JPH08285572A - 薄板形状の評価方法 - Google Patents

薄板形状の評価方法

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JPH08285572A
JPH08285572A JP7089095A JP8909595A JPH08285572A JP H08285572 A JPH08285572 A JP H08285572A JP 7089095 A JP7089095 A JP 7089095A JP 8909595 A JP8909595 A JP 8909595A JP H08285572 A JPH08285572 A JP H08285572A
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JP
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shape
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JP7089095A
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Nobuo Yamada
田 信 夫 山
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 形状検出器で測定された離散データを複数の
形状特徴量に変換し、製品の品質評価ならびに制御に使
用する。形状特徴量の形状表現精度の向上。 【構成】 測定された急峻度データを4次以上の多項式
で近似し、その係数を形状評価指標に変換するときに、
形状が正弦波もしくはその高次成分を含む合成波からな
るとみなしたときのピーク値と実効値の関係から見た形
状のピーク値を等価ピーク値とし、これが一定となる変
換を施し、対象成分,非対象成分それぞれ評価平面上に
プロットし、そのベクトルの長さと位相により形状を評
価する。 【効果】実プロセスで生じる形状不良を複雑な形状であ
っても正確に評価可能で従来のオフラインでの評価方法
にも対応した評価指標が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属,非金属を問わず
帯状材料を連続して製造する工程において、製品の形状
を形状検出装置で測定し、製品の形状の特徴を評価し、
または評価指標に基づいて形状制御を実施する場合にお
いて、形状検出装置から得られる急峻度もしくは張力偏
差値で表される形状データを、いくつかの特徴量として
総合的に評価する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄,アルミ等の帯状金属材料やフィル
ム,紙などの帯状非金属材料(ここでは包括して「薄
板」とよぶ)を連続的に加工し製造する中間もしくは仕
上げ工程においては、工程内に形状検出装置を設置し
て、形状をオンラインで連続的に測定し、その測定値を
観察することにより加工状況を把握し、製品異常を未然
に防止したり、制御手段を備えている場合には、手動も
しくは自動で形状制御アクチュエータを調節して、製品
形状を目標形状に制御することが行われている。
【0003】形状の測定方法は、一般に加工中の材料に
は張力が付与されており形状不良が潜在化しているた
め、幅方向の張力分布を測定し形状に換算する方法が採
用されている。材料を二次加工する局面での形状の評価
は、張力解放下において、急峻度で評価されるため、張
力分布測定値は急峻度に換算される。急峻度は形状検出
装置の張力測定センサーがn個装備されている場合に
は、n個の離散値として得られる。
【0004】実用に供されている形状検出装置の場合、
nの値は一般に16や32もしくはこれ以上の大きな値
であるため、この測定値をそのまま評価や制御に用いる
ことは得策ではないため、また測定値には必ずノイズが
含まれるため、統計的に評価する必要がある。統計的に
評価する公知の方法として、4次の多項式に近似する方
法が一般的に採用されている。多項式近似以外にも、三
角関数に近似する方法、直行関数を用いる方法等種々提
案されているが、多項式近似が最も簡便であるため、実
用性に富み、現在一般に適用されている。
【0005】幅方向に測定された急峻度測定データを多
項式近似する際に、 xk(|xk|≦1)(k=1,2,・・・n) をセンサーの設置された位置を表す無次元の正規化座標
とし、それに対応した yk[%](k=1,2,・・・n) を急峻度測定データとする。
【0006】xkは材料の幅中心を“0”とした絶対座
標:Xk[mm](k=1,2,・・・n)と材料の幅:W[m
m]とからxk=Xk/(W/2)で計算される。また、
急峻度:ykは、幅方向に測定されたn個の張力測定
値:Tk[kg/mm](k=1,2,・・・n)と、その中の最
大値:Tmax[kg/mm]とから計算される σk=Tmax−Tk[kg/mm] を用いて、 yk=sqr[4・104・σk/π2/E][%] (ここで、sqr[ ]は[ ]の平方根を表す) にて計算される。Eは対象材料のヤング率である。
【0007】次に、n個のデータセット(xk,yk
(k=1,2,・・・n)を用いて、最小二乗法でこれらのデータ
セットに最も良くフィットする4次多項式近似式 y=β0+β1・x+β2・x2+β3・x3+β4・x4(|x|≦1) ・・・(1) を求める。
【0008】従来の形状評価方法は、求めた多項式近似
式の係数:β1〜β4を用いて、次の(2)式の従来の形状
評価指標導出マトリックスで計算されるΛ1〜Λ4を用い
る方法である。
【0009】
【数2】
【0010】(2)式で求められる形状評価指標を採用す
る方法は、現在一般に薄板圧延機の形状評価ならびに制
御において使われているが、(2)式のマトリックスの係
数の導出方法が簡易法であり厳密さに欠けるため、次に
述べる実用上の問題点が指摘されていた。問題点を以下
に列記する。
【0011】(1)Λ1〜Λ4が形状の特徴によく対応し
ていない;実生産工程で生産される材料の形状が典型的
なU(もしくは∩,W,M,/,\,N,左右反転N
型)を示すときに、Λ1〜Λ4がこれらに対応した値にな
らない。形状評価指標が実生産工程で適用されるに当た
って、典型的な形状異常をその値の大小で直感的に把握
可能なことは必須の条件であるが、このことが満足でき
ていない。
【0012】(2)より複雑な形状の評価ができない;
4次多項式近似では不十分なとき、6次もしくはそれ以
上の高次の多項式に近似して評価もしくは制御する必要
があるが、従来の簡易法では対応困難である。特に、形
状検出装置の検出精度が向上し、形状制御アクチュエー
ターが高度化したことに対応して、6次の形状評価が求
められているが、6次もしくは一層高次の形状評価法に
拡張適用することができない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
形状評価方法は多項式近似式の係数:β1〜β4から形状
評価指標:Λ1〜Λ4への変換方法が簡易的であるため
に、実用上の問題点があった。従来の形状評価指標に代
わって提案さるべき新しい指標の望ましい特性を以下に
列記する: (1)Λ(4次のときはΛ1〜Λ4、6次のときはΛ1
Λ6)がそれぞれ実生産工程で生産される製品の形状を
その次数に対応した典型的な形状として表すことができ
ること,(2)必要に応じて、同一の思想に基づいて、
8次もしくはそれ以上の次数の評価指標の導出が可能
で、一層複雑な形状の表現も可能であること,(3)対
称成分ならびに非対称成分の形状評価平面(もしくは球
面、以降「平面」としている場合には、3次元座標も含
むものとする)上に評価指標をプロットしたときに、そ
のベクトル長さと位相とから形状の特徴が読み取れるこ
と,および、(4)二次加工工程で適用されてきた従来
の評価方法である定盤上に切り板を置いて最大波高さを
測定し、そのピッチとから最大急峻度を評価する方法に
適応した評価指標であること。
【0014】本発明は、上述の従来の問題点を改善し、
形状評価を正しく行い、この評価指標に基づいて形状制
御を行う際に適切な評価データを提供し、ひいては製品
の品質保証精度を向上し得る薄板形状の評価方法を提供
することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めの本発明の形状評価指標の計算方法は、先に示したよ
うに、まず形状検出装置で測定された幅方向のn個の急
峻度測定データを用いて従来と同様に(1)式もしくは(3)
式で示す4次もしくは6次の多項式に近似する。
【0016】 y=β0+β1・x+β2・x2+β3・x3+β4・x4+β5・x5+β6・x6 ・・・(3) 次に、等価ピーク値が一定となる条件の下で導出した
(4)式もしくは(5)式からなるβからΛへの変換式を用い
て、形状評価指標:Λ1〜Λ4もしくはΛ1〜Λ6を計算す
る。
【0017】
【数4】
【0018】計算したΛを偶数次項のみからなる対称成
分と奇数次項のみからなる非対象成分に分けて、それぞ
れを対称成分評価平面と非対象成分評価平面上にプロッ
トして形状を評価する。
【0019】次に、形状評価指標演算マトリックスの係
数の導出の考え方を説明する。等価ピーク値一定の条件
とは、形状を正弦波もしくはその合成波とみなし、形状
を表す関数の実効値:yrmsとピーク値:yppとの間に
次の(6)式の関係式が成立するものとする。
【0020】 yrms=ypp/2/sqr[2] ・・・(6) これにより、従来から形状の評価法として製造現場で用
いられている最大急峻度との対応が付けられる。また、
形状制御の観点から、アクチュエータによる形状制御能
力は正弦波もしくはその合成波で表すことができるた
め、上記した条件は実用上適切な前提条件である。
【0021】また、従来から形状を対称成分と非対称成
分に分けて評価する方法に関しては、形状を制御する局
面において、対称成分と非対称成分とでは調節するアク
チュエータが異なることに、また矯正のためのその他の
アクションが異なることに起因する。
【0022】
【作用】形状評価指標:Λの導出課程を以下に説明す
る。まず、4次のときの対称成分について考える。多項
式近似式の偶数次項からなる成分を、yevenとすると、
(7)式になる。
【0023】 yeven=β2・x2+β4・x4 ・・・(7) yevenの平均値:yeaveを求め、これを用いて、次に実
効値の2乗値:yerms 2を求める。
【0024】 yeave=β2/3+β4/5 ・・・(8) yerms 2=(yeven−yeave2 =4/45・β2 2+16/105・β2・β4+16/225・β4 2 ・・・(9) 形状が近似的に正弦波で表されるものとすると、最大最
小値差つまりピーク値:yeppとyermsの間には(6)式に
示す関係がある。(6)式,(8)式,(9)式とから(10)式が
得られる。
【0025】 4/45・β2 2+16/105・β2・β4+16/225・β4 2=1/8・yepp 2 ・・・(10) 図1の(a)に、(10)式においてyeppの値が 0.2,0.
4,0.6,0.8,1.0 のときのβ2とβ4の関係を表すグラ
フを示す。図示のように、β2−β4平面上で約42[d
eg]傾いた楕円軌跡になる。(10)式にアフィン変換に
よる座標回転を施して、β2・β4のクロス項を消去す
る。新しい座標系をue−ve座標とすると、(11)式にな
る。
【0026】 Ae・ve 2+Be・ue 2=yepp 2 ・・・(11) (11)式において、 Ae=25/52/32/7・(28−60・ωe+35・ωe 2)/(1+ωe 2) Be=25/52/32/7・(35−60・ωe+28・ωe 2)/(1+ωe 2) ωe={−7+sqr(3649)}/60 である。
【0027】図1の(b)に、座標変換後のue−ve
標系における等RMS軌跡を、前と同一の条件で示す。
(11)式に座標のゲイン変換を施し、ve=te/sqr
(Ae),ve=se/sqr(Be)を代入すると、新しい座標
系をse−te座標とした(12)式に示す円関数になる。
【0028】 te 2+se 2=yepp 2 ・・・(12) 図1の(c)に、se−te座標系における、先と同じ条
件のときの軌跡を示す。seをΛ2と、teをΛ4と書き直
し、一連の変換過程をまとめると、(13)式を得る。
【0029】
【数13】
【0030】非対称成分のときも対称成分と同様の考え
方に基づいて、β1−β3座標からΛ1−Λ3座標系への変
換を行う。変換式の導出結果を(14)式に示す。
【0031】
【数14】
【0032】(13)式および(14)式を複合して一つの式で
表したものが、(4)式に示した4次の時の本法の方法に
基づく形状評価指標演算マトリックスである。
【0033】図2の(a)から図2の(c)に、非対称
成分の一連の変換課程における等価ピーク値:yopp
0.2,0.4,0.6,0.8,1.0 のときの、各座標軸上での軌
跡を表すグラフを示す。
【0034】次に、より複雑な形状を、4次のときと同
様の考え方で、6次で表現する方法を例に説明する。形
状の多項式近似式を6次の(3)式とすると、4次のとき
と同様に、対称成分と非対称成分に分けて考える。
【0035】 y=yeven+yodd ・・・(15) yeven=β2・x2+β4・x4+β6・x6odd=β1・x+β3・x3+β5・x5 まず、対称成分についてβからΛへの変換過程を前記の
例に倣って順に示す。 1)平均値:yeaveおよび実効値の2乗値:yerms 2の計
算(式(16),(17)) yeave =β2/3+β4/5+β6/7 ・・・(16) yerms 2= 4/45・β2 2+16/225・β4 2+36/637・β6 2 +16/105・β2・β4+48/385・β4・β6+24/189・β6・β2 = 4/45・Xe 2+16/225・Ye 2+36/637・Ze 2 +16/105・Xe・Ye+48/385・Ye・Ze+24/189・Ze・Xe ・・・(17)。 2)β2,β4,β6とyeppの関係式の導出((18)式)
(6)式の関係を用い、 ae・β2 2+be・β4 2+ce・β6 2+de・β2・β4 +ee・β4・β6+fe・β6・β2=yepp 2 ・・・(18) ここで、 ae=4/45・8, be=16/225・8, ce=36/637・8 de=16/105・8 ee=48/385・8 fe=24/189・8 。
【0036】3)3次元アフィン変換によりクロス項を
消去((19)式) Ae・Ue 2+Be・Ve 2+Ce・We 2=yepp 2 ・・・(19) ここで、Ae=4.264645, Be=0.267123, Ce=0.005
020 。
【0037】4)座標のゲイン変換 Re=1/sqr(Ae), Se=1/sqr(Be), Te=1/
sqr (Ve)を(19)式に代入して、 Re 2+Se 2+Te 2=yepp 2=Λ2 2+Λ4 2+Λ6 2 ・・・(20) 5)一連の変換過程のまとめ ReをΛ2と、SeをΛ4と、TeをΛ6と置き換えて次の(2
1)式を得る。
【0038】
【数21】
【0039】非対称成分についても同様に計算して、(2
2)式を得る。
【0040】
【数22】
【0041】対称成分,非対称成分を包括してのβから
Λへの変換マトリックスは(5)式になる。以下に、実施
例を交えて、本発明による形状評価指標を適用したとき
の効果を従来法との比較に基づいて説明する。
【0042】
【実施例】図3,図4に、(2)式による従来の簡易な形
状評価指標導出式による方法(以降従来法と呼ぶ)と
(4)式による本発明による方法(以降本法と呼ぶ)の対
称成分平面(Λ2−Λ4平面)上の単位円上の代表点4点
(1,0),(0,1),(−1,0)および(0,−
1)に対応する形状を例示する。図3および図4では、
実際の形状検出装置の出力が離散値であるために、これ
とのイメージ上の対応を付けるために、xn(正規化幅
座標)を40等分した。本発明法の従来法との比較上の
特徴を以下に列記する。
【0043】1)Λ4=0でΛ2のみの点(1,0),
(−1,0)での形状 従来法(図3)はU型とW型の複合もしくは∩型とM型
の複合した形状を表すが、本法(図4)では正しくU型
もしくは∩型を示す。
【0044】2)Λ2=0でΛ4のみの点(0,1),
(0,−1)での形状 従来法では(0,1)での形状がM型であるが、本法で
はW型であり、本来Λ4軸が表すべき形状に対応してい
る。従来法ではこれが反転しているため評価指標を活用
する側で混乱を招くことがあった。
【0045】3)実効値 従来法では上記4点での値が一定でないが、本法では一
定値、この例ではyrms=0.35[%]になる。図示
は省略したが、4点以外の点ならびに非対称成分ではこ
のことがより顕著に現れる。
【0046】4)ピーク値 この4点に関する限り、従来法では、yppはほぼ“1”
と一定であるが、本法では“1”にならない。図示は省
略したが、4点以外の点と非対称成分を考慮すると、従
来法の方が“1”との差異が大きい。本法では先に説明
した等価ピーク値が一定になっている。
【0047】以上の4点のことから、また発明者らが鉄
の調質圧延機の形状検出システムに本法による評価方法
を適用した結果でも、本法が実際の形状を正しく評価し
ていることが確認された。
【0048】図5に、実際に圧延された形状をこのシス
テムでΛ2−Λ4平面上にプロットしたものを示す。図5
の(a)には従来法で評価した結果を、図5の(b)に
は本法で評価した結果を示す。形状は、実生産工程で最
もポピュラーな形状であるU型もしくは∩型が主成分を
なすものである。従来法ではΛ4が複合した形状である
がごとく評価されているが、新法ではほぼΛ2成分主体
の形状と評価されている。この評価結果に基づいて形状
の矯正操作(この例では目標形状はフラット)がなされ
るが、従来法では目標のフラット形状が達成できなかっ
た。次に、より複雑な形状の評価について述べる。
【0049】図6は、発明者らが実際の鉄のゼンジマー
圧延機の形状検出システムに本法を適用した例である。
図6の(a)はオンラインで形状検出装置で測定した急
峻度値とオフラインで該当部位をサンプル切り出し定盤
上で変位計を用いて厳密に急峻度を測定した形状を重ね
て表示したものである。白丸印はオフラインデータを黒
丸印はオンラインデータを示す。また、張力分布センサ
ーは32個であり、実効点数はこの例では24点であ
る。データ点間は直線でそれぞれ結んである。横軸には
「Senser No.」としてセンサー位置に対応した位置
を、xで板幅方向の実寸法を、xnで正規化板幅を示
す。図6の(a)から、この形状検出装置で測定された
形状がオフラインで測定した厳密な形状とよく対応して
おり、以降の形状評価に適用するに十分な精度を有する
ことが確認されている。一般に、オフライン測定値とオ
ンライン測定値はその測定方法が異なること、一方は切
り板もう一方は連続帯材であることから完全に一致する
ことはない。
【0050】このデータに対してオンラインデータとオ
フラインデータそれぞれに本法による4次,6次,8次
の多項式近似を施したものを、図6の(b)と図6の
(c)に示す。オンライン(図6の(b))、オフライ
ンデータ(図6の(c))ともほぼ同様の傾向を示す
が、ここでは4次の形状評価では不十分なことを以下に
列記する。
【0051】1)近似精度 図6の(b)および図6の(c)において白丸印は実測
値を、破線は4次の、実線は6次の、点線は8次の、そ
れぞれ多項式近似曲線を示す。図から分かるように、4
次の近似では十分な近似精度は得られていない。また、
6次と8次とではほとんど有意差がなく、この適用例で
は6次で十分であることが分かる。
【0052】2)エッジ部の形状評価 4次で近似したときはエッジ部は下向きの形状と認識さ
れるが、6次では上向きと認識される。
【0053】3)エッジ近傍の形状評価 4次の評価では実際の形状とその微分値つまり変化の傾
向が逆転している。6次では正しくその傾向を評価して
いる。
【0054】以上のことから、ゼンジマー圧延機のよう
に分割バックアップロールを持つ圧延機で圧延される形
状の評価には、6次もしくはそれ以上の次数の形状評価
が必要なことが分かる。特に上記2)の形状評価は実圧
延作業では重要なことで、もし4次のように認識され
て、これに基づいて制御が実施されると圧延中に圧延材
を破断してしまうことになり操業上重大な支障を招く。
【0055】
【発明の効果】以上に実施例を交えて本発明による形状
評価方法が従来の方法よりも優れていることを説明した
が、この方法を実際の鉄の形状検出システムに適用して
得られた効果を以下に説明する。
【0056】1)従来の形状評価法では実生産工程で生
産される薄板形状の特徴を正しく認識できなかったが、
本法を用いることにより、実圧延形状を正しく評価でき
るようになった。このことにより形状評価指標に基づく
形状矯正アクションが正しくなされ、生産性が向上し
た。
【0057】2)従来法では上記で説明したような複雑
な形状を評価し、矯正アクションに結びつけることがで
きなかったが、本発明法を適用することにより高次の形
状評価を施しそれに基づきアクションを実施出来るよう
になり製品形状が改善され、次工程もしくは客先からの
クレームが減少した。またエッジ部の形状が正しく評価
され、これに基づくアクションがなされた結果、圧延中
の板の破断等操業トラブルが減少した。
【0058】3)形状が正しく評価できるようになった
ことで、特に等価ピーク値の概念を導入し形状を正弦波
もしくはその複合波であるとして、形状制御を考慮した
評価指標になったことにより、形状矯正制御するときに
アクチュエータのどれがどの形状に対してどの程度性能
があるかを試験したり解析したりするときに有効に使え
るようになった。従来は、Λがそれぞれ典型的な形状を
表していなかったため、性能評価に使う影響係数の算出
法が煩雑になっていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は、張力測定値から計算される急峻度
を表わす4次多項式近似式の、対称成分である二次項の
係数β2および四次項の係数β4を座標とするβ2−β4
面上において等価ピーク値が0.2,0.4,0.6,0.8,1.0
になる軌跡を示すグラフである。(b)は、(a)に示
すグラフにアフィン変換を施して新しい座標系をu−v
として座標回転し、正楕円形に変換した結果を示すグラ
フである。(c)は、u−v座標系にゲイン変換を施
し、正楕円を正円に変換して座標s−t(Λ2−Λ4)で
表わしたグラフである。
【図2】 (a)は、張力測定値から計算される急峻度
を表わす4次多項式近似式の、非対称成分である一次項
の係数β1および三次項の係数β3を座標とするβ1−β3
座標系における等価ピ−ク値の軌跡を示すグラフであ
る。(b)は、(a)に示すグラフにアフィン変換を施
して新しい座標系をu−vとして座標回転し、正楕円形
に変換した結果を示すグラフである。(c)は、u−v
座標系にゲイン変換を施し、正楕円を正円に変換して座
標s−t(Λ1−Λ3)で表わしたグラフである。
【図3】 従来法のΛ2−Λ4平面上(図1の(c))の
特徴的な4点における形状を表す棒グラフであり、形状
を表す4つの棒グラフにおいて横軸は正規化座標:
n、縦軸は急峻度:y[%]で、xn軸は40等分して
あり、形状検出装置のセンサー個数に対応する。従来か
ら形状評価は定盤上に材料をおいて材料の盛り上がり高
さを測定しているため、これに倣った形で表示した。
【図4】 本発明法による、図3のときと同様に4点で
の形状を表す棒グラフである。
【図5】 従来法と本法で実形状測定データの形状評価
指標を演算し、その結果を対称成分平面(Λ2−Λ4)上
にプロットしたグラフであり、データ点数はそれぞれ4
0点で元の形状データと同じものである。(a)は従来
法の演算による結果を示し、(b)が本発明法の演算に
よる結果を示す。
【図6】 実測した複雑形状の多項式近似結果を示すグ
ラフであり、次数の差による近似精度の差を示す。
(a)は多項式近似する前の元の生データをプロットし
たグラフであって白丸印はオフライン測定データを、黒
丸印はオンライン測定データを表す。形状検出器のデー
タが厳密な解析を要するに足る性能を有していることを
表すために図示した。(b)は、オンライン測定デ−タ
を用いて測定形状を4次,6次,8次の多項式近似して
得られた曲線を表すグラフである。(c)は、オフライ
ン測定デ−タを用いて測定形状を4次,6次,8次の多
項式近似して得られた曲線を表すグラフである。(b)
および(c)において、太い実線は6次の、破線は4次
の、細い実線は8次の、多項式近似式の曲線を表す。横
軸は材料の幅方向座標で、幅方向中心を“0”として、
表示してある。センサー位置を1〜32の番号で示し
た。縦軸は急峻度である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 形状検出装置で測定された薄板の形状を複数の特徴量に
    変換し対称成分と非対称成分それぞれについて形状評価
    平面もしくは球面上にプロットしそのベクトル長さと位
    相とで形状を評価する方法において、測定された急峻度
    測定データを4次もしくはこれ以上の多項式で曲線近似
    しその近似式の係数から形状評価指標を演算導出すると
    きに、形状が正弦波もしくはその高次成分を含む合成波
    とみなしたときのピーク値と実効値の関係から見た形状
    のピーク値を等価ピーク値とし、この等価ピーク値が一
    定となる上記平面もしくは球面上の点の軌跡が円または
    球となるような変換を施す形状評価指標への演算導出式
    を有することを特徴とする薄板形状の評価方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107560559A (zh) * 2017-07-24 2018-01-09 四川大学 一种棱柱状管道轴向弯扭形变测量评价方法
CN107607080A (zh) * 2017-07-24 2018-01-19 四川大学 一种棱柱状管道横截面形变测量评价方法

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CN107607080A (zh) * 2017-07-24 2018-01-19 四川大学 一种棱柱状管道横截面形变测量评价方法
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CN107607080B (zh) * 2017-07-24 2019-05-28 四川大学 一种棱柱状管道横截面形变测量计算方法

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