JPH08284495A - キ ー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トランスポンダが良好に保護されながら感触
も良好なイモビライザキーを実現する。 【構成】 トランスポンダ３を固い内部フレーム５に内
蔵し、この内部フレーム５の外面を柔らかい外部カバー
６により略被う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、外部から電力が供給さ
れると暗証コードを出力するキーに関する。

【０００２】

【従来の技術】現在、自動車の盗難防止装置の一つとし
て、イモビライザシステムが利用されている。このイモ
ビライザシステムは、イモビライザキーとイモビライザ
制御部とからなる。

【０００３】イモビライザキーは、一般的に自動車のイ
グニションキーのハンドル部に、トランスポンダを設け
たものである。このトランスポンダは、車両に設けられ
たイモビライザ制御部から磁気結合により電力が無線入
力されると、この電力により予め設定された暗証コード
を磁気結合によりイモビライザ制御部に無線出力する。

【０００４】イモビライザ制御部は、イモビライザキー
の検知部、磁気の出力部、磁気による暗証コードの受信
部、暗証コードの判定部、エンジンの制御部、などを組
み合わせた構造からなり、一般的に自動車のイグニショ
ンロックの近傍に配置される。例えば、イグニションロ
ックの鍵穴にイグニションキーであるイモビライザキー
を挿入すると、このイモビライザキーを検知部が赤外線
やスイッチ操作などにより検知し、この検知に従って出
力部が磁気をイモビライザキーに出力する。

【０００５】すると、イモビライザキーのトランスポン
ダは、磁気結合により電力が供給されるので、予め設定
された所定の暗証コードを磁気により出力する。このイ
モビライザキーからイモビライザ制御部の受信部が磁気
結合により暗証コードを受信すると、この受信した暗証
コードと予め設定された暗証コードとの一致を判定部が
判定し、この一致が確認された場合のみ制御部がエンジ
ンの始動や運転を許可する。

【０００６】このようなイモビライザシステムは、イモ
ビライザキーのキープレートによりイグニションロック
を操作できても、トランスポンダが出力する暗証コード
とイモビライザ制御部が記憶した暗証コードとが一致し
ないとエンジン始動を許可しない。このため、イモビラ
イザキーのキープレートの外形のみコピーしても、トラ
ンスポンダを有しないキーではエンジン始動等が許可さ
れないので、自動車の盗難防止に有用である。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上述のようなイモビラ
イザキーは、一般的に金属製のキープレートと樹脂製の
ハンドル部とを有しており、このハンドル部にキープレ
ートの末端部とトランスポンダとが内蔵されている。

【０００８】このような構造のイモビライザキーは、精
密な電子回路からなるトランスポンダを保護する必要が
あるので、ハンドル部を高硬度の樹脂で形成している。
このため、イモビライザキーはハンドル部の感触が良好
でない。イモビライザキーのハンドル部を柔軟な樹脂で
形成して感触を改善することは容易であるが、この場合
はハンドル部の強度が低下してトランスポンダを良好に
保護することができない。

【０００９】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
キープレートを設け、外部から電力が無線入力されると
予め設定された暗証コードを無線出力するトランスポン
ダを設け、このトランスポンダと前記キープレートの末
端部とを固い内部フレームに内蔵し、この内部フレーム
の外面を柔らかい外部カバーにより略被った。

【００１０】請求項２記載の発明は、請求項１記載の発
明において、内部フレームと外部カバーとを樹脂の二重
成形により一体に形成した。

【００１１】

【作用】請求項１記載の発明では、トランスポンダとキ
ープレートの末端部とが固い内部フレームに内蔵されて
いるので、この内部フレームによりトランスポンダが良
好に保護され、内部フレームの外面が柔らかい外部カバ
ーにより略被われているので、この外部カバーにより感
触が良好である。

【００１２】請求項２記載の発明では、内部フレームと
外部カバーとが樹脂の二重成形により一体に形成されて
いるので、内部フレームと外部カバーとが単純な構造で
強固に一体化されている。

【００１３】

【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて以下に説
明する。まず、本実施例のキーであるイモビライザキー
１は、金属製のキープレート２と電子回路からなるトラ
ンスポンダ３とを有しており、このトランスポンダ３と
前記キープレート２の末端部４とは、内部フレームであ
る第一成形部５に内蔵されている。この第一成形部５
は、外部カバーである第二成形部６に被われており、こ
こにハンドル部７が形成されている。

【００１４】前記第一成形部５は、固い樹脂であるポリ
プロピレンの成形品からなり、前記トランスポンダ３を
インサートすると共に、前記キープレート２の末端部４
をアウトサートしている。前記第二成形部６は、柔らか
い樹脂である塩化ビニールの成形品からなり、前記第一
成形部５の外面に二重成形により一体に形成されてい
る。

【００１５】このような構成において、本実施例のイモ
ビライザキー１は、従来と同様に、イモビライザシステ
ムの一部として、被制御体である自動車のエンジン始動
の制御に使用される。

【００１６】本実施例のイモビライザキー１は、トラン
スポンダ３が高硬度な第一成形部５に内蔵されているの
で、ハンドル部７の強度が良好でトランスポンダ３が良
好に保護されている。それでいて、高硬度な第一成形部
５が柔軟な第二成形部６に被われているので、ハンドル
部７の感触も良好である。

【００１７】さらに、第一成形部５と第二成形部６とは
二重成形により一体に形成されているので、これらを別
個に製作して組み立てる必要がなく、イモビライザキー
１の生産性が良好であり、その密着が強固で剛性や耐久
性も良好である。

【００１８】なお、本実施例のイモビライザキー１で
は、上述のようにハンドル部７の剛性を第一成形部５に
より実現しており、第二成形部６は感触を改善するだけ
なので、ハンドル部７の大部分が第一成形部５により形
成されており、第二成形部６は薄肉に形成されている。

【００１９】また、本実施例では第一成形部５を形成す
る固い樹脂としてポリプロピレンを例示したが、本発明
は上記実施例に限定されるものではなく、このような固
い樹脂としては、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリウレタン、その他のポリマーアロイ、ＡＢＳ(A
crylonitrile-Butadiene-Styrene）樹脂、ポリアセター
ル等も利用可能である。

【００２０】同様に、第二成形部６を形成する柔らかい
樹脂として塩化ビニールを例示したが、本発明は上記実
施例に限定されるものでもなく、このような柔らかい樹
脂としては、エラストマーなども利用可能である。

【００２１】

【発明の効果】請求項１記載の発明は、トランスポンダ
とキープレートの末端部とを固い内部フレームに内蔵し
たことにより、この内部フレームによりトランスポンダ
を良好に保護することができ、内部フレームの外面を柔
らかい外部カバーにより略被ったことにより、この外部
カバーにより感触を良好にすることができ、トランスポ
ンダが良好に保護されながら感触も良好なイモビライザ
キーを実現することができる。

【００２２】請求項２記載の発明は、内部フレームと外
部カバーとを樹脂の二重成形により一体に形成したこと
により、内部フレームと外部カバーとを別個に製作して
組み立てる必要がないので、イモビライザキーの生産性
を向上させることができ、内部フレームと外部カバーと
を強固に密着させることができるので、イモビライザキ
ーの剛性や耐久性も向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のイモビライザキーを示す平
面図である。

【図２】イモビライザキーを示す側面図である。

【符号の説明】

１ キー ２ キープレート ３ トランスポンダ ４ 末端部 ５ 内部フレーム ６ 外部カバー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 キープレートと、外部から電力が無線入
   力されると予め設定された暗証コードを無線出力するト
   ランスポンダと、このトランスポンダと前記キープレー
   トの末端部とが内蔵された固い内部フレームと、この内
   部フレームの外面を略被う柔らかい外部カバーと、を有
   することを特徴とするキー。
2. 【請求項２】 内部フレームと外部カバーとを樹脂の二
   重成形により一体に形成したことを特徴とする請求項１
   記載のキー。