JPH08317130A - スキャナープリンター装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 発熱量を抑制しながらスキャナー機能を維持
するとともに、インク定着までの時間の縮小による拍車
汚れやスミヤー等の汚れの問題を安価なコストで防止す
ることができる。 【構成】 キャリア４０内に、スキャナー機能時の読み
取り用の光を発する光源３０と、光源３０から発せられ
た光を原稿上に照射する光源レンズ３０ａと、プリンタ
ー機能時に記録紙６０に印字されたインクの定着を行
い、スキャナー機能時に光源３０を冷却するファン５０
と、ファン５０を回転させるためのモータ５５とが設け
られている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、スキャナ機能兼備可能
なインクジェット式プリンターに関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、スキャナープリンター装置にスキ
ャナー機能用として設けられている光源は、使用の際に
熱を発するが、発生する熱はスキャナープリンター装置
内部の部品に対して悪影響を及ぼす虞れがある。

【０００３】そこで従来、スキャナー機能用として設け
られている光源としては、光源から発生する熱量を抑制
するために、発熱量が比較的小さいＬＥＤ等が使用され
ている。

【０００４】また、印字動作時におけるインク定着装置
は設置されていない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のものにおいては以下に記載するような問題点が
あった。

【０００６】（１）光源としてＬＥＤを使用した場合、
読み取りのための光量が不足し、スキャナーの機能が低
下してしまう虞れがある。

【０００７】（２）インク定着装置が設置されていない
ため、記録後、インクの乾きが遅く、定着するまでの間
に拍車汚れや、スミヤー等の汚れの問題が生じてしま
う。

【０００８】（３）インク定着装置を新たに設置すると
なると、コストが増大してしまう。

【０００９】本発明は、上述したような従来の技術が有
する問題点に鑑みてなされたものであって、発熱量を抑
制しながらスキャナー機能を維持するとともに、インク
定着までの時間の縮小による拍車汚れやスミヤー等の汚
れの問題を安価なコストで防止することができるスキャ
ナープリンター装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、被記録媒体に記録を行うインクカートリッ
ジと、原稿の読み取り動作を行うスキャナーヘッドと
を、一直線上を移動するキャリアに対し選択的に交換可
能なスキャナープリンター装置であって、前記キャリア
は、前記被記録媒体及び前記原稿に対し光を発する読み
取り用の光源と、前記光源を冷却するために風を吹き付
けるファンとを有し、前記光源及び前記ファンの設置位
置は、前記ファンからの風が前記光源を介して印字後の
前記被記録媒体あるいは前記原稿に吹き付けられる位置
とすることを特徴とする。

【００１１】また、被記録媒体に記録を行うインクカー
トリッジと、原稿の読み取り動作を行うスキャナーヘッ
ドとを、一直線上を移動するキャリアに対し選択的に交
換可能なスキャナープリンター装置であって、前記キャ
リアを介して、前記被記録媒体が排紙される側に前記キ
ャリアの移動方向と略平行なライン型光源を有すること
を特徴とする。

【００１２】

【作用】上記のように構成された本発明では、プリンタ
ー機能時においては、ファンからの風が光源を介して熱
風となり被記録媒体の印字された箇所に吹き付けられる
ので、インク定着作用が発生する。

【００１３】また、スキャナー機能時においては、光源
にファンからの冷却用の風が吹き付けられるので光源の
熱の上昇が抑制される。

【００１４】さらに、キャリアを介して被記録媒体が排
紙される側にキャリアの移動方向と略平行なライン型光
源を設けることにより、ライン型光源からの熱が被記録
媒体の印字された箇所に照射されるので、インク定着作
用が発生する。

【００１５】

【実施例】以下に、本発明の実施例について図面を参照
して説明する。

【００１６】（第１の実施例）図１は、本発明のスキャ
ナープリンター装置の第１の実施例におけるプリンター
機能時の動作を説明するための側面摸式図であり、図２
は、スキャナー機能時の動作を説明するための側面摸式
図である。

【００１７】本実施例は図１及び図２に示すように、被
記録媒体である記録紙６０または原稿３６０を搬送する
ための送紙ローラ１１０、ピンチローラ１２０、拍車１
４０及び排紙ローラ１３０と、記録紙６０または原稿３
６０の搬送方向に対して副走査方向に移動するキャリア
４０と、キャリア４０の移動を支持するキャリアガイド
８０及びリードスクリュー７０とから主に構成されてい
る。キャリア４０上には、記録紙６０に印字を行うイン
クカートリッジ１０あるいは、スキャナーセンサー２０
ａ及びスキャナーレンズ２０ｂを内蔵し原稿３６０から
の読み取り動作を行うスキャナーヘッド２０が搭載され
る。また、キャリア４０内には、スキャナー機能時の読
み取り用の光を発する光源３０と、光源３０から発せら
れた光を原稿上に照射する光源レンズ３０ａと、プリン
ター機能時に記録紙６０に印字されたインクの定着を行
い、スキャナー機能時に光源３０を冷却するファン５０
と、ファン５０を回転させるためのモータ５５とが設け
られている。

【００１８】以下に、上記構成における動作について説
明する。

【００１９】まず、プリンター機能時の動作について図
１を参照して説明する。

【００２０】記録紙６０が送紙ローラ１１０及びピンチ
ローラ１２０によりインクカートリッジ１０の下部まで
搬送されると印字動作が開始される。

【００２１】印字動作が開始されると、キャリア４０上
に搭載されたインクカートリッジ１０がキャリア４０の
動きに伴って記録紙６０上を移動し、記録紙６０に印字
が行われる。

【００２２】一方、キャリア４０内に設けられたファン
５０はモータ５５により回転しており、ファン５０から
の風は発熱している光源３０を通過して熱風となり、記
録紙６０に吹き付けられる。ここで熱風は、記録紙６０
上の現在印字している直前に印字された行に吹き付けら
れる。

【００２３】それにより、インクの乾燥動作が行われイ
ンク定着が促進される。

【００２４】上記動作が繰り返されて記録紙６０への印
字動作が終了する。

【００２５】次に、スキャナー機能時における動作につ
いて図２を参照して説明する。

【００２６】原稿３６０が送紙ローラ１１０及びピンチ
ローラ１２０によりスキャナーヘッド２０の下部まで搬
送されるとスキャナー動作が開始される。

【００２７】スキャナー動作が開始されると、キャリア
４０に搭載されたスキャナーヘッド２０がキャリア４０
の動きに伴って記録紙６０上を移動し、原稿３６０から
の読み取り動作が行われる。

【００２８】キャリア４０内に設けられたファン５０は
モータ５５により回転しており、また、光源３０は読み
取り用の光を原稿３６０に対して発している。ここで、
ファン５０からの風が発熱している光源３０に吹き付け
られ、光源３０が冷却される。

【００２９】（第２の実施例）図３は、本発明のスキャ
ナープリンター装置の第２の実施例におけるプリンター
機能時の動作を説明するための斜視図であり、図４は、
図３に示すスキャナープリンター装置の側面摸式図であ
る。

【００３０】本実施例は図３及び図４に示すように、記
録紙５６０を搬送するための送紙ローラ６１０、ピンチ
ローラ６２０、拍車６４０及び排紙ローラ６３０と、イ
ンクカートリッジ５１０を搭載し、記録紙５６０の搬送
方向に対して副走査方向に移動するキャリア５４０と、
キャリア５４０の移動を支持するキャリアガイド５８０
及びリードスクリュー５７０と、キャリアガイド５８０
と平行に設けられ、内部にライン型光源５３０ｂが備え
られている光源ユニット５２０とから主に構成されてい
る。

【００３１】以下に、上記構成における動作について説
明する。

【００３２】記録紙５６０が送紙ローラ６１０及びピン
チローラ６２０によりインクカートリッジ５１０の下部
まで搬送されて印字動作が開始される。

【００３３】印字動作が開始されると、キャリア５４０
に搭載されたインクカートリッジ５１０がキャリア５４
０の動きに伴って記録紙５６０上を移動し、記録紙５６
０に印字が行われる。

【００３４】１行の印字が終了すると、改行動作が行わ
れ、記録紙５６０上における直前に印字された行にライ
ン光源５３０ｂからの熱が照射され、インク定着が促進
される。

【００３５】上記動作が繰り返されて記録紙５６０への
印字動作が終了する。

【００３６】なお、上記構成において、キャリア５４０
にインクカートリッジ５１０の代わりにスキャナーヘッ
ド（不図示）を装着すれば、スキャナー機能も可能とな
る。

【００３７】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので以下に記載するような効果を奏する。

【００３８】請求項１に記載のものにおいては、キャリ
ア内にファンを設け、さらに、ファンからの風が光源を
介して被記録媒体または原稿に吹き付けられる構成とし
たため、スキャナー機能時では、光源にファンからの冷
却用の風が吹き付けられ、光源の熱の上昇を抑えること
ができる。それにより、発熱量が比較的多くなる、つま
り光量の多い光源を使用することができ、スキャナー機
能を維持させることができる。また、プリンター機能時
では、ファンからの風が光源を介して熱風となり記録媒
体の印字された箇所に吹き付けられる構成としたため、
スキャナー機能時の光源及び光源冷却用のファンを利用
してインクの定着を促進することができ、安価なコスト
でインクの定着装置を設けることができる。

【００３９】請求項２に記載のものにおいては、キャリ
アを介して被記録媒体が排紙される側にキャリアの移動
方向と略平行なライン型光源を設けたため、ライン型光
源からの熱が記録媒体の印字された箇所に照射され、イ
ンクの定着を促進することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のスキャナープリンター装置の第１の実
施例におけるプリンター機能時の動作を説明するための
側面摸式図である。

【図２】本発明のスキャナープリンター装置の第１の実
施例におけるスキャナー機能時の動作を説明するための
側面摸式図である。

【図３】本発明のスキャナープリンター装置の第２の実
施例におけるプリンター機能時の動作を説明するための
斜視図である。

【図４】図３に示すスキャナープリンター装置の側面摸
式図である。

【符号の説明】

１０，５１０ インクカートリッジ ２０ スキャナヘッド ２０ａ スキャナセンサ ２０ｂ スキャナレンズ ３０ 光源 ３０ａ 光源レンズ ４０，５４０ キャリア ５０ ファン ５５ モータ ６０，５６０ 記録紙 ７０，５７０ リードスクリュー ８０，５８０ キャリアガイド １１０，６１０ 送紙ローラ １２０，６２０ ピンチローラ １３０，６３０ 排紙ローラ １４０，６４０ 拍車 ３６０ 原稿 ５２０ 光源ユニット ５３０ｂ ライン型光源

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊池 祥二 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 河合 力 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田中 裕之 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被記録媒体に記録を行うインクカートリ
   ッジと、原稿の読み取り動作を行うスキャナーヘッドと
   を、一直線上を移動するキャリアに対し選択的に交換可
   能なスキャナープリンター装置であって、 前記キャリアは、 前記被記録媒体及び前記原稿に対し光を発する読み取り
   用の光源と、 前記光源を冷却するために風を吹き付けるファンとを有
   し、 前記光源及び前記ファンの設置位置は、前記ファンから
   の風が前記光源を介して印字後の前記被記録媒体あるい
   は前記原稿に吹き付けられる位置とすることを特徴とす
   るスキャナープリンター装置。
2. 【請求項２】 被記録媒体に記録を行うインクカートリ
   ッジと、原稿の読み取り動作を行うスキャナーヘッドと
   を、一直線上を移動するキャリアに対し選択的に交換可
   能なスキャナープリンター装置であって、 前記キャリアを介して、前記被記録媒体が排紙される側
   に前記キャリアの移動方向と略平行なライン型光源を有
   することを特徴とするスキャナープリンター装置。