JPH08292522A - レンズ付きフイルムユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 前面が全体的に凸形状のユニット本体に紙箱
を隙間なく密着する。 【構成】 湾曲部３０には、円弧状にミシン目３２が設
けられている。紙箱４の上に前面が全体的に凸形状の曲
面をしたユニット本体を押し付けるようにして、紙箱４
を箱形に組み立てると、ミシン目３２は谷折りされて、
紙箱４の前面４ａがユニット本体の凸形状の曲面に密着
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、フイルムを内蔵すると
ともに撮影レンズやシャッタ機構が組み込まれたユニッ
ト本体を、折り曲げ形成した紙箱で全体的に覆ったレン
ズ付きフイルムユニットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】レンズ付きフイルムユニットには１３５
フイルム用のパトローネが組み込まれており、撮影を行
うごとに露光済みのフイルムをパトローネに巻き込むよ
うにしている。したがって、レンズ付きフイルムユニッ
トをコンパクト化しようとする際にはパトローネの外形
が制約となり、これまではレンズ付きフイルムユニット
の全体的な厚みをパトローネの外形以下にすることがで
きなかった。

【０００３】ところが、最近ではレンズ付きフイルムユ
ニットの全体的な厚みをパトローネの外径以下にした薄
形タイプのものが種々試みられている。薄形のレンズ付
きフイルムユニットの一例として、パトローネが組み込
まれたユニット本体の一部をパトローネの外形に倣って
半円筒状に突出させ、また撮影レンズを組み込んだ部分
を撮影レンズの焦点距離に対応した位置まで突出させる
他は、パトローネの外径以下の厚みにした「写ルンです
Ｓｕｐｅｒ８００」（商品名）が本出願人から販売され
ている。これは、従来のものと比較して外観的にかなり
の薄形化が達成されただけでなく、不使用時には手軽に
ポケットに入れることができる。

【０００４】また、明瞭なデザインを施して他製品との
差別化を図るために、ユニット本体の前面を、前述した
パトローネの外形に倣って半円筒状に突出させた部分と
撮影レンズを組み込んだ部分を除いて全体的に凸形状に
して曲面で構成したユニット本体が提案されている。

【０００５】上述したようなユニット本体は、ユニット
本体への汚れの付着や、塵埃の進入等を防止するため
に、メーカー名や模様が印刷された紙製のシート材料か
ら紙箱の形に打ち抜かれて形成されたもので、その全体
が覆われる。この紙箱には、前述した半円筒状に突出さ
せた部分を含めて覆うための湾曲部が設けられている。
この紙箱の各部には折り目が形成されており、この湾曲
部に半円筒状に突出させた部分を押し付けた状態で箱形
に折り曲げ形成させる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上述したものでは、半
円筒状に突出させた部分が紙箱の湾曲部に完全に密着せ
ず浮き上がってしまい、紙箱とユニット本体との隙間か
ら塵埃が進入して機能に支障を来す恐れがある。また、
前述したような、ユニット本体の前面を全体的に凸形状
にして曲面で構成したユニット本体では、特にユニット
本体の前面と紙箱との密着が損なわれる。

【０００７】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、前面が全体的に凸形状をした曲面で構成さ
れたユニット本体を紙箱で隙間なく覆えるようにしたレ
ンズ付きフイルムユニットを提供することを目的とする
ものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項１記載の発明では、フイルム及びパトローネ
を収納するとともに撮影レンズ及びシャッタ機構が組み
込まれ、前面に全体的に凸形状となった曲面を有し、か
つ半円筒状のグリップ部を曲面よりも膨出させたユニッ
ト本体と、曲面及びグリップ部を含めてユニット本体を
覆う紙箱とからなり、この紙箱には曲面とグリップ部の
境界に谷折り線を形成するためのミシン目を施したもの
で、ユニット本体の前面に紙箱が隙間なく密着される。

【０００９】請求項２記載の発明では、曲面とグリップ
部との境界はグリップ側に向かって凸となるように湾曲
し、この湾曲に沿って前記谷折線が形成される。請求項
３記載の発明では、曲面の凸形状高さを１〜５ｍｍした
ものである。請求項４記載のの発明では、ミシン目の１
カット分の長さを１〜１０ｍｍとしたものである。

【００１０】

【実施例】図３は、本発明のレンズ付きフイルムユニッ
トの外観を示すものであり、図２は、本発明に使用する
ユニット本体を示すものであり、図１は、紙箱４を展開
して表面側からみた状態を示すものである。レンズ付き
フイルムユニット２はユニット本体３と、その表面を覆
う紙箱４とからなる。このレンズ付きフイルムユニット
２の前面は、後述するグリップ部８によって膨出された
部分を除いて全体的に凸形状となって曲面３５で構成さ
れており、良好な保持が行なえるようになっている。

【００１１】ユニット本体３は、フイルムやパトローネ
を内蔵するとともに、シャッタ機構や巻止め機構が組み
込まれた本体部５と、その前面，背面にそれぞれフック
止めされた前カバー６，後カバー７とから構成されてい
る。

【００１２】ユニット本体３の前面３ａは、全体的に凸
形状となっており、曲面９で構成されている。また、各
部が丸められてコンパクトになっており、しかもパトロ
ーネの径よりも薄形化されている。本体部４に設けられ
ているパトローネ収納室の外壁は円筒状に突出してい
る。これに応じて前カバー６の左側には半筒形に***し
たグリップ部８が形成されている。

【００１３】前カバー６の上面にはカウンタ窓１０が形
成され、シャッタボタン１１が一体に設けられている。
前カバー６の前面には、ファインダ窓とストロボ窓とが
設けられ、本体部５に組み込んだ撮影レンズ１５，スト
ロボ発光部１６がそれぞれ露呈され、ストロボスイッチ
１７が一体に形成されている。

【００１４】このユニット本体３の前面３ａは、一点鎖
線で示しているように全体的に湾曲して凸形状になって
曲面９を構成している。この曲面で、ユニット本体３に
紙箱を密着して覆った際に、レンズ付きフイルムユニッ
ト２を保持しやすい形状が実現される。この凸形状部分
の高さは、１．０ｍｍ〜５．０ｍｍの範囲で形成され
る。

【００１５】紙箱４の主要部には、撮影レンズ１５の周
囲の***部１０，シャッタボタン１１，カウンタ窓１０
等を外部に露呈するために、各部に開口や切欠きが形成
されている。また、紙箱３の各面の境目には、折り目２
５や切込み２６が設けられており、組み立ての際に折り
曲げられる。なお、糊代２７はこの紙箱４を箱形に組み
立てるときの糊付けに用いられる。

【００１６】紙箱４の前面４ａの左側には、グリップ部
８に密着するように、縦方向に筋状の溝を複数設けて曲
げ強度を低下させ、湾曲しやすくした湾曲部３０が形成
されている。また、紙箱４の正面４ａの右側及び上側に
も同様の溝を設けて、ユニット本体３の丸みを付けた部
分に密着しやすくなっている。

【００１７】湾曲部３０の右端には、ミシン目３２が円
弧状に形成されている。この紙箱４を組み立てたとき
に、グリップ部８と曲面９との境界に沿って谷折りされ
て、曲面３５の形成とともに湾曲部３０を前方に膨出す
る。このミシン目３２の１カットは、曲率や紙質等に応
じて、１．０ｍｍ〜１０．０ｍｍの範囲で形成される。

【００１８】また、紙箱３の後面３ｂには、撮影時にユ
ーザーの親指が掛かる範囲に上記と同様の直線状の溝を
形成して、スベリ止め３４を構成している。なお、紙箱
４に設けた開口，折り目２５，ミシン目３２等は、シー
ト状物を紙箱４の形に打ち抜いた際に形成される。

【００１９】このような構成の作用について説明する。
ユニット本体２を紙箱３で覆う際には、紙箱４の上にユ
ニット本体３の前面３ａを押し付けるようにして、各部
の折り目２５や切込み２６に沿ってユニット本体３を包
むように各面を折り曲げた後、糊代２７を各々接着す
る。

【００２０】ユニット本体３の前面３ａを紙箱４の前面
４ａに押し付けて紙箱４を箱形に組み立てると、ミシン
目３２はグリップ部８と曲面９との境界に沿って谷折り
されて、曲面３５の形成とともに湾曲部３０を前方に膨
出し、グリップ部８と曲面９との境界に密着するととも
に、ユニット本体３の前面３ａと紙箱４の前面４ａとを
密着する。ミシン目３２は復元力が弱いので、この部分
はクセやモドリ等による影響をうけにくく、ユニット本
体３の前面３ａに紙箱４の前面４ａが隙間なく覆った状
態に保持される。

【００２１】これにより、ユニット本体３と紙箱との間
に隙間ができて外見上見苦しいとか、隙間からゴミや異
物等が入り込んだりということがなくなり、レンズ付き
フイルムユニット２を保持したときの安定感が格段に向
上する。

【００２２】

【発明の効果】上述したように、本発明のレンズ付きフ
イルムユニットによれば、前面に全体的に凸形状となっ
た曲面とグリップ部を有するユニット本体を、曲面とグ
リップ部との境界に谷折り線を形成するためにミシン目
を形成した紙箱で覆うようにしたので、外観、操作性が
良好で個性的な形状のレンズ付きフイルムユニットが提
供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明で使用する紙箱の表面展開図である。

【図２】図１に示す紙箱で全体が覆われるユニット本体
を示す斜視図である。

【図３】レンズ付きフイルムユニットの外観図である。

【符号の説明】

２ レンズ付きフイルムユニット ３ ユニット本体 ３ａ 前面 ４ 紙箱 ４ａ 前面 ８ グリップ部 ９ 曲面 ２５ 折り目 ２６ 切込み ３０ 湾曲部 ３２ ミシン目 ３５ 曲面

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フイルム及びパトローネを収納するとと
   もに撮影レンズ及びシャッタ機構が組み込まれ、前面に
   全体的に凸形状となった曲面を有し、かつ半円筒状のグ
   リップ部を曲面よりも膨出させたユニット本体と、前記
   曲面及びグリップ部を含めてユニット本体を覆う紙箱と
   からなり、この紙箱には前記曲面とグリップ部の境界に
   谷折り線を形成するためのミシン目を施したことを特徴
   とするレンズ付きフイルムユニット。
2. 【請求項２】 前記曲面とグリップ部との境界はグリッ
   プ側に向かって凸となるように湾曲し、この湾曲に沿っ
   て前記谷折線が形成されることを特徴とする請求項１記
   載のレンズ付きフイルムユニット。
3. 【請求項３】 前記曲面の凸形状高さが１〜５ｍｍであ
   ることを特徴とする請求項１又は２記載のレンズ付きフ
   イルムユニット。
4. 【請求項４】 前記ミシン目の１カット分の長さが１〜
   １０ｍｍであることを特徴とする請求項３記載のレンズ
   付きフイルムユニット。