JPH08282308A - 燃料タンク用気化燃料流路規制装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐久性を高める上に有利なように構成された
燃料タンク用気化燃料流路規制装置を提供する。 【構成】 給油ノズル１９を挿入可能な給油口２と燃料
タンクとの間を連結したフィラーパイプ１と、閉弁方向
へ弾発付勢された状態で給油口近傍に設けられたフラッ
プ弁６と、燃料タンクとキャニスタとの間を連通した気
化燃料流路と、フィラーパイプ内に突入した突入端をフ
ラップ弁の開弁運動によって開弁方向へ押し込まれるロ
ッド１４を備えると共に閉弁方向へ弾発付勢された状態
で気化燃料流路に設けられたポペット弁９とを有する燃
料タンク用気化燃料流路規制装置に於いて、フラップ弁
の回動方向と等しい方向へ回転可能な転動部材１８をロ
ッドの突入端に設けるものとする。 【効果】 ロッド並びにフラップ弁の耐久性の向上。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両の燃料タンクに燃
料を注入する際に、燃料タンク内に充満している気化燃
料を大気中に放出せずにキャニスタへ導入するための燃
料タンク用気化燃料流路規制装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】大気汚染を防止する見地から、車両の燃
料タンクに燃料を注入する際に、燃料タンク内に充満し
ている気化燃料が大気中に放出されることを防止する対
策が講じられている。この対策の一つとして、フィラー
キャップの脱却時に燃料タンク内の気化燃料が大気中に
放出しないように給油口を閉鎖するためのフラップ弁
と、燃料の注入によって発生及び加圧された気化燃料を
燃料タンクからキャニスタへと導くための気化燃料流路
と、この気化燃料流路を通常は閉鎖するためのポペット
弁とを設けると共に、給油ノズルの挿入によって開弁回
動するフラップ弁をポペット弁の弁軸に当接可能なよう
に構成することにより、フラップ弁とポペット弁との開
閉動作を互いに連動させるようにしたものが知られてい
る（実公平４−４４４２５号公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】さて、上記した従来構
成の場合、直線運動を行うロッドの先端は、フラップ弁
の回動運動によって押圧されるので、ロッド先端とフラ
ップ弁との当接部が互いに擦れ合って摩耗することが考
えられる。そしてこの摩耗によってロッド先端とフラッ
プ弁との当接部が変形することがあると、ロッドに軸方
向力以外の曲げモーメントが作用したり、ポペット弁の
開度が径年変化したりする不都合が発生しないとも限ら
ない。また、このような摩耗が生じることや曲げモーメ
ントが加わること等を考慮すると、ロッド並びにフラッ
プ弁の材質を特に吟味しなければならなくなるので、製
造コストに悪影響が及ぶ可能性がある。

【０００４】本発明は、このような従来技術の不都合を
解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、
耐久性を高める上に有利なように構成された燃料タンク
用気化燃料流路規制装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このような目的は、本発
明によれば、給油ノズルを挿入可能な給油口と燃料タン
クとの間を連結したフィラーパイプと、閉弁方向へ弾発
付勢された状態で給油口近傍に設けられたフラップ弁
と、燃料タンクとキャニスタとの間を連通した気化燃料
流路と、フィラーパイプ内に突入した突入端をフラップ
弁の開弁運動によって開弁方向へ押し込まれるロッドを
備えると共に閉弁方向へ弾発付勢された状態で気化燃料
流路に設けられたポペット弁とを有する燃料タンク用気
化燃料流路規制装置に於いて、フラップ弁の回動方向と
等しい方向へ回転可能な転動部材をロッドの突入端に設
けることによって達成される。

【０００６】

【作用】このような構成によれば、ポペット弁のロッド
とフラップ弁との間が転動接触となり、両者の当接時に
生じる衝撃が緩和されると共に、両者間の接触摩擦が低
減される。

【０００７】

【実施例】以下に添付の図面に示された具体的な実施例
に基づいて本発明の構成を詳細に説明する。

【０００８】図１並びに図２は、図示されていない燃料
タンクにその端末が接続されたフィラーパイプの給油口
回りを示す縦断面図である。フィラーパイプ１の内面に
於ける給油口２の開口近傍には、漏斗状に形成された給
油ノズルガイド３が固着されている。この給油ノズルガ
イド３の開口４は、給油ノズルガイド３の外側面に固着
されたブラケット５に軸支されたフラップ弁６により、
開閉可能にされている。このフラップ弁６は、支持軸７
に設けられたねじりばね（図示せず）により、常時閉弁
方向へ弾発付勢されており、通常は閉じられている。

【０００９】フィラーパイプ１の外面には、弁ハウジン
グ８が接合されている。この弁ハウジング８内には、ポ
ペット弁９にて互いの連通が断続される気化燃料流入室
１０と気化燃料流出室１１とが画成されている。そして
気化燃料流入室１０には流入管１２が突設されており、
これがホース（図示せず）を介して燃料タンクの液面上
空間に連結されている。また気化燃料流出室１１には流
出管１３が突設されており、これが同じくホースを介し
てキャニスタ（図示せず）に連結されている。

【００１０】ポペット弁９は、弁ハウジング８に軸線方
向摺動自在に支持されたロッド１４の中間部に固着され
ている。このポペット弁９は、コイルばね１５により、
気化燃料流入室１０と気化燃料流出室１１との間の連通
を遮断する向きに常時弾発付勢されている。またポペッ
ト弁９は、弁ハウジング８の弁室内面に形成された軸線
方向溝１６と係合する突起１７により、回り止めされて
いる。そしてポペット弁９を支持したロッド１４は、フ
ィラーパイプ１内に突入しており、その先端には、回転
自在なローラ１８が装着されている。

【００１１】さて、通常は給油ノズルガイド３の開口４
はフラップ弁６にて閉じられており、また気化燃料流入
室１０と気化燃料流出室１１との間もポペット弁９にて
閉じられている。従って、フィラーキャップ（図示せ
ず）を取り外しても、燃料タンク内に充満した気化燃料
が大気中に放出されることは無い。

【００１２】図２に示すように、給油ノズルガイド３を
介して給油ノズル１９をフィラーパイプ１内に挿入する
と、給油ノズル１９の先端に押されてフラップ弁６が下
向きに回動し、給油ノズルガイド３の開口４を開く。す
るとフラップ弁６の凹面２０がロッド１４の先端のロー
ラ１８に当接し、かつロッド１４を押し込む。ロッド１
４が押し込まれるのに伴ってポペット弁９が開き、気化
燃料流入室１０と気化燃料流出室１１との間が互いに連
通する。これにより、フィラーパイプ１から注入された
燃料液にて加圧された燃料タンク内の気化燃料が、キャ
ニスタへと流入する。

【００１３】ここでロッド１４の先端のローラ１８の回
転軸は、フラップ弁６を支持する支持軸７の軸線と平行
に延在しているので、フラップ弁６によりロッド１４が
押し込まれる際にローラ１８は円滑に転動する。これに
より、フラップ弁６とロッド１４との接触摩擦が大幅に
低減される。

【００１４】

【発明の効果】このように本発明によれば、ポペット弁
のロッドとフラップ弁との間が転動接触となり、両者の
当接時に生じる衝撃が緩和されると共に、両者間の接触
摩擦が大幅に低減されるので、ロッド並びにフラップ弁
の摩耗が著しく低減する。即ち、本発明により、ロッド
並びにフラップ弁の耐久性の向上に多大な効果を奏する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】通常時のフィラーパイプの給油口回りの要部縦
断面図。

【図２】給油時のフィラーパイプの給油口回りの要部縦
断面図。

【符号の説明】

１ フィラーパイプ ２ 給油口 ３ 給油ノズルガイド ４ 開口 ５ ブラケット ６ フラップ弁 ７ 支持軸 ８ 弁ハウジング ９ ポペット弁 １０ 気化燃料流入室 １１ 気化燃料流出室 １２ 流入管 １３ 流出管 １４ ロッド １５ コイルばね １６ 軸線方向溝 １７ 突起 １８ ローラ １９ 給油ノズル ２０ 凹面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 給油ノズルを挿入可能な給油口と燃料タ
   ンクとの間を連結したフィラーパイプと、閉弁方向へ弾
   発付勢された状態で前記給油口近傍に設けられたフラッ
   プ弁と、燃料タンクとキャニスタとの間を連通した気化
   燃料流路と、前記フィラーパイプ内に突入した突入端を
   前記フラップ弁の開弁運動によって開弁方向へ押し込ま
   れるロッドを備えると共に閉弁方向へ弾発付勢された状
   態で前記気化燃料流路に設けられたポペット弁とを有す
   る燃料タンク用気化燃料流路規制装置であって、 前記ロッドの突入端に、前記フラップ弁の回動方向と等
   しい方向へ回転可能な転動部材を設けたことを特徴とす
   る燃料タンク用気化燃料流路規制装置。