JPH08319230A - スキンケア浴用剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 カルボン酸により変性されたキトサンと加水
分解コラーゲンとの反応生成物よりなる保湿剤を主成分
とし、適宜、銀セラミック剤を含有せしめてなる浴用
剤。 【目的】 肌あれを防止し、肌にやさしい、洗浄により
皮膚表面の皮質が低下しても角質の水分低下を招かない
新規スキンケア浴用剤の提供。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、皮膚に吸着被覆性で、
且つ、平滑性の保湿剤を含有するスキンケア浴用剤に関
する。また本発明は、カルボン酸変性キトサンと加水分
解コラーゲンとの反応生成物である保湿剤を含有し、適
宜、追加成分として銀セラミック抗菌剤を含むスキンケ
ア浴用剤に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の浴用剤は、硫酸ナトリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ホウ砂等の無機塩類
を主剤として他にミネラル成分や炭酸ガスの発生成分を
配合し、適量の香料や着色料を加えて、入浴により温浴
効果を高め、血行を良くし、疲労回復、肩こり、冷え
性、神経痛、腰痛、に効能効果があるとしているものが
多かった。また、浴用剤にはさらに酸化チタンを加えて
牛乳風呂のフィーリングの浴用剤や、ハーブや生薬末、
脱脂粉乳を配合して“肌に優しさ”や、ときには薬効を
表示しているものもあった。一方、浴用剤の使用形態と
しては、粉末状のもの、錠剤のもの、ペースト状のもの
があり、普通入浴時に必要量を浴槽に溶解して使用する
のが一般的である。さらに市販の浴用剤の中では、その
効果として、冷え性、リューマチ、肩こり、神経痛、腰
痛、血行改善、疲労回復などの効能を表示した医薬部外
品に相当する製品が多数を占めている。また、肌の洗浄
清潔に有効な成分による化粧品に相当するものも市販さ
れているが、温泉効果などの身体に対する薬効の表示が
認められておらず、使用可能な化合物の幅も狭く、医薬
部外品に圧倒されて化粧品の範疇に含まれる浴用剤は少
なくなってきているのが現状である。

【０００３】

【従来の技術の問題点】従来の浴用剤では、血行をよく
して疲れを癒すと共に、冷え性、リューマチ、肩こり等
の薬効について説明されているけれども、入浴により化
粧石鹸を用いて肌の汚れを除く際に、皮膚表面の皮脂が
除かれるので、特に肌の荒れ性や肌の弱い人は入浴後に
化粧用の油剤や保湿剤による肌の手入れが必要であっ
た。これは皮膚表面の皮脂が角質水分の維持に重要な役
割を果しており、入浴により皮脂が低下すると、その
後、角質水分の蒸発抑制能力が低下し、経時的に水分が
低下するので、肌の健康として好ましくなかった。肌が
健康な状態を保つには、角質に２０％程度の水分を含む
ことが必要であり、角質の水分が低下すると、皮膚の柔
軟性が失われて肌が荒れる原因となっていた。このた
め、入浴により皮脂が低下すると、角質水分率の維持に
支障をきたし、肌が荒れたり、アトピー疾患やアレルギ
ー疾患では症状悪化を招くことが多かった。この対策と
して、入浴後にヒマシ油、グリセリン等を用いたボデイ
ローションが行なわれていたが、ボデイローションの塗
布の手間が必要で、繁雑で、肌がべとついて感触が悪い
などからあまり好まれていなかった。入浴剤によりもし
肌の保護効果が同時に得られると、入浴後のボデイロー
ションによる手入れが不要となり、便利であるけれど
も、そのようなニーズを満たす製品は出現していなかっ
た。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】また、入浴剤によって
平滑柔軟性のある保湿効果が得られれば、肌の弱い人
や、アトピー疾患、アレルギー疾患の人に対してはいう
に及ばず一般の人の肌の健康にも有効で便利であるが、
従来、ボデイローション用に用いられていたヒマシ油、
グリホリン等を入浴剤に配合した場合、使用後の感触が
べとついて適当ではなかった。脱脂粉乳を浴用剤に配合
して保湿性のスキンケアを求めた製品も知られるが、脱
脂粉乳の吸湿によりべとつくこと、肌に吸着性がなく取
れやすいこと、不安定で変質し易いこと等の問題があっ
た。また、保湿性のスキンケア製品として、カルボキシ
メチルキトサン及びコラーゲンを含有する化粧料（特開
平6-279231) もあるが、カルボキシメチルキトサンとコ
ラーゲンの相乗効果により保湿力はすぐれているが、吸
湿性が強いので、肌にべとつきが残って浴用剤には適し
ていない。また、これらの保湿剤は造膜性の被覆力が弱
いので、低温低湿度条件とか肌のこすれ等の苛酷な条件
では保湿の保護効果は充分ではなかった。そこで、この
発明ではこの課題に対応するために、肌あれ防止のスキ
ンケアを目的とし、洗浄により皮膚表面の皮脂が低下し
ても角質の水分低下を招かない新規なスキンケア浴用剤
を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、キトサ
ンをカルボン酸によって水可溶性に変性した、キトサン
と加水分解コラーゲンの反応生成物を保湿剤として用い
ることにより皮膚に吸着性を有する平滑性のある造膜性
の被覆が得られ、この被覆は保湿性が高く、その保湿力
と被覆効果により苛酷な条件においても角質の水分を維
持する効果がある。また、この保湿剤は皮膚に吸着性を
有するので、浴用剤に配合して使用することにより一層
の効果を発揮させることができる。さらにこの発明の保
湿剤は肌に吸着性があるので、洗浄によって除去される
ことがなく、平滑柔軟性のある保湿に最適である。ま
た、本発明の浴用剤では、さっぱりとした平滑性の優れ
た保湿性が得られ、従来の保湿剤によるべとつきを解消
することができた。この保湿剤の肌に対する吸着性は入
浴により一層効果的に肌に保湿剤が吸着し被覆すること
が可能となった。本発明の浴用剤は、一般的な体質の人
の肌の健康管理に有効であることは勿論であるが、乾燥
肌の荒れ性、アトピー疾患やアレルギー疾患の人の肌の
健康維持に特に効果的である。

【０００６】本発明における保湿剤は、カルボン酸にキ
トサンを混合し、必要により水を加えて２０〜５０℃で
４〜８時間攪拌し、次いで加水分解コラーゲンを加えて
攪拌することによってペースト状の保湿剤が得られる。
適宜、炭酸ナトリウム等と混合して錠剤に成型すること
もできる。また、粉末状の保湿剤を得るには、キトサン
と加水分解コラーゲンを均一に混合し、内部が二層の蒸
し釜の上部に入れ、下部にカルボン酸を入れて密閉して
加熱することによりキトサンのカルボン酸塩の生成と、
これに対する加水分解コラーゲンの作用を気相法で行う
ことができる。さらに保湿剤に含有される加水分解コラ
ーゲンの腐敗を防止するために、銀セラミック抗菌剤を
配合することは作用の持続性という点で効果的である。
キトサン変性のためのカルボン酸としては、アスコルビ
ン酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸及びアジピン酸よりな
る群から選ばれた少なくとも一成分が使用できる。本発
明では前記保湿剤をスキンケア用の浴用剤の主剤として
使用するが、前記保湿剤を従来の無機塩類を主剤とする
浴用剤に配合しても、これを主剤として配合したときに
比して効果の多少の差はあるけれども同様の効果が発揮
される。

【０００７】

【実施例１】粉末状のキトサン５００ｇ、乳酸５００
ｇ、水２００ｇを混合し、４０℃で５時間攪拌し、次い
で加水分解コラーゲン６００ｇを加えて３０℃で３時間
攪拌して保湿剤を得た。上記保湿剤３０部、炭酸ナトリ
ウム５８部、ビタミンＣ７部、ビタミンＥ２部及び銀ゼ
オライト３部を混合して練り込み、一個２５ｇの入浴剤
に成型した。２５ｇ一個を２００Ｌの浴槽に入れて溶解
した。この浴槽に入浴した結果、肌に平滑性の優れたさ
らっとした保湿性被覆が生成し、皮膚が柔軟になった。
この入浴を毎日行った結果、一週間後に肌荒れ性が直っ
た。

【０００８】

【実施例２】粉末状のキトサン５００ｇ、加水分解コラ
ーゲン５００ｇを均一に混合して内部が二層の蒸し釜の
内部上部に入れ、下部に乳酸６００ｇを入れて密閉して
１５０℃で３時間加熱して粉末状のキトサン・コラーゲ
ン保湿剤を得た。上記粉末状の保湿剤２５部、酸化チタ
ン４０部、ビタミンＣ６部、ビタミンＥ２部、炭酸ナト
リウム２５部及び銀ゼオライト２部を混合して得た混合
物の２５ｇを２００Ｌの浴槽に入れて溶解した。この浴
槽に入浴したところ、荒れ性の肌は平滑柔軟になり、保
湿性の被覆により翌日においても肌は柔軟であった。こ
の保湿剤の性能は、６ヶ月後においても同様の効果を維
持できた。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カルボン酸により変性されたキトサンと
   加水分解コラーゲンとの反応生成物よりなる保湿剤を含
   有することを特徴とするスキンケア浴用剤。
2. 【請求項２】 キトサン変性のためのカルボン酸が、ア
   スコルビン酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸及びアジピン
   酸より成る群から選ばれた少なくとも一成分である請求
   項１のスキンケア浴用剤。
3. 【請求項３】 銀セラミック抗菌剤を含有してなる請求
   項１又は請求項２のいずれかのスキンケア浴用剤。