JPH08286029A - カラーフィルター及びカラー液晶表示素子 - Google Patents

カラーフィルター及びカラー液晶表示素子

Info

Publication number
JPH08286029A
JPH08286029A JP11106495A JP11106495A JPH08286029A JP H08286029 A JPH08286029 A JP H08286029A JP 11106495 A JP11106495 A JP 11106495A JP 11106495 A JP11106495 A JP 11106495A JP H08286029 A JPH08286029 A JP H08286029A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
molecule
molecules
color filter
photoactive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11106495A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunihiro Ichimura
國宏 市村
Hiroyuki Emori
洋之 江森
Norio Ishizuki
紀男 石月
Shoji Oiso
昭二 大磯
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP11106495A priority Critical patent/JPH08286029A/ja
Publication of JPH08286029A publication Critical patent/JPH08286029A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、高透過率の液晶表示素子を構成す
る、偏光素子からなるカラーフィルター及びカラー液晶
表示素子を提供することを目的とする。 【構成】光活性分子を有する層および該層に接した二色
性分子を含む層を有する偏光素子又は偏光板からなるカ
ラーフィルター、及びそのカラーフィルターを用いた液
晶表示素子である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、偏光能を有する新規な
カラーフィルター及びそのカラーフィルターを用いた液
晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー液晶表示装置は陰極線管(CR
T)カラー表示装置に比較して薄型、軽量であり色再現
性も遜色のないまでに改良されつつあり、これらの特色
を生かし、いくつかのパネルを配列することにより大型
ディスプレイ装置、マルチディスプレイなどの各種ディ
スプレイ装置へと展開されている。この色再現性の優れ
たフルカラー液晶表示装置としては、カラーフィルター
方式が代表的な方式であり、この方式は液晶セルの内部
または外部にカラーフィルターを設け、液晶を光学的シ
ャッターとして利用したものである。このカラーフィル
ターは、透明基板上に赤色、緑色及び青色の三原色の画
素パターンを印刷法、電着法、染色法及び顔料分散法に
より形成させるのが一般的である。
【0003】現在、液晶表示素子はOA・情報機器用デ
ィスプレイ、特にノート型パソコンの用途で低消費電力
化が要求されている。液晶表示素子の低消費電力化のた
めには、駆動法の改善やバックライトの効率向上などの
ほか、液晶表示素子の透過率向上が有効である。そのた
めには、開口率の向上や偏光板透過率の向上が有効であ
るが、カラーフィルター透過率の改善も重要である。し
かし、現在用いられているカラーフィルター及び偏光板
は、液晶表示素子の透過率低下の原因となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、偏光能を有
する新規なカラーフィルター及びそのカラーフィルター
を用いた液晶表示素子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)光活性
分子を有する層および該層に接した二色性分子を含む層
を有する偏光素子又は偏光板からなるカラーフィルタ
ー、(2)二色性分子を含む層が赤色、緑色及び青色の
三原色の画素パターンからなる(1)のカラーフィルタ
ー。(2)上記(2)のカラーフィルター、基板、液晶
層及び偏光板からなるカラー液晶表示素子。に関する。
【0006】本発明に用いられる偏光素子又は偏光板
は、例えばWO95/07474号に記載されている。
具体的には本発明に用いられるカラーフィルター基板及
び液晶セル基板としては、光活性分子が結合もしくは塗
布しうるものであればよく、例えばシリカ系ガラス、硬
質ガラス等のガラス板、石英板等や、ABS樹脂、アセ
タール樹脂、(メタ)アクリル樹脂、酢酸セルロース、
塩素化ポリエーテル、エチレン−酢ビ共重合体、ふっ素
樹脂、アイオノマー、メチルペンテンポリマー、ナイロ
ン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエス
テル、ポリイミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリフ
ェニレンスルフィド、ポリアリルスルホン、ポリアリレ
ート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ポリスルホン、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、
AS樹脂、塩化ビニル樹脂、アルキド樹脂、アリル樹
脂、アミノ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリ
コーン樹脂、ポリウレタン等の各種素材のプラスチック
板やシート(フィルム)が用いられる。これらの基板は
平面状のもののみならず、曲面状のものであってもよ
い。
【0007】本発明で使用する光活性分子は、直線偏光
によって分子軸配向変化を起こす分子のことである。こ
こでいう分子軸配向変化とは、直線偏光の光エネルギー
を吸収したのちに、その分子軸の方向が変わる現象であ
る。このための光活性分子としては、C=C、C=N、
N=Nから選ばれた少なくとも一つの二重結合を含み、
その二重結合が非芳香族性である分子が有効に使用され
る。この光活性分子の吸収する光の波長は可視光域のも
のにとどまらず、肉眼では観察されない紫外線や赤外線
の領域のものも含まれる。この光活性分子の層に、該分
子が吸収する波長範囲を含む直線偏光を照射すると容易
に分子軸配向変化を起こす。
【0008】この直線偏光照射による分子軸配向変化現
象は以下のように解釈される。即ち、非芳香族性の二重
結合を持つ最も単純な分子であるエチレンの基底状態で
は、2つの炭素原子と4つの水素原子が同一平面にある
のに対して、光励起状態においては、2組のH−C−H
原子団が形成する平面はお互いに直交したねじれ構造と
なることがよく知られている。本発明に用いられる光活
性分子も同様に、光励起状態においては上記の二重結合
がなす平面性が消失し、それに伴って生じるねじれ構造
を経て基底状態に戻る過程で分子軸配向変化が起こるも
のと推定される。従って、光照射前後での幾何異性化に
基づく分子構造変化を起こさなくても、分子軸配向変化
は進行することになる。例えば、非芳香族性のN=N結
合を有するアゾベンゼン系化合物の多くは紫外線によっ
てトランス体からシス体への光幾何異性化反応を起こす
が、より長い波長の光に対してはシス体からトランス体
への変換が優先されるため、ほとんど光幾何異性化が起
こらないことが良く知られている。また、シス体からト
ランス体への変化が熱的に迅速に起こるために、実質的
に光異性化反応が認められない場合のあることも知られ
ている。非芳香族性のC=N結合を有する化合物は光照
射により幾何異性体となりうるが、不安定なために熱力
学的に安定な元の構造に速やかに戻るので、例えば室温
下では実質的な光異性化は認められない。さらに、非芳
香族性のC=C結合を有する化合物の多くは光幾何異性
化反応を起こすが、アゾベンゼンの場合と同様に、シス
体からトランス体への異性化に適した波長範囲の光で
は、実質的に幾何異性化が認められない。しかし、この
ような見かけ上光異性化反応を示さない場合でも、直線
偏光照射により容易に分子軸配向変化が起こるので、こ
のような性質を有する化合物も本発明の光活性分子とし
て用いることができる。
【0009】本発明に用いられる光活性分子の具体例を
以下に示す。非芳香族性のN=N結合を有する化合物と
しては、アゾベンゼン、アゾナフタレン、ビスアゾ化合
物、ホルマザンなどの芳香族アゾ化合物、さらには、ア
ゾキシベンゼンを基本骨格とするものが挙げられる。
【0010】非芳香族性のC=N結合を有する化合物と
しては、芳香族シッフ塩基、芳香族ヒドラゾン類などを
挙げることができる。
【0011】非芳香族性のC=C結合を有する化合物と
しては、ポリエン、スチルベン、スチルバゾール、スチ
ルバゾリウム、桂皮酸、インジゴ、チオインジゴ、ヘミ
チオインジゴなどを挙げることができる。
【0012】また、光幾何異性体が不安定なために直ち
に元の構造に戻り、室温では光照射によって実質的な光
異性化反応が認められない化合物、さらには、光幾何異
性化反応を全く示さない化合物も本発明に用いることが
でき、例えば、シアニン類、メロシアニン類が挙げられ
る。
【0013】さらには、スピロ環に非芳香族性のC=C
結合やC=N結合を有する化合物であって、光照射によ
って可逆的に分子構造を変化させる他の光活性分子、例
えばスピロピラン、スピロオキサジン類も用いることが
できる。これらは上記した分子構造とは異なるが、分子
内に含まれる非芳香族性のC=C結合やC=N結合によ
って可逆的なスピロ環の開・閉環反応が光の作用によっ
て引き起こされ、分子軸配向変化が生じると考えられ
る。
【0014】これらの光活性分子は,上記の二重結合基
を有する化合物の基本骨格の例として挙げたものであ
り、これらの骨格に、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基等のアルキル基、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコ
キシ基、アリル基、アリルオキシ基、シアノ基、メトキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基、等のアルコキ
シカルボニル基、ヒドロキシ基、ジメチルアミノ基、ジ
エチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、ニトロ基など
から選ばれた1つ以上の置換基が結合していても差し支
えない。特に、液晶分子と類似な構造を与えるC1 〜C
6 のアルキル基、C1 〜C6 のアルコキシ基、シアノ
基、C1 〜C6 のアルコキシカルボニル基が好ましい置
換基としてあげられる。
【0015】本発明において、このような可逆的な分子
軸配向変化を起こす光活性分子層を基板上に設けるに
は、基板の表面特性に応じて物理的あるいは化学的に光
活性分子を基板表面に結合させる方法と、光活性分子を
結合させた高分子、又は該光活性分子を添加した高分子
を調製し、これを基板上に薄膜として塗布する方法とが
あり、いずれでも差し支えない。この光活性分子が基板
表面上に固定されたもの、即ち、光活性分子を基板表面
に結合させたもの及び光活性分子を結合させた高分子を
基板上に薄膜として塗布したものは、その配向状態が安
定であり、好ましい。
【0016】はじめに、基板表面に光活性分子を結合さ
せる方法を述べる。この目的には、例えば基板がシリル
ガラスであれば、液晶配向に用いられている方法が採用
できる(ジェイ・コグナー(J.Cognard)著
「モレキュラー・クリスタルズ・アンド・リキッド・ク
リスタルズ(Molecular Crystalsa
nd Liquid Crystals)」サプルメン
ト1(1982年)、1頁参照)。
【0017】基板表面に光活性分子を結合させる第1の
方法として、溶媒に溶解した、上記の非芳香族性の二重
結合基及び下記するような表面活性基を有する光活性分
子溶液を基板表面に塗布して、光活性分子を吸着結合さ
せる方法が挙げられる。表面活性基の例としては、カル
ボン酸残基、マロン酸残基、カルバモイル基、テトラア
ルキルアンモニウム基、アルキルピリジニウム残基、ア
ルキルキノリニウム残基、カルボキシラトクロミウム残
基、エステル残基、ニトリル残基、尿素残基、アミノ
基、ヒドロキシル基、ベタイン残基などを挙げることが
できる。尚、光活性分子が液体の場合には基板表面に直
接塗布してもよい。
【0018】第2の方法として、上記の表面活性基を有
する光活性分子を水面上に単分子層として展開し、少な
くともその1層を基板上に移し取るラングミュア−ブロ
ジェット法が採用できる。この目的には、表面活性基と
して、例えばカルボキシル基、カルバモイル基、アミノ
基、アンモニウム基、テトラアルキルアンモニウム基、
ヒドロキシル基が好ましい。
【0019】第3の方法として、シリル基を介して光活
性分子を基板表面に結合させる方法があげられる。具体
的には、例えば少なくとも1つのハロゲン原子又はアル
コキシ基で置換されたシリル基を有する光活性分子を基
板表面に結合させる方法や、アミノ基を有するシリル化
剤で処理した基板表面にカルボキシル基やアクリル基を
有する光活性分子を縮合反応あるいは付加反応させる方
法等が挙げられる。前者の方法では、予め光活性分子に
該シリル基を導入し、シリカ系ガラス表面を処理する。
少なくとも1つのハロゲン原子又はアルコキシ基で置換
されたシリル基としては、例えばトリクロロシリル基、
トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等が挙げ
られる。後者の方法では、アミノ基を有するシリル化剤
としては、例えばアミノプロピルトリクロロシラン、ア
ミノブチルトリクロロシラン、アミノプロピルトリメト
キシシらん、アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙
げられる。これらの光活性分子を基板表面に結合させる
操作は、他のシリル化処理剤の共存下で行ってもよい。
このためのシリル化処理剤の例として、メチルトリエト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルク
ロロシラン、エチルトリエトキシシラン、ジエチルジエ
トキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルト
リエトキシシラン、ブチルメチルジエトキシシラン、ペ
ンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラ
ン等のアルキル(ポリ)アルコキシシランを挙げること
ができるがこの限りではない。
【0020】第4の方法として、高分子物質が基板その
ものあるいは基板表面層を形成している場合には、上記
の表面活性基を有する光活性化合物を基板表面に吸着結
合させるか、あるいは、高分子表面に露出している活性
基に共有結合により光活性分子を結合すればよい。後者
の場合、例えば高分子物質がポリビニルアルコールであ
れば、光活性分子をアセタール結合やエステル結合ある
いはウレタン結合によって、基板の表面層に結合する。
このために、例えばホルミル基やクロロホルミル基ある
いはイソシアナート基等の共有結合形成基を持つ光活性
分子を調製し、これをポリビニルアルコールを溶解しな
い溶媒に溶かし、この溶液にポリビニルアルコール膜を
持つ基板を浸漬して反応させればよい。処理反応速度を
高めるには、アセタール化であればp−トルエンスルホ
ン酸のような触媒酸を添加すればよいし、エステル化や
ウレタン化であれば反応で生成する酸を除去するために
トリエチルアミンやピリジンなどの塩基を添加すればよ
い。
【0021】次に、光活性分子を結合させた高分子、又
は光活性分子を添加した高分子を調製し、これを基板上
に薄膜として塗布する方法を述べる。先ず、光活性分子
を結合させた高分子を調製する方法を説明する。光活性
分子を高分子の側鎖あるいは主鎖に結合するためには、
光活性分子を有する単量体を重合させるか、あるいは、
高分子物質にその化学構造に適した反応性残基を有する
光活性分子を結合させる。
【0022】前者の重合法においては、とくに、ラジカ
ル重合能を有する(メタ)アクリル基を有する光活性分
子が単量体として好適であり、重合させることにより側
鎖に光活性分子を結合した高分子が容易に得られる。ポ
リエステル、ポリアミド、ポリイミドなどの重縮合反応
やポリウレタンなどの重付加反応による高分子の場合で
は、光活性分子を有する二官能性単量体を調製すればよ
い。二官能性単量体としては例えばケイヒ酸ビニルがあ
げられる。重合によって得られる光活性分子を結合した
高分子化合物は光活性分子を有する単量体のみを重合さ
せたホモポリマー、光活性分子を有する単量体と他の単
量体とを重合させたコポリマーのいずれでもよい。他の
単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等があ
げられる。光活性分子を有する単量体と他の単量体との
使用割合を変化させることによって、高分子中の光活性
分子の結合量を調節することができる。その使用割合
は、単量体の構造にも依存するが、1:0から1:10
0、より好ましくは1:0から1:50の範囲である。
【0023】後者の、高分子物質にその化学構造に適し
た反応性残基を有する光活性分子を結合させる場合、上
記第4の方法が利用できる。用いられる高分子の例とし
て、ポリビニルアルコール、スチレン−無水マレイン酸
共重合体、ポリメタクリル酸グリシジルあるいはその共
重合体などを挙げることができるが、この限りではな
い。
【0024】このような光活性分子を主鎖もしくは側鎖
に持つ高分子薄膜を基板表面に設ける方法としては、回
転塗布法が好ましい。又、この種の高分子をラングミュ
ア−ブロジェット法によって基板上に設けてもよい。さ
らには、これらの高分子溶液に基板を浸漬して吸着させ
てもよい。膜厚は1μm以下で十分である。
【0025】光活性分子を添加した高分子を用いる方法
を説明する。この方法は、高分子中に予め光活性分子を
溶解又は均一に分散させておき、これを基板表面に薄膜
状に塗布する方法である。この場合の高分子ならびに光
活性分子は、後述する二色性分子の溶液に用いる溶媒に
溶解しないものでなければならない。高分子として、例
えばポリイミド類はとくに水やアルコール類などの溶媒
に不溶であるので好ましいが、この限りではない。
【0026】次に、基板上に設けられた光活性分子層に
直線偏光を照射する操作を説明する。照射する偏光の波
長は、光活性分子が吸収する波長であれば特に制限はな
く、例えば可視光線のみならず紫外線や赤外線の領域の
光線でもよい。光源としては、水銀灯、キセノン灯、蛍
光灯、ケミカルランプ、ヘリウム−カドミウムレーザ、
アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、ヘリウム−ネオン
レーザ、半導体レーザ、さらには、太陽光などのいずれ
でもよく、光活性分子の吸収波長領域や光照射時間、あ
るいは照射面積などによって選択すればよい。直線偏光
とするには、これらの光源から発する光に直線偏光素子
や直線偏光板を組み合わせればよい。このための偏光素
子や偏光板としては、例えばグラントムソンプリズムな
どのプリズム系素子、二色性分子を溶解または吸着して
延伸した高分子膜からなる偏光素子や偏光板があげられ
る。さらには、本発明によって製造される偏光素子
(板)も利用することができる。ここで使用する直線偏
光の露光エネルギーは、波長、光活性分子の構造、結合
状態、照射温度などにより異なるが、1mJ/cm2
ら10J/cm2 の範囲が望ましい。尚、レーザを光源
とする場合は、レーザビーム自体が直線偏光であれば偏
光素子(板)を必要としない。
【0027】偏光パターンを光活性分子層に焼き付ける
ためには、希望するマスクパターンを通して直線偏光を
光活性分子層に照射すればよい。レンズ等を用いて直線
偏光を発散させたり集光することにより、パターンを大
きく拡大したり、逆にきわめて微細なパターンとするこ
とができる。又、レーザを光源とする場合であって、レ
ーザビーム自体が直線偏光であれば、ファラデー素子の
ような偏光面回転素子と組み合わせることによって、き
わめて微細なパターンを自在に描画できる。さらに、光
活性分子の直線偏光による分子軸配向変化は可逆的であ
るから、マスクパターンごとに異なる偏光軸の直線偏光
を照射することによりパターンを自由に重ね書きするこ
とができる。尚、複雑なパターンを有する偏光素子
(板)を一枚製造すれば、その偏光素子(板)をマスク
パターンとすることにより、従来困難であった複雑なパ
ターンを有する偏光素子(板)を、直線偏光照射という
簡便な方法で多数製造することができる。
【0028】このようにして得られる一定方向に分子軸
の配列した光活性分子層に二色性分子を吸着させるだけ
で、即ち、光活性分子層の上に二色性分子層を設けるだ
けで、二色性分子の分子軸が、光活性分子の分子軸の配
列方向、即ち光活性分子層に照射した直線偏光の偏光軸
で規定された方向に配列し、かつ偏光軸が固定されて偏
光素子(板)としての性質が発揮される。
【0029】本発明で用いられる二色性分子は、それ自
身または集合体で一定方向に配列することにより、偏光
性を示す化合物であり、例えば芳香族系環構造を有する
化合物が好ましい。芳香族系環構造としては、ベンゼ
ン、ナフタリン、アントラセン、フェナントレンのほか
に、チアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、
ピラジン、キノリンなどの複素環あるいはこれらの4級
塩、さらにはこれらとベンゼンやナフタリンなどとの縮
合環が特に好ましい。又、これらの芳香族系環にスルホ
ン酸基、アミノ基、水酸基などの親水性置換基が導入さ
れていることが好ましい。
【0030】二色性分子としては、例えばアゾ系色素、
スチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメ
タン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チア
ジン系色素、アントラキノン系色素等の色素系化合物を
あげることができる。水溶性のものが好ましいが、この
限りではない。又、これらの二色性分子にスルホン酸
基、アミノ基、水酸基などの親水性置換基が導入されて
いることが好ましい。
【0031】この二色性分子は、カラーフィルターとし
て使用することから、三原色の色素が好ましく、その具
体例としては、例えば赤色としてC.I.Direct
Red 39、C.I.Direct Red 7
9、C.I.Direct Red 81、C.I.D
irect Red 83、C.I.Direct R
ed 89、C.I.Acid Red 37、緑色と
してC.I.Direct Green 59、青色と
してC.I.Direct Blue 67、C.I.
Direct Blue 90等が挙げられる。これら
の色素のうち代表的なものの構造を次に示す。
【0032】
【化1】
【0033】
【化2】
【0034】直線偏光を照射した基板上の光活性分子層
に、これらの二色性分子を異方性吸着させる方法を次に
説明する。上記の二色性分子単独、または、二種以上の
混合物を水、メタノール、エタノールなどの親水性溶媒
もしくはその含水溶媒に溶解する。濃度は、好ましくは
0.1〜10w/w%、より好ましくは0.5〜5w/
w%程度である。又、この溶液に界面活性剤を加えるこ
ともできる。界面活性剤としては、カチオン系、ノニオ
ン系、アニオン系のいずれでも使用できるが、ノニオン
界面活性剤が好ましい。次に、この二色性分子の溶液を
該基板表面にフォトリソグラフ法及びマスキング法等に
より赤色、緑色及び青色の三原色の画素パターン(カラ
ーパターン)からなる二色性分子層を設ける。カラーパ
ターン形成法としては上記方法が挙げらるが、この限り
ではない。二色性分子層の厚さは、偏光特性の向上とい
う観点から、薄い方が好ましく、例えば10μ以下、特
に0.1〜2μであることが好ましい。
【0035】二色性分子の溶液を付着させた基板は乾燥
され、固体状態の二色性分子層が形成されることによ
り、本発明のカラーフィルターが得られる。溶媒の種
類、二色性分子の種類、塗布した二色性分子の溶液の
量、二色性分子の濃度などによって乾燥条件は異なる
が、温度としては室温〜100℃、好ましくは室温〜5
0℃、湿度は20〜80%RH、好ましくは30〜70
%RH程度がよい。
【0036】このようにして調製された異方性吸着二色
性分子層は、例えばアモルフォスや結晶等の固体状態に
あるが、その二色性分子層は通常機械的強度に劣るの
で、その表面に保護層が設けられる。この保護層は、通
常二色性分子層を紫外線硬化性、熱硬化性及び熱可塑性
の透明な高分子膜でコーティングしたり、あるいはポリ
エステルフィルムや酢酸セルロースフィルム等の透明な
高分子膜でラミネートすること等の被覆法により設けら
れる。
【0037】本発明の偏光能をもつカラーフィルターを
用いて、カラー液晶表示素子を作製することができる。
例として、図1を示すが、液晶表示素子の構成はこの限
りではない。
【0038】
【発明の効果】本発明で使用する偏光素子は、予め基板
表面層に光活性分子を結合もしくは分散し、ついでこの
光活性分子が吸収する波長を含む直線偏光を照射したの
ち、この光活性分子層に1種または2種以上の二色性分
子を吸着させることにより得られる。このような光化学
的な方法により偏光素子が得られる理由は、直線偏光照
射により一定方向に分子軸の配列された光活性分子がそ
の上に吸着された固体状態の二色性分子の分子軸の配列
方向を規定するためと考えられる。本発明の、偏光能を
もつカラーフィルターを用いることにより、従来の液晶
表示素子における透過率低下の原因の一つであるカラー
フィルターと偏光板を一体化することができ、液晶表示
素子の透過率向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はカラー液晶表示素子の略図である。
【符号の説明】
図1 (1):カラーフィルター基板 (2):偏光カラーフィルター (3):オーバーコート層 (4):電極 (5):液晶層 (6):電極 (7):基板 (8):偏光板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光活性分子を有する層および該層に接した
    二色性分子を含む層を有する偏光素子又は偏光板からな
    るカラーフィルター。
  2. 【請求項2】二色性分子を含む層が赤色、緑色及び青色
    の三原色の画素パターンからなる請求項1のカラーフィ
    ルター。
  3. 【請求項3】請求項2のカラーフィルター、基板、液晶
    層及び偏光板からなるカラー液晶表示素子。
JP11106495A 1995-04-13 1995-04-13 カラーフィルター及びカラー液晶表示素子 Pending JPH08286029A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11106495A JPH08286029A (ja) 1995-04-13 1995-04-13 カラーフィルター及びカラー液晶表示素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11106495A JPH08286029A (ja) 1995-04-13 1995-04-13 カラーフィルター及びカラー液晶表示素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08286029A true JPH08286029A (ja) 1996-11-01

Family

ID=14551490

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11106495A Pending JPH08286029A (ja) 1995-04-13 1995-04-13 カラーフィルター及びカラー液晶表示素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08286029A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009011219A1 (ja) * 2007-07-19 2009-01-22 Nitto Denko Corporation 積層体の製造方法
EP2293122A2 (en) 2009-08-28 2011-03-09 Fujifilm Corporation Polarizing film, laminate, and liquid crystal display device
WO2011030883A1 (en) 2009-09-14 2011-03-17 Fujifilm Corporation Color filter and light-emitting display element

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009011219A1 (ja) * 2007-07-19 2009-01-22 Nitto Denko Corporation 積層体の製造方法
EP2293122A2 (en) 2009-08-28 2011-03-09 Fujifilm Corporation Polarizing film, laminate, and liquid crystal display device
WO2011030883A1 (en) 2009-09-14 2011-03-17 Fujifilm Corporation Color filter and light-emitting display element

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0670506B1 (en) Polarizer, polarizing plate and process for production thereof
DE69633856T2 (de) Flüssigkristall-optischesspeichermedium mit grauskala
US20020150698A1 (en) Liquid crystal composition, color filter and liquid crystal display device
US4963448A (en) Photorecording element and liquid crystal cell comprising the same
JP2002179669A (ja) 光学活性化合物、光反応型キラル剤、液晶組成物、液晶の捻れ構造を変化させる方法、液晶の螺旋構造を固定化する方法、液晶カラーフィルタ、光学フィルム及び記録媒体
JP2002080478A (ja) 光反応型光学活性化合物、光反応型カイラル剤、液晶組成物、液晶カラーフィルタ、光学フィルム、記録媒体、及び液晶の捻れ構造を変化させる方法
Kinoshita et al. Large photoinduced refractive index changes of a polymer containing photochromic norbornadiene groups
US20060232860A1 (en) Photo-induced dichroic polarizers and fabrication methods thereof
Zhang et al. Unconventional approaches to light-promoted dynamic surface morphing on polymer films
JPH07261024A (ja) 偏光素子、偏光板およびその製造方法
US20120307363A1 (en) Photo-induced dichroic polarizers and fabrication methods thereof
JP3508918B2 (ja) 液晶配向膜の製造方法及び液晶表示装置
US20020130993A1 (en) Method for producing cholesteric liquid crystal color filters
JPH08286029A (ja) カラーフィルター及びカラー液晶表示素子
JP3489767B2 (ja) 液晶表示装置の製造方法
JPH10333154A (ja) リオトロピック液晶の配向方法
JPH08286180A (ja) 液晶表示素子
JP3615538B2 (ja) 偏光素子、偏光板およびその製造方法
US6927823B1 (en) Method for alignment of liquid crystals using irradiated liquid crystal films
JP2000226448A (ja) 高分子膜の光学的異方性発現方法、リオトロピック液晶の配向方法、配向色素膜、及び、配向色素膜の製造方法
US5525381A (en) Electro-optical material based on polymer-dispersed liquid crystal, method for the preparation thereof by chemical modification of the interface and device based on this material
JPH09244070A (ja) 液晶表示素子
JP3861477B2 (ja) 色素会合体薄膜、その製造方法および光スイッチ
JPH1114830A (ja) 偏光板の製造方法
JP2002212561A (ja) コレステリック液晶性組成物およびコレステリック液晶カラーフィルター