JPH08311359A - 金属フタロシアニンの製造方法 - Google Patents

金属フタロシアニンの製造方法

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JPH08311359A
JPH08311359A JP12356295A JP12356295A JPH08311359A JP H08311359 A JPH08311359 A JP H08311359A JP 12356295 A JP12356295 A JP 12356295A JP 12356295 A JP12356295 A JP 12356295A JP H08311359 A JPH08311359 A JP H08311359A
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JP
Japan
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metal
weight
phthalocyanine
metal phthalocyanine
examples
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Pending
Application number
JP12356295A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Harada
寛 原田
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP12356295A priority Critical patent/JPH08311359A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを
含有する溶媒中で、金属塩と、フタロニトリル又は1,
3−ジイミノイソインドリンとを反応させる金属フタロ
シアニンの製造方法。 【効果】 優れた光導電性を有する金属フタロシアニン
が容易に製造でき、本発明の製造法による金属フタロシ
アニンは、電子写真用感光体材料として、また結晶型変
換、化学修飾等により金属フタロシアニンから誘導され
る種々の光導電材料の原料として応用が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光導電性材料として有
用な金属フタロシアニンの新規な製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、近赤外領域の半導体レーザーの発
振波長領域に感度を有する有機感光体の開発が盛んに行
われている。そのような有機感光体に用いる有機光導電
性材料としては、フタロシアニン系化合物、ビスアゾ及
びトリスアゾ系化合物、チアピリリウム系化合物、スク
アリリウム系化合物、アズレニウム系化合物、チオピロ
ロピロール系化合物等が挙げられ、これらの有機光導電
性材料の中でも、フタロシアニン系化合物は、耐候性、
耐光性に優れているため幅広く検討されている。
【0003】フタロシアニン化合物の中心に金属原子が
配位した金属フタロシアニンの製造方法としては、例え
ば、特開昭59−128544号公報には、金属塩とフ
タロニトリルとを無溶媒で加熱する方法が開示されてお
り、特開昭61−45249号公報及び「イノーガニッ
ク・ケミストリー(Inorganic Chemistry)」(1980年
第19巻、第3131頁)には、キノリン中で金属塩とフタロ
ニトリルとを加熱する方法が開示されており、「ジャー
ナル・オブ・イメージング・サイエンス(Journal of
Imaging Science)」(1985年第29巻第4号第148
頁)には、キノリン中で金属塩と1,3−ジイミノイソ
インドリンとを加熱する方法が開示されており、特開昭
63−27562号公報には、1−メチル−2−ピロリ
ジノンを包含する溶媒中で臭化インジウムとジイミノイ
ソインドリンとを反応させる方法がそれぞれ開示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来公
知の金属フタロシアニンの製造方法では、電子写真特性
が十分な光導電材料を得るためには、金属フタロシアニ
ンの合成後、真空蒸着、昇華精製、ソックスレー抽出精
製、再結晶精製等の煩雑な操作が必要であり、容易に製
造することはできなかった。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、真空蒸
着、昇華精製、ソックスレー抽出精製、再結晶精製等の
煩雑な操作を必要とせずに、光導電材料として十分な電
子写真特性を示す金属フタロシアニンの製造方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために検討を重ねた結果、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノンを含有する溶媒中で、金属塩
と、フタロニトリル又は1,3−ジイミノイソインドリ
ンとを反応させることにより、光導電性材料として有用
な金属フタロシアニンの新規な製造方法を見い出し、本
発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、金属塩(A)と、フタロニトリル又は1,3−ジイ
ミノイソインドリン(B)とを溶媒中で反応させて金属
フタロシアニンを製造する方法において、溶媒として
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを含有する溶
媒を用いる金属フタロシアニンの製造方法を提供する。
【0008】以下、本発明の製造方法について詳細に説
明する。
【0009】本発明の製造方法により得られる金属フタ
ロシアニンとしては、例えば、下記一般式〔1〕
【0010】
【化1】
【0011】(式中、Mは金属原子を表わし、Lは金属
原子に結合した置換基又は配位子を表わし、nは0〜2
の整数を表わし、Xはハロゲン原子を表わし、p、q、
r及びsは0〜4の整数を表わす。)で示されるものが
挙げられる。
【0012】本発明の製造方法で使用する金属塩(A)
としては、例えば、金属ハロゲン化物、金属水酸化物、
金属酸化物が挙げられる。金属ハロゲン化物としては、
例えば、三臭化インジウム、三塩化インジウム、三臭化
ガリウム、三塩化ガリウム、四臭化チタニウム、四塩化
チタニウム、臭化第二銅、塩化第二銅、三臭化バナジウ
ム、四塩化バナジウム、二臭化マグネシウム、二塩化マ
グネシウム等が挙げられる。金属水酸化物としては、例
えば、水酸化インジウム、水酸化銅、水酸化マグネシウ
ム等が挙げられる。金属酸化物としては、例えば、酸化
インジウム、二酸化チタン、酸化第二銅、五酸化バナジ
ウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの中で
も、反応性が高い金属ハロゲン化物が好ましく、特にハ
ロゲン化インジウム及びハロゲン化ガリウムは、良好な
光導電性材料が得られる面から好ましい。
【0013】本発明の金属フタロシアニン製造方法で使
用する1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを含有
する溶媒に、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
以外の溶媒を併用することもできる。そのような溶媒と
しては、例えば、キノリン、1−メチル−2−ピロリジ
ノン、α−クロロナフタレン、ジメチルホルムアミン
ド、ジメチルスルホキシド等の、従来、金属フタロシア
ニンを製造する場合に用いられている公知の溶剤類が挙
げられる。
【0014】金属塩とフタロニトリル又は1,3−ジイ
ミノイソインドリンとの仕込モル比は任意に設定できる
が、1:2から1:6の仕込モル比が好ましく、特に
1:4の仕込モル比が好適である。また、フタロニトリ
ルと1,3−ジイミノイソインドリンとを併用する場合
は、金属塩とフタロニトリル及び1,3−ジイミノイソ
インドリン合計値とのモル比を1:2から1:6の仕込
モル比とすることが好ましい。
【0015】1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
の使用量は、フタロニトリル又は1,3−ジイミノイソ
インドリン1重量部に対して1重量部以上、好ましくは
3重量部以上、経済的な面からも3〜50重量部の範囲
で用いることが好ましい。
【0016】反応時の温度及び時間については任意に設
定できるが、反応温度を必要以上に高くすること及び反
応時間を長くすることは、反応溶媒や生成物の分解によ
る特性の低下の恐れがあるので、反応時の温度は80〜
300℃、反応時間は10分〜30時間が好ましい。
【0017】本発明の製造方法により得られる金属フタ
ロシアニンは、主に、電子写真感光体の電荷発生材料と
して使用できる。
【0018】電子写真感光体は、導電性支持体上に、金
属フタロシアニンを含有する光導電層を設けてなるが、
その構成は種々の構造を採ることができる。例えば、
(1)導電性支持体上に電荷発生材料を主体とする電荷
発生層と、電荷輸送材料と電荷発生層形成上必要に応じ
て結着剤樹脂からなる電荷輸送層とを順次積層して成る
光導電層を設けたもの、(2)導電性支持体上に、電荷
輸送層及び電荷発生層とを順次積層して成る光導電層を
設けたもの、(3)導電性支持体上に電荷発生材料を電
荷移動媒体中に分散せしめた光導電層設けたもの、が挙
げられる。
【0019】上記(1)及び(2)の電子写真感光体の
場合には、電荷発生層に含まれる電荷発生材料が電荷を
発生し、一方、電荷輸送層は電荷の注入を受け、その輸
送を行なう。すなわち、光減衰に必要な電荷の生成が電
荷発生材料で行なわれ、また、電荷の輸送が電荷輸送媒
体で行なわれる。上記(3)の電子写真感光体では、電
荷発生材料が光に対して電荷を発生し、電荷移動媒体に
より電荷の移動が行なわれる。
【0020】上記(1)の電子写真感光体は、電荷発生
材料の微粒子を必要に応じて結着剤樹脂を溶解した溶媒
中に分散して得た分散液を塗布、乾燥し、その上に電荷
輸送材料を単独、あるいは必要に応じて結着剤樹脂を併
用し溶解した溶液を塗布、乾燥することによって製造す
ることができる。
【0021】上記(2)の電子写真感光体は、電荷輸送
材料を単独、あるいは必要に応じて結着剤樹脂を併用し
溶解した溶液を導電性支持体上に塗布、乾燥し、その上
に電荷発生材料の微粒子を溶剤又は結着剤樹脂溶液中に
分散して得た分散液を塗布、乾燥することにより製造す
ることができる。
【0022】上記(3)の電子写真感光体は電荷輸送材
料を単独、あるいは必要に応じて結着剤樹脂を併用し溶
解した溶液に電荷発生材料の微粒子を分散させて、これ
を導電性支持体上に塗布、乾燥することによって製造す
ることができる。
【0023】光導電層の厚さは、上記(1)及び上記
(2)の電子写真感光体の場合には、電荷発生層の厚さ
は5μm以下、好ましくは0.01〜2μmであり、電
荷輸送層の厚さは3〜50μm、好ましくは5〜30μ
mである。上記(3)の電子写真感光体の場合には、光
導電層の厚さは、3〜50μm、好ましくは5〜30μ
mである。
【0024】上記(1)及び(2)の電子写真感光体に
おける電荷輸送層中の電荷輸送材料の割合は、5〜10
0重量%の範囲で適時選ぶことができ、好ましくは40
〜80重量%の範囲で選ぶことができる。上記(1)及
び(2)の電子写真感光体の電荷発生層中の電荷発生材
料の割合は、5〜100重量%の範囲で適時選ぶことが
でき、好ましくは40〜80重量%の範囲で選ぶことが
できる。上記(3)の電子写真感光体において、光導電
層中の電荷輸送材料の割合は、5〜99重量%の範囲で
適時選ぶことができ、また電荷発生材料の割合は、1〜
50重量%、好ましくは3〜20重量%である。なお、
いずれの電子写真感光体の作製においても、結着剤樹脂
と共に可塑剤、増感剤を用いることができる。
【0025】本発明の電子写真感光体に用いられる導電
性支持体としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、
ステンレス、クロム、チタン、ニッケル、モリブデン、
バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金、
あるいは、導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性
化合物;アルミニウム、パラジウム、金等の金属又は合
金を塗布、蒸着、あるいはラミネートした紙、プラスチ
ックフィルム、セラミックス等が挙げられ、必要に応じ
て導電性支持体表面は化学的又は物理的な処理を施して
もよい。
【0026】電子写真感光体の形状は、用いる支持体に
よって異なるが、ドラム状、平板状、シート状、ベルト
状等多種の形状が可能である。
【0027】電荷発生材料としては、本発明の製造方法
で得られた金属フタロシアニンと共に、必要に応じてそ
の他の電荷発生材料を併用することもできる。
【0028】本発明の製造方法で得られた金属フタロシ
アニンと併用できる電荷発生材料としては、例えば、モ
ノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料等のアゾ顔
料類;本発明の製造方法によって得られる金属フタロシ
アニン以外の各種金属フタロシアニン、無金属フタロシ
アニン、ナフタロシアニン等のフタロシアニン顔料類;
ペリノン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、キ
ナクリドン顔料等の縮合多環顔料類;スクエアリウム色
素類;アズレニウム色素類;チアピリリウム色素類;シ
アニン色素類等を挙げることができる。併用して使用さ
れる電荷発生材料は、ここに記載したものに限定される
ものではなく、その使用に際しては、単独、あるいは2
種類以上を混合して用いることができる。
【0029】電荷輸送材料は、低分子化合物と高分子化
合物に大きく分類することができる。
【0030】低分子化合物の電荷輸送材料としては、例
えば、ピレン;N−エチルカルバゾール、N−イソプロ
ピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール等のカル
バゾール類;N−メチル−N−フェニルヒドラジノ−3
−メチリデン−9−エチルカルバゾール、N,N−ジフ
ェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバ
ゾール、p−(N,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデ
ヒドジフェニルヒドラゾン、p−(N,N−ジエチルア
ミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン、p−
(N,N−ジフェニルアミノ)ベンズアルデヒドジフェ
ニルヒドラゾン、1−[4−(N,N−ジフェニルアミ
ノ)ベンジリデンイミノ]−2,3−ジメチルインドリ
ン、N−エチルカルバゾール−3−メチリデン−N−ア
ミノインドリン、N−エチルカルバゾール−3−メチリ
デン−N−アミノテトラヒドロキノリン等のヒドラゾン
類;2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール
類;1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリ
ン、1−[キノリル−(2)]−3−(p−ジエチルア
ミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン類;トリ−p
−トリルアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビ
ス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミン等のアリールアミン類;1,1−ビ
ス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニ
ル−1,3−ブタジエン等のブタジエン類;4−(2,
2−ジフェニルエテニル)−N,N−ジフェニルベンゼ
ンアミン、4−(1,2,2−トリフェニルエテニル)
−N,N−ジフェニルベンゼンアミン等のスチリル類等
が挙げられる。
【0031】また、高分子化合物の電荷輸送材料として
は、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン
化ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、
ポリビニルアンスラセン、ポリビニルアクリジン、ポリ
−9−ビニルフェニルアンスラセン、ピレン−ホルムア
ミド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹
脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリフェニルアルキ
ルシラン等が挙げられる。
【0032】電荷輸送材料は、ここに記載したものに限
定されるものではなく、その使用に際しては単独で用い
ることも、あるいは2種類以上を混合して用いることも
できる。
【0033】必要に応じて使用することができる結着剤
樹脂は、疎水性で、電気絶縁性のフィルム形成可能な高
分子化合物を用いるのが好ましい。このような高分子重
合体としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアセテ
ート、ポリビニルブチラール、スチレン−ブタジエン共
重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重
合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェ
ノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド
樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルフォ
ルマール、ポリスルホン等が挙げられる。
【0034】結着剤樹脂は、ここに記載したものに限定
されるものではなく、その使用に際しては単独で用いる
ことも、あるいは2種以上の混合物として用いることも
できる。
【0035】また、電子写真感光体の成膜性、可撓性、
機械的強度を向上するために、これらの結着剤樹脂と共
に、周知の可塑剤、表面改質剤等の添加剤を使用するこ
ともできる。
【0036】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、o−ターフェニル、p−ターフェニル、
ジブチルフタレート、ジエチルグリコールフタレート、
ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフ
タレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、各種のフルオロ炭化水素等が挙
げられる。
【0037】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッソ樹脂等が挙げられる。
【0038】前記光導電層に必要に応じて用いられる増
感剤としては、いずれも周知のものが使用できる。
【0039】増感剤としては、例えば、クロラニル、テ
トラシアノエチレン、メチルバイオレット、ローダミン
B、シアニン染料、メロシアニン染料、ピリリウム染
料、チアピリリウム染料等が挙げられる。
【0040】また、電子写真感光体においては、保存
性、耐久性、耐環境依存性を向上させるために、光導電
層中に酸化防止剤や光安定剤等の劣化防止剤を含有させ
ることもできる。その例としては、フェノール化合物、
ハイドロキノン化合物、アミン化合物等を挙げることが
できる。
【0041】更に、電子写真感光体においては、導電性
支持体と光導電層との接着性を向上させたり、導電性支
持体から光導電層への自由電荷の注入を阻止するため、
導電性支持体と光導電層との間に、必要に応じて接着層
あるいはバリアー層を設けることもできる。
【0042】これらの層に用いられる材料としては、前
記結着剤樹脂に用いられる高分子化合物のほか、カゼイ
ン、ゼラチン、エチルセルロース、ニトロセルロース、
カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリ
マーラテックス、スチレン−ブタジエン系ポリマーラテ
ックス、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリウレ
タン、フェノール樹脂、酸化アルミニウム、酸化スズ、
酸化チタン等が挙げられ、その膜厚は5μm以下が望ま
しい。
【0043】積層型電子写真感光体を塗工によって形成
する場合、結着剤樹脂を溶解する溶剤は、結着剤樹脂の
種類によって異なるが、下層を溶解しないものの中から
選択することが望ましい。具体的な有機溶剤の例として
は、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルセロソル
ブ等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステ
ル類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキ
シド及びスルホン類;ジクロロメタン、クロロホルム、
四塩化炭素、トリクロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭
化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベ
ンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族類等が挙げられ
る。
【0044】塗工法としては、例えば、浸漬コーティン
グ法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティン
グ法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティン
グ法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング
法、カーテンコーティング法等のコーティング法が挙げ
られるが、より均一な塗膜厚を得るためには、浸漬コー
ティング法を用いることが望ましい。
【0045】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具
体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。
【0046】(実施例1)反応装置に、フタロニトリル
20.0重量部、三臭化インジウム16.6重量部及び
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン150重量部
をとり、攪拌しながら昇温し、220℃で5時間反応さ
せた。反応終了後、反応混合物を100℃まで冷却し、
熱時濾過して、反応生成物を濾取した。得られた反応生
成物をメタノール100重量部に加え、室温で30分攪
拌し、濾過した。このメタノールによる洗浄操作を2回
行い、50℃で真空乾燥させた後、臭化インジウムフタ
ロシアニン8.5重量部を得た。
【0047】このようにして得た臭化インジウムフタロ
シアニンの日本分光工業社製赤外分光光度計IR−81
0による赤外スペクトル図(KBr錠剤法)を図1に示
し、理学電機社製X線回折装置RAD−Bシステムによ
るCu−Kα線によるX線回折図を図2に示した。
【0048】(実施例2)反応装置に、1,3−ジイミ
ノイソインドリン25.2重量部、三臭化インジウム1
5.3重量部及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン150重量部をとり、窒素雰囲気下で攪拌しながら
昇温し、200℃で6時間反応させた。反応終了後、反
応混合物を100℃にまで冷却し、熱時濾過して、反応
生成物を濾取した。得られた反応生成物をメタノール1
00重量部に加え、室温で30分攪拌し、濾過した。こ
のメタノールによる洗浄操作を2回行い、50℃で真空
乾燥させて後、臭化インジウムフタロシアニン11.1
重量部を得た。
【0049】このようにして得た臭化インジウムフタロ
シアニンの日本分光工業社製赤外分光光度計IR−81
0による赤外スペクトル図(KBr錠剤法)を図3に示
し、理学電機社製X線回折装置RAD−Bシステムによ
るCu−Kα線によるX線回折図を図4に示した。
【0050】(比較例1)特開昭63−27562号公
報に開示されている製造例に従って臭化インジウムフタ
ロシアニンを得た。即ち、攪拌機及びコンデンサーを備
えた三口フラスコに、ジイミノイソインドリン15g及
び無水三臭化インジウム57g及び1−メチル−2−ピ
ロリジノン123mlを加えた後、窒素気流下に還流温
度まで加熱し、同温度で5時間反応させた。窒素気流下
に、反応混合物を熱時濾過した後、室温まで冷却した。
残渣を分離し、エタノール61mlで0.5時間スラリ
ー化し、この操作を再度行ない、同様の操作をエタノー
ルに代えて、蒸留水61mlで2回、アセトン61ml
で2回行なった後、真空炉中で110℃、24時間乾燥
させて、帯青紫色の結晶性の臭化インジウムフタロシア
ニン4.6gを得た。
【0051】この臭化インジウムフタロシアニンの理学
電機社製X線回折装置RAD−BシステムによるCu−
Kα線によるX線回折図を図5に示した。
【0052】(比較例2)実施例1において、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノンに代えて、α−クロロ
ナフタレンを用いた以外は実施例1と同様にして反応を
行った。合成後の洗浄操作にはメタノールを用いて、1
4.7重量部の臭化インジウムフタロシアニンを得た。
【0053】このようにして得た臭化インジウムフタロ
シアニンの理学電機社製X線回折装置RAD−Bシステ
ムによるCu−Kα線によるX線回折図を図6に示し
た。
【0054】(実施例3)反応装置に、1,3−ジイミ
ノイソインドリン18.8重量部、三臭化ガリウム1
0.0重量部及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン150重量部をとり、窒素雰囲気下で攪拌しながら
昇温し、210℃で5.5時間反応させた。反応終了
後、反応混合物を室温まで冷却し、濾過して、反応生成
物を濾取した。得られた反応生成物をメタノール100
重量部に加え、室温で30分攪拌し、濾過した。このメ
タノールによる洗浄操作を2回行い、50℃で真空乾燥
させて後、臭化ガリウムフタロシアニン13.1重量部
を得た。
【0055】このようにして得た臭化ガリウムフタロシ
アニン2.0重量部をメノウ製ボール中で遊星ミルを用
いて10時間粉砕を行った。回収物の理学電機社製X線
回折装置RAD−BシステムによるCu−Kα線による
X線回折図を図7に示した。
【0056】(電子写真特性)本発明の製造方法による
金属フタロシアニンの光導電性材料としての特性を電子
写真特性でもって評価した。
【0057】ポリビニルブチラール樹脂(商品名エスレ
ックBH−3:積水化学工業社製)1重量部を、塩化メ
チレン49.4重量部及び1,1,2−トリクロロエタ
ン32.9重量部から成る混合溶媒に溶解し、この溶液
に実施例1で得た臭化インジウムフタロシアニン1重量
部と混合した後、ガラスビーズを加え、ペイントシェー
カーで2時間粉砕混合し塗料とした。この塗料をアルミ
ニウムを蒸着したポリエチレンテレフタレートフィルム
上にバーコーターを用いて塗布し、次いで100℃で1
0分間乾燥させて、厚さ0.5μmの電荷発生層を形成
した。
【0058】次に、1−[4−(N,N−ジフェニルア
ミノ)ベンジリデンイミノ]−2,3−ジメチルインド
リン1重量部及びポリカーボネート樹脂(商品名ユーピ
ロンZ−200:三菱ガス化学社製)1重量部を、塩化
メチレン6.9重量部及びクロロベンゼンの4.6重量
部から成る混合溶剤に溶解して塗料とした。この塗料を
上記電荷発生層上にバーコーターを用いて塗布し、次い
で110℃で1時間乾燥させて、厚さ20μmの電荷輸
送層を形成して、図8に示した層構成を有する積層型の
電子写真感光体を作成した。
【0059】実施例1で得た金属フタロシアニンに代え
て、実施例2、実施例3、比較例1及び2で得た金属フ
タロシアニンを各々用いた以外は同様にして積層型の電
子写真感光体を得た。
【0060】(電子写真感光体の評価)このようにして
得た電子写真感光体を川口電機社製エレクトロスタティ
ックペーパーアナライザーSP−428を用いて、暗所
で−6.0KVのコロナ放電を行って負帯電させた表面
電位(V0) を測定し、次に10秒間暗所に放置し10
秒後の表面電位保持率(V10/V0) を測定した。さら
にモノクロメーターを通して得た露光エネルギー1μJ
/cm2、 波長780nmの単色光を照射し、表面電位が
10の1/2に減少するまでの時間を測定する方法で光
感度E1/2 を測定した。更にまた、露光開始15秒後の
表面電位、 すなわち残留電位Vr15(V)を測定した。
その結果を表1にまとめて示した。
【0061】
【表1】
【0062】表1に示した結果から、金属フタロシアニ
ンの製造時に用いる溶剤の種類により、得られる金属フ
タロシアニンの光導電材料としての特性が異なり、実施
例1、2及び3で得た金属フタロシアニンは、 V10
0の値が大きく暗所による電位保持率が高く、E1/2
値が小さく感度が高く、残留電位Vr15が小さい優れた
特性を示した。本発明の1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノンを用いた製造方法では、特性が向上する原因
は明らかではないが、原料フタロニトリル又は1,3−
ジイミノイソインドリン及び特性上不利に作用する製造
時の副産物等の1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ンに対する溶解度が高く、従来の方法によるような特別
な精製操作を行うことなく、純度の高い金属フタロシア
ニンが得られるためと推定される。その結果、本発明に
よれば、特別な精製操作を行うことなく、光導電材料と
して有用な金属フタロシアニンを得ることができる。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明の製造方法によれ
ば、優れた光導電性を有する金属フタロシアニンが容易
に製造でき、また、本発明の製造方法によって得られる
金属フタロシアニンは、電子写真用感光体材料として、
また結晶型変換、化学修飾等により金属フタロシアニン
から誘導される種々の光導電材料の原料として応用が可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得た金属フタロシアニンの赤外スペ
クトル図である。
【図2】実施例1で得た金属フタロシアニンのX線回折
図である。
【図3】実施例2で得た金属フタロシアニンの赤外スペ
クトル図である。
【図4】実施例2で得た金属フタロシアニンのX線回折
図である。
【図5】比較例1で得た金属フタロシアニンのX線回折
図である。
【図6】比較例2で得た金属フタロシアニンのX線回折
図である。
【図7】実施例3で得た金属フタロシアニンのX線回折
図である。
【図8】各実施例及び各比較例で得た金属フタロシアニ
ンを評価するために作成した積層型の電子写真感光体の
層構成を示す模式断面図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属塩(A)と、フタロニトリル又は
    1,3−ジイミノイソインドリン(B)とを溶媒中で反
    応させて金属フタロシアニンを製造する方法において、
    溶媒として1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを
    含有する溶媒を用いることを特徴とする金属フタロシア
    ニンの製造方法。
  2. 【請求項2】 金属塩(A)が、金属ハロゲン化物であ
    る請求項1記載の金属フタロシアニンの製造方法。
  3. 【請求項3】 金属ハロゲン化物が、ハロゲン化インジ
    ウムである請求項2記載の金属フタロシアニンの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 金属ハロゲン化物が、ハロゲン化ガリウ
    ムである請求項2記載の金属フタロシアニンの製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6472524B2 (en) * 1997-09-12 2002-10-29 Canon Kabushiki Kaisha Phthalocyanine compounds, process for production thereof and electrophotographic photosensitive member using the compounds
JP2014152203A (ja) * 2013-02-06 2014-08-25 Ricoh Co Ltd 金属フタロシアニン混合物結晶及びその製造法、それを用いた電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置、並びに画像形成装置用プロセスカートリッジ

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JP2014152203A (ja) * 2013-02-06 2014-08-25 Ricoh Co Ltd 金属フタロシアニン混合物結晶及びその製造法、それを用いた電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置、並びに画像形成装置用プロセスカートリッジ

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