JPH0830167B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JPH0830167B2
JPH0830167B2 JP63039610A JP3961088A JPH0830167B2 JP H0830167 B2 JPH0830167 B2 JP H0830167B2 JP 63039610 A JP63039610 A JP 63039610A JP 3961088 A JP3961088 A JP 3961088A JP H0830167 B2 JPH0830167 B2 JP H0830167B2
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JP
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liquid crystal
group
color filter
composition
protective film
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安生 松木
義信 苅谷
昌之 遠藤
弘治 池田
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日本合成ゴム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、液晶表示素子における透明基板やカラーフ
ィルターなどの保護膜を形成するのに好適な硬化性組成
物に関する。
〔従来の技術〕
近年、液晶素子に色分解用カラーフィルターを組み合
わせたカラー液晶表示素子が、多々提案されている。
カラーフィルターを液晶素子と組み合わせてカラー液
晶表示素子として使用する場合には、該カラーフィルタ
ーは光路に対して直列に配置されるので、カラー液晶表
示素子の正面からディスプレーを見る場合には該ディス
プレーをきれいに見ることができる。
しかしながら、例えばカラーフィルターを液晶素子の
外側に配置した場合には、液晶素子に使用されるガラス
の厚みにより、表示画素が微細な場合には該ガラスの厚
みに起因して斜め方向から見る際にディスプレーの“視
差ずれ”を生ずる。
かかる視差ずれを防止するために、液晶素子の内側に
カラーフィルターを配置したカラー液晶表示素子が提案
されている。
このように、液晶素子の内側にカラーフィルターを配
置する方法としては、カラーフィルターをITOなどから
なる透明電極とカラーフィルターの基板との間に配置す
る方法、例えば透明基板上にまずカラーフィルターを設
け、この上にITOを蒸着し、ホトリソグラフィーにより
透明電極を形成したのち、さらにこの上に液晶を配置す
る方法が知られている。
この方法は、透明基板上にカラーフィルターを形成し
たのち、該カラーフィルター上にITOを蒸着したホトリ
ソグラフィーにより透明電極を形成させるので、カラー
フィルターには充分な耐熱性、耐薬品性などが要求さ
れ、ITOを蒸着させる前に該カラーフィルターに保護膜
を形成させておく必要がある。
最近、かかるカラーフィルターの保護膜として、カラ
ーフィルター上に500μm程度のガラス板を配置し、該
ガラス板上に透明電極を形成したカラー液晶表示素子が
提案されるに至った。
しかし、ガラス板をカラーフィルターの保護膜として
使用する場合には、やはり液晶層とカラーフィルターが
離れるために、前記したような視差ずれを充分に防止す
ることができず、特に表示画素が微細な場合には、視差
ずれのため鮮彩な画像を得ることができないという問題
を有する。
一方、液晶素子の透明基板としては、一般にナトリウ
ムなどの無機イオンを含むガラス基板が多く用いられて
おり、このガラス基板を用いて通常の液晶素子を形成す
ると、ガラス基板中の無機イオンが液晶中に溶出するた
め、液晶素子に悪影響をおよぼすことが知られている。
このようなカラーフィルターあるいは透明基板の保護
膜として、二酸化ケイ素のような無機質の薄い保護膜を
設ける、いわゆるアンダーコート処理が提案されている
が、このアンダーコート処理では、処理温度が400〜500
℃と高温であるため、カラーフィルターを有する基板で
は、熱分解を起こすため使用できず、またITOなどの透
明電極の酸化を防止するためには、不活性雰囲気下で行
う必要がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、前記従来の技術的課題を背景になされたも
ので、カラーフィルター、透明基板の保護膜としたと
き、均一かつ緻密で、耐熱性および耐クラック性に優
れ、さらにカラーフィルター、透明基板などの中に含ま
れる成分の液晶への滲み出しを防止するとともに、カラ
ーフィルター上に保護膜を形成させることにより微細な
透明電極を配置することを可能とし、カラーフィルター
および透明電極の両者に対して、優れた接着性および密
着性を有し、かつカラー液晶表示素子の視差ずれをも解
決することが可能な保護膜を形成することができる硬化
性組成物を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、下記(a)〜(b)成分を主成分とする硬
化性組成物(以下、単に「組成物」という)を提供する
ものである。
(a)加水分解性基を有するケイ素原子(以下、「加水
分解性ケイ素原子」という)を含有するアミド酸化合物
および/またはイミド化合物。
(b)一般式(イ)で表されるジシラザン化合物(以
下、単に「ジシラザン化合物」という)。
(式中、R1〜R6は、同一または異なり、炭素数1〜10の
アルキル基または炭素数6〜10のアリール基を示す。) 以下、本発明の組成物を構成要件別に詳述する。
(a)加水分解性ケイ素原子を含有するアミド酸化合物
および/またはイミド化合物 (a)成分は、加水分解性ケイ素原子を含有するアミ
ド酸化合物が加熱または常温での放置により脱水および
縮合しイミド化合物になる際、該反応により精製される
水または系外の水により加水分解性ケイ素原子(すなわ
ち、ケイ素原子上の加水分解性基)が加水分解され、脱
水および縮合を繰り返して高分子量対となるものであ
る。
この(a)成分は、下記またはの反応により得る
ことができる。
テトラカルボン酸二無水物と、アミノ基および/また
はイミノ基ならびに加水分解性基を有するケイ素化合物
(以下、単に「ケイ素化合物」という)との反応。
ジアミノ化合物と、加水分解性ケイ素原子を有するジ
カルボン酸無水物(以下「ケイ素原子含有ジカルボン酸
無水物」とう)との反応。
前記の反応に使用されるテトラカルボン酸二無水物
としては、脂肪族、脂環族および芳香族のテトラカルボ
ン酸二無水物が挙げられ、例えばピロメリット酸二無水
物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物、2,2′,3,3′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
−エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)−スルホン二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカル
ボン二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物;
ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブ
タンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペン
タンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキ
シシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキ
シ−ノルボルナン−2−酢酸二無水物、5−(2,5−ジ
オキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−シクロヘキ
センジカルボン酸二無水物、ビシクロ〔2,2,2〕−オク
ト−7−エン−テトラカルボン酸二無水物などの脂肪族
および脂環族のテトラカルボン酸二無水物を挙げること
ができる。
これらのテトラカルボン酸二無水物のうちでは、ピロ
メリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテト
ラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロ
ペンチル酢酸二無水物などが好ましい。
これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独であるい
は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、前記の反応に使用されるケイ素化合物として
は、例えば下記一般式(1)〜(6)で示されるものを
挙げることができる。
ただし、前記一般式(1)〜(6)において、R〜
R″は同一または異なり、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル、n−ブチル基、i−ブチル
基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基
などの炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基;フェニル基、
トリル基、キシリル基、ニトロフェニル基、α−ナフチ
ル基などの芳香族炭化水素基を示し、X1〜X3は同一また
は異なり、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基など
のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子など
のハロゲン原子を示し、Yはメチレン基、エチレン基、
プロピレン基、テトラメチレン基などの炭素数1〜5の
2価の脂肪族炭化水素基;フェニレン基、トリレン基、
キシリレン基、ニトロフェニレン基、α−ナフチレン基
などの2価の炭素数6〜10の芳香族炭化水素基:前記2
価の脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基が結合した基
を示す。
前記ケイ素化合物の具体例としては、下記構造式で示
されるものが挙げることができる。
NH2−(CH2−Si(OCH3 NH2−(CH2−Si(OC2H5 NH2−(CH2−Si(CH3)(OCH3 NH2−(CH2−Si(CH3)(OC2H5 NH2−(CH2−Si(C2H5)(OC3H7 NH2−(CH2−Si(OCH3 NH2−(CH2−Si(OC2H5 NH2−(CH2−Si(CH3)(OC2H5 NH2−(CH2−Si(CH3(OC2H5) NH2−(CH2−Si(CH3(OC2H5 NH(CH3)−(CH3−Si(OC2H5 NH(C2H5)−(CH2−Si(CH3)(OCH3 これらのケイ素化合物のうち、好ましいものとして
は、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピ
ルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメ
トキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシ
ランなどを挙げることができる。
これらのケイ素化合物は、単独であるいは2種以上を
組み合わせて用いることでき、さらにモノアミン化合物
を組み合わせて用いることができる。
このモノアミン化合物の具体例としては、メチルアミ
ン、エチルアミン、プロピルアミン、n−ブチルアミ
ン、i−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、i−ペン
チルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミ
ンなどの低級アルキルアミン化合物;アニリン、トルイ
ジン、ナフチルアミンなどのアリールアミン化合物を挙
げることができる。これらのモノアミン化合物は、前記
ケイ素化合物とモノアミン化合物の合計量の10〜90モル
%使用することができ、10モル%未満の場合には得られ
る組成物の保存安定性が悪い場合があり、一方90モル%
を超えると得られる組成物の硬化性が不充分となる。
前記の反応におけるテトラカルボン酸二無水物とケ
イ素化合物とのモル比は、通常、1/1〜1/3、好ましくは
1/1.5〜1/2.5であり、反応温度は、0〜60℃、好ましく
は0〜40℃、反応時間は5〜500分、好ましくは30〜120
分程度である。
前記の反応により得られる反応生成物のポリスチレ
ン換算重量平均分子量は、通常、500〜50,000、温度25
℃における粘度は、5〜2,000cpsである。
なお、前記の反応において、例えば3−アミノプロ
ピルトリエトキシシランと3,3′,4,4′−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物を用いた場合、以下のよう
な反応となる。
一方、前記の反応に使用されるジアミノ化合物とし
ては、脂肪族、脂環族および芳香族のジアミンが挙げら
れる。
前記ジアミンの具体例としては、、パラフェニレンジ
アミン、メタフェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジ
フェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルエタン、
ベンジジン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、
4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3′
−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,4′−ジア
ミノベンズアニリド、3,4′−ジアミノジフェニルエー
テル、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、3,4′−ジアミ
ノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、
メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テ
トラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタ
メチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4′−ジ
メチルヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロ
ヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロ
ペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタ
ノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ〔6,2,
2,02.7〕−ウンデシレンジメチルジアミン、および (式中、R7はメチル基またはフェニル基、mは1〜3の
整数、nは1〜20の整数を示す。) などで示されるジアミノオルガノシロキサンを挙げるこ
とができる。
また、前記以外のジアミンとして、ビス(4−アミノ
フェニル)フルオレン、ジアミノテトラフェニルチオフ
ェン、4,4′−フタリド−3,3′−ジアミノジフェニルエ
ーテル、4,4′−フタリド−3,3′−ジアミノジフェニル
メタン、4,4′−フタリド−3,3′ジアミノベンゾフェノ
ン、4,4′−アセトアミド−3,3′−ジアミノジフェニル
エーテル、4,4′−アセトアミド−3,3′−ジアミノジフ
ェニルメタン、4,4′−アセトアミド−3,3′−ジアミノ
ベンゾフェノン、4−スルホンアミド−1,3−フェニレ
ンジアミン、4,6−ビス(アミノフェニル)−1,3−フェ
ニレンジアミン、5−アミノ−1(4′−アミノフェニ
ル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1
(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダ
ンなども挙げることができる。
これらのジアミノ化合物は、単独であるいは2種以上
を組み合わせて用いることができる。
また、前記の反応に使用されるケイ素原子含有ジカ
ルボン酸無水物としては、下記一般式(I)〜(III)
で表される化合物を挙げることができる。
ただし、前記一般式(I)〜(III)において、R〜
R′、X1〜X3は前記一般式(1)〜(6)に同じ、また
Y′は3価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ま
たはそれらの結合した基である。
前記一般式(I)〜(III)で表されるケイ素原子含
有ジカルボン酸無水物の具体例としては、下記構造式で
示されるものを挙げることができる。
これらのケイ素原子含有ジカルボン酸無水物のうち、
特に好ましいものとしては、3−トリメトキシシリル−
1,2,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、3−トリメト
キシシリルフタル酸無水物、3−メチルジメトキシシリ
ルフタル酸無水物、3−ジメチルメトキシシリルフタル
酸無水物などを挙げることができる。
これらのケイ素原子含有ジカルボン酸無水物は、単独
であるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
さらに、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク
酸などのジカルボン酸無水物(以下、これらを「その他
のジカルボン酸無水物」という)を、前記ケイ素原子含
有ジカルボン酸無水物とその他のジカルボン酸無水物と
の合計量の10〜90モル%使用することができ、10モル%
未満では得られる組成物の保存安定性が悪い場合があ
り、一方90モル%を超えると得られる組成物の硬化性が
不充分な場合がある。
前記の反応におけるジアミノ化合物とケイ素原子含
有ジカルボン酸無水物とのモル比は、通常、1/1〜1/2、
好ましくは1/1.5〜1/2.5であり、反応温度は、0〜60
℃、好ましくは0〜40℃、反応時間は5〜500分、好ま
しくは30〜120分程度である。
前記の反応により得られる反応生成物のポリスチレ
ン換算重量平均分子量は、通常、500〜100,000、温度25
℃における粘度は、5〜2,000cpsである。
なお、前記の反応において、例えば のような反応となる。
なお、以上の前記反応およびには、反応溶媒を用
いることができ、この反応溶媒としては、例えば後記す
る本発明の組成物の濃度調整に使用される各種の有機溶
媒を挙げることができる。
この反応溶媒の使用量は、通常、反応系に供される各
種の化合物換算の合計量100重量部に対して、50〜1,000
重量部、好ましくは100〜500重量部である。
(b)ジシラザン化合物 ジシラザン化合物は、(a)成分の保存安定性、基体
との密着性を良好化するのに役立つものである。
前記一般式(イ)におけるR1〜R6は、同一または異な
り、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチ
ル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル
基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル
基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基;あ
るいはフェニル基、トリル基、キシリル基、ニトロフェ
ニル基、ナフチル基などの炭素数1〜10のアルキル基ま
たは炭素数6〜10のアリール基である。
このジシラザン化合物の具体例としては、ヘキサメチ
ルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ヘキサプロピ
ルジシラザン、ヘキサ−n−ブチルジシラザン、ヘキサ
−n−ペンチルジシラザン、エチルペンタメチルジシラ
ザン、ジエチルテトラメチルジシラザン、トリメチルト
リエチルジシラザン、n−プロピルペンタメチルジシラ
ザン、ジ−n−プロピルテトラメチルジシラザン、トリ
−n−プロピルトリメチルジシラザン、テトラメチルジ
フェニルジシラザン、トリメチルトリフェニルジシラザ
ン、ジメチルテトラフェニルジシラザン、トリメチルト
リトリルジシラザン、ペンタメチル−α−ナフチルジシ
ラザンなどを挙げることができ、好ましくはヘキサメチ
ルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ヘキサプロピ
ルジシラザンなどを挙げることができる。
この(b)成分の使用量は、(a)成分中のカルボキ
シル基に対して、通常、5〜200モル%、好ましくは50
〜150モル%であり、5モル%未満では組成物の保存安
定性が悪く、一方200モル%を超えると得られる塗膜の
高度が低くなる場合がある。
本発明の組成物は、前記(a)〜(b)成分を主成分
とするが、通常、濃度調整剤である有機溶媒に溶解して
使用される。
この有機溶媒としては、アルコール類、エステル類、
エーテル類、ケトン類、アミド類などを用いることがで
きる。
ここで、アルコール類としては、メタノール、エタノ
ール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコー
ル、i−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、
t−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、グリセリン、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル、ブチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ、カルビトールなどを挙げるこ
とができる。
エステル類としては、酢酸エチル、酢酸エチレングリ
コールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノブチル
エーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢
酸ジエチレングリコールモノブチルエーテル、γ−ブチ
ロラクトン、酢酸カルビトール、酢酸エチルセロソル
ブ、酢酸ブチルセロソルブなどが挙げられる。
エーテル類としては、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレング
リコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメ
チルエーテルなどが挙げられる。
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、
ジイソプロピルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げら
れる。
アミド類としては、テトラメチル尿素、ヘキサメチル
ホスホルアミド、メチルホルムアミド、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン
などが挙げられる。
これらの有機溶媒のうち、アルコール類、エステルお
よびケトン類が好ましい。
これらの有機溶媒は、1種単独であるいは2種以上を
混合して使用することができる。
本発明の組成物には、さらに非イオン性界面活性剤を
混合して使用することができる。
この非イオン性界面活性剤は、(a)成分混合後の組
成物の反応時間を短縮するとともに、組成物の塗布対象
物への濡れ性を良好化し、組成物のレベリング性を改良
し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌の発生などを防止
し、また重ね塗りを容易にし、さらに組成物の安定化に
役立つものである。
かかる非イオン性界面活性剤としては、フッ化アルキ
ル基もしくはパーフルオロアルキル基を有するフッ素系
界面活性剤、またはオキシアルキル基を有するポリエー
テルアルキル系界面活性剤を挙げることができる。
前記フッ素系界面活性剤としては、 C9F19CONHC12H25、 C8F17SO2NH−(C2H4O)6H、 C9F17O(プルロニックL−35)C9F17、 C9F17O(プルロニックP−84)C9F17、 C9F17O(テトロニック−704)(C9F17、 (ここで、プルロニックL−35:旭電化工業(株)製、
ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック共
重合体、平均分子量1,900;プルロニックP−84:旭電化
工業(株)製、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチ
レンブロック共重合体、平均分子量4,200;テトロニック
−704:旭電化工業(株)製、N,N,N′,N′−テトラキス
(ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロック
共重合体)、平均分子量5,000などを挙げることができ
る。
これらのフッ素系界面活性剤の具体例としては、エフ
トップEF301、同EF303、同EF352(新秋田化成(株)
製)、メガファックF171、同F173(大日本インキ(株)
製)、アサヒガードAG710(旭硝子(株)製)、フロラ
ードFC−170C、同FC430、同FC431(住友スリーエム
(株)製)、サーフロンS−382、同SC101、同SC102、
同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(旭硝子(株)
製)、BM−1000、同1100(B.M−Chemie社製)、Schsego
−Fluor(Schwegmann社製)などを挙げることができ
る。
また、ポリエーテルアルキル系界面活性剤としては、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ノールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレン
ブロックポリマーなどを挙げることができる。これらの
ポリエーテルアルキル系界面活性剤の具体例としては、
エマルゲン105、同430、同810、同920、レオドールSP−
40S、同TW−L120、エマノール3199、同4110、エキセル
P−40S、ブリッジ30、同52、同72、同92、アラッセル2
0、エマゾール320、ツィーン20、同60、マージ45(いず
れも(株)花王製)、ノニポール55(三洋化成(株)
製)などを挙げることができる。
また、前記以外の非イオン性界面活性剤としては、例
えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリアルキレンオキ
サイドブロック共重合体などがあり、具体的にはケミス
タット2500(三洋化成工業(株)製)、SN−EX9228(サ
ンノプコ(株)製)、ノナール530(東邦化学工業
(株)製)などを挙げることができる。
この非イオン性界面活性剤の使用量は、(a)+
(b)成分100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重
量部、特に好ましくは0.1〜5重量部であり、0.01重量
部未満では非イオン性界面活性剤の効果を発揮できず、
一方10重量部を超えると得られる組成物が発泡し易くな
り、また熱変色を起こす場合があり好ましくない。
なお、本発明に使用される組成物は、前記非イオン性
界面活性剤のほかに、アニオン系界面活性剤あるいはカ
チオン系界面活性剤を含有させることもできる。
また、本発明の組成物には、水および/または親水性
有機溶媒に分散されたコロイド状シリカを添加すること
も可能である。
このコロイド状シリカは、本発明の組成物の固形分濃
度を増すために使用されるもので、この成分の使用量に
よって得られる塗膜の厚さを制御することができる。
なお、コロイド状シリカを用いる場合には、本発明で
用いられる有機溶媒との相溶性を考慮し、溶媒を選択使
用する。
また、本発明の組成物には、組成物のゲル化防止およ
び増粘ならびに得られる硬化物の耐熱性、耐薬品性、硬
度および密着性の向上、さらに静電防止などを目的とし
て、さらに酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化
チタンなどの金属酸化物の微粉末を適宜配合することも
可能である。
さらに、本発明の組成物には、これと相溶し得る他の
重合体、例えばポリアミド、ポリイミド、シリコーン樹
脂、エポキシ樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂な
どを混合して使用することもできる。
本発明に使用する組成物を調製するに際しては、その
調製方法は、特に限定されないた、通常、前記または
の反応により得られる(a)成分に(b)成分を加
え、さらに前記界面活性剤などを添加して調製する。
以上のように、本発明の硬化性組成物は、前記(a)
〜(b)成分および必要に応じて他の成分を混合してな
り、その全固形分濃度は、好ましくは10〜50重量%、特
に好ましくは15〜40重量%であり、10重量%未満では固
形分濃度が薄すぎて得られる保護膜の耐熱性、耐水性、
耐薬品性、耐候性などの諸特性が発現されない場合があ
り、また形成される保護膜にピンホールが発生する場合
がある。一方、50重量%を超えると固形分濃度が高すぎ
て組成物の保存安定性が悪化したり、均一な保護膜の形
成が困難となるなどの弊害が生起する場合がある。
また、本発明の組成物は、前記添加剤を配合する場合
には、高速撹拌などの方法により、均一な分散液とする
ことが可能である。
本発明の組成物は、後記する透明基板、カラーフィル
ターなどの基板に、組成物溶液として、スプレー法、ロ
ールコート法、カーテンコート法、スピンコート法、ス
クリーン印刷、オフセット印刷による方法により、乾燥
後の膜厚が好ましくは0.01〜50μm、特に好ましくは0.
1〜10μm程度になるように塗布され、これをホットプ
レート、ギヤオーブンなどの加熱手段を用いて50〜300
℃程度、好ましくは100〜200℃程度の温度で、例えば10
〜120分程度加熱することにより、あるいは1〜7日程
度の常温乾燥により硬化させ、耐熱性、耐薬品性などを
有する保護膜とすることができる。
本発明の組成物は、特にカラー液晶表示素子の保護膜
形成用材料として好適である。
この場合のカラー液晶表示素子は、例えば次の方法に
よって製造することができる。
まず、透明基板上に写真法などにより、赤、緑、青の
3原色からなる染色層を形成し、その表面上に本発明の
前記組成物を硬化させて保護膜を形成し、この保護膜上
にITOを蒸着し、ホトリソグラフィーにより透明電極を
形成させるとともに、該ITO上にさらにポリイミドなど
からなる液晶配向膜を配置し、さらにこの液晶配向膜に
ナイロンなどの合成繊維製ロールでラビングを行い、液
晶配向処理を施す。
次いで、前述の処理をされた基板と、基板上に液晶配
向膜を有する対向基板とを間隙を有するように周辺部を
シールし、ラビング方向が直交した2枚の基板間に液晶
を充填し、カラー液晶表示セルとし、その両面に直交し
た偏光板を圧着することによりカラー液晶表示素子とす
る。
このカラー液晶表示素子に用いられる透明基板として
は、フロートガラス、ソーダガラスや可撓性のポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど
のポリエステルフィルム、さらにはポリエーテルスルホ
ン、ポリカーボネート、その他のプラスチックフィルム
などからなる透明基板を用いることができる。
透明電極(電極)としては、SnO2からなるNESA膜、In
2O3−SnO2からなるITO膜を用いることができ、これらの
電極のパターニングには、ホトリソグラフィー法やあら
かじめマスクを用いる方法が用いられる。
また、染色層は、例えば ホトリソグラフィーにより透明電極上の被染色層上に
パターニングしたレジスト層を設け、露出している被染
色層の部分を染色して染色部を形成したのち、レジスト
を剥離し、その後同様にして次の染色部を形成する方法
(単一の被染色層を複数の染色部に染め分ける方法、い
わゆるフラット型)によって得られたもの、 透明基板上の感光性を有する被染色層をパターンマス
クを介して露光し現像することによりパターン状の被染
色層を形成したのち、染色して染色層を形成し、次いで
透明な防染膜で被覆したのち、その上に同様にして次の
染色層を形成する方法(被染色層と防染膜を交互に積層
していく方法、いわゆる積層型)などによって形成する
ことができる。
なお、染色層は、前記ホトリソグラフィー法のほか、
印刷法、電着法などで形成する方法も挙げられる。
ここで、染色層の材料としては、特に限定されず、例
えばゼラチン、カゼイン、グリュー、アルブミンなどの
天然蛋白質からなるもの、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、ポリアクリルアミドなどの合成高分
子からなるものなどを挙げることができる。また、これ
ら材料に感光性を付与する光架橋剤としては、重クロム
酸アンモニウム、重クロム酸カリウムなどの重クロム酸
塩のほかに、ビスアジド化合物を挙げることができる。
かかるビスアジド化合物の具体例としては、例えば4,
4′−ジアジドスチルベン−2,2′−ジスルホン酸、4,
4′−ジアジドベンザルアセトフェノン−2−スルホン
酸、4,4′−ジアジドスチルベン−α−カルボン酸およ
びこれらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などの水溶
性ビスアジド化合物のほかに、p−フェニレンビスアジ
ド、4,4′−ジアジドベンゾフェノン、4,4′−ジアジド
スチルベン、4,4′−ジアジドフェニルメタン、4,4′−
ジアジドベンザルアセトフェノン、2,6−ジ(4′−ア
ジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ジ(4′−ア
ジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノンなどを挙
げることができる。
さらに、染色層を形成するために使用する染料として
は、酸性、塩基性などの水溶性染料を挙げることができ
る。
かくして得られた2枚の基板の周辺部に、粒径1〜10
μm程度のスペーサーを含有するシール剤で液晶注入部
を除いて圧着接触して2枚の基板間に間隙を形成し、液
晶注入部より液晶を注入後、その部分を封口することに
より、カラー液晶表示素子が得られる。
さらに、基板の外側(液晶セルの外側)に使用される
偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させ
ながら沃素を吸収させたH膜と呼ばれる偏光膜を挟んだ
酢酸セルロース保護膜からなる偏光板またはH膜そのも
のからなる偏光板などを、シール剤としては、例えば硬
化剤およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含
有したエポキシ樹脂組成物などを挙げることができる。
さらにまた、液晶の封入口封止剤としては、有機系封
止剤と無機系封止剤とがあり、いずれでもよいが、特に
有機系封止剤が低温で操作できるので好ましい。
なお、保護膜上にシール剤を接着するに際しては、紫
外線および/またはオゾンなどによる表面処理を行うこ
とにより表面処理を施しておいた方が、シール剤と基板
との接着強度を高めることができる。
前記カラー液晶表示素子は、優れた配向性と、信頼性
を有し、直線偏光板、円偏光板などの偏光子あるいは反
射板などと組み合わせることにより、種々の装置に有効
に使用でき、例えば電子式卓上計算機、腕時計、置時
計、係数表示板、液晶テレビなどの表示装置に用いられ
る。
また、本発明の組成物の硬化塗膜を液晶表示素子を形
成する基板の内面、またはITOを蒸着した透明基板のITO
蒸着面上に形成させた場合には、透明基板から液晶への
不純物の溶出がなくなり、またITOと液晶の間の絶縁が
良好となり、液晶表示素子として優れた性能を有するよ
うになる。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に説明する
が、本発明はこれらの実施例に制限されるものではな
い。
なお、実施例中において、部および%は、特に断らな
い限り重量部および重量%である。
また、実施例中、ナトリウムイオンの滲み出し度は、
ソーダガラスからなる基板に組成物を塗布し硬化したも
のを超純水中に浸漬し、120℃で12時間加熱処理し、溶
出したナトリウムイオンの含有量を原子吸光光度法で定
量し、この値を塗膜が水と接触する面積で割り、単位面
積当たりのナトリウムイオン濃度で評価したものであ
る。
参考例(カラーフィルターの製造) ゼラチン20部と重クロム酸アンモニウム2部を超純水
80部に溶解し、孔径0.2μmのメンブランフィルターで
ろ過し、被染色層を形成するための感光性組成物を調製
した。
次に、前記感光性組成物を光学研磨したガラス基板上
に回転速度3,000rpmでスピンコートし、窒素雰囲気中で
乾燥した。塗膜の乾燥膜厚を測定したところ、1μmで
あった。
かくして得られた塗膜にホトマスクを介して紫外線を
照射し、次いで超純水で現像することによりセラチン層
のレリーフ像を得た。このレリーフ像を下記の赤色染色
浴に浸漬し、窒素雰囲気中で乾燥することにより、赤色
のレリーフ像を得た。
赤色染色浴; レッド−14P(日本化薬(株)製) 1g 酢酸 1g 超純水 98g 次に、この赤色のレリーフ像を有するガラス基板上
に、グリシジルメタクリレート重合体を主成分とする溶
液を同様にスピンコートし、乾燥し、乾燥膜厚1.0μm
の防染保護膜を形成した。
この防染保護膜上に、前記と同様にしてゼラチンのレ
リーフ像を形成し、下記緑色浴で処理することにより緑
色のレリーフ像を得た。
緑色染色浴; グリーン−1P(日本化薬(株)製) 1g 酢酸 1g 超純水 98g 次に、前記と同様の操作により、防染保護膜を形成し
たのち、ゼラチンのレリーフ像を形成し、下記青色浴で
処理することにより青色のレリーフ像を形成した。
青色染色浴; ブルー−5C(日本化薬(株)製) 1g 酢酸 1g 超純水 99g このようにして、赤、緑、青の3原色よりなるカラー
フィルター基板を得た。次いで、この上にグリシジルメ
タクリレート重合体を主成分とする溶液をスピンコート
し、乾燥し、乾燥膜厚2μmの表面保護膜を形成し、カ
ラーフィルターを得た。
実施例1 滴下ロートおよび撹拌装置を備えた丸底フラスコに、
3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物322gとメチルセロソルブ644gを仕込み、滴下ロートよ
りアミノプロピルトリエトキシシラン360gと20℃でゆっ
くり滴下したのち、さらに20℃で2時間撹拌した。この
ようにして得られた反応混合物に、ヘキサメチルジシラ
ザン161gおよびフッ素系界面活性剤(ビーエム・ヘミー
社製、BM−1000)を5g加え、均一溶液とし、これを孔径
0.2μmのメンブランフィルターでろ過し、本発明の組
成物を得た。
かくして得られた組成物を、参考例で製造したカラー
フィルター上に、回転数1,000rpmでスピンコートし、18
0℃で1時間熱処理を行い、乾燥膜厚8μmの保護膜を
形成した。
次いで、この保護膜付きのカラーフィルターを、フォ
トクリーナー〔(株)イー・エッチ・シー製〕を用い、
室温下で10分間、酸素存在下で紫外線を照射した。
このようにして作製された保護膜付きカラーフィルタ
ー上に、ITOを常法に従い蒸着し、その上にポジレジス
ト(日本合成ゴム(株)製、PFR−3003)の所望のパタ
ーンを形成したのち、露出部のITOを濃塩酸−塩化第二
鉄水溶液中に室温下5分間浸漬することにより除去し、
水洗後、ポジレジスト層を剥離した。
かくして得られた所望のITOパターンを有するカラー
フィルターを光学顕微鏡で詳細に観察したが、カラーフ
ィルターおよび保護膜にクラックやしわなどは全く認め
られず、カラーフィルターの染色層からの染料の染みだ
しもなく、カラーフィルターと保護膜との接着性および
密着性も良好であった。
さらに、該カラーフィルターの基板の配線取り出し部
以外の部分に、ポリイミド系の液晶配向膜(日本合成ゴ
ム(株)製、JIB)を塗布し、乾燥し、ラビング処理し
た。
次に、ガラス基板上にITOを常法に従い、蒸着し、該
基板の配線取り出し部以外の部分に、前記と同様にポリ
イミド系の液晶配向膜を塗布し、乾燥し、ラビング処理
した。
その後、カラーフィルターを有する基板と、有さない
基板との接着部に、粒径8μmのアルミナよりなるスペ
ーサー1%を含むシール剤(三井東圧化学(株)製、ス
トラクトボルドXN−10)を用い、液晶注入口以外の部分
を封口し、ネマチック液晶(米国メルク社製、ZLI−156
5)を注入し、液晶セルを作製した。
このようにして得られた液晶セルに、30ヘルツ、5ボ
ルトの電圧を印加しながら60℃で2,000時間放置した
が、電流値は初期値と同じ1μAであり、変化はみられ
なかった。
また、この液晶セルは、偏光板と組み合わせてカラー
液晶表示素子として用いた際にも視差ずれのないもので
あった。
また、ソーダガラス板を基板とし、この基板に本発明
の組成物を浸漬法によって塗布し、150℃で30分間熱処
理することにより、乾燥膜厚が0.2μmの保護膜を形成
させたところ、優れた平滑度を有しており、この基板の
ナトリウムイオンの滲み出し度を測定したところ、0.2p
pmであった。比較のために測定した前記ソーダガラス板
のみのナトリウムイオンの滲み出し度は、3.0ppmであっ
た。
比較例1 参考例で製造したカラーフィルター上に、本発明の組
成物をスピンコートすることなく、実施例1と同様にし
てITOのパターンを形成し、詳細に観察したところ、カ
ラーフィルターの染色層が脱色し、さらに微細なクラッ
クが発生しており、実用に供し難いものであることが判
明した。
実施例2 実施例1と同様の丸底フラスコを用い、2,3,5−トリ
カルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224gおよびN−
メチル−2−ピロリドン672gを仕込み、滴下ロートより
3−アミノプロピルトリエトキシシラン221gおよびn−
ブチルアミン73gの混合物を20℃でゆっくり滴下したの
ち、20℃でさらに2時間撹拌した。
このようにして得られた反応混合物に、ヘキサメチル
ジシラザン161gおよびフッ素系界面活性剤(ビーエム・
ヘミー社製、BM−1000)を4g加え、均一溶液とし、これ
を孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過し、本発
明の組成物を得た。
かくして得られた組成物を、参考例で製造したカラー
フィルター上に、回転数2,000rpmでスピンコートし、20
0℃で2時間熱処理を行い、乾燥膜厚1.5μmの保護膜を
形成した。
次いで、実施例1と同様にしてIOTパターンを形成
し、得られた所望のITOパターンを有するカラーフィル
ターを光学顕微鏡で詳細に観察したが、カラーフィルタ
ーおよび保護膜にクラックやしわなどは全く認められ
ず、カラーフィルターの染色層からの染料の染み出しも
なく、カラーフィルターと保護膜との接着性および密着
性も良好であった。
また、実施例1と同様にして液晶セルを作製し、得ら
れた液晶セルに、30ヘルツ、5ボルトの電圧を印加しな
がら60℃で2,000時間放置したが、電流値は初期値と同
じ0.8μAであり、変化はみられなかった。
さらに、実施例1と同様にしてソーダガラス基板のナ
トリウムイオンの染み出し度を測定したところ、0.4ppm
であった。
実施例3 実施例1におけるアミノプロピルトリエトキシシラン
に代えて、p−アミノフェニルジエトキシシラン450gを
用いた以外は、実施例1と同様にして本発明の組成物を
得た。
かくして得られた組成物を用い、実施例1と同様にし
てカラーフィルター上に保護膜を形成し、ITO付きのカ
ラーフィルターを作製し、このカラーフィルターを観察
した。カラーフィルターおよび保護膜にクラックやしわ
などは全く認められず、カラーフィルターの染色層から
の染料の染み出しもなく、カラーフィルターと保護膜と
の接着性および密着性も良好であった。
また、実施例1と同様にして液晶セルを作製し、得ら
れた液晶セルに、30ヘルツ、5ボルトの電圧を印加しな
がら60℃で2,000時間放置したが、電流値は初期値と同
じ1.1μAであり、変化はみられなかった。
さらに、実施例1と同様にしてソーダガラス基板のナ
トリウムイオンの滲み出し度を測定したところ、0.4ppm
であった。
実施例4 実施例1と同様の丸底フラスコに、3,3′,4,4′−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物292gとN−メチルピ
ロリドン882gを仕込み、滴下ロートよりアミノプロピル
トリエトキシシラン221gとn−ブチルアミン73gの混合
物を20℃でゆっくり滴下したのち、さらに20℃で2時間
撹拌した。このようにして得られた反応混合物に、ヘキ
サメチルジシラザン245gおよびフッ素系界面活性剤(ビ
ーエム・ヘミー社製、BM−1100)を6g加え、均一溶液と
し、これを孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過
し、本発明の組成物を得た。
かくして得られた組成物を、印刷方式で作製したカラ
ーフィルター上に、ロールコーターで塗布し、180℃で
1時間熱処理を行い、乾燥膜厚8μmの保護膜を形成し
た。
次いで、この保護膜付きのカラーフィルター上に、実
施例1と同様にしてITOのパターンを形成した。これを
光学顕微鏡で詳細に観察したが、カラーフィルターおよ
び保護膜にクラックやしわなどは全く認められず、カラ
ーフィルターの染色層からの染料の染み出しもなく、カ
ラーフィルターと保護膜との接着性および密着性も良好
であった。
また、実施例1と同様にして液晶セルを作製し、得ら
れた液晶セルに、30ヘルツ、5ボルトの電圧を印加しな
がら60℃で2,000時間放置したが、電流値は初期値と同
じ0.9μAであり、変化はみられなかった。
さらに、実施例1と同様にしてソーダガラス基板のナ
トリウムイオンの滲み出し度を測定したところ、0.3ppm
であった。
実施例5 滴下ロートおよび撹拌装置を備えた丸底フラスコに、
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル200gとカルビトー
ル300gを仕込み、滴下ロートより3−トリメトキシシリ
ル−1,2,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物548gを10℃
でゆっくり滴下したのち、10℃でさらに1時間撹拌し
た。このようにして得られた反応混合物に、トリメチル
トリエチルジシラザン203gおよびフッ素系界面活性剤
(ビーエム・ヘミー社製、BM−1000)を4g加え、均一溶
液とし、これを孔径0.2μmのメンブランフィルターで
ろ過し、本発明の組成物を得た。
かくして得られた組成物を用い、実施例1と同様にし
てカラーフィルター上に保護膜を形成し、ITO付きのカ
ラーフィルターを作製し、このカラーフィルターを観察
した。カラーフィルターおよび保護膜にクラックやしわ
などは全く認められず、カラーフィルターの染色層から
の染料の染み出しもなく、カラーフィルターと保護膜と
の接着性および密着性も良好であった。
また、実施例1と同様にして液晶セルを作製し、得ら
れた液晶セルに、30ヘルツ、5ボルトの電圧を印加しな
がら60℃で2,000時間放置したが、電流値は初期値と同
じ3μAであり、変化はみられなかった。
さらに、実施例1と同様にしてソーダガラス基板のナ
トリウムイオンの滲み出し度を測定したところ、0.4ppm
であった。
〔発明の効果〕
本発明の硬化性組成物は、均一かつ緻密で、耐熱性お
よび耐クラック性に優れた保護膜を形成することがで
き、この保護膜はカラーフィルター、透明基板などの中
に含まれる成分の液晶への滲み出しを防止するととも
に、カラーフィルター上に微細な透明電極を配置するこ
とを可能とし、カラーフィルターおよび透明基板の両者
に対して優れた接着性、密着性を有し、かつカラー液晶
表示の視差ずれをも解決することが可能である。
前記カラー液晶表示素子は、優れた配向性と、信頼性
を有し、直線偏光板などと組み合わせることにより、種
々の装置に有効に使用でき、例えば卓上計算機、腕時
計、置時計、係数表示板、液晶テレビなどの表示装置に
用いられる。
また、本発明の組成物の硬化塗膜を液晶素子を形成す
る基板の内面、またはITOを蒸着した透明基板のITO蒸着
面上に形成させた場合には、ITOと液晶の間の絶縁が良
好となり、液晶素子として優れた性能を有するようにな
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)〜(b)成分を主成分とする硬
    化性組成物。 (a)加水分解性基を有するケイ素原子を含有するアミ
    ド酸化合物および/またはイミド化合物。 (b)一般式(イ)で表されるジシラザン化合物。 (式中、R1〜R6は、同一または異なり、炭素数1〜10の
    アルキル基または炭素数6〜10のアリール基を示す。)
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