JPH08281933A - インクジェットプリント方法、インクジェットプリント装置およびインクジェットプリント物 - Google Patents

インクジェットプリント方法、インクジェットプリント装置およびインクジェットプリント物

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JPH08281933A
JPH08281933A JP8021455A JP2145596A JPH08281933A JP H08281933 A JPH08281933 A JP H08281933A JP 8021455 A JP8021455 A JP 8021455A JP 2145596 A JP2145596 A JP 2145596A JP H08281933 A JPH08281933 A JP H08281933A
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printability
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真夫 加藤
Hiromitsu Hirabayashi
弘光 平林
Toshiji Inui
利治 乾
Jiro Moriyama
次郎 森山
Hiroshi Tajika
博司 田鹿
Minoko Katou
美乃子 加藤
Yutaka Kurabayashi
豊 倉林
Hitoshi Sugimoto
仁 杉本
Masaya Uetsuki
雅哉 植月
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    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/21Ink jet for multi-colour printing
    • B41J2/2107Ink jet for multi-colour printing characterised by the ink properties
    • B41J2/2114Ejecting specialized liquids, e.g. transparent or processing liquids
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J19/00Character- or line-spacing mechanisms
    • B41J19/14Character- or line-spacing mechanisms with means for effecting line or character spacing in either direction
    • B41J19/142Character- or line-spacing mechanisms with means for effecting line or character spacing in either direction with a reciprocating print head printing in both directions across the paper width
    • B41J19/147Colour shift prevention

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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Dot-Matrix Printers And Others (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクとプリント性向上液との打ち込み順序
の違い等に起因する画質の低下の防止、プリント濃度が
高いなどの高品位画像の形成、必要最小限のプリント性
向上液の付与による高品位画像の形成を達成できるイン
クジェットプリント方法等の提供。 【解決手段】 被プリント材へ有色インクのプリントを
行ったのち、当該有色インクプリント領域上に少なくと
も1回以上プリント性向上液を付与し、かつ当該プリン
ト性向上液が付与された画像領域に対して有色インクに
よってプリントする。インクジェット吐出部のプリント
パターンを互いに補完の関係にある複数の間引き配列パ
ターンに従って間引き、この間引かれたパターンのプリ
ントをそれぞれ主走査の往動時および復動時に振り分け
て行い、プリント性向上液吐出部のプリントパターンの
プリントを常に主走査の往動時にのみ行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被プリント材上に
高品位の画像を得ることができるインクジェットプリン
ト方法およびプリント装置に関し、詳しくは、被プリン
ト材上にプリントインクおよびプリントインク中の色材
を不溶化または凝集させるプリント性向上液を吐出させ
るインクジェットプリント方法およびプリント装置なら
びにプリント物に関する。
【0002】本発明は、紙や布、革、不織布、OHP用
紙等、さらには金属等の被プリント材を用いる機器全て
に適用可能である。具体的な適用機器としては、プリン
タ、複写機、ファクシミリ等の事務機器や工業用生産機
器等を挙げることができる。
【0003】
【従来の技術】従来、インクジェットプリント方法は、
低騒音、低ランニングコスト、装置が小型化しやすい、
カラー化が容易、等からプリンタや複写機等に利用され
ている。
【0004】しかしながら、インクジェットプリント方
法を応用したこれらのプリント装置により、所謂普通紙
と呼ばれる被プリント材上に画像を得る場合、画像の耐
水性が不十分であったり、また、カラー画像を得る場合
には、フェザリングの生じない高濃度の画像と色間のに
じみの生じない画像とを両立させることができず、良好
な画像堅牢性でかつ良好な品位のカラー画像が得られて
いなかった。
【0005】画像の耐水性を向上させる方法としてイン
ク中に含まれる色材に耐水性を持たせたインクも近年で
は実用化されてきている。しかしながらその耐水性はま
だまだ不十分であるとともに、原理的に乾燥後、水に溶
解しにくいインクであるために、プリントヘッドのノズ
ル詰まりが生じやすく、これを防止するために装置構成
が複雑になってしまう場合がある。
【0006】また、従来より被プリント物の堅牢性を向
上させる技術が多数開示されている。特開昭53−24
486号公報では染色物の湿潤堅牢度を増進させるため
に、染色物を後処理することで染料をレーキ化し固着さ
せる技術が開示されている。
【0007】特開昭54−43733号公報ではインク
ジェットプリント方式を用いて、相互に接触すると常温
または加熱時に被膜形成濃が増大する2以上の成分を用
いてプリントする方法が開示されており、被プリント材
上で各成分が接触することで強固に密着した被膜を形成
した印刷物を得ている。
【0008】特開昭55−150396号でも水性染料
インクをインクジェットプリント後に、染料との間でレ
ーキを形成する耐水化材を付与する方法が開示されてい
る。
【0009】特開昭58−128862号公報では、記
録すべき画像位置を予め識別し、プリントインクとプリ
ント性向上液とを重ねて描くインクジェットプリント方
法が開示されており、プリント性向上液でプリントイン
クに先立って画像を形成するプリント方法や、先に描か
れたプリントインク上にプリント性向上液を重ねて描く
プリント方法や、先に描かれたプリント性向上液上にプ
リントインクを重ねて描き、さらにプリント性向上液を
重ねて描くプリント方法が開示されている。
【0010】これらプリント性向上液とプリントインク
を別々に付与することにより、耐光性、耐水性、画像濃
度、彩度の向上などの効果が公知である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記公報
には、インクジェットプリント装置に特有である吐出信
頼性維持のための回復手段、ヘッド構成、タンク構成、
プリント画像の品位向上のためのプリントモード等につ
いては開示されていない。
【0012】上記特開昭58−128862号公報で示
されているような、プリントインクおよびプリント性向
上液の被プリント材上への付与は、その打ち込み順序が
異なると、各々のプリント画素は異なる性質を示す。
【0013】紙面へのプリントインクとプリント性向上
液の広がりを模式的に図1(a)および(b)に示す。
図1(a)はプリントインクに先立ってプリント性向上
液を打ち込んだ場合を示している。この場合、プリント
インク中の染料などの色素が紙面のうち、その深さ方向
の比較的表面に留まるためプリントインクの発色性は向
上し、ドット形状はフェザリングの少ない円形のドット
が形成されると考えられる。一方でプリントインクが被
プリント材上に着弾すると同時にプリント性向上液との
凝集が始まるためプリントインク中の色素成分が被プリ
ント材に浸透せず、ドットの大きさは小さくなる傾向に
ある。
【0014】図1(b)は図1(a)に示した場合と逆
に先に打ち込んだプリントインク上へプリント性向上液
を重ねる場合を示している。プリントインクを先に打ち
込んだ場合、プリントインクはプリント性向上液を施さ
ない場合より耐水性は高いが、プリントインクが先に紙
面のうち、その深さ方向の内部に浸透するので、プリン
トインクの発色性はあまり変わらない。
【0015】さらにプリントインクおよびプリント性向
上液の打ち込み順序が異なると色相が両者で異なる場合
が発生する。これは同量のプリントインクでもインクの
凝集の仕方により被プリント材上での染料等の色素成分
同士の距離が両者で異なるため、このような色相の違い
が発生するものと考えられる。
【0016】このようにプリントインクとプリント性向
上液との打ち込み順序の違いにより、形成される画像は
異なる。
【0017】またプリントインクとプリント性向上液と
が紙面の深さ方向のどの位置で混ざるかによっても発
色、色相、ドット形状等は異なる。このような状態はプ
リント性向上液が着弾してからプリントインクが着弾す
るまでの時間間隔が、画素によって異なった場合に発生
するが、このことが形成された画像にも大きく影響を及
ぼす。
【0018】これらの性質が従来のインクジェットプリ
ント方式での画像に与える影響を以下に述べる。
【0019】1)特開昭58−128862号公報に開
示されているプリント性向上液でプリントインクに先だ
って画像を形成するプリント方法や、先に描かれたプリ
ント性向上液上にプリントインクを重ねて描き、さらに
プリント性向上液を重ねて描くプリント方法で記録を行
った場合には、プリント性向上液を用いない場合に比べ
ドット径は小さくなる傾向にある。プリント性向上液を
用いたプリントとプリント性向上液を用いないプリント
の二つのプリントモードを持ち合わせる場合、プリント
性向上液を用いない場合の従来の吐出量設計を行うとプ
リント性向上液を用いたプリントではスジの目立つ画像
となってしまう。
【0020】2)従来Bkなどの単色プリントの場合、
高速プリントを目的とした往復プリントを行っていた
が、単純にプリント性向上液ヘッドとプリント液ヘッド
を横並びにしたようなプリントでは往方向と復方向でプ
リント性向上液とプリントインクの、被プリント材への
打ち込み順序が異なるため、従来では発生しなかったよ
うなヘッド幅のバンドムラ(色ムラ、濃度ムラ、スジム
ラ)が発生してしまう。
【0021】3)図2(a)、図2(b)および図2
(c)は理想的なヘッドの場合で、1はヘッド、2は吐
出ノズル、3は吐出されたインク滴を示している。図2
(a)はヘッドからインク滴が吐出する様子、図2
(b)は被プリント材上に形成されるドットの様子、図
2(c)は紙面内でのインクの打ち込み密度の分布を示
している。同様に図3(a)、図3(b)および図3
(c)では実際のヘッドの場合を示している。実際のヘ
ッドにおいてはノズルを形成する過程において製造ばら
つきに起因するノズル分布(吐出量分布、吐出方向)が
発生するため、被プリント材上でのプリントインク密度
が異なり、画像上では濃度ムラやスジになる。プリント
性向上液の塗布にも同様に被プリント材上でのプリント
性向上液の密度差が発生し、プリントインクとの反応量
がノズル毎に異なり、画像上、濃度ムラや色ムラやスジ
が発生する。
【0022】4)従来のカラー用の各色ヘッドを組み合
わせたヘッドユニットでは、ヘッド間の位置決め方法で
は(ヘッド、本体構成により異なるが)各ヘッド間のレ
ジストレーションを正確に合わせることは製造上のばら
つきなどの理由により困難である。このため画像に影響
を与えない範囲で、ある程度のズレを許容している。プ
リント性向上液およびプリントインクの各ヘッド間のレ
ジストレーションのズレにより、プリントインクとプリ
ント性向上液の打ち込み順序や打ち込み間隔を変えるた
め、画像上濃度ムラや色ムラやスジが発生する。
【0023】5)特開昭58−128862号公報に開
示されている先に描かれたプリント性向上液上にプリン
トインクを重ねて描くプリント方法では、プリントイン
クの発色性の向上があまり見られず、またドット形状も
のフェザリングの改善も見られない。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような事
情に鑑みてなされたもので、プリント性向上液でプリン
トインクに先だって画像を形成するプリント方法や、先
に描かれたプリントインク上にプリント性向上液を重ね
て描くプリント方法や、先に描かれたプリント性向上液
上にプリントインクを重ねて描き、さらにプリント性向
上液を重ねて描くプリント方法など従来開示されている
ような、プリントインクとプリント性向上液の打ち込み
方法では十分改善しきれていない問題点、さらにはプリ
ントインクとプリント性向上液との打ち込み順序の違い
や打ち込み時間差を考慮した印字方法を提供することを
目的とする。
【0025】また、本発明の目的は、プリント濃度が高
く、プリントむらがなく、耐水性に優れたプリント画像
を得ることのできるインクジェットプリント方法を提供
することにある。
【0026】さらに、本発明の他の目的は、電源容量を
増やすことなく、かつ、プリント速度を低下させずに優
れたプリント画像を得ることのできるインクジェットプ
リント装置を提供することにある。
【0027】本発明の目的は、同一のプリント範囲に対
して複数回のプリントを行うインクジェットプリント方
式において、プリント性を向上させるために被プリント
材に付与するプリント性向上液を少なくとも含む液体の
使用量を必要最小限に抑えつつ、高品位な画像を形成す
ることができるインクジェットプリント装置、インクジ
ェットプリント方法、およびこれら装置、方法を用いて
得られたプリント物を提供することにある。
【0028】
【発明の実施の形態】上記課題を解決するための本発明
の実施の形態は、以下のようなものである。
【0029】被プリント材上にインクジェットヘッドか
ら付与された有色インクと、インクジェットプリンタに
おけるプリント性を向上させるため被プリント材に付与
するプリント性向上液との双方を用いてプリントを行う
インクジェットプリント方法において、前記被プリント
材上へ少なくとも1回以上有色インクのプリントを行っ
た後、当該有色インクプリント画像領域上に少なくとも
1回以上プリント性向上液を付与し、かつ当該画像領域
に少なくとも1回以上有色インクのプリントを行うこと
を特徴とするインクジェットプリント方法、上記方法に
おいて、前記被プリント材上へ少なくとも1回以上有色
インクのプリントを行った後、当該有色インクプリント
画素上またはプリント画素と少なくとも一部が接触する
位置にプリント性向上液を付与し、かつ当該プリント性
向上液付与位置上または当該プリント性向上液付与位置
と少なくとも一部が接触する画素に有色インクプリント
画素に少なくとも1回以上有色インクのプリントを行う
ことを特徴とするインクジェットプリント方法、上記方
法において、前記プリント性向上液塗布前に記録に供さ
れる前記有色インクと、当該プリント性向上液塗布後に
記録に供される前記有色インクとを同色とすることを特
徴とするインクジェットプリント方法、上記方法におい
て、前記プリント性向上液塗布前に記録に供される前記
有色インクと、当該プリント性向上液塗布後に記録に供
される前記有色インクとを異なる組成とすることを特徴
とするインクジェットプリント方法、上記方法におい
て、前記プリント性向上液塗布前に記録に供される前記
有色インクと、当該プリント性向上液塗布後に記録に供
される前記有色インクとを異なる色とすることを特徴と
するインクジェットプリント方法、上記方法において、
前記プリント性向上液塗布前に複数回の記録に供される
前記有色インクが、少なくとも2種以上の異なる組成の
有色インクであることを特徴とするインクジェットプリ
ント方法、上記方法において、前記プリント性向上液塗
布前に複数回の記録に供される前記有色インクが、少な
くとも2色以上の異なる有色インクであることを特徴と
するインクジェットプリント方法、上記方法において、
前記プリント性向上液塗布後に複数回の記録に供される
前記有色インクが、少なくとも2種以上の異なる組成の
有色インクであることを特徴とするインクジェットプリ
ント方法、上記方法において、前記プリント性向上液塗
布後に複数回の記録に供される前記有色インクが、少な
くとも2色以上の異なる有色インクであることを特徴と
するインクジェットプリント方法、上記方法において、
前記有色インクと前記プリント性向上液との記録媒体へ
の全打ち込み量の比が、 (有色インク):(プリント性向上液)=1.0:0.1〜1.0 であることを特徴とするインクジェットプリント方法、
上記方法において、前記プリント性向上液は、低分子成
分と高分子成分のカチオン性物質を含み、前記インクは
アニオン性染料を含むことを特徴とするインクジェット
プリント方法、上記方法において、前記プリント性向上
液は、低分子成分と高分子成分のカチオン性物質を含
み、前記インクはアニオン性染料が含有されているかま
たは少なくともアニオン性化合物と顔料とが含有されて
いることを特徴とするインクジェットプリント方法、被
プリント材上にインクジェットヘッドから付与された有
色インクと、インクジェットプリンタにおけるプリント
性を向上させるため被プリント材に付与するプリント性
向上液との双方を用いてプリントを行うインクジェット
プリント方法において、前記被プリント材上へ少なくと
も1回以上のプリント性向上液の付与を行った後、当該
プリント向上液付与画像領域上に少なくとも1回以上有
色インクのプリントを行い、かつその後当該画像領域に
少なくとも1回以上プリント性向上液を付与することを
特徴とするインクジェットプリント方法、上記方法にお
いて、前記被プリント材上へ少なくとも1回以上のプリ
ント性向上液の付与を行った後、当該プリント向上液付
与位置もしくは当該プリント向上液付与位置と少なくと
も一部が接触する画素に少なくとも1回以上有色インク
のプリントを行った後、かつ当該有色インクプリント画
素もしくは当該有色インクプリント画素と少なくとも一
部が接触する位置に少なくとも1回以上プリント性向上
液を付与することを特徴とするインクジェットプリント
方法、上記方法において、前記プリント性向上液塗布後
に複数回記録する前記有色インクが、すべて同色の有色
インクであることを特徴とするインクジェットプリント
方法、上記方法において、前記プリント性向上液塗布後
に複数回記録する前記有色インクが、少なくとも2種以
上の異なる組成の有色インクであることを特徴とするイ
ンクジェットプリント方法、上記方法において、前記プ
リント性向上液塗布後に複数回記録する前記有色インク
が、少なくとも2色以上の異なる有色インクであること
を特徴とするインクジェットプリント方法、上記方法に
おいて、前記有色インクと前記プリント性向上液との記
録媒体への全打ち込み量の比が、 (有色インク):(プリント性向上液)=1.0:0.1〜1.0 であることを特徴とするインクジェットプリント方法、
上記方法において、前記プリント性向上液は、低分子成
分と高分子成分のカチオン性物質を含み、前記インクは
アニオン性染料を含むことを特徴とするインクジェット
プリント方法、上記方法において、前記プリント性向上
液は、低分子成分と高分子成分のカチオン性物質を含
み、前記インクはアニオン性染料が含有されているかま
たは少なくともアニオン性化合物と顔料とが含有されて
いることを特徴とするインクジェットプリント方法、被
プリント材上にインクジェットヘッドから付与された有
色インクと、インクジェットプリンタにおけるプリント
性を向上させるため被プリント材に付与するプリント性
向上液との双方を用いてプリントを行うインクジェット
プリント方法において、前記被プリント材上へ少なくと
も1回以上プリント性向上液の付与を行った後、当該プ
リント性向上液付与画像領域に少なくとも1回以上有色
インクのプリントを行った後、当該画像領域上に少なく
とも1回以上プリント性向上液を付与し、かつ当該画像
領域に少なくとも1回以上有色インクによってプリント
し、これを少なくとも1回以上繰り返してプリントする
ことを特徴とするインクジェットプリント方法、上記方
法において、前記被プリント材上へ少なくとも1回以上
プリント性向上液の付与を行った後、当該プリント性向
上液付与位置上または当該プリント性向上液付与位置と
少なくとも一部が接触する画素に少なくとも1回以上前
記有色インクによってプリントし、さらに当該有色イン
クプリント画素上またはプリント画素と少なくとも一部
が接触する位置にプリント性向上液を付与し、さらに当
該プリント性向上液付与位置上または当該画素に有色イ
ンクプリント画素に少なくとも1回以上有色インクによ
ってプリントし、これを少なくとも1回以上繰り返して
プリントすることを特徴とするインクジェットプリント
方法、上記方法において、プリントされる前記複数の有
色インクが、全て同色の有色インクであることを特徴と
するインクジェットプリント方法、上記方法において、
プリントされる前記複数の有色インクが、各々もしくは
少なくとも1種以上が異なる組成の有色インクであるこ
とを特徴とするインクジェットプリント方法、上記方法
において、プリントされる前記複数の有色インクが、各
々もしくは少なくとも1種以上が異なる色の有色インク
であることを特徴とするインクジェットプリント方法、
上記方法において、前記有色インクと前記プリント性向
上液との記録媒体への全打ち込み量の比が、 (有色インク):(プリント性向上液)=1.0:0.1〜1.0 であることを特徴とするインクジェットプリント方法、
上記方法において、前記プリント性向上液は、低分子成
分と高分子成分のカチオン性物質を含み、前記インクは
アニオン性染料を含むことを特徴とするインクジェット
プリント方法、上記方法において、前記プリント性向上
液は、低分子と高分子成分のカチオン性物質を含み、前
記インクはアニオン性染料が含有されているかまたは少
なくともアニオン性化合物と顔料とが含有されているこ
とを特徴とするインクジェットプリント方法、被プリン
ト材上にインクジェットヘッドから付与された有色イン
クと、インクジェットプリンタにおけるプリント性を向
上させるため被プリント材に付与するプリント性向上液
との双方を用いてプリントを行うインクジェットプリン
ト方法において、前記被プリント材上に、 少なくとも1回以上有色インクのみによりプリント
した画素、 少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行っ
た後、当該プリント性向上液と少なくとも一部が接触す
る画素に少なくとも1回以上有色インクのプリントした
画素、 少なくとも1回以上有色インクのプリント後に、当
該有色インクプリント画素に少なくとも一部が接触する
ようにプリント性向上液を付与した画素、 少なくとも1回以上有色インクによるプリントした
後に、当該有色インクプリント画素に少なくとも一部が
接触するようにプリント性向上液を付与し、かつその後
にさらに少なくとも1回以上有色インクをプリントした
画素、 少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行っ
た後、当該プリント性向上液と少なくとも一部が接触す
る画素に少なくとも1回以上有色インクのプリントし、
かつその後少なくとも当該有色インクプリント画素に少
なくとも1部接触する位置に1回以上プリント性向上液
を付与した画素、 少なくとも1回以上有色インクによるプリントした
後に、当該有色インクプリント画素に少なくとも一部が
接触するようにプリント性向上液を付与し、かつその後
にさらに少なくとも1回以上有色インクをプリントし、
かつその後当該画素に少なくとも一部が接触するように
プリント性向上液を付与した画素、および 少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行っ
た後、当該プリント性向上液と少なくとも一部が接触す
る画素に少なくとも1回以上有色インクのプリントし、
かつその後少なくとも当該有色インクプリント画素に少
なくとも1部接触する位置に1回以上プリント性向上液
を付与し、かつその後当該有色インクプリント画素にさ
らに少なくとも1回以上有色インクをプリントした画
素、からなる群から選択される少なくとも異なる2種以
上の画素を混在させて画像を形成することを特徴とする
インクジェットプリント方法、上記方法において、前記
異なる2種以上の画素を混在させて画像を形成する際
に、同種の画素同士がプリントヘッド主走査方向と副走
査方向の双方に対し、420μm以上連続しないように
することを特徴とするインクジェットプリント方法、上
記方法において、前記有色インクと前記プリント性向上
液との記録媒体への全打ち込み量の比が、 (有色インク):(プリント性向上液)=1.0:0.1〜1.0 であることを特徴とするインクジェットプリント方法、
上記方法において、前記プリント性向上液は、低分子成
分と高分子成分のカチオン性物質を含み、前記インクは
アニオン性染料を含むことを特徴とするインクジェット
プリント方法、上記方法において、前記プリント性向上
液は、低分子成分と高分子成分のカチオン性物質を含
み、前記インクはアニオン性染料が含有されているかま
たは少なくともアニオン性化合物と顔料とが含有されて
いることを特徴とするインクジェットプリント方法、被
プリント材上にインクジェットヘッドから付与された有
色インクと、インクジェットプリンタにおけるプリント
性を向上させるため被プリント材に付与するプリント性
向上液との双方を用いてプリントを行うインクジェット
プリント方法において、前記被プリント材上へ少なくと
も1回以上プリント性向上液の付与を行った後、当該プ
リント性向上液付与位置上、または当該プリント性向上
液付与位置上と少なくとも一部が接触する画素に1回以
上有色インクをプリントするまでの時間間隔が第1の特
定時間以内の画素Aと、該時間間隔が第2の特定時間間
隔以上の画素Bとを混在させて画像を形成することを特
徴とするインクジェットプリント方法、上記方法におい
て、前記異なる時間間隔の画素Aと画素Bを混在させて
画像を形成する際に、同様な画素(被プリント材に対し
プリントインクとプリント性向上液とがプリントされる
順序が同じ画素、および/または被プリント材に対しプ
リント性向上液が着弾してからプリントインクが着弾さ
れるまでの時間Tが同じ画素をいう)同士がプリントヘ
ッド主走査方向と副走査方向の双方に対し、420μm
以上連続しないようにすることを特徴とするインクジェ
ットプリント方法、上記方法において、前記プリント性
向上液滴が前記被プリント材上に着弾したときから前記
有色インクが前記被プリント材上に着弾するときまでの
時間間隔が最小値である時間差を前記第1の特定時間と
してプリントを行い、かつ前記第2の特定時間を当該第
1の特定時間より長くすることを特徴とするインクジェ
ットプリント方法、上記方法において、前記第1の特定
時間間隔で着弾されて前記第1の画素Aを形成する前記
プリント性向上液滴と前記有色インク滴とはプリントヘ
ッド同一走査内にプリントされる液滴であり、かつ前記
第2の特定時間以上の時間間隔で着弾されて前記画素B
を形成する前記プリント性向上液と前記有色インク滴と
が異なるプリントヘッド走査でプリントされる液滴であ
ることを特徴とするインクジェットプリント方法、上記
方法において、前記有色インクと前記プリント性向上液
との記録媒体への全打ち込み量の比が、 (有色インク):(プリント性向上液)=1.0:0.1〜1.0 であることを特徴とするインクジェットプリント方法、
上記方法において、前記プリント性向上液は、低分子成
分と高分子成分のカチオン性物質を含み、前記インクは
アニオン性染料を含むことを特徴とするインクジェット
プリント方法、上記方法において、前記プリント性向上
液は、低分子成分と高分子成分のカチオン性物質を含
み、前記インクはアニオン性染料が含有されているかま
たは少なくともアニオン性化合物と顔料とが含有されて
いることを特徴とするインクジェットプリント方法、被
プリント材上にインクを吐出するためのインク吐出部
と、インクジェットプリンタにおけるプリント性を向上
させるため被プリント材に付与するプリント性向上液を
少なくとも含む液体を吐出するための液吐出部とを有す
るインクジェットヘッドを具備するインクジェットプリ
ント装置において、前記被プリント材上へ少なくとも1
回以上有色インクのプリントを行った後、前記液吐出部
は、当該有色インクプリント画像領域上に少なくとも1
回以上プリント性向上液を付与し、かつ前記インク吐出
部は、当該画像領域に少なくとも1回以上有色インクを
吐出することを特徴とするインクジェットプリント装
置、上記装置において、前記被プリント材上へ少なくと
も1回以上有色インクのプリントを行った後、前記液吐
出部は、当該有色インクプリント画素上またはプリント
画素と少なくとも一部が接触する位置にプリント性向上
液を付与し、かつ前記インク吐出部は、当該プリント性
向上液付与位置上または当該プリント性向上液付与位置
と少なくとも一部が接触する画素に有色インクプリント
画素に少なくとも1回以上有色インクを吐出することを
特徴とするインクジェットプリント装置、上記装置にお
いて、前記インクジェットヘッドは、前記インクあるい
はプリント性向上液に膜沸騰を生じさせる熱エネルギを
発生するエネルギ発生素子として電気熱変換体を有する
ことを特徴とするインクジェットプリント装置、被プリ
ント材上にインクを吐出するためのインク吐出部と、イ
ンクジェットプリンタにおけるプリント性を向上させる
ため被プリント材に付与するプリント性向上液を少なく
とも含む液体を吐出するための液吐出部とを有するイン
クジェットヘッドを具備するインクジェットプリント装
置において、前記液吐出部は、前記被プリント材上へ少
なくとも1回以上のプリント性向上液の付与を行った
後、前記インク吐出部は、当該プリント向上液付与画像
領域上に少なくとも1回以上有色インクのプリントを行
った後、かつ前記液吐出部は、当該画像領域に少なくと
も1回以上プリント性向上液を付与することを特徴とす
るインクジェットプリント装置、上記装置において、前
記液吐出部は、前記被プリント材上へ少なくとも1回以
上のプリント性向上液の付与を行った後、前記インク吐
出部は、当該プリント向上液付与位置もしくは当該プリ
ント向上液付与位置と少なくとも一部が接触する画素に
少なくとも1回以上有色インクのプリントを行った後、
かつ前記液吐出部は、当該有色インクプリント画素もし
くは当該有色インクプリント画素と少なくとも一部が接
触する位置に少なくとも1回以上プリント性向上液を付
与することを特徴とするインクジェットプリント装置、
上記装置において、前記インクジェットヘッドは、前記
インクあるいはプリント性向上液に膜沸騰を生じさせる
熱エネルギを発生するエネルギ発生素子として電気熱変
換体を有することを特徴とするインクジェットプリント
装置、被プリント材上にインクを吐出するためのインク
吐出部と、インクジェットプリンタにおけるプリント性
を向上させるため被プリント材に付与するプリント性向
上液を少なくとも含む液体を吐出するための液吐出部と
を有するインクジェットヘッドを具備するインクジェッ
トプリント装置において、前記インク吐出部は、前記被
プリント材上へ少なくとも1回以上プリント性向上液の
付与を行った後、当該プリント性向上液付与画像領域に
少なくとも1回以上有色インクのプリントを行った後、
前記液吐出部は、当該画像領域上に少なくとも1回以上
プリント性向上液を付与し、かつ前記インク吐出部は、
当該画像領域に少なくとも1回以上有色インクによって
プリントし、これを少なくとも1回以上繰り返して画像
を形成することを特徴とするインクジェットプリント装
置、上記装置において、前記被プリント材上へ少なくと
も1回以上プリント性向上液の付与を行った後、当該プ
リント性向上液付与位置上または当該プリント性向上液
付与位置と少なくとも一部が接触する画素に少なくとも
1回以上前記有色インクによってプリントし、さらに当
該有色インクプリント画素上またはプリント画素と少な
くとも一部が接触する位置にプリント性向上液を付与
し、さらに当該プリント性向上液付与位置上または当該
画素に有色インクプリント画素に少なくとも1回以上有
色インクによってプリントし、これを少なくとも1回以
上繰り返して画像を形成することを特徴とするインクジ
ェットプリント装置、上記装置において、前記インクジ
ェットヘッドは、前記インクあるいはプリント性向上液
に膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生するエネルギ発
生素子として電気熱変換体を有することを特徴とするイ
ンクジェットプリント装置、被プリント材上にインクを
吐出するためのインク吐出部と、インクジェットプリン
タにおけるプリント性を向上させるため被プリント材に
付与するプリント性向上液を少なくとも含む液体を吐出
するための液吐出部とを有するインクジェットヘッドを
具備するインクジェットプリント装置において、 少なくとも1回以上有色インクのみによりプリント
した画素、 少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行っ
た後、当該プリント性向上液と少なくとも一部が接触す
る画素に少なくとも1回以上有色インクのプリントした
画素、 少なくとも1回以上有色インクのプリント後に、当
該有色インクプリント画素に少なくとも一部が接触する
ようにプリント性向上液を付与した画素、 少なくとも1回以上有色インクによるプリントした
後に、当該有色インクプリント画素に少なくとも一部が
接触するようにプリント性向上液を付与し、かつその後
にさらに少なくとも1回以上有色インクをプリントした
画素、 少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行っ
た後、当該プリント性向上液と少なくとも一部が接触す
る画素に少なくとも1回以上有色インクのプリントし、
かつその後少なくとも当該有色インクプリント画素に少
なくとも1部接触する位置に1回以上プリント性向上液
を付与した画素、 少なくとも1回以上有色インクによるプリントした
後に、当該有色インクプリント画素に少なくとも一部が
接触するようにプリント性向上液を付与し、かつその後
にさらに少なくとも1回以上有色インクをプリントし、
かつその後当該画素に少なくとも一部が接触するように
プリント性向上液を付与した画素、および 少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行っ
た後、当該プリント性向上液と少なくとも一部が接触す
る画素に少なくとも1回以上有色ンクのプリントし、か
つその後少なくとも当該有色インクプリント画素に少な
くとも1部接触する位置に1回以上プリント性向上液を
付与し、かつその後当該有色インクプリント画素にさら
に少なくとも1回以上有色インクをプリントした画素、
からなる群から選択される少なくとも異なる2種以上の
画素を混在させて画像を形成することを特徴とするイン
クジェットプリント装置、上記装置において、前記イン
クジェットヘッドは、前記インクあるいは前記プリント
性向上液に膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生するエ
ネルギ発生素子として電気熱変換体を有することを特徴
とするインクジェットプリント装置、被プリント材上に
インクを吐出するためのインク吐出部と、インクジェッ
トプリンタにおけるプリント性を向上させるため被プリ
ント材に付与するプリント性向上液を少なくとも含む液
体を吐出するための液吐出ヘッド部とを有するインクジ
ェットヘッドを具備するインクジェットプリント装置に
おいて、前記被プリント材上へ少なくとも1回以上プリ
ント性向上液の付与を行った後、当該プリント性向上液
付与位置上、または当該プリント性向上液付与位置上と
少なくとも一部が接触する画素に1回以上有色インクを
プリントするまでの時間間隔が第1の特定時間以内の画
素Aと、該時間間隔が第2の特定時間間隔以上の画素B
とを混在させて画像を形成することを特徴とするインク
ジェットプリント装置、上記装置において、前記インク
ジェットヘッドは、前記インクあるいは前記プリント性
向上液に膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生するエネ
ルギ発生素子として電気熱変換体を有することを特徴と
するインクジェットプリント装置、被プリント材上にイ
ンクジェットヘッドから付与された有色インクと、イン
クジェットプリンタにおけるプリント性を向上させるた
め被プリント材に付与するプリント性向上液との双方を
用いてプリントを行うインクジェットプリント方法によ
り形成されたインクジェットプリント物であって、前記
被プリント材上へ少なくとも1回以上有色インクのプリ
ントを行った後、当該有色インクプリント画像領域上に
少なくとも1回以上プリント性向上液を付与し、かつ当
該画像領域に少なくとも1回以上有色インクによって画
像が形成されたことを特徴とするインクジェットプリン
ト物、上記プリント物において、前記被プリント材上へ
少なくとも1回以上有色インクのプリントを行った後、
当該有色インクプリント画素上またはプリント画素と少
なくとも一部が接触する位置にプリント性向上液を付与
し、かつ当該プリント性向上液付与位置上または当該プ
リント性向上液付与位置と少なくとも一部が接触する画
素に有色インクプリント画素に少なくとも1回以上有色
インクの付与によって画像が形成されたことを特徴とす
るインクジェットプリント物、被プリント材上にインク
ジェットヘッドから付与された有色インクと、インクジ
ェットプリンタにおけるプリント性を向上させるため被
プリント材に付与するプリント性向上液との双方を用い
てプリントを行うインクジェットプリント方法により形
成されたインクジェットプリント物であって、前記被プ
リント材上へ少なくとも1回以上のプリント性向上液の
付与を行った後、当該プリント性向上液付与画像領域上
に少なくとも1回以上有色インクのプリントを行った
後、かつ当該画像領域に少なくとも1回以上プリント性
向上液の付与によって画像が形成されたことを特徴とす
るインクジェットプリント物、上記プリント物におい
て、前記被プリント材上へ少なくとも1回以上のプリン
ト性向上液の付与を行った後、当該プリント向上液付与
位置もしくは当該プリント向上液付与位置と少なくとも
一部が接触する画素に少なくとも1回以上有色インクの
プリントを行った後、かつ当該有色インクプリント画素
もしくは当該有色インクプリント画素と少なくとも一部
が接触する位置に少なくとも1回以上プリント性向上液
の付与によって画像が形成されたことを特徴とするイン
クジェットプリント物、被プリント材上にインクジェッ
トヘッドから付与された有色インクと、インクジェット
プリンタにおけるプリント性を向上させるため被プリン
ト材に付与するプリント性向上液との双方を用いてプリ
ントを行うインクジェットプリント方法により形成され
たインクジェットプリント物であって、前記被プリント
材上へ少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行
った後、当該プリント性向上液付与画像領域に少なくと
も1回以上有色インクのプリントを行った後、当該画像
領域上に少なくとも1回以上プリント性向上液を付与
し、かつ当該画像領域に少なくとも1回以上有色インク
によってプリントし、これを少なくとも1回以上繰り返
して画像が形成されたことを特徴とするインクジェット
プリント物、上記プリント物において、前記被プリント
材上へ少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行
った後、当該プリント性向上液付与位置上または当該プ
リント性向上液付与位置と少なくとも一部が接触する画
素に少なくとも1回以上前記有色インクによってプリン
トし、さらに当該有色インクプリント画素上またはプリ
ント画素と少なくとも一部が接触する位置にプリント性
向上液を付与し、さらに当該プリント性向上液付与位置
上または当該画素に有色インクプリント画素に少なくと
も1回以上有色インクによってプリントし、これを少な
くとも1回以上繰り返して画像が形成されたことを特徴
とするインクジェットプリント物、被プリント材上にイ
ンクジェットヘッドから付与された有色インクと、イン
クジェットプリンタにおけるプリント性を向上させるた
め被プリント材に付与するプリント性向上液との双方を
用いてプリントを行うインクジェットプリント方法によ
り形成されたインクジェットプリント物であって、 少なくとも1回以上有色インクのみによりプリント
した画素、 少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行っ
た後、当該プリント性向上液と少なくとも一部が接触す
る画素に少なくとも1回以上有色インクのプリントした
画素、 少なくとも1回以上有色インクのプリント後に、当
該有色インクプリント画素に少なくとも一部が接触する
ようにプリント性向上液を付与した画素、 少なくとも1回以上有色インクによるプリントした
後に、当該有色インクプリント画素にさらに少なくとも
1回以上有色インクをプリントした画素、 少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行っ
た後、当該プリント性向上液と少なくとも一部が接触す
る画素に少なくとも1回以上有色インクのプリントし、
かつその後少なくとも当該有色インクプリント画素に少
なくとも1部接触する位置に1回以上プリント性向上液
を付与した画素、 少なくとも1回以上有色インクによるプリントした
後に、当該有色インクプリント画素に少なくとも一部が
接触するようにプリント性向上液を付与し、かつその後
にさらに少なくとも1回以上有色インクをプリントし、
かつその後当該画素に少なくとも一部が接触するように
プリント性向上液を付与した画素、および 少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行っ
た後、当該プリント性向上液と少なくとも一部が接触す
る画素に少なくとも1回以上有色インクのプリントし、
かつその後少なくとも当該有色インクプリント画素に少
なくとも1部接触する位置に1回以上プリント性向上液
を付与し、かつその後当該有色インクプリント画素にさ
らに少なくとも1回以上有色インクをプリントした画
素、からなる群から選択される少なくとも異なる2種以
上の画素を混在させて画像が形成されたことを特徴とす
るインクジェットプリント物、被プリント材上にインク
ジェットヘッドから付与された有色インクと、インクジ
ェットプリンタにおけるプリント性を向上させるため被
プリント材に付与するプリント性向上液との双方を用い
てプリントを行うインクジェットプリント方法により形
成されたインクジェットプリント物であって、前記被プ
リント材上へ少なくとも1回以上プリント性向上液の付
与を行った後、当該プリント性向上液付与位置上、また
は当該プリント性向上液付与位置上と少なくとも一部が
接触する画素に1回以上有色インクをプリントするまで
の時間間隔が第1の特定時間以内の画素Aと、該時間間
隔が第2の特定時間間隔以上の画素Bとを混在させて画
像が形成されたことを特徴とするインクジェットプリン
ト物、単独または複数のインクによって形成されるイン
ク領域に対して、インク成分と反応する成分を有する液
体を用いて画像を形成する画像形成において、画像を形
成する画像単位が、最終表面となるインク領域の下に上
記液体を、さらに該液体の下にインク領域を有している
ことを特徴とする画像形成方法、上記画像形成方法にお
いて、上記液体の下のインク領域の下に上記液体が与え
られていることを特徴とする画像形成方法、単独または
複数のインクによって形成されるインク領域に対して、
インク成分と反応する成分を有する液体を用いて画像を
形成する画像形成方法において、上記液体のみの存在部
位と上記インク領域のみの存在領域と上記液体を最終表
面とし下方に向かってインク領域、上記液体を有する第
1積層部位と、上記インク領域を最終表面とし下方に向
かって上記液体、上記インク領域を有する第2積層部位
と、の何れか2つの部位が実質的隣接状態にある画像を
形成することを特徴とする画像形成方法、単独または複
数のインクによって形成されるインク領域に対して、イ
ンク成分と反応する成分を有する液体を用いて画像を形
成する画像形成方法において、画像が形成する媒体に対
して、上記液体が媒体に着弾する着弾時と、上記インク
領域を形成するインクが媒体に着弾する着弾時と、の相
対的時間差を実質的な画像を構成する画素単位で異なら
せ、この画素単位を実質的な隣接状態とする画像を形成
することを特徴とする画像形成方法、インクを被プリン
ト材に吐出するインクジェット吐出部および該インクジ
ェット吐出部によるプリントにおけるプリント性を向上
させるために前記被プリント材に付与されるプリント性
向上液を吐出するプリント性向上液吐出部を用い、前記
吐出部を所定方向に往復移動させる主走査および前記被
プリント材を該主走査方向と直角な方向に移動させる副
走査を行いながら、前記被プリント材上にインクおよび
プリント性向上液を吐出してプリントを行うインクジェ
ットプリント方法であって、前記インクジェット吐出部
によるインク吐出を前記主走査の両方向で行い、かつ、
前記プリント性向上液吐出部によるプリント性向上液の
吐出を前記主走査の片方向で行うことを特徴とするイン
クジェットプリント方法、上記方法において、前記プリ
ント性向上液が吐出されるべき画素についてはインク吐
出に先行して前記プリント性向上液を吐出することを特
徴とするインクジェットプリント方法、上記方法におい
て、前記インクジェット吐出部のプリントパターンを互
いに補完の関係にある複数の間引き配列パターンに従っ
て間引き、この間引かれたパターンのプリントをそれぞ
れ主走査の往動時および復動時に振り分けて行い、前記
プリント性向上液吐出部のプリントパターンのプリント
を常に前記主走査の往動時にのみ行うことを特徴とする
インクジェットプリント方法、上記方法において、前記
プリント性向上液のプリントパターンを間引くことを特
徴とするインクジェットプリント方法、上記方法におい
て、前記主走査の往動時のプリント領域と復動時のプリ
ント領域とを部分的に重ねることを特徴とするインクジ
ェットプリント方法、上記方法において、前記被プリン
ト材の副走査を所定の周期で通常の副走査方向とは逆の
方向に行うことを特徴とするインクジェットプリント方
法、上記方法において、前記プリント性向上液は低分子
のカチオン性物質と高分子のカチオン性物質を含み、前
記インクはアニオン性染料を含むことを特徴とするイン
クジェットプリント方法、上記方法において、前記プリ
ント性向上液は低分子のカチオン性物質と高分子のカチ
オン性物質を含み、前記インクは少なくともアニオン性
化合物と顔料とを含むことを特徴とするインクジェット
プリント方法、上記方法を実施するためのインクジェッ
トプリント装置であって、熱エネルギーを利用してイン
クを被プリント材上に吐出するインクジェットヘッドお
よび熱エネルギーを利用してプリント性向上液を被プリ
ント材上に吐出するプリント性向上液吐出部を含み、該
ヘッドはインクに与える熱エネルギーを発生するための
熱エネルギー変換体を備えることを特徴とするインクジ
ェットプリント装置、上記装置において、前記吐出部は
前記被プリント材上を往復移動可能であるインクジェッ
トプリント装置、上記装置において、前記インクジェッ
トヘッドおよび前記プリント性向上液吐出部は、往復移
動方向に配列されていることを特徴とするインクジェッ
トプリント装置、上記装置において、前記吐出部は、往
復移動方向にほぼ直交する方向に配列されたインク吐出
口の列を有するものであることを特徴とするインクジェ
ットプリント装置、上記方法を実施することにより得ら
れたプリント物、上記装置を用いて得られたプリント
物、インクを吐出するためのインク吐出部と、インクジ
ェットプリントにおけるプリント性を向上させるために
被プリント材に付与するプリント性向上液を少なくとも
含む液体を吐出するための液吐出部とを用い、前記イン
ク吐出部および前記液吐出部と前記被プリント材とを相
対移動させることによって前記被プリント材の同一範囲
に前記インクおよび前記液体を吐出するインクジェット
プリント装置において、記録データに対応して前記イン
ク吐出部から前記インクを吐出させるためのインク吐出
データを、前記相対移動の回数に対応するように分けて
設定するインク吐出データ設定手段と、記録データに対
応して前記液吐出部から前記液体を吐出させるための液
吐出データを、前記インク吐出データ設定手段によるイ
ンク吐出データの設定形態とは異なる設定形態にしたが
って、前記相対移動の回数に対応するように分けて設定
する液吐出データ設定手段と、前記相対移動の回数に対
応するように分けて設定されたインク吐出データおよび
液吐出データに基づいて、前記インク吐出部および前記
液吐出部から前記インクおよび前記液体を吐出させる吐
出制御手段とを備えたことを特徴とするインクジェット
プリント装置、上記装置において、前記液吐出データ設
定手段は、前記相対移動の回数分の液吐出データにおい
て各プリント画素についての論理積が零となるように液
吐出データを設定することを特徴とするインクジェット
プリント装置、上記装置において、前記液吐出データ設
定手段は、所定の単位プリント画素数に対して、前記液
体が吐出されるプリント画素の数の割合が100%より
も小さくなるように前記液吐出データを設定することを
特徴とするインクジェットプリント装置、上記装置にお
いて、前記インク吐出部は複数種のインクを吐出するも
のであることを特徴とするインクジェットプリント装
置、上記装置において、前記液吐出データ設定手段は、
前記相対移動の回数分の液吐出データにおいて、前記イ
ンクの種類別に各プリント画素についての論理積が零と
なるように液吐出データを設定することを特徴とするイ
ンクジェットプリント装置、上記装置において、前記液
吐出データ設定手段は、前記相対移動の回数毎の液吐出
データにおいて、前記インクの種類別に各プリント画素
についての論理積が零となるように液吐出データを設定
することを特徴とするインクジェットプリント装置、上
記装置において、前記インク吐出部は4種類のインクを
吐出するものであり、前記液吐出データ設定手段は、前
記インクの種類毎における所定の単位プリント画素数に
対して、前記液体が吐出される画素の数の割合を一定と
するように前記液吐出データを設定することを特徴とす
るインクジェットプリント装置、上記装置において、前
記液吐出データ設定手段は、前記インクの種類毎におけ
る所定の単位プリント画素数に対して、前記液体が吐出
される画素の数の割合を25%以下とするように前記液
吐出データを設定することを特徴とするインクジェット
プリント装置、上記装置において、前記液吐出データ設
定手段は、前記インクの種類毎における所定の単位プリ
ント画素数に対して、前記液体が吐出される画素の数の
割合を25%とするように前記液吐出データを設定する
ことを特徴とするインクジェットプリント装置、上記装
置において、前記インク吐出部は、レッド、グリーン、
ブルーの2次色のプリント画素を形成する少なくともイ
エロー、マゼンタ、シアンのインクを吐出するものであ
り、前記液吐出データ設定手段は、前記イエロー、マゼ
ンタ、シアンのインクの種類毎における所定の単位プリ
ント画素数に対して、前記液体が吐出される画素の数の
割合を一定とするように前記液吐出データを設定するこ
とを特徴とするインクジェットプリント装置、上記装置
において、前記液吐出データ設定手段は、前記イエロ
ー、マゼンタ、シアンのインクの種類毎における所定の
単位プリント画素数に対して、前記液体が吐出される画
素の数の割合を25%以下とするように前記液吐出デー
タを設定することを特徴とするインクジェットプリント
装置、上記装置において、前記液吐出データ設定手段
は、前記イエロー、マゼンタ、シアンのインクの種類毎
における所定の単位プリント画素数に対して、前記液体
が吐出される画素の数の割合を25%とするように前記
液吐出データを設定することを特徴とする請求項89に
記載のインクジェットプリント装置、上記装置におい
て、前記プリント性向上液は、低分子成分と高分子成分
のカチオン性物質を含み、前記インクはアニオン性染料
を含むことを特徴とするインクジェットプリント装置、
上記装置において、前記プリント性向上液は、低分子成
分と高分子成分のカチオン性物質を含み、前記インクは
アニオン性化合物と顔料とが含有されていることを特徴
とするインクジェットプリント装置、上記装置におい
て、前記インク吐出部および前記液吐出部は、熱エネル
ギーを利用して前記インクおよび前記液体を吐出し、前
記インクおよび前記液体に与える熱エネルギーを発生す
るための熱エネルギー変換体を備えることを特徴とする
インクジェットプリント装置、インクを吐出するための
インク吐出部と、インクジェットプリントにおけるプリ
ント性を向上させるために被プリント材に付与するプリ
ント性向上液を少なくとも含む液体を吐出するための液
吐出部とを用い、前記インク吐出部および前記液吐出部
と前記被プリント材とを相対移動させることによって前
記被プリント材の同一範囲に前記インクおよび前記液体
を吐出するインクジェットプリント方法において、記録
データに対応して前記インク吐出部から前記インクを吐
出させるためのインク吐出データは、前記相対移動の回
数に対応するように分けて設定し、記録データに対応し
て前記液吐出部から前記液体を吐出させるための液吐出
データは、前記インク吐出データ設定手段によるインク
吐出データの設定形態とは異なる設定形態にしたがっ
て、前記相対移動の回数に対応するように分けて設定
し、前記相対移動の回数に対応するように分けて設定さ
れたインク吐出データおよび液吐出データに基づいて、
前記インク吐出部および前記液吐出部から前記インクお
よび前記液体を吐出させることを特徴とするインクジェ
ットプリント方法、インクと、プリント性を向上させる
ために被プリント材に付与するプリント性向上液を少な
くとも含む液体とを、前記被プリント材の同一範囲に対
して、複数回ずつ付与することにより得られるプリント
物において、前記複数回の付与分の前記液体による各プ
リント画素毎の論理積が零となるように、前記液体が付
与されていることを特徴とするプリント物、である。
【0030】本発明でプリント性の向上とは、濃度、彩
度、エッジ部分のシャープネス度合、ドット径等の画質
を向上させること、インクの定着性を向上させること、
耐水性、耐光性等の耐候性すなわち画像保存性を向上さ
せること、を含む。
【0031】なお、プリント性向上液は、必ずインクと
は別に吐出する必要はなく、複数色のインクの内プリン
ト性向上液とは相互に影響し合わないインクと混合した
状態で吐出してもよい。
【0032】また、本発明で実質的隣接とは、画素をイ
ンクで打ったときは離れていても、液体の浸透で少なく
とも一部が媒体中で隣接していればよく、かかる場合を
含むものである。
【0033】本発明で、吐出部とは、インクあるいはプ
リント性向上液などの吐出ノズル列をいう。また、ヘッ
ドチップとは、この吐出部を一枚の基板上に吐出ノズル
群を形成したチップをいい、このヘッドチップを複数個
組み合わせることによりヘッドユニットを構成する。
【0034】また、吐出部は、上述したように必ずしも
一つのヘッドチップに形成されている場合に限らず、こ
の他、異なるチップにわたって形成されている場合も含
むものである。
【0035】また、本発明のインクジェットヘッドと
は、いわゆるインクジェットプリント装置内の吐出部の
集合部をいい、装置と一体的であっても、別体であって
もよい。なお、別体の場合には上記ヘッドユニットが包
含され、この場合のヘッドチップの数は特に限定されな
い。
【0036】本発明のシリアルタイプのカラーインクジ
ェットヘッドでは、各色のヘッドの配列方向は該ヘッド
の主走査方向に対して平行な横並びでもよく、また主走
査方向に対して直交な縦並びであってもよい。
【0037】上記プリント方法では、画像均一性と発色
性を両立した画像が提供できる。
【0038】すなわち、被プリント材へ少なくとも1回
以上有色インクのプリントを行ったのち、有色インクプ
リント領域上に少なくとも1回以上プリント性向上液を
付与し、かつプリント性向上液の付与された画像領域に
対しさらに少なくとも1回以上有色インクによってプリ
ントすることにより、被覆率の低いプリント性向上液上
に有色インクを付与した画素のすぐ近くに有色インク上
にプリント性向上液を付与した画素があり、かつ全体と
して被覆率を平均化できるので、画像均一性および発色
性を両立したプリントが達成できる。
【0039】また、少なくとも1回以上プリント性向上
液の塗布し、その後に少なくとも1回以上有色インクに
よるプリントを行ったのち、さらに少なくとも1回以上
プリント性向上液を塗布しかつ、その後少なくとも1回
以上有色インクによるプリントを行うことによっても同
様の効果が得られる。
【0040】プリント性向上液と有色インクの双方を用
いるインクジェットプリントにおいて、プリント性向上
液の後に少なくとも1回以上有色インクが着弾する画素
と、少なくとも1回以上有色インクの後にプリント性向
上液が着弾する画素と、少なくとも1回以上有色インク
が着弾した後に少なくとも1回以上プリント性向上液が
着弾しかつその後さらに少なくとも1回以上有色インク
が着弾する画素と、少なくとも1回以上プリント性向上
液が着弾したのちに、少なくとも1回以上の有色インク
が着弾しかつ少なくとも1回以上プリント性向上液が着
弾する画素の4種の画素のうち、少なくとも2種類以上
の画素を混在させて画像を形成することにより、微視的
には異なった性質の画素を混在させながら巨視的には均
一な画像が形成できる。
【0041】また、被プリント材に対しプリント性向上
液が着弾してからプリントインクが着弾するまでの時間
Tが第1の特定時間以内の画素Aと、同時間Tが第1の
特定時間より第2の特定時間以上の画素Bとを被プリン
ト材上で混在させることにより、微視的には異なった性
質の画素を混在させながら巨視的には均一な画像が形成
できる。
【0042】なお、本発明のプリント方法では、少なく
とも一番最後に着弾されるのが有色インクである画素に
より画像を形成するのが好ましく、かかる画素が画像に
おいて少なくとも優位に存在する必要がある。
【0043】ここで、プリント性向上液とは、インク中
の染料を不溶化する液体、インク中の顔料に分散破壊を
生じせしめる液体、プリント性向上液等を含むものでも
よい。ここで、不溶化とは、インク中の染料に含まれる
アニオン性基とプリント性向上液中に含まれるカチオン
性物質のカチオン性基がイオン的に相互作用を起こして
イオン結合が生じ、インク中に均一に溶解していた染料
が溶液中から分離する現象である。なお、本発明におい
ては必ずしもインク中のすべての染料を不溶化しなくと
も、本発明で述べるようなカラーブリード抑制、発色性
の向上、文字品位の向上、定着性の向上といった効果が
得られる。また、凝集とは、インクに使用している色剤
がアニオン性基を有する水溶性染料の場合には、不溶化
と同一の意味で使用される。また、インクに使用してい
る色剤が顔料の場合には、顔料分散剤あるいは顔料表面
とプリント性向上液中に含まれるカチオン性物質のカチ
オン性基がイオン的相互作用を起こし、顔料の分散破壊
が生じ、顔料の粒子径が巨大化することを含む。通常、
上述した凝集に伴って、インクの粘度が上昇する。な
お、本発明においては必ずしもインク中のすべての顔料
または顔料分散剤が凝集しなくとも、本発明で述べるよ
うなカラーブリード抑制、発色性の向上、文字品位の向
上、定着性の向上といった効果が得られる。
【0044】本発明によれば、同一のプリント範囲に対
して複数回プリント動作をする際、その複数回のプリン
ト動作毎に、プリント性向上液を少なくとも含む液体の
付与形態をインクの付与形態等に応じて設定することに
より、その液体の必要最小限の量の付与によって、耐水
性や耐光性等の向上したプリント物や、フェザリングや
色間ブリードが少なく発色性が良く、またプリント濃度
が高い等の高品位のプリント画像を得ることを可能とす
る。
【0045】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0046】(第1の実施例)図4に本発明の一実施例
にかかるプリント方法を示す。本実施例は単色(Bk)
のプリントインクとプリント性向上液(S)とを用いた
プリント方法の例である。なお、ここでプリント性向上
液によるプリント性の向上とは、濃度、彩度、エッジ部
分のシャープネス度合、ドット径等の画質を向上させる
こと、インクの定着性を向上させること、および耐水
性、耐光性等の耐候性すなわち画像保存性を向上させる
ことを含む。
【0047】図示しないキャリッジ上には、Bkヘッド
1001およびプリント性向上液のSヘッド1002が
搭載されている。図に示す例では、奇数走査目に相当す
るヘッドが左から右へ移動する(往方向)際にプリント
を行う場合にはプリント性向上液→Bkインクの順で被
プリント材に打ち込まれる。また偶数走査目に相当する
ヘッドが右から左に移動する(復方向)際のプリントで
はインク→プリント性向上液の順で被プリント材に打ち
込まれる。
【0048】まず第1画像領域に対して、第1の走査
(往方向)によって、ヘッドノズル幅Lの下半分に相当
するプリント領域1のノズルを用いて、Bkの元の画像
データを千鳥状に間引いたプリントを行う。プリント性
向上液のデータは同一スキャン中にプリントされるBk
のデータと同じである。第1画像領域プリント後被プリ
ント材をL/2の幅だけ紙送りを行う。第2の走査(復
方向)によって第1の走査によって形成された画像を補
完する形で画像を逆千鳥に間引いてプリントを行う。プ
リントヘッドのプリント領域2(上半分)で第1画像領
域を、プリントヘッドのプリント領域1(下半分)で第
2画像領域をプリントする。この時点で第1画像領域の
部分は、第1の走査でプリントされなかったプリント画
素にプリント性向上液→Bkインクの順序で逆千鳥状に
画像データが間引かれてプリントされて全ての画像デー
タのプリントが完了する。このとき、第1画像領域には
千鳥状にプリント性向上液→Bkインク、逆千鳥状にB
kインク→プリント性向上液の着弾順序で、また第2画
像領域には画像データの半分が逆千鳥状にBkインク→
プリント性向上液の着弾順序でプリントされている。
【0049】さらに被プリント材をL/2幅の紙送りが
なされた後、第3走査(往方向)では第1走査と同様に
千鳥状に画像データを間引くと共に第2の画像領域を上
半分のノズルで、第3の画像領域を下半分のノズルでプ
リントする。第2画像領域はこの第3の走査でプリント
が完了する。ここで第2画像領域は逆千鳥状のプリント
画素にBkインク→プリント性向上液の着弾順序で、そ
れを補完する形で千鳥状にプリント性向上液→Bkイン
クの着弾順序でプリントされている。以下同様に繰り返
すことによって、プリントヘッドL/2幅に分割された
被プリント材上の画像領域が順次プリントされ全てのプ
リントデータのプリントが完了する。
【0050】以下に本実施例の効果について述べる。
【0051】本実施例方法と一般的なプリント方法との
比較を図5(a)および(b)に示す。なお、図5
(a)および(b)ではBkインクとプリント性向上液
の例を分かりやすくするために4ノズルヘッドの構成で
示してある。プリント画素1101はヘッドユニットが
左から右に移動する往方向時にプリントし、被プリント
材上へプリント性向上液(S)→インク(K)の順序で
打ち込まれる画素、プリント画素1102は右から左に
移動する復方向時にプリントしインク(K)→プリント
性向上液(S)の順序で打ち込まれる画素を示してい
る。一般的なプリント方法では、1パス往復プリントで
1101と1102がノズル幅毎のバンドとなってお
り、プリント画素1101が集中しているため、その領
域での被覆率が下がりスジが目立ってしまう(図5
(a)参照)。これに対し本実施例では、図5(b)に
示すように、それぞれの画素が千鳥、逆千鳥に配置し、
同じ領域を2走査以上のプリントを行わなければならな
いが、両者を混在しており被覆率の低いプリント性向上
液→プリントインクの画素のすぐ近くにプリントインク
→プリント性向上液の画素があり、全体としての被覆率
が平均化され、スジの発生が防がれている。
【0052】また、発色性に関しても、本実施例方法で
は50%は発色性の高い画素により画像が構成され、か
つ巨視的にみると平均的に均一に分布しているため、プ
リント性向上液の効果を大きく損なうことなく発色性の
よい均一な画像が形成されている。さらに耐水性に関し
てはプリント性向上液とインクとの打ち込み順序によら
ず優れた画像が得られる。
【0053】また、プリント性向上液とプリントインク
との打ち込み順序に起因する色ムラ、濃度ムラはドット
単位では発生するものの、微視的には両者が混在し均一
性は乱れているが、巨視的には平均化され均一性の高い
画像を形成することができ、プリント性向上液を用いた
双方向プリントの場合でも均一な画像が見ることができ
る。
【0054】さらにこのようなプリントを行うことによ
り、図6(a)、(b)および(c)に示すように、従
来のプリントインクでのプリント方法である同一ラスタ
で異なるノズルを用いてプリントを行い、ノズルムラを
防止するというマルチパスプリントの効果が得ることが
できる。このため反応するインクとプリント性向上液の
混ざる量が全体的に均一なものとなり、これに起因する
濃度ムラ、色ムラの発生を抑えることができる。
【0055】またヘッド間のレジストレーションズレに
より、インクとプリント性向上液の打ち込み順序が部分
的に入れ替わったとしても、本発明のプリント方法では
もともと打ち込み順序の異なる画素が入れ乱れプリント
が行われているので形成された画像は大きく乱されるこ
となく、均一性の高い画像が得られる。
【0056】すなわち、従来のプリント性向上液→プリ
ントインクの画像では発色性が高いがスジの多い均一性
の低い画像、プリントインク→プリント性向上液の画像
では均一は高いが発色性に欠ける画像しか得られなかっ
たのに対し、本発明のプリント方法によれば、発色性が
高くかつ均一性が高い画像を提供することができる。ま
たプリント性向上液を用いた双方向プリント時において
も画像均一性低下を防ぐと共に、マルチパスプリントに
よりノズルムラを解消できる。
【0057】本実施例では単色とプリント性向上液の例
を示したが、これがカラープリントのように複数のプリ
ントインクを用いた場合でも同様で、打ち込み順序がプ
リント性向上液→プリントインク1→プリントインク2
の画素とプリントインク2→プリントインク1→プリン
ト性向上液の画素を微視的に混在させながら、巨視的に
均一な画像を得ることができる。
【0058】さらに本実施例では2パスの双方向プリン
トの場合を示したが、さらに画像を形成するために必要
なプリントの走査数を増やせば、プリント速度は遅くな
るがノズルムラの影響などをさらに低減した高画質が得
ることができる。
【0059】本実施例では間引きマスクとして千鳥/逆
千鳥のマスクの場合を示したが、本発明がこれに限定さ
れるものではなく、インクやプリント性向上液の組成、
求められる画像品位やプリントモードなどによって変更
できるものである。例えば、画像上、発色性を重んじる
プリントモードではインクがプリント性向上液の後に打
ち込まれる画素がその画像において優位に存在するよう
に、マスクパターンを決定すればよい。
【0060】(第2の実施例)以下に第2の実施例につ
いて説明する。
【0061】図7および図8は本実施例のプリント方法
を説明するものである。上記第1の実施例においてプリ
ント性向上液はインクプリント画素の全てに用いられて
いるが、複数のインクを用いたカラープリントの場合で
は、このような全インクプリント画素にプリント性向上
液を用いるとプリント性向上液の消費量がプリントイン
ク1色に対し数倍必要となってしまう。一方プリント性
向上液の効果として50〜25%程度プリントインクに
対して間引いたプリントを行ってもその効果が著しく低
下しないことが、発明者たちの実験によって得られてい
る(インク、プリント性向上液の組成などにより多少異
なる)。そこで本実施例ではプリント性向上液の全体の
消費量を減らし、かつ第1の実施例のプリント方法と同
様な効果を得るものである。
【0062】図7はプリント性向上液の使用量をプリン
ト画素の50%とした例を示している。図中の1001
および1002はそれぞれ、Bkおよびプリント性向上
液のヘッドを示している。図中においてプリントインク
およびプリント性向上液は共に4×4の2種類のマスク
に従い、双方向のプリントを行う。第1走査で第1画像
領域にマスクパターンK1およびS1に従いプリントを
行う。この結果、第1画像領域の25%はプリント性向
上液→インクの画素、25%はプリントインクのみの画
素となる。その後、L/2(図中では4ノズル)の紙送
りを行い、第2の走査でマスクパターンK2およびS2
に従った画素にプリントを行う。これにより、第1画像
領域の残った画素にプリントが行われプリントが完成す
る。第2画像領域には25%はインク→プリント性向上
液の画素、25%はプリントインクのみの画素となる。
さらに、L/2幅紙送りを行い、第1の走査と同じマス
クでプリントを行う。これにより第2画像領域のプリン
トが完成される。すなわち、プリント性向上液は奇数走
査、偶数走査それぞれ25%のマスクで、全体として5
0%のプリントを行う。プリントインクは奇数走査、偶
数走査それぞれ50%のプリントを行い全体としては1
00%のプリントを行う。全体としてはプリント性向上
液→プリントインク、プリントインク→プリント性向上
液、プリントインクのみの画素がそれぞれ25%、25
%、50%となる。
【0063】形成された画像としては、プリント性向上
液→インクの画素の周囲をその他の画素が配置され、ス
ジは発生しない。また、プリント性向上液の有無や打ち
込み順序の違いによる濃度ムラや色ムラなどは第1実施
例の場合と同様に微視的には異なった性質の画素を混在
させながら巨視的には均一な画像を形成させている。そ
して装置全体としてはプリント性向上液の消費量をその
効果がなくならない程度減らしながら、上記のような効
果が得られる。
【0064】本実施例ではプリント性向上液を用いる画
素を50%とした例を示したが、図8にプリント性向上
液を用いる画素を25%とした例を示す。すなわち、図
8に示す例では、プリント性マスクとしては上記例と同
様にプリントする画素が50%のマスクパターンK3お
よびK4を用いるが、プリント向上液のマスクとしては
プリントする画素が12.5%のマスクパターンS3お
よびS4を用いるものである。
【0065】(第3の実施例)以下に本発明の第3の実
施例を示す。
【0066】図9には本実施例に係るプリント方法を示
す。本実施例でのプリント方法はプリント性向上液→イ
ンク打ち込みでスジムラの発生を防ぐものである。図中
で単色(Bk)のプリントインクとプリント性向上液の
場合である。1001および1002はそれぞれBkヘ
ッドおよびプリント性向上液ヘッドを示している。プリ
ント時のヘッドスキャン方向が常に往方向のみである。
第1走査でプリント性向上液はBkの元の画像データは
マスクパターンK3で間引いたプリントを行う。プリン
ト性向上液のデータは第1画像領域中にプリントされる
Bk画像データに対し100%(マスクパターンS5)
であり、第1走査でプリントを行う。第1走査でのプリ
ント後に紙送りを行わず、ヘッドをプリントを行わず、
空走査によりホームポジションに戻す。その後第2の走
査によって第1の画像領域に対し、第1走査でプリント
されたBk画像を補完する形で画像をマスクパターンK
4に間引いてプリントを行う。この時プリント性向上液
のプリントは行わない(マスクパターンS6)。この走
査により、第1画像領域全体の画像のプリントが完成さ
れる。その後ヘッド幅の紙送りとヘッドの空走査により
ホームポジションに戻す。そして、第2画像領域に対
し、第1走査と第2走査と同様なプリントを第3走査お
よび第4走査で画像を形成する。このようなプリントを
繰り返すことにより画像を完成する。
【0067】すなわち、(2n−1)番目(nは自然
数)の走査ではプリント性向上液をプリントデータの1
00%のプリントを、プリントインクは間引いたデータ
(マスクパターンK3)のプリントを行い、紙送りを行
わず2n番目の走査ではプリントインクは(2n−1)
でのプリントを補完するように(マスクパターンK4)
プリントを行う。全ての領域において、プリント性向上
液の後にプリントインクのプリントが行われているが、
間引きパターンに合わせプリント性向上液が着弾してか
らプリントインクが着弾するまでの時間(着弾間隔T)
が大きく異なっている。パターンK3に相当する画素で
は着弾間隔Tは短く、パターンK4に相当する画素では
着弾間隔Tは長い。
【0068】以下にプリント性向上液が被プリント材に
着弾してからプリントインクが着弾するまでの時間(着
弾間隔)Tが画像に及ぼす影響について述べる。まず着
弾間隔Tとプリントされたプリントインクのドット径
(等価円直径)に着目すると、Tが短いほどドット径は
小さく、Tが長くなるとドット径は大きくなる。着弾間
隔Tとプリントインクのドット径(等価円直径)との関
係についての実験結果を図10に示す。これはプリント
性向上液とプリントインクとが理想的に重なって着弾し
た時の結果を示している。グラフの横軸がプリント性向
上液が着弾してからプリントインクが着弾するまでの時
間、縦軸がプリントインクの被プリント材上でのドット
径(等価円直径)である。360dpiのプリントを想
定した場合、着弾間隔Tがある程度(250msec以
上)大きくなるとスジの目立たない均一性の高い画像が
得られることが解った。
【0069】一方で発色性に関して言えば、着弾時間T
が短いほど発色性の高い画像が得られることが解ってい
る。これはTが大きくなるとプリント性向上液の反応成
分が被プリント材深さ方向に浸透する時間ができ、それ
に伴ないプリントインク内の色素成分も被プリント材表
面から被プリント材内部に浸透し、定着するためと考え
られる。実験によるとプリント性向上液の発色性を一層
高める効果が得られるのは150msec程度であるこ
とがわかった。
【0070】次に本実施例での効果を述べる。本実施例
では図10に示すようにBkのプリントを、プリント性
向上液のプリントと同一走査で行う場合と異なる走査で
行うことにより、着弾間隔Tが異なる画素をマスクパタ
ーンK3およびK4により混在させている。これにより
着弾間隔Tの異なる2種類のプリントを行った領域が微
視的に混在させている。これにより着弾間隔Tの短いプ
リント画素と、着弾間隔Tの長いプリント画素が隣接し
ているため、全体としての被覆率は高まり、スジの目立
たない画像が得られる。また発色性は50%は発色性の
高い画素により画像が構成され、かつ巨視的に見ると平
均的に均一に分布しているため、プリント性向上液の効
果を大きく損なうことなく発色性のよい均一な画像が形
成されている。
【0071】本実施例ではマスクパターンを、画素を2
×2を一まとまりとして、互いに千鳥、逆千鳥に配置し
ている。しかしこのパターンは本発明の一実施例を示し
ているに過ぎず、インクやプリント性向上液の組成、ヘ
ッド構成、プリントデータ、ユーザの要求する画像品
位、あるいはプリント速度などにより、プリントパスな
どとともに変更することができるのは他の実施例と同様
である。
【0072】本実施例ではプリント性向上液→プリント
インクの打ち込み順序で着弾間隔Tの異なる場合を示し
たが、プリントインク→プリント性向上液の打ち込み順
序の場合でも両者の着弾間隔がプリント画素(領域)毎
に異なった場合も、形成されたドットはドット径や発色
性が異なる。そこでそのようば場合でも、同様に着弾間
隔の異なった画素を小さな領域単位では混在させ、巨視
的には均一性の高い画像を実現すればよい。
【0073】(第4の実施例)次に本発明の第4の実施
例について説明する。
【0074】図11(a)および(b)は本実施例にお
けるプリント時のインクとプリント性向上液との紙面深
さ方向での浸透状態を示した図で、図11(a)では紙
面に対しインク→プリント性向上液→インクの順序でプ
リントされている。この場合プリントインクは1画像デ
ータに対して2回打ち込まれるが、2回のプリントで打
ち込まれるプリントインクの総量が、プリント性向上液
を用いないプリント時のインク量と同程度となるように
プリントが行われ、好ましくは各々50%程度のインク
量である。この場合、プリント性向上液は先に打ち込め
られるインク(プリントインク1)と後から打ち込めら
れるインク(プリントインク2)とに挟まれた状態にな
るためプリント性向上液→プリントインクの打ち込みや
プリントインク→プリント性向上液の打ち込みのような
場合に比べて反応面積が大きくなり、その効果をより安
定に得ることができる。またプリントインク1が先に紙
面内にあるためプリント性向上液の反応成分が紙面の比
較的表面に留まるため、その後に打ち込まれるプリント
インク2の染料などの色素が紙面表面に留まるため発色
は良くなる。さらにプリント性向上液→インクの場合で
ドット径が小さくなるため発生するようなスジの発生を
防ぐことができる。
【0075】以下に本実施例を実現するヘッド構成とプ
リント方法の例をインク→プリント性向上液→インクの
場合を図12で説明する。なお、本実施例ではインクは
Bkの単色の例で説明するが本発明がこれに限定される
ものではない。
【0076】図12において2000はヘッドユニッ
ト、2001,2002および2003はそれぞれBk
1、プリント性向上液、およびBk2のヘッドを示して
いる。被プリント材2100の画像領域2011はヘッ
ドが往方向にスキャンした際にプリントを行う領域であ
る。まずヘッドが往方向に移動しながらノズル幅Lに相
当する2011の領域をBk2→プリント性向上液→B
k1の順序でプリントしてからノズル幅Lだけ紙送りを
行う。そして画像領域2021をヘッドが復方向にスキ
ャンしながらプリントし、L幅分の紙送りを行い201
2のプリントをして画像を形成する。これを繰り返すこ
とにより全画像を形成する。すなわち画像領域2010
ではBk2→プリント性向上液→Bk1の順序で、画像
領域2020ではBk1→プリント性向上液→Bk2の
順序で着弾された画像が形成されている。
【0077】本実施例ではプリント性向上液ヘッドを2
つのBkヘッドにより挟んだヘッド構成の例を示した
が、これに限定されるものではなく、Bkとプリント性
向上液とがそれぞれ1ヘッドずつのヘッド構成の場合な
どはプリントパス数を増やすことにより同様な効果が実
現できる。
【0078】本実施例でのプリント方法ではプリント性
向上液とインクとの反応面積を増やすとともに、打ち込
み順序がプリント性向上液→インクの場合の問題点であ
る被覆率の低下やインク→プリント性向上液の場合の問
題点である色素の紙面内への沈みを防ぐことが可能とな
り、発色性が高く、かつ均一性のよい画像を提供でき
る。
【0079】本実施例では単色のプリントについて述べ
たが、これに限定されるものでなく、カラープリント場
合などのように、2種類以上のプリントインクが用いら
れる場合についても同様にプリントインク1→プリント
性向上液→プリントインク2のようなプリントを行った
場合には、プリント性向上液→インク1→インク2のよ
うなプリントに比べ、双方のプリントインクとプリント
性向上液との反応面積は大きくなり、耐水性などのプリ
ント性向上液の効果を十分得ることができる。
【0080】また、図11(b)ではプリント性向上液
→インク→プリント性向上液の順序でプリントが行われ
ている。上記の場合とは反対にプリント性向上液は1画
像データに対して2回打ち込まれているが、2回のプリ
ントで打ち込まれるプリント性向上液の総量は、図11
(a)でのプリント性向上液の量と同程度となるように
行い、好ましくは各々はその半分程度の量が好ましい。
この場合でもプリントインクとプリント性向上液の反応
面積は大きくなり、プリント性向上液の効果をより安定
に得ることができる。公知例における同様なプリント方
法では本発明のようにプリント性向上液の量についての
記述はない。もし先に打ち込まれるプリント性向上液の
量が図11(a)と同程度であるようにして記録を行う
と、先にプリントされたプリント性向上液とプリントイ
ンクで十分な反応が起こってしまい、形成された記録ド
ットはプリント性向上液→インクで形成されるドットと
変わらないのでベタ記録時にスジの目立った画像となっ
てしまう。また先に打ち込まれるプリント性向上液の量
が少なくなると、逆にインク→プリント性向上液の画像
のような発色性やフェザリングのある画像となりやす
い。このため各々の打ち込み量はプリント性向上液量が
図11(a)の半分程度が好ましい。
【0081】さらに、本発明の思想によれば、一つの画
素を形成するために要するプリントインクとプリント性
向上液のプリント回数をさらに増やし、分割してプリン
トを行う、例えばプリント性向上液→インク→プリント
性向上液→インクのようなプリントを行うことによりさ
らにインクとプリント性向上液の反応性を高めることが
でき、より安定したプリント性向上液の効果が得られ
る。しかし、この場合、ヘッド数を増やすか、もしくは
プリント速度を落とさなければ実現できず、ユーザが望
む、本体コストやプリント速度やプリント品位などによ
り、実現方法は異なる。このときインク、プリント性向
上液の全打ち込み量が被プリント材のインク受容量を越
えないように1回の打ち込み量を設定することが好まし
い。
【0082】(第5の実施例)以下に第5の実施例を説
明する。
【0083】図13において1101および1102は
それぞれカラープリントヘッドおよびプリント性向上液
ヘッドを示している。このカラープリントヘッド110
1は、図14に示すように、1ヘッド内にシアン、マゼ
ンタおよびイエローを一体化したCMYカラー一体チッ
プである。プリント性向上液のデータは同一走査でプリ
ントされるカラーデータの画素データと同様にプリント
を行う。
【0084】図13に本実施例のプリント方法を示す。
説明のためC(シアン),M(マゼンタ)を用いたブル
ーのプリントについて説明する。まず第一の走査により
プリント性向上液→Cインクの順で画像領域1cにプリ
ントを行う。その後、48ノズルの紙送りを行い、画像
領域2cにプリント性向上液→Cインクのプリントを行
うと同時に画像領域1mにプリント性向上液→Mインク
のプリントを行い、画像領域1m幅分だけブルーのプリ
ントが完成する。画像領域1cと1mとはヘッドの色間
封止幅8ノズル分だけ領域がずれることになる。よって
画像領域1mのプリント幅は40ノズル幅となってい
る。その後、48ノズル幅の紙送りを行い、画像領域3
cにプリント性向上液→Cインクのプリントを、また画
像領域2mにプリント性向上液→Mインクのプリントを
行う。Mヘッドによるプリント領域は画像領域2m以降
の領域では48ノズル幅となる。このようなプリントを
繰り返すことにより、画像を形成して行く。
【0085】次に本実施例の効果について説明する。従
来のプリント方法からの類推では、プリント性向上液の
データはCインクおよびMインクの論理和を取ったデー
タを、プリント性向上液→Cインク→Mインクの順でプ
リントをするのが一般的であると考えられる。しかし本
実施例のプリント方法ではインクをプリントするその直
前に必ずプリント性向上液をプリントする。すなわち、
プリント性向上液1→Cインク→プリント性向上液2→
Mインクのようにプリントを行う。前者の従来のプリン
ト方法ではプリント性向上液が特に後から打ち込められ
るMインクに対して発色性の向上などのプリント性向上
液の効果が十分ではなくなってしまう。これはプリント
性向上液が着弾してからMインクが着弾するまでの時間
間隔が大きく、この時間にプリント性向上液成分が被プ
リント材内へ十分浸透しており、インクとプリント性向
上液との反応が被プリント材の比較的表面より深い部分
で起るためと考えられる。これに対し、後者である本実
施例でのプリント方法ではMインクプリントの直前にプ
リント性向上液2のプリントを行う。これによりMイン
クとプリント性向上液2との着弾間隔は短くなり、プリ
ント性向上液2が十分被プリント材内に浸透してしまう
前にMインクが打ち込まれるために、Mインクとプリン
ト性向上液との反応が十分に起こり、発色性の向上など
の効果が損なわずに得られる。
【0086】さらにC(シアン)およびY(イエロー)
インクの場合は前者のプリント方法ではプリント性向上
液とYインクとの着弾間隔が大きくなり、プリント性向
上液の効果が十分得られなくなるのに対し、本実施例の
プリント方法ではどのような場合でもプリント性向上液
効果が十分得られる。さらに高画質を目的としたマルチ
パスプリントの場合では前者のプリント方法ではプリン
ト性向上液とインクとの着弾間隔が大きくなってしま
い、本発明のプリント方法がさらに有効である。
【0087】また、プリント性向上液ヘッドと各色のイ
ンクが別々のヘッドが互いが横並びの場合を考えると、
プリント性向上液を用いない従来の方法では、一度に多
量のインクが1画素に打ち込まれ、インク溢れが発生し
ないように、同一画素に対し複数のインクが異なる走査
でプリントするように間引きマスクを設定している。こ
のプリント方法をプリントインクの論理和をプリント性
向上液のデータとするプリント方法に適用すると、やは
り前述のようにプリント性向上液と2回目に打ち込まれ
るプリントインクとの被プリント材への着弾間隔が大き
くなってしまう。そこで本実施例のようなプリント方法
を用いることにより、インク溢れを防止しかつプリント
性向上液の効果を十分得られるプリントが可能となる。
【0088】また、本実施例のプリント方法に対し、プ
リント速度向上のために双方向のプリントを行った場合
には第1の実施例で述べたようなプリント方式を用いる
ことで、インクとプリント性向上液の打ち込み順序の違
いによる均一性の乱れを防ぐことができる。
【0089】(第6の実施例)以下に第6の実施例につ
いて示す。
【0090】図15および図16(a)、(b)および
(c)を用いて本実施例のプリント方法を説明する。図
15において1201および1202はそれぞれ単色
(Bk)ヘッドおよびプリント性向上液ヘッドを示して
いる。ここで説明のために単色インクはBkとしたが、
本発明がこれに限定されるものではない。これらのヘッ
ドは一つのノズルから吐出量の異なるインク滴を吐出す
ることができる。すなわち、図16(a)〜(c)に示
すように、1つのノズル11に連通する液路12内に2
つのヒータ13Aおよび13Bを並列に配置して、それ
ぞれのヒータを独立に駆動するようになっている。そし
て、両方のヒータにより通常の吐出量を得ることがで
き、片方のヒータにより通常の約半分の吐出量を得るこ
とができる。Bkヘッドの吐出量としてはVdk1=8
0pl、Vdk2=40pl、プリント性向上液ヘッド
はVds1=40pl、Vds2=20plである。
【0091】図15に示す方法においては、第1の走査
により第1の画像領域に吐出量Vds2のプリント性向
上液とVdk2のBkインクとをプリント性向上液→B
kインクの打ち込み順序で千鳥状にプリントする。そし
て、L/2幅分の紙送りと空走査を復方向に行いヘッド
ホームポジションに戻す。その後、第2の走査でプリン
トを行う。このときの千鳥配置の画素に対しては、第1
の走査と同様にプリント性向上液→Bkインクの順序で
吐出量はそれぞれVds2およびVdk2でプリントを
行う。また残りの逆千鳥配置の画素に対してはプリント
性向上液→Bkインクの順序でVds1およびVdk1
の吐出量でプリントを行う。これにより、第1画像領域
は千鳥状にプリント性向上液→Bkインク→プリント性
向上液→プリント性向上液の順序で、また逆千鳥状にプ
リント性向上液→Bkの順序で画素が形成されて第1画
像領域のプリントが完成する。このとき、各画素へのイ
ンクとプリント性向上液の全打ち込み量は等しくなって
いる。その後、L/2幅の紙送りとヘッドの空走査を行
い、千鳥状にプリント性向上液(Vds2)→Bk(V
dk2)のプリントを行う。これにより第2画像領域は
プリントが完成し、第1の画像領域と同様に千鳥状にプ
リント性向上液→Bk→プリント性向上液→プリント性
向上液の順序で、また逆千鳥状にプリント性向上液→B
kの順序で画素が形成される。これを繰り返すことによ
り画像を形成する。
【0092】すなわち、奇数回目の走査により千鳥状に
プリント性向上液(Vds2)→Bkインク(Vdk
2)のような分割プリントを行い、L/2紙送りの後、
千鳥状にプリント性向上液(Vds2)→Bkインク
(Vdk2)のプリントと、同時に逆千鳥状にプリント
性向上液(Vds1)→Bkインク(Vdkl)のプリ
ントを行う。これにより千鳥状にプリント性向上液→B
kインク→プリント性向上液→Bkインクの画素を、逆
千鳥状にプリント性向上液→Bkインクの画素が配置さ
れるようにプリントを行う。
【0093】次に本実施例の効果について説明する。第
4の実施例で述べたようなプリント性向上液→プリント
インク→プリント性向上液→プリントインクや、プリン
トインク→プリント性向上液→プリントインクのような
プリント(分割プリント)方法では、プリント性向上液
とインクとの反応面積も多く、プリント性向上液の効果
が十分得られている。しかし、このようなプリントを画
像前面に対して行うと通常のプリントの場合に比べてヘ
ッドには2倍程度の耐久性が要求される。そこで本実施
例のプリント方式ではプリント半分のプリントデューテ
ィ(Duty)分をインク→プリント性向上液→プリン
トインクの画素とし、残りの半分をプリント性向上液→
プリントインクの画素とに分けてプリントを行ってい
る。これにより分割プリントを行ったときのようなプリ
ント性向上液の顕著に優れた効果をある程度高いレベル
で保ちつつ、かつヘッドの耐久性を延ばすことを可能に
したプリント方法である。混在方法としては第1の実施
例で述べたようにそれぞれの性質の異なる画素を微視的
に混在させることにより、巨視的には均一性の高い画像
を得るように配置している。
【0094】本実施例では分割プリントの例として、プ
リント性向上液→プリントインク→プリント性向上液→
プリントインクの例を述べたが、本発明がこれに限定さ
れるものではなく、プリントインク→プリント性向上液
→プリントインクなどでもよい。
【0095】(第7の実施例)上記実施例において、マ
スクパターンを千鳥・逆千鳥の例や、4×4を一つの単
位領域として、千鳥・逆千鳥に配置した例を示したが他
の例を本実施例では示す。
【0096】図17に打ち込み順序がプリント性向上液
→インクとインク→プリント性向上液の場合を示す。こ
の例ではヘッド主走査方向の全プリント幅に対し360
dpi、1画素幅でプリント性向上液→インクの順序で
プリントされた領域と、インク→プリント性向上液の順
序で打ち込まれた領域とが交互に配置されるようにプリ
ントを行っている。このように一定幅のバンドの繰り返
しでも、幅がある程度の大きさを持たなければ、巨視的
に均一な画像を形成することができる。
【0097】図18には紙送り方向に同一の画素を並べ
て、ヘッド主走査方向に交互に異なる性質画素を配置し
た例を示した。この場合でも同様の効果が得られる。こ
れらの例では360dpi、1画素幅で同一性質の画素
を配置したが、実験によると、この幅を徐々に増やして
ゆくと、360dpi、5画素幅まではバンドムラは目
立たなかったが、それ以上(360dpi、6画素幅、
約420μm幅)になるとバンドムラが大きくなり、画
像均一が低下してしまうことが解った。すなわちヘッド
の主走査方向と副走査方向の双方に対して、ある程度の
幅(約430μm)以上の同質画素が連続しないように
異質画素を混在させることにより、画像品位を大きく落
とすことなく均一性の高い画像が得られる。
【0098】本実施例ではインク→プリント性向上液の
場合を示したが、上記第2,第3,第6の実施例におけ
る画像上で異種画素を混在させる場合にも同様な効果が
ある。
【0099】また、上記第1〜第6の実施例ではプリン
トインクとプリント性向上液が同一画素上に着弾した理
想的な場合を示しているが、レジストレーションズレ
や、インク消費量の低減を目的としてプリント性向上液
の着弾位置をプリント画素より意図的にずらしてプリン
トを行った場合での、画素をインクで打った時には離れ
ていても、液体の浸透で少なくとも一部が被プリント材
中で、プリントインクとプリント性向上液が隣接するよ
うな場合も含めた、実質的な場合でも上記実施例の効果
は十分に得られるものである。
【0100】(第8の実施例)上記実施例において、プ
リント性向上液とプリントインクとの被プリント材への
打ち込み量の比率について述べる。
【0101】第1の実施例で示す図4、図5(a)およ
び(b)のような印字方法では、プリントインクとプリ
ント性向上液は印字する各画素に同じ回数だけ打ち込ま
れるが、発明者らによる実験によると、記録媒体への打
ち込み量の比により、プリント性向上液の効果が異なっ
てくるが、耐水性や画像のスジを考慮すると、 (プリントインクの打ち込み量):(プリント性向上液
の打ち込み量)=1:0.1〜1 程度が適当であった。
【0102】発明者らは360dpiの格子点に吐出量
80ngのヘッドによりプリントインク(上乗せタイプ
のBk)の印字を行い、プリント性向上液の吐出量5〜
100ng程度の範囲で変化させて実験を行った。この
比が1:0.1より大きくなると耐水性が無くなってし
まった。また、1:1を越えプリント性向上液の打ち込
み量がプリントインクの打ち込み量を越えてしまうと、
プリントインクの種類によっては画像にスジが目立つ場
合があった。さらに、プリントヘッド製作工程上、吐出
量などのばらつきや使用環境の変化などを考慮した場
合、 (プリントインクの打ち込み量):(プリント性向上液
の打ち込み量)=1:0.25〜0.75 程度の比率が好ましい。
【0103】ここでは、第1の実施例における例を示し
たが、他の第2、第3、第4、第5の実施例においても
被プリント材上へのインクの全打ち込み量とプリント性
向上液の全打ち込み量の比が上記の価であれば、ほぼ同
様の効果が得られた。すなわち、微視的な領域での打ち
込み量の比ではなく、巨視的な平均化された打ち込み量
の比によって本発明の効果が得られるのである。
【0104】(実施例の補足)以下に本発明方法の上記
実施例1〜8を実施するためのインクジェットプリント
装置の一例について説明する。
【0105】図19は、本発明の一実施例に係るインク
ジェットプリント装置の概略を示す斜視図である。
【0106】インクジェットプリント装置100におい
て、キャリッジ101は、互いに平行に延在する2本の
ガイド軸104および105と摺動可能に係合する。こ
れにより、キャリッジ101は、駆動用モータおよびそ
の駆動力を伝達するベルト等の駆動力伝達機構(いずれ
も不図示)により、ガイド軸104および105に沿っ
て移動することができる。キャリッジ101には、イン
クジェットヘッドと、このヘッドで用いられるインクを
収納するインク容器としてのインクタンクとを有するイ
ンクジェットカートリッジ103が搭載される。
【0107】インクジェットカートリッジ103は、イ
ンクおよびプリント性向上液としてのプリント性向上液
を吐出するためのヘッドおよびこれに供給されるインク
またはプリント性向上液を収納する容器としてのタンク
からなる。すなわち、ブラック(Bk)、シアン
(C),マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の4色の
各インクおよび上記プリント性向上液をそれぞれ吐出す
る5個のヘッドおよびこれらのそれぞれに対応して設け
られるタンクがインクジェットカートリッジ103とし
てキャリッジ101上に搭載される。各ヘッドとタンク
とは相互に着脱可能なものであり、タンク内のインクま
たはプリント性向上液が無くなった場合等、必要に応じ
て個々のインク色等毎にタンクのみを交換できるよう設
けられている。また、ヘッドのみを必要に応じて交換で
きることは勿論である。なお、ヘッドおよびタンクの着
脱の構成は、上記の例に限られず、ヘッドとタンクが一
体に成形された構成としてもよいことは勿論である。
【0108】被プリント材としての用紙106は、装置
の前端部に設けられる挿入口111から挿入され、最終
的にその搬送方向が反転され、送りローラ109によっ
て上記キャリッジ101の移動領域の下部に搬送され
る。これにより、キャリッジ101に搭載されたヘッド
からその移動に伴なってプラテン108によって支持さ
れた用紙106上のプリント領域にプリントがなされ
る。
【0109】以上のようにして、ヘッドの吐出口配列の
幅に対応した幅のプリントと用紙106の送りとを交互
に繰り返しながら、用紙106全体にプリントがなさ
れ、用紙106は装置前方に排出される。
【0110】キャリッジ101の移動可能な領域の左端
には、キャリッジ101上の各ヘッドとそれらの下部に
おいて対向可能な回復系ユニット110が設けられ、こ
れにより非記録時等に各ヘッドの吐出口をキャップする
動作や各ヘッドの吐出口からインクを吸引する等の動作
を行うことができる。また、この左端部の所定位置はヘ
ッドのホームポジションとして設定される。
【0111】一方、装置の右端部には、スイッチや表示
素子を備えた操作部107が設けられる。ここにおける
スイッチは装置電源のオン/オフや各種プリントモード
の設定時等に使用され、表示素子は装置の各種状態を表
示する役割をする。
【0112】図20は、図19に示したプリントヘッド
ユニット103の斜視図である。この例は、ブラック,
シアン,マゼンタ,イエローの各色インクと、プリント
性向上液のタンクが全て独立に交換可能な構成の場合で
ある。
【0113】キャリッジ101にはBk,C,M,Yと
プリント性向上液を吐出するプリントヘッド102と、
Bk用タンク20K、C用タンク20C、M用タンク2
0M、Y用タンク20Y、および、プリント性向上液の
タンク21が搭載される。各タンクはプリントヘッドと
の接続部を介してプリントヘッドと接続し、吐出口にイ
ンクやプリント性向上液を供給する。
【0114】なお、この例以外にも、例えば、プリント
性向上液とBkのタンクが一体構造であっても良く、ま
た、CとMとYのタンクが一体構造であっても良い。
【0115】図21は、プリントヘッドの発熱体付近の
拡大断面図である。この例のインクジェットプリント装
置は、基板上に、各インク吐出口に対応して電気・熱変
換体である発熱体を配置し、プリント情報に対応する駆
動信号を発熱体に印加して吐出口からインク滴35を吐
出させるプリント方式を採用するものである。
【0116】ここで、発熱体30は、全てのノズルに対
してそれぞれ独立に発熱可能な構成となっている。さら
に具体的には、発熱体30の発熱により急速に加熱され
たノズル内のインクは膜沸騰により気泡を形成し、この
気泡生成の圧力によりインク滴35が被プリント材31
に向かって吐出され、被プリント材31上に文字や画像
を形成する。この時、吐出される各色のインク滴の体積
は15〜80ngである。
【0117】吐出口23の各々には、吐出口23に連通
するインク液路34が設けられており、インク液路34
が配設される部位の後方にはこれら液路34にインクを
供給するための共通液室32が設けられる。吐出口23
の各々に対応するインク液路34には、これら吐出口2
3からインク滴35を吐出するために利用される熱エネ
ルギーを発生する電気・熱変換体である発熱体30やこ
れに電力を供給するための電極配線が設けられている。
これら、発熱体30や電極配線は、シリコン等からなる
基板33上に成膜技術によって形成される。発熱体30
の上にはインクと発熱体が直接接触しないように保護膜
36が形成されている。さらに、この基板33上に樹脂
やガラス材よりなる隔壁34を積層することによって上
記吐出口23、インク液路34、および共通液室32等
が構成される。
【0118】このように、電気・熱変換体である発熱体
30を使用したプリント方式は、インク滴吐出時に熱エ
ネルギー印加により形成される気泡を使用しているた
め、通称バブルジェットプリント方式と呼ばれている。
【0119】図22は、図19に示した回復ユニット1
10の具体的構造を示す斜視図である。プリントヘッド
に対応し、Bk用のキャップ112と、C用のキャップ
114と、M用のキャップ115と、Y用のキャップ1
16と、プリント性向上液用のキャップ113とがあ
る。各キャップ112〜116は上下方向に移動可能な
構成となっている。プリントヘッドがホームポジション
に位置するときはプリントヘッド部と接合してこれをキ
ャッピングし、プリントヘッドの吐出口内のインクが蒸
発することに起因する増粘や固着による吐出不良を防止
する。
【0120】回復ユニット110の各キャップ112〜
116はポンプユニット119に連通している。ポンプ
ユニット119は、プリントヘッドが吐出不良になった
場合、キャップユニットとプリントヘッドを接合させて
プリントヘッドの吐出口からインクを吸引する吸引回復
処理などに際して、負圧を発生させるために用いる。ポ
ンプユニットはプリント性向上液専用と、インク用の各
ヘッドごとに独立に設け、廃液はそれぞれ独立した経路
により廃液タンクに送られる。これはキャップおよびポ
ンプ内でプリント用色インクとプリント性向上液の接触
による不溶化がポンプ内で起こらないようにするもので
ある。ポンプユニットはプリント性向上液用とプリント
する色インク用の2つでも良い。
【0121】回復ユニットには、さらに、プリント性向
上液吐出用ヘッドの吐出口部をワイピングするプリント
性向上液ブレード117と、プリントインク吐出用ヘッ
ドの吐出口部をワイピングするための色インクブレード
118とが設けられている。
【0122】これらの各ブレード117および118
は、プリントヘッドの吐出口形成面に付着したインクや
プリント性向上液をワイピングするための、ゴムなどの
弾性部材で形成されたブレードである。ブレードはプリ
ントヘッド面をワイピングすべく上昇した位置と、プリ
ントヘッド面に干渉しないように下降した位置が取れる
よう、不図示の昇降装置により上下方向に移動可能な構
成となっている。
【0123】ワイピングによりプリントヘッドの吐出口
形成面付近でプリントインクとプリント性向上液が混ざ
って固まることを防ぐために、プリント性向上液吐出部
分をワイピングするプリント性向上液ブレード117
と、プリントインク吐出部分をワイピングするための色
インクブレード118を独立に設け、さらに独立に移動
可能な構成にして上下動できるようになっている。
【0124】図23は、実施例のインクジェットプリン
ト装置の制御構成を示すブロック図である。ホストコン
ピュータから、プリントすべき文字や画像のデータ(以
下画像データという)がプリント装置100の受信バッ
ファ401に入力される。また、正しくデータが転送さ
れているかを確認するデータや、プリント装置の動作状
態を知らせるデータがプリント装置からホストコンピュ
ータに転送される。受信バッファ401に入力したデー
タはCPUを有する制御部402の管理のもとで、RA
M形態のメモリ部403に転送され一次的に格納され
る。メカコントロール部404は、制御部402からの
指令により、キャリッジ101や送りローラ109(と
もに図4参照)の動力源となるキャリッジモータやライ
ンフィードモータ等のメカ部405を駆動する。センサ
/SWコントロール部406は、各種センサやSW(ス
イッチ)からなるセンサ/SW部407からの信号を制
御部402に送る。表示素子コントロール部408は、
制御部402からの指令により表示パネル群のLEDや
液晶表示素子等からなる表示素子部409の表示を制御
する。ヘッドコントロール部410は制御部402から
の指令により各ヘッド30K,30C,30M,30
Y,31を個々に制御する。また、これら各ヘッドの状
態を示す温度情報等を読取り制御部402に伝える。な
お、制御部402には、画像処理を行う画像処理部が構
成されている。
【0125】(第9の実施例)図24は本発明のインク
ジェットプリント方法の一実施例を実施し得るプリント
装置の概略構成を示す斜視図である。この図において、
701はインクカートリッジである。これらは、4色の
カラーインクであるブラック(K)、シアン(C)、マ
ゼンタ(M)、イエロー(Y)とインク中の色材を不溶
化または凝集させるためのプリント性向上液(以下、P
液ともいう)がそれぞれ詰め込まれたタンクと、マルチ
ヘッド702とから構成されている。このマルチヘッド
702上に配列するマルチノズルの様子をz方向から示
したものが図25であり、801はマルチヘッド702
上に配列するマルチノズルである。図24において70
3は紙送りローラであり、補助ローラ704とともに被
プリント材としての印字紙を抑えながら図24中の矢印
の方向に回転し、印字紙をy方向に随時送っていく。ま
た705は給紙ローラであり印字紙の給紙を行うととも
に、703,704と同様、印字紙を抑える役割も果た
す。706は5つのインクカートリッジを支持し、印字
とともにこれらを移動させるキャリッジである。このキ
ャリッジ706は印字を行っていないとき、あるいはマ
ルチヘッドの回復作業などを行うときには図24の点線
で示した位置のホームポジション(h)に待機するよう
になっている。
【0126】なお、本実施例においては、各インクジェ
ットカートリッジの吐出部は、熱エネルギーを用いてイ
ンクに状態変化を生起させることにより、液滴を吐出す
るものである。ここで、吐出部とは、同一ヘッドの一部
でも、また異なるヘッドでもよい。
【0127】ここで、キャリッジ706に搭載された5
個のインクジェットカートリッジはキャリッジの往動時
にP液、ブラックインク、シアンインク、マゼンタイン
ク、イエローインクの順にインクを重ね合わせるように
配列されている。
【0128】図26は図24に示したインクジェットプ
リント装置の制御部を示すブロック図である。図中12
01はCPU,ROM,RAM等を中心に構成させた制
御部であり、ROMに格納されたプログラムに従って装
置各部の制御を行う。1202は制御部1201からの
信号に基づいてキャリッジ706をx方向に移動(主走
査)させるためのキャリッジモータ1205を駆動する
ためのドライバ、1203は制御部1201からの信号
に基づいて給紙ローラ705及び紙送りローラ703を
駆動し、プリント材をy方向に搬送(副走査)するため
の搬送モータ1206を駆動するドライバ、1204は
制御部1201からの印字データに基づいて各マルチヘ
ッド1207〜1211(図24中の702に相当)を
駆動するドライバ、1212は各種キーの入力および各
種表示を行う操作表示部、1213は制御部1201に
対して印字データを供給するためのホスト装置である。
【0129】印字開始前、図24の位置h(ホームポジ
ション)にあるキャリッジ706は、印字開始命令がく
ると、x方向に移動しながら、マルチヘッド702上の
n個のマルチノズル801により、紙面上に印字を行
う。紙面端部までデータの印字が終了し、反転位置に達
すると紙送りローラ703によって所定の幅だけy方向
への紙送りを行い、キャリッジはホームポジション方向
に復動を開始し、再びデータの印字を行う。この様にし
てキャリッジ1スキャン(主走査)毎にマルチヘッドに
よる印字と紙送りを行う繰り返しにより、一紙面上のデ
ータ印字が完成する。
【0130】基本的にP液用のインクジェットヘッドの
画像データは各インクジェットプリントヘッドへ送られ
る画像データの論理和データとして作成され、場合によ
ってはこれを間引いた画像データでプリントするように
している。
【0131】図27に本発明のインクジェットプリント
方法の第9の実施例を説明するための模式図である。
【0132】図27では説明の便宜上8ノズルのヘッド
を用いてプリントする様子を示している。本実施例で
は、先ずインク用のインクジェットプリントヘッド及び
P液用のインクジェットヘッドを載せたキャリッジ70
6は往路印字においては画像データを301に示したよ
うな画素へ、矢印方向に進みながら、インク画像とP液
画像をプリントしていく(第1走査)。301を視ても
わかるように、第1走査ではP液の画像データは全く間
引かずに、インクの画像データは千鳥状に間引いた位置
にプリントを行う。この時、キャリッジ上に搭載された
ヘッドの配列は、キャリッジ右側から順にP液,K,
C,M,Yの順に配列されていることから、各画素では
P液が着弾されてからインクが着弾するようになる。次
に、紙送りを行わずにこの状態からキャリッジを反転し
ヘッドは第1走査とは逆方向に復印字を行う(第2走
査)。この時にはP液を吐出させずに、インクのみの画
像データを逆千鳥状に間引いた画素にプリントすること
によって上からヘッドのプリント領域分の画像が補完さ
れて完成する。ここで紙送りローラによって図中矢印y
方向に8画素分(プリントヘッドのプリント領域分)の
紙送りを行うことによって、プリントヘッドは図中30
3のプリント状態に対応した位置に待機させ、第1走査
と同様に矢印方向に進みながらP液とインクの画像デー
タの往路印字を行う(第3走査)。その後は同様に第4
走査へとつないでいく。こうすることにより、全画素に
おいてインクよりも先にP液が着弾するようにすること
が可能であり、しかも各走査でのインクの画像データは
間引かれているため、P液用のインクジェットヘッドが
増えても電源容量を増やさずにプリントすることが可能
であり、また往復プリントしていることからスループッ
トの低下もない。
【0133】本実施例では、全画素に対してP液が施さ
れた後にインクが付着するようにしたためプリント濃度
が高く、しかもムラのないきれいなプリント画像が得ら
れた。
【0134】本実施例では、往プリント時のP液データ
を間引かずに全画素プリントできるようにしたが、P液
データを間引いてプリントしても良い。図28にその一
例として本実施例の変形例を示した。これは上述した第
2実施例と第1走査目と第3走査目の往路プリントにお
いて、P液データをインクデータと同様に千鳥状に間引
いたものである。通常インクドロップレットの量は紙面
上の各画素に与えられた面積よりも大きく広がるように
設計されている。これは印字率100%データの領域に
対して白紙の部分が全く見えないようにするためであ
り、上記のようにプリント画素自体は50%しか印字さ
れていなくても被プリント材上では図29に示すように
ほとんどの領域が覆われた状態になっている。従って、
第1走査または第3走査のように往路印字にて千鳥状に
プリントした場合、ほとんどの領域がP液で覆われてい
るため、復路プリント時にP液を吐出しなくても、充分
に耐水性が発揮される。また、P液データを間引いたこ
とによって、P液の消費量が大幅に軽減することができ
た。P液データの間引き率は特に限定するものではな
く、これ以外のデューティで間引いてもよい。また、本
実施例では同一領域を2回の走査で画像が完成されるよ
うにしたが、これをさらに多い走査回数で完成させるよ
うにしても良い。
【0135】ここで、本実施例に使用したインクとP液
の処方の一例を以下に示す。
【0136】 Yインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% アセチノールEH(川研ケミカル) 1.0重量% 染料C.I.ダイレクトイエロー142 2.0重量% 水 82.0重量% Mインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% アセチノールEH(川研ファインケミカル) 1.0重量% 染料C.I.アシッドレッド289 2.5重量% 水 81.5重量% Cインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% アセチノールEH(川研ファインケミカル) 1.0重量% 染料C.I.ダイレクトブルー199 2.5重量% 水 81.5重量% Bkインク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% 染料フードブラック 23.0重量% 水 78.0重量% プリント性向上液(P液) ポリアリルアミン塩酸塩 5.0重量% 塩化ベンザルコニウム 1.0重量% ジエチレングリコール 10.0重量% アセチノールEH(川研ファインケミカル) 0.5重量% 水 83.5重量% ここで、Y,M,C,Bkインクの色材として染料を使
用した例を示したがこれに限定されることなく、色材と
して例えば顔料を使用したもの、あるいは染料と顔料を
混合したもの等でも良い。色材を含有した各インクが凝
集する最適なプリント性向上液を使用することで同様な
効果が得られる。
【0137】(第10の実施例)図30は本発明のイン
クジェットプリント方法の第10の実施例を説明するた
めの模式図である。ここでも先の実施例と同様に説明の
便宜上8ノズルのヘッドを用いてプリントする様子を示
している。本実施例では、先ずインク用のインクジェッ
トプリントヘッド及びP液用のインクジェットヘッドを
載せた図24に示したキャリッジ706は往路印字にお
いては画像データを311の千鳥状に間引いた画素へ、
矢印方向に進みながら、インク画像とP液画像をプリン
トしていく(第1走査)。この時、キャリッジ上に搭載
されたヘッドの配列は、キャリッジ右側から順にプリン
ト性向上液,Bk,C,M,Yの順に配列されているこ
とから、各画素ではP液が着弾されてからインクが着弾
するようになる。次に紙送りローラによって図中矢印y
方向に4画素分紙送りを行うことによって、相対的にプ
リントヘッドは図中312の状態に対応した位置とな
る。この状態からプリントヘッドは矢印方向に復印字を
行う(第2走査)。この時にはP液を吐出させずに、イ
ンクのみの画像データを逆千鳥状に間引いた画素にプリ
ントすることによって上から4画素分の画像が補完され
て完成する。ここでまた紙送りローラによって図中矢印
y方向に4画素分紙送りを行うことによって、プリント
ヘッドは図中313のプリント状態に対応した位置に待
機させ、矢印方向に進みながらP液とインクの画像デー
タを千鳥状に間引いた画素に往路印字を行う(第3走
査)。その後は同様に第4走査へとつないでいく。
【0138】本実施例も常にP液がプリントされたとこ
ろにインクが着弾するようにしているため、画像濃度も
高く、しかもインクドットに関しては分割プリント法に
よるノズルのばらつきやつなぎスジなどに起因するムラ
のないきれいな画像が得られる。しかもP液画像は50
%に間引かれているためにP液の消費量を大幅に軽減で
きる。P液のプリント画素に注目すると、分割プリント
法にはなってはいないが、プリント性向上液はほとんど
無色、または淡色であるため、ほとんどその影響はみら
れなかった。
【0139】本実施例では千鳥状に間引いたが、間引き
率は特に50%に限定されず、これ以外のデューティで
間引いてもよい。また、本実施例では同一領域を2回の
走査で画像が完成されるようにしたが、これをさらに多
い走査回数で完成させるようにしても良い。
【0140】(第11の実施例)図31は本発明のイン
クジェットプリント方法の第11の実施例を説明するた
めの模式図である。ここでも説明の便宜上、8ノズルヘ
ッドでの構成とした。
【0141】まず、インク用のインクジェットプリント
ヘッド及びプリント性向上液用のインクジェットヘッド
を載せたキャリッジ2は往路印字において321に示し
た画素へ、矢印方向に進みながら、インク画像とP液画
像をプリントしていく(第1走査)。ここでは、P液デ
ータについては全く間引かずにプリントを行い、インク
データは千鳥状に間引かれた画素にのみプリントが許さ
れる。この時、キャリッジ上に搭載されたヘッドの配列
は、キャリッジ右側から順にP液,Bk,C,M,Yの
順に配列されていることから、インクがプリントされる
各画素にはP液が先に着弾するようになる。次に紙送り
ローラが通常とは逆に、すなわち図中矢印y方向とは逆
方向に4画素分紙送りを行うことによって、相対的にプ
リントヘッドは図中322の状態に対応した位置とな
る。この状態からプリントヘッドは矢印方向に復印字を
行う(第2走査)。この時にはP液データをプリントさ
れずにインクデータのみを逆千鳥状に間引いた画素にだ
けプリントさせることにより、上から4画素分の画像が
補完され完成する。復路でプリントされる領域はすでに
往路走査でプリントされた領域であるので、復路でプリ
ントされる画素にはすでにP液が付着された状態になっ
ている。したがって、復路でプリントされた画素も往路
と同様にプリント性向上液が施された上にインクが重ね
られる。次に、紙送りローラによって図中矢印y方向に
12画素分(全ノズル数+4画素)紙送りすることによ
って図中323の位置にヘッドを待機させ、再び往路プ
リントを行う(第3走査)。その後は第4走査へとつな
いでいく。
【0142】本実施例では、全画素に対してP液が施さ
れた後にインクが付着するようにしたためプリント濃度
が高く、しかもムラのないきれいなプリント画像が得ら
れた。また、実施例と比べて、本実施例では、P液デー
タを間引かずに、インクがプリントされる全画素にp液
を先に着弾させることが可能である。
【0143】本実施例では、往プリント時のP液データ
を間引かずに全画素プリントできるようにしたが、P液
データも間引いてプリントしても良い。図32にその一
例として本実施例の変形例を示した。これは上述した第
2実施例の第1走査目と第3走査目の往路プリントにお
いて、P液データをインクデータと同様に千鳥状に間引
いたものである。P液データが50%に間引かれても実
施例1でも述べたように充分な耐水性が得られた。ま
た、P液データを間引いたことによって、P液の消費量
が大幅に軽減することができた。P液データの間引き率
は特に限定するものではなく、これ以外のデューティで
間引いてもよい。また、本実施例では同一領域を2回の
走査で画像が完成されるようにしたが、これをさらに多
い走査回数で完成させるようにしても良い。
【0144】以上示したそれぞれP液(液体組成物)と
インクとの混合において、本発明では、上述したP液と
インクが被プリント材上あるいは被プリント材に浸透し
た位置で混合する結果、反応の第1段階としてP液中に
含まれているカチオン性物質の内、低分子量の成分また
はカチオン性オリゴマーとインクに使用しているアニオ
ン性基を有する水溶性染料または顔料インクに使用して
いるアニオン性化合物とがイオン的相互作用により会合
を起こし、瞬間的に溶液相から分離を起こす。この結果
顔料インクにおいては分散破壊が起こり、顔料の凝集体
ができる。
【0145】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質またはカチオン性オリゴマー
との会合体または顔料の凝集体がP液中に含まれる高分
子成分により吸着されるために、会合で生じた染料の凝
集体または顔料の凝集体のサイズがさらに大きくなり、
被プリント材の繊維間の隙間に入り込みにくくなり、そ
の結果として固液分離した液体部分のみが記録紙中にし
みこむことにより、プリント品位と定着性との両立が達
成される。同時に上述したようなメカニズムにより生成
したカチオン物質の低分子成分またはカチオン性オリゴ
マーとアニオン性染料とカチオン性物質とで形成される
凝集体または顔料の凝集体は粘性が大きくなり、液媒体
の動きとともに移動することがないので、フルカラーの
画像形成時のように隣接したインクドットが異色のイン
クで形成されていたとしても互いに混じり合うようなこ
とはなく、ブリーデイングも起こらない。また、上記凝
集体は本質的に水不溶性であり形成された画像の耐水性
は完全なものとなる。また、ポリマーの遮蔽効果により
形成された画像の耐光堅牢性も向上するという効果も有
する。
【0146】本明細書において使用される不溶化または
凝集として、その一例は前記第1段階のみの現象であ
り、他の例は第1段階と第2段階の両方を含んだ現象で
ある。
【0147】(第12の実施例)本実施例は図19〜図
23に示したインクジェットプリント装置を用いた2パ
スプリント方式を採用したインクジェットプリント方法
に係るものである。
【0148】図33は、2パスプリントのプリント過程
を示す図である。
【0149】図33において、被プリント材106はA
4サイズの普通紙で、その上をヘッドユニット103が
相対的に移動しながらプリントしている状態を示す。同
図中のSは、ヘッドユニット103内の一番右側に位置
して上下方向に列状に並ぶプリント性向上液の吐出口を
示す。同様に、Bk,C,M,Yは、それぞれBk,
C,M,Yインク吐出用の吐出口を示す。ヘッドユニッ
ト103は、矢印X1方向で往路のプリント動作をし、
また矢印X2方向で復路のプリント動作をする。図中の
右側の番号1、2、3、4はヘッドユニット103が主
走査方向にプリント動作した回数を示し、その番号のカ
ッコは、それらのプリント動作時におけるプリント範囲
を示す。図33では、4回目の走査途中でのプリント動
作の様子を示す。単位プリント領域に対して2回の走査
でプリントをするため、一般に、2パスプリントと呼ば
れる。また、ここでは、往路も復路もプリント動作する
ため、2パス双方向プリントとなる。
【0150】図34(a)、(b)、(c)、(d)お
よび(e)は、2パスプリント方式におけるプリント性
向上液の吐出データ用のマスク、およびY,M,C,B
kの各色インクのプリントデータ用のマスクの説明図で
ある。同図(a)は第1パス目のプリント性向上液の吐
出データ用のマスク(以下、単に「S用マスク」ともい
う)、同図(b)は第2パス目のS用マスク、同図
(c)は、プリント領域において設定したマトリクスM
s1をそれぞれ説明する図である。同図(d)は、Y,
M,C,Bkの各色インクの1パス目のプリントデータ
用のマスク、同図(e)は、Y,M,C,Bkの各色イ
ンクの2パス目のプリントデータ用のマスクをそれぞれ
説明するための図である。同図(d)と(e)とは、相
補の関係としてある。また、同図(a),(b),
(d),(e)の各マスクともに、主走査方向であるX
方向に4画素、X方向と直交する副走査方向であるY方
向に2画素を基本とする(4×2)画素分のサイズに相
当する。図34(a)、(b)、(c)、(d)および
(e)中の最小のマス目は最小プリント画素を示す。
【0151】S用マスクは、図34(c)のマトリクス
Ms1を基本マトリクスとし、このマトリクスMs1を
単位にしてプリント性向上液の吐出データ(以下、「S
データ」ともいう)を決定する。マトリクスMs1の要
素は、m11,m12,m13,m14,m21,m2
2,m23,m24の8画素分である。従って、マトリ
クスMs1の実際の大きさは、X方向は4画素分の(約
70μm×4)、Y方向は2画素分の(約70μm×
2)である。
【0152】以下に、Sデータを作成する過程を示す。
【0153】まず、第1パス目では、Yインクのプリン
トデータ(以下、単に「Yプリントデータ」ともいう)
との関係において、図7(a)のSデータMs1−Y1
を決定する。すなわち、マトリクスMs1に対し、m1
1、m12、m21、m22の(2×2)のサブマトリ
クスに注目し、それらのm11、m12、m21、また
はm22のいずれかにYインクを吐出させるためのYプ
リントデータ(以下、「Y吐出データ」という)があれ
ば、m11に対応するSデータをON(プリント性向上
液吐出)にする。それらのm11、m12、m21、ま
たはm22のいずれにもY吐出データが無ければ、m1
1に対応するSデータをOFF(プリント性向上液非吐
出)にする。SデータMs1−Y1において、m12,
m21,m22に対応するSデータは必ずOFFであ
り、また、m13,m14,m23,m24に対応する
Sデータは必ずOFFである。このようにして、Yプリ
ントデータに対応する1パス目のSデータMs1−Y1
が決定される。
【0154】同様に、Mインクのプリントデータ(以
下、単に「Mプリントデータ」ともいう)との関係にお
いて、図34(a)のSデータMs1−M1を決定す
る。すなわち、m11、m12、m21、またはm22
のいずれかにMインクを吐出させるためのMプリントデ
ータ(以下、「M吐出データ」という)があれば、m1
2に対応するSデータをON(プリント性向上液吐出)
にする。それらのm11、m12、m21、またはm2
2のいずれにもM吐出データが無ければ、m12に対応
するSデータをOFF(プリント性向上液非吐出)にす
る。SデータMs1−M1において、m11,m21,
m22に対応するSデータは必ずOFFであり、また、
m13,m14,m23,m24に対応するSデータは
必ずOFFである。このようにして、Mプリントデータ
に対応する1パス目のSデータMs1−M1が決定され
る。
【0155】同様に、Cインクのプリントデータ(以
下、単に「Cプリントデータ」ともいう)との関係にお
いて、図34(a)のSデータMs1−C1を決定す
る。すなわち、m11、m12、m21、またはm22
のいずれかにCインクを吐出させるためのCプリントデ
ータ(以下、「C吐出データ」という)があれば、m2
2に対応するSデータをON(プリント性向上液吐出)
にする。それらのm11、m12、m21、またはm2
2のいずれにもC吐出データが無ければ、m22に対応
するSデータをOFF(プリント性向上液非吐出)にす
る。SデータMs1−C1において、m11,m12,
m21に対応するSデータは必ずOFFであり、また、
m13,m14,m23,m24に対応するSデータは
必ずOFFである。このようにして、Cプリントデータ
に対応する1パス目のSデータMs1−C1が決定され
る。
【0156】同様に、Bkインクのプリントデータ(以
下、単に「Bkプリントデータ」ともいう)との関係に
おいて、図34(a)のSデータMs1−Bk1を決定
する。すなわち、m11、m12、m21、またはm2
2のいずれかにBkインクを吐出させるためのBkプリ
ントデータ(以下、「Bk吐出データ」という)があれ
ば、m21に対応するSデータをON(プリント性向上
液吐出)にする。それらのm11、m12、m21、ま
たはm22のいずれにもBk吐出データが無ければ、m
21に対応するSデータをOFF(プリント性向上液非
吐出)にする。SデータMs1−Bk1において、m1
1,m12,m22に対応するSデータは必ずOFFで
あり、また、m13,m14,m23,m24に対応す
るSデータは必ずOFFである。このようにして、Bk
プリントデータに対応する1パス目のSデータMs1−
Bk1が決定される。
【0157】そして、第1パス目のSデータは、Y,
M,C,Bkのプリントデータのそれぞれに対応するデ
ータMs1−Y1、Ms1−M1、Ms1−C1、およ
びMs1−Bk1の論理和として作成される。
【0158】第2パス目では、Yプリントデータとの関
係において図34(b)のSデータMs1−Y2を決定
する。すなわち、m13、m14、m23、またはm2
4のいずれかにY吐出データがあれば、m13に対応す
るSデータをON(プリント性向上液吐出)にする。そ
れらのm13、m14、m23、またはm24のいずれ
にもY吐出データが無ければ、m13に対応するSデー
タをOFF(プリント性向上液非吐出)にする。Sデー
タMs1−Y2において、m14,m23,m24に対
応するSデータは必ずOFFであり、また、m11,m
12,m21,m22に対応するSデータは必ずOFF
である。このようにして、Yプリントデータに対応する
2パス目のSデータMs1−Y2が決定される。
【0159】同様にして、M、C、Bkのプリントデー
タに対応する2パス目のSデータMs1−M2、Ms1
−C2、およびMs1−Bk2が決定される。
【0160】そして、第2パス目のSデータは、Y,
M,C,Bkのプリントデータのそれぞれに対応するデ
ータMs1−Y2、Ms1−M2、Ms1−C2、およ
びMs1−Bk2の論理和として作成される。
【0161】これらのSデータは、図23に示したCP
U402がプリントすべきデータを格納したメモリ部4
03をアクセスして、そのプリントすべきデータをヘッ
ドコントロール部410に送る時に、CPU402内に
格納されたプログラムによりリアルタイムに処理されて
作成される。Sデータは、各色のインクのプリントデー
タと同様の扱いでヘッドコントロール部410に送られ
る。そして、それらのSデータおよび各色のインクのプ
リントデータに基づき、プリントすべきプリント位置に
対応させてヘッド102が駆動されて、プリント性向上
液や各色のインクが吐出される。このように、内部プロ
グラムによりSデータの作成処理をしているが、これに
限定されるものではなく、予めホストコンピュータによ
りSデータの処理を行った後にプリント装置に転送する
方法でもよい。あるいは、プリント装置内にSデータの
演算処理を実行するハードウェア部を設けてもよい。
【0162】本例では、マトリクスMs1中の左側の
(2×2)画素分のサブマトリクスを第1パス目のSデ
ータ作成に使用し、右側の(2×2)画素分のサブマト
リクスを第2パス目のSデータ作成に使用した。
【0163】このように、(4×2)画素分のマトリク
スMs1を2つの(2×2)画素分のサブマトリクスに
分け、それぞれを異なるパスに対応させることにより、
2パスプリント方式において、1パス目と2パス目でプ
リント性向上液を均一に吐出することが可能となった。
すなわち、1パス目で全てのプリント性向上液を吐出し
て2パス目ではプリント性向上液を吐出しなかったり、
あるいは1パス目でほとんどのプリント性向上液を吐出
して2パス目ではほとんどプリント性向上液を吐出しな
い場合のような、1パス目と2パス目におけるプリント
性向上液の吐出の不均一をなくすることができる。この
ようなパス毎における均一なプリント性向上液の吐出
は、プリント性向上液とインクとの均一な混合あるいは
均一な反応につながり、プリント性向上液とインクの混
合あるいは反応により得られる効果を最大に発揮させる
ことになる。具体的には、1パス目にプリントした画素
のインクだけ耐水性があり、2パス目にプリントした画
素のインクは耐水性が不十分であるといったような不均
一性が無くなり、全てのパスのプリント画素において耐
水性の性能が得られた。
【0164】また、Y,M,C,Bkのプリントデータ
用のマスクは、図34(d)、(e)のように、(4×
2)画素分のマトリクスMs1毎に対応付けられてお
り、各インク毎において、1パス目と2パス目とは相補
の関係となっている。図34(d)、(e)において、
例えば、白抜き部分に相当する画素では、対応するイン
クの吐出データがあればON(インク吐出)となり、そ
のインクの吐出データがなければOFF(インク非吐
出)となる。また、これらの図34(d)、(e)にお
いて、黒の部分に相当する画素では、対応するインクの
プリントデータの有無に拘わらずOFF(インク非吐
出)となる。
【0165】ところで、画素単位を微視的に見ると、被
プリント材106に対して、まずプリント性向上液が吐
出され次にインクが吐出される部分(SI部)と、まず
インクが吐出され次にプリント性向上液が吐出される部
分(IS部)とが生じ、プリント性向上液の特性によ
り、それらのSI部とIS部とでは色相が異なる場合が
ある。しかし、上述したようにSデータ用のマスクと各
インクのプリントデータ用のマスクとが相異することに
より、巨視的にみると、SI部とIS部が均一に分散さ
れることになる。したがって、均一な色相のプリント画
像を得ることが可能となる。
【0166】さらに、複数色のインクを用いてのプリン
トにおいて、上述したように各パスにおけるSデータ用
のマスクと各インクのプリントデータ用のマスクが全て
異なることにより、プリント性向上液の均一な吐出を行
うことが可能となり、各インクに対してプリント性向上
液の効果が均一に得られた。
【0167】ここで、仮に、特定の画素に対して、プリ
ント性向上液を吐出し、その後インクを吐出し、さらに
プリント性向上液を吐出した場合には、同一画素にプリ
ント性向上液を2回吐出させることになる。このような
プリント性向上液の2回の吐出は、その効果を引き出す
ためにやむをえない場合もあるが、プリント性向上液は
画素単位で分散していることが望ましい。そこで、本実
施例のように、1画素毎において、1パス目と2パス目
のSデータの論理積を零とすることにより、つまり1画
素当たりプリント性向上液の吐出回数を最大1回とする
ようにSデータを決定することにより、そのような問題
は解決される。
【0168】また、1パス目において各画素毎のSデー
タの論理積が零となり、同様に2パス目においても各画
素毎のSデータの論理積が零となるため、各インクのプ
リントデータに対応するSデータが画素単位で分散し、
プリント性向上液と各インクとの混合あるいは反応によ
り得られる効果も均一なものとなる。
【0169】このように1パス目と2パス目における各
画素毎のSデータの論理積、および各パス毎における各
画素毎のSデータの論理積のそれぞれが零であることに
より、プリント性向上液と各インクとの混合あるいは反
応により得られる効果がより大きくなる。
【0170】ここでは、Y、M、C、Bkの各インクの
吐出に関し、単色インクによる均一なプリント領域の場
合には、画素単位で25%の割合でプリント性向上液を
吐出する。これは、100%の割合と比べ、プリント性
向上液の効果である耐水性等に対し得られる効果が同等
であるからである。本来、画像形成には不要であるべき
プリント性向上液を吐出するにあたり、そのプリント性
向上液の使用量を必要最小限にすることは、ランニング
コストを最小限にする上において効果がある。また、液
体としてのプリント性向上液を図19に示した被プリン
ト材106に多量に吐出すると、被プリント材106が
液体成分を吸収して凹凸状になる。この凹凸はプリント
物の品位を直接的に悪化させるばかりではなく、特にマ
ルチパスプリント時のプリント動作中の被プリント材1
06の凹凸により、ヘッド102と被プリント材106
との間の距離が変化し、被プリント材106上における
各インクの着弾位置のズレを生じさせ、プリント品位を
悪化させるという問題につながる。このため、最小限の
体積のプリント性向上液を吐出させることが望ましい。
【0171】また、仮に、Y、M、C、Bkのプリント
データの論理和に対し、単純に25%の割合でプリント
性向上液を吐出すべくデータ処理した場合には、それら
のインクを2つずつ組み合わせた2次色であるR(レッ
ド),G(グリーン),B(ブルー)では、Y、M、C
の各色のインクに対し実質的に半分の12.5%の割合
でプリント性向上液を吐出することになり、プリント性
向上液と各インクとの混合比が減少してしまい、プリン
ト性向上液の効果である耐水性等の特性が悪化する。そ
こで、本実施例1のように、少なくともY、M、Cのプ
リントデータに対応するSデータ用のマスクを異ならせ
て、画素毎のSデータの論理積を零とすることにより、
つまり第1パス目ではデータMs1−Y1、Ms1−M
1、Ms1−C1の画素毎の論理積を全て零とし、また
第2パス目でもデータMs1−Y2、Ms1−M2、M
s1−C2の画素毎の論理積を全て零とすることによ
り、上述したように、画素単位で25%の割合でプリン
ト性向上液を吐出させて、プリント性向上液とインクと
を同一の割合で混合させることが可能となった。
【0172】また、本実施例では、Sデータの画素毎の
論理積を全ての画素について零としているが、それが零
とならない画素が若干あってもよく、その画素の数を最
小に抑えることによって、画素毎におけるプリント性向
上液とインクとをほぼ均一の割合で混合させることが可
能となる。
【0173】このように、Sデータを単純にY、M、C
のプリントデータの論理和に基づいて決定するのではな
く、画素毎の論理積を考慮して決定することにより、2
次色用のSデータは1次色用のSデータのデューティー
の1/2よりも多く、また、最大で1次色用のSデータ
と同じデューティーとし、単純にY、M、Cのプリント
データの論理和からSデータを算出する場合に比べ、2
次色でのSデータのデューティーを高め、2次色でのプ
リント性向上液の効果を高めることができた。
【0174】なお、本実施例のように4色のインクを使
用して、25%デューティーのSデータを作成すること
はデータ処理の都合でも有利である。一般に、(2のn
乗(nは1以上の整数)分の1)×100%は処理装置
の演算がしやすく、ここでは、さらに4色のインクを使
用しているため、各インクのプリントデータに対応する
Sデータ用のマスクとして独立の異なったマスクを用意
できるメリットにつながる。
【0175】また、各色毎に25%以下のデューティー
でSデータを作成することにより、各色対応のSマスク
の論理積を零にすることが可能となる。プリント性向上
液の効果がある限りデューティーは小さいほどよい。
【0176】また、インクとプリント性向上液を吐出す
る複数ずつの吐出口23を有するヘッド102におい
て、マルチパスプリント時でのプリント性向上液の吐出
に関し、複数のプリント性向上液の吐出口23を均一に
使用して、プリント性向上液吐出部の寿命を長くするこ
とが可能となり、さらには、複数のプリント性向上液の
吐出口23にばらつきがあっても、被プリント材106
に対する均一なプリント性向上液の吐出が可能となっ
た。
【0177】もし仮に、SデータをY、M、C、Bkの
プリントデータの論理和に基づいて単純に決定した場合
には、プリント性向上液の吐出口23の内、先行する特
定のものの使用頻度が高くなってしまう。すなわち、マ
ルチパスプリントでありながら、プリント性向上液は最
初の1パス目で吐出される確立が高くなってしまい、先
行する特定のプリント性向上液の吐出口の寿命が短くな
る。また、1パス目のプリントのときに、複数の吐出口
23からのプリント性向上液の吐出量やヨレ(吐出方
向)等の不均一さがそのまま現れてしまい、プリント動
作を複数回に分けて、複数の吐出口からのプリント性向
上液の吐出量やヨレ等の不均一さを打ち消すことができ
なくなってしまう。本発明によりこれらの問題は解消さ
れる。
【0178】ここで、使用したインクとプリント性向上
液の処方は以下のようである。
【0179】 Y(イエロー)インク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% アセチレノールEH(川研ファインケミカル) 1.0重量% 染料C.I.ダイレクトイエロー142 2.0重量% 水 78.0重量% M(マゼンタ)インク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% アセチレノールEH(川研ファインケミカル) 1.0重量% 染料C.I.アシッドレッド289 2.5重量% 水 77.5重量% C(シアン)インク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% アセチレノールEH(川研ファインケミカル) 1.0重量% 染料C.I.ダイレクトブルー199 2.5重量% 水 77.5重量% Bk(ブラック)インク グリセリン 5.0重量% チオジグリコール 5.0重量% 尿素 5.0重量% イソプロピルアルコール 4.0重量% 染料フードブラック2 3.0重量% 水 78.0重量% S(プリント性向上液) ポリアリルアミン塩酸基 5.0重量% 塩化ベンザルコニウム 1.0重量% ジエチレングリコール 10.0重量% アセチレノールEH(川研ファインケミカル) 0.5重量% 水 83.5重量% このように、Y、M、CインクにはBkインクに比べ界
面活性剤であるアセチレノールEHを1.0%添加し浸
透性を向上させてある。このため、Y、M、Cインクは
Bkインクに比べ、定着性が優れている。一方、Bkイ
ンクは、Y、M、Cインクに比べ浸透性がやや悪いがプ
リント濃度が高くエッジ部のシャープさが良いため、文
字や線画のプリントに適している。また、プリント性向
上液にもアセチレノールEHを0.5%添加し、やや浸
透性を向上させてある。
【0180】なお、本発明を実施するにあたって、使用
するインクは特に染料インクに限るものではなく、顔料
を分散させた顔料インクを用いることもできるし、使用
するプリント性向上液はその顔料を凝集させるものを用
いることができる。前記した無色液体A1と混合して凝
集を引き起こす顔料インクの一例として以下のものを挙
げることができる。すなわち、下記に述べるようにし
て、それぞれ顔料とアニオン性化合物とを含むイエロ
ー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色インク、Y2,
M2,C2およびK2を得ることができる。
【0181】ブラックインクK2 アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エ
チルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,0
00、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウ
ム)を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦
型サンドミル(アイメックス製)に仕込み、1mm径の
ガラスビーズをメディアとして充填し、水冷しつつ3時
間分散処理を行った。分散後の粘度は9cps、pHは
10.0であった。この分散液を遠心分離機にかけ粗大
粒子を除去し、重量平均粒径100nmのカーボンブラ
ック分散体を作製した。
【0182】 (カーボンブラック分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 40部 ・カーボンブラック Mogul L (キャブラック製) 24部 ・グリセリン 15部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 次に、上記で得られた分散体を充分に拡散して顔料が含
有されたインクジェット用のブラックインクK2を得
た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0183】イエローインクY2 アニオン系高分子P−2(スチレン−アクリル酸−メチ
ルメタアクリレート、酸価280、重量平均分子量1
1,000、固形分20%の水溶液、中和剤:ジエタノ
ールアミン)を分散剤として用い、以下に示す材料を用
いて、ブラックインクK2の作製の場合と同様に分散処
理を行い、重量平均粒径103nmのイエロー色分散体
を作製した。
【0184】 (イエロー分散体の組成) ・P−2水溶液(固形分20%) 35部 ・C.I.ピグメントイエロー180 24部 (ノバパームイエロー PH−G、ヘキスト製) ・トリエチレングリコール 10部 ・ジエチレングリコール 10部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 1.0部 ・イソプロピルアルコール 0.5部 ・水 135部 上記で得られたイエロー分散体を充分に拡散して、顔料
が含有されたインクジェット用のイエローインクY2を
得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0185】シアンインクC2ブラックインクK2の作
製の際に使用したアニオン系高分子P−1を分散剤とし
て用い、以下に示す材料を用いて、前記したカーボンブ
ラック分散体の場合と同様の分散処理を行い、重量平均
粒径120nmのシアン色分散体を作製した。
【0186】 (シアン色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 30部 ・C.I.ビグメントブルー15:3 24部 (ファストゲンブル−FGF、大日本インキ化学) ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたシアン色分散体を充分に攪拌して、顔料
が含有されたインクジェット用のシアンインクC2を得
た。最終調製物の固形分は、約9.6%であった。
【0187】マゼンタインクM2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径115nmのマゼンタ色分
散体を作製した。
【0188】 (マゼンタ色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 20部 ・C.I.ピグメントレッド122(大日本インキ化学) 24部 ・グリセリン 15部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたマゼンタ色分散体を充分に拡散して、顔
料が含有されたインクジェット用のマゼンタインクM2
を得た。最終調製物の固形分は、約9.2%であった。
【0189】以上示したそれぞれプリント性向上液(液
体組成物)とインクとの混合において、本発明では、上
述したプリント性向上液とインクが被プリント材上ある
いは被プリント材に浸透した位置で混合する結果、反応
の第1段階としてプリント性向上液中に含まれているカ
チオン性物質の内、低分子量の成分またはカチオン性オ
リゴマーとインクに使用しているアニオン性基を有する
水溶性染料または顔料インクに使用しているアニオン性
化合物とがイオン的相互作用により会合を起こし、瞬間
的に溶液相から分離を起こす。この結果顔料インクにお
いては分散破壊が起こり、顔料の凝集体ができる。
【0190】次に、反応の第2段階として、上述した染
料と低分子カチオン性物質またはカチオン性オリゴマー
との会合体または顔料の凝集体がプリント性向上液中に
含まれる高分子成分により吸着されるために、会合で生
じた染料の凝集体または顔料の凝集体のサイズがさらに
大きくなり、被プリント材の繊維間の隙間に入り込みに
くくなり、その結果として固液分離した液体部分のみが
記録紙中にしみこむことにより、プリント品位と定着性
との両立が達成される。同時に上述したようなメカニズ
ムにより生成したカチオン物質の低分子成分またはカチ
オン性オリゴマーとアニオン性染料とカチオン性物質と
で形成される凝集体または顔料の凝集体は粘性が大きく
なり、液媒体の動きとともに移動することがないので、
フルカラーの画像形成時のように隣接したインクドット
が異色のインクで形成されていたとしても互いに混じり
合うようなことはなく、ブリーデイングも起こらない。
また、上記凝集体は本質的に水不溶性であり形成された
画像の耐水性は完全なものとなる。また、ポリマーの遮
蔽効果により形成された画像の耐光堅牢性も向上すると
いう効果も有する。
【0191】本明細書において使用される不溶化または
凝集として、その一例は前記第1段階のみの現象であ
り、他の例は第1段階と第2段階の両方を含んだ現象で
ある。
【0192】また、本発明の実施にあたっては、従来技
術のように分子量の大きいカチオン性高分子物質や多価
の金属塩を使用する必要がないか、あるいは使用する必
要があっても本発明の効果をさらに向上させるために補
助的に使用するだけで良いので、その使用量を最小限に
抑えることができる。その結果として、従来のカチオン
性高分子物質や多価金属塩を使用して耐水化効果を得よ
うとした場合の問題点であった染料の発色性の低下がな
くなるということを本発明の別の効果として挙げること
ができる。
【0193】なお、本発明を実施するにあたって使用す
る被プリント材については特に制限されるものではな
く、従来から使用されているコピー用紙、ボンド紙等の
いわゆる普通紙を好適に用いることができる。もちろん
インクジェットプリント用に特別に作製したコート紙や
OHP用透明フィルムも好適に使用でき、また、一般の
上質紙や光沢紙も好適に使用可能である。
【0194】(第13の実施例)第12の実施例では、
マトリクスMs1の図34(a)〜(c)中左側の(2
×2)画素分のプリントデータを第1パス目のSデータ
作成に使用し、図34(a)〜(c)中右側の(2×
2)画素分のプリントデータを第2パス目のSデータ作
成に使用した。しかし、これに限定されるものではな
く、マトリクスMs1を色毎に複数のサブマトリクスに
分け、それぞれを異なるパスでプリントすることによ
り、プリント性向上液を均一に吐出することが可能であ
る。
【0195】図35(a)、(b)および(c)は、そ
れぞれ2パスプリント時のSデータ用のマスクの他の例
を示す図である。Y、Mプリントデータに対応する第1
パス目のSデータMs2−Y1,Ms2−M1の作成に
は、左側の(2×2)画素分のプリントデータを使用
し、C,Bkプリントデータに対応する第1パス目のS
データMs2−C1,Ms2−Bk1の作成には、右側
の(2×2)画素分のプリントデータを使用する。2パ
ス目では、それぞれ異なる側のプリントデータを使用し
た。
【0196】この処理により、第1の実施例に比べ、
Y、M、C、Bkの全インクに対して、さらに平均的な
Sデータが作成できるようになった。
【0197】(第14の実施例)第12の実施例では、
2パスプリント時におけるプリント性向上液の均一な吐
出を実現する方法を示した。しかし、これに限定される
ものではなく、4パス、8パス等の2パス以上のマルチ
パス時の全てにおいても本発明は有効である。
【0198】図36(a)、(b)、(c)および
(d)は、4パスプリント時のSデータ用のマスクを示
す図である。同図(a)は第1パス目、同図(b)は第
2パス目、同図(c)は第3パス目、同図(d)は第4
パス目のそれぞれにおけるSデータ用のマスクである。
それぞれ左から、Y、M、C、Bkのプリントデータに
対応するSデータを示す。
【0199】ここでは、(4×4)画素分のマトリクス
Ms3を、各インク毎に(2×2)画素分ずつの4つの
サブマトリクスに分け、それぞれを異なるパスでプリン
トすることにより、4パスプリント時において、各イン
クに対するプリント性向上液を均一に吐出することが可
能となった。
【0200】Yプリントデータに対応するSデータにつ
いては、図中左上側の(2×2)画素分のサブマトリク
スを、第1パス目のSデータMs3−Y1の作成に使用
し、右上側の(2×2)画素分のサブマトリクスを、第
2パス目のSデータMs3−Y2の作成に使用し、右下
側の(2×2)画素分のサブマトリクスを、第3パス目
のSデータMs3−Y3の作成に使用し、左上側の(2
×2)画素分のサブマトリクスを、第4パス目のSデー
タMs3−Y4の作成に使用する。M、C、Bkのプリ
ントデータに対応するSデータについては、図36
(a)〜(d)に示すように、この順序で使用するサブ
マトリクスを時計方向にずらした。また、(2×2)画
素分の各サブマトリクス内において、Y、M、C、Bk
のプリントデータのそれぞれに対応する各SデータがO
Nとなる位置は、Yに対応するものを左上、Mに対応す
るものを右上、Cに対応するものを左下、Bkに対応す
るものを左下とした。
【0201】ここで、例えば、Yプリントデータに対応
するSデータは、1パス目では、(4×4)画素分のマ
トリクスMs2の内の左上の(2×2)画素分のサブマ
トリクスにおいて、m11、m12、m21、またはm
22のいずれかにY吐出データが有れば、m11の位置
のSデータをONとし、他のm12,m21,m22の
位置のSデータはOFFとする。同様にM、C、Bkに
ついてもデータ処理をし、それらのデータMs3−Y
1、Ms3−Y2、Ms3−Y3、Ms3−Y4の論理
和を第1パス目のSデータとする。1〜4パス目も同様
にデータ処理する。ここで、Y、M、C、Bkのプリン
トデータ用のマスクの構成は問わない。
【0202】(第15の実施例)第12の実施例では、
Y、M、C、Bkの各インクの吐出に関し、全面に均一
なプリント領域の場合、画素単位で25%の割合でプリ
ント性向上液を吐出した。しかし、これに限定されるも
のではない。
【0203】もし、Y、M、C、Bkのインクのプリン
ト領域が全面に均一なプリント領域でなく、最小画素単
位でまばらにプリントされた場合には、吐出液Sの吐出
が平均的に25%の割合より多い割合になることが発生
する。
【0204】そこで、例えば、図34(a)の第1パス
目のYプリントデータに対応するSデータについて、m
11、m12、m21、およびm22の4つの内に少な
くとも2つ以上のY吐出データがあれば、Sデータのm
11をONにする。それら4つの内に2つ以上のY吐出
データが無ければSデータのm11はOFFにする。他
のm12,m21,m22のSデータは必ずOFFとす
る。また、m13,m14,m23,m24のSデータ
は必ずOFFとする。このようにしてYインクデータに
対応する第1パス目のSデータMs1−Y1が決定され
る。サブマトリクスは(2×2)画素分であり、その中
の2つ以上のY吐出データがあるか否かをSデータON
の条件とした。これは、サブマトリクス内のY吐出デー
タの割合が50%以上であるか否かを条件としたことと
等価である。
【0205】同様にして、M,C,Bkのプリントデー
タに対応する第1パス目のデータを作成し、それらの第
1パス目のデータの論理和をSデータとする。また、第
2パス目のSデータの同様に作成する。
【0206】このように、各インク毎に、サブマトリク
ス内におけるインクの吐出データの存在割合に応じてS
データのON/OFFを決定することにより、まばらに
プリントされた領域においてもプリント性向上液の平均
的な吐出量を増加させないことになる。
【0207】ここでは、SデータのON/OFFの決定
基準となるインクの吐出データの存在の割合を50%と
しているが、各インクやプリント性向上液の特性に応じ
て、この割合は最適な値に選択することができる。第1
の実施例のインクを使用した場合には、25〜75%に
設定することによって良好な効果が得られた。
【0208】(第16の実施例)第1の実施例では、
Y、M、C、Bkの各インクの吐出に関し、全面に均一
なプリント領域の場合、画素単位で25%の割合でプリ
ント性向上液を吐出した。しかし、これに限定されるも
のではない。使用するインクとプリント性向上液の特性
によっては、例えば各インクに対し画素単位で50%の
割合でプリント性向上液を吐出してもよい。
【0209】図37(a)、(b)および(c)は、各
インクに対し50%の割合でプリント性向上液を吐出す
る場合のSデータ用のマスクを示す。本例は、2パスプ
リントの場合の例である。同図(a)は、第1パス目の
Sデータ用のマスク、同図(b)は、第2パス目のSデ
ータ用のマスク、同図(c)は、プリント領域において
設定したマトリクスMs4をそれぞれ説明する図であ
る。Y、M、C、Bkのプリントデータの1パス目と2
パス目用のマスクは第12の実施例と同様のマスクで良
い。
【0210】Sデータ用のマスクは、主走査方向である
X方向に4画素、X方向と直交する副走査方向であるY
方向に2画素を基本とする(4×2)画素分のマトリク
スMs4のサイズに対応するマスクである。図で最小の
マス目は最小プリント画素を示す。
【0211】Sデータ用のマスクは、マトリクスMs4
を基本マトリクスとし、このマトリクスを単位としてS
データを決定する。マトリクスMs4の要素は、m1
1,m12,m13,m14,m21,m22,m2
3,m24の8つの画素に相当する。したがって、マト
リクスMs4の実際の大きさは、X方向は(約70μm
×4)、Y方向は(約70μm×2)である。
【0212】以下に、Sデータを作成する過程を示す。
【0213】第1パス目では、Yプリントデータに対応
するSデータについては、マトリクスMs4内の左側の
(2×2)画素分のサブマトリクスに注目し、m11、
m12、m21、m22の4つ内に2(=N4)個以上
のY吐出データがあれば、Sデータのm11とm12を
ON(プリント性向上液吐出)とし、他のm13、m1
4、m21、m22、m23、m24はOFF(プリン
ト性向上液非吐出)にする。また、2(=N4)個以上
のY吐出データが無ければ、m11〜m24の全てのS
データはOFFにする。このようにしてYプリントデー
タに対応する第1パス目のSデータMs4−Y1が決定
される。
【0214】同様に、Mプリントデータに対応するSデ
ータについては、左側のサブマトリクスのm11、m1
2、m21、m22の内に2(=N4)個以上のM吐出
データがあれば、Sデータのm12とm22をONに
し、他のm11、m13、m14、m21、m23、m
24はOFFにする。また、2(=N4)個以上のM吐
出データが無ければ、m11〜m24の全てのSデータ
はOFFにする。このようにしてMプリントデータに対
応する第1パス目のSデータMs4−M1が決定され
る。
【0215】同様に、Cプリントデータに対応するSデ
ータについては、右側のサブマトリクスのm13、m1
4、m23、m24の内に2(=N4)個以上のC吐出
データがあれば、Sデータのm23とm24をONに
し、他のm11、m12、m13、m14、m21、m
22はOFFにする。また、2(=N4)個以上のC吐
出データが無ければ、m11〜m24の全てのSデータ
はOFFにする。このようにしてCプリントデータに対
応する第1パス目のSデータMs4−C1が決定され
る。
【0216】同様に、Bkプリントデータに対応するS
データについては、右側のサブマトリクスのm13、m
14、m23、m24の内に2(=N4)個以上のBk
吐出データがあれば、Sデータのm13とm23をON
にし、他のm11、m12、m14、m21、m22、
m24はOFFにする。また、2(=N4)個以上のB
k吐出データが無ければ、m11〜m24の全てのSデ
ータはOFFにする。このようにしてBkプリントデー
タに対応する第1パス目のSデータMs4−Bk1が決
定される。
【0217】そして、第1パス目のSデータは、Y、
M,C,Bkのそれぞれに対応するデータMs4−Y
1、Ms4−M1、Ms4−C1、Ms4−Bk1の論
理和として作成する。
【0218】第2パス目では、Yプリントデータに対応
するsデータについては、左側のサブマトリクスのm1
3、m14、m23、m24の4個の内に2(=N4)
個以上のY吐出データがあれば、Sデータのm13とm
14をONにし、他のm11、m12、m21、m2
2、m23、m24はOFFにする。また、2(=N
4)個以上のY吐出データが無ければ、m11〜m24
の全てのSデータはOFFにする。このようにしてYプ
リントデータに対応する第2パス目のSデータMs4−
Y2が決定される。
【0219】同様に、Mプリントデータに対応するSデ
ータについては、右側のサブマトリクスのm13、m1
4、m23、m24の内に2(=N4)個以上のM吐出
データがあれば、Sデータのm14とm24をONに
し、他のm11、m12、m13、m21、m22、m
23はOFFにする。また、2(=N4)個以上のM吐
出データが無ければ、m11〜m24の全てのSデータ
はOFFにする。このようにしてMプリントデータに対
応する2パス目のSデータMs4−M2が決定される。
【0220】同様に、Cプリントデータに対応するSデ
ータについては、左側のサブマトリクスのm11、m1
2、m21、m22の内に2(=N4)個以上のC吐出
データがあれば、Sデータのm21とm22をONに
し、他のm11、m12、m13、m14、m23、m
24はOFFにする。また、2(=N4)個以上のC吐
出データが無ければ、m11〜m24の全てのSデータ
はOFFにする。このようにしてCプリントデータに対
応する2パス目のSデータMs4−C2が決定される。
【0221】同様に、Bkプリントデータに対応するS
データについては、左側のサブマトリクスのm11、m
12、m21、m22の内に2(=N4)個以上のBk
吐出データがあれば、Sデータのm11とm21をON
にし、他のm12、m13、m14、m22、m23、
m24はOFFにする。また、2(=N4)個以上のB
k吐出データが無ければ、m11〜m24の全てのSデ
ータはOFFにする。このようにしてBkプリントデー
タに対応する2パス目のSデータMs4−Bk2が決定
される。
【0222】そして、第2パス目のSデータは、Y、
M,C,Bkのそれぞれに対応するデータMs4−Y
2、Ms4−M2、Ms4−C2、Ms4−Bk2の論
理和として作成する。
【0223】本例では、N4=2としたが、プリント性
向上液とインクの特性によっては、N4=3または、N
4=4としてもよい。
【0224】また、YとMのプリントデータに対応する
Sデータの作成の用として、1パス目では左側のサブマ
トリクス、2パス目では右側のサブマトリクスを注目画
素として処理し、逆に、CとBkのプリントデータに対
応するSデータの作成用として、1パス目では右側のサ
ブマトリクス、2パス目では左側のサブマトリクスを注
目画素として処理したが、注目画素の設定はどちらでも
よい。また、色毎に全て異なる注目画素としても良い。
【0225】(第17の実施例)これまでの実施例にお
いて、ヘッド102は、複数のインク吐出部とプリント
性向上液吐出部とが主走査方向に並べられているが、こ
れに限定されることなく、例えば、複数のインク吐出部
とプリント性向上液吐出部とが副走査方向に配置された
ものであってもよい。
【0226】図38は、ヘッド102の他の構成を示す
図である。このヘッド102は、副走査方向(P)に
Y、M、Cのインク吐出部が配置されている。また、プ
リント性向上液吐出部とBkのインク吐出部は主走査方
向(Q)に配置されている。このヘッド102の場合で
も、各インク吐出部とプリント性向上液吐出部とプリン
ト画素との関係についての考え方は同様である。異なる
点は、同一の主走査でY、M、Cのインク吐出部が同一
のプリント位置をプリントしない点である。ただし、複
数回の主走査と被プリント材106の副走査動作によ
り、画素単位でのY、M、C、Bkのインクやプリント
性向上液の吐出は、実施例1に示すヘッド102の配置
の場合と同様となり、ヘッド102における各インク吐
出部やプリント性向上液吐出部の配置には依存しない。
【0227】また、これまでの実施例では、ヘッド10
2に、電気・熱変換素子としての発熱体30を備えた例
を示したが、これに限定されることなく、例えば電気・
機械変換素子を使用してインクやプリント性向上液を吐
出するものであってもよい。
【0228】図39は、電気・機械変換素子を使用した
ヘッドの構成例である。ここで38は電気・機械変換素
子としての圧電素子である。その他、ヘッドの構成は問
わない。
【0229】上記各実施例では、被プリント材の同一範
囲に対して複数回のスキャンによりプリントインクを吐
出する、いわゆるマルチパス方式を採用して説明した
が、以下に示すシングルパス方式も本発明に適用可能で
ある。
【0230】図40は、本発明の一実施例に係るプリン
ト過程を示す説明図である。
【0231】プリント動作が開始されると、プリントデ
ータに従い被プリント材106に対し、まず各色ヘッド
の吐出個数に対応した個所にヘッド31からプリント性
向上液を吐出し、次にBkヘッド30Kからの吐出、次
にY,M,Cヘッド30Y,30M,30Cからの吐出
を順次行う。これにより、まずSとBkが混合し不溶化
する。次にSとY,M,Cが混合し不溶化する。
【0232】図40は、ヘッドを搭載したキャリッジが
第4回目の主走査(以下、スキャンともいう)を行って
いる過程を示す。
【0233】プリント動作は、ヘッドが矢印Rで示す右
方向に移動する方向のみで行い、左方向に移動するバッ
クスキャン時にはプリント動作は行わない。また、各イ
ンクにおいて同一のプリント領域を1回のスキャンでプ
リントする。すなわち、1パス片方向のプリントを行
う。
【0234】図40中、C1〜C4、M2〜M4および
Y3,Y4で示す長さは、Cヘッド30C、Mヘッド3
0MおよびYヘッド30Yのそれぞれにより、ヘッドユ
ニット102の第n回目(図の例ではn=1,2,3,
4)のスキャンでプリントする走査領域(の幅)を表わ
している。これから明らかなように、Y,M,Cのイン
クに関して、プリントの開始時である第1スキャンでは
Cヘッド30Cの吐出口群の一部のみから吐出を行って
幅C1の領域にプリントを行う。なお、このとき、Sヘ
ッド31およびKヘッド30Kからも幅C1の走査領域
に対してそれぞれの吐出データに応じて吐出がなされる
のは勿論である。また、以下に示す第2スキャン以降で
もKヘッド30KについてはCヘッド30Cの吐出を行
う領域と同一の領域を、Sヘッド31についてはC,
M,Y各ヘッドが吐出する領域と同一の領域に対してそ
れぞれの吐出データに応じて吐出がなされる。
【0235】第2スキャンでは、Cヘッド30Cは幅C
2の走査領域に対し、Mヘッド30Mは幅M2の走査領
域に対して吐出を行う。この際、図から明らかなよう
に、前回の第1スキャンでCヘッド30Cによってプリ
ントした領域(C1)の一部に重ねてMヘッド30Mに
よりプリントがなされる(幅M2)。
【0236】第3スキャンでは、さらにYヘッド30Y
についてもY3で示す領域にプリントがなされ(領域Y
3)、第4スキャンで初めて、C,M,Y各ヘッドの全
吐出口を用いたプリントがなされる。
【0237】図40には、上述したようにして第4スキ
ャンでプリントされつつある領域を斜線で示す。
【0238】すなわち、Yヘッド30Yはx方向(主走
査方向)にCMY−x、y方向(副走査方向)にY−y
で示す領域をプリントして行く。Mヘッド30Mはx方
向にCMY−x、y方向にM−yで示す領域をプリント
して行く。Cヘッド30Cはx方向にCMY−x、y方
向にC−yで示す領域をプリントして行く。Bkヘッド
はx方向にBk−x、y方向にC−yで示す領域をプリ
ントして行く。
【0239】ここで、Sヘッド31からの吐出は、上述
したようにそれぞれ主走査方向に重なる色のインクのプ
リント領域に対応した領域に対して行う。この結果、Y
インクに対するプリント性向上液はx方向にS−x、y
方向にY−yで示す領域で吐出される。Mインクに対し
てx方向にS−x、y方向にM−yで示す領域にプリン
ト性向上液を吐出して行く。CおよびBkインクに対し
てはx方向にS−x、y方向にC−yで示す領域をプリ
ントして行く。
【0240】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0241】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0242】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0243】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0244】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0245】また、本発明に記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニ
ング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれと
は別の加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱
手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行な
うことも安定した記録を行なうために有効である。
【0246】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本
発明は極めて有効である。
【0247】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するもの、あるいはインクジェット方式ではイ
ンク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を
行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制
御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時に
インクが液状をなすものであればよい。加えて、積極的
に熱エネルギによる昇温をインクの固形状態から液体状
態への状態変化のエネルギとして使用せしめることで防
止するか、またはインクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いるかして、いずれにしても熱
エネルギの記録信号に応じた付与によってインクが液化
し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達す
る時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネ
ルギによって初めて液化する性質のインクを使用する場
合も本発明は適用可能である。このような場合のインク
は、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60
−71260号公報に記載されるような、多孔質シート
凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持された状
態で、電気熱変換体に対して対向するような形態として
もよい。本発明においては、上述した各インクに対して
最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもの
である。
【0248】さらに加えて、本発明の液体噴射記録ヘッ
ドを使用する記録機構を備えた記録装置の形態として
は、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末とし
て用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写装置、
さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を
採るもの等であってもよい。
【0249】図41は本発明の記録装置をワードプロセ
ッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装置、複
写装置としての機能を有する情報処理装置に適用した場
合の概略構成を示すブロック図である。
【0250】図中、1801は装置全体の制御を行なう
制御部で、マイクロプロセッサ等のCPUや各種I/O
ポートを備え、各部に制御信号やデータ信号等を出力し
たり、各部よりの制御信号やデータ信号を入力して制御
を行なっている。1802はディスプレイ部で、この表
示画面には各種メニューや文書情報およびイメージリー
ダ1807で読み取ったイメージデータ等が表示され
る。1803はディスプレイ部1802上に設けられた
透明な感圧式のタッチパネルで、指等によりその表面を
押圧することにより、ディスプレイ部1802上での項
目入力や座標位置入力等を行なうことができる。
【0251】1804はFM(Frequency M
odulation)音源部で、音楽エディタ等で作成
された音楽情報をメモリ部1810や外部記憶装置18
12にデジタルデータとして記憶しておき、それらメモ
リ等から読み出してFM変調を行なうものである。FM
音源部1804からの電気信号はスピーカ部1805に
より可聴音に変換される。プリンタ部1806はワード
プロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装
置、複写装置の出力端末として、本発明記録装置が適用
されたものである。
【0252】1807は原稿データを光電的に読取って
入力するイメージリーダ部で、原稿の搬送経路途中に設
けられており、ファクシミリ原稿や複写原稿の他各種原
稿の読取りを行なう。1808はイメージリーダ部18
07で読取った原稿データのファクシミリ送信や、送ら
れてきたファクシミリ信号を受信して復号するファクシ
ミリ(FAX)の送受信部であり、外部とのインターフ
ェース機能を有する。1809は通常の電話機能や留守
番電話機能等の各種電話機能を有する電話部である。
【0253】1810はシステムプログラムやマネージ
ャプログラムおよびその他のアプリケーションプログラ
ム等や文字フォントおよび辞書等を記憶するROMや、
外部記憶装置1812からロードされたアプリケーショ
ンプログラムや文書情報さらにはビデオRAM等を含む
メモリ部である。
【0254】1811は文書情報や各種コマンド等を入
力するキーボード部である。
【0255】フロッピィディスクやハードディスク等を
記憶媒体とする外部記憶装置で、この外部記憶装置18
12には文書情報や音楽或は音声情報、ユーザのアプリ
ケーションプログラム等が格納される。
【0256】図42は図41に示した情報処理装置の模
式的外観図である。
【0257】図中、1901は液晶等を利用したフラッ
トパネルディスプレイで、各種メニューや図形情報およ
び文書情報等を表示する。このディスプレイ1901上
にはタッチパネル1803の表面を指等で押圧すること
により座標入力や項目指定入力を行なうことができる。
1902は装置が電話器として機能するときに使用され
るハンドセットである。キーボード1903は本体と脱
着可能にコードを介して接続されており、各種文書情報
や各種データ入力を行なうことができる。また、このキ
ーボード1903には各種機能キー1904等が設けら
れている。1905は外部記憶装置212へのフロッピ
ーディスクの挿入口である。
【0258】1906はイメージリーダ部1807で読
取られる原稿を戴置する用紙戴置部で、読取られた原稿
は装置後部より排出される。またファクシミリ受信等に
おいては、インクジェットプリンタ1907より記録さ
れる。
【0259】なお、上記でディスプレイ部1802はC
RTでもよいが、強誘電性液晶を利用した液晶ディスプ
レイ等のフラットパネルが望ましい。小型、薄型化に加
え軽量化が図れるからである。
【0260】上記情報処理装置をパーソナルコンピュー
タやワードプロセッサとして機能する場合、キーボード
部211から入力された各種情報が制御部1801によ
り所定のプログラムに従って処理され、プリンタ部18
06に画像として出力される。
【0261】ファクシミリ装置の受信機として機能する
場合、通信回線を介してFAX送受信部1808から入
力したファクシミリ情報が制御部1801により所定の
プログラムに従って受信処理され、プリンタ部1806
に受信画像として出力される。
【0262】また、複写装置として機能する場合、イメ
ージリーダ部1807によって原稿を読取り、読取られ
た原稿データが制御部1801を介してプリンタ部18
06に複写画像として出力される。なお、ファクシミリ
装置の受信機として機能する場合、イメージリーダ部1
807によって読取られた原稿データは、制御部180
1により所定のプログラムに従って送信処理された後、
FAX送受信部1808を介して通信回線に送信され
る。
【0263】なお、上述した情報処理装置は図43に示
すようにインクジェットプリンタを本体に内蔵した一体
型としてもよく、この場合は、よりポータブル性を高め
ることが可能となる。同図において、図42と同一機能
を有する部分には、対応する符号を付す。
【0264】以上説明した多機能型情報処理装置に本発
明の記録装置を適用することによって、高品位の記録画
像を高速かつ低騒音で得ることができるため、上記情報
処理装置の機能をさらに向上させることが可能となる。
【0265】
【発明の効果】本発明によれば、インクとプリント性向
上液との打ち込み順序の違いや打ち込み時間差に起因す
る画質の低下を防止することをでき、画像の均一性と発
色性とを兼ね備えた画像を形成することができる。
【0266】本発明によれば、プリント濃度が高く、ム
ラが無く、耐水性が良好なプリント画像を得ることので
きるインクジェットプリント方法を提供することができ
る。また、本発明によれば、電源容量を増やすことなく
かつ印字スピードを低下させずに、上述の優れたプリン
ト画像を得ることのできるインクジェットプリント装置
を提供することができる。
【0267】本発明によれば、同一のプリント範囲に対
して複数回プリント動作をする際、その複数回のプリン
ト動作毎に、プリント性向上液を少なくとも含む液体の
付与形態をインクの付与形態等に応じて設定するため、
その液体の必要最小限の量の付与によって、耐水性や耐
光性等の向上したプリント物や、フェザリングや色間ブ
リードが少なく発色性が良く、またプリント濃度が高い
等の高品位のプリント画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、それぞれ本発明が解決
しようとする課題を示す説明図である。
【図2】(a)、(b)および(c)は、それぞれ本発
明が解決しようとする課題を示す説明図である。
【図3】(a)、(b)および(c)は、それぞれ本発
明が解決しようとする課題を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係るプリント方法を示
す説明図である。
【図5】(a)および(b)は、それぞれ本発明の第1
の実施例方法と従来の方法とを比較する説明図である。
【図6】(a)、(b)および(c)は、それぞれ本発
明の第1の実施例に係るプリント方法を示す説明図であ
る。
【図7】本発明の第2の実施例に係るプリント方法を示
す説明図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係るプリント方法を示
す説明図である。
【図9】本発明の第3の実施例に係るプリント方法を示
す説明図である。
【図10】本発明の第3の実施例に係るプリント方法を
示す説明図である。
【図11】(a)および(b)は、それぞれ本発明の第
4の実施例に係るプリント方法を示す説明図である。
【図12】本発明の第4の実施例に係るプリント方法を
示す説明図である。
【図13】本発明の第5の実施例に係るプリント方法を
示す説明図である。
【図14】本発明の第5の実施例に係るプリント方法を
示す説明図である。
【図15】本発明の第6の実施例に係るプリント方法を
示す説明図である。
【図16】(a)、(b)および(c)は、それぞれ本
発明の第6の実施例に係るプリント方法を示す説明図で
あって、(a)は吐出部の内部構造を示す模式的断面
図、(b)は(a)の吐出部をその吐出口方向からみた
正面図、(c)は(b)の平面図である。
【図17】本発明の第7の実施例に係るプリント方法を
示す説明図である。
【図18】本発明の第7の実施例に係るプリント方法を
示す説明図であって、吐出部の内部構造を示す模式的断
面図である。
【図19】本発明のプリント方法を実施するためのイン
クジェットプリント装置の斜視図である。
【図20】図19の装置に装着可能なインクジェットカ
ートリッジを示す斜視図である。
【図21】図19に示したプリント装置に装着されるプ
リントヘッドの発熱体近傍の拡大断面図である。
【図22】図19の回復ユニットの斜視図である。
【図23】図19の装置の制御構成を示すブロック図で
ある。
【図24】本発明を適用したインクジェットプリント装
置の概略構成を示す斜視図である。
【図25】図24に示したインクジェットプリント装置
に用いたプリントヘッドの部分構成図である。
【図26】図24に示したインクジェットプリント装置
の制御部を示すブロック図である。
【図27】本発明のインクジェットプリント方法の第9
の実施例を説明するための模式図である。
【図28】本発明のインクジェットプリント方法の第9
の実施例の変形例を説明するための模式図である。
【図29】画素を千鳥格子状の配列パターンでプリント
した場合のドット形成状態を示す模式図である。
【図30】本発明のインクジェットプリント方法の第1
0の実施例を説明するための模式図である。
【図31】本発明のインクジェットプリント方法の第1
1の実施例を説明するための模式図である。
【図32】本発明のインクジェットプリント方法の第1
1の実施例の変形例を説明するための模式図である。
【図33】本発明の第12の実施例を示す図であって、
図19に示したプリント装置におけるヘッドユニットに
よる2パスプリントのプリント過程の説明図である。
【図34】(a)、(b)、(c)、(d)および
(e)は、それぞれ図19のインクジェットプリント装
置におけるインクとプリント性向上液用マスクの説明図
である。
【図35】(a)、(b)および(c)は、それぞれ本
発明の第13の実施例におけるプリント性向上液用マス
クの説明図である。
【図36】(a)、(b)、(c)および(d)は、そ
れぞれ本発明の第14の実施例におけるプリント性向上
液用マスクの説明図である。
【図37】(a)、(b)および(c)は、それぞれ本
発明の第16の実施例におけるプリント性向上液用マス
クの説明図である。
【図38】本発明の第17の実施例におけるヘッドの説
明図である。
【図39】本発明の第17の実施例の変形例におけるヘ
ッドの断面図である。
【図40】本発明のシングルパス方式によるプリント過
程を説明する模式図である。
【図41】本発明のインクジェットプリント装置を用い
た情報処理システムの一例を示すブロック図である。
【図42】図41に示した情報処理システムの外観斜視
図である。
【図43】本発明のインクジェットプリント装置を用い
た情報処理システムの他の例を示す外観図である。
【符号の説明】
20 カラーインクタンク 21 ブラックインクタンク 22 吐出口面 23 吐出口 30 発熱体 31 被プリント材 32 共通液室 33 基板 34 隔壁 35 インク滴 38 圧電素子 100 プリント装置 101 キャリッジ 102 プリントヘッド 103 制御ヘッドユニット 104 ガイド軸a 105 ガイド軸b 106 被プリント材 107 スイッチ部と表示素子部 108 プラテン 109 送りローラ 110 回復ユニット 202 制御データ決定手段 203 最大インク打ち込み率決定手段 401 受信バッファ 402 制御部 403 メモリ部 404 メカコントロール部 405 メカ部 406 センサ/SWコントロール部 407 センサ/SW部 408 表示素子コントロール部 409 表示素子部 410 プリントヘッドコントロール部 411 プリントヘッド 701 インクカートリッジ 702 マルチヘッド 703 紙送りローラ 704 補助ローラ 705 給紙ローラ 801 マルチヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/00 B41J 3/04 103X 3/12 M (72)発明者 森山 次郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田鹿 博司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 加藤 美乃子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 倉林 豊 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 杉本 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 植月 雅哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (96)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被プリント材上にインクジェットヘッド
    から付与された有色インクと、インクジェットプリンタ
    におけるプリント性を向上させるため被プリント材に付
    与するプリント性向上液との双方を用いてプリントを行
    うインクジェットプリント方法において、 前記被プリント材上へ少なくとも1回以上有色インクの
    プリントを行った後、当該有色インクプリント画像領域
    上に少なくとも1回以上プリント性向上液を付与し、か
    つ当該画像領域に少なくとも1回以上有色インクのプリ
    ントを行うことを特徴とするインクジェットプリント方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記被プリント材上
    へ少なくとも1回以上有色インクのプリントを行った
    後、当該有色インクプリント画素上またはプリント画素
    と少なくとも一部が接触する位置にプリント性向上液を
    付与し、かつ当該プリント性向上液付与位置上または当
    該プリント性向上液付与位置と少なくとも一部が接触す
    る画素に有色インクプリント画素に少なくとも1回以上
    有色インクのプリントを行うことを特徴とするインクジ
    ェットプリント方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記プリン
    ト性向上液塗布前に記録に供される前記有色インクと、
    当該プリント性向上液塗布後に記録に供される前記有色
    インクとを同色とすることを特徴とするインクジェット
    プリント方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記プ
    リント性向上液塗布前に記録に供される前記有色インク
    と、当該プリント性向上液塗布後に記録に供される前記
    有色インクとを異なる組成とすることを特徴とするイン
    クジェットプリント方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2において、前記プリン
    ト性向上液塗布前に記録に供される前記有色インクと、
    当該プリント性向上液塗布後に記録に供される前記有色
    インクとを異なる色とすることを特徴とするインクジェ
    ットプリント方法。
  6. 【請求項6】 請求項1または2において、前記プリン
    ト性向上液塗布前に複数回の記録に供される前記有色イ
    ンクが、少なくとも2種以上の異なる組成の有色インク
    であることを特徴とするインクジェットプリント方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記プリント性向上
    液塗布前に複数回の記録に供される前記有色インクが、
    少なくとも2色以上の異なる有色インクであることを特
    徴とするインクジェットプリント方法。
  8. 【請求項8】 請求項1または2において、前記プリン
    ト性向上液塗布後に複数回の記録に供される前記有色イ
    ンクが、少なくとも2種以上の異なる組成の有色インク
    であることを特徴とするインクジェットプリント方法。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記プリント性向上
    液塗布後に複数回の記録に供される前記有色インクが、
    少なくとも2色以上の異なる有色インクであることを特
    徴とするインクジェットプリント方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の何れかにおいて、前記
    有色インクと前記プリント性向上液との記録媒体への全
    打ち込み量の比が、 (有色インク):(プリント性向上液)=1.0:0.1〜1.0 であることを特徴とするインクジェットプリント方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10の何れかにおいて、前
    記プリント性向上液は、低分子成分と高分子成分のカチ
    オン性物質を含み、前記インクはアニオン性染料を含む
    ことを特徴とするインクジェットプリント方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10の何れかにおいて、前
    記プリント性向上液は、低分子成分と高分子成分のカチ
    オン性物質を含み、前記インクはアニオン性染料が含有
    されているかまたは少なくともアニオン性化合物と顔料
    とが含有されていることを特徴とするインクジェットプ
    リント方法。
  13. 【請求項13】 被プリント材上にインクジェットヘッ
    ドから付与された有色インクと、インクジェットプリン
    タにおけるプリント性を向上させるため被プリント材に
    付与するプリント性向上液との双方を用いてプリントを
    行うインクジェットプリント方法において、 前記被プリント材上へ少なくとも1回以上のプリント性
    向上液の付与を行った後、当該プリント向上液付与画像
    領域上に少なくとも1回以上有色インクのプリントを行
    い、かつその後当該画像領域に少なくとも1回以上プリ
    ント性向上液を付与することを特徴とするインクジェッ
    トプリント方法。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記被プリント
    材上へ少なくとも1回以上のプリント性向上液の付与を
    行った後、当該プリント向上液付与位置もしくは当該プ
    リント向上液付与位置と少なくとも一部が接触する画素
    に少なくとも1回以上有色インクのプリントを行った
    後、かつ当該有色インクプリント画素もしくは当該有色
    インクプリント画素と少なくとも一部が接触する位置に
    少なくとも1回以上プリント性向上液を付与することを
    特徴とするインクジェットプリント方法。
  15. 【請求項15】 請求項13または14において、前記
    プリント性向上液塗布後に複数回記録する前記有色イン
    クが、すべて同色の有色インクであることを特徴とする
    インクジェットプリント方法。
  16. 【請求項16】 請求項13〜15の何れかにおいて、
    前記プリント性向上液塗布後に複数回記録する前記有色
    インクが、少なくとも2種以上の異なる組成の有色イン
    クであることを特徴とするインクジェットプリント方
    法。
  17. 【請求項17】 請求項13または14において、前記
    プリント性向上液塗布後に複数回記録する前記有色イン
    クが、少なくとも2色以上の異なる有色インクであるこ
    とを特徴とするインクジェットプリント方法。
  18. 【請求項18】 請求項13〜17の何れかにおいて、
    前記有色インクと前記プリント性向上液との記録媒体へ
    の全打ち込み量の比が、 (有色インク):(プリント性向上液)=1.0:0.1〜1.0 であることを特徴とするインクジェットプリント方法。
  19. 【請求項19】 請求項13〜18の何れかにおいて、
    前記プリント性向上液は、低分子成分と高分子成分のカ
    チオン性物質を含み、前記インクはアニオン性染料を含
    むことを特徴とするインクジェットプリント方法。
  20. 【請求項20】 請求項13〜18の何れかにおいて、
    前記プリント性向上液は、低分子成分と高分子成分のカ
    チオン性物質を含み、前記インクはアニオン性染料が含
    有されているかまたは少なくともアニオン性化合物と顔
    料とが含有されていることを特徴とするインクジェット
    プリント方法。
  21. 【請求項21】 被プリント材上にインクジェットヘッ
    ドから付与された有色インクと、インクジェットプリン
    タにおけるプリント性を向上させるため被プリント材に
    付与するプリント性向上液との双方を用いてプリントを
    行うインクジェットプリント方法において、 前記被プリント材上へ少なくとも1回以上プリント性向
    上液の付与を行った後、当該プリント性向上液付与画像
    領域に少なくとも1回以上有色インクのプリントを行っ
    た後、当該画像領域上に少なくとも1回以上プリント性
    向上液を付与し、かつ当該画像領域に少なくとも1回以
    上有色インクによってプリントし、これを少なくとも1
    回以上繰り返してプリントすることを特徴とするインク
    ジェットプリント方法。
  22. 【請求項22】 請求項21において、前記被プリント
    材上へ少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行
    った後、当該プリント性向上液付与位置上または当該プ
    リント性向上液付与位置と少なくとも一部が接触する画
    素に少なくとも1回以上前記有色インクによってプリン
    トし、さらに当該有色インクプリント画素上またはプリ
    ント画素と少なくとも一部が接触する位置にプリント性
    向上液を付与し、さらに当該プリント性向上液付与位置
    上または当該画素に有色インクプリント画素に少なくと
    も1回以上有色インクによってプリントし、これを少な
    くとも1回以上繰り返してプリントすることを特徴とす
    るインクジェットプリント方法。
  23. 【請求項23】 請求項21または22において、プリ
    ントされる前記複数の有色インクが、全て同色の有色イ
    ンクであることを特徴とするインクジェットプリント方
    法。
  24. 【請求項24】 請求項21〜23の何れかにおいて、
    プリントされる前記複数の有色インクが、各々もしくは
    少なくとも1種以上が異なる組成の有色インクであるこ
    とを特徴とするインクジェットプリント方法。
  25. 【請求項25】 請求項21または22において、プリ
    ントされる前記複数の有色インクが、各々もしくは少な
    くとも1種以上が異なる色の有色インクであることを特
    徴とするインクジェットプリント方法。
  26. 【請求項26】 請求項21〜25の何れかにおいて、
    前記有色インクと前記プリント性向上液との記録媒体へ
    の全打ち込み量の比が、 (有色インク):(プリント性向上液)=1.0:0.1〜1.0 であることを特徴とするインクジェットプリント方法。
  27. 【請求項27】 請求項21〜26の何れかにおいて、
    前記プリント性向上液は、低分子成分と高分子成分のカ
    チオン性物質を含み、前記インクはアニオン性染料を含
    むことを特徴とするインクジェットプリント方法。
  28. 【請求項28】 請求項21〜26の何れかにおいて、
    前記プリント性向上液は、低分子と高分子成分のカチオ
    ン性物質を含み、前記インクはアニオン性染料が含有さ
    れているかまたは少なくともアニオン性化合物と顔料と
    が含有されていることを特徴とするインクジェットプリ
    ント方法。
  29. 【請求項29】 被プリント材上にインクジェットヘッ
    ドから付与された有色インクと、インクジェットプリン
    タにおけるプリント性を向上させるため被プリント材に
    付与するプリント性向上液との双方を用いてプリントを
    行うインクジェットプリント方法において、前記被プリ
    ント材上に、 少なくとも1回以上有色インクのみによりプリント
    した画素、 少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行っ
    た後、当該プリント性向上液と少なくとも一部が接触す
    る画素に少なくとも1回以上有色インクのプリントした
    画素、 少なくとも1回以上有色インクのプリント後に、当
    該有色インクプリント画素に少なくとも一部が接触する
    ようにプリント性向上液を付与した画素、 少なくとも1回以上有色インクによるプリントした
    後に、当該有色インクプリント画素に少なくとも一部が
    接触するようにプリント性向上液を付与し、かつその後
    にさらに少なくとも1回以上有色インクをプリントした
    画素、 少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行っ
    た後、当該プリント性向上液と少なくとも一部が接触す
    る画素に少なくとも1回以上有色インクのプリントし、
    かつその後少なくとも当該有色インクプリント画素に少
    なくとも1部接触する位置に1回以上プリント性向上液
    を付与した画素、 少なくとも1回以上有色インクによるプリントした
    後に、当該有色インクプリント画素に少なくとも一部が
    接触するようにプリント性向上液を付与し、かつその後
    にさらに少なくとも1回以上有色インクをプリントし、
    かつその後当該画素に少なくとも一部が接触するように
    プリント性向上液を付与した画素、および 少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行っ
    た後、当該プリント性向上液と少なくとも一部が接触す
    る画素に少なくとも1回以上有色インクのプリントし、
    かつその後少なくとも当該有色インクプリント画素に少
    なくとも1部接触する位置に1回以上プリント性向上液
    を付与し、かつその後当該有色インクプリント画素にさ
    らに少なくとも1回以上有色インクをプリントした画
    素、からなる群から選択される少なくとも異なる2種以
    上の画素を混在させて画像を形成することを特徴とする
    インクジェットプリント方法。
  30. 【請求項30】 請求項29において、前記異なる2種
    以上の画素を混在させて画像を形成する際に、同種の画
    素同士がプリントヘッド主走査方向と副走査方向の双方
    に対し、420μm以上連続しないようにすることを特
    徴とするインクジェットプリント方法。
  31. 【請求項31】 請求項29または30において、前記
    有色インクと前記プリント性向上液との記録媒体への全
    打ち込み量の比が、 (有色インク):(プリント性向上液)=1.0:0.1〜1.0 であることを特徴とするインクジェットプリント方法。
  32. 【請求項32】 請求項29〜31の何れかにおいて、
    前記プリント性向上液は、低分子成分と高分子成分のカ
    チオン性物質を含み、前記インクはアニオン性染料を含
    むことを特徴とするインクジェットプリント方法。
  33. 【請求項33】 請求項29〜31の何れかにおいて、
    前記プリント性向上液は、低分子成分と高分子成分のカ
    チオン性物質を含み、前記インクはアニオン性染料が含
    有されているかまたは少なくともアニオン性化合物と顔
    料とが含有されていることを特徴とするインクジェット
    プリント方法。
  34. 【請求項34】 被プリント材上にインクジェットヘッ
    ドから付与された有色インクと、インクジェットプリン
    タにおけるプリント性を向上させるため被プリント材に
    付与するプリント性向上液との双方を用いてプリントを
    行うインクジェットプリント方法において、 前記被プリント材上へ少なくとも1回以上プリント性向
    上液の付与を行った後、当該プリント性向上液付与位置
    上、または当該プリント性向上液付与位置上と少なくと
    も一部が接触する画素に1回以上有色インクをプリント
    するまでの時間間隔が第1の特定時間以内の画素Aと、
    該時間間隔が第2の特定時間間隔以上の画素Bとを混在
    させて画像を形成することを特徴とするインクジェット
    プリント方法。
  35. 【請求項35】 請求項34において、前記異なる時間
    間隔の画素Aと画素Bを混在させて画像を形成する際
    に、同様な画素同士がプリントヘッド主走査方向と副走
    査方向の双方に対し、420μm以上連続しないように
    することを特徴とするインクジェットプリント方法。
  36. 【請求項36】 請求項34または35において、前記
    プリント性向上液滴が前記被プリント材上に着弾したと
    きから前記有色インクが前記被プリント材上に着弾する
    ときまでの時間間隔が最小値である時間差を前記第1の
    特定時間としてプリントを行い、かつ前記第2の特定時
    間を当該第1の特定時間より長くすることを特徴とする
    インクジェットプリント方法。
  37. 【請求項37】 請求項34〜36の何れかにおいて、
    前記第1の特定時間間隔で着弾されて前記第1の画素A
    を形成する前記プリント性向上液滴と前記有色インク滴
    とはプリントヘッド同一走査内にプリントされる液滴で
    あり、かつ前記第2の特定時間以上の時間間隔で着弾さ
    れて前記画素Bを形成する前記プリント性向上液と前記
    有色インク滴とが異なるプリントヘッド走査でプリント
    される液滴であることを特徴とするインクジェットプリ
    ント方法。
  38. 【請求項38】 請求項34〜37の何れかにおいて、
    前記有色インクと前記プリント性向上液との記録媒体へ
    の全打ち込み量の比が、 (有色インク):(プリント性向上液)=1.0:0.1〜1.0 であることを特徴とするインクジェットプリント方法。
  39. 【請求項39】 請求項34〜37の何れかにおいて、
    前記プリント性向上液は、低分子成分と高分子成分のカ
    チオン性物質を含み、前記インクはアニオン性染料を含
    むことを特徴とするインクジェットプリント方法。
  40. 【請求項40】 請求項34〜37の何れかにおいて、
    前記プリント性向上液は、低分子成分と高分子成分のカ
    チオン性物質を含み、前記インクはアニオン性染料が含
    有されているかまたは少なくともアニオン性化合物と顔
    料とが含有されていることを特徴とするインクジェット
    プリント方法。
  41. 【請求項41】 被プリント材上にインクを吐出するた
    めのインク吐出部と、インクジェットプリンタにおける
    プリント性を向上させるため被プリント材に付与するプ
    リント性向上液を少なくとも含む液体を吐出するための
    液吐出部とを有するインクジェットヘッドを具備するイ
    ンクジェットプリント装置において、前記被プリント材
    上へ少なくとも1回以上有色インクのプリントを行った
    後、前記液吐出部は、当該有色インクプリント画像領域
    上に少なくとも1回以上プリント性向上液を付与し、か
    つ前記インク吐出部は、当該画像領域に少なくとも1回
    以上有色インクを吐出することを特徴とするインクジェ
    ットプリント装置。
  42. 【請求項42】 請求項41において、前記被プリント
    材上へ少なくとも1回以上有色インクのプリントを行っ
    た後、前記液吐出部は、当該有色インクプリント画素上
    またはプリント画素と少なくとも一部が接触する位置に
    プリント性向上液を付与し、かつ前記インク吐出部は、
    当該プリント性向上液付与位置上または当該プリント性
    向上液付与位置と少なくとも一部が接触する画素に有色
    インクプリント画素に少なくとも1回以上有色インクを
    吐出することを特徴とするインクジェットプリント装
    置。
  43. 【請求項43】 請求項41または42において、前記
    インクジェットヘッドは、前記インクあるいはプリント
    性向上液に膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生するエ
    ネルギ発生素子として電気熱変換体を有することを特徴
    とするインクジェットプリント装置。
  44. 【請求項44】 被プリント材上にインクを吐出するた
    めのインク吐出部と、インクジェットプリンタにおける
    プリント性を向上させるため被プリント材に付与するプ
    リント性向上液を少なくとも含む液体を吐出するための
    液吐出部とを有するインクジェットヘッドを具備するイ
    ンクジェットプリント装置において、 前記液吐出部は、前記被プリント材上へ少なくとも1回
    以上のプリント性向上液の付与を行った後、前記インク
    吐出部は、当該プリント向上液付与画像領域上に少なく
    とも1回以上有色インクのプリントを行った後、かつ前
    記液吐出部は、当該画像領域に少なくとも1回以上プリ
    ント性向上液を付与することを特徴とするインクジェッ
    トプリント装置。
  45. 【請求項45】 請求項44において、前記液吐出部
    は、前記被プリント材上へ少なくとも1回以上のプリン
    ト性向上液の付与を行った後、前記インク吐出部は、当
    該プリント向上液付与位置もしくは当該プリント向上液
    付与位置と少なくとも一部が接触する画素に少なくとも
    1回以上有色インクのプリントを行った後、かつ前記液
    吐出部は、当該有色インクプリント画素もしくは当該有
    色インクプリント画素と少なくとも一部が接触する位置
    に少なくとも1回以上プリント性向上液を付与すること
    を特徴とするインクジェットプリント装置。
  46. 【請求項46】 請求項44または45において、前記
    インクジェットヘッドは、前記インクあるいはプリント
    性向上液に膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生するエ
    ネルギ発生素子として電気熱変換体を有することを特徴
    とするインクジェットプリント装置。
  47. 【請求項47】 被プリント材上にインクを吐出するた
    めのインク吐出部と、インクジェットプリンタにおける
    プリント性を向上させるため被プリント材に付与するプ
    リント性向上液を少なくとも含む液体を吐出するための
    液吐出部とを有するインクジェットヘッドを具備するイ
    ンクジェットプリント装置において、 前記インク吐出部は、前記被プリント材上へ少なくとも
    1回以上プリント性向上液の付与を行った後、当該プリ
    ント性向上液付与画像領域に少なくとも1回以上有色イ
    ンクのプリントを行った後、前記液吐出部は、当該画像
    領域上に少なくとも1回以上プリント性向上液を付与
    し、かつ前記インク吐出部は、当該画像領域に少なくと
    も1回以上有色インクによってプリントし、これを少な
    くとも1回以上繰り返して画像を形成することを特徴と
    するインクジェットプリント装置。
  48. 【請求項48】 請求項47において、前記被プリント
    材上へ少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行
    った後、当該プリント性向上液付与位置上または当該プ
    リント性向上液付与位置と少なくとも一部が接触する画
    素に少なくとも1回以上前記有色インクによってプリン
    トし、さらに当該有色インクプリント画素上またはプリ
    ント画素と少なくとも一部が接触する位置にプリント性
    向上液を付与し、さらに当該プリント性向上液付与位置
    上または当該画素に有色インクプリント画素に少なくと
    も1回以上有色インクによってプリントし、これを少な
    くとも1回以上繰り返して画像を形成することを特徴と
    するインクジェットプリント装置。
  49. 【請求項49】 請求項47または48において、前記
    インクジェットヘッドは、前記インクあるいはプリント
    性向上液に膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生するエ
    ネルギ発生素子として電気熱変換体を有することを特徴
    とするインクジェットプリント装置。
  50. 【請求項50】 被プリント材上にインクを吐出するた
    めのインク吐出部と、インクジェットプリンタにおける
    プリント性を向上させるため被プリント材に付与するプ
    リント性向上液を少なくとも含む液体を吐出するための
    液吐出部とを有するインクジェットヘッドを具備するイ
    ンクジェットプリント装置において、 少なくとも1回以上有色インクのみによりプリント
    した画素、 少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行っ
    た後、当該プリント性向上液と少なくとも一部が接触す
    る画素に少なくとも1回以上有色インクのプリントした
    画素、 少なくとも1回以上有色インクのプリント後に、当
    該有色インクプリント画素に少なくとも一部が接触する
    ようにプリント性向上液を付与した画素、 少なくとも1回以上有色インクによるプリントした
    後に、当該有色インクプリント画素に少なくとも一部が
    接触するようにプリント性向上液を付与し、かつその後
    にさらに少なくとも1回以上有色インクをプリントした
    画素、 少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行っ
    た後、当該プリント性向上液と少なくとも一部が接触す
    る画素に少なくとも1回以上有色インクのプリントし、
    かつその後少なくとも当該有色インクプリント画素に少
    なくとも1部接触する位置に1回以上プリント性向上液
    を付与した画素、 少なくとも1回以上有色インクによるプリントした
    後に、当該有色インクプリント画素に少なくとも一部が
    接触するようにプリント性向上液を付与し、かつその後
    にさらに少なくとも1回以上有色インクをプリントし、
    かつその後当該画素に少なくとも一部が接触するように
    プリント性向上液を付与した画素、および 少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行っ
    た後、当該プリント性向上液と少なくとも一部が接触す
    る画素に少なくとも1回以上有色ンクのプリントし、か
    つその後少なくとも当該有色インクプリント画素に少な
    くとも1部接触する位置に1回以上プリント性向上液を
    付与し、かつその後当該有色インクプリント画素にさら
    に少なくとも1回以上有色インクをプリントした画素、
    からなる群から選択される少なくとも異なる2種以上の
    画素を混在させて画像を形成することを特徴とするイン
    クジェットプリント装置。
  51. 【請求項51】 請求項50において、前記インクジェ
    ットヘッドは、前記インクあるいは前記プリント性向上
    液に膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生するエネルギ
    発生素子として電気熱変換体を有することを特徴とする
    インクジェットプリント装置。
  52. 【請求項52】 被プリント材上にインクを吐出するた
    めのインク吐出部と、インクジェットプリンタにおける
    プリント性を向上させるため被プリント材に付与するプ
    リント性向上液を少なくとも含む液体を吐出するための
    液吐出ヘッド部とを有するインクジェットヘッドを具備
    するインクジェットプリント装置において、 前記被プリント材上へ少なくとも1回以上プリント性向
    上液の付与を行った後、当該プリント性向上液付与位置
    上、または当該プリント性向上液付与位置上と少なくと
    も一部が接触する画素に1回以上有色インクをプリント
    するまでの時間間隔が第1の特定時間以内の画素Aと、
    該時間間隔が第2の特定時間間隔以上の画素Bとを混在
    させて画像を形成することを特徴とするインクジェット
    プリント装置。
  53. 【請求項53】 請求項52において、前記インクジェ
    ットヘッドは、前記インクあるいは前記プリント性向上
    液に膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生するエネルギ
    発生素子として電気熱変換体を有することを特徴とする
    インクジェットプリント装置。
  54. 【請求項54】 被プリント材上にインクジェットヘッ
    ドから付与された有色インクと、インクジェットプリン
    タにおけるプリント性を向上させるため被プリント材に
    付与するプリント性向上液との双方を用いてプリントを
    行うインクジェットプリント方法により形成されたイン
    クジェットプリント物であって、 前記被プリント材上へ少なくとも1回以上有色インクの
    プリントを行った後、当該有色インクプリント画像領域
    上に少なくとも1回以上プリント性向上液を付与し、か
    つ当該画像領域に少なくとも1回以上有色インクによっ
    て画像が形成されたことを特徴とするインクジェットプ
    リント物。
  55. 【請求項55】 請求項54において、前記被プリント
    材上へ少なくとも1回以上有色インクのプリントを行っ
    た後、当該有色インクプリント画素上またはプリント画
    素と少なくとも一部が接触する位置にプリント性向上液
    を付与し、かつ当該プリント性向上液付与位置上または
    当該プリント性向上液付与位置と少なくとも一部が接触
    する画素に有色インクプリント画素に少なくとも1回以
    上有色インクの付与によって画像が形成されたことを特
    徴とするインクジェットプリント物。
  56. 【請求項56】 被プリント材上にインクジェットヘッ
    ドから付与された有色インクと、インクジェットプリン
    タにおけるプリント性を向上させるため被プリント材に
    付与するプリント性向上液との双方を用いてプリントを
    行うインクジェットプリント方法により形成されたイン
    クジェットプリント物であって、 前記被プリント材上へ少なくとも1回以上のプリント性
    向上液の付与を行った後、当該プリント性向上液付与画
    像領域上に少なくとも1回以上有色インクのプリントを
    行った後、かつ当該画像領域に少なくとも1回以上プリ
    ント性向上液の付与によって画像が形成されたことを特
    徴とするインクジェットプリント物。
  57. 【請求項57】 請求項56において、前記被プリント
    材上へ少なくとも1回以上のプリント性向上液の付与を
    行った後、当該プリント向上液付与位置もしくは当該プ
    リント向上液付与位置と少なくとも一部が接触する画素
    に少なくとも1回以上有色インクのプリントを行った
    後、かつ当該有色インクプリント画素もしくは当該有色
    インクプリント画素と少なくとも一部が接触する位置に
    少なくとも1回以上プリント性向上液の付与によって画
    像が形成されたことを特徴とするインクジェットプリン
    ト物。
  58. 【請求項58】 被プリント材上にインクジェットヘッ
    ドから付与された有色インクと、インクジェットプリン
    タにおけるプリント性を向上させるため被プリント材に
    付与するプリント性向上液との双方を用いてプリントを
    行うインクジェットプリント方法により形成されたイン
    クジェットプリント物であって、 前記被プリント材上へ少なくとも1回以上プリント性向
    上液の付与を行った後、当該プリント性向上液付与画像
    領域に少なくとも1回以上有色インクのプリントを行っ
    た後、当該画像領域上に少なくとも1回以上プリント性
    向上液を付与し、かつ当該画像領域に少なくとも1回以
    上有色インクによってプリントし、これを少なくとも1
    回以上繰り返して画像が形成されたことを特徴とするイ
    ンクジェットプリント物。
  59. 【請求項59】 請求項58において、前記被プリント
    材上へ少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行
    った後、当該プリント性向上液付与位置上または当該プ
    リント性向上液付与位置と少なくとも一部が接触する画
    素に少なくとも1回以上前記有色インクによってプリン
    トし、さらに当該有色インクプリント画素上またはプリ
    ント画素と少なくとも一部が接触する位置にプリント性
    向上液を付与し、さらに当該プリント性向上液付与位置
    上または当該画素に有色インクプリント画素に少なくと
    も1回以上有色インクによってプリントし、これを少な
    くとも1回以上繰り返して画像が形成されたことを特徴
    とするインクジェットプリント物。
  60. 【請求項60】 被プリント材上にインクジェットヘッ
    ドから付与された有色インクと、インクジェットプリン
    タにおけるプリント性を向上させるため被プリント材に
    付与するプリント性向上液との双方を用いてプリントを
    行うインクジェットプリント方法により形成されたイン
    クジェットプリント物であって、 少なくとも1回以上有色インクのみによりプリント
    した画素、 少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行っ
    た後、当該プリント性向上液と少なくとも一部が接触す
    る画素に少なくとも1回以上有色インクのプリントした
    画素、 少なくとも1回以上有色インクのプリント後に、当
    該有色インクプリント画素に少なくとも一部が接触する
    ようにプリント性向上液を付与した画素、 少なくとも1回以上有色インクによるプリントした
    後に、当該有色インクプリント画素にさらに少なくとも
    1回以上有色インクをプリントした画素、 少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行っ
    た後、当該プリント性向上液と少なくとも一部が接触す
    る画素に少なくとも1回以上有色インクのプリントし、
    かつその後少なくとも当該有色インクプリント画素に少
    なくとも1部接触する位置に1回以上プリント性向上液
    を付与した画素、 少なくとも1回以上有色インクによるプリントした
    後に、当該有色インクプリント画素に少なくとも一部が
    接触するようにプリント性向上液を付与し、かつその後
    にさらに少なくとも1回以上有色インクをプリントし、
    かつその後当該画素に少なくとも一部が接触するように
    プリント性向上液を付与した画素、および 少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行っ
    た後、当該プリント性向上液と少なくとも一部が接触す
    る画素に少なくとも1回以上有色インクのプリントし、
    かつその後少なくとも当該有色インクプリント画素に少
    なくとも1部接触する位置に1回以上プリント性向上液
    を付与し、かつその後当該有色インクプリント画素にさ
    らに少なくとも1回以上有色インクをプリントした画
    素、からなる群から選択される少なくとも異なる2種以
    上の画素を混在させて画像が形成されたことを特徴とす
    るインクジェットプリント物。
  61. 【請求項61】 被プリント材上にインクジェットヘッ
    ドから付与された有色インクと、インクジェットプリン
    タにおけるプリント性を向上させるため被プリント材に
    付与するプリント性向上液との双方を用いてプリントを
    行うインクジェットプリント方法により形成されたイン
    クジェットプリント物であって、前記被プリント材上へ
    少なくとも1回以上プリント性向上液の付与を行った
    後、当該プリント性向上液付与位置上、または当該プリ
    ント性向上液付与位置上と少なくとも一部が接触する画
    素に1回以上有色インクをプリントするまでの時間間隔
    が第1の特定時間以内の画素Aと、該時間間隔が第2の
    特定時間間隔以上の画素Bとを混在させて画像が形成さ
    れたことを特徴とするインクジェットプリント物。
  62. 【請求項62】 単独または複数のインクによって形成
    されるインク領域に対して、インク成分と反応する成分
    を有する液体を用いて画像を形成する画像形成におい
    て、 画像を形成する画像単位が、最終表面となるインク領域
    の下に上記液体を、さらに該液体の下にインク領域を有
    していることを特徴とする画像形成方法。
  63. 【請求項63】 請求項62において、上記液体の下の
    インク領域の下に上記液体が与えられていることを特徴
    とする画像形成方法。
  64. 【請求項64】 単独または複数のインクによって形成
    されるインク領域に対して、インク成分と反応する成分
    を有する液体を用いて画像を形成する画像形成方法にお
    いて、 上記液体のみの存在部位と上記インク領域のみの存在領
    域と上記液体を最終表面とし下方に向かってインク領
    域、上記液体を有する第1積層部位と、上記インク領域
    を最終表面とし下方に向かって上記液体、上記インク領
    域を有する第2積層部位と、の何れか2つの部位が実質
    的隣接状態にある画像を形成することを特徴とする画像
    形成方法。
  65. 【請求項65】 単独または複数のインクによって形成
    されるインク領域に対して、インク成分と反応する成分
    を有する液体を用いて画像を形成する画像形成方法にお
    いて、 画像が形成する媒体に対して、上記液体が媒体に着弾す
    る着弾時と、上記インク領域を形成するインクが媒体に
    着弾する着弾時と、の相対的時間差を実質的な画像を構
    成する画素単位で異ならせ、この画素単位を実質的な隣
    接状態とする画像を形成することを特徴とする画像形成
    方法。
  66. 【請求項66】 インクを被プリント材に吐出するイン
    クジェット吐出部および該インクジェット吐出部による
    プリントにおけるプリント性を向上させるために前記被
    プリント材に付与されるプリント性向上液を吐出するプ
    リント性向上液吐出部を用い、前記吐出部を所定方向に
    往復移動させる主走査および前記被プリント材を該主走
    査方向と直角な方向に移動させる副走査を行いながら、
    前記被プリント材上にインクおよびプリント性向上液を
    吐出してプリントを行うインクジェットプリント方法で
    あって、 前記インクジェット吐出部によるインク吐出を前記主走
    査の両方向で行い、かつ、前記プリント性向上液吐出部
    によるプリント性向上液の吐出を前記主走査の片方向で
    行うことを特徴とするインクジェットプリント方法。
  67. 【請求項67】 請求項66記載のインクジェットプリ
    ント方法において、 前記プリント性向上液が吐出されるべき画素については
    インク吐出に先行して前記プリント性向上液を吐出する
    ことを特徴とするインクジェットプリント方法。
  68. 【請求項68】 請求項66または67に記載のインク
    ジェットプリント方法において、前記インクジェット吐
    出部のプリントパターンを互いに補完の関係にある複数
    の間引き配列パターンに従って間引き、この間引かれた
    パターンのプリントをそれぞれ主走査の往動時および復
    動時に振り分けて行い、前記プリント性向上液吐出部の
    プリントパターンのプリントを常に前記主走査の往動時
    にのみ行うことを特徴とするインクジェットプリント方
    法。
  69. 【請求項69】 請求項68記載のインクジェットプリ
    ント方法において、前記プリント性向上液のプリントパ
    ターンを間引くことを特徴とするインクジェットプリン
    ト方法。
  70. 【請求項70】 請求項66〜69のいずれかの項に記
    載のインクジェットプリント方法において、前記主走査
    の往動時のプリント領域と復動時のプリント領域とを部
    分的に重ねることを特徴とするインクジェットプリント
    方法。
  71. 【請求項71】 請求項68〜70のいずれかの項に記
    載のインクジェットプリント方法において、前記被プリ
    ント材の副走査を所定の周期で通常の副走査方向とは逆
    の方向に行うことを特徴とするインクジェットプリント
    方法。
  72. 【請求項72】 請求項66〜71のいずれかの項に記
    載のインクジェットプリント方法において、前記プリン
    ト性向上液は低分子のカチオン性物質と高分子のカチオ
    ン性物質を含み、前記インクはアニオン性染料を含むこ
    とを特徴とするインクジェットプリント方法。
  73. 【請求項73】 請求項66〜71のいずれかの項に記
    載のインクジェットプリント方法において、前記プリン
    ト性向上液は低分子のカチオン性物質と高分子のカチオ
    ン性物質を含み、前記インクは少なくともアニオン性化
    合物と顔料とを含むことを特徴とするインクジェットプ
    リント方法。
  74. 【請求項74】 請求項66〜73のいずれかの項に記
    載のインクジェットプリント方法を実施するためのイン
    クジェットプリント装置であって、熱エネルギーを利用
    してインクを被プリント材上に吐出するインクジェット
    ヘッドおよび熱エネルギーを利用してプリント性向上液
    を被プリント材上に吐出するプリント性向上液吐出部を
    含み、該ヘッドはインクに与える熱エネルギーを発生す
    るための熱エネルギー変換体を備えることを特徴とする
    インクジェットプリント装置。
  75. 【請求項75】 請求項74記載のインクジェットプリ
    ント装置において、前記吐出部は前記被プリント材上を
    往復移動可能であるインクジェットプリント装置。
  76. 【請求項76】 請求項75記載のインクジェットプリ
    ント装置において、前記インクジェットヘッドおよび前
    記プリント性向上液吐出部は、往復移動方向に配列され
    ていることを特徴とするインクジェットプリント装置。
  77. 【請求項77】 請求項76記載のインクジェットプリ
    ント装置において、前記吐出部は、往復移動方向にほぼ
    直交する方向に配列されたインク吐出口の列を有するも
    のであることを特徴とするインクジェットプリント装
    置。
  78. 【請求項78】 請求項66〜73のいずれかの項に記
    載のインクジェットプリント方法を実施することにより
    得られたプリント物。
  79. 【請求項79】 請求項74〜77のいずれかの項に記
    載のインクジェットプリント装置を用いて得られたプリ
    ント物。
  80. 【請求項80】 インクを吐出するためのインク吐出部
    と、インクジェットプリントにおけるプリント性を向上
    させるために被プリント材に付与するプリント性向上液
    を少なくとも含む液体を吐出するための液吐出部とを用
    い、前記インク吐出部および前記液吐出部と前記被プリ
    ント材とを相対移動させることによって前記被プリント
    材の同一範囲に前記インクおよび前記液体を吐出するイ
    ンクジェットプリント装置において、 記録データに対応して前記インク吐出部から前記インク
    を吐出させるためのインク吐出データを、前記相対移動
    の回数に対応するように分けて設定するインク吐出デー
    タ設定手段と、 記録データに対応して前記液吐出部から前記液体を吐出
    させるための液吐出データを、前記インク吐出データ設
    定手段によるインク吐出データの設定形態とは異なる設
    定形態にしたがって、前記相対移動の回数に対応するよ
    うに分けて設定する液吐出データ設定手段と、 前記相対移動の回数に対応するように分けて設定された
    インク吐出データおよび液吐出データに基づいて、前記
    インク吐出部および前記液吐出部から前記インクおよび
    前記液体を吐出させる吐出制御手段とを備えたことを特
    徴とするインクジェットプリント装置。
  81. 【請求項81】 前記液吐出データ設定手段は、前記相
    対移動の回数分の液吐出データにおいて各プリント画素
    についての論理積が零となるように液吐出データを設定
    することを特徴とする請求項80に記載のインクジェッ
    トプリント装置。
  82. 【請求項82】 前記液吐出データ設定手段は、所定の
    単位プリント画素数に対して、前記液体が吐出されるプ
    リント画素の数の割合が100%よりも小さくなるよう
    に前記液吐出データを設定することを特徴とする請求項
    80または81に記載のインクジェットプリント装置。
  83. 【請求項83】 前記インク吐出部は複数種のインクを
    吐出するものであることを特徴とする請求項80〜82
    のいずれかに記載のインクジェットプリント装置。
  84. 【請求項84】 前記液吐出データ設定手段は、前記相
    対移動の回数分の液吐出データにおいて、前記インクの
    種類別に各プリント画素についての論理積が零となるよ
    うに液吐出データを設定することを特徴とする請求項8
    3に記載のインクジェットプリント装置。
  85. 【請求項85】 前記液吐出データ設定手段は、前記相
    対移動の回数毎の液吐出データにおいて、前記インクの
    種類別に各プリント画素についての論理積が零となるよ
    うに液吐出データを設定することを特徴とする請求項8
    3または84に記載のインクジェットプリント装置。
  86. 【請求項86】 前記インク吐出部は4種類のインクを
    吐出するものであり、前記液吐出データ設定手段は、前
    記インクの種類毎における所定の単位プリント画素数に
    対して、前記液体が吐出される画素の数の割合を一定と
    するように前記液吐出データを設定することを特徴とす
    る請求項83〜85のいずれかに記載のインクジェット
    プリント装置。
  87. 【請求項87】 前記液吐出データ設定手段は、前記イ
    ンクの種類毎における所定の単位プリント画素数に対し
    て、前記液体が吐出される画素の数の割合を25%以下
    とするように前記液吐出データを設定することを特徴と
    する請求項86に記載のインクジェットプリント装置。
  88. 【請求項88】 前記液吐出データ設定手段は、前記イ
    ンクの種類毎における所定の単位プリント画素数に対し
    て、前記液体が吐出される画素の数の割合を25%とす
    るように前記液吐出データを設定することを特徴とする
    請求項86に記載のインクジェットプリント装置。
  89. 【請求項89】 前記インク吐出部は、レッド、グリー
    ン、ブルーの2次色のプリント画素を形成する少なくと
    もイエロー、マゼンタ、シアンのインクを吐出するもの
    であり、前記液吐出データ設定手段は、前記イエロー、
    マゼンタ、シアンのインクの種類毎における所定の単位
    プリント画素数に対して、前記液体が吐出される画素の
    数の割合を一定とするように前記液吐出データを設定す
    ることを特徴とする請求項83〜85のいずれかに記載
    のインクジェットプリント装置。
  90. 【請求項90】 前記液吐出データ設定手段は、前記イ
    エロー、マゼンタ、シアンのインクの種類毎における所
    定の単位プリント画素数に対して、前記液体が吐出され
    る画素の数の割合を25%以下とするように前記液吐出
    データを設定することを特徴とする請求項89に記載の
    インクジェットプリント装置。
  91. 【請求項91】 前記液吐出データ設定手段は、前記イ
    エロー、マゼンタ、シアンのインクの種類毎における所
    定の単位プリント画素数に対して、前記液体が吐出され
    る画素の数の割合を25%とするように前記液吐出デー
    タを設定することを特徴とする請求項89に記載のイン
    クジェットプリント装置。
  92. 【請求項92】 前記プリント性向上液は、低分子成分
    と高分子成分のカチオン性物質を含み、前記インクはア
    ニオン性染料を含むことを特徴とする請求項80〜91
    のいずれかに記載のインクジェットプリント装置。
  93. 【請求項93】 前記プリント性向上液は、低分子成分
    と高分子成分のカチオン性物質を含み、前記インクはア
    ニオン性化合物と顔料とが含有されていることを特徴と
    する請求項80〜91のいずれかに記載のインクジェッ
    トプリント装置。
  94. 【請求項94】 前記インク吐出部および前記液吐出部
    は、熱エネルギーを利用して前記インクおよび前記液体
    を吐出し、前記インクおよび前記液体に与える熱エネル
    ギーを発生するための熱エネルギー変換体を備えること
    を特徴とする請求項80〜93のいずれかに記載のイン
    クジェットプリント装置。
  95. 【請求項95】 インクを吐出するためのインク吐出部
    と、インクジェットプリントにおけるプリント性を向上
    させるために被プリント材に付与するプリント性向上液
    を少なくとも含む液体を吐出するための液吐出部とを用
    い、前記インク吐出部および前記液吐出部と前記被プリ
    ント材とを相対移動させることによって前記被プリント
    材の同一範囲に前記インクおよび前記液体を吐出するイ
    ンクジェットプリント方法において、 記録データに対応して前記インク吐出部から前記インク
    を吐出させるためのインク吐出データは、前記相対移動
    の回数に対応するように分けて設定し、 記録データに対応して前記液吐出部から前記液体を吐出
    させるための液吐出データは、前記インク吐出データ設
    定手段によるインク吐出データの設定形態とは異なる設
    定形態にしたがって、前記相対移動の回数に対応するよ
    うに分けて設定し、 前記相対移動の回数に対応するように分けて設定された
    インク吐出データおよび液吐出データに基づいて、前記
    インク吐出部および前記液吐出部から前記インクおよび
    前記液体を吐出させることを特徴とするインクジェット
    プリント方法。
  96. 【請求項96】 インクと、プリント性を向上させるた
    めに被プリント材に付与するプリント性向上液を少なく
    とも含む液体とを、前記被プリント材の同一範囲に対し
    て、複数回ずつ付与することにより得られるプリント物
    において、 前記複数回の付与分の前記液体による各プリント画素毎
    の論理積が零となるように、前記液体が付与されている
    ことを特徴とするプリント物。
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