JPH08297104A - 方向性電磁鋼板の歪評価法 - Google Patents
方向性電磁鋼板の歪評価法Info
- Publication number
- JPH08297104A JPH08297104A JP7122955A JP12295595A JPH08297104A JP H08297104 A JPH08297104 A JP H08297104A JP 7122955 A JP7122955 A JP 7122955A JP 12295595 A JP12295595 A JP 12295595A JP H08297104 A JPH08297104 A JP H08297104A
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- Japan
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- steel plate
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- grain
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 方向性電磁鋼板の磁気特性に大きな影響を及
ぼす鋼板内部の歪を定量的に評価する。 【構成】 Ｓｉなどの単結晶により回折させて発散角１
００秒以下とした平行Ｘ線を鋼板に入射し、回析強度曲
線を測定し、その半価幅により材料の内部歪を評価す
る。
ぼす鋼板内部の歪を定量的に評価する。 【構成】 Ｓｉなどの単結晶により回折させて発散角１
００秒以下とした平行Ｘ線を鋼板に入射し、回析強度曲
線を測定し、その半価幅により材料の内部歪を評価す
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は主として変圧器その他の
電気機器等の鉄心として利用される方向性電磁鋼板の材
料の内部歪を評価する方法に関するものである。
電気機器等の鉄心として利用される方向性電磁鋼板の材
料の内部歪を評価する方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】方向性電磁鋼板は、磁気鉄心として多く
の電気機器に用いられている。方向性電磁鋼板は、Ｓｉ
を０．８〜４．８％含有し製品の結晶粒の方位を｛１１
０｝＜００１＞に高度に集積させた鋼板である。その磁
気特性として磁歪、鉄損が低いことが要求される。これ
らの軟磁気特性は材料の内部歪に大きく影響されること
は知られているが、その評価法は確立されていない。例
えば、ＩＥＥＥ Ｔｒａｎｓ．ＭＡＧ（１９７４）ｐ．
１２３〜１２７：Ｆｉｇ７より磁歪特性は内部歪に敏感
であることが示されているが、その内部歪に関しては定
量的な評価はなされておらず、エッチピットにより転位
分布を観察している程度にすぎない。
の電気機器に用いられている。方向性電磁鋼板は、Ｓｉ
を０．８〜４．８％含有し製品の結晶粒の方位を｛１１
０｝＜００１＞に高度に集積させた鋼板である。その磁
気特性として磁歪、鉄損が低いことが要求される。これ
らの軟磁気特性は材料の内部歪に大きく影響されること
は知られているが、その評価法は確立されていない。例
えば、ＩＥＥＥ Ｔｒａｎｓ．ＭＡＧ（１９７４）ｐ．
１２３〜１２７：Ｆｉｇ７より磁歪特性は内部歪に敏感
であることが示されているが、その内部歪に関しては定
量的な評価はなされておらず、エッチピットにより転位
分布を観察している程度にすぎない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】方向性電磁鋼板の磁気
特性（磁歪、鉄損等）は材料の内部歪が大きく影響する
ことは知られている。従って、内部歪の定量的な評価を
行うことができれば、製造の操業条件の管理および製品
の品質管理が可能となる。本発明の目的はこれまで確立
されたものがない方向性電磁鋼板の内部歪の定量的な評
価法にある。
特性（磁歪、鉄損等）は材料の内部歪が大きく影響する
ことは知られている。従って、内部歪の定量的な評価を
行うことができれば、製造の操業条件の管理および製品
の品質管理が可能となる。本発明の目的はこれまで確立
されたものがない方向性電磁鋼板の内部歪の定量的な評
価法にある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、重量でＳｉを０．８〜４．８％含有
する方向性電磁鋼板の歪評価法において、発散角１００
秒以下の平行Ｘ線を鋼板に入射し回析強度曲線を測定
し、その半価幅により材料の内部歪を評価することを特
徴とする方向性電磁鋼板の歪評価法である。またここに
おいてＸ線を単結晶に入射し回析させ、その平行度の良
い回析線を鋼板に入射する平行Ｘ線として用いて評価す
ること、回析強度曲線を測定するさいの回転軸を鋼板の
圧延方向とすることも特徴とする。
するものであって、重量でＳｉを０．８〜４．８％含有
する方向性電磁鋼板の歪評価法において、発散角１００
秒以下の平行Ｘ線を鋼板に入射し回析強度曲線を測定
し、その半価幅により材料の内部歪を評価することを特
徴とする方向性電磁鋼板の歪評価法である。またここに
おいてＸ線を単結晶に入射し回析させ、その平行度の良
い回析線を鋼板に入射する平行Ｘ線として用いて評価す
ること、回析強度曲線を測定するさいの回転軸を鋼板の
圧延方向とすることも特徴とする。
【０００５】
【作用】本発明者は基本的前提としてＸ線の回析強度曲
線を内部歪の測定に利用することを考え、現在問題とな
る方向性電磁鋼板製品の磁気特性レベルとの対応を評価
した。その結果、通常鉄鋼材料に用いられるＸ線回析装
置では方向性電磁鋼板を評価することはできないこと、
方向性電磁鋼板の内部歪を評価するためには入射Ｘ線の
角度分解能を高め、１００秒以下のオーダーの半価幅で
差を検出する必要があることを見い出した。以下、詳細
に説明する。
線を内部歪の測定に利用することを考え、現在問題とな
る方向性電磁鋼板製品の磁気特性レベルとの対応を評価
した。その結果、通常鉄鋼材料に用いられるＸ線回析装
置では方向性電磁鋼板を評価することはできないこと、
方向性電磁鋼板の内部歪を評価するためには入射Ｘ線の
角度分解能を高め、１００秒以下のオーダーの半価幅で
差を検出する必要があることを見い出した。以下、詳細
に説明する。
【０００６】本発明者はまず方向性電磁鋼板製品の結晶
の完全性を評価した。方向性電磁鋼板は従来、平均数度
の方位分散をもつ多結晶体であることは知られている
が、その各単結晶粒を詳細に調査した結果０．１度オー
ダーのサブグレインに分かれていることを見い出した
（Ｊ．Ｍａｔ．Ｅｎｇ．１３（１９９１）ｐ．１１３〜
１１８）。この知見ともとに、さらにこれらのサブグレ
インの分散やサブグレインごとの結晶の完全性等と磁歪
（磁気特性のなかで特に重要）との関係の研究を行っ
た。その結果、各サブグレインの回析強度曲線の半価幅
が磁歪特性と密接な関係があることを見い出した。
の完全性を評価した。方向性電磁鋼板は従来、平均数度
の方位分散をもつ多結晶体であることは知られている
が、その各単結晶粒を詳細に調査した結果０．１度オー
ダーのサブグレインに分かれていることを見い出した
（Ｊ．Ｍａｔ．Ｅｎｇ．１３（１９９１）ｐ．１１３〜
１１８）。この知見ともとに、さらにこれらのサブグレ
インの分散やサブグレインごとの結晶の完全性等と磁歪
（磁気特性のなかで特に重要）との関係の研究を行っ
た。その結果、各サブグレインの回析強度曲線の半価幅
が磁歪特性と密接な関係があることを見い出した。
【０００７】図１に板厚０．３５ｍｍの方向性電磁鋼板
製品の回析強度曲線の半価幅と磁歪特性を示す。図１よ
り、回析強度曲線の半価幅によって方向性電磁鋼板にお
いて問題をなる磁歪特性の差異が充分評価できることが
わかる。図１より、方向性電磁鋼板の磁歪の好ましい範
囲である５×１０-6以下とするためには、半価幅を１０
０秒以下にする必要があることがわかる。
製品の回析強度曲線の半価幅と磁歪特性を示す。図１よ
り、回析強度曲線の半価幅によって方向性電磁鋼板にお
いて問題をなる磁歪特性の差異が充分評価できることが
わかる。図１より、方向性電磁鋼板の磁歪の好ましい範
囲である５×１０-6以下とするためには、半価幅を１０
０秒以下にする必要があることがわかる。
【０００８】図２に本発明で用いた測定系を示す。図中
１はＸ線の径路、２はＳｉ単結晶、３は試料、４は検出
器（シンチレーションカウンター等）、５は試料、検出
器の回転軸である。Ｘ線源としてはＭｏターゲットを用
いたローターターゲット型の発生装置を用い、Ｓｉ単結
晶２の｛６２０｝非対称反射を利用することにより入射
Ｘ線の角度発散を約３秒に低減させた。この平行度の優
れたＸ線を試料３に入射し、試料と検出器をそれぞれθ
と２θ回転させ回析強度曲線の測定を行った。また、磁
歪特性は圧縮応力（０．３ｋｇ／ｍｍ2 ）付与下で最大
磁束密度１．９Ｔでの測定値を用いた。
１はＸ線の径路、２はＳｉ単結晶、３は試料、４は検出
器（シンチレーションカウンター等）、５は試料、検出
器の回転軸である。Ｘ線源としてはＭｏターゲットを用
いたローターターゲット型の発生装置を用い、Ｓｉ単結
晶２の｛６２０｝非対称反射を利用することにより入射
Ｘ線の角度発散を約３秒に低減させた。この平行度の優
れたＸ線を試料３に入射し、試料と検出器をそれぞれθ
と２θ回転させ回析強度曲線の測定を行った。また、磁
歪特性は圧縮応力（０．３ｋｇ／ｍｍ2 ）付与下で最大
磁束密度１．９Ｔでの測定値を用いた。
【０００９】以上の結果より、方向性電磁鋼板の内部歪
を評価するためには、入射Ｘ線の角度分散および試料の
回転を制御して１００秒以下の半価幅が測定できる精度
で回析強度曲線を測定するシステムを構成することが必
要であることがわかる。特に、入射Ｘ線の角度分散を制
御する方法を限定する必要はないが、Ｓｉ、Ｇｅ、Ｆｅ
−Ｓｉ等の完全性の良い単結晶に入射し回析させ、その
平行度の良い回析線を試料の入射線とした方法は装置系
を小型化するうえで有効である。
を評価するためには、入射Ｘ線の角度分散および試料の
回転を制御して１００秒以下の半価幅が測定できる精度
で回析強度曲線を測定するシステムを構成することが必
要であることがわかる。特に、入射Ｘ線の角度分散を制
御する方法を限定する必要はないが、Ｓｉ、Ｇｅ、Ｆｅ
−Ｓｉ等の完全性の良い単結晶に入射し回析させ、その
平行度の良い回析線を試料の入射線とした方法は装置系
を小型化するうえで有効である。
【００１０】また、方向性電磁鋼板は通常コイル状で仕
上げ焼鈍され、そのさいに二次再結晶現象を利用して結
晶方位制御される。その場合、方向性電磁鋼板のサブグ
レインにはコイルセットの影響で圧延方向と直角方向を
回転軸とする角度分散を持ち込んでしまう。従って、こ
のようなコイル状の形態で方位制御を行った場合には、
コイルセットの影響を受けない圧延方向を回転軸として
回析強度曲線を測定する必要がある。すなわち図２にお
いて試料３の回転の回転軸５の方向を圧延方向にすれば
よい。
上げ焼鈍され、そのさいに二次再結晶現象を利用して結
晶方位制御される。その場合、方向性電磁鋼板のサブグ
レインにはコイルセットの影響で圧延方向と直角方向を
回転軸とする角度分散を持ち込んでしまう。従って、こ
のようなコイル状の形態で方位制御を行った場合には、
コイルセットの影響を受けない圧延方向を回転軸として
回析強度曲線を測定する必要がある。すなわち図２にお
いて試料３の回転の回転軸５の方向を圧延方向にすれば
よい。
【００１１】
【実施例】仕上げ焼鈍後の方向性電磁鋼板製品（０．３
５ｍｍ厚）に歪取り焼鈍として、（１）５００℃、
（２）７００℃、（３）８００℃で１時間焼鈍して磁歪
特性および回析強度曲線を測定した。表１に結果を示し
たが、焼鈍温度を高めることにより内部歪が低下し、半
価幅が小さくなっている。これにより磁歪特性が向上、
すなわち磁歪が小さくなり、７００℃以上の焼鈍温度で
は好ましい範囲になっている。
５ｍｍ厚）に歪取り焼鈍として、（１）５００℃、
（２）７００℃、（３）８００℃で１時間焼鈍して磁歪
特性および回析強度曲線を測定した。表１に結果を示し
たが、焼鈍温度を高めることにより内部歪が低下し、半
価幅が小さくなっている。これにより磁歪特性が向上、
すなわち磁歪が小さくなり、７００℃以上の焼鈍温度で
は好ましい範囲になっている。
【００１２】
【表１】
【００１３】
【発明の効果】方向性電磁鋼板の磁気特性（磁歪、鉄損
等）は材料の内部歪が大きく影響する。本発明法によ
り、方向性電磁鋼板の磁気特性のばらつきに対応するレ
ベルの内部歪を定量的に評価することが可能になった。
これにより製造の操業条件の管理および製品の品質管理
が可能となる。
等）は材料の内部歪が大きく影響する。本発明法によ
り、方向性電磁鋼板の磁気特性のばらつきに対応するレ
ベルの内部歪を定量的に評価することが可能になった。
これにより製造の操業条件の管理および製品の品質管理
が可能となる。
【図１】本発明法で測定した方向性電磁鋼板の回析強度
曲線の半価幅と磁歪特性との関係を示すグラフ
曲線の半価幅と磁歪特性との関係を示すグラフ
【図２】測定系の構成の例を示す図
１ Ｘ線の経路 ２ Ｓｉ単結晶 ３ 試料 ４ 検出器 ５ 回転軸
Claims (3)
- 【請求項１】 重量でＳｉを０．８〜４．８％含有する
方向性電磁鋼板の歪評価法において、発散角１００秒以
下の平行Ｘ線を鋼板に入射し回析強度曲線を測定し、そ
の半価幅により材料の内部歪を評価することを特徴とす
る方向性電磁鋼板の歪評価法。 - 【請求項２】 Ｘ線を単結晶に入射し回析させ、その平
行度の良い回析線を鋼板に入射する平行Ｘ線として用い
ることを特徴とする請求項１記載の方向性電磁鋼板の歪
評価法。 - 【請求項３】 回析強度曲線を測定するさいの回転軸を
鋼板の圧延方向とすることを特徴とする請求項１または
２記載の方向性電磁鋼板の歪評価法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7122955A JPH08297104A (ja) | 1995-04-25 | 1995-04-25 | 方向性電磁鋼板の歪評価法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7122955A JPH08297104A (ja) | 1995-04-25 | 1995-04-25 | 方向性電磁鋼板の歪評価法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08297104A true JPH08297104A (ja) | 1996-11-12 |
Family
ID=14848769
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7122955A Withdrawn JPH08297104A (ja) | 1995-04-25 | 1995-04-25 | 方向性電磁鋼板の歪評価法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08297104A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2021156980A1 (ja) * | 2020-02-05 | 2021-08-12 | 日本製鉄株式会社 | 方向性電磁鋼板 |
| WO2021156960A1 (ja) * | 2020-02-05 | 2021-08-12 | 日本製鉄株式会社 | 方向性電磁鋼板 |
-
1995
- 1995-04-25 JP JP7122955A patent/JPH08297104A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2021156980A1 (ja) * | 2020-02-05 | 2021-08-12 | 日本製鉄株式会社 | 方向性電磁鋼板 |
| WO2021156960A1 (ja) * | 2020-02-05 | 2021-08-12 | 日本製鉄株式会社 | 方向性電磁鋼板 |
| JPWO2021156980A1 (ja) * | 2020-02-05 | 2021-08-12 | ||
| JPWO2021156960A1 (ja) * | 2020-02-05 | 2021-08-12 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020702 |