JPH08290543A - 新聞印刷方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゾーニングニュースペーパー等を高能率で経
済的に印刷できるようにする。 【構成】 新聞印刷輪転機の印刷部と折り部との間にイ
ンクジェット印刷ユニットを配設すると共に、印刷部の
版胴に取付ける印刷版の一部分に巻取紙上に印字の無い
空白部を形成する部分を設け、印刷部から引き出されて
くる巻取紙の空白部にインクジェット印刷ユニットによ
り、所定部数毎に夫々異なった前記空白部以外の部分の
印刷内容に関連する印刷を、巻取紙の走行を止めること
なく連続的に行なう。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は新聞印刷方法の改良に係
り、配布地域毎に広告等の内容の一部が夫々異なる新聞
を、巻取紙の走行を止めることなく連続的に印刷するよ
うにした新聞印刷方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図５は、従前の新聞印刷用輪転機の一例
を示すものである。当該輪転機では、給紙部Ａから引出
した巻取紙１に各印刷部Ｂで所定の印刷を行い、３基の
印刷部Ｂで両面印刷をした各巻取紙１を重ね状にして折
り部Ｃへ送り込み、該折り部Ｃで裁断並びに折り畳みを
行なって新聞としたあと、デリバリファンＤ等を介して
前記新聞を搬送装置（図示省略）上へ順次排出するよう
に構成している。

【０００３】例えば、所謂Ａ巻の巻取紙１を使用し且つ
片出とした場合には、各印刷部Ｂで夫々新聞８頁分の印
刷ができ、図５の場合では２４頁の新聞が印刷されるこ
とになる。同様に、図５の印刷機に於いて両出しとした
場合には、各印刷部Ｂで新聞４頁分が夫々印刷され、合
計１２頁の新聞が印刷されることになり、新聞の頁数に
応じて前記印刷部Ｂの連結基数が変わることになる。

【０００４】ところで、新聞の広告例えば１頁の全面を
使用した自動車等の広告の場合には、図６に示すよう
に、自動車等の写真部分Ｇを共通とし、ディラー名を記
載した文字部分Ｈの内容だけを地域毎に変えて広告面と
する方法が多く採用されている。

【０００５】そのため、この様な広告紙面を有する新聞
の印刷に於いては、先ず前記文字部分Ｈに記載されたデ
ィラー等の管轄地域に配布する必要部数の新聞を印刷
し、次に、輪転印刷機の運転を止めて前記広告紙面の印
刷版を取り外し、その後、これに代えて文字部分Ｈの部
分のディラー名等を変えた印刷版を版胴に取付け、その
後、新たなディラーが管轄する地域の配布に必要とする
部数の新聞を印刷するようにしている。

【０００６】しかし、高速運転中の輪転印刷機を停止す
るには早くても２〜３分の時間を要し、停止状態から高
速運転状態に至るまでにも２〜３分の時間を必要とす
る。また、印刷機の取替えにも２〜３分の時間を必要と
する。その結果、印刷版の取替には実質的に６〜７分間
を必要とすることになり、印刷能率が著しく低下すると
云う問題がある。また、印刷版の取替えに必要とする作
業要員が増えるだけでなく、オフセット印刷機等の場合
には、印刷部の水分とインキ成分とのバランスの点から
停止時や再起動時に多数の損紙が発生することになり、
印刷コストの引下げを図り難いと云う問題がある。更
に、前記文字部分Ｈに記載するディラーの数が多い場合
には、文字部分Ｈの異なる多数の印刷版を必要とするこ
とになり、印刷版そのものの製造コストが上昇すること
になる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、地域毎に内
容の一部を違えた広告紙面等を有する新聞の印刷に於け
る上述の如き問題、即ち輪転印刷機の起動・停止や印
刷版の取替に時間がかかり、印刷機の実質的な稼働時間
が減少することにより、所定数の異なる紙面を有する新
聞の印刷が困難になること、輪転印刷機の起動・停止
回数の増加に伴なって、損紙の発生が多くなり、新聞の
製造コストが上昇すること、及び多数の異なる印刷版
を必要とし、印刷版の製造コストが上昇すること等の問
題を解決せんとするものであり、印刷部を形成する印刷
装置ユニット（プリンティングカップル）以外にインク
ジェット印刷ユニットを必要とするものの、輪転印刷機
を停止することなしに内容の一部異なる広告紙面を有す
る新聞を所定数づつ連続的に、しかも経済的に印刷でき
るようにした新聞印刷方法を提供するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、印刷部数と折
り部を備えた新聞印刷装置を用いた新聞印刷方法に於い
て、前記印刷部と折り部との間にインクジェット印刷ユ
ニットを配設すると共に、印刷部の版胴に取付ける印刷
版の一部分に巻取紙に印字の無い空白部を形成する部分
を設け、印刷部から引き出されてくる巻取紙の前記空白
部に、インクジェット印刷ユニットにより、所定部数毎
に夫々異なった前記空白部以外の部分の印刷内容に関連
する印刷を、巻取紙の走行を止めることなく連続的に行
なうことを発明の基本構成とするものである。

【０００９】

【作用】印刷部の版胴に取付ける印刷版には、写真等の
版面の外に巻取紙に印字の無い空白部を形成するための
部分が設けられている。その結果、印刷部から引き出さ
れてきた巻取紙には、所定の間隔で空白部が形成される
ことになる。前記印刷部から引き出された巻取紙は所定
の速度で折り部へ送り込まれるが、前記空白部がインク
ジェット印刷ユニットのインクジェットヘッドと対向す
る位置へ来ると、当該インクジェット印刷ユニットが作
動され、前記空白部分に向けてインクジェットヘッドか
らインクが噴出されることにより、当該空白部分に所定
の文字が印字される。その結果、印刷部に於いて先に印
刷された写真等の部分と、インキジェット印刷ユニット
によって印刷された文字等の部分とによって広告紙面が
完成され、当該広告紙面を有する巻取紙が引き続き折り
部へ連続的に送り込まれて行く。

【００１０】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図１は本発明の実施に使用する輪転新聞印刷機の
一例を示すものであり、図に於いて、Ａは給紙部、１は
巻取紙、２は巻取紙ロール、３は三又、Ｂは印刷部、４
はブランケット胴、４′はブランケット胴、５は版胴、
Ｂａはカラー印刷部、６は共通圧胴、８は版胴、Ｃは折
り部、Ｄは搬出部（デリバリーファン）、Ｅは乾燥部、
Ｆはインクジェット印刷ユニット、９はインクジェット
ヘッド、１０は制御部、１０ａはセンサー、１１はガイ
ドロールである。尚、輪転新聞印刷機そのものは公知で
あるため、本実施例ではその説明を省略する。

【００１１】前記印刷部Ｂはブランケット胴４、版胴
５、インキロール及びインキ皿（図示省略）、水ロール
及び水皿（図示省略）等から形成されており、また印刷
部Ｂ₁の版胴５ａには、新聞１頁に相当する自動車関係
広告の印刷版が他の紙面を形成する印刷版と共に取り付
けられている。

【００１２】前記印刷部Ｂ₁ の版胴５ａに取り付けられ
ている広告用の印刷版７は、図２に示す如く巻取紙１に
自動車全体の写真を印刷するための写真製版部７ａと、
巻取紙１にインクの乗らない空白部分を形成するための
空白形成部分７ｂとを備えており、前記版胴５ａに巻付
け固定されている。

【００１３】前記インクジェット印刷ユニットＦはイン
クジェットヘッド９と制御部１０及びセンサー１０ａ等
から構成されている。また、インクジェットヘッド９
は、図３に示す如くローラ型に形成されて回転自在に軸
支されており、ガイドローラ１１に沿って走行する巻取
紙１の走行速度とほぼ等しい周速度で、駆動装置（図示
省略）により矢印イ方向へ回転駆動されている。

【００１４】即ち、前記インクジェットヘッド９は、円
筒状の本体９ａと、本体９ａの外表層部に支軸９ｂと並
行に形成したスリット状のインク噴射溝９ｃと、インク
溝９ｃの底部に設けたインクジェットノズル９ｄと、イ
ンク噴射溝９ｃの壁面に埋設した制御電極９ｅと、イン
クタンク９ｆと、インク加圧装置９ｇ等より構成されて
おり、インク加圧装置９ｇにより加圧されたインクタン
ク９ｆ内の低粘度インクをノズル９ｄから微細な粒子と
して噴出させ、この噴出粒子の飛行方向を電極９ｅの電
具を用いて制御することにより、巻取紙１の外表面に所
謂インクジェットプリントによる文字や図形を印刷す
る。

【００１５】尚、本実施例ではローラ型のインクジェッ
トヘッド９を備えたインクジェット印刷ユニットＦを使
用しているが、当該ユニットＦの形式は如何なるもので
あってもよく、所定の速度で走行する巻取紙１上に所望
の文字又は図形をインクジェットプリントできるもので
あればよい。また、本実施例では１基のインクジェット
印刷ユニットＦを印刷部Ｂ₁ に設ける構成としている
が、全頁の広告紙面が複数となる場合には、インクジェ
ット印刷ユニットＦの基数が増加することになる。更
に、本実施例ではインクジェット印刷ユニットＦを印刷
部Ｂ₁ に設けるようにしているが、当該インクジェット
印刷ユニットＦは、全頁広告を印刷する印刷部の印刷部
出口から折り部Ｃの入口までの間の適宜の位置に配設さ
れるものである。加えて、本実施例では全頁広告の一部
をインクジェット印刷ユニットＦにより印刷するように
しているが、全頁広告だけでなしに、１／２頁広告等の
部分広告の一部や通常のニュース紙面の一部を当該イン
クジェット印刷ユニットＦによって印刷することも可能
である。

【００１６】次に、本発明による新聞印刷方法について
説明する。先ず、全面広告を印刷する紙面の頁数が決ま
れば、当該広告紙面を印刷する印刷部Ｂの版胴５に、図
２の如き広告用印刷版７を取付ける。尚、広告用印刷版
７を取付けた印刷部Ｂの出口と折り部Ｃの入口間には、
インクジェット印刷ユニットＦが設けられていることは
勿論である。

【００１７】例えば図１の新聞印刷輪転機に於いて、印
刷部Ｂ₁ の左側に位置する印刷ユニットの版胴５ａに広
告用印刷版７を取り付け、輪転機を運転すると、巻取紙
１の片側面１ａには、図４に示す如き自動車の写真印刷
部１２ａと空白部１２ｂから成る広告印刷１２が行なわ
れる（尚、Ａ巻の巻取紙１で且つ両出しの場合、広告紙
面１２の横幅は、巻取紙１の横幅の約１／４となる。）

【００１８】前記広告印刷１２をされた巻取紙１が印刷
部１ａの出口から引き出され、これがインクジェット印
刷ユニットＦの近傍へ到達すると、印刷部１ａに於いて
印刷された識別マーク１２ｃがユニットＦのセンサー１
０ａによって検出される。また、前記識別マーク１２ｃ
の検出信号はセンサー１０ａからユニットＦのヘッド制
御部１０へ送られ、これによってインクジェットヘッド
９が作動を開始する。即ち、インクジェットヘッド９の
各ジェットノズル９ｄからインクの放射が行なわれ、こ
れによって前記巻取紙１の広告印刷１２の空白部１２ｂ
内へ、当該広告を有する新聞の配布地域を管轄する自動
車ディラー名等が印刷される。

【００１９】前記空白部１２ｂ内への印刷を完了した巻
取紙１ａは、引き続きフレーム部等を経て他の印刷部Ｂ
からの巻取紙１と積み重ねられ、折り部Ｃで新聞に整形
されたあと、デリバリーファンＤから一部づつ排出され
てくる。また、前記実施例に於いては、印刷部１ａに於
いて広告印刷１２の一部に識別マーク１２ｃを設け、該
識別マーク１２ｃをセンサー１２ａで検出し、その検出
信号によって所謂インクジェット印刷ユニットＦの作動
と空白部１２ｂの位置との間の同期を取るようにしてい
るが、両者の間の同期の取り方は如何なる方法であって
もよい。

【００２０】例えば、印刷部１ａの版胴５ａの回転数を
検出し、当該回転数から巻取紙１の走行距離を演算し、
空白部１２ｂが所定走行距離に達した時点（即ち、空白
部１２ａがインクジェットノズル９ｄと対向する位置に
来たとき）に於いてインクジェットノズルを作動させる
ようにしてもよい。

【００２１】予かじめ設定した所定部数の新聞の印刷が
終ると、新聞印刷数のカウンタ（図示省略）から切換信
号がインクジェット印刷ユニットＦの制御部１０へ発信
され、印刷モードの変更が行なわれる。即ち、インクジ
ェットヘッド９は、次の地域を管轄するディラー名を印
刷するモードに切換えられ、引き続き新たなディラー名
を空白部１２ｂに印刷した広告を有する新聞が、所定部
数だけ印刷される。

【００２２】上述のようにして、予かじめ配布地区別に
設定した部数の新聞印刷が完了する毎に、インクジェッ
ト印刷ユニットＦの印刷モードが当該配布地域を管轄す
るディラー名に切り換えられ、新聞印刷輪転機を停止す
ることなしに連続的に、複数の地域へ配布するための所
定部数の新聞が印刷されて行く。

【００２３】

【発明の効果】本発明では、新聞印刷輪転装置の印刷部
と折り部との間にインクジェット印刷ユニットＦを儲
け、印刷部で広告用写真等を印刷すると共に、地域毎に
内容の変わる部分をインクジェット印刷ユニットＦによ
り印刷する構成としている。その結果、インクジェット
印刷ユニットＦの印刷モードを変えることにより、巻取
紙を停止して印刷部の印刷版を取替えることなしに、所
要部数の異なった紙面を有する新聞を連続的に印刷する
ことができ、従前の印刷方法のように輪転機を停止して
印刷版の取替えを行なう場合に比較して、印刷作業能率
が著しく高まると共に損紙の発生が減少する。特に、近
年所謂ゾーニングニュースペーパー等に対する要望が高
まって来ているが、本発明はこれ等の新聞を印刷する場
合に於いて、優れた実用的効用を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施に使用する新聞印刷輪転機の説明
図である。

【図２】本発明に使用する印刷版の一例を示す説明図で
ある。

【図３】本発明で使用するインクジェット印刷ユニット
の説明図である。

【図４】輪転印刷機の印刷部から引き出された巻取紙の
広告紙面に相当する印刷の説明図である。

【図５】従前の新聞印刷用輪転機の一例を示す説明図で
ある。

【図６】広告紙面の一例を示す説明図である。

【符号の説明】

Ａは給紙部、Ｂは印刷部、Ｂａはカラー印刷部、Ｃは折
り部、Ｄはデリバリーファン、Ｅは乾燥部、Ｆはインク
ジェット印刷ユニット、１は巻取紙、２は巻取紙ロー
ル、３は三又、４・７はブランケット胴、５・８は版
胴、６は共通圧胴、７は広告用印刷版、７ａは写真製版
部分、７ｂは空白形成部分、９はインクジェットヘツ
ド、９ａは本体、９ｂは支軸、９ｃは噴射溝、９ｄはジ
ェットノズル、９ｅは制御電極、９ｆはインクタンク、
９ｇはインク加圧装置、１０は制御部、１０ａはセンサ
ー、１１はガイドロール、１２は広告印刷、１２ａは写
真印刷部、１２ｂは空白部、１２ｃは識別マーク。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 印刷部と折り部を備えた新聞印刷装置を
   用いた新聞印刷方法に於いて、前記印刷部と折り部との
   間にインクジェット印刷ユニットを配設すると共に、印
   刷部の版胴に取付ける印刷版の一部分に巻取紙に印字の
   無い空白部を形成する部分を設け、印刷部から引き出さ
   れてくる巻取紙の前記空白部にインクジェット印刷ユニ
   ットにより、所定部数毎に夫々異なった前記空白部以外
   の部分の印刷内容に関連する印刷を、巻取紙の走行を止
   めることなく連続的に行うことを特徴とする新聞印刷方
   法。
2. 【請求項２】 印刷部の版胴に取付ける印刷版に所望の
   マークを印刷する部分を設け、印刷部から引き出されて
   くる巻取紙の所定箇所に前記マークを印刷すると共に、
   巻取紙に印刷されたマークの検出信号によりインクジェ
   ット印刷ユニットの作動を制御するようにした請求項１
   に記載の新聞印刷方法。
3. 【請求項３】 印刷部の版胴の回転数を検出し、当該回
   転数の検出値に基づいてインクジェット印刷ユニットの
   作動を制御するようにした請求項１に記載の新聞印刷方
   法。