JPH0829627A - 光ケーブルの引留め具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 テンションメンバが中心に設けられている光
ケーブルを簡単に引き留めることのできる光ケーブルの
引留め具を提供する。 【構成】 光ケーブル２０を引き込む光ケーブル引込口
４と、光ケーブル２０の端部から引き出された光ファイ
バ２３を引き出す光ファイバ引出口９を有するパイプ状
の引留め具本体１と、引留め具本体１の光ファイバ２３
を引き出す光ファイバ引出口９には可撓性パイプ７が連
結され、且つ引留め具本体１は光ケーブル２０の端部か
ら引き出されたテンションメンバ２１を固定するテンシ
ョンメンバ固定部１１と引留め具本体１を他の部材に固
定する引留め具本体固定部１５とを有することを特徴と
する。 【効果】 テンションメンバが中心に設けられている硬
い光ケーブルの端末からから引き出された光ファイバを
引留め具本体に設けられた可撓性パイプから引出すの
で、狭いスペースでも可撓性パイプを引き回すことが可
能となり、光成端箱を既設の光配線機器の内部に収納す
ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光通信に用いられる光
ケーブルを光機器に引き込む際に使用される光ケーブル
の引留め具に関する。

【０００２】

【従来の技術】光ケーブルは光ケーブル内部の光ファイ
バを外部からの圧力や曲げによって損傷することを防
ぎ、光ファイバを保護することを目的として、例えば図
５に示すような構造をしている。２０は光ケーブルで、
２１は鋼線等からなるテンションメンバ、２２は、例え
ば適宜間隔で溝の向きが反転するＳＺ溝を有するＦＲＰ
樹脂からなるスペーサ、２３はスペーサ２２のＳＺ溝内
に挿入された光ファイバ、２４はスペーサ２２のＳＺ溝
内に必要により充填されている防水用ジュリー、２５は
押さえ巻、２６はＰＥ等からなるシースである。

【０００３】光ケーブル２０の構造は上記に示したもの
以外に種々の種類がある。しかし、光ケーブル２０にと
って、テンションメンバ２１は不可欠な部材である。こ
のテンションメンバ２１は、光ケーブル２０に加わる張
力が直接光ケーブル２０内の光ファイバ２３に加わらな
いようにその張力を肩代わりする役目を果している。光
ケーブル２０に張力が加わる要素としては、ケーブル敷
設時に光ケーブル２０を牽引するために生じる張力の他
に、ケーブル敷設後に光ケーブル２０の熱膨張や収縮に
よって生じる張力がある。

【０００４】このため、一般には光ケーブル２０を敷設
した後は、この光ケーブル２０の端部のテンションメン
バ２１を図示していない光成端箱等の内部に固定して光
ファイバ２３に張力が加わらないようにしている。ま
た、光ケーブル２０は光ファイバ２３を浸水等から守る
ためにシース２６を有している。従って、光ケーブル２
０の端末部においてもこの防水性を維持するために、光
成端箱等は防水構造となっており、光ケーブル２０の導
入口はゴム性のパッキン等で光ケーブルのシース２６を
保持して防水性を持たせている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、光成端箱は
光ケーブル２０の端部から引き出された光ファイバ２３
を他の光ファイバ等に接続する際の接続余長等を収納す
るもので、この光成端箱を既設の光配線機器に内蔵させ
るにはできるだけコンパクトな構造とすることが望まし
い。

【０００６】しかし、従来の光成端箱は光ケーブル２０
のテンションメンバ２１を引き留めるための固定具が必
須であったため、コンパクト化には限界があった。ま
た、光ケーブル２０には硬いテンションメンバ２１が中
心に設けられているので可撓性がない。そのため、ケー
ブルに余長を持たせる等の観点から光ケーブル２０を曲
げるためには広いスペースが必要となり、既設の光配線
機器に内蔵するうえで不都合であった。即ち、広いスペ
ースがない場合は光成端箱を設置する位置が限定され
る。以上のような、問題点があったため、光成端箱を既
設の光配線機器の内部に収納することは事実上不可能で
あって、コンパクトな光配線機器内蔵型の光成端箱の開
発が望まれている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題を解
決し、テンションメンバが中心に設けられている光ケー
ブルを簡単に引き留めることのできる光ケーブルの引留
め具を提供することを目的とする。上記の目的を達成す
るために、本発明は以下のような手段を有している。

【０００８】本発明のうち請求項１の光ケーブルの引留
め具は、光ケーブルを引き込む光ケーブル引込口と前記
光ケーブルの端部から引き出された光ファイバを引き出
す光ファイバ引出口を有するパイプ状の引留め具本体
と、前記引留め具本体の光ファイバを引き出す光ファイ
バ引出口には可撓性パイプが連結され、且つ前記引留め
具本体は前記光ケーブルの端部から引き出されたテンシ
ョンメンバを固定するテンションメンバ固定部と前記引
留め具本体を他の部材に固定する引留め具本体固定部と
を有することを特徴とする。

【０００９】本発明のうち請求項２の光ケーブルの引留
め具は、光ケーブルの端部から引き出された光ファイバ
を引き出す光ファイバ引出口は光ファイバ引出口用パイ
プに設けられたことを特徴とする。

【００１０】本発明のうち請求項３の光ケーブルの引留
め具は、光ケーブルの端部から引き出されたテンション
メンバを固定するテンションメンバ固定部を引留め具本
体に設けられたテンションメンバ引出部に有することを
特徴とする。

【００１１】本発明のうち請求項４の光ケーブルの引留
め具は、光テンションメンバ引出部はテンションメンバ
引出用パイプに設けられたことを特徴とする。

【００１２】本発明のうち請求項５の光ケーブルの引留
め具は、光ケーブルの端部から引き出された光ファイバ
を引き出す光ファイバ引出口を複数有することを特徴と
する。

【００１３】

【作用】本発明のうち請求項１〜５の光ケーブルの引留
め具によれば、テンションメンバが中心に設けられてい
る硬い光ケーブルの端末から可撓性のある光ファイバを
分離して引出し、且つ引き出された光ファイバを引留め
具本体に設けられた可撓性パイプから引出すので、狭い
スペースでも可撓性パイプを引き回すことが可能とな
り、光成端箱を既設の光配線機器の内部に収納すること
が可能となる。また、光ケーブルの端部から光ファイバ
とは別個に引き出された硬いテンションメンバは、引留
め具本体に設けられたテンションメンバ固定部に固定さ
れるので、テンションメンバを光成端箱や光配線機器等
に留める必要がなくなり、テンションメンバを有する光
ケーブルの端末の引き留め作業が容易となる。

【００１４】本発明のうち請求項２の光ケーブルの引留
め具によれば、光ケーブルの端部から引き出された光フ
ァイバを引き出す光ファイバ引出口は光ファイバ引出口
用パイプに設けられているので、引留め具からの光ファ
イバの引出しがより容易となるとともに、光ファイバ引
出口への可撓性パイプの連結が容易となる。

【００１５】本発明のうち請求項３の光ケーブルの引留
め具によれば、光ケーブルの端部から引き出されたテン
ションメンバを固定するテンションメンバ固定部を引留
め具本体に設けられたテンションメンバ引出部に有する
ので、テンションメンバをテンションメンバ固定部に固
定する際、一端テンションメンバをテンションメンバ引
出部から外部に引き出すことができる。その結果、テン
ションメンバをテンションメンバ固定部に固定する作業
がやり易くなる。

【００１６】本発明のうち請求項４の光ケーブルの引留
め具によれば、光テンションメンバ引出部はテンション
メンバ引出用パイプに設けられているので、光ケーブル
の端部から引き出されたテンションメンバをテンション
メンバ引出用パイプから引き出すことができるのでテン
ションメンバを外部に引き出す作業がよりやり易くな
る。

【００１７】本発明のうち請求項５の光ケーブルの引留
め具によれば、光ケーブルの端部から引き出された光フ
ァイバを引き出す光ファイバ引出口は複数有しているの
で、光ファイバの配線先毎に引き出すことが可能とな
り、光ファイバの配線作業がやり易くなる。

【００１８】

【実施例】

（実施例１）以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。尚、従来のものと同様のものについては、従来のも
のと同符号を付して詳細な説明は省略する。

【００１９】図１は本発明の光ケーブルの引留め具で、
１は引留め具本体である。引留め具本体１は金属、例え
ば鉄でできた円筒状のパイプである。引留め具本体１の
中程に同じく金属、例えば鉄でできた円筒状のパイプが
中空同志が導通した状態でトの字状に分岐して接続され
ており、これが光ファイバ引出口用パイプ２である。引
留め具本体１の後方端部（図１において右側端部）はテ
ンションメンバ引出口用パイプ３となっていて、本実施
例では引留め具本体１と同体のパイプで構成されてい
る。

【００２０】引留め具本体１の先端部（図１において左
側）は光ケーブル２０の光ケーブル引込口４で、光ケー
ブル引込口４には光ケーブル２０を保持するケーブルグ
ラント５が螺着されている。６は光ケーブル２０を気密
に保持するゴムパッキンである。トの字状に分岐した光
ファイバ引出口用パイプ２の先端にはプラスチック製の
可撓性パイプ７を連接するケーブルグラント８が光ファ
イバ引出口９に螺着されている。１０は可撓性パイプ７
を気密に保持するゴム性のパッキンである。

【００２１】テンションメンバ引出口用パイプ３の先端
（図において右端）にはテンションメンバ２１を固定す
るためのメッセン止め１１が設けられている。メッセン
止め１１は図２に示すようにパイプ中空を２分割するよ
うに張り渡された鉄製の板状の部材で、該部材はテンシ
ョンメンバ引出口用パイプ３に溶着されている。１２は
テンションメンバ２１をメッセン止め１１に押さえる押
さえ板、１３は押さえ板１２をメッセン止め１１に固定
するビスである。１４はテンションメンバ引出口用パイ
プ３の先端を封止するキャップである。１５はブラケッ
トである。ブラケット１５は引留め具本体１を図示され
ていない光配線機器等に固定するためのもので、図３に
示すようにＬ字状のアングルの一方の辺には、ブラケッ
ト１５を光配線機器等に固定するためのボルト穴１５Ａ
が、他方の辺には引留め具本体１を保持するための円筒
状の引留め具本体固定部１５Ｂが溶着されている。１５
Ｃは引留め具本体１をブラケット１５に固定するための
ボルトである。

【００２２】（実施例２）図４は引留め具本体１を図示
されていない光配線機器等に固定するためのブラケット
１６の他の例で引留め具本体１を保持するための円筒状
の引留め具本体固定部１６Ａが２個設けられたもので、
この例では引留め具本体１を２個同時に固定することが
できる。他の部分はブラケット１５と同様につき詳細な
説明を省略する。

【００２３】（実施例３）上記実施例１の光ケーブルの
引留め具は、光ファイバを引き出す光ファイバ引出口は
１個しか有していないが複数有するようにしても良い。
複数有している場合は光ファイバの配線先毎に引き出す
ことが可能となり、光ファイバの配線作業がやり易くな
る。

【００２４】以下に本発明の光ケーブルの引留め具に光
ケーブルを引き留めるやり方について説明する。光ケー
ブル２０の端部のシース２６、押さえ巻２５を所定長さ
はぎ取り、スペーサ２２に挿入されている光ファイバ２
３をスペーサ２２から引き出す。更にスペーサ２２の樹
脂を所定長剥ぎ取ってテンションメンバ２１を露出させ
る。

【００２５】次いで、上記光ケーブル２０の端部に予め
ケーブルグラント５、ゴムパッキン６を装着し、テンシ
ョンメンバ２１、光ファイバ２３及びスペーサ２２を引
留め具本体１の光ケーブル引込口４に挿入する。光ケー
ブル引込口４に挿入された光ファイバ２３は光ファイバ
引出口９に設けられた光ファイバ引出口用パイプ２の先
端から引き出される。また、光ケーブル引込口４に挿入
されたテンションメンバ２１はテンションメンバ引出口
用パイプ３から引き出される。

【００２６】以上のように所定の部材が配置された後、
光ケーブル２０の端部に装着したケーブルグラント５を
ゴムパッキン６を介して引留め具本体１の光ケーブル引
込口４に螺着し気密に固定する。次いで、テンションメ
ンバ引出口用パイプ３から引き出されたテンションメン
バ２１の端部をメッセン止め１１に押さえ板１２とビス
１３で固定し、テンションメンバ引出口用パイプ３の先
端にキャップ１４を螺着してテンションメンバ引出口用
パイプ３の先端を封止する。

【００２７】更に、光ファイバ引出口用パイプ２の先端
から引き出された光ファイバ２３を光ファイバ引出口用
パイプ２に連接する可撓性パイプ７に導き、可撓性パイ
プ７のケーブルグラント８をパッキン１０を介して螺着
して光ファイバ引出口用パイプ２と可撓性パイプ７を気
密に連接する。最後に光ケーブル２０を引き留めた引留
め具本体１を光配線機器等の所定の部分にブラケット１
５で固定する。

【００２８】以上説明したように、テンションメンバが
中心に設けられている硬い光ケーブルの端末から引き出
された光ファイバを引留め具本体に設けられた可撓性パ
イプから引出すので、狭いスペースでも可撓性パイプを
引き回すことが可能となる。

【００２９】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項１〜
５の光ケーブルの引留め具によれば、テンションメンバ
が中心に設けられている硬い光ケーブルの端末からから
引き出された光ファイバを引留め具本体に設けられた可
撓性パイプから引出すので、狭いスペースでも可撓性パ
イプを引き回すことが可能となり、光成端箱を既設の光
配線機器の内部に収納することが可能となる。

【００３０】また、光ケーブルの端部から引き出された
テンションメンバは引留め具本体に設けられたテンショ
ンメンバ固定部に固定されるので、テンションメンバを
光成端箱や光配線機器等に留める必要がなくなり、テン
ションメンバを有する光ケーブルの端末の引き留め作業
が容易となる。

【００３１】本発明の請求項２の光ケーブルの引留め具
によれば、光ケーブルの端部から引き出された光ファイ
バを引き出す光ファイバ引出口は光ファイバ引出口用パ
イプに設けられているので、引留め具からの光ファイバ
の引出しがより容易となるとともに、光ファイバ引出口
に連結する可撓性パイプの接続作業が容易となる。

【００３２】本発明の請求項３の光ケーブルの引留め具
によれば、光ケーブルの端部から引き出されたテンショ
ンメンバを固定するテンションメンバ固定部を引留め具
本体に設けられたテンションメンバ引出部に有するの
で、テンションメンバをテンションメンバ固定部に固定
する際、一端テンションメンバをテンションメンバ引出
部から外部に引き出すことができるので、テンションメ
ンバをテンションメンバ固定部に固定する作業がやり易
くなる。

【００３３】本発明の請求項４の光ケーブルの引留め具
によれば、光テンションメンバ引出部はテンションメン
バ引出用パイプに設けられているので、光ケーブルの端
部から引き出されたテンションメンバをテンションメン
バ引出用パイプから引き出すことができるのでテンショ
ンメンバを外部に引き出す作業がよりやり易くなる。

【００３４】本発明の請求項５の光ケーブルの引留め具
によれば、光ケーブルの端部から引き出された光ファイ
バを引き出す光ファイバ引出口を複数有しているので、
光ファイバの配線先毎に引き出すことが可能となり、光
ファイバの配線作業がやり易くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光ケーブルの引留め具の一部を断面図
にした正面図である。

【図２】本発明の光ケーブルの引留め具のテンションメ
ンバ引出口用パイプの部分を示した側面図である。

【図３】本発明の光ケーブルの引留め具のブラケットの
一例を示した正面図である。

【図４】本発明の光ケーブルの引留め具のブラケットの
他の例を示した正面図である。

【図５】本発明の対象とする光ケーブルの一例を示した
断面図である。

【符号の説明】 １ 引留め具本体 ２ 光ファイバ引出口用パイプ ３ テンションメンバ引出口用パイプ ４ 光ケーブル引込口 ７ 可撓性パイプ ９ 光ファイバ引出口 １１ メッセン止め １５、１６ ブラケット ２０ 光ケーブル ２１ テンションメンバ ２２ スペーサ ２３ 光ファイバ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ケーブルを引き込む光ケーブル引込口
   と、前記光ケーブルの端部から引き出された光ファイバ
   を引き出す光ファイバ引出口を有するパイプ状の引留め
   具本体と、前記引留め具本体の光ファイバを引き出す光
   ファイバ引出口には可撓性パイプが連結され、且つ前記
   引留め具本体は、前記光ケーブルの端部から引き出され
   たテンションメンバを固定するテンションメンバ固定部
   と前記引留め具本体を他の部材に固定する引留め具本体
   固定部とを有することを特徴とする光ケーブル引留め
   具。
2. 【請求項２】 光ケーブルの端部から引き出された光フ
   ァイバを引き出す光ファイバ引出口は、光ファイバ引出
   口用パイプに設けられたことを特徴とする請求項１記載
   の光ケーブルの引留め具。
3. 【請求項３】 テンションメンバ固定部を引留め具本体
   に設けられたテンションメンバ引出部に有することを特
   徴とする請求項１乃至請求項２記載の光ケーブルの引留
   め具。
4. 【請求項４】 テンションメンバ引出部はテンションメ
   ンバ引出用パイプに設けられたことを特徴とする請求項
   ３記載の光ケーブルの引留め具。
5. 【請求項５】 光ケーブルの端部から引き出された光フ
   ァイバを引き出す光ファイバ引出口を複数有することを
   特徴とする請求項１乃至請求項２記載の光ケーブルの引
   留め具。