JPH08301782A - ペプチド性薬物内包リポソーム経口製剤 - Google Patents
ペプチド性薬物内包リポソーム経口製剤Info
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- JPH08301782A JPH08301782A JP7146687A JP14668795A JPH08301782A JP H08301782 A JPH08301782 A JP H08301782A JP 7146687 A JP7146687 A JP 7146687A JP 14668795 A JP14668795 A JP 14668795A JP H08301782 A JPH08301782 A JP H08301782A
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- Japan
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- peptide
- oral preparation
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 微小運搬体として脂質膜であるリポソームに
ペプチド性薬物を内包させた経口製剤で、リポソームの
構成脂質をジパルミトイルフォスファチジルコリンとコ
レステロールとし、リポソーム粒子径を0.1μm以
下、その組成比をジパルミトイルフォスファチジルコリ
ン7モル、コレステロール4モルとした。 【効果】 上記ペプチド性薬物内包リポソームの経口製
剤は、経口投与において消化管からのペプチド性薬物吸
収効果が顕著に認められた。
ペプチド性薬物を内包させた経口製剤で、リポソームの
構成脂質をジパルミトイルフォスファチジルコリンとコ
レステロールとし、リポソーム粒子径を0.1μm以
下、その組成比をジパルミトイルフォスファチジルコリ
ン7モル、コレステロール4モルとした。 【効果】 上記ペプチド性薬物内包リポソームの経口製
剤は、経口投与において消化管からのペプチド性薬物吸
収効果が顕著に認められた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペプチド性薬物の経口
製剤を提供することに関する。更に詳細には、本発明は
微小運搬体の脂質膜であるリポソームにインスリンなど
の生理活性を有するペプチド性薬物を内包させて経口製
剤として使用するリポソームの粒子径、構成脂質並びに
脂質組成を提供することに関する。
製剤を提供することに関する。更に詳細には、本発明は
微小運搬体の脂質膜であるリポソームにインスリンなど
の生理活性を有するペプチド性薬物を内包させて経口製
剤として使用するリポソームの粒子径、構成脂質並びに
脂質組成を提供することに関する。
【0002】
【従来の技術】ペプチド性薬物では経口投与した場合、
分子量が大きく消化管粘膜の浸透性が悪いために、消化
管からほとんど吸収されない。そのうえ消化管内の蛋白
分解酵素の作用により酵素分解を受け易い。従って臨床
では注射による投与に限られているのが現状である。し
かし、注射によるインスリン投与は、通常1日2〜3回
の注射が必要であり、患者にとって煩わしいだけでな
く、このような間欠的な投与方法では、場合によって副
作用の問題を伴うという問題点があり、他の投与方法の
開発が望まれている。
分子量が大きく消化管粘膜の浸透性が悪いために、消化
管からほとんど吸収されない。そのうえ消化管内の蛋白
分解酵素の作用により酵素分解を受け易い。従って臨床
では注射による投与に限られているのが現状である。し
かし、注射によるインスリン投与は、通常1日2〜3回
の注射が必要であり、患者にとって煩わしいだけでな
く、このような間欠的な投与方法では、場合によって副
作用の問題を伴うという問題点があり、他の投与方法の
開発が望まれている。
【0003】本発明は、上記従来技術に鑑み、安全性が
高く、しかも経口投与によりペプチド性の薬物が消化管
から効率よく吸収される製剤を提供することを課題とす
る。
高く、しかも経口投与によりペプチド性の薬物が消化管
から効率よく吸収される製剤を提供することを課題とす
る。
【0004】上記課題を解決するために、本発明では微
小運搬体として脂質膜であるリポソームにペプチド性薬
物を内包させて、ペプチド性薬物が効率よく吸収される
リポソーム粒子径、構成脂質、最適脂質組成比としたも
のである。
小運搬体として脂質膜であるリポソームにペプチド性薬
物を内包させて、ペプチド性薬物が効率よく吸収される
リポソーム粒子径、構成脂質、最適脂質組成比としたも
のである。
【0005】リポソームとは、内部に水相を含むリン脂
質二重層の微小ベシクルで、脂質を十分な量の水で水和
することにより形成される。リポソームは、その脂質二
重層の数に基づいて分類した場合、多重相リポソーム
(以下MLVという)と一枚膜リポソームに分けられ、
後者は、さらに大きさに基づいて、小さな一枚膜リポソ
ーム(以下SUVという)、大きな一枚膜リポソーム
(以下LUVという)および巨大リポソーム(以下GU
Vという)に分けられる。
質二重層の微小ベシクルで、脂質を十分な量の水で水和
することにより形成される。リポソームは、その脂質二
重層の数に基づいて分類した場合、多重相リポソーム
(以下MLVという)と一枚膜リポソームに分けられ、
後者は、さらに大きさに基づいて、小さな一枚膜リポソ
ーム(以下SUVという)、大きな一枚膜リポソーム
(以下LUVという)および巨大リポソーム(以下GU
Vという)に分けられる。
【0006】SUVは直径数10nm以下、LUVは1
00〜1000nm、GUVは1000nm以上のリポ
ソームを指す。MLVのサイズは不均一で、その分布は
数百から数千nmにまで及ぶ。
00〜1000nm、GUVは1000nm以上のリポ
ソームを指す。MLVのサイズは不均一で、その分布は
数百から数千nmにまで及ぶ。
【0007】このように、種々のタイプのリポソームが
知られているが、水溶性薬物はその内水相へ、油溶性の
ものは二重膜部分へ取り込むことができる。リポソーム
に含有された薬物は、遊離の薬物と異なった体内分布を
示し、薬物による副作用の軽減、徐放化などの効果が知
られている。
知られているが、水溶性薬物はその内水相へ、油溶性の
ものは二重膜部分へ取り込むことができる。リポソーム
に含有された薬物は、遊離の薬物と異なった体内分布を
示し、薬物による副作用の軽減、徐放化などの効果が知
られている。
【0008】また、リポソームを構成するリン脂質は、
生体膜の主要構成成分であるため毒性が低い。投与の目
的により粒子サイズをコントロールすることができる。
投与の目的により構成する脂質組成を変えることができ
るなどの利点がある。
生体膜の主要構成成分であるため毒性が低い。投与の目
的により粒子サイズをコントロールすることができる。
投与の目的により構成する脂質組成を変えることができ
るなどの利点がある。
【0009】本発明では、一枚膜リポソームをジパルミ
トイルフォスファチジルコリンとコレステロールで調製
して、薬物を内包させた。内包する薬物にはペプチド性
薬物のインスリンを使用し、経口投与による消化管から
の吸収作用を明らかにした。本発明はリポソームの粒子
径、構成脂質並びに脂質組成の経口投与における最適な
るものを見いだしたものである。
トイルフォスファチジルコリンとコレステロールで調製
して、薬物を内包させた。内包する薬物にはペプチド性
薬物のインスリンを使用し、経口投与による消化管から
の吸収作用を明らかにした。本発明はリポソームの粒子
径、構成脂質並びに脂質組成の経口投与における最適な
るものを見いだしたものである。
【0010】次に、本発明で対象とする生理活性を有す
るペプチド性薬物の具体例としては、次のものが挙げら
れる。例えば、インスリン、アンジオテンシン、バソプ
レシン、デスモプレシン、フェリプレシン、プロチレリ
ン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、コルチコトロピ
ン、プロラクチン、ソマトロピン、サイロトロピン、黄
体形成ホルモン、カルシトニン、カリクレイン、パラサ
イクリン、グルカゴン、オキシトシン、ガストリン、セ
クレチン、性腺刺激ホルモン、成長ホルモン、エリスロ
ポエチン、ウロガストロン、レニンなどのペプチドホル
モン;インターフェロン、インターロイキン、トランス
フェリン、ヒスタグロブリン、マクロコルチンなどの生
理活性蛋白;リゾチーム、ウロキナーゼなどの酵素タン
パク;百日咳ワクチン、ジフテリアワクチン、破傷風ワ
クチン、インフルエンザワクチンあるいはリンパ球増多
因子、繊維状赤血球凝集因子などのワクチンコンポーネ
ントが挙げられる。これらの中でも特にペプチドホルモ
ンが好ましく、ペプチドホルモンの中でも特に、カルシ
トニン、インスリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、
デスモプレシン、バソプレシン又はオキシトシンが好ま
しい。更にはインスリンが好ましい。
るペプチド性薬物の具体例としては、次のものが挙げら
れる。例えば、インスリン、アンジオテンシン、バソプ
レシン、デスモプレシン、フェリプレシン、プロチレリ
ン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、コルチコトロピ
ン、プロラクチン、ソマトロピン、サイロトロピン、黄
体形成ホルモン、カルシトニン、カリクレイン、パラサ
イクリン、グルカゴン、オキシトシン、ガストリン、セ
クレチン、性腺刺激ホルモン、成長ホルモン、エリスロ
ポエチン、ウロガストロン、レニンなどのペプチドホル
モン;インターフェロン、インターロイキン、トランス
フェリン、ヒスタグロブリン、マクロコルチンなどの生
理活性蛋白;リゾチーム、ウロキナーゼなどの酵素タン
パク;百日咳ワクチン、ジフテリアワクチン、破傷風ワ
クチン、インフルエンザワクチンあるいはリンパ球増多
因子、繊維状赤血球凝集因子などのワクチンコンポーネ
ントが挙げられる。これらの中でも特にペプチドホルモ
ンが好ましく、ペプチドホルモンの中でも特に、カルシ
トニン、インスリン、黄体形成ホルモン放出ホルモン、
デスモプレシン、バソプレシン又はオキシトシンが好ま
しい。更にはインスリンが好ましい。
【0011】また、本発明のリポソーム懸濁液は経口投
与の液剤として、製剤に調製できる。
与の液剤として、製剤に調製できる。
【0012】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (1)インスリン内包リポソームの調製 以下に記載する逆相蒸発法(Reverse−phas
e evaporation REV法という)により
インスリンを内包する1枚膜リポソームの調製を行っ
た。 リポソーム脂質組成物のジパルミトイルフォスファチ
ジルコリン(シグマ社製以下DPPCと略す)とコレス
テロール(シグマ社製 以下Chと略す)をモル比で
7:4のDPPC25.69mg、Ch7.4mgを量
りとり、クロロホルム[国産化学工業(株)製 試薬特
級]を適量加えて溶かし、ロータリーエバポレーターに
て溶媒をとばして薄膜を作る。この結果、本発明製剤の
リポソームの組成はモル比としてジパルミトイルフォス
ファチジルコリン7モル、コレステロール4モルであ
る。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (1)インスリン内包リポソームの調製 以下に記載する逆相蒸発法(Reverse−phas
e evaporation REV法という)により
インスリンを内包する1枚膜リポソームの調製を行っ
た。 リポソーム脂質組成物のジパルミトイルフォスファチ
ジルコリン(シグマ社製以下DPPCと略す)とコレス
テロール(シグマ社製 以下Chと略す)をモル比で
7:4のDPPC25.69mg、Ch7.4mgを量
りとり、クロロホルム[国産化学工業(株)製 試薬特
級]を適量加えて溶かし、ロータリーエバポレーターに
て溶媒をとばして薄膜を作る。この結果、本発明製剤の
リポソームの組成はモル比としてジパルミトイルフォス
ファチジルコリン7モル、コレステロール4モルであ
る。
【0013】クロロホルム6.0ml、イソプロピル
エーテル[東京化成(株)製 試薬特級]6.0ml、
インスリン[健康な豚の膵臓からの抽出物で、血糖降下
作用を有する。白色の結晶性の粉末でにおいはない。
水、エタノールにほとんど溶けない。薄めた塩酸(1→
360)又は、希水酸化ナトリウム試薬に溶ける]溶液
4.5mlを加え、43〜45℃で超音波処理を行い、
均一なエマルジョンにする。
エーテル[東京化成(株)製 試薬特級]6.0ml、
インスリン[健康な豚の膵臓からの抽出物で、血糖降下
作用を有する。白色の結晶性の粉末でにおいはない。
水、エタノールにほとんど溶けない。薄めた塩酸(1→
360)又は、希水酸化ナトリウム試薬に溶ける]溶液
4.5mlを加え、43〜45℃で超音波処理を行い、
均一なエマルジョンにする。
【0014】水浴の温度を53〜55℃に保ち、窒素
を500cc/分の量で通しながらロータリーエバポレ
ーターにて溶媒を減圧除去して、リポソーム懸濁液を得
た。
を500cc/分の量で通しながらロータリーエバポレ
ーターにて溶媒を減圧除去して、リポソーム懸濁液を得
た。
【0015】0.1μm孔径のポリカーボネート膜を
用いてリポソーム粒子をろ過した。この結果、本発明製
剤のリポソーム粒子径は0.1μm以下である。
用いてリポソーム粒子をろ過した。この結果、本発明製
剤のリポソーム粒子径は0.1μm以下である。
【0016】ここで用いたインスリン溶液の調製は、
インスリン末5.5mgを精密に量り、5mlのメスフ
ラスコに0.1N塩酸[東京応化工業(株)製 試薬特
級]100μlを加え、泡立てないようにして完全に溶
解させる。10倍希釈したリン酸緩衝生理食塩水(以
下PBSという)を加え、更に、0.1N水酸化ナトリ
ウム[東京応化工業(株)製 試薬一級]100μlを
加え中和する。10倍希釈したPBSで全量5mlに
メスアップを行う。
インスリン末5.5mgを精密に量り、5mlのメスフ
ラスコに0.1N塩酸[東京応化工業(株)製 試薬特
級]100μlを加え、泡立てないようにして完全に溶
解させる。10倍希釈したリン酸緩衝生理食塩水(以
下PBSという)を加え、更に、0.1N水酸化ナトリ
ウム[東京応化工業(株)製 試薬一級]100μlを
加え中和する。10倍希釈したPBSで全量5mlに
メスアップを行う。
【0017】上記において、PBSは次の組成のもの
で、pH7.4である。 塩化ナトリウム 137.0mM 塩化カリウム 2.6mM リン酸水素二ナトリウム・12H2O 6.4mM リン酸二水素カリウム 1.4mM 精製水 1000ml
で、pH7.4である。 塩化ナトリウム 137.0mM 塩化カリウム 2.6mM リン酸水素二ナトリウム・12H2O 6.4mM リン酸二水素カリウム 1.4mM 精製水 1000ml
【0018】(2)本発明で用いたコントロール製剤の
調製 インスリン100UをPBS10mlに溶解(100U
/10ml)しコントロール製剤とした。
調製 インスリン100UをPBS10mlに溶解(100U
/10ml)しコントロール製剤とした。
【0019】(3)本発明の製剤の投与方法及び効果を
測定するための条件 (ア)本発明で用いた血糖低下作用の測定 下記の2つの方法により行い、経口剤としての有用性を
測定した。 インジツループ法(In situ loop法)に
よる測定 体重約200gのWistar系雄性ラットの回腸部に
作成した約8cmのループに本製剤のリポソーム懸濁液
1.0ml(インスリン3Uを内包)を直腸投与し、投
与前、15、30分、1、2、3、4時間後に頚動脈か
ら採血を行い、血清分離後、グルコースオキシダーゼ法
により血糖値を測定した。インスリン投与前値を100
%とし、これに対する経時的な血糖値の変動率を算出し
た。コントロール製剤については上記の方法で体重約2
00gのラットに1ml(インスリン10U)を投与し
た。 経口投与による測定 リポソーム懸濁液1.0ml(インスリン3Uを内包)
を体重約200gのWistar系雄性ラットに固定法
を用いて経口投与した。約12cmのゾンデを用いて投
与した。採血はラットを無麻酔下で固定板を用いて、投
与前、15、30分、1、2、3、4、5、6、7時間
後に行い、血清分離後、グルコースオキシダーゼ法によ
り血糖値を測定した。インスリン投与前値を100%と
し、これに対する経時的な血糖値の変動率を算出した。
コントロール製剤については上記の方法で体重約200
gのラットに1ml(インスリン10U)を投与した。
測定するための条件 (ア)本発明で用いた血糖低下作用の測定 下記の2つの方法により行い、経口剤としての有用性を
測定した。 インジツループ法(In situ loop法)に
よる測定 体重約200gのWistar系雄性ラットの回腸部に
作成した約8cmのループに本製剤のリポソーム懸濁液
1.0ml(インスリン3Uを内包)を直腸投与し、投
与前、15、30分、1、2、3、4時間後に頚動脈か
ら採血を行い、血清分離後、グルコースオキシダーゼ法
により血糖値を測定した。インスリン投与前値を100
%とし、これに対する経時的な血糖値の変動率を算出し
た。コントロール製剤については上記の方法で体重約2
00gのラットに1ml(インスリン10U)を投与し
た。 経口投与による測定 リポソーム懸濁液1.0ml(インスリン3Uを内包)
を体重約200gのWistar系雄性ラットに固定法
を用いて経口投与した。約12cmのゾンデを用いて投
与した。採血はラットを無麻酔下で固定板を用いて、投
与前、15、30分、1、2、3、4、5、6、7時間
後に行い、血清分離後、グルコースオキシダーゼ法によ
り血糖値を測定した。インスリン投与前値を100%と
し、これに対する経時的な血糖値の変動率を算出した。
コントロール製剤については上記の方法で体重約200
gのラットに1ml(インスリン10U)を投与した。
【0020】(イ)本発明で用いた測定方法 血糖値の測定 和光純薬工業(株)製のグルコースBテストワコーによ
るグルコースオキシダーゼ法により血中グルコース量
(血糖値)を測定した。 インスリンのリポソーム封入率の測定 リポソーム懸濁液を10%トリトンx−100(界面活
性剤)で処理して、リポソーム膜を破壊後、適宜希釈し
て、液体クロマトグラフ法によってインスリン濃度を測
定した。
るグルコースオキシダーゼ法により血中グルコース量
(血糖値)を測定した。 インスリンのリポソーム封入率の測定 リポソーム懸濁液を10%トリトンx−100(界面活
性剤)で処理して、リポソーム膜を破壊後、適宜希釈し
て、液体クロマトグラフ法によってインスリン濃度を測
定した。
【0021】前述の液体クロマトグラフ法に用いた機器
は下記である。 シリンジ 705−3NR ハミルトン社製 カラム HPLC Packd Colum ガスクロ工業(株)製
は下記である。 シリンジ 705−3NR ハミルトン社製 カラム HPLC Packd Colum ガスクロ工業(株)製
【0022】(ウ)本発明で用いたデータの解析 本発明の経口投与剤の効果を見るために血糖降下率のデ
ータは次の様に解析した。投与前値を100%として、
本製剤及びコントロール製剤投与後の血糖値の数値の増
減率を求め比較した。数値はラット3匹の平均値であ
る。
ータは次の様に解析した。投与前値を100%として、
本製剤及びコントロール製剤投与後の血糖値の数値の増
減率を求め比較した。数値はラット3匹の平均値であ
る。
【0023】(4)本発明の製剤の効果 上記本発明の製剤の効果は、インジツループ法による回
腸部位に投与した時の血糖降下値を図1に、ゾンデを用
いて経口投与したときの血糖降下値を図2に示す。回腸
部位の投与では、投与後1時間では投与前値の47.4
%まで血糖値が低下し、著明な血糖低下作用がみられ
た。経口投与では、コントロールに比較して血糖値は著
明に低下し、投与後3時間に最低血糖値を示し、6時間
で投与前の値に戻ることが示された。本発明の製剤はコ
ントロールに比べて、いずれも強い血糖降下作用を示し
た。これらの結果は本発明の製剤のインスリンが経口投
与で消化管から吸収されていることを示している。
腸部位に投与した時の血糖降下値を図1に、ゾンデを用
いて経口投与したときの血糖降下値を図2に示す。回腸
部位の投与では、投与後1時間では投与前値の47.4
%まで血糖値が低下し、著明な血糖低下作用がみられ
た。経口投与では、コントロールに比較して血糖値は著
明に低下し、投与後3時間に最低血糖値を示し、6時間
で投与前の値に戻ることが示された。本発明の製剤はコ
ントロールに比べて、いずれも強い血糖降下作用を示し
た。これらの結果は本発明の製剤のインスリンが経口投
与で消化管から吸収されていることを示している。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のペプチド性
薬物内包リポソーム経口製剤は、経口投与による消化管
からのペプチド性薬物吸収の作用が顕著に認められ、本
発明の有用性が証明された。
薬物内包リポソーム経口製剤は、経口投与による消化管
からのペプチド性薬物吸収の作用が顕著に認められ、本
発明の有用性が証明された。
【図1】実施例のインジツループ法による回腸部位に投
与後の時間による血中グルコース(血糖)の変化率を示
すグラフ。
与後の時間による血中グルコース(血糖)の変化率を示
すグラフ。
【図2】実施例のゾンデを用いて経口投与後の時間によ
る血中グルコース(血糖)の変化率を示すグラフ。
る血中グルコース(血糖)の変化率を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/24 A61K 37/24 47/28 37/26 //(A61K 47/24 47:28)
Claims (5)
- 【請求項1】 ペプチド性薬物内包リポソームの経口製
剤に関して、そのリポソームがジパルミトイルフォスフ
ァチジルコリンとコレステロールで構成され、リポソー
ムの粒子径が0.1μm以下であるペプチド性薬物内包
リポソーム経口製剤。 - 【請求項2】 前記構成物のジパルミトイルフォスファ
チジルコリンとコレステロールの組成は、モル比として
ジパルミトイルフォスファチジルコリンが7モル、コレ
ステロールが4モルであることを特徴とする請求項1記
載のペプチド性薬物内包リポソーム経口製剤。 - 【請求項3】 前記ペプチド性薬物は生理活性を有する
ペプチド類であることを特徴とする請求項2記載のペプ
チド性薬物内包リポソーム経口製剤。 - 【請求項4】 前記生理活性を有するペプチド類は、ペ
プチドホルモンであることを特徴とする請求項3記載の
ペプチド性薬物内包リポソーム経口製剤。 - 【請求項5】 前記生理活性を有するペプチド類は、イ
ンスリンであることを特徴とする請求項4記載のペプチ
ド性薬物内包リポソーム経口製剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7146687A JPH08301782A (ja) | 1995-05-11 | 1995-05-11 | ペプチド性薬物内包リポソーム経口製剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7146687A JPH08301782A (ja) | 1995-05-11 | 1995-05-11 | ペプチド性薬物内包リポソーム経口製剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08301782A true JPH08301782A (ja) | 1996-11-19 |
Family
ID=15413313
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7146687A Pending JPH08301782A (ja) | 1995-05-11 | 1995-05-11 | ペプチド性薬物内包リポソーム経口製剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08301782A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100794449B1 (ko) * | 2007-03-29 | 2008-01-16 | 고려대학교 산학협력단 | 핵산 전달용 양이온성 인지질 나노입자 조성물 |
CN114010801A (zh) * | 2021-11-16 | 2022-02-08 | 上海理工大学 | 一种l-抗坏血酸棕榈酸酯修饰的小分子肽脂质体及其制备与应用 |
CN114081963A (zh) * | 2021-11-16 | 2022-02-25 | 上海理工大学 | 一种提高活性肽生物利用度的纳米载体及其制备与应用 |
-
1995
- 1995-05-11 JP JP7146687A patent/JPH08301782A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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