JPH08294818A - 歯車研削装置、歯車研削方法および歯車研削用といし - Google Patents

歯車研削装置、歯車研削方法および歯車研削用といし

Info

Publication number
JPH08294818A
JPH08294818A JP10120895A JP10120895A JPH08294818A JP H08294818 A JPH08294818 A JP H08294818A JP 10120895 A JP10120895 A JP 10120895A JP 10120895 A JP10120895 A JP 10120895A JP H08294818 A JPH08294818 A JP H08294818A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grinding
tooth
gear
wheel
grinding wheel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10120895A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Ichiyanagi
伸治 一柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IWASA TEC KK
Original Assignee
IWASA TEC KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IWASA TEC KK filed Critical IWASA TEC KK
Priority to JP10120895A priority Critical patent/JPH08294818A/ja
Publication of JPH08294818A publication Critical patent/JPH08294818A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】同一形状の研削といしで、実用上十分な歯数の
範囲に亘ってかつ歯型面との間で滑りを生じることなく
効率良く研削できる歯車研削方法を提供する。 【構成】 研削用といし11の縁部11aを構成する一
方あるいは他方の研削面11b、11cと内歯歯車2の
歯溝を構成する一方あるいは他方の歯型面2a、2bと
を選択的に接触させ、かつ上記研削面11bと上記歯型
面2aとを歯高方向に転接させることで上記歯型面の研
削を行うものであり、この際、歯型面2aと上記研削面
11bとをそれぞれ所定間隔の複数の点(1〜9および
1´〜9´)に分割し、各点の座標を順に一致させると
共に、各点における法線角度を一致させることで、上記
研削用といし11の研削面11bと上記歯型面2aとを
歯高方向に転接させる方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、歯切りおよび焼き入
れの後に、研削によって歯車を仕上げる歯車研削装置、
歯車研削方法およびこれらに用いる歯車研削用といしに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】歯車のうち、特に高い精度を必要とする
ものについては、歯切り、焼き入れを行った後に歯型面
の研削を行って精密な仕上げを施す必要がある。外歯歯
車については、従来から多くの研削方法が提案され採用
されている。しかし、内歯歯車については、その形状に
起因する制約から、採用し得る研削方法に一定の制限が
ある。
【0003】内歯歯車の研削方法として現在採用されて
いる方法は、大きく分けて「総型といし」を用いて創成
運動を行わずに研削を行う方法と、「皿型といし」を用
いて創成運動によって歯型研削を行う方法である。
【0004】前者の方法は、図19に示すように、縁部
1aがワ−ク2の歯溝の歯型面形状(2a、2b)と全
く同一の形状に成形されてなる円盤状の研削といし1
(総型といし)を用い、この総型といし1を高速で回転
させることで上記歯型面2a、2bの研削を行う。この
研削方法は、創成運動を行うことなく上記左右両側歯型
面2a、2bを同時に研削することができることが特徴
である。また、この方法を採用する装置としては、例え
ばグランディングマシン社製のものがある。
【0005】一方、後者の研削方法を採用する内歯歯車
研削装置としては、例えばマ−グ社製の装置が挙げられ
る。この装置では、図20に示すように、皿型のといし
3(皿型といし)を使用し、この皿型といし3を創成運
動機構に取り付け、上記歯切りされたワ−ク2との間で
相対運動を行わせることで、初めに左側用の皿型といし
3で左側歯型面2aを研削した後、図示しない右側用の
皿型といしで右側用歯型面2bを研削する。このような
研削を行う皿型といし3の研削面3aは、上記総型とい
し2が歯型面と同一の形状に形成されているのと異なり
平坦に形成されているのが特徴である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の内歯歯車研削方法には、以下に説明する解決すべき
課題がある。すなわち、前者の方法では、縁部1aが歯
溝(歯型面2a、2b)の形状と全く同一の形状に形成
されてなる総型といし1を用いているので、歯数が一枚
でも多くなり歯溝形状が異なるものとなった場合には、
この総型といし1の縁部1aの形状をドレッサ−等を用
いて加工、修正するか、その歯車に適合する新たな総型
といしを作成する必要がある。
【0007】近年、歯車に関して多品種少量生産の要請
があり、歯車毎に研削といしを加工する必要があったの
では、歯車の生産効率が悪く、生産コストも高くなると
いう問題がある。
【0008】また、後者の研削方法の場合には、創成運
動により歯型面2a、2bの研削を行うのであるが、こ
の創成運動を行った場合には、各歯型面2a、2bの歯
先部分と歯元部分で必ず滑りが生じてしまう。このた
め、歯元と歯先部分で十分な研削が行えず、研削効率が
非常に悪くなってしまうということがある。また、滑り
が生じると、研削といしの磨耗が激しくなるため、この
研削といしの寿命が短くならざるをえないという問題も
ある。
【0009】この発明は、このような事情に鑑みて成さ
れたもので、同一形状の研削といしで、実用上十分な歯
数の範囲に亘って、かつ、その歯型面を効率良く研削で
きる歯車研削装置および歯車研削方法を提供し、さらに
これらの装置および方法に適した研削用といしを提供す
ることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の手段
は、歯車の歯溝を構成する一方および他方の歯型面を研
削する歯車研削装置において、円盤状をなし、上記歯型
面間の距離よりも薄く形成された縁部を有し、かつこの
縁部を構成する一方および他方の研削面が曲面をなす研
削用といしと、この研削用といしを保持し、かつこの研
削用といしを回転駆動する研削用といし保持部と、上記
歯車を保持する歯車保持部と、上記研削用といし保持部
と歯車保持部とを相対的に駆動することで、上記研削用
といしで上記歯車の歯型面の研削を行わせる駆動手段と
を有することを特徴とする歯車研削装置である。
【0011】第2の手段は、第1の手段の歯車研削装置
において、上記駆動手段を制御し、上記研削用といしの
縁部の一方あるいは他方の研削面と上記歯溝を構成する
一方あるいは他方の歯型面とを選択的に接触させると共
に上記研削面と上記歯型面とを歯高方向に転接させる制
御手段を有することを特徴とするものである。
【0012】第3の手段は、回転駆動される円盤状の研
削用といしの縁部で、歯車の歯溝を構成する一方および
他方の歯型面を研削する歯車研削方法において、上記研
削用といしの縁部を構成する一方あるいは他方の研削面
と上記歯溝を構成する一方あるいは他方の歯型面とを選
択的に接触させ、かつ上記研削面と上記歯型面とを歯高
方向に転接させることで上記歯型面の研削を行う工程を
有することを特徴とする歯車研削方法である。
【0013】第4の手段は、第3の手段の歯車研削方法
において、前記工程は、歯型面と上記研削用といしの研
削面とをそれぞれ互いに対応する複数の点に分割し、各
点の座標を順に一致させると共に、各点における法線角
度を一致させることで、上記研削用といしの研削面と上
記歯型面とを歯高方向に転接させる工程を含むことを特
徴とするものである。
【0014】第5の手段は、第3の手段の歯車研削方法
において、前記工程を行う際に、上記研削用といしを歯
すじ方向に所定速度で送り駆動する工程を含むことを特
徴とするものである。
【0015】第6の手段は、歯車の歯溝を構成する一方
および他方の歯型面を研削する歯車研削用といしにおい
て、回転駆動されることで上記一方あるいは他方の歯型
面を選択的に研削できる縁部を有し、この縁部は、上記
一方の歯型面を研削できる一方の研削面と他方の歯型面
を研削できる他方の研削面とを有し、上記一方の研削面
は、上記一方の歯型面と歯高方向に転接しうる曲面を有
し、上記他方の研削面は、上記他方の歯型面と歯高方向
に転接しうる曲面を有することを特徴とする歯車研削用
といしである。
【0016】第7の手段は、第6の手段の歯車研削用と
いしにおいて、上記縁部の厚さは、上記歯溝を構成する
一方の歯型面と他方の歯型面間の距離よりも薄く形成さ
れていることを特徴とするものである。
【0017】第8の手段は、第7の手段の歯車研削用と
いしにおいて、上記縁部の厚さは、上記一方の研削面が
上記一方の歯型面の歯先あるいは歯元に接している際
に、他方の研削面が上記他方の歯型面の歯元あるいは歯
先に接しない寸法を有し、かつ、上記他方の研削面が上
記他方の歯型面の歯先あるいは歯元に接している際に、
上記一方の研削面が上記一方の歯型面の歯元あるいは歯
先に接しない寸法を有することを特徴とするものであ
る。
【0018】第9の手段は、第6の手段の歯車研削用と
いしにおいて、上記縁部を構成する一方および他方の研
削面の曲面は、前記歯車と同一のモジュ−ルで上記歯車
よりも歯数の少ない基準歯車を基準とし、この基準歯車
の歯溝を構成する一方および他方の歯型面と略同一の形
状に形成されていることを特徴とするものである。
【0019】第10の手段は、第6の手段の歯車研削用
といしにおいて、上記縁部を構成する一方および他方の
研削面の曲面は、外歯歯車を研削する場合には、前記歯
車と同一のモジュ−ルで上記歯車よりも歯数の多い基準
歯車を基準とし、この基準歯車の歯溝を構成する一方お
よび他方の歯型面と略同一の形状に形成されていること
を特徴とするものである。
【0020】
【作用】第1の手段の装置によれば、歯車の歯溝を構成
する歯型面間の距離よりも薄く形成された縁部を有しか
つこの縁部を構成する一方および他方の研削面が曲面を
なす研削用といしを用いるようにしたことで、外歯歯車
であっても内歯歯車であっても、その歯溝を所望の形状
に研削することができる。また、工具の研削面と歯型面
とを転接させることで、歯型面の研削を滑りなく、全歯
型面に亘って均一に行うことができる(第2の手段)。
【0021】第3の手段の方法によれば、工具の研削面
と歯型面とを転接させることで、歯型面の研削を滑りな
く、全歯型面に亘って均一に行うことができる。また、
このためには、第4の手段の方法をとることが好まし
い。また、第5の手段のように、同時に歯すじ方向にも
工具を進めることで、この歯型面の歯すじ方向の研削も
行うことができる。
【0022】第6の手段に研削といしによれば、工具の
研削面を歯型面とを転接させることができるので、滑り
のない研削を行うことができる。また、第7、第8の手
段のように、この縁部の厚さを薄く形成することで工具
と歯型面との干渉を有効に防止できる。また、内歯歯車
を研削する場合、第9の手段のように、上記研削面の曲
面を実用上最も歯数の少ない基準歯車の歯型面と同一形
状にすれば、この基準歯車と同じモジュ−ルで歯数の多
いすべての歯車に対応することができる。
【0023】一方、外歯歯車を研削する場合には、第1
0の手段のように、上記研削面の曲面を実用上最も歯数
の多い基準歯車の歯型面と同一形状にすれば、この基準
歯車と同じモジュ−ルで歯数の少ないすべての歯車に対
応することができる。
【0024】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を参照して
説明する。図1(a)および(b)は、この発明の歯車
研削装置の概略構成を示す正面図および平面図である。
【0025】同図に2で示すのは、この装置によって研
削されるワ−クとしての内歯歯車である。この内歯歯車
2は、すでに歯切り盤等によって歯切り加工がなされ、
図19を引用して示すように左側歯型面2aおよび右側
歯型面2bが形成されている。また、この内歯歯車2に
は、上記歯切り加工の後、焼き入れが施されている。
【0026】この装置では、図1に11で示す円盤状の
研削といしを用い、この研削といし11を回転させつ
つ、上記内歯歯車2との間で4軸方向(XYθおよびZ
の各方向)の相対運動をさせることで、この内歯歯車2
の歯型面2a、2bを所望の形状に研削するようになっ
ている。以下、この装置の構成について詳しく説明す
る。
【0027】図1に12で示すのは、この歯車研削装置
の架台であり、この架台12上には、上記内歯歯車2を
保持しXYθ方向に位置決めするテ−ブル部13と、上
記研削といし11を保持しZ方向に駆動する研削といし
駆動部14とが設けられている。そして、上記テ−ブル
部13と、研削といし駆動部14は、同図(a)に15
で示すCNC制御部によって制御されるようになってい
る。
【0028】上記テ−ブル部13は、上記架台12上に
保持されたXY駆動テ−ブル16と、このXY駆動テ−
ブル16に保持されたθ駆動テ−ブル17とからなる。
そして、このθ駆動テ−ブル17には、その上面に上記
内歯歯車2を握持固定するためのチャック機構18が設
けられている。
【0029】すなわち、このチャック機構18によって
保持された内歯歯車2は、このテ−ブル部13が作動す
ることで、上記研削といし駆動部14に保持された研削
といし11に対して、その歯型面2a、2bをXY面内
の任意の方向の移動させることができると共に、その位
置で上記歯型面2a、2bの傾きをθ方向の任意の角度
に傾けることができるようになっている。
【0030】一方、上記研削といし駆動部14は、上記
架台12上に立設されたコラム19と、このコラム19
の前面に設けられたZ駆動機構20と、このZ駆動機構
20に取着されると共に上記テ−ブル部13側に延出さ
れたア−ム21と、このア−ム21の先端部にその回転
軸線を水平にした状態で保持された前記研削といし11
とからなる。
【0031】すなわち、この研削といし駆動部14は、
前記研削といし11を水平軸線回りに高速で回転駆動す
ると共に、この研削といし11を上記位置決めされた内
歯歯車2の歯型面2a(2b)に摺接させつつZ方向に
駆動することで、この内歯歯車2の歯型面2a(2b)
を研削できるようになっている。
【0032】次に、上記研削といし11の構成について
説明する。この研削といし11は、図1(a)、(b)
に示すように円盤状をなし、ボラゾン等の砥粒を電着す
ることによって構成された縁部11aを有する。この研
削といし11の縁部11aの形状は、基準と定められた
モジュ−ルおよび歯数の内歯歯車2´(ワ−ク)に対し
て、次のような形状を有する。
【0033】図2(a)は、基準(内歯)歯車2´の歯
型面2´a、2´bの形状と研削といし11の縁部11
aの形状の関係を示すものである。上記基準歯車2´
は、任意のモジュ−ルにおいて、実用上歯数が最も少な
いと考えられる歯車が選択される。
【0034】上記研削といし11の縁部11aは、左側
および右側の研削面11b、11cから構成される。そ
して、それぞれの研削面11b、11cは上記基準歯車
2´の左側歯型面2´aおよび右側歯型面2´bと同形
状に形成されている。ただし、この縁部11aの厚さt
は、上記歯型面間の距離Tよりも小さくなるように薄く
形成されている。
【0035】なお、この研削といし11は、この基準歯
車2´を研削するのには用いられず、同図2(b)に示
すような、上記基準歯車2´とモジュ−ルが等しく、こ
の基準歯車2´よりも歯数が多い内歯歯車2(前記ワ−
ク)の研削に用いられる。
【0036】なお、この図2(b)に示すような歯数の
多い内歯歯車2の歯型面2a、2bの形状は、その接線
角度の変化が上記基準歯車2´の歯型面2´a、2´b
の接線角度の変化よりも小さくなっているのが特徴であ
る。
【0037】なお、この研削といし11と図19および
図20に挙げた従来の研削といし1、3とを比較する
と、上記総型といし1(図19)は上記縁部1aが歯溝
と全く同じ形状に形成されている点(厚さも同じ)で異
なり、皿型といし3(図20)は、その研削面3aが平
坦になっている点で異なるものである。
【0038】次に、上記CNC制御部15によるこの装
置の制御(研削方法)について説明する。このCNC制
御部15は、あらかじめプログラムされた研削方法に基
づいて上記テ−ブル部13および研削といし駆動部14
を作動させ、4軸同時制御により上記研削を行うように
なっている。
【0039】上記研削方法は、従来の総型といしを用い
た研削方法(図19)や創成運動を用いた研削方法(図
20)とは全く異なるものであり、具体的には、次に説
明するようにして行う。以下、この研削工程を図3以下
に示すフロ−チャ−トを参照して説明する。
【0040】この研削工程は、図3に示すように、研削
準備処理工程と、研削処理工程と、寸法測定工程と、補
正および再研削工程とからなる。研削準備処理工程は、
図4に示すように、上記研削といし11の取り付け工程
と、研削されるワ−ク(内歯歯車2)の歯溝形状(歯型
面2a、2bの形状)に対応するプログラムの入力工程
と、ワ−クの取付け工程とからなる。
【0041】上記ワ−クとなる内歯歯車2は、上述した
ように、基準歯車2´と同一モジュ−ルでかつ基準歯車
2´よりも歯数の多い歯車である。また、この内歯歯車
2は、すでに前工程において歯切り加工され、焼入れさ
れている。
【0042】一方、この発明の要部である研削処理工程
は、図5に示すように上記内歯歯車2の歯溝毎に行われ
る。すなわち、この内歯歯車の端数がz個である場合、
第1、第に、第3、……第n、……第zの順で各歯溝の
研削を行っていく。以下、第n歯溝の研削処理工程を図
8に示す第n歯溝の斜視図および図6、図7のフロ−チ
ャ−トを参照して説明する。
【0043】この第n歯溝の研削処理においては、図9
に示すように、まず、「研削サイクル数」と「送りピッ
チ」を決定する。この研削方法における1サイクルの研
削は図8に実線の矢印で示すように、(イ)左側歯型面
の歯先から歯元への研削、(ロ)右側歯型面の歯元から
歯先への研削、(ハ)右側歯型面の歯先から歯元への研
削、(ニ)左側歯型面の歯元から歯先への研削で完了す
る。そして、この1サイクルの研削を行う間に、上記研
削といし11は歯すじ方向(Z方向に)寸法pだけ送ら
れることとなる。この寸法pがZ送りピッチとなる。
【0044】この実施例では、図8に示すように全歯す
じの研削を3サイクルで終了するようになっており、歯
すじ寸法Pの3分の1の寸法pがZ送りピッチとなる。
次に、図6中に示された第nサイクル(個の実施例で
は、第1、第2、第3の各サイクル)の研削処理を図7
のフロ−チャ−トおよび図2(b)、図9、図10を参
照して説明するまず、図2(b)に示すように、内歯歯
車2の上記左側歯型面2aおよび右側歯型面2bを、歯
先から歯元に向かって等間隔に任意の数の第1〜第z点
に分割する。この実施例では、第1〜第9の点に分割さ
れている。
【0045】ついで、上記研削といし11の研削面11
b、11cを、上記歯型面2a、2bの各点と等間隔に
第1´〜第z´点に分割する。この実施例では、第1´
〜第9´点に分割されている。
【0046】この発明では、上記歯型面2aの第n点
を、上記研削面の第n´点で研削できるように、上記テ
−ブル部13と上記研削といし駆動部14を作動させ、
上記内歯歯車2と研削といし11とを相対駆動する。
【0047】この相対駆動を図9および図10を参照し
て説明する。図10は、上記歯型面2aの点1、点2
と、上記研削といし11の点1´、点2´点の部分を拡
大して示した概略図である。
【0048】この図(a)において、歯型面2aの点1
における座標を(X1、Y1)、この点における法線を
θ1とする。一方、上記研削といし11の点1´の座標
を(X1´、Y1´)、この点における法線をθ1´と
する。
【0049】上記制御部15は、上記テ−ブル部13の
θテ−ブル17を作動させ上記内歯歯車2の傾きを制御
することで、上記内歯歯車2の点1における法線角度θ
1を上記歯型面2aの法線角度θ1´に一致させる。つ
いで、上記テ−ブル部のXYテ−ブル16を作動させる
ことで、上記内歯歯車2をXY方向に駆動し、上記歯型
面2aの点1の座標を研削といし11の点1´の座標
(X1´、Y1´)に一致させる。
【0050】このことで、図10(b)に示すように、
上記研削といし11の点1´と上記内歯歯車の点1どう
し点接触する。上記研削といし11は回転駆動されてい
るので、この点1から内歯歯車2の歯型面2aの研削が
開始される。この状態を示したのが、図9(a)であ
る。
【0051】次に、この制御部15は、歯型面2aの研
削を点1から微小距離dsだけ離れた点2に進める。こ
の場合、上記研削といし11の点1´から同じ距離ds
だけ離れた点2´で上記歯型面2aの点2の切削を行
う。
【0052】今、図10(b)において、上記点2の座
標を(X2、Y2)とし、この点における法線角度をθ
2とする。また、上記点2´の座標を(X2´、Y2
´)とし、この点における法線角度をθ2´とする。
【0053】上記点1から点2へと研削を進めるには、
上記点1の場合と同様に、点2を点2´と一致させるよ
うに上記テ−ブル部13を制御すれば良い。すなわち、
上記制御部15は、上記テ−ブル部13を作動させて上
記内歯歯車2をXYθ方向に位置決め駆動し、上記内歯
歯車2の歯型面2aの点2の座標(X2、Y2)を上記
研削といし11の点2´の座標(X2´、Y2´)に一
致させると同時に上記内歯歯車2を時計回りに回転させ
ることで、上記点2における法線角度をθ2を上記2´
における法線角度θ2´に一致させる。このことで、上
記研削位置は、点2から点2´に移動する。
【0054】このような制御を繰り返すことで、点1か
ら、歯型面2aの歯の高さ方向(歯高方向)に歯先から
歯元へ向かって切削を進めていく。図9(b)は、点4
の切削を行っている状態を示すものであり、この研削
は、この点4からさらに、図9(c)に示すように点9
に進められる。
【0055】なお、図9において、上記内歯歯車2の歯
型面2a、2bに二重線で示すのは「研削しろ」であ
り、この研削しろを削り取るように研削が進められてい
く。このような方法によれば、上記内歯歯車2の歯型面
2a、2bと研削といし11の研削面11a、11bと
を転接させるようにして、各点において滑りなく確実に
研削を行うことができる。
【0056】なお、この研削といし11の厚さtは、前
述したように左右の歯型面の距離Tよりも小さく薄く形
成されているので(図2参照)、図9(a)に示すよう
に、左側研削面(点1´)で上記左歯型面2aの歯元部
分(点1付近)を研削する際、この研削といし11の右
側研削面11cが上記ワ−クの右側歯型面2bの歯元部
分(点9付近)に干渉することを防止できる。
【0057】また、図9(c)に示すように、左側研削
面(点9´)で上記左歯型面2aの歯先部分(点9)を
研削する際、この研削といし11の右側研削面11cが
上記ワ−クの右側歯型面2bの歯先部分に干渉すること
を防止できる。
【0058】このようにして左側歯型面2aの研削が終
了したならば、同様の方法により、上記研削といし11
の右側研削面11cで上記内歯歯車2の右側歯型面2b
を研削するようにする。この際、反対に、点zから点1
(歯元から歯先)に向かって研削を進めるようにする
(図8に(ロ)で示す工程)。
【0059】ついで、図7のフロチャ−トの下3段に示
すように、続けて、右側歯型面2bの歯先から歯元の間
での研削(図8に示す(ハ))および左側歯型面2aの
歯元から歯先までの研削(図8に示す(ニ))を行うこ
とで、1サイクルの研削処理が終了する。
【0060】この実施例では、前述したようにこのサイ
クルを3回行うことで、1歯溝の研削を終了し、このよ
うな研削を歯溝毎に繰り返すことで上記内歯歯車2全体
の研削を終了する。
【0061】なお、すべての歯溝の研削が終了したなら
ば、図3に示すように歯型面2a、2bの寸法測定を行
う。測定結果が許容寸法範囲に入っている場合には、研
削は終了する。一方、許容寸法から外れている場合に
は、補正および再研削が行われる。
【0062】このような構成によれば、以下に説明する
効果を得ることができる。第1に、研削するワ−ク(内
歯歯車2)の歯数が変更された場合であっても同じ形状
の研削といし11で研削を続行できる効果がある。
【0063】すなわち、従来の総型といしを用いた方法
では、上記内歯歯車の歯溝と全く同じ形状の縁部を有す
る研削といしを用意する必要があるので、歯数等が変更
されると、それに対応する形状の研削といしを新たに用
意する必要があった。
【0064】一方、この発明によれば、基準歯車2´と
同一のモジュ−ルであればこの基準歯車2´よりも歯数
の多いすべての内歯歯車2の研削に、同一形状の研削と
いし11で対応することができる。したがって、基準歯
車2´として、同一のモジュ−ルで実用上最も少ない歯
数であると考えられる歯車を選択すれば、略すべての内
歯歯車2に対応することができる効果がある。
【0065】なお、上記研削面11b、11cの形状を
基準歯車2´と同一の形状としたのは、この基準歯車2
´よりも歯数の多い歯車2の歯型面2a、2bの傾き角
度の変化率は、この基準歯車2´の歯型面2´a、2´
bの傾き角度の変化率よりも常に小さくなるからであ
る。すなわち、これにより、上記研削面11b、11c
を、基準歯車2´よりも歯数の多いすべての内歯歯車2
の歯型面2a、2bに対して上記歯高方向に転接させる
ことができるからである。
【0066】第2に、滑りを生じることなく研削を行え
るから、研削効率が向上する効果がある。すなわち、従
来、内歯歯車について理論的に正確な研削を行える研削
方法として創成運動を利用した研削方法があったが、こ
の研削方法であると、研削といしと歯型面との間に滑り
が生じることとなり、特に歯先と歯元の部分で研削効率
が低下する。
【0067】しかし、この方法であれば、4軸制御によ
り、上記研削といし11と上記歯型面2a、2bとを、
歯高方向に沿うすべての点において、滑らせることなく
転接させることができる。このため、歯型面2a、2b
の歯高方向全長(歯先から歯元)に亘って均一な研削結
果を得ることができ、研削効率を向上させることができ
る効果がある。
【0068】なお、研削といし11と歯型面2a、2b
との間に滑りが生じることを防止できることにより、上
記研削といし11の磨耗を低減することができ、工具寿
命を延ばすことができる効果もある。
【0069】第3に、この実施例では、歯型面を全歯す
じに亘って一気に研削するのではなく、上記研削点を上
記歯すじ方向と略直行する方向(歯高方向)に往復さ
せ、この工程を複数サイクル繰り返すことで、一つの歯
溝の研削を行うようにした(図8)。このことで、より
高速で精度の良い研削を行うことができる効果がある。
【0070】すなわち、従来の総型といしを用いた研削
や創成運動を利用した研削の場合には、上記研削といし
を歯すじ方向(Z方向)に往復させることで歯溝の研削
を行っていた。
【0071】しかし、この発明においてこのような方法
を採ると、分割する点数によっては、研削の終了に非常
に時間がかかることとなる恐れがある。また、分割する
点数を少なく設定すれば、その分仕上げ精度が低下する
こととなる。
【0072】そこで、この発明では、歯型面2a、2b
の仕上げ寸法が許容寸法に入る範囲内で1サイクルにお
ける歯すじ方向の送り寸法pを設定し、このZ方向に送
る間に上記研削点を上記歯すじ方向と略直行する方向に
往復させることで、数サイクルで研削を終了させるよう
にした。
【0073】このことで、所望の寸法精度を維持しつつ
比較的短時間で歯溝の研削を終了することができる効果
がある。第4に、上記研削といし11の縁部11aの厚
さを、歯溝を構成する歯型面間2a、2bの距離よりも
薄くしたので、研削中に、この縁部11aと歯型面2
a、2bとが干渉することを有効に防止できる効果があ
る。
【0074】第5に、強度が高くコンパクトでかつ精度
の高い内歯歯車を多品種少量生産することができる効果
がある。すなわち、内歯歯車は、外歯歯車と比較して特
殊な歯車であり、用途も限定されている。この発明によ
って得ることを目的とする内歯歯車は、例えば、風力発
電機のギアボックスに用いられるものであり、多品種な
上に生産個数は限られており、かつコンパクトで品質
(強度、寸法精度も含む)の良いものが要求される。こ
の風力発電機に用いる歯車において品質の向上は、発電
作業の信頼性を向上させるだけでなく、騒音の定価につ
ながるものであり、非常に重要な要件となっている。
【0075】コンパクトで強度が高く、寸法制度の良い
歯車を得るには、ワ−クに歯切り加工を行った後焼き入
れを施し、これを研削により精密寸法に仕上げることが
好ましい。また、多品種少量生産に対応するためには、
一種類の研削といしで多種類の歯車に対応することがで
きることが必要となる。
【0076】このような内歯歯車の研削を行う場合、前
記総型といしを用いる方法では、多品種少量生産に対応
することができないため適用が困難である。また、上記
創成運動を利用する研削方法の場合、創成運動を行うた
めに相当のスペ−スが必要となるために、コンパクトな
歯車の研削が難しい。また、強度の高く寸法精度の要求
が厳しい歯車を作成する際には、前記滑りおよび磨耗が
非常に問題となる。
【0077】このため、従来の方法は、焼き入れ後のコ
ンパクトな内歯歯車の研削には適しておらず、このよう
な歯車の作成は非常に困難であった。しかし、この発明
の装置によれば、一種類の研削といし11で多種類の内
歯歯車2を研削することができ、かつ創成運動を行わな
いので、滑りおよび磨耗の問題も少ない。したがって、
従来の装置の欠点を解消した研削を行うことができ、コ
ンパクトで強度の高く、寸法制度の良い歯車を多品種少
量生産することが容易になる効果がある。
【0078】次に、この発明の第2の実施例について説
明する。なお、上記第1の実施例と同一の構成要素につ
いては同一符号を付してその説明は省略する。この実施
例では、上記第1の実施例で説明した研削処理工程を
「仕上げ研削処理工程」とし、その前工程として、図1
2に示すように、粗研削処理工程を行うようにしたもの
である。
【0079】この粗研削処理工程を図13、図14のフ
ロ−チャ−トおよび図11を参照して説明する。この粗
研削処理工程では、上記歯型面2a、2bおよび研削面
11b、11cを前記仕上げ工程よりも少ない点に分割
して研削を行う。この実施例では図11に示すように3
点に分割している。
【0080】ついで、上記研削といし11を回転駆動さ
せつつ、前述したのと同様の方法により上記歯型面2a
の点1を上記研削といし11の点1´に接触させる。つ
いで、図11(a)に(ホ)で示すように、上記研削と
いし11をZ方向に全歯すじ寸法に亘って移動させて研
削を行う。
【0081】続いて、(ヘ)、(ト)に示すように、点
2、点3についても、全歯すじ寸法に亘る研削を行う。
このことで、左側歯型面2aの研削が終了したならば、
右側歯型面2bも同様の方法で研削を行う。ただし、こ
の右側研削面2bについては、点3、点2、点1の順で
行うようにする。
【0082】このことで、粗研削工程が終了する。この
粗研削工程終了後の研削面2a、2bの形状は、極端に
表現すると図11(b)のようになる。すなわち、上記
分割点の数が少なく、かつ、全歯すじ寸法に亘って一度
に研削しているので、各点間に研削しろが残ることとな
る。
【0083】図12に示すように、この粗研削が終了し
たならば、寸法測定を行い、この残った研削しろの大き
さが許容寸法内に入るかを測定する。このとき、許容寸
法内に入るようであれば、この内歯歯車2の研削は終了
し、入らなければ、続いて、前述した仕上げ研削処理工
程(第1の実施例)を行うようにする。
【0084】このような構成によれば、上記歯型面の研
削を粗研削と仕上げ研削で行うようにしたので、より精
度の高い研削を行うことができる効果がある。また、こ
の内歯歯車2に要求される許容寸法の大きさによって
は、上記粗研削だけで研削を終了することもでき、この
場合には、より短時間で研削を終了することができる効
果がある。
【0085】次に、この発明の第3の実施例について説
明する。この第3の実施例は、図15に示すように、外
歯歯車25の研削を行うものである。この外歯歯車25
の研削についても、上記第1あるいは第2の実施例と同
様の方法で行うことが可能である。
【0086】この実施例で用いる研削といし26の縁部
26aは、図15に示すような形状をなすものであり、
内歯歯車2用の研削といし11の場合とは逆に、同一の
モジュ−ルで実用上最も多い歯数と考えられる外歯歯車
の歯溝と同一の形状を有する。
【0087】すなわち、外歯歯車25の場合には、前記
内歯歯車2の場合とは逆に、同一のモジュ−ルであれ
ば、歯数が多くなるほど、歯型面25a、25bの傾き
角度の変化率が大きくなり、これに対応するには、最も
傾き角度の変化率の小さい歯型面を有する外歯歯車(基
準歯車)に合わせて上記研削といし26の歯型面26
b、26cを形成するようにすれば良いのである。
【0088】なお、この研削といし26の縁部26aの
厚さは、内歯歯車2用の研削といし11と同様に、上記
基準歯車の歯型面間の距離よりも小さく(薄く)形成さ
れている。
【0089】このような研削といし26を用いて、上記
基準歯車と同一モジュ−ルでかつ歯数が少ない外歯歯車
25を研削するようにすれば、上記第1、第2の実施例
と同様の方法で研削を行うことができる。
【0090】すなわち、この実施例では、同図に示すよ
うに、上記外歯歯車25の左側および右側の歯型面25
a、25bを1〜12(z)の各点に分割し、上記研削
といし26の左側および右側の研削面26b、26cを
これに対応する1´〜12´(z´)の点に分割する。
【0091】ついで、点nと点n´の座標および法線角
度が一致するように上記テ−ブル部13を制御すること
で、図16(a)〜(c)に示すように、上記研削とい
し26の研削面26b(26c)を上記歯型面25a
(25b)に対して歯高方向に転接させることができ、
上記第1の実施例と同様の研削を行うことができる。
【0092】このような構成によれば、外歯歯車25の
研削においても、上記第1、第2の実施例と同様の効果
を得ることができる。また、このような研削装置によれ
ば、同一の装置および同一のプログラムで内歯歯車2と
外歯歯車25の両方に対応することができる。また、こ
のとき、内歯用および外歯用の一組の研削といし11、
26を用意するだけで、同一のモジュ−ルであれば歯数
の異なる多種類の歯車の研削に対応することができる効
果がある。
【0093】なお、この発明は、上記一実施例に限定さ
れるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々
変形可能である。例えば、上記研削といし11、26の
形状は上記一実施例に限定されるものではなく、上記内
歯歯車2あるいは外歯歯車25の歯型面に転接できる曲
面を有していれば、単なる円弧面であっても良い。例え
ば、内歯歯車2については、外側に凸なる円弧面を有
し、外歯歯車25については内側に凹なる円弧面を有す
る研削といしを用意すれば良い。このような構成によれ
ば、上記研削といしの形成がより容易となる。
【0094】また、上記一実施例では、ワ−クは内歯歯
車2と外歯歯車25であったが、これに限定されるもの
ではなく、他の種類の歯車、例えばかさ歯車等であって
も良い。
【0095】さらに、上記一実施例では、上記ワ−クと
しての歯車2、25をXYθ方向に駆動し、上記研削と
いし11、26をZ方向に駆動するようにしたが、これ
に限定されるものではない。要は、両者を4軸方向に相
対運動できる構成であれば良い。
【0096】なお、上記一実施例で説明した研削といし
11、26は、縁部の厚さが、基準歯車の歯溝よりも薄
く形成されたものであった。しかし、歯車の寸法精度の
要求が厳しくない場合には、厚さが歯溝と略等しい研削
といしを用いて研削を行うことも可能である。以下、こ
の場合に用いる研削といしおよび研削方法について説明
する。
【0097】まず、図17に示すのは、外歯歯車どうし
の噛み合い状態を示す概略構成図である。そして、図に
(チ)で示すのは噛み合い線である。この図において、
噛み合い線(チ)の噛み合い寸法(点1から点6までの
寸法)分を5等分し、図に示すように点1〜点6(噛み
合い点)をとる。
【0098】図の下側に示す歯車25は、外歯歯車であ
り、上記各点1〜点6を歯型面25a、25bに移す
と、図18(a)に示す点1〜点6に示すようになる。
この図において、26´で示すのは、研削といしであ
る。この研削といし26´の縁部26´aは、その「厚
さ」を含め上記歯車25の歯溝とまったく同一の形状を
有する。
【0099】次に、上記研削といし26´の研削面26
´b、26´cに、図に示すように点1´〜6´を設定
する。この点1´〜6´は、図17の上側に示す外歯歯
車30の歯型面30a、30bに、下側に位置する外歯
歯車25の上記点1〜点6と噛み合う点をとり(図示し
ない)、この各点と同じ間隔を有する点を上記研削とい
し26´の研削面26´b、26´c上にとったもので
ある。
【0100】図に示すように、上記点1〜点6は略等間
隔(t1 )であるのに対し、上記点1´〜点6´の各点
間の間隔は、上記歯車の歯元に対応する部分でt1 より
長く(t2 )、歯先に対応する部分でt1 より短くなっ
ている(t3 )。
【0101】この例においては、上記第1の実施例と略
同じ制御方法によって、歯型面25a、25bの点n
(1〜6)と研削面26´b、26´cの点n´(1´
〜6´)とが互いに接し、かつ各点どうしの法線角度が
等しくなるように上記研削といし26´あるいは歯車2
5を相対駆動する。なお、このとき上記研削といし26
を高速で回転駆動するようにする。
【0102】このような制御を行うことで、上記研削と
いし26´は研削している歯型面(25aあるいは25
b)と向かい合う他方の歯型面に食い込むことなく、そ
の歯型面の研削を歯元から歯先に亘って行うことができ
る。
【0103】なお、内歯歯車の研削についても、図18
(b)に示すように点1〜点6および点1´〜点6´を
とれば、歯溝と全く同様の形状を有する縁部11´aを
有する研削といし11´を用いて同様の方法で研削を行
うことができる。
【0104】
【発明の効果】以上述べたような構成によれば、内歯歯
車、外歯歯車を問わず、同一形状の研削といしで、実用
上十分な歯数の範囲に亘って、かつ、その歯型面を滑り
を生じることなく効率良く研削できる効果を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す正面図および上
面図。
【図2】同じく、歯車と研削といしの形状の関係を示す
概略横断面図。
【図3】同じく、フロ−チャ−ト。
【図4】同じく、フロ−チャ−ト。
【図5】同じく、フロ−チャ−ト。
【図6】同じく、フロ−チャ−ト。
【図7】同じく、フロ−チャ−ト。
【図8】同じく、歯溝を拡大して示す斜視図。
【図9】同じく、研削工程を示す横断面図。
【図10】同じく、拡大して研削工程を示す横断面図。
【図11】第2の実施例を示す斜視図および横断面図。
【図12】同じく、フロ−チャ−ト。
【図13】同じく、フロ−チャ−ト。
【図14】同じく、フロ−チャ−ト。
【図15】第3の実施例を示す拡大横断面図。
【図16】同じく、工程図。
【図17】他の実施例を示す概略構成図。
【図18】同じく他の実施例を示す概略構成図。
【図19】従来例の研削方法を示す横断面図。
【図20】従来例の研削方法を示す横断面図。
【符号の説明】
2…内歯歯車(歯車)、2a…左側歯型面、2b…右側
歯型面、11…研削といし(研削用といし)、11a…
縁部、11b…右側研削面、11c…左側研削面、13
…テ−ブル部(歯車保持部、駆動手段)、14…研削と
いし駆動部(研削用といし保持部、駆動手段)、15…
CNC制御装置(制御手段)、25外歯歯車(歯車)、
26…研削といし。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯車の歯溝を構成する一方および他方の
    歯型面を研削する歯車研削装置において、 円盤状をなし、上記歯型面間の距離よりも薄く形成され
    た縁部を有し、かつこの縁部を構成する一方および他方
    の研削面が曲面をなす研削用といしと、 この研削用といしを保持し、かつこの研削用といしを回
    転駆動する研削用といし保持部と、 上記歯車を保持する歯車保持部と、 上記研削用といし保持部と歯車保持部とを相対的に駆動
    することで、上記研削用といしで上記歯車の歯型面の研
    削を行わせる駆動手段とを有することを特徴とする歯車
    研削装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の歯車研削装置において、 上記駆動手段を制御し、上記研削用といしの縁部の一方
    あるいは他方の研削面と上記歯溝を構成する一方あるい
    は他方の歯型面とを選択的に接触させると共に上記研削
    面と上記歯型面とを歯高方向に転接させる制御手段を有
    することを特徴とする歯車研削装置。
  3. 【請求項3】 回転駆動される円盤状の研削用といしの
    縁部で、歯車の歯溝を構成する一方および他方の歯型面
    を研削する歯車研削方法において、 上記研削用といしの縁部を構成する一方あるいは他方の
    研削面と上記歯溝を構成する一方あるいは他方の歯型面
    とを選択的に接触させ、かつ上記研削面と上記歯型面と
    を歯高方向に転接させることで上記歯型面の研削を行う
    工程を有することを特徴とする歯車研削方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の歯車研削方法において、 上記工程は、 歯型面と上記研削用といしの研削面とをそれぞれ所定間
    隔の複数の点に分割し、 各点の座標を順に一致させると共に、各点における法線
    角度を一致させることで、上記研削用といしの研削面と
    上記歯型面とを歯高方向に転接させる工程を含むことを
    特徴とする研削方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の歯車研削方法において、 前記工程を行う際に、上記研削用といしを歯すじ方向に
    所定速度で送り駆動する工程を含むことを特徴とする。
  6. 【請求項6】 歯車の歯溝を構成する一方および他方の
    歯型面を研削する歯車研削用といしにおいて、 回転駆動されることで上記一方あるいは他方の歯型面を
    選択的に研削できる縁部を有し、 この縁部は、上記一方の歯型面を研削できる一方の研削
    面と他方の歯型面を研削できる他方の研削面とを有し、 上記一方の研削面は、上記一方の歯型面と歯高方向に転
    接しうる曲面を有し、 上記他方の研削面は、上記他方の歯型面と歯高方向に転
    接しうる曲面を有することを特徴とする歯車研削用とい
    し。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の歯車研削用といしにおい
    て、 上記縁部の厚さは、 上記歯溝を構成する一方の歯型面と他方の歯型面間の距
    離よりも薄く形成されていることを特徴とする歯車研削
    用といし。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の歯車研削用といしにおい
    て、 上記縁部の厚さは、 上記一方の研削面が上記一方の歯型面の歯先あるいは歯
    元に接している際に、他方の研削面が上記他方の歯型面
    の歯元あるいは歯先に接しない寸法を有し、 かつ、上記他方の研削面が上記他方の歯型面の歯先ある
    いは歯元に接している際に、上記一方の研削面が上記一
    方の歯型面の歯元あるいは歯先に接しない寸法を有する
    ことを特徴とする歯車研削用といし。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の歯車研削用といしにおい
    て、 上記縁部を構成する一方および他方の研削面の曲面は、 内歯歯車を研削する場合には、 前記歯車と同一のモジュ−ルで上記歯車よりも歯数の少
    ない基準歯車を基準とし、この基準歯車の歯溝を構成す
    る一方および他方の歯型面と略同一の形状に形成されて
    いることを特徴とする歯車研削用といし。
  10. 【請求項10】 請求項6記載の歯車研削用といしにお
    いて、 上記縁部を構成する一方および他方の研削面の曲面は、 外歯歯車を研削する場合には、 前記歯車と同一のモジュ−ルで上記歯車よりも歯数の多
    い基準歯車を基準とし、この基準歯車の歯溝を構成する
    一方および他方の歯型面と略同一の形状に形成されてい
    ることを特徴とする歯車研削用といし。
JP10120895A 1995-04-25 1995-04-25 歯車研削装置、歯車研削方法および歯車研削用といし Pending JPH08294818A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10120895A JPH08294818A (ja) 1995-04-25 1995-04-25 歯車研削装置、歯車研削方法および歯車研削用といし

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10120895A JPH08294818A (ja) 1995-04-25 1995-04-25 歯車研削装置、歯車研削方法および歯車研削用といし

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08294818A true JPH08294818A (ja) 1996-11-12

Family

ID=14294511

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10120895A Pending JPH08294818A (ja) 1995-04-25 1995-04-25 歯車研削装置、歯車研削方法および歯車研削用といし

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08294818A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006090893A1 (ja) * 2005-02-25 2006-08-31 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 動力伝達装置およびその製造方法
WO2007000831A1 (ja) * 2005-06-27 2007-01-04 A.L.M.T. Corp. 歯車用ダイヤモンドロータリードレッサならびにそれを用いた歯車加工用砥石のツルーイングおよびドレッシング方法
JP2010167547A (ja) * 2009-01-26 2010-08-05 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ウォームホイールの研削仕上げ方法及びウォーム歯車装置
CN104174931A (zh) * 2014-05-04 2014-12-03 湖北大学 一种间歇式自适应磨前磨后测量和免测量的锯齿磨削方法
CN106363248A (zh) * 2016-11-03 2017-02-01 大连理工大学 一种用于大型直齿轮成型磨齿的自定位和分度方法
JP2017159374A (ja) * 2016-03-07 2017-09-14 セイコーインスツル株式会社 歯車加工装置、及び歯車加工方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006090893A1 (ja) * 2005-02-25 2006-08-31 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 動力伝達装置およびその製造方法
US7743679B2 (en) 2005-02-25 2010-06-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Power transmission device and method of producing the same
WO2007000831A1 (ja) * 2005-06-27 2007-01-04 A.L.M.T. Corp. 歯車用ダイヤモンドロータリードレッサならびにそれを用いた歯車加工用砥石のツルーイングおよびドレッシング方法
JPWO2007000831A1 (ja) * 2005-06-27 2009-01-22 株式会社アライドマテリアル 歯車用ダイヤモンドロータリードレッサならびにそれを用いた歯車加工用砥石のツルーイングおよびドレッシング方法
JP4781358B2 (ja) * 2005-06-27 2011-09-28 株式会社アライドマテリアル 歯車用ダイヤモンドロータリードレッサならびにそれを用いた歯車加工用砥石のツルーイングおよびドレッシング方法
JP2010167547A (ja) * 2009-01-26 2010-08-05 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ウォームホイールの研削仕上げ方法及びウォーム歯車装置
CN104174931A (zh) * 2014-05-04 2014-12-03 湖北大学 一种间歇式自适应磨前磨后测量和免测量的锯齿磨削方法
CN104174931B (zh) * 2014-05-04 2017-02-22 湖北大学 一种间歇式自适应磨前磨后测量和免测量的锯齿磨削方法
JP2017159374A (ja) * 2016-03-07 2017-09-14 セイコーインスツル株式会社 歯車加工装置、及び歯車加工方法
CN106363248A (zh) * 2016-11-03 2017-02-01 大连理工大学 一种用于大型直齿轮成型磨齿的自定位和分度方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100644118B1 (ko) 기어 연삭기
US9399279B2 (en) Double-side dresser
US7341501B2 (en) Gear grinding machine, method for dressing threaded grinding wheel and method for grinding work
US6757949B2 (en) Combination gear hobber, chamfer/debur and shaver apparatus and method
JP4220944B2 (ja) 歯車研削盤
JP3367678B2 (ja) 割出し中に歯車を加工する方法
JPH06510242A (ja) 平歯車やはすば歯車を機械加工するための方法と装置
CN105921823B (zh) 一种摆线齿轮的数控蜗杆砂轮磨削方法
JPH08508209A (ja) 歯車製造工程における工具送り方法
JP2013508174A (ja) 歯車の歯面の硬材精密機械加工方法
KR20100069587A (ko) 드레싱 기어 및 기어형 숫돌의 드레싱 방법
JP2000225522A (ja) ワ―クピ―スのグラインディング方法およびグラインディング装置
JP4664029B2 (ja) まがりばかさ歯車用の創成方法及び機械
JP2645735B2 (ja) 割出転動法により歯車歯面を研削する方法及びその方法に適した機械
JPH08294818A (ja) 歯車研削装置、歯車研削方法および歯車研削用といし
JPH05200625A (ja) 平歯車を精密に加工するための装置および方法
JP2000246636A (ja) グラインディングウォームのシェーピング方法、シェーピング工具及びシェーピング装置
JP2002144150A (ja) 超音波を利用した歯車研削方法及び歯車研削装置
JP7226818B2 (ja) ドレッシング工具のツルーイング方法、及びドレッシング工具のツルーイングプログラム
JP2005081472A (ja) 歯車研削用砥石の研削面の整形方法
CN206493001U (zh) 一种星轮磨床结构
JPH06218629A (ja) 歯車形状の加工方法
JP2002178224A (ja) 歯車における歯面の加工方法
JP3021484B2 (ja) 歯車の仕上げ用工具および仕上げ装置
JPH10175118A (ja) 歯車の創成研削方法