JPH0831723A - ArFエキシマレーザリソグラフィー用合成石英マスク基板およびその製造方法 - Google Patents

ArFエキシマレーザリソグラフィー用合成石英マスク基板およびその製造方法

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JPH0831723A
JPH0831723A JP16347394A JP16347394A JPH0831723A JP H0831723 A JPH0831723 A JP H0831723A JP 16347394 A JP16347394 A JP 16347394A JP 16347394 A JP16347394 A JP 16347394A JP H0831723 A JPH0831723 A JP H0831723A
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久利 大塚
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勝美 杉田
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ArFエキシマレーザの照射に対して優れた
安定性を有するArFエキシマレーザリソグラフィー用
合成石英マスク基板およびその製造方法を提供する。 【構成】 このエキシマレーザリソグラフィー用合成石
英マスク基板は、水素分子含有量が 0.5〜4×1018mole
cules/cm3 で塩素を含有せず、OH基含有量が 700〜1,
000ppmで一方向脈理がフリーであり、低エネルギーのA
rFエキシマレーザを照射したときの吸光度がK≦0.00
8cm-1 で、高エネルギーのArFレーザを照射したとき
の屈折率偏差量が△n≦1×10-6であるものであり、こ
の製造方法はアルコキシシランを5重管の酸水素火炎バ
ーナー中で火炎加水分解して得たシリカ微粒子から作ら
れた合成石英ガラスから作るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はArFエキシマレーザリ
ソグラフィー用合成石英マスク基板、特にはArFエキ
シマレーザ(193nm) の照射に対して優れた安定性を有す
るArFエキシマレーザリソグラフィー用合成石英マス
ク基板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、LSIの高集積化に伴なってウエ
ーハ上に集積回路パターンを描画する光リソグラフィー
技術においても、サブミクロン単位の描画技術が要求さ
れており、より微細な線幅描画を行なうために、露光系
の光源の短波長化が進められているので、リソグラフィ
ー用のステッパーや反射屈折光学系システムに使用され
るレンズやマスク基板には、優れた均質性と優れた紫外
線の透過性および紫外線照射に対する強い耐性が要求さ
れている。また、この光源波長については、現在主流と
なっているI線(365nm) が、例えばKrFエキシマレー
ザ(248nm) 、あるいはArFエキシマレーザ(193nm) と
いった高エネルギーを有する波長に移行しつつあり、こ
の紫外線波長領域になると透過材料としては石英ガラ
ス、特には不純物含有量の少ない合成石英ガラスが用い
られている。
【0003】この合成石英ガラスは、通常高純度のシリ
コン化合物、例えば四塩化けい素(SiCl4 )などの化学
的に合成、蒸留されて作られたものを用いるとされてい
るが、この合成石英ガラスの製造方法としては直接火炎
法、多孔質シリカ母材の溶融からなるスート法、プラズ
マ法、ゾルゲル法などが知られており、このガラスの物
性、例えばOH基量、Cl量などの組成、構造欠陥種な
どはその製造方法に起因するところが大きい。これらの
製造方法のなかでは、特に直接火炎法あるいはスート法
で製造された透明な合成石英ガラス部材は、 190nm程度
の短波領域まで良好な透明な光透過性を示し、紫外線レ
ーザー光、例えばKrF、XeCl(308nm) 、XeBr
(282nm) 、XeF(351nm) 、ArFなどのエキシマレー
ザ光およびYAGの4倍高調波(250nm) などについての
透過材料として用いられている。
【0004】しかして、この直接火炎法によって製造し
た合成石英ガラスには水素分子が含有されており、この
含有されている水素分子によって例えばKrFエキシマ
レーザに対して優れた透過率安定性をもつものになるこ
とが知られているが、多孔質ガラス母材を経て透明ガラ
ス化されたスート法による合成石英ガラス部材には水素
分子が殆ど含有されていないので、これについては熱処
理下に水素分子をドープして同様の効果を出すようにさ
れている。
【0005】しかし、これらの方法で作られた合成石英
ガラスはKrFエキシマレーザに対して十分安定した光
透過性を有するけれども、ArFエキシマレーザを照射
した場合にこの水素分子を含有していることからレーザ
照射初期に大きな透過率低下、つまり吸光度の急激な立
ち上がりを示すため好ましくないということがある。こ
の合成石英ガラスにエキシマレーザなどの紫外線を照射
したときに生ずる光の吸収は、専ら石英ガラス中の固有
欠陥から光反応により生ずる常磁性欠陥によるものと考
えられており、このような常磁性欠陥による光吸収はこ
れまでESRスペクトルなどで数多く同定されており、
これには例えばE’センター(Si・)やNBOHC(Si-O・)な
どがある。
【0006】この常磁性欠陥は一般的に光学的吸収帯を
有しており、したがって石英ガラスで問題となる吸収帯
は例えばE’センターの 215nmとまだ正確に同定されて
いない 260nmがあり、これらの吸収帯は比較的ブロード
で、かつ強い吸収を生じることがあり、特にArFレー
ザの透過材料としたときに問題となっているが、この常
磁性欠陥の原因となる石英ガラス中の固有欠陥は例えば
SiOHやSiClなどのSiO2以外の構造をしたものや、Si-Si
、Si-O-O-Si などの酸素欠損、酸素過剰の構造をした
ものである。そのため、これら常磁性欠陥の前駆体とな
るSiClの存在し得ない、いわゆる塩素を含有しない原料
としてアルコキシシランなどから製造した合成石英ガラ
スを用いることも知られており、このものは合成石英ガ
ラスに適切なレーザ耐性を与えるのに有効なものとさ
れ、合成石英ガラス光学部材、特にステッパーなどのレ
ンズ系に好適に用いられている(特開平3-109233号公報
参照)。
【0007】また、この常磁性欠陥を抑制する働きを示
すものとして水素分子が有効であることはこの先行例か
らも知られており、レーザ照射によって発生する常磁性
欠陥、例えばE’センター(Si・)にこの水素が結合し
てSi-HとなるとE’センターの増加が抑制されるという
効果が与えられる。しかし、ArFレーザを照射したと
きには、この水素分子がレーザ照射初期に急激な透過率
低下をもたらし、さらに照射を継続すると透過率を回復
させるという関与をするため、水素を含有する合成石英
ガラス部材に対しては長時間の熱処理によって水素分子
を脱ガスして使用していた。
【0008】この水素分子を脱ガスした合成石英ガラス
は、ArFレーザ照射をしても水素分子を含有している
ときと同様な挙動は示さず、したがって照射初期の急激
な吸光度の立ち上がりが無く、これは徐々に透過率が低
下して一定のところで飽和点に達するが、水素分子を含
有していないために透過率の回復は見られない。また、
多孔質シリカ母材の溶融から作製された合成石英ガラス
部材は、水素分子を含有していないので、これと同様の
挙動を示すが、このときの吸光度の飽和点は合成石英ガ
ラスの製造方法に起因している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】つまり、ArFエキシ
マレーザに限定してレーザ耐性を検討すると、水素分子
を多く含有した(≧5×1018molecules/cm3 )合成石英
ガラスにArFエキシマレーザを照射したときの初期
(1×104 ショット、 100Hz)透過率は急激に低下
し、これはその後(1×106 ショット、 100Hz)回復
し、さらに照射を継続するとこのものは徐々に透過率が
低下して一定値で飽和し、また水素分子を含有しない
か、または脱水素処理をした合成石英ガラスではレーザ
照射初期の急激な透過率低下は生ぜず、徐々に低下した
のち一定値で飽和する。したがって、ArFエキシマレ
ーザ用の光学部材、特にはステッパー用投影レンズ素材
のように光路長を長く必要とし、かつ優れた透過性を要
する素材には、この水素分子を含有しない、または脱水
素処理した合成石英ガラスが好適とされる。
【0010】また、これが合成石英マスク基板の場合に
は、上記した光学用レンズ素材とは全く異なり、厚さが
薄い(2〜7mm)ために透過率に関しては、光路長が短
いだけでさほど影響が無く良好であるが、このマスク基
板上には微細な回路パターンが焼きつけられるために、
寸法的変化、特に反り、収縮には極めて厳しい要求が課
せられており、マスクの特殊性を考慮してこれらの要求
を満たすためには、レンズ素材用途とは特定の範囲の違
う、水素分子濃度範囲を規定することで解決できること
が解っている(特願平5-190143号明細書参考)。
【0011】しかし、最近になってエキシマレーザリソ
グラフィーが、ステッパー方式および反射屈折系方式の
2通りになってきており、この両方式での技術競争によ
り、より精度の高い装置が開発されてきているために、
これらに使用される合成石英ガラス基板にはエネルギー
透過率についても、より高透過性を、また表面の高寸法
精度の他に屈折率の安定性が要求されてきているし、ま
た今後リソグラフィーとは別の用途でのエキシマレーザ
ーの高エネルギーを用いた加工機などの反射用基板とし
ての期待もなされているので、特にArFエキシマレー
ザに使用される合成石英ガラス基板については、レーザ
照射に伴なって生じる光透過率低下、寸法精度、屈折率
変動に係わる問題点の解決が求められている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点を解決したArFエキシマレーザリソグラフィー用合
成石英マスク基板およびその製造方法に関するもので、
このArFエキシマレーザリソグラフィー用合成石英マ
スク基板は水素分子含有量が 0.5〜4×1018molecules/
cm3 、基板面内の分布差が△H2 ≦3×1018molecules/
cm3 で塩素を含有せず、OH基含有量が 700〜1,000ppm
で基板面内分布差が△OH≦100ppmで、少なくとも一方
向脈理フリーであり、低エネルギーのArFエキシマレ
ーザを照射したときの吸光度がK≦0.008cm-1 で高エネ
ルギーのArFエキシマレーザを照射したときの屈折率
偏差量が△n≦1×10-6であることを特徴とするもので
あり、この製造方法は中心部5重管およびその周囲に複
数本のパイプ状ノズルと外殻管を設けた石英製バーナー
の中心ノズルにこの原料ガスとしてのアルコキシシラン
と酸素ガス、第2ノズルと第4ノズルに酸素ガス、第3
ノズルと第5ノズルおよび外殻管と第5ノズルとの間に
水素ガスを供給し、このアルコキシシランを火炎加水分
解させて合成石英ガラスインゴットとし、これを熱間成
型、スライス、研摩工程を経て合成石英マスク基板を製
造することを特徴とするものである。
【0013】すなわち、本発明者らは特にArFエキシ
マレーザを照射したときに、レーザ照射初期に急激な透
過率低下を起さず、照射を継続して後の吸光度飽和点が
低く、かつ寸法精度および屈折率の安定したリソグラフ
ィー用合成石英ガラスマスク基板およびその製造方法を
開発すべく種々検討した結果、このArFエキシマレー
ザリソグラフィー用合成石英ガラスマスク基板について
は、合成石英ガラスマスクを水素分子含有量が 0.5〜4
×1018molecules/cm3 で基板面内の△H2 が≦3×1018
molecules/cm3 で、塩素を含有せず、OH基含有量が 7
00〜1,000ppmで基板面内分布差が△OH≦100ppmで少な
くとも一方向が脈理フリーであり、しかも低エネルギー
のArFエキシマレーザを照射したときの吸光度がK≦
0.008cm-1 で高エネルギーのArFエキシマレーザを照
射したときの屈折率偏差量が△n≦1×10-6であるもの
とすると、このものがこのような物性をもつArFエキ
シマレーザリソグラフィー用合成石英マスク基板になる
ということを見出すと共に、このような合成石英マスク
基板の製造に当っては原料ガスとして塩素を含有しない
アルコキシシランを使用することとし、これを中心部が
5重管からなり、その周囲に複数本のパイプ状ノズルと
外殻管をもつ石英製バーナを使用し、この中心ノズルに
原料ガスと酸素を供給してアルコキシシランを火炎加水
分解してシリカ微粒子とし、これから公知の直接火炎法
に準じて合成石英ガラスインゴットとしたのち、熱間成
型、スライス、研摩工程を経て、上記の物性をもつ合成
石英ガラスマスク基板を得ることができることを確認し
て本発明を完成させた。
【0014】
【作用】まず、本願発明によるArFエキシマレーザリ
ソグラフィー用合成石英マスク基板の製造方法はアルコ
キシシランを酸水素火炎により火炎加水分解させてシリ
カ微粒子を生成させ、これを3〜100rpmで回転している
耐熱性担体上に堆積と同時に溶融ガラス化させて合成石
英ガラスインゴットとし、ついでこれをマスクに加工す
るものであるが、ここに使用する原料としての有機けい
素化合物を四塩化けい素(SiCl4 )、メチルトリクロロ
シラン(CH3SiCl3)とすると、合成石英ガラス中に塩素
が含有されてSiClの関与が与えられ、水素分子濃度が4
×1018molecules/cm3 であっても、ArFレーザ照射初
期の透過率低下が大きく、50mJ/cm2・P、 100Hzでの吸
光度が0.05cm-1以上となって好ましくないので、これは
塩素原子を含有しない化学式 RnSi(OR)4-n(Rは同一ま
たは異種の脂肪酸1価炭化水素基、nは0〜3の整数)
で示されるアルコキシシランとする必要がある。
【0015】このアルコキシシランを用いる合成石英ガ
ラス部材の製造は例えば図1に示した装置で行なわれ
る。この図1(a)はアルコキシシランの酸水素火炎に
よる火炎加水分解で合成石英ガラスを製造する装置の縦
断面図、図1(b)はここに使用される酸水素火炎バー
ナーの横断面図を示したものであるが、この図1(a)
において原料としてのアルコキシシランはシラン収納容
器1に収納されており、これはガス入口2から供給され
るアルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガスに同伴さ
れ、流量計15を経て酸水素火炎バーナー12の中心ノズル
に供給される。この酸水素火炎バーナー12は図1(b)
に示したように中心部に直管20〜24からなる5重管19を
位置させ、その周囲にこれを囲繞する複数本のノズル26
およびその外側に外殻管25を有する構造のものとされる
が、この中心ノズル20にはアルコキシシランと酸素ガス
供給管7からの酸素ガスおよびガス入口2から供給され
るアルゴンガスが供給され、これにはその第2ノズル2
1、第4ノズル23にも酸素ガス供給管8,9から酸素ガ
スが、この第3ノズル22、第5ノズル24およびこれらと
外殻管25との間には水素ガス供給管4,5,6から水素
ガスが供給される。
【0016】このアルコキシシランは酸水素火炎バーナ
ー12からの酸水素火炎13中での火炎加水分解でシリカ微
粒子14となり、これが3〜100rpmで回転している耐熱性
担体上11に堆積と同時に溶融されて合成石英ガラス部材
18となる。このときの原料アルコキシシラン化合物と水
素ガスが必要とする酸素理論量と酸素実流量との流量比
率が 0.7未満では水素分子濃子が4×1018molecules/cm
3を越えて高くなり、通常の熱処理工程では中心部の水
素ガスが抜け難く高濃度で残存し、レーザ照射初期の吸
収が大きく、透過率低下を引き起こすので好ましいもの
ではなく、またこの比率が 1.0を越えると水素分子含有
量が、5×1017molecules/cm3 以下となり、目的とする
合成石英マスクを安定して製造することができないの
で、これは 0.7〜1.0 の範囲とすればよい。
【0017】また、この場合シリカ溶融成長面の表面温
度変化を20℃以下に制御すると、合成石英ガラスを 150
mmφ×500mmLで重量が19kgのインゴットとすることがで
きるが、この合成石英ガラスインゴットは水素分子含有
量が2〜4×1018molecules/cm3 、OH基含有量が 700
〜780ppmで、インゴットの軸方向からまた屈折率の局部
的変位の軌跡である脈理の存在しないものとすることが
できる。
【0018】この合成石英ガラスインゴットからの合成
石英マスク基板の製造は、このインゴットをカーボン製
ルツボ中に据え、電気溶解炉中においてアルゴンガス雰
囲気下の 200torrで 1,800℃まで昇温して1時間保持
し、冷却後除歪のために焼鈍炉で大気雰囲気下に 1,180
℃まで昇温し、2時間保持したのちに、 950℃まで10℃
/分で冷却して6”角のインゴット6”角×360mmLのも
のとし、ついでこのインゴットを内周刃で 6.5mmの厚さ
にスライスしてから研磨により鏡面仕上げしたところ、
6”角×6.3mmtの合成石英マスク基板とすることができ
たが、このもののガラス基板中の水素分子含有量は 1.5
〜4×1018molecules/cm3 となる。
【0019】つぎに、この合成石英マスク基板からサン
プルとして20×75×6.3mmtのガラス板を3枚切り出し、
各面内基板の分布も考慮してその水素分子濃度を確認し
たところ、これらは2〜4×1018molecules/cm3 の範囲
内にあり、さらにArFエキシマレーザをエネルギー密
度50mJ/cm2・P、 100Hz、1×106shotsの条件下で照射
したところ、照射初期の吸光度が 0.008cm-1であり、ま
た吸光度のバラツキは0.0005cm-1以下であった。
【0020】しかし、この場合このものの水素分子濃度
が4×1018molecules/cm3 を越えていると、ArFエキ
シマレーザを高エネルギー密度、例えば 200mJ/cm2・P、
100Hzで照射すると、透過率低下が引き起こされる
し、屈折率変動も大きくなり、干渉計による測定で△n
>1×10-6になってしまい、この水素分子濃度が5×10
17molecules/cm3 より低い場合も同様に屈折率変動が生
ずるので、この水素分子濃度は2〜4×1018molecules/
cm3 の範囲のものとすることが必要とされる。なお、こ
れは主としてradiation compactionと呼ばれる石英ガラ
スの収縮によってもたらされるもので、照射された部分
で0.04μm程度の収縮が確認されており、これは水素濃
度に起因するものと考えられている。
【0021】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげるが、
例中における水素分子含有量および透過率は下記による
値を示したものである。 (水素分子含有量)ラマン分光光度計・NR 1,100[日
本分光工業(株)製商品名]を用いて、励起波長 488nm
のArレーザ光で出力700mWのホトマル・R943-02[浜
松ホトニクス(株)製商品名]を使用するホストカウン
ティング法で行なった。なお、この水素分子含有量はこ
のときのラマン散乱スペクトルで 800cm-1に観察される
SiO2の散乱バンドと水素の 4,135〜4,140cm-1 に観察さ
れる散乱バンドの面積強度比を濃度に換算して求めた
が、換算定数は文献値 4,135cm-1/ 800cm-1×1.22×10
21を使用した。 (透過率)透過率測定はArFレーザ光(193nm) でのレ
ーザエネルギー透過量(出射エネルギー量/入射エネル
ギー量)から算出した値である。
【0022】実施例1〜3、比較例1〜4 原料シラン化合物としてメチルトリメトキシシラン[CH3
Si(OCH3)3]、四塩化けい素(SiCl4) 、メチルトリクロロ
シラン(CH3SiCl3)を使用し、これを酸素ガス、水素ガス
およびアルゴンガスと共に、表1に示した量で酸水素火
炎バーナーに供給し、このシラン化合物の火炎加水分解
で生成したシリカ微粒子を回転している耐熱性担体上に
堆積すると同時に溶融ガラス化して、 150mmφ×500mmL
の合成石英ガラスインゴット19kgを作製した。
【0023】ついで、この合成石英ガラスインゴットを
円筒研削したのち、6”角のカーボン製ルツボ中に据
え、電気溶解炉にてアルゴンガス 200torr下に 1,800℃
まで昇温し、1時間保持して6”角×380mmLの角型イン
ゴットを成型したのち、このときの熱歪を除歪するため
に大気雰囲気下に焼鈍炉中で 1,180℃まで昇温したのち
2時間保持し、 950℃まで10℃/時の降温速度で冷却し
てから、内周刃で6.5mmtの厚さにスライスし、研磨機で
鏡面に仕上げて6”角×6.3mmtの合成石英マスク基板を
作製した。つぎに、このようにして得た合成石英マスク
基板については、これにエキシマレーザを照射したとき
の吸光度(K)、屈折率偏差量(△n)、水素分子含有
量および△H2 、OH基含有量および△OHをしらべた
ところ、表1に示したとおりの結果が得られた。また、
上記実施例2、3および比較例2で得られた合成石英マ
スク基板に、ArFエキシマレーザをエネルギー密度
5、または50mJ/cm2-p、周波数 100Hzで1×105 ショ
ット照射したときの、 193nmでの吸光度変化を図2、3
に示した。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明はArFエキシマレーザリソグラ
フィー用合成石英マスク基板およびその製造方法に関す
るものであり、この合成石英マスク基板は水素分子含有
量が 0.5〜4×1018molecules/cm3 で塩素を含有せず、
OH基含有量が 700〜1,000ppmで少なくとも1方向脈理
がフリーであり、低エネルギーのArFエキシマレーザ
を照射したときの吸光度がK≦0.008cm-1 で高エネルギ
ーのArFエキシマレーザを照射したときの屈折率偏差
量が△n≦1×10-6であるものであり、この製造方法は
アルコキシシランを中心部5重管の酸水素火炎バーナー
中で火炎加水分解して得たシリカ微粒子から製作したも
のとするものであるが、このマスクにはArFレーザの
照射初期に急激な透過率低下が起きず、照射を継続した
のちの吸光度飽和点も低く、かつ寸法精度、屈折率の安
定したものになるという有利性が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の方法によるアルコキシシラン
からの合成石英ガラス製造装置の縦断面図、(b)はこ
こに使用される酸水素火炎バーナーの横断面図を示した
ものである。
【図2】合成石英マスク基板にArFエキシマレーザを
エネルギー密度50mJ/cm2-p、周波数 100Hzで1×105
ショット照射した時のショット数と、波長 193nmでの吸
光度変化との関係図を示したものである。
【図3】合成石英マスク基板にArFエキシマレーザを
エネルギー密度5mJ/cm2-p、周波数 100Hzで1×105
ショット照射した時のショット数と、波長 193nmでの吸
光度変化との関係図を示したものである。
【符号の説明】
1…アルコキシシラン収納容器 2…ガス入口 3…不活性ガス入口 4,5,6…水素ガス供給管 7,8,9…酸素ガス供給管 10…耐火レンガ 11…耐熱性担体 12…酸水素火炎バーナー 13…酸水素火炎 14…シリカ微粒子 15…流量計 17…のぞき窓 18…多孔質ガラス母材 19…5重管バーナー 20,21,22,23,24…第1〜第5ノズル 25…外殻管 26…ノズル
フロントページの続き (72)発明者 滝田 政俊 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素分子含有量が 0.5〜4×1018molecu
    les/cm3 で基板面内の分布差が△H2 ≦3×1018molecu
    les/cm3 で、塩素を含有せず、OH基含有量が 700〜1,
    000ppmで基板面内分布差が△OH≦100ppmで、少なくと
    も一方向脈理フリーであり、低エネルギーのArFエキ
    シマレーザを照射したときの吸光度がK≦0.008cm-1
    で、高エネルギーのArFエキシマレーザを照射したと
    きの屈折率偏差量が△n≦1×10-6であることを特徴と
    するArFエキシマレーザリソグラフィー用合成石英マ
    スク基板。
  2. 【請求項2】 ArFエキシマレーザの低エネルギー密
    度が50mJ/cm2・P以下、周波数が 100Hzである請求項1
    に記載したArFエキシマレーザリソグラフィー用石英
    マスク基板。
  3. 【請求項3】 ArFエキシマレーザの高エネルギー密
    度が 200mJ/cm2・P、周波数が 100Hzである請求項1に
    記載したArFエキシマレーザリソグラフィー用合成石
    英マスク基板。
  4. 【請求項4】 中心部5重管およびその周囲に複数本の
    パイプ状ノズルと外殻管を設けた石英製バーナーの中心
    ノズルに原料ガスとしてのアルコキシシランと酸素ガ
    ス、第2ノズルと第4ノズルに酸素ガス、第3ノズルと
    第5ノズルおよび外殻管と第5ノズルとの間に水素ガス
    を供給して、このアルコキシシランを火炎加水分解させ
    て合成石英ガラスインゴットとし、これを熱間成型、ス
    ライス、研摩工程を経て合成石英マスク基板を製造する
    ことを特徴とするArFエキシマレーザリソグラフィー
    用合成石英マスク基板の製造方法。
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