JPH0829069A - 熱間等方圧加圧装置の冷却方法 - Google Patents

熱間等方圧加圧装置の冷却方法

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JPH0829069A
JPH0829069A JP6157213A JP15721394A JPH0829069A JP H0829069 A JPH0829069 A JP H0829069A JP 6157213 A JP6157213 A JP 6157213A JP 15721394 A JP15721394 A JP 15721394A JP H0829069 A JPH0829069 A JP H0829069A
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JP
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furnace chamber
medium gas
pressure medium
pressure
cooling
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JP6157213A
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Tomomitsu Nakai
友充 中井
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱間等方圧加圧装置の断熱層で囲撓された炉
室内を、急速かつ効果的に冷却する。 【構成】 冷却開始時には、炉室5内外を経由して循環
する流れと該炉室5内を循環する流れとで圧媒ガスを高
圧容器1内で循環させ、高圧容器1内の温度が低下した
後は、炉室5内外を経由して循環する流れのみで圧媒ガ
スを高圧容器1内で循環させる。 【効果】 冷却開始時には、圧媒ガスの密度差による
自然対流にて炉室内外を経由する循環流と圧媒ガス強制
循環機構による炉室内での循環流とで該炉室内を急速か
つ均一に冷却し、かつ温度が低下した後は、圧媒ガスを
炉室内外を経由して循環させることで高圧容器内壁面に
効率的に接触させて、炉室内外の温度差の減少にて圧媒
ガスの密度差がなくなって炉室内外が平衡状態に近づい
た後も急速かつ効率よく冷却することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋳造品の欠陥除去等に
用いられる熱間等方圧加圧装置(以下、HIP装置とい
う)における熱間等方圧加圧処理(以下、HIP処理と
いう)後の被処理物および圧媒ガスの冷却方法に関し、
具体的には、冷却時間を短縮し、高圧容器の過昇温を確
実に防止することができる熱間等方圧加圧装置の冷却方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高温高圧下で種々の材料の処理を
行う要求が高まり、そのための装置としてHIP装置が
注目されている。このHIP装置によれば、例えば金属
粉末あるいはセラミック粉末などの粉末材料を高圧下で
焼結でき、大気圧あるいは真空下で焼結されたものに比
し、密度が大で、強度も高い等の多くの長所を有する。
また、HIP装置は、内部に多数の微視的空孔を有した
(時には肉眼で観測可能な大きな空孔も存在する)通常
品を高温高圧処理することにより、これらの空孔を完全
に、あるいは実用上支障のない程度に微細化または減少
させることが可能であり、結果的に強度の向上も可能で
鋳造欠陥の除去、品質の向上に大きな役割を果たす。
【0003】これらのHIP装置は、基本的には、高圧
ガスを気密に封入できる高圧容器の内部に設置された倒
立コップ状の断熱層と、該断熱層内の炉室内に設けられ
たヒーターとを有する。また、高圧容器には、炉室内に
アルゴンガス(以下Arガスと略記する)等の圧媒ガス
を加圧注入するためのガス供給孔が開設されている。被
処理物は、炉室内で高温高圧の圧媒ガスによりHIP処
理される。上記の構成要素のうち、HIP装置の性能を
支配する重要なものは断熱層であり、高圧下という特殊
条件下にさらされることから通常の高温炉の断熱層とは
異なった構成が要求される。すなわち、この種の装置
で、圧力媒体として用いるArガスは、例えば196.
13Mpa(2000kg/cm2)、1450℃の条件下では、
常温常圧のときに比し粘性は3.8倍に過ぎないが、熱
容量は240倍以上に達する。このように、Arガスは
熱容量が極めて大きいにもかかわらず、流動性にも富ん
でいるため、対流による熱伝達量は極めて大きい。従っ
て、断熱層としては、炉室内の高温ガスの炉室外への流
出を抑制し、熱損失を低く抑えるようにしたものが使用
されている。
【0004】しかし、このような断熱層を使用すると、
HIP処理後の冷却工程に時間がかかることとなるの
で、断熱層内の速やかな冷却を実現しようとした技術が
多々提案されている。
【0005】その例として、特開昭59−87032号
公報に開示された技術がある。これを図5に示す。図5
におけるHIP装置は、高圧容器50の内部に断熱層5
1を設置して該断熱層51内を炉室56とするととも
に、該断熱層51上部に蓄熱体58を設置し、前記断熱
層51の下方に流路開閉調節機構54を設置し、前記炉
室56内に被処理物を載置する処理台53と内筒52お
よびヒーター57を配置し、該処理台53下方に圧媒ガ
ス攪拌用の強制攪拌手段55が設置されて構成されてい
る。この技術では、HIP処理中は、(a)図に示すよ
うに流路開閉調節機構54を閉じ、熱せられた圧媒ガス
を炉室56から出ないようにしている。また、HIP処
理後は炉室56内を冷却するため、(b)図に示すよう
に流路開閉調節機構54を開く。高温の圧媒ガスは断熱
層51上部から蓄熱体58を経て、断熱層51外に流出
し、断熱層51と高圧容器50との空間を高圧容器50
に抜熱されながら下降し、流路開閉調節機構54を経
て、圧媒ガス強制撹拌手段55を経て、炉室56内に戻
る。このようにして、炉室56内の冷却を行っている。
【0006】次に、また別の従来技術として特公昭62
−58770号公報に開示された技術を図6に示す。図
6におけるHIP装置は、高圧容器60の内部に断熱層
61を設置して該断熱層61内を炉室66とするととも
に、該炉室66内に内筒62とヒーター67および第一
圧媒ガス強制撹拌手段65を設置し、前記高圧容器60
の内部下方に第二圧媒ガス強制撹拌手段68および熱交
換器69が設置されている。この技術では、HIP処理
後は、炉室66内を冷却するため、第一圧媒ガス強制攪
拌手段65および第二圧媒ガス強制攪拌手段68を作動
させる。高温の圧媒ガスは、作業スペース63を上方か
ら下方に下降し、第一圧媒ガス強制攪拌手段65を経
て、内筒62の下方より断熱層61と内筒62との空間
を上昇する第一循環流と、断熱層61と内筒62との空
間を上昇し、断熱層61と高圧容器60との空間を高圧
容器60に抜熱されながら下降し、第二圧媒ガス強制攪
拌手段68を経て、熱交換器69を通り、断熱層61と
内筒62との空間で第一循環流と合流する第二循環流と
で高圧容器60内を循環する。このようにして、炉室6
6内の冷却を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭59−87
032号公報に開示されたようなHIP装置では、前記
蓄熱体による抜熱で圧媒ガスは循環開始時には速やかに
冷却されるが、蓄熱体の温度が上昇し、蓄熱体の温度と
圧媒ガスの温度とが平衡状態に達した後は、もはや蓄熱
体は圧媒ガスの冷却作用は行わず、むしろ放熱を行うよ
うになり、冷却速度が極端に減少するという問題があっ
た。
【0008】また、この課題を改善する技術として、前
記特公昭62−58770号公報に開示された技術があ
るが、これは圧媒ガス撹拌用の強制手段を二つ設置する
ことによって、装置自体の機構が複雑になるばかりでな
く、炉室内の作業容積を大幅に小さくするという問題が
あった。さらに、圧媒ガスの循環流路のパターンが一種
類しかないため、炉室内が平衡状態になっていくにつ
れ、冷却速度が急速に低下し、効果的な炉室内の冷却が
できないという致命的な問題があった。
【0009】本発明は、上記のような課題に鑑みてなさ
れたものであり、炉室内の急速かつ効果的な冷却を可能
ならしめたHIP装置の冷却方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、高圧容器1の
内部に倒立コップ状で上部に通孔7を設けた断熱層4を
設置して該断熱層4内が炉室5とされているとともに、
該炉室5内に設置された内筒10の内側に配置される被
処理物9に高温高圧の圧媒ガスを作用させる熱間等方圧
加圧装置によって前記被処理物9を熱間等方圧加圧処理
した後、前記炉室5内に設けられた圧媒ガス強制循環機
構15を利用することで前記炉室5内を冷却する熱間等
方圧加圧装置の冷却方法において、上記課題を解決する
ために、以下の技術的手段を講じたことを特徴とするも
のである。すなわち、請求項1に係る発明は、冷却開始
時には、前記炉室5内外を経由して循環する流れと前記
炉室5内を循環する流れとで圧媒ガスを高圧容器1内で
循環させ、高圧容器1内の温度が低下した後は、前記炉
室5内外を経由して循環する流れのみで圧媒ガスを高圧
容器1内で循環させることを特徴とするものである。
【0011】また、請求項2に係る発明は、冷却開始時
には、前記内筒10内の空間を上昇して前記断熱層4と
高圧容器1との間の空間を下降して循環する流れと前記
内筒10内の空間を上昇して該内筒10と前記断熱層4
との間の空間を下降して循環する流れとで圧媒ガスを高
圧容器1内で循環させ、炉室5内の温度が低下した後
は、前記内筒10内の空間を上昇して前記断熱層4と高
圧容器1との間の空間を下降して循環する流れのみで圧
媒ガスを高圧容器1内で循環させることを特徴とするも
のである。
【0012】また、請求項3に係る発明は、冷却開始時
には、前記内筒10と断熱層4との間の空間を上昇して
前記断熱層4と高圧容器1との間の空間を下降して循環
する流れと前記内筒10と断熱層4との間の空間を上昇
して該内筒10内の空間を下降して循環する流れとで圧
媒ガスを高圧容器1内で循環させ、高圧容器1内の温度
が低下した後は、前記内筒10内の空間を上昇して前記
断熱層4と高圧容器1との間の空間を下降して循環する
流れのみで圧媒ガスを高圧容器1内で循環させることを
特徴とするものである。
【0013】
【作用】請求項1に係る発明では、冷却開始時には、炉
室5内外の圧媒ガスの密度差による自然対流によって発
生する炉室5内外を経由して循環する流れと、圧媒ガス
強制循環機構15によって発生する炉室5内を循環する
流れとで圧媒ガスを高圧容器1内で循環させる。これに
より、前者の流れによって炉室5内が急速に冷却される
とともに、後者の流れによって炉室5内が攪拌されて均
熱が保持され、従って炉室5内は急速にかつ均一に冷却
される。
【0014】しかし、冷却開始からの時間が経過する
と、炉室5内外の温度差の減少とともに炉室5内外の圧
媒ガスの密度差がなくなり、炉室5内外は平衡状態とな
り炉室5内の冷却速度が低下する。ここで、炉室5内を
循環する流れを止め、炉室5内外を経由して循環する流
れで圧媒ガスを高圧容器1で循環させる。これにより、
圧媒ガスの抜熱をする高圧容器1内壁面に効率的に接触
させることができ、炉室5内は炉室5内外が平衡状態に
近づいた後も急速かつ効率よく冷却される。
【0015】請求項2に係る発明では、冷却開始時に
は、炉室5内外の圧媒ガスの密度差による自然対流によ
って発生する内筒10内の空間を上昇して断熱層4と高
圧容器1との間の空間を下降して循環する流れと、圧媒
ガス強制循環機構15によって発生する内筒10内の空
間を上昇して内筒10と断熱層4との間の空間を下降し
て循環する流れとで圧媒ガスが高圧容器1内で循環す
る。これにより、前者の流れによって炉室5内が急速に
冷却されるとともに、後者の流れによって炉室5内が攪
拌されて均熱が保持され、従って炉室5内は急速にかつ
均一に冷却される。
【0016】しかし、冷却開始からの時間が経過する
と、炉室5内外の温度差の減少とともに炉室5内外の圧
媒ガスの密度差がなくなり、炉室5内外は平衡状態とな
り炉室5内の冷却速度が低下する。ここで、内筒10内
の空間を上昇して内筒10と断熱層4との間の空間を下
降して循環する流れを止め、内筒10内の空間を上昇し
て断熱層4と高圧容器1との間の空間を下降して循環す
る流れのみで圧媒ガスを循環させる。これにより、圧媒
ガスの抜熱をする高圧容器1内壁面に効率的に接触させ
ることができ、炉室5内は炉室5内外が平衡状態に近づ
いた後も急速かつ効率よく冷却される。
【0017】さらに、冷却開始時は、二つの循環流は共
に断熱層4下部より断熱層4上部への循環流を有するも
のであり、圧媒ガスの対流方向と同じ方向の流れとなっ
ている。これにより、圧媒ガス強制循環機構15にかか
る負担は軽減できる。
【0018】請求項3に係る発明では、冷却開始時に
は、炉室5内外の圧媒ガスの密度差による自然対流によ
って発生する内筒10と断熱層4との間の空間を上昇し
て断熱層4と高圧容器1との間の空間を下降して循環す
る流れと、圧媒ガス強制循環機構15によって発生する
内筒10と断熱層4との間の空間を上昇して内筒10内
の空間を下降して循環する流れとで圧媒ガスを高圧容器
1内で循環させる。これにより、前者の流れによって炉
室5内が急速に冷却されるとともに、後者の流れによっ
て炉室5内が攪拌されて均熱が保持され、従って炉室5
内は急速にかつ均一に冷却される。
【0019】しかし、冷却開始からの時間が経過する
と、炉室5内外の温度差の減少とともに炉室5内外の圧
媒ガスの密度差がなくなり、炉室5内外は平衡状態とな
り炉室5内の冷却速度が低下する。ここで、前記の2つ
の流れを止め、圧媒ガス強制循環機構15によって内筒
10内の空間を上昇して断熱層4と高圧容器1との間の
空間を下降して循環する流れを発生させ、この流れで圧
媒ガスを高圧容器1内で循環させる。これにより、圧媒
ガスを抜熱する高圧容器内面に効果的に接触させること
ができ、炉室5内は炉室5内外が平衡状態に近づいた後
も急速かつ効率よく冷却される。
【0020】さらに、この請求項3の発明における冷却
開始時の圧媒ガス強制循環機構15による循環流は、一
般に炉室5内の均熱効果がより優れているとされる流
れ、すなわち、内筒10内の空間を下降する流れであ
る。
【0021】従って、炉室5内の均熱効果を重視するた
めに内筒10内の空間を下降する循環流を発生させる場
合においても、本発明を適用すれば、優れた炉室5内の
均熱効果が得られると同時に、炉室5内の急速な冷却が
冷却工程全般にわたって可能となる。
【0022】
【実施例】図1は第一実施例に係るHIP装置の断面図
である。図1において、符号1は上蓋2および下蓋3が
取り付けられた高圧容器であり、該高圧容器1の内部に
倒立コップ状で上部に通孔7を設けた断熱層4を設置し
て該断熱層4内が炉室5とされているとともに、該炉室
5内に内筒10が設置されている。また、前記断熱層4
の上部に蓄熱体8が設置され、前記炉室5内にヒーター
6が設置され、さらに前記炉室5内下方に処理台16が
設置されている。該処理台16の上には被処理物9が載
置される。
【0023】前記炉室5内には、前記処理台16の下方
にモーター27と該モーター27で駆動する圧媒ガス強
制循環機構15とが設置されている。また、断熱層4の
下部の支持筒11には第一通孔20が、また、炉室5を
上下に二分する部材13には第二通孔21が設けられて
いる。開閉弁からなる第一流路開閉調節機構12は該第
一通孔20を開閉し、また、同じく開閉弁からなる第二
流路開閉調節機構14は第二通孔21を開閉するように
設置されている。
【0024】前記処理台16には圧媒ガスが流れるよう
に、多数の通気孔18が設けてある。断熱層4の上壁部
には、蓄熱体8を貫通する流出口と連通する圧媒ガスの
通孔7が設けられている。
【0025】まず、被処理物9を高温高圧下で処理して
いる際には、第一通孔20および第二通孔21は前記流
路開閉調節機構12、14により両方とも閉じられてい
る。
【0026】第一実施例の冷却工程における圧媒ガスの
流れを図3を用いて説明する。まず、HIP処理後の冷
却工程前半における圧媒ガスの流れを、(a)図を用い
て説明する。HIP処理後、炉室5内の冷却を開始する
際、第一通孔20および第二通孔21を共に開くと、炉
室5内外の圧媒ガスの密度差による自然対流である第一
循環流Aと、圧媒ガス強制循環機構15の作動による強
制対流である第二循環流Bとの2通りの流れが発生して
圧媒ガスは高圧容器1内を循環する。第一循環流Aは、
炉室5内を上昇した高温の圧媒ガスを蓄熱体8に通過さ
せ抜熱し、さらに高圧容器1の内面に沿って下降させる
際にも高圧容器1内面への熱伝達により抜熱して、第一
通孔20を経て、モーター27上部に設けられた中央流
路17より内筒10内の空間に還流するものである。第
二循環流Bは、炉室5内を第一循環流Aとともに上昇し
た高温の圧媒ガスを、内筒10と断熱層4との間の空間
を下降させ、第二通孔21を経て、圧媒ガス強制循環機
構15の作動によって再びモーター27上部に設けられ
た中央流路17より内筒10内の空間に還流するもので
ある。上記の2通りの流れによると、第一循環流Aによ
って炉室5内が急速に冷却されるとともに、第二循環流
Bによって炉室5内が攪拌されて均熱が保持される。従
って、炉室5内は急速にかつ均一に冷却される。
【0027】しかし、時間が経ち冷却が進行するにつれ
炉室5内外は平衡状態に近づき、冷却速度は低下してし
まう。ここで、圧媒ガスの流れを変化させて冷却速度の
低下を防止する。これを(b)図を用いて説明する。炉
室5内が平衡状態に近づいた冷却過程後半において、そ
れまで開かれていた第二通孔21を閉じると、前記第二
循環流Bが止まる。これにより、圧媒ガス強制循環機構
15による強制対流は前記第一循環流Aのみに集中する
こととなり、第一循環流Aによる炉室5内の冷却が促進
され、その結果、冷却速度の低下を防ぐことができる。
【0028】図2は第二実施例に係るHIP装置の断面
図であり、図2において、符号1は上蓋2および下蓋3
が取り付けられた高圧容器であり、該高圧容器1の内部
に倒立コップ状で上部に通孔7を設けた断熱層4を設置
して該断熱層4内が炉室5とされているとともに、該炉
室5内に内筒10が設置されている。また、前記断熱層
4の上部に蓄熱体8が設置され、前記炉室5内にヒータ
ー6が設置され、さらに前記炉室5内下方に処理台16
が設置されている。該処理台16の上に被処理物9が載
置される。
【0029】前記炉室5内には、前記処理台16の下方
にモーター27と該モーター27で駆動する圧媒ガス強
制循環ファン19とが設置されている。また、断熱層4
の下部の支持筒11には第一通孔20が、また、炉室5
を上下に二分する部材13には第二通孔21とが設けら
れている。第一流路開閉調節調節機構12は該第一通孔
20を開閉し、また第二流路開閉調節機構14は第二通
孔21を開閉するように設置されている。
【0030】前記処理台16には圧媒ガスが流れるよう
に、多数の通気孔18が設けてある。断熱層4の上壁部
には、蓄熱体8を貫通する流出口と連通する圧媒ガスの
通孔7が設けられている。
【0031】被処理物9を高温高圧下で処理している際
には、第一通孔20および第二通孔21は両方とも閉じ
られている。
【0032】第二実施例の冷却工程における圧媒ガスの
流れを図4を用いて説明する。まず、HIP処理後の冷
却工程前半における圧媒ガスの流れを、(a)図を用い
て説明する。炉室5内の冷却を開始する際、第一通孔2
0および第二通孔21を共に開いて2通りの流れを発生
させる点では第一実施例と同様である。この第二実施例
における自然対流である第一循環流Cは、炉室5内では
第二通孔21を通り内筒10と断熱層4との間の空間を
上昇するものである。また、強制対流である第二循環流
Dは、圧媒ガス強制循環ファン19の作動によって炉室
5内の高温の圧媒ガスが上方から下方へ流れ、モーター
27上部に設けられた中央流路17を経て、第二通孔2
1を通り、内筒10と断熱層4との間の空間を第一循環
流Cとともに上昇し、再び内筒10内に戻るものであ
る。上記の2通りの流れによると、第一循環流Cによっ
て炉室5内が急速に冷却されるとともに、第二循環流D
によって炉室5内が攪拌されて均熱が保持される。従っ
て、炉室5内は急速にかつ均一に冷却される。
【0033】しかし、時間が経ち冷却が進行するにつれ
炉室5内外は平衡状態に近づき、冷却速度は低下してし
まう。ここで、第一実施例の場合と同様に、圧媒ガスの
流れを変化させて冷却速度の低下を防止する。これを
(b)図を用いて説明する。炉室5内が平衡状態に近づ
いた冷却過程後半において、それまで開かれていた第二
通孔21を閉じると、前記第一および第二循環流C、D
が止まる。また同時に圧媒ガス強制循環ファン19を冷
却開始時とは逆方向に回転させると、炉室5内の高温の
圧媒ガスを断熱層4の上部に設けた蓄熱体8に通過し、
さらに高圧容器1の内面に沿って下降させて、第一通孔
20を経て、内筒10内に還流する循環流Eが発生す
る。これにより、炉室5内の冷却は、圧媒ガス強制循環
機構15による強制対流である循環流Eによって促進さ
れ、その結果、冷却速度の低下を防ぐことができる。
【0034】上記2つの実施例の図には、支持筒11に
流路開閉調節機構12が一つしか記載されていないが、
周上に複数設けられるのが一般的であり、その数は適宜
設定すればよい。
【0035】また、上記2つの実施例の図には、炉室5
を上下に二分する部材13に流路開閉調節機構14が二
つしか記載されていないが、複数設けても差し支えない
のはいうまでもなく、その数は適宜設定すればよい。
【0036】上記2つの実施例では、筒状の高圧容器の
上下部にそれぞれ蓋を有する例を示したが、小型の高圧
容器の場合は、機構を単純化しコストダウンを図るた
め、高圧容器の形状を有底筒状の本体とその開口部を塞
ぐ蓋とで構成してもよい。
【0037】また、上記2つの実施例では、断熱層下方
に支持筒を設け、該支持筒に第二流路開閉調節機構を設
ける例を示したが、断熱層下方に支持筒を設けず、第二
流路開閉調節機構を断熱層下部に直接設ける構成にして
もよい。
【0038】さらに、上記2つの実施例では、高圧容器
の外周壁に何も設けていない例を示したが、圧媒ガスの
冷却速度をさらに速め、作業効率を上げるため、高圧容
器の外周壁に水冷ジャケットを周設してもよい。
【0039】また、上記2つの実施例では、高圧容器の
側壁の上、下開口部端部には何も設けていない例を示し
たが、圧媒ガスの冷却速度をさらに速め、作業効率を上
げるため、上、下開口部端部に水冷ジャケットを設ける
構成にしてもよい。
【0040】さらに、上記2つの実施例では、断熱層上
部に蓄熱体を設ける例を示したが、蓄熱体は冷却開始時
は圧媒ガスの熱を奪うが、冷却が進んで圧媒ガスの温度
が下がり、蓄熱体の温度が上がってくると、かえって蓄
熱体自身の放熱によって、圧媒ガスの冷却の妨げとなる
場合があるので、必ずしも蓄熱体を設ける必要はない。
機構を単純化しコストダウンおよび作業効率の向上を図
るのであれば、該蓄熱体を設けない構成にしてもよい。
【0041】また、圧媒ガス強制循環機構としてはスワ
ラー、ファン、ポンプ等を設ける構成が考えられる。
【0042】また、上記2つの実施例では、循環する圧
媒ガスの流量制御機構は設けない例を示したが、作業効
率を上げるため、ファンの回転数を変化させたりする流
量制御機構を設ける構成にしてもよい。
【0043】さらに、上記2つの実施例では、二つの流
路開閉調節機構を設ける例を示したが、機構を単純化し
コストダウンを図るため、二つの流路開閉調節機構を設
けず、代替手段として、ラビリンスを設ける構成にして
もよい。
【0044】
【発明の効果】本発明は以上説明した通りであって、請
求項1に係る発明によると、冷却工程前半だけでなく、
炉室5内が平衡状態に近づいた後においても、炉室5内
の急速かつ効率的な冷却が実現できる。これにより、作
業サイクルの短縮が可能となり、総じて作業効率の向上
が実現される。
【0045】さらに、請求項2に係る発明によると、上
記請求項1に係る本発明による効果が得られるととも
に、圧媒ガス強制循環機構15にかかる負担が軽減でき
る。よって、電力の節約も実現でき、これによって、製
品の製造コストを低く抑えることが可能となり、総じて
さらなる作業効率の向上が実現される。
【0046】さらに、請求項3に係る発明によると、炉
室5内の優れた均熱効果を保持できると同時に、上記請
求項1に係る発明による効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例のHIP装置の断面図である。
【図2】第二実施例のHIP装置の断面図である。
【図3】第一実施例のHIP装置の冷却工程における圧
媒ガスの循環流を示す図面であって、(a)図は冷却開
始時における圧媒ガスの循環流示す模式図、(b)図は
高圧容器内の冷却速度が低下した後における圧媒ガスの
循環流示す模式図である。
【図4】第二実施例のHIP装置の冷却工程における圧
媒ガスの循環流を示す図面であって、(a)図は冷却開
始時における圧媒ガスの循環流示す模式図、(b)図は
高圧容器内の冷却速度が低下した後における圧媒ガスの
循環流示す模式図である。
【図5】従来のHIP装置の概略断面図である。
【図6】従来のHIP装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 高圧容器 12 第一流路開閉調節機構 2 上蓋 13 炉室を上下に二分する
部材 3 下蓋 14 第二流路開閉調節機構 4 断熱層 15 圧媒ガス強制循環機構 5 炉室 16 処理台 6 ヒーター 17 中央流路 7 通孔 18 通気孔 8 蓄熱体 20 第一通孔 9 被処理物 21 第二通孔 10 内筒 27 モーター 11 支持筒

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧容器1の内部に倒立コップ状で上部
    に通孔7を設けた断熱層4を設置して該断熱層4内が炉
    室5とされているとともに、該炉室5内に設置された内
    筒10の内側に配置される被処理物9に高温高圧の圧媒
    ガスを作用させる熱間等方圧加圧装置によって前記被処
    理物9を熱間等方圧加圧処理した後、前記炉室5内に設
    けられた圧媒ガス強制循環機構15を利用することで前
    記炉室5内を冷却する熱間等方圧加圧装置の冷却方法に
    おいて、冷却開始時には、前記炉室5内外を経由して循
    環する流れと前記炉室5内を循環する流れとで圧媒ガス
    を高圧容器1内で循環させ、高圧容器1内の温度が低下
    した後は、前記炉室5内外を経由して循環する流れのみ
    で圧媒ガスを高圧容器1内で循環させることを特徴とす
    る熱間等方圧加圧装置の冷却方法。
  2. 【請求項2】 高圧容器1の内部に倒立コップ状で上部
    に通孔7を設けた断熱層4を設置して該断熱層4内が炉
    室5とされているとともに、該炉室5内に設置された内
    筒10の内側に配置される被処理物9に高温高圧の圧媒
    ガスを作用させる熱間等方圧加圧装置によって前記被処
    理物9を熱間等方圧加圧処理した後、前記炉室5内に設
    けられた圧媒ガス強制循環機構15を利用することで前
    記炉室5内を冷却する熱間等方圧加圧装置の冷却方法に
    おいて、冷却開始時には、前記内筒10内の空間を上昇
    して前記断熱層4と高圧容器1との間の空間を下降して
    循環する流れと前記内筒10内の空間を上昇して該内筒
    10と前記断熱層4との間の空間を下降して循環する流
    れとで圧媒ガスを高圧容器1内で循環させ、炉室5内の
    温度が低下した後は、前記内筒10内の空間を上昇して
    前記断熱層4と高圧容器1との間の空間を下降して循環
    する流れのみで圧媒ガスを高圧容器1内で循環させるこ
    とを特徴とする熱間等方圧加圧装置の冷却方法。
  3. 【請求項3】 高圧容器1の内部に倒立コップ状で上部
    に通孔7を設けた断熱層4を設置して該断熱層4内が炉
    室5とされているとともに、該炉室5内に設置された内
    筒10の内側に配置される被処理物9に高温高圧の圧媒
    ガスを作用させる熱間等方圧加圧装置によって前記被処
    理物9を熱間等方圧加圧処理した後、前記炉室5内に設
    けられた圧媒ガス強制循環機構15を利用することで前
    記炉室5内を冷却する熱間等方圧加圧装置の冷却方法に
    おいて、冷却開始時には、前記内筒10と断熱層4との
    間の空間を上昇して前記断熱層4と高圧容器1との間の
    空間を下降して循環する流れと前記内筒10と断熱層4
    との間の空間を上昇して該内筒10内の空間を下降して
    循環する流れとで圧媒ガスを高圧容器1内で循環させ、
    高圧容器1内の温度が低下した後は、前記内筒10内の
    空間を上昇して前記断熱層4と高圧容器1との間の空間
    を下降して循環する流れのみで圧媒ガスを高圧容器1内
    で循環させることを特徴とする熱間等方圧加圧装置の冷
    却方法。
JP6157213A 1994-07-08 1994-07-08 熱間等方圧加圧装置の冷却方法 Withdrawn JPH0829069A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014089041A (ja) * 2013-11-28 2014-05-15 Avure Technologies Ab 熱間静水圧プレス装置
KR101511512B1 (ko) * 2013-04-26 2015-04-13 주식회사 케이엔제이 냉각팬을 구비한 서셉터 제조장치
US9358747B2 (en) 2007-12-14 2016-06-07 Avure Technologies Ab Hot isostatic pressing arrangement
CN117300129A (zh) * 2023-11-30 2023-12-29 四川力能超高压设备有限公司 等静压成型装置
CN117507470A (zh) * 2024-01-05 2024-02-06 北京海德利森科技有限公司 一种热等静压设备及其冷却方法

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