JPH08300085A - 線材の曲がり矯正装置 - Google Patents

線材の曲がり矯正装置

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JPH08300085A
JPH08300085A JP7104384A JP10438495A JPH08300085A JP H08300085 A JPH08300085 A JP H08300085A JP 7104384 A JP7104384 A JP 7104384A JP 10438495 A JP10438495 A JP 10438495A JP H08300085 A JPH08300085 A JP H08300085A
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straightening
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雅幸 片平
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Abstract

(57)【要約】 【目的】線材の曲がり矯正に際して真に必要な矯正荷重
を一回の加圧で負荷し、これにより能率良く高精度の曲
がり矯正を行う曲がり矯正装置を提供する。 【構成】金属線材Wの曲がり量と位置とを測定する初期
曲がり測定手段10と、その測定データに基づいて定め
た所定の支持スパン毎に金属線材Wに矯正荷重を負荷す
る曲がり矯正手段30と、現矯正荷重の大きさを検出す
る矯正荷重検出手段40と、金属線材矯正時の弾性変形
量及び塑性変形量の合計変形量を検出する総変形量検出
手段と、矯正荷重に対する金属線材Wの弾性変形分相当
量を演算する弾性変形分演算手段45と、総変形量検出
手段の測定値から弾性変形分相当量を減算しその結果を
初期曲がり量と比較して差が零となったときに曲がり矯
正手段30に矯正荷重の負荷停止を指令する制御手段4
3とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般産業機器,工作機
械,半導体製造装置等に使用されるリニアガイド装置や
ボールねじ装置等をはじめ一般的に使用されている細長
い部材を構成する金属線材の曲がりを、短時間に能率良
く矯正することができる線材の曲がり矯正装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に線材の曲がり矯正は、当該線材を
二点支持して支持スパン間の曲がり量を測定した後、そ
の中点に曲がりの矯正荷重を負荷し、曲がり量に対し正
確には弾・塑性総変形量を曲がりと逆方向に発生させる
ことにより行われる。線形金属材料の塑性変形は弾性変
形領域と塑性変形領域とを持ち、通常、その変化は応力
−歪線図により表現される。
【0003】しかし、矯正荷重を負荷している最中に発
生する線材の変形量は、弾性変形量と塑性変形量とが重
畳された総変形量として現れることから、曲がり矯正に
真に必要な変形量ではない。そのため、総変形量に基づ
いて行う従来の線材の曲がり矯正に際しては、矯正荷重
が線材の破断点Dに達することを避けるため、小さな矯
正荷重を線材に加えて少量の変形を与え曲がり測定する
ことを繰り返し、徐々に曲がりを矯正しつつ最終的に必
要な精度に収束させるのが普通である。図7は、こうし
た従来の加圧と測定の繰り返しによる線材の曲がり矯正
作業における荷重−変位特性線図の一例を示したもの
で、材料の降伏点を越える矯正荷重を4回繰り返し負荷
して塑性変形量を少しずつ増やしていき、4回目の負荷
で最終的に所要の塑性変形量を得ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなトライアンドエラーによる矯正では、降伏点を越え
る加圧を繰り返すことにより線材材料の降伏点がその加
圧の都度上昇し、塑性変形領域を狭めて破断点に近づ
く。そのため、線材にクラックが発生したり、最悪の場
合は破断に至るおそれがあるという問題点がある。
【0005】また、一回の加圧で適正な塑性変形を得る
ことができないため、加圧と測定を繰り返さねばなら
ず、矯正作業に時間がかかるという問題点がある。な
お、線材の曲がり矯正装置としては、線材を直列に配置
した複数段の加圧ローラの間に通しつつ、段階を追って
曲がり量を矯正していくものもあるが、このローラ矯正
は線材の断面形状が単純なものに限り適用可能である。
例えばリニアガイド装置の案内レールのように線材の長
さ方向の各所にボルト孔があったりして断面形状が不連
続な場合には、材料の弾・塑性特性(応力−歪特性)が
場所により変化してしまうため、矯正精度に限界があり
適用範囲が限られる。
【0006】そこで、本発明は、このような従来の線材
の曲がり矯正方法の問題点に着目してなされたものであ
り、線材の曲がり矯正荷重と線材変位量とを同時に計測
して荷重−変位特性を求め、該荷重−変位特性における
弾性変形領域の値を基準として矯正荷重負荷時の当該線
材の塑性変形量を把握することにより真に必要な矯正荷
重を一回の加圧で負荷し、これにより能率良い高精度の
曲がり矯正を可能とする線材の曲がり矯正装置を提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の線材の曲がり矯正装置は、金属線材の曲がり量と
位置とを金属線材の長手方向に沿って順次に測定する初
期曲がり測定手段と、前記初期曲がり測定手段の測定デ
ータに基づく所定の支持スパン毎に前記金属線材に曲が
り矯正荷重を負荷する曲がり矯正手段と、該曲がり矯正
手段による現矯正荷重の大きさを検出する現矯正荷重検
出手段と、現矯正荷重による前記金属線材の矯正方向の
弾性変形量及び塑性変形量の合計変形量を検出する総変
形量検出手段と、現矯正荷重に対する前記金属線材の弾
性変形分相当量を演算する弾性変形分演算手段と、前記
総変形量検出手段の測定値から前記弾性変形分相当量を
減算しその結果を前記初期曲がり量と比較して差が零と
なったときに前記曲がり矯正手段による曲がり矯正荷重
の負荷を停止する制御手段とを備えていることを特徴と
するものである。
【0008】
【作用】線材の曲がり素性は、全体曲がり、部分曲が
り、また単一円弧に近似される曲がり、蛇行した複雑曲
がりによって表現される。本発明の線材の曲がり矯正装
置においては、先ず曲がり測定系の初期曲がり測定手段
でワークの曲がり形態を測定することでワークである金
属線材の曲がり素性を的確に把握する。その際、ワーク
の全体の曲がり素性は蛇行した複雑曲がりであっても、
部分的には単一円弧曲がりに近似され、その連続形態と
し捉えることができる。そこでワークWの全体曲がりを
複数の単一円弧に区分して、その単一円弧毎に曲がりを
順次連続的に計測する。次に、曲がり矯正系において、
その単一円弧毎の曲がりデータに基づいてそれぞれの単
一円弧毎の曲がりを矯正することにより最終的に全体曲
がりを矯正する。
【0009】いま、図1(b)に示すような曲がり量Y
C (以下、初期曲がり量という)を有する単一円弧状の
金属線材(ワーク)Wの両端を支持ポイントp1 ,p2
で二点支持し、その支持スパンLの中点個所に曲がり矯
正手段で曲がり矯正荷重Fを負荷して最大変形YB まで
加圧し、その後荷重を除去して曲がり零に至る迄の過程
を、ワークの変形量をY軸、荷重FをX軸にとって線図
に表すと、同図(a)に模式的に示す荷重−変形特性線
図が得られる。
【0010】図中、Aは降伏点、Bは最大荷重変形点、
Cは曲がり零となる点、Dは破断点を表す。ワークは荷
重0から降伏点Aに至る弾性変形領域から二次曲線AB
で示される塑性変形領域を経て、最大荷重変形点Bに至
り最大変形YB に達する。ここで荷重Fを除くと、最大
荷重XB から荷重0に至る直線BC(0Aに平行)を経
て点Cに帰り曲がり零となる。直線Y=aXは弾性変形
領域0Aの荷重−変位関係を外延して得られる弾性特性
補間直線であり、図から明らかなように、この直線Y=
aXと二次曲線ABとのY座標の差が、初期曲がり量Y
C と等しくなる点が最大荷重変形点Bである。
【0011】ここで、塑性変形領域AB間における現矯
正荷重Xの値に対するワークの変形量Yは、弾性変形量
と塑性変形量とが重畳した合計量(以下、総変形量とい
う)である。従来一般の線材の曲がり矯正にあっては、
最大荷重変形点Bでは総変形量YB しか捉えていない。
しかしワークの曲がり矯正に必要な真の変形量は塑性変
形量のみで良く、弾性変形量はキャンセルする必要があ
る。
【0012】本発明にあっては、弾性変形領域における
直線Y=aXを塑性変形領域に補間して弾性変形量相当
分をキャンセルする。すなわち、本発明の線材の曲がり
矯正装置は、先ず、初期曲がり測定手段でワークの単一
円弧の初期曲がり量YC を正確に求めておく。次に、ワ
ークに曲がり矯正手段で曲がり矯正荷重を負荷する。こ
のとき、現矯正荷重検出手段で現在負荷しつつある矯正
荷重の大きさを刻々に検出すると共に、総変形量検出手
段で現に変形しつつあるワークの弾性変形量及び塑性変
形量の合計である総変形量を刻々に検出して図1(a)
のようなワークの荷重−変形特性線を認識する。もっと
も、矯正時に取得されるこの荷重−変形特性は、予め別
途に取得しておいても良い。
【0013】そして矯正荷重が降伏点Aを越えて塑性変
形領域に達したら、弾性変形分演算手段により、弾性特
性補間直線Y=aX上において現矯正荷重に対応する点
EのY座標値をワークの弾性変形分相当量aXとして演
算する。制御手段は、現矯正荷重によるワークの総変形
量検出値から弾性変形分相当量を減算し、その減算結果
を初期曲がり量Ycと比較して、その差が零となったと
きに最大荷重変位点Bに達したと判断して、曲がり矯正
手段による曲がり矯正荷重の負荷を止める。
【0014】かくして、一回の矯正荷重で最大荷重XB
まで負荷して初期曲がり量にほぼ等しい塑性変形量を付
与し曲がり矯正を行うことをワークの単一円弧毎に順次
連続的に繰り返すことにより、能率良くワーク全体の曲
がりを矯正することができる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。図2ないし図4は、この発明の一実施例を示す
もので、図2は本発明の線材の曲がり矯正装置の一実施
例の全体平面図、図3は同側面図、図4は同装置の制御
系統の概略構成図である。この実施例の線材の曲がり矯
正装置は、曲がり測定系1と曲がり矯正系2とを連携さ
せて構成されている。曲がり測定系1には、ワークであ
る金属線材Wの曲がり具合を線材の長手方向に沿って順
次に測定する初期曲がり測定手段10が設けられてい
る。一方、曲がり矯正系2には、その初期曲がり測定手
段10での測定データに基づいてワークWを支持し、こ
れに曲がり矯正荷重を負荷する曲がり矯正手段30が設
けられている。
【0016】前記初期曲がり測定手段10は、細長いテ
ーブル11上に併設したワーク支持・転送部12と自走
式の曲がり測定部13とを有して構成されている。ワー
ク支持・転送部12は、ワークWを曲がり計測時に支持
し計測後に長手方向に搬送する複数の駆動式ローラ14
と、それらのローラ14の上に降ろす前にベッセル支持
によりワークWを一度自然体に保持するため長手方向に
走行自在に間隔をおいて配した二箇所のリフタ15と、
ワークWをその軸周りに反転させる反転装置16とを備
えている。この反転装置16によりワークWの位相を変
えることで、ワークWに対する矯正荷重の負荷方向が一
方向であっても、曲がり方向の変化に対して複数方向か
らの矯正が可能になる。反転操作は測定・矯正をセット
した工程の必ず前で行う。
【0017】なお、17はプレッシャローラで、押さえ
ローラ17aとその昇降用シリンダ17bとよりなる。
押さえローラ17aで駆動式ローラ14の上にワークW
を押しつけて曲がりを有するワークWの浮きを抑え、確
実に曲がり矯正系2へ搬送するための機構である。曲が
り測定部13は、例えばスピンドルタイプの直線位置セ
ンサなどの変位センサ20を搭載した自走テーブル21
と、この自走テーブル21の直線案内機構であるリニア
ガイド装置22と、直線駆動機構であるラック・ピニオ
ン装置23及び駆動用サーボモータ24を備え、予め真
直度精度を出してあるテーブル11上に計測テーブルユ
ニットとして配設されている。
【0018】前記曲がり矯正手段30は、初期曲がり測
定手段10の下流側に隣接して配置されており、初期曲
がり測定データに基づいて定めた所定の位置でワークW
を二点支持する支持部31と、その支持スパン間の一点
に曲がり矯正荷重を負荷する加圧部32とを備えてい
る。支持部31は、対称に配した一対のワーク支持ロー
ラ31aと、このワーク支持ローラ31aをワークWに
対し離接する支持ローラ離接機構31b及び支持ローラ
間隔調節機構31cとで構成されている。加圧部32
は、前記一対のワーク支持ローラ31aの対称軸上に配
した一個の加圧ローラ32aと、その加圧ローラ32a
の送り機構である二個一対のボールねじ装置32bと、
そのボールねじ軸に駆動力を伝達するギア機構32c
と、その駆動源としてのサーボモータ32dとで構成さ
れている。
【0019】なお、曲がり測定系1から曲がり矯正系2
へとワークWを搬送するに際して、狙った被矯正個所を
支持部31に所定距離だけ正確に送り出して位置決めす
る必要があり、図4に示すように、そのためのエンコー
ダ付位置検知用ローラ26を設けてそのパルス出力をパ
ルスカウンタ27を介して制御装置にフィードバックす
るようになっている。
【0020】次に、上記の構成を有する曲がり矯正手段
30のメカニズムの制御系について、図4の装置系統概
念図に基づき説明する。曲がり矯正手段30の加圧ロー
ラ32aには、現在ワークWに対して負荷中の矯正荷重
(現矯正荷重)Fの大きさxを刻々と検出する現矯正荷
重検出手段として、ロードセルなどの荷重サンサ40が
設置されている。この荷重センサ40の出力は荷重セン
サアンプ41からA/D変換器42を介して制御手段4
3にフィードバックされる。制御手段43には又、初期
曲がり測定手段10の曲がり測定用変位センサ20の出
力が変位センサアンプ20aを介して送られると共に、
その変位センサ20のx座標測定用の位置センサである
エンコーダ24e(サーボモータ24に内蔵)のパルス
出力がパルスカウンタ24bを介して送りこまれる。更
に、曲がり矯正手段30の加圧ローラ32aのy座標測
定用の位置センサであるエンコーダ32e(サーボモー
タ32dに内蔵)のパルス出力が、ワークWの矯正変形
量情報としてパルスカウンタ44を介してフィードバッ
クされる。前記エンコーダ32eとパルスカウンタ44
とで、現矯正荷重FによるワークWの矯正方向の弾性変
形量Y(荷重Fの大きさXと比例しY=aXで表され
る)と塑性変形量との合計変形量を検出するための総変
形量検出手段が構成されている。
【0021】上記制御手段43には、上記現矯正荷重F
によるワークWの弾性変形領域での荷重−変形特性を塑
性変形領域に外延(直線補間)して得られるワークWの
弾性変形分相当量を演算する弾性変形分演算手段45と
しての例えば関数発生器、前記パルスカウンタ44で得
られたワークWの合計変形量から前記弾性変形分相当量
を減算する減算器46、その減算結果を前記初期曲がり
測定手段10で得られた初期曲がり量と比較する比較器
47等が設けられており、比較差が零となったとき、サ
ーボモータ32dのドライバ32fに負荷完了指令を出
力するように構成されている。
【0022】以上のように構成されたこの線材の曲がり
矯正装置で、例えば図4のように波うった二次元の曲が
りを有するワークWの曲がり矯正を行う場合、まず、ロ
ーラ支持転送部12のローラ14上にワークWを載置す
る。次に、間隔を調整したリフタ15,15で、ワーク
Wのベッセル支持点を支持しワークWを挙上する。ここ
にベッセル支持点とは、線材の自重たわみによる全長短
縮量が最少となる支点位置であり、長さLの線材の両端
からそれぞれ0.22Lだけ内側の位置にある。この点
を二点支持することで自重たわみのバランスをとり線材
を最も安定した自然体に保持することができ、自由たわ
みの弾性変形による曲がりが最少となって測定精度が向
上する。
【0023】この自然体に保持したワークWの一端を反
転装置16で把持して軸周りに90度旋回させ、曲がり
方向を水平にした状態でリフタ15を降ろし、ワークW
をローラ14上に置く。次に、原点位置に寄せた初期曲
がり測定手段10の変位センサ20の測定子をワークW
に接触させ、サーボモータ24でラック・ピニオン装置
23のピニオンを駆動させて図2で左端から右端へ向け
て自走させつつワークW全長にわたり初期曲がり量を計
測する。この計測で、エンコーダ24eのパルス出力が
パルスカウンタ24bを介して制御手段43に送られ
て、一定のパルス数毎にワークWの長手方向(x方向)
の一定間隔(例えば5mm毎)の座標が図外の記憶部に
記憶される。同時に、その定間隔のパルス毎に、曲がり
測定用変位センサ20のストローク長がy方向の変位と
して出力されて変位センサアンプ20aを介して制御手
段43に送られて記憶部に記憶される。
【0024】こうして得られたワークWのy方向変形量
とその計測点のx方向位置とから、全体の曲がりパター
ンが認識される。この全体の曲がりパターンは、部分的
な単一円弧曲がりA1,A2の連続形態であり、各単一
円弧A1,A2のスパンL1,L2 毎のワークの初期曲
がり量Ycとその計測位置座標に基づいて曲がり矯正を
行う。
【0025】曲がり矯正系へのワーク搬送は、ローラ支
持・転送部12の駆動式ローラ14を図示しない駆動源
により回転駆動させることで行われる。このとき、ワー
クWの自重だけでは、曲がりのためにワークWが駆動式
ローラ14から浮いてしまい動かなくなることもあり得
る。そこで、図3に示すようなプレッシャローラ17で
ワークWを駆動式ローラ14に押しつけながら搬送す
る。このとき、エンコーダ付位置検知用ローラ26をワ
ークWに押し当ててその曲がりに沿い転動させる。この
ローラ26の転動はロータリエンコーダのパルス出力と
してパルスカウンタ27を介して制御手段43にフィー
ドバックされ、ワーク長手方向の送り位置が正確に把握
される。この場合の送り量は直線距離であるのに対しロ
ーラ26ではワークの送り長を曲線トレースすることに
なるが、ワークWの長さディメンジョンは曲がり量ディ
メンジョンより遙に大きいことから両者の測定誤差は十
分無視できる量である。
【0026】こうして、ワークWの初めの単一円弧A1
部分を支持部31に送り出し、先に測定しておいた単一
円弧部分毎の初期曲がり量データに基づく支持ポイント
1,p2 をワーク支持ローラ31aで二点支持する。
このときの2個のワーク支持ローラ31a間の支持スパ
ンLは支持ローラ間隔調節機構31cで設定され、また
ワーク支持ローラ31aのワークWに対する離接動作は
支持ローラ離接機構31bにより行われる。
【0027】次いで、支持したワークの支持スパンL間
の中央線上に位置する一個の加圧ローラ32aにより、
単一円弧A1部分への矯正荷重の負荷を行う。この負荷
は、制御手段43から加圧部32のモータドライバ32
fへの指令によりサーボモータ32dを駆動させ、その
回転力をギア機構32cを介してボールねじ装置32b
に伝達し、サーボモータ32dの回転数に比例してY方
向に送り出される加圧ローラ32aでワークを加圧する
ことにより行われる。これにより、ワークの支持スパン
L間の曲がりは反対方向に加圧されて次第に変形する。
その際、変形量(Y方向変位)に伴ってロータリエンコ
ーダ32eから出力されるパルス信号がパルスカウンタ
44を経てワークの曲がり矯正の変位情報として制御手
段43に刻々にフィードバックされる。同時に、荷重セ
ンサ40からは荷重の大きさに比例してアナログ荷重信
号が連続的に出力され、荷重センサアンプ41からA/
D変換器42を介して曲がり矯正の変位情報として制御
手段43にフィードバックされる。このように、本発明
では矯正加圧中のワークWの変形量を変位計で直接に計
測する代わりに、加圧ローラを駆動するサーボモータ3
2dに設けたロータリエンコーダ32eで間接的に計測
する。これにより、最大数十トンに達することもある矯
正荷重が装置全体を歪めて正確な計測に影響を及ぼすよ
うな事態を避けられるという利点がある。
【0028】こうして刻々と曲がり矯正手段30の制御
手段にフィードバックされてくるワークへの現矯正荷重
データとこれによるワークの変形データに基づいて、当
該ワークWの図1(a)に示されるような荷重−変形特
性が認識され、図外の記憶部に記憶されると共に、必要
に応じて表示装置48に表示される。ワークは、矯正荷
重により、はじめに弾性変形し、その後降伏点Aを通過
して塑性変形領域に至ると、以後は弾性変形量と塑性変
形量とが重畳した総変形量がパルスカウンタ44から制
御手段43にフィードバックされてくる。
【0029】ここにおいて、上記加圧ローラ32aによ
る加圧中にリアルタイムで制御手段43にフィードバッ
クされてくる荷重データと変位データとに基づいて、弾
性変形領域における直線Y=aXを塑性変形領域に補間
し、弾性変形分演算手段45で現矯正荷重検出値Xに対
するワークの弾性変形分相当量aXを演算する。そし
て、その演算結果を現総変形量データから減算器46で
減算するとともに、減算結果を先に記憶した初期曲がり
量Ycと比較することを繰り返しつつ加圧を行う。やが
て、塑性変形がB点に達すると、総変形量YB と弾性変
形分相当量aXBとの差(YB −aXB )の値は初期曲
がり量Ycと一致し(YB −aXB =Yc)になる。そ
の時点で制御手段43はモータドライバ32fに加圧停
止指令を出力する。これによりサーボモータ32dの駆
動が逆転されて加圧ローラ32aは後退し、ワークWは
弾性変形量相当分がキャンセルされた真の塑性変形分だ
けの変形が得られる。すなわち、一回の矯正荷重で最大
荷重XB まで一気に負荷し、初期曲がり量YC にほぼ等
しい塑性変形量を付与して単一円弧A1部分の曲がりを
矯正することができる。以後、続けて単一円弧A2部分
を曲がり矯正系2に送り出し、前記同様に処理すること
を順次に繰り返すことにより、能率良くワークW全体の
曲がりを矯正することができる。
【0030】図5に、この実施例により得られたワーク
の荷重−変位特性図の一例を示した。なお、上記の説明
では、加圧ローラ32aの荷重を測定する矯正荷重検出
手段であるロードセル40を単体で使用するものとした
が、大きな加圧最大荷重の場合に分解能が低下すること
を考慮して、ロードセルを複数並列に設定し、ロードセ
ルにかかる荷重を分散させると共に単体分解能を確保す
ることにより、最大荷重と分解能とを両立させるように
することも可能である。
【0031】従来は、例えばリニアガイド装置の案内レ
ール(幅20ミリ×高さ12.5ミリ×長さ4000ミ
リ)の曲がり(最大0.4ミリ)を0.1ミリ以下に矯
正するのに20分間を要していたが、本実施例の装置で
は約5分程度で完了することができた。また、矯正精度
は、狭範囲曲がり量0.1ミリ以下の仕様に対して、±
20μm以下の精度を確保することができた。すなわ
ち、作業時間は1/4,矯正精度は60%向上するとい
う結果が得られた。
【0032】図6は、本発明の矯正方法で、マニュアル
制御により19個の試料ワークの曲がり矯正を実験した
際の、ワークの矯正変形の狙い量(目標量)と実際の変
形量との対比グラフである。変形の狙い量50μmに対
し±19μm(±38%)の範囲内の曲がり矯正が可能
であった。なお、本発明の制御手段としてはコンピュー
タを用いても良い。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の線材の曲
がり矯正装置によれば、金属線材の曲がりを単一円弧の
連なりに近似させ、各単一円弧毎の曲がり量を初期曲が
り測定手段で計測すると共に長手方向座標を求めて曲が
り矯正手段における所要の矯正支持スパン当たりの変形
量を取得し、これに基づいて得られるワークの荷重−変
位特性に応じて、曲がり矯正手段で矯正荷重値と変形量
とをリアルタイムで検出しつつ矯正荷重を負荷する。こ
うして、弾性変形量をキャンセルした真の塑性変形量に
従いワークの曲がりを一回の加圧で矯正することによ
り、能率良い高精度の曲がり矯正を可能とすることがで
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は金属線材の曲がり矯正における荷重−
変形特性線図、(b)は金属線材の曲がり態様の説明図
である。
【図2】本発明の線材の曲がり矯正装置の一実施例の平
面図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】同装置の系統概念図である。
【図5】本実施例において得られた荷重−変位特性図で
ある。
【図6】本発明の実施例における矯正変形の狙い量と実
際の変形量との対比グラフである。
【図7】従来の線材の曲がり矯正作業における荷重−変
位特性線図の一例である。
【符号の説明】
1 曲がり測定系 2 曲がり矯正系 10 初期曲がり測定手段 30 曲がり矯正手段 40 総変形量検出手段 43 制御手段 45 弾性変形分演算手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属線材の曲がり量と位置とを金属線材の
    長手方向に沿って順次に測定する初期曲がり測定手段
    と、 前記初期曲がり測定手段の測定データに基づく所定の支
    持スパン毎に前記金属線材に曲がり矯正荷重を負荷する
    曲がり矯正手段と、 該曲がり矯正手段による現矯正荷重の大きさを検出する
    矯正荷重検出手段と、 現矯正荷重による前記金属線材の矯正方向の弾性変形量
    及び塑性変形量の合計変形量を検出する総変形量検出手
    段と、 現矯正荷重に対する前記金属線材の弾性変形分相当量を
    演算する弾性変形分演算手段と、 前記総変形量検出手段の測定値から前記弾性変形分相当
    量を減算しその結果を前記初期曲がり量と比較して差が
    零となったときに前記曲がり矯正手段による曲がり矯正
    荷重の負荷を停止する制御手段とを備えていることを特
    徴とする線材の曲がり矯正装置。
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