JPH08296076A - 過酸化水素水の製造方法及び装置 - Google Patents

過酸化水素水の製造方法及び装置

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JPH08296076A
JPH08296076A JP7120574A JP12057495A JPH08296076A JP H08296076 A JPH08296076 A JP H08296076A JP 7120574 A JP7120574 A JP 7120574A JP 12057495 A JP12057495 A JP 12057495A JP H08296076 A JPH08296076 A JP H08296076A
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Takahiro Ashida
高弘 芦田
Yoshinori Nishiki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水処理用として有効な過酸化水素をオンサイ
トでかつ原料の輸送等を必要とすることなく製造できる
方法及び装置を提供する。 【構成】 原料の海水1を第1電解槽4に供給してアル
カリ水溶液と酸性塩水を電解製造し、得られたアルカリ
水溶液と酸素含有ガスを供給しながら第2電解槽7で水
の電解を行なって過酸化水素を含有するアルカリ水溶液
を製造し、必要に応じて得られた過酸化水素含有アルカ
リ水溶液を前記酸性塩水と混合タンク9で混合して中性
の過酸化水素水を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩水、主として海水を
原料として過酸化水素水を電気化学的に製造する方法及
び装置に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】過酸化水素は、食品、医薬
品、パルプ、繊維、半導体工業において不可欠の基礎薬
品として有用であり、従来はアントラキノン法により合
成されている。従来から、例えば冷却水として海水を使
用する発電所や工場では、復水器内部への生物付着を防
止するために、海水を直接電解して次亜塩素酸を生成さ
せ、該次亜塩素酸を有効利用することが試みられてい
る。しかし次亜塩素酸をそのまま放流することは次亜塩
素酸自体、及び分解により生成する有機塩素化合物や塩
素ガスが有毒で環境保全上問題があり、その規制が強化
されつつある。
【0003】一方微量の過酸化水素を前記冷却水中に添
加すると、良好な生物付着防止効果があることが報告さ
れ、又養魚場の水質維持にも過酸化水素の添加が効果的
であるという報告がなされている。しかも過酸化水素は
分解しても無害な水と酸素に変換されるのみで環境衛生
上の問題も生じない。しかしながら過酸化水素は不安定
であり、長期間の保存が不可能であるため、又輸送に伴
う安全性、汚染対策の面から、オンサイト型装置の需要
が高まっている。
【0004】このような要請に応えるために従来から種
々の過酸化水素の製法が提案されている。米国特許第3,
592,749 号には数種類の電解装置が提案され、又米国特
許第4,384,931 号にはアルカリ性過酸化水素水の製法と
してイオン交換膜を用いる電解法が開示されている。更
に米国特許第3,969,201 号には三次元構造のカーボン陰
極とイオン交換膜から成る過酸化水素の製造装置が記載
されているが、得られる過酸化水素の濃度に対してアル
カリ濃度が大きくなり、用途に制限が生ずる。更に特公
昭59−15990 号には多孔性の隔膜材料と疎水性カーボン
陰極を用いる過酸化水素の製法が開示されているが、こ
れらの方法では陽極室から陰極室への電解質溶液の移行
量や速度の制御が困難で運転が煩雑である。
【0005】又陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜を用
いて3室に区画した電解槽の中間室に硫酸を供給し酸性
の過酸化水素水を安定的に得る方法〔Journal of Elect
rochemical Society, vol.130, p1117(1983)〕や陽極と
して膜と電極の接合体を使用することにより高性能で過
酸化水素を得る方法が提案されている。しかしながらこ
れらの方法では電力原単位が掛かり経済性に問題があ
る。しかもこれらの方法ではいずれも過酸化水素がアル
カリ水溶液雰囲気で効率良く得られるため、原料として
のアルカリ成分を供給する必要があり、この大量のアル
カリ水溶液の輸送にも問題がある。このように現在に至
っても十分に満足できる電解による過酸化水素製造方法
及び装置は得られていない。
【0006】
【発明の目的】本発明は、塩水を原料としてオンサイト
で過酸化水素を高効率で製造するための方法及び装置を
提供することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明は、塩水を電解
してアルカリ水溶液を製造し、該アルカリ水溶液及び酸
素含有ガスを加えながら水を電解して過酸化水素を含む
アルカリ水溶液を製造することを特徴とする過酸化水素
水の製造方法、及び該方法に使用可能な過酸化水素水の
製造装置である。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。本発明で
は、第1段階として塩化ナトリウム水溶液や塩化カリウ
ム水溶液等の塩水、好ましくは海水を電解してアルカリ
水溶液を製造し、第2段階として第1段階で得られたア
ルカリ水溶液及び酸素含有ガスを添加しながら水を電解
して過酸化水素を含むアルカリ水溶液を得る。この第2
段階で第1段階で生成したアルカリ水溶液を添加するの
は過酸化水素の生成効率を高めるためである。即ち中
性、酸性域では、単にO2 の4電子還元つまりO2 +2
2 0+4e→4OH- が進行し、H2 2 を得ること
が困難になる。なおアルカリ水溶液の濃度が高過ぎると
生成苛性ソーダは問題がないが、アルカリ濃度が高いた
めにその用途が限られることがある。
【0009】第1電解槽は、2枚のイオン交換膜を使用
して電解槽を陽極室−中間室−陰極室の3室に区画した
3室型電解槽でも、1枚のイオン交換膜を使用して陽極
室と陰極室に区画した2室型電解槽のいずれでも良い。
3室型電解槽を使用する場合には陽極室と中間室を陰イ
オン交換膜を使用して区画し陰極室と中間室を陽イオン
交換膜を使用して区画し、中間室に塩水を供給しながら
通電を行なう。中間室に供給された塩水中のナトリウム
イオン等が陽イオン交換膜を透過して陰極室に達し、水
の電解還元により生成する水酸イオンと結合して水酸化
アルカリを生成し、陰極液がアルカリ水溶液となる。な
おこの通常の陰極反応では水素が発生するが、酸素ガス
を供給しながら電解を進行させることにより水素を水に
変換して水素の発生を抑制して槽電圧の低減を図ること
ができる。
【0010】一方中間室に供給される塩水中の塩素イオ
ンは陰イオン交換膜を透過して陽極室に達し、塩素ガス
や次亜塩素酸を発生する。塩素ガスや次亜塩素酸の生成
を望まない場合は中間室と陽極室を区画するイオン交換
膜として陽イオン交換膜を使用すれば良く、塩素イオン
は陽極室へも陰極室へも透過できず、陽極側から供給さ
れる水素イオンと共に塩酸になり酸性塩水として中間室
から排出される。この陽イオン交換膜で陽極室と中間室
を区画する態様では、陽極室で通常の水の電解酸化によ
る酸素発生が生じるが、前述の陰極反応と同様に水素ガ
スを供給しながら電解を進行させることにより発生する
酸素を水に変換して酸素の発生を抑制して槽電圧の低減
を図ることができる。前記第1電解槽における陽極反応
及び陰極反応は次の通りである。 陽極:2H2 0→O2 +4H+ +4e 又は H2
2H+ +2e 陰極:2H2 0+2e→H2 +2OH- 又は O2
2 O+4e→4OH- なお第1電解槽として前述の2室型電解槽を使用する場
合には、塩水を陽極室に供給しながら電解を行ない、陰
極室でアルカリ水溶液を得る。しかし陽極室で塩素ガス
が発生するため、後述するアルカリ性を中和するための
酸性塩水は得られない。
【0011】次いで前記陰極室で生成したアルカリ水溶
液を第2電解槽に供給する。該第2電解槽は、1枚のイ
オン交換膜等の隔膜で陽極室及び陰極室に区画した2室
型電解槽があることが好ましく、隔膜として中性膜又は
陰イオン交換膜を使用する場合には前記アルカリ水溶液
は陽極室及び陰極室のいずれに供給しても良く、隔膜と
して陽イオン交換膜を使用する場合には陰極室に供給す
る。陰極室に酸素含有ガスを供給しながら通電すると下
記の反応式に従って陰極室で過酸化水素が生成する。 陽極:2H2 0→O2 +4H+ +4e 又は H2 →2
+ +2e 陰極:O2 +H2 0+2e→OH- +HO2 - (過酸化
水素)
【0012】第2電解槽で得られる過酸化水素は同時に
生成する水酸イオンを含むアルカリ水溶液に溶解してい
るためアルカリ性水溶液として得られるが、中性領域の
水溶液が望ましい場合には、第1又は第2電解槽の陽極
室で得られる酸性水と混合すれば良い。次に前述の各電
解槽を構成する部材及び運転条件につき説明する。第1
及び第2電解槽とも電極としては通常の板状又は多孔性
電極あるいはガス電極のいずれも使用可能である。陽極
として使用する板状又は多孔性電極である酸素発生陽極
は、チタン、ニオブ、タンタル等の耐食性を有する金
網、粉末焼結体、金属繊維焼結体等の基材上に、白金、
イリジウム、ルテニウム等の貴金属又はそれらの酸化物
から成る触媒を、熱分解法、樹脂による固着法、複合め
っき法等により10〜500 g/m2 程度の担持量になるよ
うに担持して製造できる。
【0013】水素発生陰極の場合も同様に、白金、イリ
ジウム、ルテニウム等の貴金属又はそれらの酸化物から
成る触媒を熱分解法等により、ニッケル焼結体等の基材
上に1〜500 g/m2 程度の担持量になるように担持し
て製造できる。水素ガス陽極の場合は、チタン、ニオ
ブ、タンタル、カーボン等の耐食性を有する網状体、粉
末焼結体、繊維焼結体等の基材上に、白金、イリジウム
等の貴金属又はそれらの酸化物又はカーボンから成る触
媒を、熱分解法、樹脂による固着法、複合めっき法等に
より10〜500 g/m2 程度の担持量になるように担持し
て製造できる。反応生成ガス、液の供給、除去を速やか
に行なうために疎水性や親水性の材料を分散担持するこ
とが好ましい。
【0014】酸素ガス陰極の場合も同様に、ステンレ
ス、ジルコニウム、銀、カーボン等の耐食性を有する網
状体、粉末焼結体、繊維焼結体等の基材上に、金、銀、
白金、イリジウム等の貴金属又はそれらの酸化物及び/
又はカーボンから成る触媒を、熱分解法、樹脂による固
着法、複合めっき法等により10〜500 g/m2 程度の担
持量になるように担持して製造できる。水素ガス陽極の
場合と同様に疎水性や親水性の材料を分散担持すること
が好ましい。使用するイオン交換膜はフッ素樹脂系、炭
化水素樹脂系のいずれでも良いが、耐食性の面から前者
が望ましい。イオン交換膜は、陽極及び陰極で生成した
各イオンが対極で消費されるのを防止するとともに、本
発明のように液の電導度が低い場合でも電解を速やかに
進行させる機能を有する。
【0015】前述のガス電極の場合、イオン交換膜と陰
極の間に陰極液室、陽極と該膜の間に陽極液室を設けて
も良いが、液の電導度が低い場合、槽電圧の増加とな
り、又槽構造が複雑になり、各ガス電極の気液分離性能
が必要となる等不利な点が多い。従って電極をイオン交
換膜に接合する構造が最も好ましい。本発明の場合、陽
極室を実質的なガス室とすることができるが、陰極室で
はアルカリ水溶液や過酸化水素水が生成するため、気液
混合状態となる。電極とイオン交換膜を接合させる必要
がある場合には前もってそれらを機械的に結合させてお
くか、あるいは電解時に圧力を与えれば良い。該圧力と
しては0.1 〜30kgf/cm2 が好ましい。
【0016】原料である水素ガスや酸素ガスは市販ボン
ベを使用しても良いが、別に設置した電解槽で水の電解
により製造したものを使用しても良く、前述の第1電解
槽で発生する水素及び酸素ガスを使用することが最も好
ましい。別に電解槽を設置する場合には、イオン交換膜
の両面に電極を接合し、純水を原料とする電解方式を用
いることが好ましい。経済性の観点からこの電解槽を本
発明の前述の電解槽と一体化することもできる。本発明
の利用分野によっては、この電解槽の陽極からオゾンガ
スを発生させることも可能であり、エネルギーの有効利
用の観点からはこのように構成することが望ましい。水
素の供給量は理論量の1.2 倍程度、酸素の供給量は理論
量の1.2 〜100 倍程度が良い。
【0017】前述の第1電解槽の中間室の厚さは抵抗損
失を低下させるためになるべく薄くすべきであるが、塩
水を供給する際のポンプの圧力損失を小さくし圧力分布
を均一に保つために1〜10mmとするのが好ましく、又
中間室の両側のイオン交換膜が接触しないように絶縁性
及び耐食性の優れたスペーサーを挿入することが好まし
い。該第1電解槽における塩水の分解率が大きくなると
プロトンの濃度が増加し陰極側へのナトリウム等の陽イ
オンの輸率を低下させる。従って前記分解率は40〜80%
に維持することが好ましい。この塩水として海水を使用
する場合、膜特性に悪影響を及ぼすカルシウム、マグネ
シウム、重金属イオン、SS及び固形分を前もって除去
してイオン交換膜を保護することが望ましい。この前処
理としてはストレーナーやフィルターを設ける以外に、
該第1電解槽で生成するアルカリ水溶液の一部を取水口
に注入して前記イオンを沈澱させておくことが効果的で
ありかつ好ましい。
【0018】第1電解槽の運転条件は、温度は5〜40
℃、電流密度は1〜50A/dm2 、中間室への供給塩水
濃度を20〜300 g/リットルとすることが好ましい。こ
のような条件で生成するアルカリ水溶液の濃度が高過ぎ
るときはそのまま使用すると前述した通り逆効果となる
ことがあるため、純水で希釈して第2電解槽で必要なア
ルカリ水溶液濃度に調節することが望ましく、用途にも
依存するがpH10以上、濃度35%以下のアルカリ水溶液
を添加することが好ましい。第2電解槽の材料は耐久性
及び過酸化水素の安定性維持の観点から、ガラスライニ
ング材料、カーボン、耐食性チタン、ステンレス、PT
FE樹脂などが好ましい。なお条件によっては第1及び
第2電解槽を一体化しても良い。
【0019】次に添付図面に基づいて本発明方法及び装
置を例示するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。図1は、本発明方法を例示するフローチャートで
ある。原料である海水1を貯留しかつ固形分を濾過等に
より除去するためのストレーナー2内の前記海水1がポ
ンプ3により第1電解槽4により供給され、該第1電解
槽4で電解されて、アルカリ水溶液と酸性海水が生成す
る。該第1電解槽4で生成したアルカリ水溶液は一部が
循環ライン5を通って前記ストレーナー2に循環され、
残りのアルカリ水溶液は供給ライン6により第2電解槽
7に供給される。該第2電解槽7では通常の水電解が行
なわれるが、該電解槽に供給されたアルカリ水溶液が過
酸化水素の生成を促進し、高濃度の過酸化水素が生成し
過酸化水素を含有するアルカリ水溶液として第2電解槽
7から取り出され、混合用ライン8を通って混合タンク
9へ供給される。一方前記第1電解槽4で生成した酸性
塩水は迂回ライン10を通って前記混合タンク9へ供給さ
れ、前記過酸化水素を含有するアルカリ水溶液と混合さ
れてほぼ中性の過酸化水素水として該混合タンク9から
取り出される。
【0020】図2は、図1の第1電解槽の縦断面図、図
3は、図2の第1電解槽の縦断面図である。第1電解槽
4は、2枚の陽イオン交換膜11及び12により陽極室13、
中間室14及び陰極室15に区画され、前記中間室14には網
状のスペーサー16が収容されている。前記陽極室13側の
陽イオン交換膜11の陽極面側には、チタン等の基材に貴
金属酸化物等の触媒を担持して成る多孔性陽極17が、又
前記陰極室15側の陽イオン交換膜12の陰極面側には、チ
タン等の基材に白金等の触媒を担持して成る多孔性陰極
18が、それぞれ陽イオン交換膜に密着状態で設置されて
いる。陽極室下部及び上部側面には、純水供給口19及び
陽極液及び酸素ガス取出口20がそれぞれ設置され、又中
間室下面及び上面には塩水供給口21及び塩水取出口22が
それぞれ設置され、更に陰極室下部及び上部側面には、
純水供給口23及びアルカリ水溶液取出口24がそれぞれ設
置されている。
【0021】第2電解槽7は、陽イオン交換膜25により
陽極室26及び陰極室27に区画され、前記陽イオン交換膜
25の陽極室側には、チタン等の基材に貴金属酸化物等の
触媒を担持して成る多孔性陽極28が、又前記陽イオン交
換膜25の陰極室側にはチタン等の基材に炭素、金等の触
媒を担持して成る多孔性陰極29が、それぞれ陽イオン交
換膜に密着状態で設置されている。陽極室上部及び下部
側面には、水素ガス及び陽極液供給口30及び陽極液取出
口31がそれぞれ設置され、又陰極室下部及び上部側面に
は、酸素及び前記取出口24から取り出されたアルカリ水
溶液の供給口32及び過酸化水素水を含有するアルカリ水
溶液取出口33がそれぞれ設置されている。両電解槽4及
び7は図1のフローチャートで示した通りに配置され
て、過酸化水素を生成する。
【0022】
【実施例】次に本発明による過酸化水素水の製造の実施
例を記載するが、該実施例は本発明を限定するものでは
ない。
【実施例1】それぞれ電極面積が0.2 dm2 である酸化
イリジウム粉末触媒を被覆した気液透過性のチタン製多
孔性陽極及び酸化ルテニウム粉末触媒を被覆したニッケ
ル製多孔性陰極を電解槽の陽極室及び陰極室に収容し、
前記陽極を陽イオン交換膜ナフィオン117 (デュポン社
製)に密着させかつ前記陰極を陽イオン交換膜ナフィオ
ン350 (デュポン社製)に密着させて両陽イオン交換膜
間に厚さが3mmの中間室を形成した。該中間室にはポ
リプロピレン製の網の積層体をスペーサーとして配設
し、次いで全体を締め付けて図2に示すような第1電解
槽を構成した。
【0023】この第1電解槽の陽極室、中間室及び陰極
室のそれぞれには順に、純水を毎分1cc、30g/リッ
トルの塩化ナトリウム水溶液を毎分10cc及び純水を毎
分3ccの割合で供給しながら、温度40℃、電流1Aで
電解を行なったところ、槽電圧は2.5 Vであり、陰極室
出口からは25g/リットルのアルカリ(水酸化ナトリウ
ム)水溶液が電流効率80%で得られ、又陽極室出口から
は25g/リットルの酸性塩水溶液が電流効率80%で得ら
れた。それぞれ電極面積が0.2 dm2 である白金触媒を
被覆した気液透過性のカーボン製ガス陽極及び金触媒を
被覆したカーボン製ガス陰極を、陽イオン交換膜ナフィ
オン117 (デュポン社製)で区画した電解槽の陽極室及
び陰極室に前記陽イオン交換膜に密着するように収容
し、全体を締め付けて図3に示すような第2電解槽を構
成した。
【0024】この第2電解槽の陽極室には前記第1電解
槽の陰極室で発生した水素に加えて市販の工業用水素ボ
ンベからの水素ガスを合計毎分10ミリリットルで供給
し、一方陰極室には工業用酸素ボンベからの毎分500 ミ
リリットルの酸素ガス及び前記第1電解槽で生成した25
g/リットルのアルカリ水溶液を毎分1ミリリットルの
割合で供給しながら、温度30℃、電流1Aで電解を行な
ったところ、槽電圧は1.5 Vであり、陰極室出口からは
10g/リットルの過酸化水素を含むアルカリ水溶液が電
流効率95%で得られた。該水溶液を前記第1電解槽で生
成した酸性塩水と混合することにより、ほぼ中性の0.5
%過酸化水素水溶液が毎分10ccの割合で得られた。
【0025】
【実施例2】実施例1と同じ第1電解槽を構成し、該第
1電解槽の陽極室、中間室及び陰極室のそれぞれに順
に、純水を毎分1cc、30g/リットルの海水を毎分10
cc及び純水を毎分3ccの割合で供給しながら、温度
40℃、電流2Aで電解を行なったところ、槽電圧は4.5
Vであり、陰極室出口からは25g/リットルのアルカリ
水溶液が電流効率80%で得られ、又陽極室出口からは25
g/リットルの酸性海水が電流効率60%で得られた。こ
のとき生成したアルカリ水溶液の一部を原料海水のタン
クに注入し、カルシウム、マグネシウム及び重金属イオ
ンを沈澱させた。SS及び固形分は前処理としてストレ
ーナーと濾過フィルターにより除去した。
【0026】実施例1と同じ第2電解槽を構成し、該第
2電解槽の陽極室には、前記第1電解槽の陰極室で発生
した水素に加えて市販の工業用水素ボンベからの水素ガ
スを合計毎分10ミリリットルで供給し、一方陰極室には
酸素濃縮装置(日本酸素株式会社製OA−2L)からの
酸素ガス毎分2リットルと25g/リットルの前記第1電
解槽で生成したアルカリ水溶液毎分1ミリリットルの割
合で供給しながら、温度30℃、電流1Aで電解を行なっ
たところ、槽電圧は1.5 Vであり、陰極室出口からは10
g/リットルの過酸化水素を含むアルカリ水溶液がが電
流効率95%で得られた。該水溶液を前記第1電解槽で生
成した酸性塩水と混合することにより、ほぼ中性の0.5
%過酸化水素水溶液が毎分10ccの割合で得られた。
【0027】
【発明の効果】本発明方法は、塩水を電解してアルカリ
水溶液を製造し、該アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを
加えながら水を電解して過酸化水素を含むアルカリ水溶
液を製造することを特徴とする過酸化水素水の製造方法
である。この本発明方法によると、冷却水や養魚場水等
の殺菌に効果のある過酸化水素水が海水等の塩水と純水
のみを原料として使用して製造できる。この過酸化水素
は従来から海水等の冷却水の殺菌用として使用されてい
る次亜塩素酸と異なり分解しやすく残留することが殆ど
なく、しかも分解生成物も水と酸素であるため、環境に
悪影響を与えることがない。
【0028】そして第1段階で製造したアルカリ水溶液
を第2段階で添加して過酸化水素の製造を促進している
ため、過酸化水素製造の電流効率が上昇し、従来と比較
して多量の過酸化水素を得ることができる。又このアル
カリ水溶液はオンサントで製造されるため、輸送上の問
題が生じない。更に本発明方法は電解槽及び原料として
の塩水及び純水以外を必要としないためオンサイト製造
を容易に行なうことができ、製造された過酸化水素をそ
のまま殺菌等に使用できるため過酸化水素の欠点である
分解しやすさも克服できる。又前述の通り原料が塩水と
純水のみであるため、殺菌用として過酸化水素が広く使
用されている海水を冷却水として使用する際の冷却水及
びその装置の場合は純水のみを準備すれば良く、コスト
が殆ど掛からないだけでなく、輸送も容易で輸送時の物
質の分解も考慮する必要がなく、従来の欠点の殆どが解
消された画期的な過酸化水素水の製造方法が提供され
る。
【0029】用途によっては中性の過酸化水素水が必要
な場合もあるが、本発明の3室型電解では酸性塩水も副
生し、この酸性塩水を前述の過酸化水素を含むアルカリ
水溶液と混合することによりほぼ中性の過酸化水素を得
ることができる。本発明装置は、塩水を電解してアルカ
リ水溶液を製造する第1電解槽、及び前記アルカリ水溶
液及び酸素含有ガスを供給しながら電解を行ない過酸化
水素を含むアルカリ水溶液を製造する第2電解槽を含ん
で成ることを特徴とする過酸化水素水の製造装置であ
る。
【0030】この装置を使用すると前述の本発明方法と
同様に従来と比較して多量の過酸化水素を含む水溶液を
得ることができる。そして使用する電極をガス電極と
し、水素ガスや酸素ガスを供給しながら電解を行なうと
それぞれ酸素ガス及び水素ガスの発生を抑制して槽電圧
の低下を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を例示するフローチャート。
【図2】図1の第1電解槽の縦断面図。
【図3】図2の第1電解槽の縦断面図。
【符号の説明】
1・・・海水 2・・・ストレーナー 3・・・ポンプ
4・・・第1電解槽 7・・・第2電解槽 9・・・混合タンク 11、12・・
・陽イオン交換膜 13・・・陽極室 14・・・中間室
15・・・陰極室 16・・・スペーサー 17・・・多孔性
陽極 18・・・多孔性陰極 25・・・陽イオン交換膜
26・・・陽極室 27・・・陰極室 28・・・多孔性陽極 29・・・多孔性
陰極
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】図2は、図1の第1電解槽の縦断面図、図
3は、図1の第2電解槽の縦断面図である。第1電解槽
4は、2枚の陽イオン交換膜11及び12により陽極室13、
中間室14及び陰極室15に区画され、前記中間室14には網
状のスペーサー16が収容されている。前記陽極室13側の
陽イオン交換膜11の陽極面側には、チタン等の基材に貴
金属酸化物等の触媒を担持して成る多孔性陽極17が、又
前記陰極室15側の陽イオン交換膜12の陰極面側には、チ
タン等の基材に白金等の触媒を担持して成る多孔性陰極
18が、それぞれ陽イオン交換膜に密着状態で設置されて
いる。陽極室下部及び上部側面には、純水供給口19及び
陽極液及び酸素ガス取出口20がそれぞれ設置され、又中
間室下面及び上面には塩水供給口21及び塩水取出口22が
それぞれ設置され、更に陰極室下部及び上部側面には、
純水供給口23及びアルカリ水溶液取出口24がそれぞれ設
置されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】図1の第2電解槽の縦断面図。
フロントページの続き (72)発明者 脇田 修平 神奈川県藤沢市辻堂元町5−9−8 (72)発明者 芦田 高弘 神奈川県座間市立野台2−7−6 (72)発明者 錦 善則 神奈川県藤沢市藤沢1丁目1番の23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩水を電解してアルカリ水溶液を製造
    し、該アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを加えながら水
    を電解して過酸化水素を含むアルカリ水溶液を製造する
    ことを特徴とする過酸化水素水の製造方法。
  2. 【請求項2】 塩水を電解して酸性塩水とアルカリ水溶
    液を製造し、該アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを加え
    ながら水を電解して過酸化水素を含むアルカリ水溶液を
    製造し、該過酸化水素を含むアルカリ水溶液と前記酸性
    塩水を混合してpHが5から9の過酸化水素を含む水溶
    液とすることを特徴とする過酸化水素水の製造方法。
  3. 【請求項3】 塩水を電解してアルカリ水溶液を製造す
    る第1電解槽、及び前記アルカリ水溶液及び酸素含有ガ
    スを供給しながら電解を行ない過酸化水素を含むアルカ
    リ水溶液を製造する第2電解槽を含んで成ることを特徴
    とする過酸化水素水の製造装置。
  4. 【請求項4】 第1電解槽が、2枚のイオン交換膜によ
    り多孔性又はガス陽極を有する陽極室、多孔性又はガス
    陰極を有する陰極室及び両極室間に形成される中間室に
    区画され、該中間室に塩水を供給し、陽極室で酸性塩水
    を、陰極室で過酸化水素を含むアルカリ水溶液を得るよ
    うにした請求項3に記載の過酸化水素水の製造装置。
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