JPH08304641A - 光ファイバーおよびその製造方法 - Google Patents

光ファイバーおよびその製造方法

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JPH08304641A
JPH08304641A JP7128865A JP12886595A JPH08304641A JP H08304641 A JPH08304641 A JP H08304641A JP 7128865 A JP7128865 A JP 7128865A JP 12886595 A JP12886595 A JP 12886595A JP H08304641 A JPH08304641 A JP H08304641A
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JP
Japan
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optical fiber
resin
rubber
meth
heat
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Application number
JP7128865A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Ito
徹男 伊藤
Hironobu Shinohara
弘信 篠原
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性に優れ、屈曲性・柔軟性にも優れた光
ファイバーを得る。 【構成】 コア材が熱変形温度120℃以上の透明樹脂
からなる光ファイバーをゴム系被覆材で被覆してなるこ
とを特徴とする光ファイバーならびにコア材が熱変形温
度120℃以上の透明樹脂からなる光ファイバーの外側
にゴム質重合体および架橋剤からなる組成物を被覆し、
加熱することを特徴とする光ファイバーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性に優れ、屈曲性
・柔軟性にも優れた光ファイバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】コア部やクラッド部が透明樹脂からなる
光ファイバーは、軽量であり屈曲性・柔軟性に優れ、ま
た加工性にも優れているので、現在では自動車内光伝送
用途、OA機器用途、FA(ファクトリーオートメーシ
ョン)機器用途などに用いられている。このような光フ
ァイバーは通常その周りに樹脂製被覆材を被覆してなる
光ファイバーの形で用いられるが、従来このような形の
光ファイバーには耐熱性や屈曲性・柔軟性の点で問題が
あった。例えば樹脂製光ファイバーを被覆する場合、通
常被覆温度が120〜160℃前後またはそれ以上の高
温で被覆されるため、この高温の樹脂製被覆材により光
ファイバーが加熱されてしまい、結果として光伝送特性
の劣化を引き起こすことが多かった。これは、従来の光
ファイバーが主にポリメチルメタクリレートやポリスチ
レン、ポリカーボネートなどの透明樹脂からなるもので
あり、これらの透明樹脂の熱変形温度が低いために、高
温で樹脂を被覆することにより光ファイバーが熱変形を
起こすことによる。したがって、このような光ファイバ
ーの光伝送特性を損ねないために被覆材の溶融温度を低
くする必要があり、使用できる被覆材もポリエチレンや
ポリ塩化ビニルなどごく限られていた。このような樹脂
は耐熱性に劣るだけでなく屈曲性・柔軟性にもかけたも
のであり、光ファイバーの用途範囲を著しく妨げるもの
であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題に基
づいてなされたものであり、耐熱性および屈曲性・柔軟
性にすぐれた光ファイバーを提供することを目的とする
ものである。
【課題を解決する手段】本発明は、コア材が熱変形温度
120℃以上の透明樹脂からなる光ファイバーをゴム系
被覆材被覆してなる光ファイバーおよびコア材が熱変形
温度120℃以上の透明樹脂からなる光ファイバーの外
側にゴム質重合体および架橋剤からなる組成物を被覆
し、加熱することを特徴とする光ファイバーの製造方法
を提供するものである。
【0004】本発明に用いられる光ファイバーのコア材
として使用する透明樹脂は、透明樹脂の熱変形温度が1
20℃以上のものである。このような透明樹脂としては
例えば耐熱性アクリル樹脂、熱硬化シリコーン樹脂、熱
可塑性ノルボルネン系樹脂からなる光ファイバーなどを
用いることができる。本発明に用いられる耐熱性アクリ
ル樹脂は、熱変形温度が120℃以上、好ましくは14
0℃以上のものであり、このようなアクリル樹脂の例と
しては架橋性(メタ)アクリル系単量体もしくは架橋性
(メタ)アクリル系単量体を含有する(メタ)アクリル
系単量体組成物を光または熱をかけることにより架橋硬
化させたものが挙げられる。
【0005】架橋性単量体の例としては、ジエチレング
リコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、2−ビス[4−アクリロキシ
エトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−メタ
クリロキシエトキシフェニル]プロパンなどの多官能
(メタ)アクリル系単量体;2,2−ビス[4−メタク
リロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル]プロパ
ン、トリメチロールプロパントリ(α−フルオロアクリ
レート)、トリメチロールプロパントリ(α−クロロア
クリレート)、トリメチロールプロパントリ(α−ブロ
モアクリレート)などのハロゲン原子を含有する多官能
(メタ)アクリル系単量体などが挙げられる。また、こ
れら架橋性単量体と共重合することのできる(メタ)ア
クリル系単量体の例としてはメチルアクリレート、メチ
ルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチ
ルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
2−エチルヘキシルメタクリレート、イソブチルアクリ
レート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアク
リレート、tert−ブチルメタアクリレート、フェニルア
クリレート、フェニルメタアクリレート、ベンジルアク
リレート、ベンジルメタアクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、トリブロモフェニ
ルアクリレート、トリブロモフェニルメタクリレートな
どの単官能性(メタ)アクリル系単量体などが挙げられ
る。このような架橋性(メタ)アクリル系単量体または
その組成物から光ファイバーを得る方法の例としてクラ
ッド材のチューブなどに上記架橋性(メタ)アクリル系
単量体もしくはこれと共重合可能な(メタ)アクリル系
単量体との組成物を注入充填し、熱あるいは紫外線など
の光により硬化させる方法を挙げることができる。
【0006】本発明に用いられる熱硬化シリコーン樹脂
は、例えば公知のビニルアルキルシロキサンを白金触媒
の存在下にヒドロシリル反応させることによって得られ
るものである。熱硬化シリコーン樹脂から光ファイバー
を得るには、例えば特開昭60−42712号公報、特
開昭60−43613号公報、特開昭61−59303
号公報、特開昭63−121004号公報、特開平2−
111903号公報、特開平4−84108号公報、特
開平4−157402号公報などに開示されている技術
をもちいることができ、具体例としてクラッド材のチュ
ーブなどに上記ビニルアルキルシロキサンと白金触媒の
混合物を圧入し、加熱重合することにより形成される。
上記のアクリル樹脂または熱硬化シリコーンから光ファ
イバーを得るために用いられるクラッド材には公知の樹
脂、例えばポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオ
ロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テト
ラフルオロエチレン/エチレン共重合体、ポリビニルフ
ルオライド、ポリビニリデンフルオライド共重合体、ポ
リアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、
ポリアルキルシロキサンゴムなどを用いることができ
る。
【0007】本発明に用いられる熱可塑性ノルボルネン
樹脂は、その繰り返し単位中にノルボルナン骨格を有す
るものである。例えばこの熱可塑性樹脂としては、一般
式(I)〜(IV)で表されるノルボルナン骨格を含む
ものである。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】
【0012】(式中、A、B、CおよびDは、水素原子
または1価の有機基を示す。)
【0013】本発明において使用することのできるノル
ボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂としては、例えば特
開昭60−168708号公報、特開昭62−2524
06号公報、特開昭62−252407号公報、特開平
2−133413号公報、特開昭63−145324号
公報、特開昭63−264626号公報、特開平1−2
40517号公報、特公昭57−8815号公報などに
記載されている樹脂などを挙げることができる。
【0014】この熱可塑性樹脂の具体例としては、下記
一般式(V)で表される少なくとも1種のテトラシクロ
ドデセン誘導体または該テトラシクロドデセンと共重合
可能な不飽和環状化合物とをメタセシス重合して得られ
る重合体を水素添加して得られる水添重合体を挙げるこ
とができる。
【0015】
【化5】
【0016】(式中A〜Dは、前記に同じ。)
【0017】前記一般式(V)で表されるテトラシクロ
ドデセン誘導体において、A、B、CおよびDのうちに
極性基を含むことが、耐熱性や被覆材との密着性の点か
ら好ましい。さらに、この極性基が−(CH2 n CO
OR3 (ここで、R3 は炭素数1〜20の炭化水素基、
nは0〜10の整数を示す)で表される基であること
が、得られる水添重合体が高い熱変形温度を有するもの
となるので好ましい。特に、この−(CH2 n COO
3 で表される極性置換基は、一般式(V)のテトラシ
クロドデセン誘導体の1分子あたりに1個含有されるこ
とが好ましい。前記一般式において、R1 は炭素数1〜
20の炭化水素基であるが、炭素数が多くなるほど得ら
れる水添重合体の吸湿性が小さくなる点では好ましい
が、得られる水添重合体のガラス転移温度とのバランス
の点から、炭素数1〜4の鎖状アルキル基または炭素数
5以上の(多)環状アルキル基であることが好ましく、
特にメチル基、エチル基、シクロヘキシル基であること
が好ましい。さらに、カルボン酸エステル基が結合した
炭素原子に、同時に炭素数1〜10の炭化水素基が置換
基として結合されている一般式(V)のテトラシクロド
デセン誘導体は、吸湿性を低下させるので好ましい。特
に、この置換基がメチル基またはエチル基である一般式
(V)のテトラシクロドデセン誘導体は、その合成が容
易な点で好ましい。
【0018】具体的には、8−メチル−8−メトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 7,10]ド
デカ−3−エンが好ましい。これらのテトラシクロドデ
セン誘導体、あるいはこれと共重合可能な不飽和環状化
合物の混合物は、例えば特開平4−77520号公報第
4頁右上欄第12行〜第6頁右下欄第6行に記載された
方法によって、メタセシス重合、水素添加され、本発明
に使用される熱可塑性樹脂とすることができる。また、
前記水添重合体のガラス転移温度(Tg)は100℃〜
250℃の範囲であることが好ましく、特に120〜2
00℃の範囲であることが好ましい。100℃未満では
該樹脂からなる光ファイバーの耐熱性が劣る。また、T
gが250℃を超えるものは、成形温度が高くなり樹脂
が焼けて着色するなど良質な光ファイバーを得ることが
難しくなる。
【0019】また、水添重合体の分子量は、光ファイバ
ーに充分な強度を与えるために、通常5000〜100
万、好ましくは8000〜20万の範囲である。また、
水添重合体の水素添加率は、60MHz、 1H−NMR
で測定した値が90%以上、好ましくは95%以上、さ
らに好ましくは98%以上である。水素添加率が高いほ
ど、熱や光に対する安定性が優れる。なお、本発明にお
いて、ノルボルナン骨格を有する熱可塑性樹脂として使
用される水添重合体は、該水添重合体中に含まれるゲル
含有量が5重量%以下であることが好ましく、さらに1
重量%であることが好ましい。本発明において、光ファ
イバーの材料として用いる樹脂には、必要に応じ、本発
明の効果を損ねない範囲で公知の酸化防止剤、紫外線吸
収剤、安定剤、帯電防止剤、難燃剤、耐衝撃性改良用エ
ラストマーなどを添加することができる。また、加工性
を向上させる目的で滑剤などの添加剤を添加することも
できる。
【0020】上記熱可塑性ノルボルネン系樹脂から光フ
ァイバーを得る方法としては公知の方法を用いることが
でき、たとえば該樹脂を加熱溶融して引っ張りながらフ
ァイバー化しコア材を形成した後クラッド材を付着させ
る方法などを挙げることができる。なお、光ファイバー
の製造において、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の樹脂温
度は210℃〜390℃とすることが好ましい。ここで
クラッド材としては前述の材料を用いることが可能であ
る。上記のような耐熱性アクリル樹脂、熱硬化シリコー
ン樹脂、または熱可塑性ノルボルネン系樹脂をコア材に
用いた光ファイバーはいずれも光伝送特性と耐熱性に優
れたものであるが、成形時間が短くすみ生産性に優れ、
しかも柔軟性に優れコア径を太くしても曲げることが容
易であるという点で、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を用
いることが特に好ましい。また本発明において、かかる
コア材の直径は、0.2〜50mm、好ましくは0.5
〜20mm、クラッド材の厚さまで含めた直径は0.1
〜100μm、好ましくは0.5〜60μmである。
【0021】本発明の光ファイバーは、上記のコア材お
よびクラッド材からなる光ファイバーの外側がゴム系被
覆材で被覆されてなるものである。本発明において、光
ファイバーを被覆するゴム系被覆材のゴム質重合体とし
ては、フッ素ゴム、エチレン−プロピレン(−ジエン)
共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、ニトリルゴム、ブ
チルゴム、アクリルゴム、ヒドリンゴム、シリコーンゴ
ム、ウレタンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロプ
レンゴム、イソプレンゴムなどをあげることができる。
ゴム系被覆材とするためには、上記ゴム質重合体に架橋
剤、例えばイオウ、塩化イオウ、二塩化イオウ、モルホ
リンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、
テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカ
ルバミン酸セレンなどのイオウ系化合物;ジクミルペル
オキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチ
ルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3、ジtert−ブチルペルオキシド、ジ(tert−ブチルペ
ルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
tert−ブチルヒドロペルオキシドなどの有機過酸化物;
グアニジン系化合物、チウラム系化合物、チアゾール系
化合物、アルデヒド−アンモニア系化合物、イミダゾリ
ン系化合物、チオユリア系化合物、ジチオ酸塩系化合
物、サンテート系化合物、トリアジン系化合物などの加
硫促進剤;加硫助剤などをそれぞれ必要に応じてゴム質
重合体に配合したゴム組成物を、光ファイバーに被覆し
た後、硬化する。
【0022】本発明において、上記ゴム組成物には必要
に応じて一般的に配合される配合剤、例えばカーボンブ
ラック、ホワイトカーボンなどの補強剤、炭酸カルシウ
ムなどの充填剤、フタル酸エステルなどの可塑剤、ナフ
チルアミン系化合物などの老化防止剤などを配合するこ
とができる。本発明において、光ファイバーにゴム組成
物を被覆する方法としては、例えばゴム組成物を押出機
で混合した後、光ファイバー上に押出被覆し、次いで押
出被覆線を加熱して架橋する方法が挙げられる。
【0023】また、適当な溶剤に溶解してなるゴム組成
物溶液に光ファイバーを浸漬させ、次いで加熱して架橋
被覆を行うこともできる。この場合、ゴム組成物を溶解
する溶剤は、被覆する光ファイバーを溶かさないもので
ある。本発明において、光ファイバーに被覆されたゴム
組成物を加熱架橋するときの架橋温度は被覆される光フ
ァイバーの材質の熱変形温度より5〜50℃、好ましく
は10〜30℃低い温度で行うことが、該光ファイバー
の熱による光特性の劣化を避けるという点で好ましい。
また、本発明において、加熱架橋によって光ファイバー
の外側に被覆されるゴム系被覆材層の厚さは1mm径の
光ファイバーに対し、通常、0.1〜50mm、好まし
くは0.2〜30mmの範囲にあることが強度と柔軟性
とのバランスの上で好ましい。
【0024】本発明のにおいてゴム系被覆材によって被
覆される光ファイバーは、一本でも複数本の光ファイバ
ーを束ねたものでもよい。また本発明の光ファイバー
は、光ファイバーと導線を束ねたものをゴム系被覆材で
被覆されたものであってもよい。ここで導線とは通常に
用いられている電線の心線のことであり、その材料は公
知のものを好ましく用いることができる。本発明の光フ
ァイバーは、自動車エンジンルーム内光伝送、OA機
器、FA機器、ローカルエリアネットワーク機器用導線
などの用途に用いることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明がこれによって限定されるものではない。なお、
実施例中、部および%は、特に断らないかぎり重量基準
である。 参考例1 8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3−エン10
0g、1,2−ジメトキシエタン60g、シクロヘキサ
ン240g、1−ヘキセン9g、およびジエチルアルミ
ニウムクロライド0.96モル/lのトルエン溶液3.
4mlを、内容積1リットルのオートクレーブに加え
た。一方、別のフラスコに、六塩化タングステンの0.
05モル/lの1,2−ジメトキシエタン溶液20ml
とパラアルデヒドの0.1モル/lの1,2−ジメトキ
シエタン溶液10mlを混合した。この混合溶液4.9
mlを、前記オートクレーブ中の混合物に添加した。密
栓後、混合物を80℃に加熱して4時間攪拌を行った。
得られた重合体溶液に、1,2−ジメトキシエタンとシ
クロヘキサンの2/8(重量比)の混合溶媒を加えて重
合体/溶媒が1/10(重量比)にしたのち、トリエタ
ノールアミン20gを加えて10分間攪拌した。この重
合溶液に、メタノール500gを加えて30分間攪拌し
て静置した。2層に分離した上層を除き、再びメタノー
ルを加えて攪拌、静置後、上層を除いた。同様の操作を
さらに2回行い、得られた下層をシクロヘキサン、1,
2−ジメトキシエタンで適宜希釈し、重合体濃度が10
%のシクロヘキサン−1,2−ジメトキシエタン溶液を
得た。この溶液に20gのパラジウム/シリカマグネシ
ア[日揮化学(株)製、パラジウム量=5%]を加え
て、オートクレーブ中で水素圧40kg/cm2 として
165℃で4時間反応させたのち、水添触媒をろ過によ
って取り除き、水添重合体溶液を得た。また、この水添
重合体溶液に、酸化防止剤であるペンタエリスリチル−
テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]を、水添重合体に対
して0.1%加えてから、360℃で減圧下に脱溶媒を
行なった。次いで溶融した樹脂を窒素下雰囲気で押出機
によりペレット化し、重量平均分子量7.0×104
水添率99.5%、ガラス転移温度168℃の熱可塑性
樹脂Aを得た。
【0026】参考例2 6−エチリデン−2−テトラシクロドデセンを、(a)
−1の時と同様にメタセシス開環重合した後、水添し、
ペレット化して重量平均分子量5.5×104、水添率
99.5%、ガラス転移温度140℃の熱可塑性樹脂B
を得た。 実施例1 コア材として参考例1で得られた熱可塑性樹脂Aとクラ
ッド材としてポリメタクリルパーフルオロ−t−ブチル
を用いてコアの外径1mm、クラッド部の厚さ50μm
の光ファイバーを公知の方法で製造した。この光ファイ
バーについてゴム組成物を被覆する前の光伝送損失を測
定した。また、ゴム組成物として以下に示す組成; エチレン−プロピレンゴム (日本合成ゴム(株)製JSR−EP21) 100.0部 HAFカーボン 5.0部 ミストロンベーパー 120.0部 ナフテン系オイル 6.0部 パラフィンワックス 5.0部 亜鉛華 5.0部 ステアリン酸 1.0部 ジクミルパーオキサイド(40%) 7.0部 P,P’−ジベンゾイルキノンジオキシム 1.5部 からなる組成物を押出機を用いて上記光ファイバーの外
側に厚さ5.0mmに押出被覆し、続いて窒素ガスを熱媒
体とする乾式架橋筒内で加硫温度140℃、加硫時間1
00分で加硫をおこない、ゴム系被覆材に被覆された光
ファイバーを作成した。このゴム系被覆材に被覆された
光ファイバーの光伝送損失と最小曲げ半径を測定し、さ
らに左右90゜の角度で1万回折り曲げた後の光ファイ
バーの光伝送損失を測定した。なお光伝送損失は光源に
ハロゲンランプ(NARVA−G4635)を用い、ス
ペクトルアナライザー((株)アドバンテスト製:TQ
8344A)で光ファイバーからの出力光を特定波長6
60nmで測定することによって求めた。測定結果を表
1に示す。
【0027】実施例2 コア材として参考例1の熱可塑性樹脂Aのかわりに、参
考例2の熱可塑性樹脂Bを用いた他は実施例1と同様に
してコアの外径1mm、クラッド部の厚さ50μmの光
ファイバーを作成し、さらに実施例1と同様のゴム組成
物を被覆・加硫して光ファイバーを作成し、実施例1と
同様の測定をおこなった。測定結果を表1に示す。 実施例3 ポリメタクリルパーフルオロ−t−ブチルを押出機を用
いて内径1mm、外径2mmのクラッド材チューブを成
形した。このチューブ内に、加熱硬化型のジメチルシロ
キサンポリマー液状前駆体をチューブ片端より封入し、
片端を封止したのち、100℃の加熱高温油槽にて加熱
硬化させることにより光ファイバーを作成し、さらに実
施例1と同様のゴム組成物を被覆・加硫して、光ファイ
バーを作成し、実施例1と同様の測定をおこなった。測
定結果を表1に示す。
【0028】実施例4 ポリメタクリルパーフルオロ−t−ブチルを押出機を用
いて内径1mm、外径2mmのクラッド材チューブを成
形した。このチューブ内に、メタクリル酸メチル80
g、エチレングリコールジメタクリレート10g、ブチ
ルアクリレート10g、ラウロイルパーオキサイド0.
5gの重合性モノマー組成物を注入しその片端を封止し
たのち、80℃の温浴にて加熱硬化させることにより光
ファイバーを作成し、さらに実施例1と同様のゴム組成
物を被覆・加硫して、光ファイバーを作成し、実施例1
と同様の測定をおこなった。測定結果を表1に示す。
【0029】比較例1 市販のポリメチルメタクリレート製光ファイバー(三菱
レイヨン(株)製「エスカ」、径1mm)を光ファイバ
ーとして用い、実施例1と同様のゴム組成物を被覆・加
硫して、光ファイバーを作成し、実施例1と同様の測定
をおこなった。測定結果を表1に示す。 比較例2 ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製「パンライ
ト」)をコア材として用いた他は実施例1と同様にして
コアの外径1mm、クラッド部の厚さ50μmの光ファ
イバーを作成し、さらに実施例1と同様のゴム組成物を
被覆・加硫して光ファイバーを作成し、実施例1と同様
の測定をおこなった。測定結果を表1に示す。
【0030】比較例3 実施例1と同様の光ファイバーの外側にポリ塩化ビニル
樹脂(信越化学工業(株)製「信越PVC」)を用いて
押出温度150℃で押出被覆させることにより光ファイ
バーとした。この光ファイバーについて、実施例1と同
様の測定をおこなった。測定結果を表1に示す。 比較例4 実施例1と同様の光ファイバーの外側にポリプロピレン
樹脂(住友化学工業(株)製「住友ノーブレン」)を用
いて押出温度150℃で押出被覆させることにより光フ
ァイバーとした。この光ファイバーについて、実施例1
と同様の測定をおこなった。測定結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなように、本発明の光ファ
イバーは耐熱性に優れたものであり、ゴム系被覆材のよ
うな高い被覆温度を必要とする被覆材を用いても被覆時
の熱による光伝送特性の劣化が起こらないため、耐熱性
に優れ、特にゴム系被覆材を用いることにより屈曲性・
柔軟性に優れた光ファイバーとすることができる。これ
に対し、従来の材料からなる光ファイバーを用いたもの
(比較例1、比較例2)は、被覆される光ファイバーの
熱変形温度が低いため、ゴム系被覆材を被覆すると被覆
時の高温の熱により光ファイバーが熱変形を起こし光伝
送特性が著しく劣化するものであり、特に比較例1は光
ファイバーそのものが溶けてしまうため被覆後の各測定
が不可能となったものである。また、被覆材としてポリ
塩化ビニル樹脂やポリプロピレン樹脂を用いたもの(比
較例3、比較例4)は屈曲性・柔軟性に欠けるため折り
曲げたときにひび割れたり折れたりするのでその用途範
囲がごく限られるものである。
【0033】
【発明の効果】本発明の光ファイバーはコア材に熱変形
温度が120℃以上であり光学特性にも優れた透明樹脂
を用いるので、優れた耐熱性と屈曲性・柔軟性を有しな
がら、被覆温度が高くなるため従来の光ファイバーの被
覆材として用いることができなかったゴム製被覆材のよ
うな後架橋性組成物を被覆材として用いることができる
ので、他の透明材料では得ることの極めて難しかった高
い耐熱性と屈曲性・柔軟性を満たす光ファイバーを得る
ことが可能である。特にコア材として熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂を用いると光ファイバーの成形が容易である
ため生産性・加工性に特に優れたものを得ることができ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア材が熱変形温度120℃以上の透明
    樹脂からなる光ファイバーをゴム系被覆材で被覆してな
    ることを特徴とする光ファイバー。
  2. 【請求項2】 コア材が熱変形温度120℃以上の透明
    樹脂からなる光ファイバーの外側にゴム質重合体および
    架橋剤からなる組成物を被覆し、加熱することを特徴と
    する光ファイバーの製造方法。
JP7128865A 1995-04-28 1995-04-28 光ファイバーおよびその製造方法 Pending JPH08304641A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004097487A1 (en) * 2003-04-25 2004-11-11 Fuji Photo Film Co., Ltd. Optical member with protective layer, method and apparatus of producing optical member with protective layer

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004097487A1 (en) * 2003-04-25 2004-11-11 Fuji Photo Film Co., Ltd. Optical member with protective layer, method and apparatus of producing optical member with protective layer

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