JPH08314181A - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

Info

Publication number
JPH08314181A
JPH08314181A JP7141165A JP14116595A JPH08314181A JP H08314181 A JPH08314181 A JP H08314181A JP 7141165 A JP7141165 A JP 7141165A JP 14116595 A JP14116595 A JP 14116595A JP H08314181 A JPH08314181 A JP H08314181A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
wax
natural gas
fischer
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7141165A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2838498B2 (ja
Inventor
Hideyuki Kubota
英之 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=15285654&utm_source=***_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH08314181(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Tomoegawa Paper Co Ltd filed Critical Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority to JP7141165A priority Critical patent/JP2838498B2/ja
Priority to US08/647,744 priority patent/US5702859A/en
Priority to EP96303487A priority patent/EP0743565B1/en
Priority to DE69629240T priority patent/DE69629240T2/de
Publication of JPH08314181A publication Critical patent/JPH08314181A/ja
Priority to US08/931,947 priority patent/US5780197A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2838498B2 publication Critical patent/JP2838498B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、低い定着温度で定着するこ
とができ、オフセット性および保存安定性においても実
用上なんら問題を発生せず、転写紙への定着強度の優れ
た電子写真用トナーを提供すること。 【構成】 天然ガス系フィッシャートロプシュワックス
を含有する電子写真用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用トナーに関
し、特に熱ロール定着方式を採用している複写機又はプ
リンターに用いられる電子写真用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式を用いた複写機及び
プリンターはその普及が広まるにつれて、家庭への普
及、および複写機又はプリンターの多機能化を主な目的
とした低エネルギー化(消費電力の削減)、印刷機と複
写機との境に位置するいわゆるグレイエリアへの普及を
目的とした高速化が望まれ、あるいは機械コストを下げ
るために熱定着ロールの簡素化を図る、例えば低ロール
圧力化が望まれている。また、複写機の高級化にともな
い両面コピー機能や原稿自動送り装置の搭載された複写
機が広く普及されてきたため、複写機及びプリンターに
用いられる電子写真用トナーには定着温度が低く、耐オ
フセット性に優れ、かつ両面コピー時の汚れや原稿自動
送り装置における汚れの発生を防止するため、転写紙へ
の定着強度の優れた電子写真用トナーが要求されてい
る。
【0003】従来、下記のように結着樹脂の分子量や分
子量分布を改良することにより、上記要求を満たす試み
がなされていた。具体的には、結着樹脂として低分子量
を有する樹脂を用い、定着温度を低くしようとする試み
がなされていた。しかしながら、低分子量の結着樹脂を
使用することによりトナーの融点を低くするという目的
を果たすことができたが、同時に溶融粘度も低下し、こ
れにより、熱定着ロールにトナーが付着するという現象
いわゆるオフセット現象が発生するという問題が新たに
生じた。このオフセット現象の発生を防ぐため、該結着
樹脂の分子量分布の低分子量領域と高分子量領域とを広
くしたり、あるいは高分子部分を架橋させたりする方法
が行なわれていた。しかしながら、これらの方法でトナ
ーに低温定着性を充分に持たせるためには、転写紙への
アンカー効果を期待して、結着樹脂のガラス転移温度を
下げざるを得なかった。しかしながら、結着樹脂のガラ
ス転移温度を下げただけでは、トナーの溶融開始温度が
下がってしまい、室温付近でトナーが溶融し始め、保存
性が損なわれてしまうという新たな問題が生じていた。
また、結着樹脂中の低分子量の樹脂を多く配合すると、
トナー自体が脆くなり、機械的な摩擦等で容易に粉砕さ
れ易くなり、両面コピー時に転写紙が汚れたり、原稿自
動送り装置を汚染するという不都合が生じていた。ま
た、上記オフセット現象を防ぐため低分子量ポリプロピ
レン等の離型剤を含有させる方法もある。しかしなが
ら、従来市販されている低分子量ポリプロピレンは融点
が135〜145℃であり、該低分子量ポリプロピレン
をトナー中に含有して低い定着温度で定着させた場合
は、オフセット現象を防ぐ効果が十分に得られずオフセ
ットが発生し、かつトナーの融点が高くなるため、転写
紙への十分な定着強度を得ることができないという問題
があった。また、石炭を原料とするフィッシャートロプ
シュワックスをトナーに配合することが特開昭61−2
73554号において公知である。しかし、このような
トナーは、オフセット防止には有効であったが、高温雰
囲気でのトナーの保存安定性に問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は低い定
着温度で定着することができ、非オフセット性および保
存安定性においても実用上なんら問題を発生せず、転写
紙への定着強度の優れた電子写真用トナーを提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、天然ガス系フ
ィッシャートロプシュワックスを含有することを特徴と
する電子写真用トナーである。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
電子写真用トナーに適用する天然ガス系フィッシャート
ロプシュワックスは、天然ガスを原料にしてフィッシャ
ートロプシュ法により製造されたものであって、一酸化
炭素の触媒水素化により合成されたワックス状炭化水素
である。そして構造的には、メチル分岐の少ない直鎖状
のパラフィン系ワックスである。このような天然ガス系
フィッシャートロプシュワックスとしては、日本精蝋社
製の商品名:FT−100、FT−0030、FT−0
050、FT−0070、FT−0165、FT−11
55、FT−60S等が上市されている。天然ガス系フ
ィッシャートロプシュワックスは、示差走査熱量分析計
(以下、DSCと略す)による融点が85〜100℃で
あるものが好ましい。融点が85℃より低いものは、ト
ナーの保存安定性に問題が生じやすく、また流動性が悪
くなりやすい。一方、100℃より高いとトナーの溶融
開始温度を下げる効果が少ないためトナーの低温定着特
性が得られにくくなる。また、天然ガス系フィッシャー
トロプシュワックスは、JIS K−2235で測定し
た25℃における針入度が2以下であることが好まし
く、2より大きいとトナー化した際に流動性が悪くなり
やすく、保存安定性およびキャリア粒子等との摩擦帯電
性に問題が生じやすい。また、電子写真用トナー中の天
然ガス系フィッシャートロプシュワックスの含有量は、
全トナー中の1〜20重量%であることが好ましい。1
重量%未満であると電子写真用トナーの離型性が充分で
なく耐高温オフセット性が不十分となりやすい。またト
ナーの溶融開始温度を下げる効果が少ないので低い定着
温度で定着した場合、転写紙への十分な定着強度を得に
くい。一方、20重量%より多いと結着樹脂との相溶性
が悪いためワックスの分散が悪くなりやすく、粉砕時に
ワックス単体の脱離等により耐高温オフセット性が悪く
なりやすいので好ましくない。
【0007】次に本発明の電子写真用トナーを構成する
天然ガス系フィッシャートロプシュワックス以外の材
料、すなわち結着樹脂、着色剤等について説明する。本
発明に使用される結着樹脂としては、ポリスチレン樹
脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル
酸エステル共重合体樹脂、スチレン−メタクリル酸エス
テル共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
ポリエステル樹脂等が挙げられる。また、着色剤として
は、カーボンブラック、ニグロシン染料、アニリンブル
ー、カルコオイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマ
リンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロ
ー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブル
ー、マラカイトグリーンオクサレートおよびこれらの混
合物、その他を挙げることができる。これらの着色剤
は、十分な濃度の可視像が形成されるに十分な割合で含
有されることが必要であり、通常結着樹脂100重量部
に対して1〜20重量部程度の割合とされる。
【0008】本発明の電子写真用トナーは、前記のごと
き天然ガス系フィッシャートロプシュワックス、結着樹
脂及び着色剤にその他のトナー成分例えば電荷制御剤、
離型剤、磁性体等を適宜分散含有せしめてなる粒子であ
り、その平均粒子径は5〜20μmの範囲である。ま
た、このようにして得られる粒子にシリカ微粉体等より
なる流動性向上剤を添加混合して電子写真用トナーを構
成してもよい。本発明の電子写真用トナーは、鉄粉、フ
ェライト、造粒マグネタイト、磁性粉を含有する樹脂微
粉末等より成るキャリアと混合されて二成分現像剤ある
いはキャリアとの混合をせず、一成分用現像剤として使
用されてもよい。
【0009】
【作用】従来、電子写真用トナーに一般的に使用されて
いたポリプロピレンワックス(融点135〜145℃)
は高温耐オフセット性には優れていたが、分子量・融点
が高く低温度での定着には不向きであった。そこでトナ
ーの溶融開始温度を下げるため融点が低くシャープな融
解挙動を示す低融点ワックスを添加することが提案され
ていた。しかしながら、低融点ワックスとして従来から
知られている石油系パラフィンワックスおよびイソパラ
フィン、ナフテン、芳香族等を含有する低融点マイクロ
クリスタリンワックスは分子量が低いためトナーとして
の保存安定性に問題があった。また、前記石油系パラフ
ィンワックス、マイクロクリスタリンワックスは針入度
が5以上と大きいためトナーのように微粉体になると粉
体流動性が低下して画像特性に好ましくない影響を与え
易かった。本発明に適用する天然ガス系フィッシャート
ロプシュワックスは、ポリプロピレンワックスに比べて
低融点であるため低温定着性に優れ、既存の石油系、石
炭系パラフィンワックスに比べて低融点成分が非常に少
ないため保存安定性に優れていると同時に針入度が2以
下と小さいためトナー化した際に流動性が阻害されず摩
擦帯電性等にも何等問題が生じない。また、石炭から水
性ガスを取り出しフィシャートロプシュ法により合成す
る従来のフィッシャートロプシュワックスに比べ、天然
ガス系フィッシャートロプシュワックスは熱定着ロール
へのオフセット防止とトナーの保存安定性を同時に満足
するのみでなく、天然ガスを原料としているためトナー
を安価に供給できる利点を有する。
【0010】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を説明する。な
お、実施例において部とは重量部を示す。 実施例1 上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合
し、二軸混練機で熱溶融混練後、ジェットミルで粉砕
し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒子径が10
μmの粒子を得た。そして、該粒子100部と疎水性シ
リカ(キャボット社製 商品名:キャボシルTS−53
0)0.3部とをヘンシェルミキサー内で1分間攪拌
し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ本発明の電
子写真用トナーを得た。
【0011】実施例2 上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合
し、二軸混練機で熱溶融混練後、ジェットミルで粉砕
し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒子径が10
μmの粒子を得た。そして、該粒子100部と疎水性シ
リカ(キャボット社製 商品名:キャボシルTS−53
0)0.3部とをヘンシェルミキサー内で1分間攪拌
し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ本発明の電
子写真用トナーを得た。
【0012】実施例3 上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合
し、二軸混練機で熱溶融混練後、ジェットミルで粉砕
し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒子径が10
μmの粒子を得た。そして、該粒子100部と疎水性シ
リカ(キャボット社製 商品名:キャボシルTS−53
0)0.3部とをヘンシェルミキサー内で1分間攪拌
し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ本発明の電
子写真用トナーを得た。
【0013】実施例4 上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合
し、二軸混練機で熱溶融混練後、ジェットミルで粉砕
し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒子径が10
μmの粒子を得た。そして、該粒子100部と疎水性シ
リカ(キャボット社製 商品名:キャボシルTS−53
0)0.3部とをヘンシェルミキサー内で1分間攪拌
し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ本発明の電
子写真用トナーを得た。
【0014】実施例5 上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合
し、二軸混練機で熱溶融混練後、ジェットミルで粉砕
し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒子径が10
μmの粒子を得た。そして、該粒子100部と疎水性シ
リカ(キャボット社製 商品名:キャボシルTS−53
0)0.3部とをヘンシェルミキサー内で1分間攪拌
し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ本発明の電
子写真用トナーを得た。
【0015】実施例6 上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合
し、二軸混練機で熱溶融混練後、ジェットミルで粉砕
し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒子径が10
μmの粒子を得た。そして、該粒子100部と疎水性シ
リカ(キャボット社製 商品名:キャボシルTS−53
0)0.3部とをヘンシェルミキサー内で1分間攪拌
し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ本発明の電
子写真用トナーを得た。
【0016】比較例1 実施例2の天然ガス系フィッシャートロプシュワックス
の代わりに市販のポリプロピレンワックス(三洋化成工
業社製 商品名:ビスコール550P 融点140℃)
を6部混合させた以外は、実施例2と同様にして比較用
の電子写真用トナーを得た。
【0017】比較例2 実施例2の天然ガス系フィッシャートロプシュワックス
の代わりに石油系パラフィンワックス(日本精蝋社製
商品名:No.155 融点70℃、針入度15)6部
を使用した以外は、実施例2と同様にして比較用の電子
写真用トナーを得た。
【0018】比較例3 実施例2の天然ガス系フィッシャートロプシュワックス
の代わりに石油系パラフィンワックス(日本精蝋社製
商品名:HNP−0190 融点87℃、針入度6)6
部を使用した以外は、実施例2と同様にして比較用の電
子写真用トナーを得た。
【0019】比較例4 実施例2の天然ガス系フィッシャートロプシュワックス
の代わりに石炭系フィッシャートロプシュワックス(サ
ゾール社製 商品名:H1 融点は80℃と107℃に
存在する、針入度1)6部を使用した以外は、実施例2
と同様にして比較用の電子写真用トナーを得た。
【0020】次に前記実施例及び比較例で得られた各電
子写真用トナーについて下記の項目の試験をおこなっ
た。 (1)非オフセット温度領域及び非オフセット温度幅 まず、各電子写真用トナー4部とノンコートフェライト
キャリア(パウダーテック社製 商品名:FL−102
0)96部とを混合して二成分系現像剤を作製した。次
に該現像剤を使用して市販の複写機(シャープ社製 商
品名:SF−9800)によりA4の転写紙に縦2c
m、横5cmの帯状の未定着画像を複数作製した。つい
で、表層がテフロンで形成された熱定着ロールと、表層
がシリコーンゴムで形成された圧力定着ロールが対にな
って回転する定着機をロール圧力が1Kg/cm2 及び
ロールスピードが50mm/secになるように調節
し、該熱定着ロールの表面温度を段階的に変化させて、
各表面温度において上記未定着画像を有した転写紙のト
ナー像の定着をおこなった。この時余白部分にトナー汚
れが生じるか否かの観察をおこない、汚れが生じない温
度領域を非オフセット温度領域とした。また、非オフセ
ット温度領域の最大値と最小値の差を非オフセット温度
幅とした。
【0021】(2)定着強度 前記定着機の熱定着ロールの表面温度を130℃に設定
し、前記未定着画像が形成された転写紙のトナー像の定
着をおこなった。そして、形成された定着画像の画像濃
度を反射濃度計(マクベス社製、商品名:RD−91
4)を使用して測定した後、該定着画像に対して綿パッ
ドによる摺擦を施し、ついで同様にして画像濃度を測定
した。得られた測定値から下記式によって定着強度を算
出し低エネルギー定着性の指標とした。 定着強度(%)=(摺擦後の定着画像の画像濃度/摺擦
前の定着画像の画像濃度)×100
【0022】(3)流動性 トナーの流動性を表す指標としてJIS K5101に
準じて見掛密度を測定した。 (4)保存安定性 トナー20gを容積150ccのポリエチレン製ボトル
に入れ、50℃の恒温槽で24時間保管した。室温に放
冷後、トナーをボトルから取り出し、トナー粒子間の融
着状態(ブロッキング)を観察し、融着の全く発生しな
いものを○印、融着が発生しトナーの実用上問題を生じ
るものを×印とした。上記項目の試験結果を表1に示
す。
【0023】
【表1】
【0024】表1の試験結果から明らかなように、本発
明の電子写真用トナーの非オフセット温度領域は低温度
から高温度までオフセットが発生せず、その温度幅も7
0〜85℃という実用上十分な範囲を維持していること
が確認された。また、定着温度130℃における定着強
度が80%以上あり実用上問題がないことが確認され
た。また、流動性および保存安定性においても何等問題
がないことも確認された。これに対して、比較例1は低
温側非オフセット温度が高いうえに定着強度が66%と
いう低いものであった。また比較例2は非オフセット温
度幅が55℃と狭く、流動性による見掛密度も小さくて
保存安定性においても問題が生じるものであった。また
比較例3および比較例4は保存安定性の試験においてト
ナーの融着が生じ問題があることが確認された。
【0025】また、前項(1)における各実施例におけ
る現像剤を使用して市販の複写機(東芝社製 商品名:
BD−3801)で10,000枚までの連続コピー試
験をおこない、その結果を表2に示した。その結果、本
発明の電子写真用トナーである実施例1〜実施例5の全
てにおいて、画像濃度、非画像部のカブリおよび摩擦帯
電量に何等問題がないことが確認された。なお、連続コ
ピーした原稿は黒色部が6%のA4のものであり、画像
濃度はマクベス社製の反射濃度計RD−914、カブリ
は日本電色社製の色差計、摩擦帯電量は東芝ケミカル社
製のブローオフ摩擦帯電量測定装置を使用した。
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】本発明の電子写真用トナーは、十分な非
オフセット温度領域を維持し低い温度で定着することが
でき、かつ定着強度および保存安定性に優れていると共
に十分な画像濃度を多数枚得ることができるという効果
を奏する。したがって、本発明の電子写真用トナーを複
写機あるいはプリンター等に適用した場合、消費電力が
削減することができ、低ロール圧力化による機械コスト
の低減、複写速度の高速化等の効果を奏する。
【手続補正書】
【提出日】平成8年6月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
電子写真用トナーに適用する天然ガス系フィッシャート
ロプシュワックスは、天然ガスを原料にしてフィッシャ
ートロプシュ法により製造されたものであって、一酸化
炭素の触媒水素化により合成されたワックス状炭化水素
である。そして構造的には、メチル分岐の少ない直鎖状
のパラフィン系ワックスである。このような天然ガス系
フィッシャートロプシュワックスとしては、シェル・M
DS社製の商品名:FT−100、FT−0030、F
T−0050、FT−0070、FT−0165、FT
−1155、FT−60S等が上市されている。天然ガ
ス系フィッシャートロプシュワックスは、示差走査熱量
分析計(以下、DSCと略す)による融点が85〜10
0℃であるものが好ましい。融点が85℃より低いもの
は、トナーの保存安定性に問題が生じやすく、また流動
性が悪くなりやすい。一方、100℃より高いとトナー
の溶融開始温度を下げる効果が少ないためトナーの低温
定着特性が得られにくくなる。また、天然ガス系フィッ
シャートロプシュワックスは、JIS K−2235で
測定した25℃における針入度が2以下であることが好
ましく、2より大きいとトナー化した際に流動性が悪く
なりやすく、保存安定性およびキャリア粒子等との摩擦
帯電性に問題が生じやすい。また、電子写真用トナー中
の天然ガス系フィッシャートロプシュワックスの含有量
は、全トナー中の1〜20重量%であることが好まし
い。1重量%未満であると電子写真用トナーの離型性が
充分でなく耐高温オフセット性が不十分となりやすい。
またトナーの溶融開始温度を下げる効果が少ないので低
い定着温度で定着した場合、転写紙への十分な定着強度
を得にくい。一方、20重量%より多いと結着樹脂との
相溶性が悪いためワックスの分散が悪くなりやすく、粉
砕時にワックス単体の脱離等により耐高温オフセット性
が悪くなりやすいので好ましくない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【作用】従来、電子写真用トナーに一般的に使用されて
いたポリプロピレンワックス(融点135〜145℃)
は高温耐オフセット性には優れていたが、分子量・融点
が高く低温度での定着には不向きであった。そこでトナ
ーの溶融開始温度を下げるため融点が低くシャープな融
解挙動を示す低融点ワックスを添加することが提案され
ていた。しかしながら、低融点ワックスとして従来から
知られている石油系パラフィンワックスおよびイソパラ
フィン、ナフテン、芳香族等を含有する低融点マイクロ
クリスタリンワックスは分子量が低いためトナーとして
の保存安定性に問題があった。また、前記石油系パラフ
ィンワックス、マイクロクリスタリンワックスは針入度
が5以上と大きいためトナーのように微粉体になると粉
体流動性が低下して画像特性に好ましくない影響を与え
易かった。本発明に適用する天然ガス系フィッシャート
ロプシュワックスは、ポリプロピレンワックスに比べて
低融点であるため低温定着性に優れ、既存の石油系パラ
フィンワックスに比べて低融点成分が非常に少ないため
保存安定性に優れていると同時に針入度が2以下と小さ
いためトナー化した際に流動性が阻害されず摩擦帯電性
等にも何等問題が生じない。また、石炭から水性ガスを
取り出しフィシャートロプシュ法により合成する従来の
石炭系フィッシャートロプシュワックスに比べ、天然ガ
ス系フィッシャートロプシュワックスは熱定着ロールへ
のオフセット防止とトナーの保存安定性を同時に満足す
るのみでなく、天然ガスを原料としているためトナーを
安価に供給できる利点を有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を説明する。な
お、実施例において部とは重量部を示す。 実施例1 上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合
し、二軸混練機で熱溶融混練後、ジェットミルで粉砕
し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒子径が10
μmの粒子を得た。そして、該粒子100部と疎水性シ
リカ(キャボット社製 商品名:キャボシルTS−53
0)0.3部とをヘンシェルミキサー内で1分間攪拌
し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ本発明の電
子写真用トナーを得た。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】実施例2 上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合
し、二軸混練機で熱溶融混練後、ジェットミルで粉砕
し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒子径が10
μmの粒子を得た。そして、該粒子100部と疎水性シ
リカ(キャボット社製 商品名:キャボシルTS−53
0)0.3部とをヘンシェルミキサー内で1分間攪拌
し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ本発明の電
子写真用トナーを得た。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】実施例3 上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合
し、二軸混練機で熱溶融混練後、ジェットミルで粉砕
し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒子径が10
μmの粒子を得た。そして、該粒子100部と疎水性シ
リカ(キャボット社製 商品名:キャボシルTS−53
0)0.3部とをヘンシェルミキサー内で1分間攪拌
し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ本発明の電
子写真用トナーを得た。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】実施例4 上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合
し、二軸混練機で熱溶融混練後、ジェットミルで粉砕
し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒子径が10
μmの粒子を得た。そして、該粒子100部と疎水性シ
リカ(キャボット社製 商品名:キャボシルTS−53
0)0.3部とをヘンシェルミキサー内で1分間攪拌
し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ本発明の電
子写真用トナーを得た。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】実施例5 上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合
し、二軸混練機で熱溶融混練後、ジェットミルで粉砕
し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒子径が10
μmの粒子を得た。そして、該粒子100部と疎水性シ
リカ(キャボット社製 商品名:キャボシルTS−53
0)0.3部とをヘンシェルミキサー内で1分間攪拌
し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ本発明の電
子写真用トナーを得た。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】実施例6 上記の配合比からなる原料をスーパーミキサーで混合
し、二軸混練機で熱溶融混練後、ジェットミルで粉砕
し、その後乾式気流分級機で分級して平均粒子径が10
μmの粒子を得た。そして、該粒子100部と疎水性シ
リカ(キャボット社製 商品名:キャボシルTS−53
0)0.3部とをヘンシェルミキサー内で1分間攪拌
し、該粒子の表面に疎水性シリカを付着させ本発明の電
子写真用トナーを得た。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】また、前項(1)における各実施例におけ
る現像剤を使用して市販の複写機(東芝社製 商品名:
BD−3810)で10,000枚までの連続コピー試
験をおこない、その結果を表2に示した。その結果、本
発明の電子写真用トナーである実施例1〜実施例の全
てにおいて、画像濃度、非画像部のカブリおよび摩擦帯
電量に何等問題がないことが確認された。なお、連続コ
ピーした原稿は黒色部が6%のA4のものであり、画像
濃度はマクベス社製の反射濃度計RD−914、カブリ
は日本電色社製の色差計−Z−1001DP、摩擦帯電
量は東芝ケミカル社製のブローオフ摩擦帯電量測定装置
TB−200を使用した。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ガス系フィッシャートロプシュワッ
    クスを含有することを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 【請求項2】 天然ガス系フィッシャートロプシュワッ
    クスの示差走査熱量分析計による融点が85〜100℃
    であることを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナ
    ー。
  3. 【請求項3】 天然ガス系フィッシャートロプシュワッ
    クスの25℃における針入度が2以下であることを特徴
    とする請求項1記載の電子写真用トナー。
  4. 【請求項4】 天然ガス系フィッシャートロプシュワッ
    クスの含有量が、全トナー中に1〜20重量%であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナー。
JP7141165A 1995-05-16 1995-05-16 電子写真用トナー Expired - Lifetime JP2838498B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7141165A JP2838498B2 (ja) 1995-05-16 1995-05-16 電子写真用トナー
US08/647,744 US5702859A (en) 1995-05-16 1996-05-15 Electrophotographic toner and process for the production thereof
EP96303487A EP0743565B1 (en) 1995-05-16 1996-05-16 Electrophotographic toner and process for the production thereof
DE69629240T DE69629240T2 (de) 1995-05-16 1996-05-16 Elektrophotographischer Toner und Verfahren zu deren Herstellung
US08/931,947 US5780197A (en) 1995-05-16 1997-09-17 Electrophotographic toner and process for the production thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7141165A JP2838498B2 (ja) 1995-05-16 1995-05-16 電子写真用トナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08314181A true JPH08314181A (ja) 1996-11-29
JP2838498B2 JP2838498B2 (ja) 1998-12-16

Family

ID=15285654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7141165A Expired - Lifetime JP2838498B2 (ja) 1995-05-16 1995-05-16 電子写真用トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2838498B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001037054A1 (fr) * 1999-11-16 2001-05-25 Mitsui Chemicals, Incorporated Composition de resine pour toners et toner
JP2001209209A (ja) * 2000-01-25 2001-08-03 Tomoegawa Paper Co Ltd 電子写真用トナー
US6783909B2 (en) 2002-01-11 2004-08-31 Hitachi Printing Solutions, Ltd. Electrostatic image developing toner and image forming method
US7022448B2 (en) 2002-09-03 2006-04-04 Ricoh Printing Systems, Ltd. Electrophotographic toner and image-forming system
US7144667B2 (en) 2003-03-03 2006-12-05 Ricoh Printing Systems, Ltd. Electrostatic charge image developing toner, and developer, image forming apparatus and image forming method using the same toner
JP2011081376A (ja) * 2009-10-08 2011-04-21 Xerox Corp トナー組成物

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001037054A1 (fr) * 1999-11-16 2001-05-25 Mitsui Chemicals, Incorporated Composition de resine pour toners et toner
US6733941B1 (en) 1999-11-16 2004-05-11 Mitsui Chemicals, Inc. Resin composition for toner and toner
JP2001209209A (ja) * 2000-01-25 2001-08-03 Tomoegawa Paper Co Ltd 電子写真用トナー
US6783909B2 (en) 2002-01-11 2004-08-31 Hitachi Printing Solutions, Ltd. Electrostatic image developing toner and image forming method
US7022448B2 (en) 2002-09-03 2006-04-04 Ricoh Printing Systems, Ltd. Electrophotographic toner and image-forming system
US7144667B2 (en) 2003-03-03 2006-12-05 Ricoh Printing Systems, Ltd. Electrostatic charge image developing toner, and developer, image forming apparatus and image forming method using the same toner
JP2011081376A (ja) * 2009-10-08 2011-04-21 Xerox Corp トナー組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2838498B2 (ja) 1998-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002082484A (ja) 静電荷現像用トナー、トナー収納容器および画像形成装置
US8158323B2 (en) Method of manufacturing toner and toner produced by the method
JP4057187B2 (ja) 電子写真用トナー、二成分系現像剤、及び画像形成方法
JP2838498B2 (ja) 電子写真用トナー
JP2010055016A (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH08184986A (ja) 電子写真用トナー
JPH06230600A (ja) 電子写真用トナー
JP2838509B2 (ja) 電子写真用トナー
JPH07287413A (ja) 電子写真用トナー
JP2001109188A (ja) 静電荷現像用トナー
JP3731986B2 (ja) 電子写真用非磁性トナー
JP2001117273A (ja) トナー及びその製造方法、現像剤、並びに画像形成方法
JP2001134009A (ja) 静電潜像現像用トナー
JP2949558B2 (ja) 電子写真用トナー
JP3661445B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3891524B2 (ja) 電子写真用トナー
JP3635140B2 (ja) 電子写真用トナー
JP3947477B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
JPH06324513A (ja) 電子写真用トナー
JPH06295093A (ja) 電子写真用トナー
JP2982108B2 (ja) 電子写真用トナー
JPH0743945A (ja) 電子写真用トナー
JP2923843B2 (ja) 電子写真用トナー
JP4259629B2 (ja) 電子写真用トナー及び電子写真用トナー画像定着方法
JP2000258946A (ja) 電子写真用トナー

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980908

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081016

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081016

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091016

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091016

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101016

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111016

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111016

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121016

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121016

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131016

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131016

Year of fee payment: 15

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term