JPH08290517A - プラスチックスシートからなる包装材料にガス遮断性に優れた珪素酸化物薄膜を被覆する方法 - Google Patents

プラスチックスシートからなる包装材料にガス遮断性に優れた珪素酸化物薄膜を被覆する方法

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JPH08290517A
JPH08290517A JP7130941A JP13094195A JPH08290517A JP H08290517 A JPH08290517 A JP H08290517A JP 7130941 A JP7130941 A JP 7130941A JP 13094195 A JP13094195 A JP 13094195A JP H08290517 A JPH08290517 A JP H08290517A
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silicon oxide
sheet
electrode
thin film
packaging material
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Tsunehisa Namiki
恒久 並木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスバリヤ性の優れた包装材料を製造する方
法を提供する。 【構成】 珪素酸化物薄膜の製膜温度よりT.G.が高
いプラスチックスシートからなる包装材料の一面に対向
して被覆面との距離が10mm以下でほぼ一定である高
周波電極を設置し、またシートの他の面に対向して被覆
面との距離が高周波電極と被覆面の距離より大きくほぼ
一定であるアース電極をシートを介して高周波電極に対
向して配置して、CVD法により生成した珪素酸化物の
プラズマをシートと電極の間に導入して放電ガス圧0.
0005〜0.05torrでシート表面に均一の膜厚
に付着させることを特徴とするプラスチックスシートか
らなる包装材料にガス遮断性に優れた珪素酸化物薄膜を
被覆する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラスチックスシートか
らなる包装材料にガス遮断性に優れた透明な珪素化合物
の薄膜を被覆する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】包装材は内容物の保護と保存のためガス
の透過を防ぐ必要があり、従来種々の試みがなされてい
る。例えば、珪素酸化物やアルミニウム酸化物等の無機
の被覆層を設けたり、ポリ塩化ビニリデン等のガス遮断
性樹脂層を積層したり、アルミ箔の金属フイルムを積層
することが試みられて来た。この他特開平3−1837
59号公報にはプラスチックスフイルムにそのプラスチ
ックスと同じ合成樹脂を真空蒸着や、スパッタリングに
よって薄膜状で被覆して有機物層を形成し、その上に無
機物を蒸着して有機物と無機物の混合層を形成し、さら
にその上に無機物層を形成した積層フイルムが示されて
いる。このプラスチックスは、被覆層の無機物とは全く
異なる物質であって親和性が乏しいためプラスチックス
に同じ合成樹脂を薄膜状に被覆し、無機被覆の定着性を
良くするために中間に合成樹脂と無機物のブレンド層を
形成したものであるが、ブレンド層の表面は無機物のみ
の面ではなく合成樹脂の面も存在するので無機物層の定
着性は期待した程には向上しない。さらに合成樹脂は蒸
着すると分子量が低下するのでその上に形成した無機薄
膜はガス遮断性に優れた膜を形成しない。本発明者は先
に特開平5−345383号発明と特願平5−2249
03号発明を出願した。これ等の発明は従来の包装材と
は全く異なる画期的な発明であり、従来の包装材の欠点
は解決された。しかしながら、超精密な均一の膜厚のガ
ス透過量を0.1g/mdayの高ガス遮断性被膜を
形成することにはやや不充分な点があった。そして特殊
な用途、例えば特殊な薬品等の包装には超精密な膜厚で
高ガス遮断性が要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はプラスチック
スシート形状の包装材料に、超緻密な無機膜を被覆し、
高いガス遮断性の性能を付与するものである。
【0004】
【課題を解決した手段】本発明は、 「1. 珪素酸化物薄膜の製膜温度よりT.G.が高い
プラスチックスシートからなる包装材料の一面に対向し
て被覆面との距離が10mm以下でほぼ一定である高周
波電極を設置し、またシートの他の面に対向して被覆面
との距離が高周波電極と被覆面の距離より大きくほぼ一
定であるアース電極をシートを介して高周波電極に対向
して配置して、CVD法により生成した珪素酸化物のプ
ラズマをシートと電極の間に導入して放電ガス圧0.0
005〜0.05torrでシート表面に均一の膜厚に
付着させることを特徴とするプラスチックスシートから
なる包装材料にガス遮断性に優れた珪素酸化物薄膜を被
覆する方法。 2. 高周波電極が平滑な平面状の外面を有する1ケの
電極である、1項に記載されたプラスチックスシートか
らなる包装材料にガス遮断性に優れた珪素酸化物薄膜を
被覆する方法。 3. アース電極が平滑な平面状の外面を有する1ケの
電極である、1項または2項に記載されたプラスチック
スシートからなる包装材料にガス遮断性に優れた珪素酸
化物薄膜を被覆する方法。 4. プラスチックスシートからなる包装材料に形成し
た珪素酸化物薄膜が屈折率1.4〜1.5で膜厚が30
0〜2000Åである、1項ないし3項のいずれか1項
に記載されたプラスチックスシートからなる包装材料に
ガス遮断性に優れた珪素酸化物薄膜を被覆する方法。 5. 珪素酸化物薄膜の製膜温度よりT.G.が高いプ
ラスチックスシートからなる包装材料の一面に対向して
被覆面との距離が10mm以下でほぼ一定である高周波
電極を設置し、またシートの他の面に対向して被覆面と
の距離が高周波電極と被覆面の距離より大きくほぼ一定
であるアース電極をシートを介して高周波電極に対向し
て配置して、低温プラズマ法により少くとも珪素、酸
素、炭素からなる有機シリコン化合物をプラズマとな
し、該プラズマをシートと電極の間に供給し、ガス圧3
×10−3〜3×10−2torrで重合してシートの
表面に珪素化合物薄膜を形成し、ついでCVD法により
生成した珪素酸化物のプラズマをシートと電極の間に導
入して放電ガス圧0.0005〜0.05toorで珪
素化合物重合体薄膜上に珪素酸化物の被膜を形成するこ
とを特徴とするプラスチックスシートからなる包装材料
にガス遮断性に優れた珪素酸化物薄膜を被覆する方法。 6. 高周波電極が平滑な平面状の外面を有する1ケの
電極である、5項に記載されたプラスチックスシートか
らなる包装材料にガス遮断性に優れた珪素酸化物薄膜を
被覆する方法。 7. アース電極が平滑な平面状の外面を有する1ケの
電極である、1項または6項に記載されたプラスチック
スシートからなる包装材料にガス遮断性に優れた珪素酸
化物薄膜を被覆する方法。 8. 珪素化合物重合体被膜が、屈折率2.0〜2.3
で膜厚が0.005μm〜0.05μmであり、珪素酸
化物被膜が屈折率1.4〜1.5で膜厚が300〜20
00Åである、5項ないし7項のいずれか1項に記載さ
れたプラスチックスシートからなる包装材料にガス遮断
性に優れた珪素酸化物薄膜を被覆する方法。」に関す
る。
【0005】
【作用】本発明の特殊の作用を奏する第1の特徴は、シ
ート状包装材料の一面に対向して被覆面との距離が10
mm以下でほぼ一定である高周波電極を設置し、またシ
ートの他の面にはシートの被覆面と電極表面の距離が高
周波電極と被覆面の距離より大きくほぼ一定であるアー
ス電極をシートを介して高周波電極と対向して配置した
ことである。電極とシート表面の距離を一定に保つのは
電界強度分布を一定とするためである。高周波電極とシ
ート被覆面との距離は10mm以下でなければならな
い。10mm以上となると電界強度が弱く、緻密な膜が
形成されないなどの問題が生ずるからである。
【0006】本発明の第2の特徴は、一ケの高周波電極
と一ケのアース電極をシートを介して対向して配置する
ことである。このような一対の電極を併用することによ
り電界の強度分布は精密に一定となり形成される被膜の
厚さは均一となり、さらに膜質は緻密で均質となる。
【0007】本発明の第3の特徴は、CVD法を用い珪
素酸化物のプラズマを生成させて放電ガス圧を0.00
05〜0.05torrで容器内表面に被覆を行なうこ
とである。ガス圧がこの範囲内でないと緻密な膜が形成
されないなどの問題が生ずるからである。
【0008】本発明の第4の特徴は被覆を行うプラスチ
ックスシートとして珪素酸化物薄膜の製膜温度よりT.
G.が高いプラスチックス材料で形成したシートを使用
することである。超精密な薄膜を形成するためには製膜
時にはシートの変形を避けなければならないからであ
る。このような第1の特徴〜第4の特徴が組合されて、
珪素酸化物のプラズマは電極とシートの間に導入され
る。この間の電界強度分布が一定であるのでプラズマ濃
度が一定となり珪素酸化物は緻密な、均一な厚みでシー
ト上に析出し被覆される。
【0009】こうして緻密で一定の厚みの珪素酸化物被
膜が形成されるのである。高周波電極もアース電極も夫
々1ケでなければならず、電極を複数個使用することは
避けなければならない。アース電極の外面が平滑で平面
状であると均一な厚みの被覆が行えるので好ましい。複
数個の電極を用いると、CVD法を用いても緻密で、均
一な被膜は形成できない。何故緻密で、均一な被膜が形
成されないのか本発明者は種々研究した。例えば図3に
示すように複数の電極をシートの表面に配置し、CVD
法により珪素酸化物を被覆したところ被膜の厚さはシー
トを一定速度で、搬送することによって均一になった
が、ガス遮断性に優れた膜は形成されなかった。
【0010】本発明者は複数本の電極を用いたため、夫
々の電極の有する電界強度分布が互いに干渉して影響
し、電界強度及びプラズマの濃度が変化するため、シー
トを固定した場合、膜のガス遮断性が向上せずまた膜厚
も均一にならない。シートを搬送した場合、膜厚は均一
になるが、膜のバリヤー性は向上しないと考えている。
本発明はCVD法を用いるが、高周波、交流そして直流
を用いたCVD法等が使用される。
【0011】本発明により形成される珪素酸化物被膜は
屈折率が1.4〜1.5で膜厚が300〜2000Åで
ある。膜厚が300Å以下では連続膜が得られず、ガス
遮断性が向上せず、また2000Å以上被覆してもあま
りガス遮断性の向上がみられず、逆に膜が内部応力によ
って破壊するなどの問題が生ずる。本発明でCVD法で
珪素酸化物プラズマを形成するために使用する材料は、
SiHとNOガスや酸素ガスまたTEOS(テトラ
エトキシシラン)及びHDSO(ヘキサメチルジシロキ
サン)等有機珪素化合物とNOや酸素ガスまたプラズ
マ補助ガスとしてHe、Ar等も使用される。このよう
にして形成された珪素酸化物被膜は優れたガス遮断効果
を奏し、通常の用途には非常に優れたシート状包装材料
となる。
【0012】本発明はまた、珪素酸化物薄膜の製膜温度
よりT.G.が高いプラスチックスシートからなる包装
材料の一面に対向して被覆面との距離が10mm以下で
ほぼ一定である高周波電極を設置し、またシートの他の
面に対向して被覆面との距離が高周波電極と被覆面の距
離より大きくほぼ一定であるアース電極をシートを介し
て高周波電極に対向して配置して、低温プラズマ法によ
り少くとも珪素、酸素、炭素からなる有機シリコン化合
物をプラズマとなし、該プラズマをシートと電極の間に
供給し、ガス圧3×10−3〜3×10−2torrで
重合してシートの表面に珪素化合物重合体薄膜を形成
し、ついでCVD法により生成した珪素酸化物のプラズ
マをシートと電極の間に導入して放電ガス圧0.000
5〜0.05torrで珪素化合物重合体薄膜上に珪素
酸化物の被膜を形成することを特徴とするプラスチック
スシートからなる包装材料にガス遮断性に優れた珪素酸
化物薄膜を被覆する方法も包含する。この二層からなる
被膜はガス遮断性が優れるとともに水蒸気透過量が0.
1g/mday以下の非常に高い水蒸気遮断効果を奏
する。この珪素化合物被膜と珪素酸化物被膜を、シート
を介して対向配置された高周波電極とアース電極を配設
して形成すると両被膜とも均一な被膜が形成されるの
で、ガス遮断性が著しく向上する。
【0013】何故この二種の層がこの順序で積層される
とこのような特別の効果が奏されるのかその学問的解明
は必ずしも充分ではないが、本発明は反復再現する作用
効果を奏する。本発明者は、珪素酸化物層のガス遮断効
果は、被覆基体上に供給される珪素酸化物微粒子の安定
定着性によるとことろが大きいと考える。即ち供給され
た粒子はプラスチックス基体上を移動し最も安定な場所
で安定化し定着する。この場合プラスチックス基体の上
に珪素、炭素、酸素を含む珪素化合物の重合体被膜が形
成されていると珪素酸化物微粒子は良好に安定化し定着
する。そしてその分布は均一となり、安定化した珪素酸
化物粒子の上にさらに珪素酸化物微粒子が積み重なって
珪素酸化物被覆が形成されるので緊密な被覆となるから
であると考えている。また高周波電極層の珪素化合物重
合体被膜とアース層の珪素酸化物被膜が夫々特定の屈折
率の範囲内にあると0.1g/mday以下の超水蒸
気ガス遮断性を示すことについてはより定着性の高い、
欠陥の少い緊密な被膜となるからであると考えている。
【0014】第1の有機珪素化合物重合体被覆層は高周
波電極層中の珪素、炭素、酸素の組成において、珪素1
5%以上、炭素20%以上そして残りが酸素を含有し、
0.005μm〜0.05μmの薄い層である。被覆層
の厚みがこれより厚くなるとガス遮断性が悪くなる。
【0015】このような特殊な有機珪素化合物重合体被
覆は例えば、ヘキサメチルジシラン等の有機珪素化合物
モノマーをプラズマ化し、プラスチックス基体上で重合
することによって形成することが出来る。この重合時の
ガス圧を3×10−3から3×10−2torrに調節
することによって形成される被膜の屈折率を2.0〜
2.3にすることが出来る。従来、他の用途ではあるが
知られているプラズマCVD法は放電ガス圧が0.数t
orrから数+torrの範囲であるから本発明で用い
るプラズマCVD法が特殊であることがわかる。
【0016】本発明で使用する有機シリコン化合物モノ
マーとしてはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、オクタメチルシ
クロテトラシロキサン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、1133−テトラメチルジシ
ロキサン、ヘキサンメチルジシロキサン等である。
【0017】
【実施例】本発明をわかり易いように実施例をあげて説
明する。
【0018】実施例1 図5は本発明で使用した有機シリコン化合物被膜を形成
する高周波プラズマCVD装置である。この装置はシラ
ンや常温液体モノマーを気体状態で導入する導入口6及
び酸素ガス導入口7を備えた直径60cmのステンレス
製ベルジャー型真空チャンバー1と日本電子株式会社
製、高周波電源5(13.56MH、1.5KW、J
EH−01B)及びマッチングボックス4そして直径1
3cmの円盤状高周波電極3、直径20cm、高さ1.
5cmの円筒状アース電極2、両電極間に設置した試料
用治具8等からなっている。この図5の装置は、有機珪
素化合物被覆とガス遮断層であるシリコン酸化物膜の被
覆の両方を行なうことが出来る。真空ポンプは油回転ポ
ンプと油拡散ポンプを使用し、前処理及び成膜中は常に
ポンプを引き続け、前処理及び薄膜被覆試験を行なっ
た。常温液体モノマーとしては、ヘキサメチルジシロキ
サン(以下HMDSOという)、反応ガスとしては、酸
素ガスを使用した。これ等のガスはそれぞれ別ルートで
チャンバー内に導入され、アース電極内で混合されチャ
ンバー内に放出される。アース電極と高周波電極は平行
(距離7cm)に配置し、100μのポリカーボネート
(以下PCと記す)シートを絶縁性試料治具によって、
高周波電極とアース電極間(高周波電極より5mm)に
設置した。油回転ポンプと油拡散ポンプによりチャンバ
ー内真空度を2〜3×10−5torr(電離真空計)
まで真空に引き、チャンバー内真空度が2×10−3
orrになるまで酸素ガスを導入し、続いてチャンバー
内真空度が4×10−3torrになるまでHMDSO
蒸気を導入した。高周波電源より入射電力200Wをマ
ッチングボックスを経由し、チャンバー内に導入し、酸
素とHMDSOの混合プラズマを発生させ、2分間保持
し、PC試料上に酸化珪素物膜を形成した。この積層体
の水蒸気透過量をMocon社製水蒸気透過量測定器で
測定し、表1に示した。
【0019】実施例2及び比較例1 高周波電極及びアース電極間に設置する試料の位置を高
周波電極基板上、3、5、7、9、23そして40mm
に設置したこと以外は実施例1と同じ条件で、PC試料
上に酸化珪素物膜を形成し、水蒸気透過量を測定し、表
1に実施例1と共に示した。
【0020】
【表1】
【0021】実施例3及び比較例2 試料に厚みが100μ〜280μでガラス転移温度(以
下Tgと記す)が−15℃から105℃のプラスチック
シートを使用したこと以外は実施例1と同じ条件で、試
料上に酸化珪素物膜を形成し、水蒸気透過量を測定し、
表2に示した。光ファイバー式温度計により試料表面の
温度を測定した結果、この条件では45℃であった。
【0022】
【表2】
【0023】実施例4 図5に示した装置内の高周波電極、アース電極そして試
料基板ホルダーを取り外し、図1に示すような幅が10
cm長さが20cmの角形高周波電極と幅が10cm長
さが20cmの角形アース電極そして高周波電極上2m
mの位置を分速10cmの速度で移動する100μのP
C(ポリカーボネート)シートを配置したこと以外は実
施例1と同じ条件で、PC試料上に酸化珪素膜を形成
し、膜厚、膜の屈折率をエリプソメーターで測定し、表
3に示した。またこの積層体の水蒸気透過量は0.03
g/mday at40℃90%RHであった。膜厚
の単位はオングストロームである。
【0024】
【表3】
【0025】比較例3 図3に示すような幅10cm、長さ5cmの高周波電極
4ケを3cmの間隔をもってシート状下2mmに配置
し、またアース電極は幅10cm、長さ30cmで、シ
ート状試料上50mmに配置したこと以外は実施例4と
同じ条件で珪素酸化物膜を被覆した結果、膜厚はどの測
定点でも950Åから1020Åであったが、積層体の
水蒸気透過量は2〜5g/mday at40℃90
%RHであった。
【0026】実施例5 シート状ポリエチレンナフタレート(以下PENと記
す)製試料を使用し、図5に示す装置を使用して、シー
ト表面にHMDSO重合体被膜と珪素酸化物被膜を形成
した。被膜方法はシート材料にPEN、高周波電極と試
料表面間距離が2mmであること及び、以下に記す条件
以外は実施例1と同じ条件で被覆を行った。油回転ポン
プと油拡散ポンプによりチャンバー内真空度を2〜3×
10−5torr(電離真空計)まで真空に引き、チャ
ンバー内真空度が4×10−3torrになるまでHM
DSO蒸気を導入した。高周波電源より入射電力400
Wをマッチングボックスを経由し、チャンバー内に導入
し、HMDSOのプラズマを発生させ、1分間保持し、
シート状PEN試料表面にHMDSO重合体被膜を形成
した。続いて油回転ポンプと油拡散ポンプによりチャン
バー内真空度を2〜3×10−5torrまで真空に引
き、実施例1と同様にして、HMDSO重合膜の上に珪
素酸化物の被膜を形成した。この薄膜を被覆した有底円
筒形状容器の水蒸気透過量を測定した結果、0.02g
/mday(40℃90%RH)であった。
【0027】実施例6 図5に示した装置内の高周波電極、アース電極そして試
料基板ホルダーを取り外し、図2に示すような幅が10
cm、直径13cmの円筒形型高周波電極と幅が10c
m、直径が23cmの半円筒形型アース電極そして高周
波電極上を分速10cmの速度で移動する100μのP
ET(ポリエチレンテレフタレート)シートを配置した
こと以外は実施例1と同じ条件で、PET試料上に酸化
珪素膜を形成し、膜厚、膜の屈折率をエリプソメーター
で測定し、表4に示した。またこの積層体の水蒸気透過
量は0.03g/mday at40℃90%RHで
あった。膜厚の単位はオングストロームである。
【0028】
【表4】
【0029】比較例4 図4に示した幅10cm、直径13cmの円筒形型高周
波電極と同型のアース電極を5cm離して配置した以外
は実施例6と同じ条件でPET試料上に酸化珪素膜を形
成し、膜厚及び水蒸気透過量を測定した。その結果、膜
厚は920Åから980Åの範囲で均一であったが、膜
の水蒸気透過量は1〜2g/mdayat40℃90
%RHとガス遮断性性能は低かった。
【0030】実施例7 100μのシート状環状オレフィンコポリマー(CO
C)を試料とし、図5に示す装置を使用して、シート状
試料表面にHMDSO重合体被膜と珪素酸化物被膜を形
成した。被膜方法は試料材料と以下に記す条件以外は実
施例5と同じ条件として被覆を行った。油回転ポンプと
油拡散ポンプによりチャンバー内真空度を2〜3×10
−5torr(電離真空計による)まで真空に引き、チ
ャンバー内真空度が3×10 torr〜10×10
−3torrになるまでHMDSO蒸気を導入した。高
周波電源より入射電力400Wをチャンバーに導入し、
HMDSOのプラズマを発生させ、1分間保持し、有底
円筒形状容器の外面にHMDSO重合体被膜を形成し
た。続いて油回転ポンプと油拡散ポンプによりチャンバ
ー内真空度を2〜3×10−5torrまで真空に引
き、実施例6と同様にして、HMDSO重合膜の上に珪
素酸化物の被膜を形成した。これら被膜を被覆した有底
円筒形状容器の膜の屈折率、膜厚をエリプソメーター
で、そして重量法により、水蒸気透過量を測定し、表5
に示した。
【0031】
【表5】
【0032】 (註) HMDSO濃度の単位;×10−3torr 膜厚の単位;オングストローム 水蒸気透過量の単位;g/mday,at40℃90
%RH
【0033】比較例5 HMDSOの濃度が1.5×10−3torr及び20
×10−3torrそしてHMDSO膜の被覆時間が
0.2及び5分であること以外は実施例7と同じシート
形状COC試料の表面に被覆したHMDSO膜の屈折率
及び膜厚をエリプソメーターで測定し、またHMDSO
膜と珪素酸化積層膜の水蒸気透過量を重量法で測定し、
表6に示した。
【0034】
【表6】
【0035】 (註) HMDSO濃度の単位;×10−3torr HMDSO膜の膜厚;オングストローム 二層膜の水蒸気透過量の単位;g/mday,at4
0℃90%RH
【0036】実施例8 シート状環状オレフィンコポリマー(COC)を試料と
し、図5に示す装置を使用して、シート状試料表面にH
MDSO重合体被膜と珪素酸化物被膜を形成した。被膜
方法は試料材料と以下に記す条件以外は実施例7と同じ
条件として被覆を行った。油回転ポンプと油拡散ポンプ
によりチャンバー内真空度を2〜3×10−5torr
(電離真空計による)まで真空に引き、チャンバー内真
空度が4×10−3torrになるまでHMDSO蒸気
を導入した。高周波電源より入射電力400Wをチャン
バーに導入し、HMDSOのプラズマを発生させ、1分
間保持し、シート状COC試料表面にHMDSO重合体
被膜を形成した。続いて油回転ポンプと油拡散ポンプに
よりチャンバー内真空度を2〜3×10−5torrま
で真空に引き、HMDSO蒸気と酸素の濃度比(電離真
空計によるチャンバー内真空度の比率;HMDSO/酸
素)を0.5〜2.5の範囲で、かつ酸化珪素膜の被覆
時間を5〜20分以外は実施例6と同様にして、HMD
SO重合膜の上に珪素酸化物の被膜を形成した。これら
被膜を被覆したシート状COC試料上の膜の屈折率、膜
厚をエリプソメーターで、そして重量法により、水蒸気
透過量を測定し、表7に示した。
【0037】
【表7】
【0038】 (註) 酸化珪素膜の膜厚の単位;オングストローム 二層膜の水蒸気透過量の単位;g/mday,at4
0℃90%RH
【0039】比較例6 HMDSO蒸気と酸素の濃度比(電離真空計によるチャ
ンバー内真空度の比率;HMDSO/酸素)を0.2〜
5で、かつ酸化珪素の被覆時間を2分及び25分以外は
実施例8と同様にして、HMDSO重合膜の上に珪素酸
化物の被膜を形成した。これら被膜を被覆したシート形
状COC試料表面上の膜の屈折率、膜厚をエリプソメー
ターで、そして重量法により測定し、表8に示した。
【0040】
【表8】
【0041】 (註) 酸化珪素膜の膜厚単位;オングストローム 二層膜の水蒸気透過量の単位;g/mday,at4
0℃90%RH
【0042】
【発明の効果】本発明は立体形状のプラスチックス包装
材料に均一の膜厚で一定範囲の屈折率の珪素酸化物薄膜
を形成するので、ガスバリヤ性の優れた包装材を提供す
ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の説明図である。
【図2】本発明の実施例の高周波電極とアース電極の説
明図である。
【図3】比較例の説明図である。
【図4】比較の高周波電極とアース電極の説明図であ
る。
【図5】CVD装置の説明図である。
【符号の説明】
1 円筒状容器 2 アース電極 3 高周波電極 4 マッチングボックス 5 高周波電源 6 ガス入口 7 ガス入口 8 試料用治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 7/06 C08J 7/06 Z C23C 16/50 C23C 16/50

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪素酸化物薄膜の製膜温度よりT.G.
    が高いプラスチックスシートからなる包装材料の一面に
    対向して被覆面との距離が10mm以下でほぼ一定であ
    る高周波電極を設置し、またシートの他の面に対向して
    被覆面との距離が高周波電極と被覆面の距離より大きく
    ほぼ一定であるアース電極をシートを介して高周波電極
    に対向して配置して、CVD法により生成した珪素酸化
    物のプラズマをシートと電極の間に導入して放電ガス圧
    0.0005〜0.05torrでシート表面に均一の
    膜厚に付着させることを特徴とするプラスチックスシー
    トからなる包装材料にガス遮断性に優れた珪素酸化物薄
    膜を被覆する方法。
  2. 【請求項2】 高周波電極が平滑な平面状の外面を有す
    る1ケの電極である、請求項1に記載されたプラスチッ
    クスシートからなる包装材料にガス遮断性に優れた珪素
    酸化物薄膜を被覆する方法。
  3. 【請求項3】 アース電極が平滑な平面状の外面を有す
    る1ケの電極である、請求項1または2に記載されたプ
    ラスチックスシートからなる包装材料にガス遮断性に優
    れた珪素酸化物薄膜を被覆する方法。
  4. 【請求項4】 プラスチックスシートからなる包装材料
    に形成した珪素酸化物薄膜が屈折率1.4〜1.5で膜
    厚が300〜2000Åである、請求項1ないし3のい
    ずれか1項に記載されたプラスチックスシートからなる
    包装材料にガス遮断性に優れた珪素酸化物薄膜を被覆す
    る方法。
  5. 【請求項5】 珪素酸化物薄膜の製膜温度よりT.G.
    が高いプラスチックスシートからなる包装材料の一面に
    対向して被覆面との距離が10mm以下でほぼ一定であ
    る高周波電極を設置し、またシートの他の面に対向して
    被覆面との距離が高周波電極と被覆面の距離より大きく
    ほぼ一定であるアース電極をシートを介して高周波電極
    に対向して配置して、低温プラズマ法により少くとも珪
    素、酸素、炭素からなる有機シリコン化合物をプラズマ
    となし、該プラズマをシートと電極の間に供給し、ガス
    圧3×10−3〜3×10−2torrで重合してシー
    トの表面に珪素化合物薄膜を形成し、ついでCVD法に
    より生成した珪素酸化物のプラズマをシートと電極の間
    に導入して放電ガス圧0.0005〜0.05toor
    で珪素化合物重合体薄膜上に珪素酸化物の被膜を形成す
    ることを特徴とするプラスチックスシートからなる包装
    材料にガス遮断性に優れた珪素酸化物薄膜を被覆する方
    法。
  6. 【請求項6】 高周波電極が平滑な平面状の外面を有す
    る1ケの電極である、請求項5に記載されたプラスチッ
    クスシートからなる包装材料にガス遮断性に優れた珪素
    酸化物薄膜を被覆する方法。
  7. 【請求項7】 アース電極が平滑な平面状の外面を有す
    る1ケの電極である、請求項1または6に記載されたプ
    ラスチックスシートからなる包装材料にガス遮断性に優
    れた珪素酸化物薄膜を被覆する方法。
  8. 【請求項8】 珪素化合物重合体被膜が、屈折率2.0
    〜2.3で膜厚が0.005μm〜0.05μmであ
    り、珪素酸化物被膜が屈折率1.4〜1.5で膜厚が3
    00〜2000Åである、請求項5ないし7のいずれか
    1項に記載されたプラスチックスシートからなる包装材
    料にガス遮断性に優れた珪素酸化物薄膜を被覆する方
    法。
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