置２は、材料Ｍを所要の製品形状に形
成するためのキャビティ４を備えた成形型５と、成形型
５のキャビティ４内に材料Ｍを圧入するための圧入室６
を備えた圧入型７とからなるものである。
成するためのキャビティ４を備えた成形型５と、成形型
５のキャビティ４内に材料Ｍを圧入するための圧入室６
を備えた圧入型７とからなるものである。
【００１８】前記成形型５のキャビティ４は上開き状に
形成されており、前記圧入型７の下面直下に位置するこ
とによって所要形状の成形用空間を画成するものであ
る。
形成されており、前記圧入型７の下面直下に位置するこ
とによって所要形状の成形用空間を画成するものであ
る。
【００１９】そして、圧入型７の圧入室６は上下方向に
向いた円筒状であって、上開き状に形成されている。
向いた円筒状であって、上開き状に形成されている。
【００２０】また、その圧入室６の底部において、圧入
室６の軸心Ｏ−Ｏ上には小径の透孔として形成された材
料供給口８が設置されており、この材料供給口８に隣接
した部分には不図示の駆動装置で水平方向に出没駆動さ
れる切断刃１１が設置されている。
室６の軸心Ｏ−Ｏ上には小径の透孔として形成された材
料供給口８が設置されており、この材料供給口８に隣接
した部分には不図示の駆動装置で水平方向に出没駆動さ
れる切断刃１１が設置されている。
【００２１】かかる圧入型７の下面直下に前記成形型５
を位置させた状態においては、圧入室６は材料供給口８
を介して前記キャビティ４と連通した状態となる。
を位置させた状態においては、圧入室６は材料供給口８
を介して前記キャビティ４と連通した状態となる。
【００２２】このように構成された型装置２の前記圧入
室６の上方には、上下方向に向けて設置した油圧シリン
ダ１２が充填装置３として配置されており、その油圧シ
リンダ１２のピストンロッド１３の先端に水平断面にお
いて前記圧入室６の内径より幾分小さめの直径のプラン
ジャ１４が装着されており、このプランジャ１４は前記
油圧シリンダ１２の伸縮により上下方向に向いた軸心Ｏ
−Ｏ上を進退して、前記圧入室６への出入りが可能であ
る。
室６の上方には、上下方向に向けて設置した油圧シリン
ダ１２が充填装置３として配置されており、その油圧シ
リンダ１２のピストンロッド１３の先端に水平断面にお
いて前記圧入室６の内径より幾分小さめの直径のプラン
ジャ１４が装着されており、このプランジャ１４は前記
油圧シリンダ１２の伸縮により上下方向に向いた軸心Ｏ
−Ｏ上を進退して、前記圧入室６への出入りが可能であ
る。
【００２３】このように構成された製造装置１を用いて
の成形品（以下、製品Ｇという）の製造は図３に示すよ
うに行なわれる。
の成形品（以下、製品Ｇという）の製造は図３に示すよ
うに行なわれる。
【００２４】まず、材料Ｍはマニピュレータ１６により
略円柱状のビレットＢとして圧入室６に供給される（図
３（ａ）参照）。
略円柱状のビレットＢとして圧入室６に供給される（図
３（ａ）参照）。
【００２５】この実施例において、材料Ｍは SC174A に
相当する，Al-Si系過共晶合金であり、16.0〜18.0重量
部のシリコンと，1.3重量部の鉄と，4.0〜5.0重量部の
銅と，0.10重量部のマンガンと，0.45〜0.65重量部のマ
グネシウムと，0.10重量部の亜鉛と，0.20重量部のチタ
ンと，0.20重量部の不可避成分，および残部のアルミニ
ウムとからなるものである。
相当する，Al-Si系過共晶合金であり、16.0〜18.0重量
部のシリコンと，1.3重量部の鉄と，4.0〜5.0重量部の
銅と，0.10重量部のマンガンと，0.45〜0.65重量部のマ
グネシウムと，0.10重量部の亜鉛と，0.20重量部のチタ
ンと，0.20重量部の不可避成分，および残部のアルミニ
ウムとからなるものである。
【００２６】そして、この実施例の場合、前記の材料Ｍ
は、連続鋳造により形成された鋳塊から切りだして用意
されたビレットＢの形態で圧入室６に供給されるが、こ
のビレットＢは圧入室６に供給される際には、固相線温
度577℃以上で液相線温度より低温に加熱された半凝固
状態となっている。なお、ビレットＢの温度は固相線温
度と同温であってもよい。
は、連続鋳造により形成された鋳塊から切りだして用意
されたビレットＢの形態で圧入室６に供給されるが、こ
のビレットＢは圧入室６に供給される際には、固相線温
度577℃以上で液相線温度より低温に加熱された半凝固
状態となっている。なお、ビレットＢの温度は固相線温
度と同温であってもよい。
【００２７】この実施例において、材料Ｍとして連続鋳
造により形成された鋳塊から切りだしたビレットＢを加
熱して用いているのは、材料中でのSiの結晶の偏在があ
るものの，一定体積の材料中での成分量のばらつきが小
さく，後述するように材料中でのSiの結晶の偏在は本願
によって軽減されるからである。
造により形成された鋳塊から切りだしたビレットＢを加
熱して用いているのは、材料中でのSiの結晶の偏在があ
るものの，一定体積の材料中での成分量のばらつきが小
さく，後述するように材料中でのSiの結晶の偏在は本願
によって軽減されるからである。
【００２８】そして、図４に示すAl-Si系状態図からあ
きらかなように、この種の材料の共晶点はSiが12.6wt%
であり、圧入室６に供給される前記ビレットＢは、図４
にＢで示した点に位置づけることができる。
きらかなように、この種の材料の共晶点はSiが12.6wt%
であり、圧入室６に供給される前記ビレットＢは、図４
にＢで示した点に位置づけることができる。
【００２９】すなわち、図４において、ビレットＢは固
相線と液相線との間に位置しており、ビレットＢは晶出
したSiの結晶と共晶組織の一部を形成する液相とが混在
した半凝固状態である。
相線と液相線との間に位置しており、ビレットＢは晶出
したSiの結晶と共晶組織の一部を形成する液相とが混在
した半凝固状態である。
【００３０】このようなビレットＢが圧入室６に供給さ
れた後、前記油圧シリンダ１２を伸長駆動させてプラン
ジャ１４を下方に移動させ充填工程を開始する（図２，
図３（ｂ）参照）。
れた後、前記油圧シリンダ１２を伸長駆動させてプラン
ジャ１４を下方に移動させ充填工程を開始する（図２，
図３（ｂ）参照）。
【００３１】プランジャ１４の下方への移動に伴って、
ビレットＢは、図１に示すように変形され、前記プラン
ジャ１４の加圧によりビレットＢの主に中心部分の材料
Ｍは図中に矢印で示すように材料供給口８を経るキャビ
ティ４内への流動を開始する。
ビレットＢは、図１に示すように変形され、前記プラン
ジャ１４の加圧によりビレットＢの主に中心部分の材料
Ｍは図中に矢印で示すように材料供給口８を経るキャビ
ティ４内への流動を開始する。
【００３２】プランジャ１４により加圧されて流動する
材料Ｍは、圧入室６から断面積の小さい材料供給口８を
経由して流動するので、流線の間隔を狭めるように流動
し、その材料Ｍ中において撹拌作用が行なわれる。ま
た、材料供給口８を経由してキャビティ４内に流入した
材料Ｍは、キャビティ４内でキャビティ４の壁面形状に
応じてその流動方向が強制的に変更されるので、その流
動方向の変更に伴って材料Ｍが撹拌されることとなる。
材料Ｍは、圧入室６から断面積の小さい材料供給口８を
経由して流動するので、流線の間隔を狭めるように流動
し、その材料Ｍ中において撹拌作用が行なわれる。ま
た、材料供給口８を経由してキャビティ４内に流入した
材料Ｍは、キャビティ４内でキャビティ４の壁面形状に
応じてその流動方向が強制的に変更されるので、その流
動方向の変更に伴って材料Ｍが撹拌されることとなる。
【００３３】したがって、前記のように半凝固状態で晶
出したSiの結晶と共晶組織の一部を形成する液相とが混
在した状態にあって浮上する傾向の強いSiを含有する，
材料Ｍが、圧入室６への充填に伴って撹拌を受ける。
出したSiの結晶と共晶組織の一部を形成する液相とが混
在した状態にあって浮上する傾向の強いSiを含有する，
材料Ｍが、圧入室６への充填に伴って撹拌を受ける。
【００３４】そして、キャビティ４内の材料Ｍが、完全
な液状ではなく，Siの結晶の浮上動作が生じない半凝固
状態であるので、キャビティ４内の材料Ｍは撹拌された
状態のままで凝固の完了まで維持され、前記の撹拌によ
ってSiの結晶の偏在が軽減されたものとすることができ
る。
な液状ではなく，Siの結晶の浮上動作が生じない半凝固
状態であるので、キャビティ４内の材料Ｍは撹拌された
状態のままで凝固の完了まで維持され、前記の撹拌によ
ってSiの結晶の偏在が軽減されたものとすることができ
る。
【００３５】そして、このようなプランジャ１４の下方
への移動は、前記圧入室６内に材料Ｍの一部を残留させ
た状態で停止する（図３（ｃ）参照）。
への移動は、前記圧入室６内に材料Ｍの一部を残留させ
た状態で停止する（図３（ｃ）参照）。
【００３６】これは、成形品である製品Ｇの量産工程に
おいて圧入室６内に装填される材料Ｍの量を必要量に厳
密に一致させて行なうことが困難であること、およびプ
ランジャ１４の下面に沿って位置する，ビレットＢの上
面に位置していた表層部がキャビティ４内に充填される
ことを避けるためである。
おいて圧入室６内に装填される材料Ｍの量を必要量に厳
密に一致させて行なうことが困難であること、およびプ
ランジャ１４の下面に沿って位置する，ビレットＢの上
面に位置していた表層部がキャビティ４内に充填される
ことを避けるためである。
【００３７】このようにして、材料Ｍのキャビティ４へ
の充填が完了した後、前記油圧シリンダ１２を縮小駆動
してプランジャ１４を後退させ、その後前記切断刃１１
を作動させる（図３（ｄ）参照）。
の充填が完了した後、前記油圧シリンダ１２を縮小駆動
してプランジャ１４を後退させ、その後前記切断刃１１
を作動させる（図３（ｄ）参照）。
【００３８】これによって、前記材料Ｍをキャビティ４
内の製品Ｇと圧入室６側の残部Ｚとに分離し、前記圧入
室６内に残留し酸化物等の不純物が混入した可能性のあ
る残部Ｚは排除される（図３（ｅ）参照）。
内の製品Ｇと圧入室６側の残部Ｚとに分離し、前記圧入
室６内に残留し酸化物等の不純物が混入した可能性のあ
る残部Ｚは排除される（図３（ｅ）参照）。
【００３９】この後、前記圧入型７を成形型５から上動
させて離間させ、前記成形型５に残された製品Ｇは不図
示のノックピンを作動させて取り出し（図３（ｆ）参
照）、所要形状に形成された成形品を得ることができ
る。
させて離間させ、前記成形型５に残された製品Ｇは不図
示のノックピンを作動させて取り出し（図３（ｆ）参
照）、所要形状に形成された成形品を得ることができ
る。
【００４０】このようにして得られた製品Ｇにおいて
は、前記したキャビティ４への充填に伴う材料Ｍの撹拌
によって、Siの結晶の偏在が軽減されているので、均質
なAl-Si系過共晶合金の金属組織が実現されており、か
かる製品Ｇの製造方法も前記のように比較的容易なもの
である。
は、前記したキャビティ４への充填に伴う材料Ｍの撹拌
によって、Siの結晶の偏在が軽減されているので、均質
なAl-Si系過共晶合金の金属組織が実現されており、か
かる製品Ｇの製造方法も前記のように比較的容易なもの
である。
【００４１】このようにして得られた製品Ｇの形状が正
確であり、その後加工の必要性は従来に較べて低減され
たものとなる。
確であり、その後加工の必要性は従来に較べて低減され
たものとなる。
【００４２】また、その製品Ｇの成形直後の金属組織
は、ネットシェイプ形状であり、ダイカスト法のような
ガスの巻き込みが皆無であるので、T6等の熱処理による
機械的性質の向上を何等の支障なく実施することができ
る。
は、ネットシェイプ形状であり、ダイカスト法のような
ガスの巻き込みが皆無であるので、T6等の熱処理による
機械的性質の向上を何等の支障なく実施することができ
る。
【００４３】以上説明した実施例においては、材料Ｍを
連続鋳造により形成された鋳塊から切りだして用意され
たビレットＢの形態とし、これを加熱して半凝固状態と
したものを用いる場合を説明したが、本願発明はこれに
限らず実施できることはいうまでもない。
連続鋳造により形成された鋳塊から切りだして用意され
たビレットＢの形態とし、これを加熱して半凝固状態と
したものを用いる場合を説明したが、本願発明はこれに
限らず実施できることはいうまでもない。
【００４４】たとえば、溶解炉に前記と同様の組成から
なるAl-Si系過共晶合金材料の溶湯を用意し、この材料
を適宜に冷却して半凝固状態とし、この半凝固状態とな
った材料の適量を前記圧入室に供給することとしても、
前記と概ね同様にAl-Si系過共晶合金材料製の成形品を
得ることができる。
なるAl-Si系過共晶合金材料の溶湯を用意し、この材料
を適宜に冷却して半凝固状態とし、この半凝固状態とな
った材料の適量を前記圧入室に供給することとしても、
前記と概ね同様にAl-Si系過共晶合金材料製の成形品を
得ることができる。
【００４５】その場合、溶解炉において材料を液状の溶
湯の状態で保持する際には、前記したようにSiの結晶が
溶湯の液面上に浮上することとなるので、所要の成分組
成からなる半凝固状態の材料を確保するうえでは、溶湯
を適宜に撹拌しつつ半凝固状態の材料を用意することが
必要である。
湯の状態で保持する際には、前記したようにSiの結晶が
溶湯の液面上に浮上することとなるので、所要の成分組
成からなる半凝固状態の材料を確保するうえでは、溶湯
を適宜に撹拌しつつ半凝固状態の材料を用意することが
必要である。
【００４６】また、この発明は、前記した成分組成の材
料に限らず、その他各種のAl-Si系過共晶合金を材料と
して用いても同様に実施することができる。
料に限らず、その他各種のAl-Si系過共晶合金を材料と
して用いても同様に実施することができる。
【００４７】
【発明の効果】以上説明したように、請求項１記載の発
明によれば、半凝固状態のAl-Si系過共晶合金材料を加
圧しつつ金型のキャビティ内に充填することにより前記
材料を所要の形状に成形するので、半凝固状態の材料の
キャビティ内への充填に伴う材料の流れによって、初晶
Si相と液相とが撹拌されるので、初晶Si相の偏在が軽減
され成形品の金属組織を均質にすることができるととも
にその製造も比較的容易である。
明によれば、半凝固状態のAl-Si系過共晶合金材料を加
圧しつつ金型のキャビティ内に充填することにより前記
材料を所要の形状に成形するので、半凝固状態の材料の
キャビティ内への充填に伴う材料の流れによって、初晶
Si相と液相とが撹拌されるので、初晶Si相の偏在が軽減
され成形品の金属組織を均質にすることができるととも
にその製造も比較的容易である。
【００４８】また、請求項２記載の発明によれば、請求
項１記載のAl-Si系過共晶合金製成形品の製造方法にお
いて、前記Al-Si系過共晶合金材料として連続鋳造によ
るビレットを半凝固状態として用いるので、比較的均質
なAl-Si系過共晶合金材料である連続鋳造によるビレッ
トを使用するうえ、その材料のキャビティ内への充填に
伴う材料の流れによって、初晶Si相と液相とがさらに撹
拌されるので、成形品の金属組織を一層均質にすること
ができ，その製造も比較的容易である。
項１記載のAl-Si系過共晶合金製成形品の製造方法にお
いて、前記Al-Si系過共晶合金材料として連続鋳造によ
るビレットを半凝固状態として用いるので、比較的均質
なAl-Si系過共晶合金材料である連続鋳造によるビレッ
トを使用するうえ、その材料のキャビティ内への充填に
伴う材料の流れによって、初晶Si相と液相とがさらに撹
拌されるので、成形品の金属組織を一層均質にすること
ができ，その製造も比較的容易である。
【図１】半凝固状態のAl-Si系過共晶合金材料のキャビ
ティへの充填時の材料の動作を示す断面図である。
ティへの充填時の材料の動作を示す断面図である。
【図２】製造装置の断面図である。
【図３】（ａ）〜（ｆ）は、製造装置による成形品の各
製造工程の説明図である。
製造工程の説明図である。
【図４】実施例のAl-Si系過共晶合金材料を含む，Al-Si
系合金の状態図である。
系合金の状態図である。
Ｂ ビレット（半凝固状態のAl-Si系過共晶合金材料） Ｍ 材料 ２ 金型 ４ キャビティ
Claims (2)
- 【請求項１】 半凝固状態のAl-Si系過共晶合金材料を
加圧しつつ金型のキャビティ内に充填することにより前
記材料を所要の形状に成形することを特徴とするAl-Si
系過共晶合金製成形品の製造方法。 - 【請求項２】 請求項１記載のAl-Si系過共晶合金製成
形品の製造方法において、前記Al-Si系過共晶合金材料
として、連続鋳造により形成されたビレットを用いるこ
ととし、そのビレットを固相線温度と同温もしくは高温
で液相線温度より低温に加熱して半凝固状態とすること
を特徴とするAl-Si系過共晶合金製成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7136327A JPH08323461A (ja) | 1995-06-02 | 1995-06-02 | Ａｌ−Ｓｉ系過共晶合金製成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7136327A JPH08323461A (ja) | 1995-06-02 | 1995-06-02 | Ａｌ−Ｓｉ系過共晶合金製成形品の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08323461A true JPH08323461A (ja) | 1996-12-10 |
Family
ID=15172638
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7136327A Pending JPH08323461A (ja) | 1995-06-02 | 1995-06-02 | Ａｌ−Ｓｉ系過共晶合金製成形品の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08323461A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2000043559A1 (fr) * | 1999-01-21 | 2000-07-27 | Aluminium Pechiney | Produit en alliage aluminium-silicium hypereutectique pour mise en forme a l'etat semi-solide |
| JP2015500742A (ja) * | 2011-11-11 | 2015-01-08 | クルーシブル インテレクチュアル プロパティ エルエルシーＣｒｕｃｉｂｌｅ Ｉｎｔｅｌｌｅｃｔｕａｌ Ｐｒｏｐｅｒｔｙ Ｌｌｃ | 射出成形装置用のインゴット装入機構 |
| WO2023058766A1 (ja) * | 2021-10-07 | 2023-04-13 | 学校法人千葉工業大学 | 過共晶材料及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-06-02 JP JP7136327A patent/JPH08323461A/ja active Pending
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| FR2788788A1 (fr) * | 1999-01-21 | 2000-07-28 | Pechiney Aluminium | Produit en alliage aluminium-silicium hypereutectique pour mise en forme a l'etat semi-solide |
| US6200396B1 (en) | 1999-01-21 | 2001-03-13 | Aluminium Pechinay | Hypereutectic aluminium-silicon alloy product for semi-solid forming |
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| US9586259B2 (en) | 2011-11-11 | 2017-03-07 | Crucible Intellectual Property, Llc | Ingot loading mechanism for injection molding machine |
| US10300528B2 (en) | 2011-11-11 | 2019-05-28 | Crucible Intellectual Property, Llc | Ingot loading mechanism for injection molding machine |
| WO2023058766A1 (ja) * | 2021-10-07 | 2023-04-13 | 学校法人千葉工業大学 | 過共晶材料及びその製造方法 |
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