JPH08307126A - アンテナの収納構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】放射素子を無線機器内部に収納した際に、給電
点付近からみた放射素子と無線機器のシールドとの間の
入力インピーダンスが極大となるように、放射素子の中
央部付近を接地する手段を有するように構成した。 【効果】放射素子収納時においても、放射パターンや利
得の劣化および人体近接による特性の劣化の少ないアン
テナの収納構造を持つ無線機器が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、携帯電話や自動車電話
等の無線機器に用いられるアンテナの収納構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】図５は、特開平２ー２７１７０１号公報
に記載されている「伸張可能なアンテナシステムおよび
これを用いた携帯用無線機」の概略図である。図５にお
いて、１１は第１の放射素子、１２は第２の放射素子、
１３は第３の放射素子、１４は無線機器のシールド、１
５は給電線路、１６は給電点、１７は第１の放射素子１
１通過用の孔である。図５（ａ）は第１の放射素子１１
を伸した状態、図５（ｂ）は第１の放射素子１１を無線
機器１０内部に収納した状態を表している。

【０００３】また図６は、第１の放射素子１１を無線機
器１０内部に収納した状態での断面図である。図５
（ａ）では、第２の放射素子１２に給電された高周波電
力が電磁界結合により第１の放射素子１１に給電されて
動作するが、図５（ｂ）では、第２の放射素子１２単体
のみが動作するようになっている。第３の放射素子１３
は、その接地されていない素子端からみた第３の放射素
子１３と無線機器１０のシールド１４との間の入力イン
ピーダンスが極大となり、かつ給電点１６からみた第１
の放射素子１１と第３の放射素子１３との入力インピー
ダンスが給電線路１５の特性インピーダンスと同程度と
なるように１／４波長の電気的な長さがとられている。
したがって、接地側の電流は主に第３の放射素子１３上
を流れるので、無線機器１０のシールド１４上を流れる
電流を抑圧でき、無線機器１０を人体が保持した場合に
も、そのことによる放射への影響が少なくなる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平２ー２７１７０１号公報に開示されている例では、
第１の放射素子１１を無線機器１０内部に収納した状態
において、次に述べる２つの問題点がある。

【０００５】１）第３の放射素子１３が一方向だけしか
ないために、上述した無線機器１０上を流れる電流の抑
圧効果はあまり得られず、人体が近づいた場合の放射へ
の影響はさほど改善されない。

【０００６】２）仮に給電線路１５の接地側からの信号
電流が第３の放射素子１３に集中した場合、第２の放射
素子１２と第３の放射素子１３により構成される放射系
は平衡型に近い電流分布となり、不平衡電流が流れるた
めに、放射パターンの変化や利得の劣化という悪影響が
発生する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の目的は、このよ
うな問題点を解消し、第１の放射素子収納時において
も、放射パターンや利得の劣化、および人体近接による
特性の劣化が少なくなるようなアンテナの収納構造を有
する無線機器を提供することにある。

【０００８】上記課題を解決するために、本発明は、１
／２波長の電気的な長さを持つ第１の放射素子、１／４
波長の電気的な長さを持つ第２の放射素子、給電点付近
にて接地された１／４波長の電気的な長さを持つ第３の
放射素子により構成され、第１の放射素子が無線機器内
部へ収納可能であり、第１の放射素子を無線機器から引
出したときには、第２の放射素子に給電された高周波電
力が電磁界結合により第１の放射素子に給電動作し、第
１の放射素子を収納したときには、第２の放射素子単体
にて動作するアンテナにおいて、第１の放射素子を無線
機器内部に収納した際に、給電点付近からみた第１の放
射素子と無線機器のシールドとの間の入力インピーダン
スが極大となるように、第１の放射素子の中央部付近を
接地するようにした。

【０００９】

【作用】上記のように構成したので、給電線路の接地側
からの信号電流は、他の放射素子上により集中するの
で、無線機器上を流れる電流を抑圧することが出来、人
体が近ずいた場合の放射への影響を改善することが出来
る。また、給電線路の接地側からの信号電流が他の放射
素子に集中し、放射系が平衡型に近い電流分布となって
も、放射素子とシールドとの間が平衡／不平衡変換器と
して働くので、放射パターンの変化や利得の劣化を抑え
ることが出来る。

【００１０】

【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。

【００１１】図において、同じ部位は同じ符号で示す。

【００１２】図１は、第１の放射素子２１の無線機器２
０内収納時において、第１の放射素子２１と給電線路２
５の接地導体との間の入力インピーダンスが極大となる
ように、第１の放射素子２１の中央部付近を給電線路２
５の接地手段である接地導体２７に接地した場合の実施
例である。２２は第２の放射素子、２３は第３の放射素
子、２４は無線機器のシールドを示す。

【００１３】図２は、第１の放射素子３１の無線機器３
０内収納時において、第１の放射素子３１と給電線路３
５の接地導体３７との間の入力インピーダンスが極大と
なるように、第１の放射素子３１の中央部付近を給電線
路３５の接地導体３７に接地した場合の実施例である。
３２は第２の放射素子、３３は第３の放射素子、３４無
線機器のシールドである。

【００１４】図３は、第１の放射素子４１が無線機器４
０のシールドの外側に収納される構造において、給電点
付近からみた第１の放射素子４１と無線機器４０のシー
ルド４４とのとの間の入力インピーダンスが極大となる
ように、第１の放射素子４１の中央部付近を接地するよ
うにした場合の実施例である。４２は第２の放射素子、
４３は第３の放射素子、４５は給電線路、４７は接地導
体である。

【００１５】また図４は、第１の放射素子５１の無線機
器５０収納時の無線機器のシールドもしくは給電線路の
接地導体５４への接地方法に関する他の実施例であり、
図４（ａ）は、容量結合にて接地した場合の実施例を示
しており、図４（ｂ）はインダクタンス結合にて接地し
た場合の実施例を示している。５４は無線機器５０のシ
ールドもしくは給電線路の接地導体であり、５８は容量
結合素子、５９はインダクタンス結合素子である。

【００１６】なお、上記実施例では第１の放射素子、第
２の放射素子がともにヘリカル素子の場合を示したが、
本発明はこれに対してのみ適用されるものではなく、任
意の素子形状の放射素子に適用可能であることは言うま
でもない。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の構成なら
びに方法によれば、 １）給電線路の接地側からの信号電流は、第３の放射素
子上により集中するので、無線機器上を流れる電流を抑
圧することが出来、人体が近づいた場合の放射への影響
を改善すること ２）上記のように、給電線路の接地側からの信号電流が
第３の放射素子に集中し、第２の放射素子と第３の放射
素子により構成される放射系が平衡型に近い電流分布と
なっても、第１の放射素子と無線機器のシールドとの間
が平衡／不平衡変換器として働くので、放射パターンの
変化や利得の劣化を抑えることが出来る。

【００１８】従って、本発明によれば、第１の放射素子
収納時においても、放射パターンや利得の劣化、および
人体近接による特性の劣化の少ないアンテナの収納構造
を持つ無線機器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例であり、第１の放射素子２１が
無線機器のシールド２４内部に収納され、シールド２４
に接地される場合を示す。

【図２】本発明の実施例であり、第１の放射素子３１が
無線機器のシールド３４内部に収納され、給電線路３５
の接地導体に接地される場合を示す。

【図３】本発明の実施例であり、第１の放射素子４１が
無線機器のシールド４４外部に収納され、シールド４４
に接地される場合を示す。

【図４】第１の放射素子５１収納時の無線機器のシール
ドもしくは給電線路の接地導体５４への接地方法に関す
る他の実施例であり、図４（ａ）は容量結合にて接地し
た場合、図４（ｂ）はインダクタンス結合にて接地した
場合である。

【図５】従来技術である特開平２ー２７１７０１号公報
に記載されている無線機の概略図。図５（ａ）は第１の
放射素子１１を伸した状態、図５（ｂ）は収納した状態
を示す。

【図６】第１の放射素子１１を無線機器内部に収納した
状態の断面図。

【符号の説明】

１０ 無線機器 １１ 第１の放射素子 １２ 第２の放射素子 １３ 第３の放射素子 １４ 無線機器のシールド １５ 給電線路 １６ 給電点 １７ 第１の放射素子通過用の孔 ２０ 無線機器 ２１ 第１の放射素子 ２２ 第２の放射素子 ２３ 第３の放射素子 ２４ 無線機器のシールド ２５ 給電線路 ２７ 接地導体 ３０ 無線機器 ３１ 第１の放射素子 ３２ 第２の放射素子 ３３ 第３の放射素子 ３４ 無線機器のシールド ３５ 給電線路 ３７ 接地導体 ４０ 無線機器 ４１ 第１の放射素子 ４２ 第２の放射素子 ４３ 第３の放射素子 ４４ 無線機器のシールド ４５ 給電線路 ４７ 接地導体 ５０ 無線機器 ５１ 第１の放射素子 ５４ 無線機器のシールドもしくは給電線路の接地導
体 ５８ 容量結合素子 ５９ インダクタンス結合素子

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】１／２波長の電気的な長さを持つ第１の放
   射素子、１／４波長の電気的な長さを持つ第２の放射素
   子、給電点付近にて接地された１／４波長の電気的な長
   さを持つ第３の放射素子により構成され、第１の放射素
   子が無線機器内部へ収納可能であり、第１の放射素子を
   無線機器から引出したときには、第２の放射素子に給電
   された高周波電力が電磁界結合により第１の放射素子に
   給電動作し、第１の放射素子を収納したときには、第２
   の放射素子単体にて動作するアンテナにおいて、前記第
   １の放射素子を無線機器内部に収納した際に、給電点付
   近からみた第１の放射素子と無線機器のシールドとの間
   の入力インピーダンスが極大となるように、第１の放射
   素子の中央部付近を接地するようにしたことを特徴とす
   るアンテナの収納構造。