JPH08293625A - 三原色発光素子およびその製造方法 - Google Patents

三原色発光素子およびその製造方法

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JPH08293625A
JPH08293625A JP10135295A JP10135295A JPH08293625A JP H08293625 A JPH08293625 A JP H08293625A JP 10135295 A JP10135295 A JP 10135295A JP 10135295 A JP10135295 A JP 10135295A JP H08293625 A JPH08293625 A JP H08293625A
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JP
Japan
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layer
light emitting
epitaxial layer
gan
primary
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Application number
JP10135295A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasunori Miura
祥紀 三浦
Hideki Matsubara
秀樹 松原
Hisashi Seki
壽 関
Akinori Koketsu
明伯 纐纈
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多層構造の三原色発光素子およびその製造方
法を提供する。 【構成】 同一基板31上に成長された複数のエピタキ
シャル層からなる多層構造三原色発光素子であって、基
板31上に成長された、赤色発光素子構造をなす第1の
エピタキシャル層群30と、第1のエピタキシャル層群
30上に成長された、緑色発光素子構造をなす第2のエ
ピタキシャル層群10と、第2のエピタキシャル層群1
0上に成長された、青色発光素子構造をなす第3のエピ
タキシャル層群20とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、三原色発光素子およ
びその製造方法に関するものであり、特に、同一基板上
に成長された複数のエピタキシャル層からなる多層構造
三原色発光素子およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図8は、従来のAlGaAs系の赤色発
光素子(LED)の一例の構造を示す断面図である。
【0003】図8を参照して、この赤色発光素子100
は、ZnがドープされたAl0.5 Ga0.5 Asからなる
基板101と、基板101上に形成されたp型Al0.35
Ga 0.65Asからなる赤色発光層102と、赤色発光層
102上に形成されたn型Al0.6 Ga0.4 Asからな
るクラッド層103とを備え、電極は、基板101およ
びクラッド層103からとっている。
【0004】なお、赤色発光素子の材料としては、この
ようなAlGaAs系以外に、GaAsP系のものも適
用されている。
【0005】また、図9は、現在市販が開始されている
GaN系の青色発光素子(LED)の一例の構造を示す
断面図である。
【0006】図9を参照して、この青色発光素子200
は、サファイア基板201と、基板201上に形成され
たGaNバッファ層202と、バッファ層202上に形
成された六方晶のn型GaNエピタキシャル層203と
から構成されたエピタキシャルウェハ上に、n型AlG
aNからなるクラッド層204、Znがドープされたn
型In0.1 Ga0.9 Nからなる青色発光層205、p型
AlGaNからなるクラッド層206およびp型GaN
エピタキシャル層207が順に形成され、電極は、Ga
Nエピタキシャル層203,207からとっている。
【0007】なお、この青色発光素子において、GaN
バッファ層202は、サファイア基板201とGaNエ
ピタキシャル層203との格子定数の差による歪みを緩
和するために設けられている。
【0008】さらに、図10は、青色発光素子と同様に
現在市販が開始されているGaN系の青緑色発光素子
(LED)の一例の構造を示す断面図である。
【0009】図10を参照して、この青緑色発光素子3
00は、サファイア基板301と、基板301上に形成
されたGaNバッファ層302と、GaNバッファ層3
02上に形成された六方晶のn型GaNエピタキシャル
層303とから構成されたエピタキシャルウェハ上に、
n型AlGaNからなるクラッド層304、Znがドー
プされたn型In0.2 Ga0.8 Nからなる青緑色発光層
305、p型AlGaNからなるクラッド層306およ
びp型GaNエピタキシャル層307が順に形成され、
電極は、GaNエピタキシャル層303,307からと
っている。
【0010】なお、この青緑色発光素子において、Ga
Nバッファ層302は、サファイア基板301とGaN
エピタキシャル層303との格子定数の差による歪みを
緩和するために設けられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
上述のように、赤色、青色、緑色のそれぞれ個別の発光
素子(LED)を作製することはできたが、ハイブリッ
ドになったものは作製することができなかった。なぜな
ら、上述のように、青色および緑色発光素子はGaN層
をサファイア基板上に成長させるものであるが、多層構
造の三原色発光素子を作製するためには、赤色発光素子
のAlGaAs層上へGaN層を形成する技術が必要と
なるからである。
【0012】しかしながら、従来、赤色発光素子の材料
として用いられるAlGaAs層またはGaAsP層上
に、青色および緑色発光素子の材料として用いられるG
aN層を形成することはできなかった。そのため、従
来、マルチカラーを表示する際には、各色のLEDを個
別に設置する必要があり、画像密度を高くすることがで
きないという問題があった。
【0013】この発明の目的は、上述の問題点を解決
し、多層構造の三原色発光素子およびそれを工業的に製
造できる方法を、提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明による三
原色発光素子は、同一基板上に成長された複数のエピタ
キシャル層からなる多層構造三原色発光素子であって、
基板上に成長された赤色発光素子構造をなす第1のエピ
タキシャル層群と、第1のエピタキシャル層群上に成長
された緑色発光素子構造をなす第2のエピタキシャル層
群と、第2のエピタキシャル層群上に成長された青色発
光素子構造をなす第3のエピタキシャル層群とを含む。
【0015】請求項2の発明による三原色発光素子は、
請求項1の発明において、第1のエピタキシャル層群は
AlGaAsまたはGaAsPからなる群から選ばれる
化合物半導体からなるエピタキシャル層を含み、第2の
エピタキシャル層群はGaNからなるエピタキシャル層
を含み、第3のエピタキシャル層群はGaNからなるエ
ピタキシャル層を含み、第2のエピタキシャル層群は第
1のエピタキシャル層群との境界部にバッファ層を含ん
でいる。
【0016】請求項3の発明による三原色発光素子は、
請求項2の発明において、第1のエピタキシャル層群は
最上層がAlGaAsおよびGaAsPからなる群から
選ばれる化合物半導体からなる層であり、第2のエピタ
キシャル層群は、厚さが10nm〜80nmのGaNか
らなるバッファ層と、バッファ層上に成長されたGaN
からなる第1の絶縁層と、バッファ層と第1の絶縁層と
の界面に位置する不整合面と、第1の絶縁層上に成長さ
れたAlx Ga1-x N(ただし、0≦x<1)からなる
第1のエピタキシャル層と、第1のエピタキシャル層上
に成長された緑色発光層と、緑色発光層上に成長された
第1のクラッド層とを含み、第3のエピタキシャル層群
は、GaNからなる第2の絶縁層と、第2の絶縁層上に
成長されたAly Ga1-y N(ただし、0≦y<1)か
らなる第2のエピタキシャル層と、第2のエピタキシャ
ル層上に成長された青色発光層と、青色発光層上に成長
された第2のクラッド層とを含んでいる。
【0017】ここで、バッファ層と絶縁層との界面に位
置する不整合面としては、たとえば、バッファ層と絶縁
層との結晶格子のずれによるもの等が考えられ、この面
は、透過電子顕微鏡(TEM)観察により、コントラス
トの違いとして観察することができる。
【0018】請求項4の発明による三原色発光素子は、
請求項2または請求項3の発明において、バッファ層の
厚さは20nm〜60nmである。
【0019】請求項5の発明による三原色発光素子の製
造方法は、同一基板上に複数のエピタキシャル層を成長
させてなる多層構造三原色発光素子の製造方法であっ
て、基板上に、最上層がAlGaAsおよびGaAsP
からなる群から選ばれる化合物半導体からなる赤色発光
素子構造をなす第1のエピタキシャル層群を形成するス
テップと、第1のエピタキシャル層群の最上層上に、外
部から反応室全体を加熱しながら塩化水素およびガリウ
ムを含む有機金属原料を含む第1のガスとアンモニアを
含む第2のガスとを反応室内に導入して反応室内に設置
された基板上に気相成長させる方法により、第1の温度
で、GaNからなるバッファ層を形成するステップと、
バッファ層上に、外部から反応室全体を加熱しながら塩
化水素およびガリウムを含む有機金属原料を含む第1の
ガスとアンモニアを含む第2のガスとを反応室内に導入
して反応室内に設置された基板上に気相成長させる方法
により、第1の温度より高い第2の温度で、GaNから
なる第1の絶縁層を形成するステップと、第1の絶縁層
上に、Alx Ga1-x N(ただし、0≦x<1)からな
る第1のエピタキシャル層を形成するステップと、第1
のエピタキシャル層上に、緑色発光層を形成するステッ
プと、緑色発光層上に、第1のクラッド層を形成するス
テップと、第1のクラッド層上に、GaNからなる第2
の絶縁層を形成するステップと、第2の絶縁層上に、A
y Ga1-y N(ただし、0≦y<1)からなる第2の
エピタキシャル層を形成するステップと、第2のエピタ
キシャル層上に、青色発光層を形成するステップと、青
色発光層上に第2のクラッド層を形成するステップとを
備えている。
【0020】なお、ガリウムを含む有機金属原料として
は、たとえば、トリメチルガリウム、トリエチルガリウ
ム等が用いられる。
【0021】請求項6の発明による三原色発光素子の製
造方法は、請求項5の発明において、第1の温度は30
0℃〜700℃であり、第2の温度は750℃以上であ
る。
【0022】請求項7の発明による三原色発光素子の製
造方法は、請求項6の発明において、第1の温度は40
0℃〜600℃である。
【0023】
【作用】この発明による三原色発光素子は、発光窓から
見て青色、緑色、赤色の順に発光層が並んでいるため、
各発色光は、上層部の材料で光を吸収されることなく、
すべて透過する。その結果、非常に素子構造が簡単な三
原色発光素子を形成することができる。
【0024】また、この発明による三原色発光素子は、
厚さが10nm〜80nmのGaNからなるバッファ層
を備えている。
【0025】本願発明におけるこのバッファ層は、下層
とGaNエピタキシャル層との格子定数の差による歪を
緩和する作用の他に、耐熱性コーティングとしての作用
も兼ね備えている。
【0026】すなわち、GaNのエピタキシャル成長
は、通常800℃〜1100℃という非常に高温で行な
う必要があるが、AlGaAsおよびGaAsP層は、
800℃以上の高温ではAsやPの抜けが起こってしま
う。このようなことから、AlGaAsおよびGaAs
P層上にGaNエピタキシャル層を形成するためには、
耐熱性コーティングを施す必要がある。本願発明におい
てGaNエピタキシャル層より低温で形成されるGaN
バッファ層は、このような耐熱性コーティングとして作
用するものでもある。
【0027】このGaNバッファ層の厚さは、10nm
〜80nmである。10nmより薄いと、エピタキシャ
ル層を形成するための昇温中にバッファ層が部分的に途
切れ、この上に形成されたエピタキシャル層が剥れてし
まうからである。一方、80nmより厚いと、フラット
なバッファ層の低温成長に核成長が混ざり、この核を中
心にピラミッド状にエピタキシャル層が成長してしまう
からである。
【0028】また、この発明に従う三原色発光素子の製
造方法によれば、AlGaAsおよびGaAsPからな
る群から選ばれる化合物半導体からなる層上に、GaN
エピタキシャル層の成長温度よりも低い温度で、GaN
バッファ層を形成している。
【0029】そのため、AlGaAs層またはGaAs
P層がダメージを受けることなく、高品質な立方晶のG
aNエピタキシャル層を成長させることができる。
【0030】このGaNからなるバッファ層を形成する
際の温度は、300℃〜700℃が好ましい。300℃
より低いと、GaNからなるバッファ層が成長しないか
らである。一方、700℃より高いと、下層が熱ダメー
ジを受けて、この上に形成されたエピタキシャル層が剥
れてしまうからである。
【0031】また、この発明によれば、GaNバッファ
層およびGaNエピタキシャル層の形成に、外部から反
応室全体を加熱しながら塩化水素およびガリウムを含む
有機金属原料を含む第1のガスとアンモニアを含む第2
のガスとを反応室内に導入して反応室内に設置された基
板上に気相成長させる方法(以下「有機金属クロライド
気相エピタキシ成長法」という)が用いられている。こ
の有機金属クロライド気相エピタキシ成長法は、成長速
度が速い上に、急峻なヘテロ界面を得ることが可能であ
る。
【0032】さらに、この発明によれば、バッファ層お
よびエピタキシャル層が同一の有機金属クロライド気相
エピタキシ成長法により形成される。そのため、同一チ
ャンバ内で一貫成長させることが可能となる。
【0033】
【実施例】
(1) AlGaAs層またはGaAsP層上へのGa
Nエピタキシャル層の形成 (実施例1)図1は、エピタキシャルウェハの一例の構
造を示す断面図である。
【0034】図1を参照して、このエピタキシャルウェ
ハは、AlGaAs基板1上にGaNバッファ層2が形
成され、さらにその上にGaNエピタキシャル層3が形
成されている。なお、GaNバッファ層2とGaNエピ
タキシャル層3との界面には、不整合面9が位置してい
る。
【0035】次に、このように構成されるエピタキシャ
ルウェハの製造方法について、以下に説明する。
【0036】図2は、この発明による有機金属クロライ
ド気相エピタキシ成長法を用いたエピタキシャルウェハ
の製造に用いられる気相成長装置の概略構成を示す図で
ある。図2を参照して、この装置は、第1のガス導入口
51と第2のガス導入口52と排気口53とを有する反
応チャンバ54と、この反応チャンバ54の外部からチ
ャンバ内全体を加熱するための抵抗加熱ヒータ55とか
ら構成される。
【0037】このように構成される装置を用いて、以下
のようにエピタキシャルウェハの作製を行なった。
【0038】図2を参照して、まず、石英からなる反応
チャンバ54内に、H2 SO4 系の通常のエッチング液
で前処理された、あるいは前処理なしの、砒化ガリウム
アルミニウムAlGaAs(100)面基板1を設置し
た。
【0039】次に、抵抗加熱ヒータ55により外部から
チャンバ内全体を加熱して、基板1を500℃に保持し
た状態で、第1のガス導入口51からIII族原料とし
てトリメチルガリウム(TMGa)および塩化水素(H
Cl)をそれぞれ分圧8×10-4atm、8×10-4
tmで導入し、一方、第2のガス導入口52からはV族
原料としてアンモニアガス(NH3 )を分圧1.6×1
-1atmで導入した。このような条件で、15分間エ
ピタキシャル成長させ、厚さ30nmのGaNバッファ
層2を形成した。
【0040】次に、このようにGaNバッファ層2が形
成された基板1の温度を、抵抗加熱ヒータ55により8
50℃まで昇温した後、TMGa、HCl、NH3 の分
圧をそれぞれ8×10-4atm、8×10-4atm、
1.6×10-1atmという条件で、60分間エピタキ
シャル成長させた。
【0041】その結果、GaNバッファ層2上に、厚さ
2μmの鏡面状のGaNエピタキシャル層3が形成され
た。このGaNエピタキシャル層3のフォトルミネセン
ス(PL)スペクトルは、ピーク波長が360nmの強
い発光が観測された。また、X線回折の結果、六方晶を
含まない立方晶のGaNエピタキシャル層が成長してい
ることが確認された。
【0042】(実施例2)GaNバッファ層2およびG
aNエピタキシャル層3の成長条件を以下のように変更
し、他の条件は実施例1と同様にして、図1に示す構造
を有するエピタキシャルウェハを作製した。
【0043】GaNバッファ層の成長条件 基板温度:400℃ TMGa分圧:1×10-4atm HClの分圧:1×10-4atm NH3 の分圧:5×10-1atm 成長時間:40分間GaNエピタキシャル層の成長条件 基板温度:900℃ TMGa分圧:3×10-4atm HClの分圧:3×10-4atm NH3 の分圧:8×10-1atm 成長時間:60分間 このようにして得られたエピタキシャルウェハにおいて
は、厚さ40nmのGaNバッファ層2の上に、厚さ8
μmの鏡面状のGaNエピタキシャル層3が形成されて
いた。
【0044】このGaNエピタキシャル層3のPLスペ
クトルは、ピーク波長が360nmの強い発光が観測さ
れた。また、X線回折の結果、六方晶を含まない立方晶
のGaNエピタキシャル層が成長していることが確認さ
れた。
【0045】(比較例1)GaNバッファ層の有無によ
るGaNエピタキシャル層の特性の差異について調べる
ため、AlGaAs基板上に、直接GaNエピタキシャ
ル層を成長させた。なお、GaNエピタキシャル層の成
長条件は、実施例1と同様とした。
【0046】その結果、GaNバッファ層を設けない場
合には、AlGaAs基板表面が高温によりダメージを
受けて凹凸ができ、その上に形成されたGaNエピタキ
シャル層は基板から剥れてしまっている様子が観察でき
た。
【0047】また、バッファ層の有無による特性の差異
を比較するため、前述の実施例1とこの比較例1で得ら
れたエピタキシャルウェハについて、表面粗さ計による
GaNエピタキシャル表面の凹凸の測定、X線回折およ
びPL測定の結果を比較した。
【0048】その結果、GaNエピタキシャル層表面の
凹凸については大きな差が見られ、GaNバッファ層を
設けることにより著しく表面ホモロジーが改善されるこ
とがわかった。また、X線回折、PL測定の結果につい
ても、GaNバッファ層を設けた実施例についてのみ、
非常にシャープなピークが観察された。
【0049】(実施例3)GaNバッファ層の最適厚さ
を検討するため、AlGaAs基板上に種々の厚さのG
aNバッファ層を形成し、この上にGaNエピタキシャ
ル層を成長させて、得られたGaNエピタキシャル層の
特性を比較した。
【0050】なお、GaNバッファ層およびGaNエピ
タキシャル層の成長条件は、実施例1と同様とした。
【0051】図3は、GaNバッファ層の厚さと、Ga
Nエピタキシャル層のX線ピークの半値幅(FWHM)
との関係を示す図である。図3において、横軸はGaN
バッファ層の厚さ(nm)を示し、縦軸はX線ピークの
半値幅(FWHM)(分)を示している。
【0052】また、図4は、GaNバッファ層の厚さ
と、GaNエピタキシャル層の表面凹凸との関係を示す
図である。図4において、横軸はGaNバッファ層の厚
さ(nm)を示し、縦軸は表面凹凸(μm)を示してい
る。なお、表面凹凸とは、凸部最上点と凹部最下点の差
である。
【0053】図3および図4より明らかなように、バッ
ファ層の厚さが薄すぎても厚すぎても、その上に成長す
るGaNエピタキシャル層の結晶特性は低下してしま
う。そのため、GaNバッファ層の厚さとしては10n
m〜80nmが好ましく、さらに好ましくは20nm〜
60nmであると良いことがわかる。
【0054】(実施例4)AlGaAs基板の代わりに
GaAsP基板を用いて、実施例1と同様の条件でGa
Nバッファ層を形成し、さらにその上に実施例1と同様
の条件でGaNエピタキシャル層を形成した。
【0055】このようにして得られたエピタキシャルウ
ェハについて、GaNエピタキシャル層のPL測定およ
びX線回折測定を行なった。その結果、実施例1と同様
に良好なピークが得られた。
【0056】(実施例5)III族原料としてTMGa
の代わりにTEGa(トリエチルガリウム)を用いて、
実施例1と同様の条件でGaNバッファ層を形成し、さ
らにその上にTEGaを用いて実施例1と同様の条件で
GaNエピタキシャル層を形成した。
【0057】このようにして得られたエピタキシャルウ
ェハについて、GaNエピタキシャル層のPL測定およ
びX線回折測定を行なった。その結果、実施例1と同様
に良好なピークが得られた。
【0058】(2) 三原色発光素子の作製 以上説明した技術を利用して、以下に示すような三原色
発光素子を作製した。
【0059】(実施例6)図5は、この発明による三原
色発光素子の一例の構造を示す断面図である。
【0060】図5を参照して、この三原色発光素子は、
基板31上に形成された赤色発光部30上に緑色発光部
10が形成され、さらにその上に青色発光部20が形成
されて構成される。
【0061】赤色発光部30は、ZnがドープされたA
0.5 Ga0.5 Asからなる基板31上に形成されたp
型Al0.35Ga0.65Asからなる赤色発光層32と、赤
色発光層32上に形成されたn型Al0.6 Ga0.4 As
からなるクラッド層11とから構成される。
【0062】また、緑色発光部10は、赤色発光部30
の最上層のクラッド層11上に形成されたノンドープG
aNバッファ層12と、GaNバッファ層12上に形成
されたGaN絶縁層17とを備え、さらにその上に、n
型GaNエピタキシャル層13と、n型AlGaNから
なるクラッド層14と、ZnとSiがドープされたn型
In0.3 Ga0.7 Nからなる緑色発光層15と、p型A
lGaNからなるクラッド層16と、p型GaNエピタ
キシャル層21とが順に積層されて構成される。なお、
GaNバッファ層12とGaN絶縁層17との界面に
は、不整合面19が位置している。
【0063】さらに、青色発光部20は、緑色発光部1
0の最上層のp型GaNエピタキシャル層21上に形成
されたGaN絶縁層22と、GaN絶縁層22上に形成
されたn型GaNエピタキシャル層23とを備え、さら
にその上に、n型AlGaNからなるクラッド層24
と、ZnとSiがドープされたn型In0.1 Ga0.9
からなる青色発光層25と、p型AlGaNからなるク
ラッド層26と、p型GaNエピタキシャル層27とが
順に積層されて構成される。なお、GaNの絶縁層の形
成には、CdもしくはZnのドーピングを用いた。
【0064】この実施例にように、本発明によれば、三
原色の多層構造の形成が可能となるため、1チップで
赤、緑、青の三原色を発光することができる。その結
果、各層への電圧を制御することにより、フルカラーデ
ィスプレイも実現可能となる。
【0065】また、緑色発光層15をノンドープのIn
0.8 Ga0.2 Nに、青色発光層25をノンドープのIn
0.5 Ga0.5 Nにすることにより、バンド端発光を利用
することができ、より発光波長のシャープな素子を得る
ことができる。これにより、色ボケのない、非常に視感
度の良い、フルカラーディスプレイの実現も可能とな
る。
【0066】さらに、この実施例においては、3色の発
光部の互いの間隔を、従来と比較して大幅に縮小できる
ため、高精細で高品質な画像を生み出すことが可能とな
る。
【0067】図6は、この発明による三原色発光素子の
一例の構造を示す平面図であり、同一の窓部27により
三原色の発光がとり出せる、透過光利用型の三原色発光
素子である。
【0068】また、図7は、この発明による三原色発光
素子の他の例の構造を示す平面図であり、直接光および
透過光利用型の三原色発光素子である。このように、各
エピタキシャル層群の発光効率が大きく異なる場合は、
三色が部分的に個別に構成されていてもよい。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、AlGaAsまたはGaAsPからなる層上に、高
品質の立方晶のGaNエピタキシャル層を形成する技術
を利用して、多層構造の三原色発光素子の作製が可能と
なる。
【0070】また、この発明によれば、速い成長速度
で、かつ同一チャンバ内でエピタキシャルウェハを製造
することができる上に、ヘテロ成長や多数枚成長も可能
である。したがって、この発明による方法は、工業的生
産に対しても十分に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エピタキシャルウェハの一例の構造を示す断面
図である。
【図2】この発明による有機金属クロライド気相エピタ
キシ成長法を用いたエピタキシャルウェハの製造に用い
られる気相成長装置の概略構成を示す図である。
【図3】GaNバッファ層の厚さと、GaNエピタキシ
ャル層のX線ピークの半値幅(FWHM)との関係を示
す図である。
【図4】GaNバッファ層の厚さと、GaNエピタキシ
ャル層の表面凹凸との関係を示す図である。
【図5】本発明による三原色発光素子の一例の構造を示
す断面図である。
【図6】この発明による三原色発光素子の一例の構造を
示す平面図である。
【図7】この発明による三原色発光素子の他の例の構造
を示す平面図である。
【図8】従来の赤色発光素子の一例の構造を示す断面図
である。
【図9】従来の青色発光素子の一例の構造を示す断面図
である。
【図10】従来の緑色発光素子の一例の構造を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 AlGaAs基板 2 GaNバッファ層 3 GaNエピタキシャル層 10 緑色発光部 11 AlGaAs層 12 バッファ層 13 第1のエピタキシャル層 15 緑色発光層 16 第1のクラッド層 17 第1の絶縁層 19 不整合面 20 青色発光部 22 第2の絶縁層 23 第2のエピタキシャル層 25 青色発光層 26 第2のクラッド層 30 赤色発光部 31 AlGaAs基板 32 赤色発光層 51 第1のガス導入口 52 第2のガス導入口 53 排気口 54 反応チャンバ 55 抵抗加熱ヒータ なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一基板上に成長された複数のエピタキ
    シャル層からなる多層構造三原色発光素子であって、 前記基板上に成長された、赤色発光素子構造をなす第1
    のエピタキシャル層群と、 前記第1のエピタキシャル層群上に成長された、緑色発
    光素子構造をなす第2のエピタキシャル層群と、 前記第2のエピタキシャル層群上に成長された、青色発
    光素子構造をなす第3のエピタキシャル層群とを含む、
    三原色発光素子。
  2. 【請求項2】 前記第1のエピタキシャル層群は、Al
    GaAsおよびGaAsPからなる群から選ばれる化合
    物半導体からなるエピタキシャル層を含み、 前記第2のエピタキシャル層群は、GaNからなるエピ
    タキシャル層を含み、 前記第3のエピタキシャル層群は、GaNからなるエピ
    タキシャル層を含み、 前記第2のエピタキシャル層群は、前記第1のエピタキ
    シャル層群との境界部にバッファ層を含む、請求項1記
    載の三原色発光素子。
  3. 【請求項3】 前記第1のエピタキシャル層群は、最上
    層がAlGaAsおよびGaAsPからなる群から選ば
    れる化合物半導体からなる層であり、 前記第2のエピタキシャル層群は、 厚さが10nm〜80nmのGaNからなるバッファ層
    と、 前記バッファ層上に成長された、GaNからなる第1の
    絶縁層と、 前記バッファ層と前記第1の絶縁層との界面に位置する
    不整合面と、 前記第1の絶縁層上に成長された、Alx Ga1-x
    (ただし、0≦x<1)からなる第1のエピタキシャル
    層と、 前記第1のエピタキシャル層上に成長された緑色発光層
    と、 前記緑色発光層上に成長された第1のクラッド層とを含
    み、 前記第3のエピタキシャル層群は、 GaNからなる第2の絶縁層と、 前記第2の絶縁層上に成長された、Aly Ga1-y
    (ただし、0≦y<1)からなる第2のエピタキシャル
    層と、 前記第2のエピタキシャル層上に成長された青色発光層
    と、 前記青色発光層上に成長された第2のクラッド層とを含
    む、請求項2記載の三原色発光素子。
  4. 【請求項4】 前記バッファ層の厚さは、20nm〜6
    0nmである、請求項2または請求項3に記載の三原色
    発光素子。
  5. 【請求項5】 同一基板上に複数のエピタキシャル層を
    成長させてなる多層構造三原色発光素子の製造方法であ
    って、 前記基板上に、最上層がAlGaAsおよびGaAsP
    からなる群から選ばれる化合物半導体からなる赤色発光
    素子構造をなす第1のエピタキシャル層群を形成するス
    テップと、 前記第1のエピタキシャル層群の前記最上層上に、外部
    から反応室全体を加熱しながら塩化水素およびガリウム
    を含む有機金属原料を含む第1のガスとアンモニアを含
    む第2のガスとを反応室内に導入して反応室内に設置さ
    れた基板上に気相成長させる方法により、第1の温度
    で、GaNからなるバッファ層を形成するステップと、 前記バッファ層上に、外部から反応室全体を加熱しなが
    ら塩化水素およびガリウムを含む有機金属原料を含む第
    1のガスとアンモニアを含む第2のガスとを反応室内に
    導入して反応室内に設置された基板上に気相成長させる
    方法により、前記第1の温度より高い第2の温度で、G
    aNからなる第1の絶縁層を形成するステップと、 前記第1の絶縁層上に、Alx Ga1-x N(ただし、0
    ≦x<1)からなる第1のエピタキシャル層を形成する
    ステップと、 前記第1のエピタキシャル層上に、緑色発光層を形成す
    るステップと、 前記緑色発光層上に、第1のクラッド層を形成するステ
    ップと、 前記第1のクラッド層上に、GaNからなる第2の絶縁
    層を形成するステップと、 前記第2の絶縁層上に、Aly Ga1-y N(ただし、0
    ≦y<1)からなる第2のエピタキシャル層を形成する
    ステップと、 前記第2のエピタキシャル層上に、青色発光層を形成す
    るステップと、 前記青色発光層上に、第2のクラッド層を形成するステ
    ップとを備える、三原色発光素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の温度は300℃〜700℃で
    あり、前記第2の温度は750℃以上である、請求項5
    記載の三原色発光素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の温度は400℃〜600℃で
    ある、請求項6記載の三原色発光素子の製造方法。
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