JPH08303996A - 積雪用偽装網 - Google Patents

積雪用偽装網

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JPH08303996A
JPH08303996A JP7114635A JP11463595A JPH08303996A JP H08303996 A JPH08303996 A JP H08303996A JP 7114635 A JP7114635 A JP 7114635A JP 11463595 A JP11463595 A JP 11463595A JP H08303996 A JPH08303996 A JP H08303996A
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JP
Japan
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camouflage
net
camouflage net
snow cover
white pigment
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JP7114635A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kotari
博幸 小足
Naoki Imaeda
直樹 今枝
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Aiming, Guidance, Guns With A Light Source, Armor, Camouflage, And Targets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、積雪地帯での対可視、対紫外線偽装
はもとより、熱画像探査装置に対して積雪背景の自然界
と混和する、発見されにくい積雪用偽装網を提供せんと
するものである。 【構成】本発明の積雪用偽装網は、白色顔料混合樹脂が
塗布された金属箔転写布帛であって、かつ、紫外線反射
率が50%以上であることを特徴とするものであり、ま
た、熱線放射率が0.4〜0.9である布帛で構成され
た偽装網であって、かつ、その少なくとも一部が、紫外
線反射率が50%以上である白色顔料混合樹脂が塗布さ
れて構成されていることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積雪背景での対可視、
対紫外線及び対遠赤外線偽装網に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の積雪用偽装網は布帛表面に白色顔
料のみを塗布した対可視、対紫外線用のものしかなかっ
た。かかる従来積雪地帯用偽装網では最新鋭探査装置の
熱画像探査装置に対しては背景の自然界に対し、白く浮
きあがり裸同然であり、すぐに発見される危険があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる積雪
背景での従来偽装網の問題に鑑み、対可視、対紫外線偽
装はもとより対遠赤外線性能をも有し、積雪地帯での熱
画像探査装置に対して積雪背景の自然界と混和する、発
見されにくい積雪用偽装網を提供せんとするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次のような手段を採用する。
【0005】すなわち、本発明の積雪用偽装網は、白色
顔料混合樹脂が塗布された金属箔転写布帛であって、か
つ、紫外線反射率が50%以上であることを特徴とする
ものであり、また、熱線放射率が0.4〜0.9である
布帛で構成された偽装網であって、かつ、その少なくと
も一部が、紫外線反射率が50%以上である白色顔料混
合樹脂が塗布されて構成されていることを特徴とするも
のである。
【0006】
【作用】本発明は、従来の積雪用偽装網を使用しても、
最新鋭探査装置の熱画像探査装置に対しては、積雪背景
の自然界から浮き上がった画像となる点に着眼してなさ
れたものである。すなわち、積雪背景の土の斜面やブッ
シュが存在すると、該画像は、背景に比して斑色を呈す
るものであるが、本発明はまさに該斑色程度以下に画像
の浮きあがりを制御すると同時に、積雪用偽装網の像自
体を分断して、物体の形状を崩すことで、十分な偽装効
果を達成することを究明したものである。すなわち、本
発明は、特定な白色顔料を採用することにより、紫外線
を極めて効率よく反射させることでき、雪景色の中の物
体の紫外線反射率を、該積雪背景と同じレベルまで容易
に低下せしめることができることを究明したものであ
る。
【0007】すなわち、かかる白色顔料とは、炭化マグ
ネシウム、酸化ジルコン、鉛白、酸化チタンなど通常の
白色顔料でもよいが、積雪背景と同等に紫外線反射率が
高く、かつ白色度が高いものとしては、硫化亜鉛、炭酸
カルシウム、三酸化アンチモンおよび硫酸バリウムから
選ばれた少なくとも1種が、対遠赤外線偽装性に優れて
いて好ましく使用される。かかる白色顔料は、それのみ
で布帛表面に塗布しても屈曲疲労耐久性に欠けるので、
実用的な耐久性を付与するために、接着剤と混合して布
帛に塗布される。かかる白色顔料は、紫外線反射率50
%以上、好ましくは55〜75%という機能を達成する
ために、該接着樹脂100部に対し、好ましくは50〜
300部、特に好ましくは100〜200部添加した混
合樹脂組成物の形で塗布される。かかる白色顔料の適正
添加部数は、紫外線反射率のみならず白色度などからも
決められ、50部未満では白色度が不足し、300部を
越えると接着性や熱放射率が低下して好ましくない。
【0008】ここで使用される接着樹脂としては、該白
色顔料を布帛に固着機能さえ有するだけでもよく、エチ
レン・酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル・酢酸ビ
ニル系共重合体樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂
など別に素材を限定する必要はないが、好ましくは熱放
射率を低下する効果のある樹脂、たとえば、塩化ビニル
・酢酸ビニル系共重合体樹脂、その中でもリン酸エステ
ル結合、OH基を有するものが最も好ましい。かかる特
定樹脂を塗布膜厚を調整して塗布することで熱放射率を
0.4〜0.9に調整することができるのである。すな
わち、上述の如き特定な白色顔料と特定な接着樹脂との
混合樹脂組成物を塗布した布帛は、それだけで紫外線反
射率および熱放射率の調整された機能を有し、偽装性能
をより調整し易くした布帛であるといえる。
【0009】また、熱放射率が0.4〜0.9である布
帛は、布帛に金属箔を転写することで、より適確な熱放
射率を有するものを提供することができる。かかる金属
箔とは、アルミ,クロム、ニッケル、チタン、金、銀、
銅、SUS及びそれらの合金などの蒸着膜、圧延箔さら
には薄膜、その他の金属箔である。かかる金属箔中、遠
赤外線特性、耐久性からは金、銀箔が好ましいが、中で
もアルミニウム、銅は、熱線反射特性が高くて好まし
く、さらにアルミニウムは価格および性能の両方点で最
適の素材である。
【0010】かかる金属箔を布帛に転写し接着したもの
が、本発明でいう金属箔転写布帛である。かかる金属箔
転写布帛で用いられる接着樹脂も上記塩化ビニル・酢酸
ビニル共重合体樹脂が熱放射率の関係から好ましく使用
される。この接着樹脂は、接着性、耐候性、耐水性など
に優れているので耐久性がよく、かかる金属蒸着箔の保
護膜または接着樹脂として優れた性能を発揮する。
【0011】かかる塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹
脂は、好ましくは官能基として燐酸基または水酸基を有
する共重合体を使用する。該樹脂を使用することによっ
て、該金属箔の耐水性を改善すると共に、金属箔と基材
との接着性ならびに湿潤接着性も向上せしめことができ
たものである。
【0012】かかる塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体の
共重合比率(モノマ重量比)は、金属箔との接着性と柔
軟性の点から、塩化ビニル80〜90%/酢酸ビニル1
0〜20%の比率が望ましい。本発明では、かかる成分
に、さらにこれらモノマと共重合可能な炭素−炭素二重
結合を有するリン酸エステルを、好ましくは0.01〜
5重量%、さらに好ましくは0.1〜4重量%の範囲で
共重合させるのがよい。このリン酸エステルの共重合割
合は、接着性、耐水性の上から上述範囲のものが好まし
く使用される。
【0013】かかるリン酸エステルとしては、たとえ
ば、2−アシッドホスホオキシエチルアクリレート、2
−アシッドホスホオキシプロピルアクリレート、2−ア
シッドホスホオキシエチルメタアクリレート、2−アシ
ッドホスホオキシプロピルメタアクリレートなどを使用
することができる。
【0014】なお、かかる共重合体(以下、特定共重合
体という)において、塩化ビニルの比率が多くなると接
着力が低下し、酢酸ビニルの比率が多くなると柔軟性が
低下し脆くなる傾向を示す。
【0015】かかる特定共重合体の重合度は、好ましく
は200〜1000、さらに好ましくは300〜700
である。重合度が低いと脆く、柔軟性が劣る傾向があ
り、反対に重合度が高いと高粘度になり、コーティング
加工がしにくくなる。かかる樹脂からなる膜の厚さは、
薄くなるほど柔軟で布帛にフイットし易く、接着性が向
上するが、好ましくは膜厚2〜7μ、さらに好ましくは
4μ前後のものがよい。1μ以下の極薄樹脂膜になると
コーティングムラが発生して、部分的に接着不良を惹起
する傾向を示す。また、かかる樹脂膜の厚さが、7μ以
上の分厚いものになると膜自体が硬くなり、基材(フィ
ルム、布帛)にフイットしにくく、接着不良や柔軟性が
劣る傾向が出てくる。ただし、保護膜が、最外表面層を
構成するものである場合は、別に7μを越える膜厚であ
ってもよい。
【0016】さらに、かかる特定共重合体樹脂にポリウ
レタンを混合することによって、接着力を保持しつつ、
柔軟性が高く、曲げ、もみ等の耐久性の改善されたシー
トを提供することができる。特定共重合体に混合するポ
リウレタンの割合は、好ましくは70:30〜90:1
0の範囲である。混合方法としてはブレンドと積層する
方法がある。積層によってやや硬くなるが、接着性と耐
水性はより強くなる。本発明の積雪用偽装網は、白色顔
料混合樹脂が塗布された金属箔転写布帛であって、か
つ、紫外線反射率が50%以上である布帛を用いて構成
されていることが必須であるが、これに熱放射率0.4
〜0.9の範囲にあることを付加することにより、積雪
背景での対遠赤外線探査装置偽装効果は抜群に強化され
る。
【0017】すなわち、熱線放射率が0.4〜0.9で
ある布帛であって、かつ、その少なくとも一部が、紫外
線反射率が50%以上である白色顔料混合樹脂が塗布さ
れて構成されているものであり、さらに、該偽装効果を
達成するために、該熱放射率および該紫外線反射率の少
なくとも一方が異なる少なくとも2種の該布帛片を縫合
してなるシート状物で構成する。このように、特定な熱
放射率および該紫外線反射率の少なくとも一方が異なる
布帛片を2種類以上組合わせることにより、良好な対遠
赤外線特性が得られる。
【0018】すなわち、気温別に適正な熱線放射率を実
測した結果、気温が5℃近辺では、適正熱線放射率は
0.5〜0.6であり、また気温が−10℃近辺では、
適正熱線放射率は0.7〜0.8である。一方、いずれ
の気温の場合も、樹木は雪よりも高温度画像に写ること
が確認されている。かかる実験結果をさらに分析、融合
させて、積雪時の広範囲な気温における対遠赤外線偽装
性能は、熱線放射率0.4〜0.9の該布帛片を2種類
以上組合わせて、偽装対象物体の表面温度を積雪背景の
表面温度に合わせることが、積雪用偽装網には好ましい
ことが究明されたのである。熱線放射率が0.4以下に
なると偽装網は遠赤外線探査装置では濃色に写り、可視
でも黒くなり、コントラストが強く自然界に混和しなく
なる。また、熱線放射率が0.9を越えると偽装網は遠
赤外線探査装置では淡色に写り、高温度画像になり偽装
性は低下する。
【0019】ここで言う熱線放射率とはD and S AER
O 放射率計(Devices Servicens 社製)を用いて測定し
たときの熱放射率であり、例えば、アルミ箔(熱線放射
率0.05)の上に顔料と樹脂の混合液を塗布したもの
について、該放射率計で測定すれば、該布帛の熱線放射
率が求められる。
【0020】本発明の積雪用偽装網は、不規則に配置さ
れてなる穴を有する、好ましくは該穴が、10cm2
下、さらに好ましくは3〜7cm2 の大きさのものを有
する。別の見方によれば、開孔率5〜15%、好ましく
は8〜12%である。開孔率が5%未満になると防風性
が劣り、15%を越えると中のものが見えて偽装性が低
下する。ここで言う開孔率とは布帛を写真にとり、布帛
総面積と丸穴の総面積を測定し、比率を(%)で示した
ものである。かかる穴、つまり該布帛の端部周辺の開孔
パターンが、境界線をぼかす形状、たとえばジグザグに
したものが好ましく使用される。かかる開孔パターンを
ジグザグにすることにより2種類以上の該布帛を組合わ
せた縫製部位が見掛上非直線に見え、境界線がぼやけて
より自然に見えるのである。これによって積雪時、戦
車、一般車両等をカバーした偽装網が可視、紫外線偽装
される。そして布帛に金属箔転写をすることにより低熱
線放射率化され、背景の雪度に近づけ、かつ2種類以上
の熱線放射率の異なる布帛を組合わせることで像が分断
されて対遠赤外線偽装性が向上することになる。即ち、
遠赤外線探査装置によれば、各種物体の表面温度に合わ
せて白黒濃淡差を有するコントラスト画像が形成され、
該画像によって探査物体が何であるかを認識できる。し
たがって、かかる画像認識に対して偽装するには、対象
物体の表面温度を背景景色の表面温度に合わせて偽装す
る。つまり遠赤外線偽装性能を付与する必要がある。か
かる性能は、対象物体の表面温度、つまり表面から放射
される温度を背景景色の表面温度に近似した温度に制御
するために、特定の熱線放射率を有する複合布帛を対象
物にカバーすることで達成される。
【0021】本発明で言う積雪用偽装網は積雪時に原野
に置かれた戦車、一般車両等をカバーして各種探査装置
から発見されることを防止するものである。
【0022】積雪用偽装網は、中から外部が見えるこ
と、及び防風対策として布帛に開孔部があることが好ま
しい。形状は引裂強力が高い丸穴が好ましく、具体的に
は直径は2〜5cmの大きさの丸穴を不規則に配置させ
ることによって、より自然の形状なり自然界と混和させ
るのが好ましい。丸穴の直径は、2cm未満では小さく
て開孔するための費用が高く、その割に効果が小さい。
5cmを越えると穴が大きすぎて中が見え易く、偽装網
が破れ易くなる。
【0023】また、熱線放射率の異なる布帛の接続周辺
部は熱線放射率差に合わせて表面温度が白黒濃淡差を有
するコントラスト画像が形成される。この時、布帛間の
縫製部が直線であれば該画像によって探査物体が何であ
るかを容易に発見・認識される危険がある。これらを防
止するため、該布帛の端部周辺の開孔パターンをジグザ
グにすることによって非直線状に見せ掛けて境界線をぼ
かし、背景の自然界とより混和させるのである。
【0024】本発明の積雪用偽装網を図面により、以下
説明する。図1は、積雪用偽装網の断面図を示し、経糸
1と緯糸2からなる織物に接着剤3、アルミ箔4、白色
顔料5の積層で構成される一例である。
【0025】図2は、積雪用偽装網の平面図を示し、熱
線放射率0.5の布帛6,熱線放射率0.75の布帛7
が交互に縫製・組合わされて偽装網が構成される。布帛
6,7には大きさの異なる丸穴8が開孔率7%で不均一
に配置された一例である。
【0026】図3は,図2の積雪用偽装網平面図の布帛
6,7の境界部の拡大図である。
【0027】布帛6,7の境界部は丸穴の配置をジグザ
グにして、非直線状に見せ掛けた一例である。直径2c
mの穴9と4cmの穴10が不均一に配置され、境界線
をぼかした一例の図である。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。
【0029】実施例1 ポリエステル300デニールの平織物基布に、硫化亜鉛
白色顔料とポリウレタン樹脂液を織物片面にコーティン
グし、反対面に接着剤として塩化ビニル・酢酸ビニル共
重合体樹脂でアルミ箔を転写して熱線放射率0.05の
アルミ転写布を得た。アルミ転写箔の上に塩酢ビ樹脂1
00部に対し、硫化亜鉛白色顔料を150部添加した混
合樹脂を5,8,12μ塗布し、それぞれ熱線放射率
0.45,0.65,0.84の白色布帛が得られた。
このようにして得られた白色布帛をトムソン刃によって
丸穴形状に裁断開孔した。トムソン刃金型は開孔率が1
0%で、丸穴が直径2、4cmの大きさのものが不規則
に配置され、特に端部はジグザグに刃が植えられたのも
のを使用した。
【0030】このようにして得られた熱線放射率の異な
る3種類の布帛を斜めにし、順番に並べて縫製し、四角
形の1枚の積雪用偽装網を作成した。
【0031】この積雪用偽装網を積雪量1m、気温0℃
の原野にてトラックに覆い、500m離れたところから
評価機器で観察する野外テストを実施した。
【0032】評価機器としては検出波長8〜14μの遠
赤外画像装置(インフラアイ560;富士通社製)、眼鏡、
紫外線レンズによるカメラを使用し、背景の自然界と比
較評価をおこなた。
【0033】この結果、積雪用偽装網は、眼鏡では熱線
放射率0.45の布帛部分がやや黒く、背景のブッシ
ュ、断崖の窪み部と色合いが合致し、熱線放射率0.8
4の白色の布帛部分と斑色になり偽装網形状が分断され
て自然界と混和し、良好な偽装性になった。紫外線写真
も同様の結果が得られ、遠赤外画像は背景の雪に比べ熱
線放射率0.45の部分がやや黒く低温度像に、熱線放
射率0.65の部分はほぼ雪の温度に、そして熱線放射
率0.84の部分はブッシュと同様の高温度像になり、
偽装網形状が分断されて自然界と混和し、良好な結果が
得られた。
【0034】実施例2 加工条件を変えて実施例1と同様に加工して性能を評価
し、表1のような結果が得られた。
【0035】白色顔料としては、各炭化カルシウム、三
酸化アンチモン、硫酸パリウムで加工して白色布帛を
得、野外テストした結果、実施例1とほぼ同様の良好な
結果が得られた。また、硫化亜鉛の顔料部数を70,1
50,250部添加し、熱線放射率が0.6〜0.7に
なるように調整して加工、評価した結果、顔料部数70
部は使用可能範囲ではあるが、熱線放射率の割に白色度
が低かった。250部は白く、350nmでの紫外線反
射率、隠蔽性は良好であるもののやや接着性が低かっ
た。顔料部数150部は白色度、紫外線反射率、接着性
ともに良好であった。 ここで言う白色度とは、スガ試
験機社製のカラーコンピューターを使用し白色度W値を
測定したものである。紫外線反射率は、日立社製自記分
光光度計を使用し350nmにおける反射率を測定した
ものである。接着性は包装用の粘着布テープを該布帛に
張付けテープ剥離性を調べたもので、剥離なしは○、剥
離面積5%以下の部分剥離は△、剥離面積6%以上は×
と表示した。
【0036】
【表1】 次に実施例1の白色布帛を用い、開孔パターンの検討を
行なった結果を表−2に示した。1,2,4,8cmの
異なる大きさの穴が不規則に並び、開孔率を3,10,
20%に設定した金型で該布帛を裁断して野外テストし
た結果、穴の大きさが同一の場合は穴を不規則に並べて
も不自然に見え、同様に、穴の大きさを変えても規則的
に並べたものも不自然で人工物として視認され易いこと
が判った。 放射率が異なる布帛端部の開孔をジグザグ
にしたものは、布帛中央部と同様に不規則に丸穴を配置
したものに比べて境界線がぼやけて偽装性は良好であっ
た。 穴の大きさは1cmの場合、多くのトムソン刃が
必要となり加工手間が掛かり、8cmの場合、大きすぎ
て隠蔽性が低くなり中が見えやすく、破れやすくなるこ
とが判った。次に、開孔率が3%の場合、風に対する抵
抗が大きく、支柱とロープで展張した偽装網が倒れる恐
れがあることが判った。反対に、開孔率が20%の場
合、中が見え過ぎて隠蔽性が不足し、偽装性がやや劣っ
た。
【0037】上記結果より、開孔率は10%が隠蔽性が
高く、外から中が見え難く、中から外も見え、白色度も
良好であった。穴の大きさは開孔率の結果と同様、2〜
4cmが良好であった。
【0038】ここで言う隠蔽性とは、該白色布帛の中に
黒い布を入れ、距離10mから写真を撮り、写真をスガ
試験機社製のカラーコンピューターで平均白色度を評価
したものである。偽装網の自然性は人工物として,視認
され難さを○、△×で相対比較したもので、○が最も視
認され難く、×が視認され易いことを示す。
【0039】
【表2】 比較例1 加工条件を次のように変更して実施例1と同様に加工し
て性能を評価した。
【0040】顔料として、酸化チタンを使用した。この
白色布帛は、白色度が高く、可視での隠蔽性は優れてい
たが、紫外線反射率は20%しかなく、紫外線写真では
黒く写り積雪用偽装網の顔料としては不適合であった。
【0041】
【発明の効果】本発明は、積雪用偽装網において、対可
視、対紫外線偽装は元より対遠赤外線性能、特に、熱画
像探査装置に対して背景の自然界に混和し発見を困難な
積雪用偽装網を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この図は、本発明の積雪用偽装網の断面図で
ある。
【図2】 この図は、本発明の積雪用偽装網の平面図で
ある。
【図3】 この図は、図2の積雪用偽装網の境界部の拡
大図である。
【符号の説明】
1:経糸 2:緯糸 3:接着剤 4:アルミ箔 5:白色顔料 6:熱線放射率0.5の布帛 7:熱線放射率0.75の布帛 8:丸穴 9:直径2cmの穴 10:直径4cmの穴

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白色顔料混合樹脂が塗布された金属箔転
    写布帛であって、かつ、紫外線反射率が50%以上であ
    ることを特徴とする積雪用偽装網。
  2. 【請求項2】 熱線放射率が0.4〜0.9である布帛
    で構成された偽装網であって、かつ、その少なくとも一
    部が、紫外線反射率が50%以上である白色顔料混合樹
    脂が塗布されて構成されていることを特徴とする積雪用
    偽装網。
  3. 【請求項3】 該偽装網が、該熱放射率および該紫外線
    反射率の少なくとも一方が異なる少なくとも2種の該布
    帛片を縫合してなるシート状物で構成されている請求項
    1または2記載の積雪用偽装網。
  4. 【請求項4】 該白色顔料が、50%以上の紫外線反射
    率を有するものである請求項1または2記載の積雪用偽
    装網。
  5. 【請求項5】 該白色顔料が、硫化亜鉛、炭酸カルシウ
    ム、三酸化アンチモンおよび硫酸バリウムから選ばれた
    少なくとも1種である請求項1、2または4記載の積雪
    用偽装網。
  6. 【請求項6】 該白色顔料混合樹脂が、接着樹脂100
    部に対し白色顔料を50〜300部配合したものである
    請求項1または2記載の積雪用偽装網。
  7. 【請求項7】 該接着樹脂が、ビニル系共重合樹脂であ
    る請求項6記載の積雪用偽装網。
  8. 【請求項8】 該ビニル系共重合樹脂が、塩化ビニル−
    酢酸ビニル共重合体である請求項7記載の積雪用偽装
    網。
  9. 【請求項9】 該偽装網が、不規則に配置されてなる穴
    を有する請求項1または2記載の積雪用偽装網。
  10. 【請求項10】 該穴が、10cm2 以下の大きさのも
    のである請求項9記載の積雪用偽装網。
  11. 【請求項11】 該穴が、3〜7cm2 の大きさを有す
    る請求項9記載の積雪用偽装網。
  12. 【請求項12】 該偽装網が、開孔率5〜15%である
    請求項9〜11のいずれかに記載の積雪用偽装網。
  13. 【請求項13】 該布帛の端部周辺の開孔パターンが、
    境界線をぼかす形状を有するものである請求項9〜12
    のいずれかに記載の積雪用偽装網。
  14. 【請求項14】 該開孔パターンが、ジグザグである請
    求項13記載の積雪用偽装網。
  15. 【請求項15】 該金属箔が、アルミ箔である請求項1
    または2記載の積雪偽装網。
JP7114635A 1995-05-12 1995-05-12 積雪用偽装網 Pending JPH08303996A (ja)

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