JPH0830446B2 - ピストンリング - Google Patents
ピストンリングInfo
- Publication number
- JPH0830446B2 JPH0830446B2 JP62277111A JP27711187A JPH0830446B2 JP H0830446 B2 JPH0830446 B2 JP H0830446B2 JP 62277111 A JP62277111 A JP 62277111A JP 27711187 A JP27711187 A JP 27711187A JP H0830446 B2 JPH0830446 B2 JP H0830446B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- piston ring
- metal
- ion plating
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16J—PISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
- F16J9/00—Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction
- F16J9/26—Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction characterised by the use of particular materials
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、耐摩耗性に優れたイオンプレーティング
による皮膜を有する内燃機関用ピストンリングに関す
る。
による皮膜を有する内燃機関用ピストンリングに関す
る。
（従来技術と問題点） 近年、エンジンの高出力化などの高性能化に伴い、ピ
ストンリングに要求される条件はますます過酷なものと
なり、優れた耐摩耗性を有するピストンリングが望まれ
ている。
ストンリングに要求される条件はますます過酷なものと
なり、優れた耐摩耗性を有するピストンリングが望まれ
ている。
内燃機関の組み立て直後の初期運転をなじみ運転とい
うが、一般に組み立て直後のエンジンにおいては、ピス
トンリングとシリンダの多少の誤差は避けられず、隙間
から圧縮ガスの洩れを生ずる。なじみ運転によりピスト
ンリングとシリンダの共摺りを行い、この隙間を早期に
うめてやる必要がある。このなじみのついていないエン
ジンでは吹き抜けがいちじるしく、油膜が破られるため
異常摩耗を生ずる恐れが有り、またオイル消費量も多く
なる。特に耐摩耗性に優れた摺動面を有するピストンリ
ングは、このなじみ運転期間が長くなる。このため錫め
っきなどの軟質皮膜層を別に設けたり、リングの断面を
テーパ状に加工するなどして早くなじむようにしてい
る。この錫めっきを施す方法は、めっきの設備が新たに
必要となるほかに、めっきを付けるための工数も余計に
かかる。テーパ加工による方法は、そのための工程が一
つ増えることと、テーパの角度がシール性、保油性など
に影響を与えるという問題点がある。
うが、一般に組み立て直後のエンジンにおいては、ピス
トンリングとシリンダの多少の誤差は避けられず、隙間
から圧縮ガスの洩れを生ずる。なじみ運転によりピスト
ンリングとシリンダの共摺りを行い、この隙間を早期に
うめてやる必要がある。このなじみのついていないエン
ジンでは吹き抜けがいちじるしく、油膜が破られるため
異常摩耗を生ずる恐れが有り、またオイル消費量も多く
なる。特に耐摩耗性に優れた摺動面を有するピストンリ
ングは、このなじみ運転期間が長くなる。このため錫め
っきなどの軟質皮膜層を別に設けたり、リングの断面を
テーパ状に加工するなどして早くなじむようにしてい
る。この錫めっきを施す方法は、めっきの設備が新たに
必要となるほかに、めっきを付けるための工数も余計に
かかる。テーパ加工による方法は、そのための工程が一
つ増えることと、テーパの角度がシール性、保油性など
に影響を与えるという問題点がある。
これとは別に、耐焼付と耐摩耗特性向上のため、特開
昭61−87950号公報はピストンリングの外周面に金属ク
ロムと窒化クロムとの超微細な混合組織からなる皮膜層
を作ることを提案し、又、特開平57−57868号公報は、
同上の特性向上のため、ピストンリング外周面にPVD法
によりTiN、TiC、CrN等の超硬質物質からなる皮膜を生
成することを提案し、さらに、実開昭59−127859号公報
はピストンリングの外周面にTiN又はCrNのイオンプレー
ティング層を設け、このイオンプレーティング層の上に
軟質皮膜を付けることを提案する。前二つの公知例がピ
ストンリング外周面に１層からなる皮膜を設けるのに対
し、後者の例は２層を設けることで異なる技術概念の提
案と言える。
昭61−87950号公報はピストンリングの外周面に金属ク
ロムと窒化クロムとの超微細な混合組織からなる皮膜層
を作ることを提案し、又、特開平57−57868号公報は、
同上の特性向上のため、ピストンリング外周面にPVD法
によりTiN、TiC、CrN等の超硬質物質からなる皮膜を生
成することを提案し、さらに、実開昭59−127859号公報
はピストンリングの外周面にTiN又はCrNのイオンプレー
ティング層を設け、このイオンプレーティング層の上に
軟質皮膜を付けることを提案する。前二つの公知例がピ
ストンリング外周面に１層からなる皮膜を設けるのに対
し、後者の例は２層を設けることで異なる技術概念の提
案と言える。
しかし、この後者の例はイオンプレーティング層と軟
質皮膜（スズ、銅などの軟質メッキ層や四弗化エチレン
樹脂などの樹脂層）とが、物理的性質を不連続に変化さ
せる界面の形で存在させる皮膜となっており、このた
め、なじみ運転が断続的となり好ましくない。しかも、
この例は、イオンプレーティングのための設備と、軟質
皮膜を付ける設備とを必要とし、皮膜層生成が複雑な工
程を必要とすることになる。
質皮膜（スズ、銅などの軟質メッキ層や四弗化エチレン
樹脂などの樹脂層）とが、物理的性質を不連続に変化さ
せる界面の形で存在させる皮膜となっており、このた
め、なじみ運転が断続的となり好ましくない。しかも、
この例は、イオンプレーティングのための設備と、軟質
皮膜を付ける設備とを必要とし、皮膜層生成が複雑な工
程を必要とすることになる。
本発明は、物理的性質が連続的に変化する皮膜を新た
に提案し、かつ新たに特別の設備や工数を必要とせず、
比較的早くなじみ運転が終了し、しかも耐摩耗性に優れ
たピストンリングを提供することを目的としている。
に提案し、かつ新たに特別の設備や工数を必要とせず、
比較的早くなじみ運転が終了し、しかも耐摩耗性に優れ
たピストンリングを提供することを目的としている。
（問題点を解決するための手段） 本発明は、少なくとも外周摺動面に、イオンプレーテ
ィングによる金属窒化物からなる無機化合物の第１層
と、および該第１層に対し連続した形で生成されかつ第
１層の金属を主成分としたイオンプレーティングによる
第２層とを有し、第２層の硬度が第１層の硬度より低い
ことを特徴とするピストンリングを提供する。
ィングによる金属窒化物からなる無機化合物の第１層
と、および該第１層に対し連続した形で生成されかつ第
１層の金属を主成分としたイオンプレーティングによる
第２層とを有し、第２層の硬度が第１層の硬度より低い
ことを特徴とするピストンリングを提供する。
好ましくは、この発明は、第１図に示すように、ピス
トンリング１の少なくとも外周摺動面に、イオンプレー
ティングによる窒化チタンの第１層２と、さらにその表
面に金属チタンの第２層３からなる皮膜が形成されてい
ることを特徴とするピストンリングを提供することで、
上記のような問題点を解決する。
トンリング１の少なくとも外周摺動面に、イオンプレー
ティングによる窒化チタンの第１層２と、さらにその表
面に金属チタンの第２層３からなる皮膜が形成されてい
ることを特徴とするピストンリングを提供することで、
上記のような問題点を解決する。
（作用） 本発明ピストンリングの第１層の皮膜は、窒素ガスの
存在する減圧雰囲気中で、金属を蒸発材として、反応性
イオンプレーティングを行うことによって得ることがで
きる。窒素ガス雰囲気中で、金属をターゲット材にして
イオンプレーティングを行うと、金属は原子状になり、
金属原子の一部は窒素と反応して金属窒化物となる。第
２層の金属皮膜は、窒素ガスの流入を止め、イオンプレ
ーティングを続けることにより得られる。
存在する減圧雰囲気中で、金属を蒸発材として、反応性
イオンプレーティングを行うことによって得ることがで
きる。窒素ガス雰囲気中で、金属をターゲット材にして
イオンプレーティングを行うと、金属は原子状になり、
金属原子の一部は窒素と反応して金属窒化物となる。第
２層の金属皮膜は、窒素ガスの流入を止め、イオンプレ
ーティングを続けることにより得られる。
金属窒化物からなる第１層の皮膜は、硬度が高く耐摩
耗性に富む反面、初期なじみ性が悪い。一方、第２層の
金属皮膜は、硬度が低く耐摩耗性には劣るが、初期なじ
み性は良好であり、第１層と第２層とはその物理的性質
を連続的に変化させる皮膜となっているので、なじみ特
性が良く、又、一つの装置を使うのみで第１層と第２層
とを生成できる。
耗性に富む反面、初期なじみ性が悪い。一方、第２層の
金属皮膜は、硬度が低く耐摩耗性には劣るが、初期なじ
み性は良好であり、第１層と第２層とはその物理的性質
を連続的に変化させる皮膜となっているので、なじみ特
性が良く、又、一つの装置を使うのみで第１層と第２層
とを生成できる。
（実施例） 本発明に使用したイオンプレーティング装置の概要を
第２図に示す。
第２図に示す。
母材１を母材保持具２で保持し、ヒーター３で母材１
を所定の温度に加熱する。母材１の下方には、蒸発源の
金属５を収容する水冷銅ルツボ６が設置してある。真空
容器４の側壁には、HCD型電子銃８および雰囲気ガス導
入用のパイプ10が取付けられている。電子銃８から射出
される電子ビームを蒸発源の金属５に照射するように、
ルツボ６の上には収束コイル７が設置されている。また
真空槽４内は、図示しない真空ポンプにより減圧される
ようになっている。
を所定の温度に加熱する。母材１の下方には、蒸発源の
金属５を収容する水冷銅ルツボ６が設置してある。真空
容器４の側壁には、HCD型電子銃８および雰囲気ガス導
入用のパイプ10が取付けられている。電子銃８から射出
される電子ビームを蒸発源の金属５に照射するように、
ルツボ６の上には収束コイル７が設置されている。また
真空槽４内は、図示しない真空ポンプにより減圧される
ようになっている。
呼び径×幅×厚さが、φ77mm×1.5×3.1のSKD−61材
のピストンリングを複数本まとめて母材１として、以下
の条件で反応性イオンプレーティングを実施した。
のピストンリングを複数本まとめて母材１として、以下
の条件で反応性イオンプレーティングを実施した。
母材温度:400℃ 電子ビーム出力:35V−500A 窒素ガス分圧： 開始〜１分 ０ １分〜50分 ５×10x-4torr 50分〜60分 ０ アルゴンガス分圧:5×10x-4torr 蒸発源：金属チタン 母材バイアス：−100V 初めは窒素ガスを導入せずにイオンプレーティングを
行って金属チタンの下地層を形成し、１分経過後から窒
素ガスを導入して窒化チタンの皮膜層を形成した。50分
経過後、窒素ガスの導入を止め再び金属チタンの皮膜層
を形成した。この処理により、第１層の皮膜の厚さは約
10μｍで、第２層の皮膜の厚さは約２μｍであった。
行って金属チタンの下地層を形成し、１分経過後から窒
素ガスを導入して窒化チタンの皮膜層を形成した。50分
経過後、窒素ガスの導入を止め再び金属チタンの皮膜層
を形成した。この処理により、第１層の皮膜の厚さは約
10μｍで、第２層の皮膜の厚さは約２μｍであった。
本実施例により得られたピストンリングと、比較のた
め、窒化チタンのみを施したピストンリングを水冷４サ
イクル４気筒、1300ccのエンジンに組み込み7500回転、
全負荷で100時間の実機試験を行い、オイルの消費量を
比較した。
め、窒化チタンのみを施したピストンリングを水冷４サ
イクル４気筒、1300ccのエンジンに組み込み7500回転、
全負荷で100時間の実機試験を行い、オイルの消費量を
比較した。
（結 果） 実機試験の結果、第３図のように本発明ピストンリン
グは、窒化チタンの皮膜のみのピストンリングに比べ
て、初期の時点からオイルの消費量が少なくなっている
のがわかる。これは金属チタンの第２層の皮膜が、シリ
ンダ内壁と早くなじむためである。このことから本発明
ピストンリングは初期なじみ性に優れていることが理解
できる。
グは、窒化チタンの皮膜のみのピストンリングに比べ
て、初期の時点からオイルの消費量が少なくなっている
のがわかる。これは金属チタンの第２層の皮膜が、シリ
ンダ内壁と早くなじむためである。このことから本発明
ピストンリングは初期なじみ性に優れていることが理解
できる。
第１図に、本発明ピストンリングの断面を示す。 図中 １……ピストンリング ２……窒化チタンの第１層皮膜 ３……金属チタンの第２層皮膜 第２図に、本発明に使用したイオンプレーティング装置
の概要を示す。 図中 １……母材（ピストンリング） ２……母材保持具 ４……真空容器 ５……金属チタン ６……水冷銅ルツボ ７……収束コイル ８……HCD電子銃 10……雰囲気ガス導入用のパイプ 第３図に、実機試験の結果を示す。
の概要を示す。 図中 １……母材（ピストンリング） ２……母材保持具 ４……真空容器 ５……金属チタン ６……水冷銅ルツボ ７……収束コイル ８……HCD電子銃 10……雰囲気ガス導入用のパイプ 第３図に、実機試験の結果を示す。
Claims (1)
- 【請求項１】少なくとも外周摺動面に、イオンプレーテ
ィングによる金属窒化物からなる無機化合物の第１層
と、および該第１層に対し連続した形で生成されかつ第
１層の金属を主成分としたイオンプレーティングによる
第２層とを有し、第２層の硬度が第１層の硬度より低い
ことを特徴とするピストンリング。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62277111A JPH0830446B2 (ja) | 1987-10-30 | 1987-10-30 | ピストンリング |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62277111A JPH0830446B2 (ja) | 1987-10-30 | 1987-10-30 | ピストンリング |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01117971A JPH01117971A (ja) | 1989-05-10 |
| JPH0830446B2 true JPH0830446B2 (ja) | 1996-03-27 |
Family
ID=17578937
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62277111A Expired - Fee Related JPH0830446B2 (ja) | 1987-10-30 | 1987-10-30 | ピストンリング |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0830446B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5655955A (en) * | 1993-07-30 | 1997-08-12 | Nagel Maschinen Und Werekzeugfabrik Gmbh | Method and tool for improving the structure of the inner faces of working chambers of machines and motors |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS59127859U (ja) * | 1983-02-18 | 1984-08-28 | 日本ピストンリング株式会社 | ピストンリング |
-
1987
- 1987-10-30 JP JP62277111A patent/JPH0830446B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01117971A (ja) | 1989-05-10 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |