JPH082809B2 - 1,6―ヘキサンジオールの製造方法 - Google Patents

1,6―ヘキサンジオールの製造方法

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JPH082809B2
JPH082809B2 JP2330099A JP33009990A JPH082809B2 JP H082809 B2 JPH082809 B2 JP H082809B2 JP 2330099 A JP2330099 A JP 2330099A JP 33009990 A JP33009990 A JP 33009990A JP H082809 B2 JPH082809 B2 JP H082809B2
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、シクロヘキサンを酸化して得られたカル
ボン酸化合物(アジピン酸、オキシカプロン酸など)を
アルコール類でエステル化して得られたエステル化物
を、高温及び高圧下、銅系の水添触媒などの存在下に水
添して、1,6−ヘキサンジオールを工業的に製造する方
法に係わる。
〔従来技術の説明〕
従来、1,6−ヘキサンジオールを製造する方法として
は、例えば、特公昭53−33567号公報に記載されている
ように、シクロヘキサンを酸化して、アジピン酸、オキ
シカプロン酸などのカルボン酸化合物を生成し、そのカ
ルボン酸化合物を、メタノール、エタノール、ブタノー
ル、1,6−ヘキサンジオールなどのアルコール類でエス
テル化し、そして、その反応物を分離・精製してエステ
ル化物を製造し、最後に、得られたエステル化物を水添
触媒の存在下に水素で水添して1,6−ヘキサンジオール
を生成させる方法が知られている。
前記の公知の1,6−ヘキサンジオールの製法において
は、水添塔で、エステル化物を、高温および高圧下に、
銅系の水添触媒などの存在下に水添すると、水添触媒が
水素で還元されて、還元された銅が水添塔の内壁に付着
して、前記水添塔が、比較的、短期間内にかなり閉塞し
たり、水添反応の反応液の適性な流通が不可能となって
しまったりという問題があった。
そこで、この発明者らは、先に特願平1−251979号の
出願において、前記エステル化物に水添触媒を添加混合
して加圧し、次いで、その加圧混合液に水素ガスを供給
して得られる『水添触媒、エステル化物および水素ガス
を含有する混合液』を、プレヒーターにおいて、低温か
ら220℃以上の温度に加熱した後、水添塔に供給する方
法を提案した。
この方法によれば、前記混合液を水添塔に供給して水
添反応する前に、プレヒーターにおいて、前記混合液を
低温から220℃以上の温度に加熱して供給するので、還
元された金属銅の析出が、220℃まで加熱される間にプ
レヒーター内で起こり、水添塔内における金属銅の析出
を防止することができ、従って、水添塔での水添反応を
長期間行うことができるのであるが、中空状の水添塔を
使用しているため、水添塔内で前記混合液の逆混合が起
こり、生成した1,6−ヘキサンジオールのモノアルコー
ルへの分解反応などにより、水添反応の反応率が低いな
どの問題点が依然としてあったのである。
〔本発明の解決すべき問題点〕
この発明の目的は、前記エステル化物の水添反応を高
温および高圧下に行う水添塔において、銅系の触媒など
が水素で還元されて金属銅などとなり、その金属が水添
塔の内壁に付着することによって、エステル化物の水添
反応が好適に行われないようになることを防止すること
ができ、しかも、長期間、高反応率でもって水添反応を
継続させることができる方法を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明は、混合槽内で、シクロヘキサンを酸化して
得られたカルボン酸化合物をアルコール類でエステル化
して得られたエステル化物の液状混合物に、水添触媒
を、100℃以下の温度で、添加混合し、その混合液を50k
g/cm2以上の圧力に加圧すると共に、その加圧混合液に
水素ガスを供給し、次いで、その加圧された混合液を、
プレヒーター内で220℃以上の温度に加熱し、そして、
前記の加熱・加圧された混合液を、多孔板形式の水添塔
へ供給して、前記エステル化物の水添反応を行わせ、1,
6−ヘキサンジオールを製造することを特徴とする1,6−
ヘキサンジオールの製造方法に関する。
〔本発明の各要件の詳しい説明〕
以下、この発明の1,6−ヘキサンジオールの製造方法
について、図面も参考にして、さらに詳しく説明する。
第1図は、この発明の製造方法を実施する場合の製造
フローの一例を示すフロー図である。
この発明の製造方法においては、第1図に示すよう
に、例えば、まず、撹拌機が設けられた混合槽1の内部
で、シクロヘキサンを高温・加圧下に分子状酸素で酸化
して得られたカルボン酸化合物をアルコール類でエステ
ル化して得られたエステル化物の液状混合物に、銅系の
水添触媒などを、常圧又は加圧下、100℃以下の温度、
好ましくは10〜90℃の温度で、添加し、そして、撹拌機
などで充分に混合するのである。
前記の水添触媒としては、例えば、鉄、ニッケル、コ
バルト、銅、銅−クロマイトを主成分とする水素添加触
媒を挙げることができ、その形態としては、粉末状、又
は、タブレット状のものであってもよく、その使用量
は、カルボン酸化合物をエステル化して得られたエステ
ル化物の液状混合物に対して数重量%程度で充分であ
る。
前記のエステル化物の液状混合物は、例えば、特公昭
53−33567号公報に記載されているように、 シクロヘキサンを、酸化触媒の存在下、約100〜200℃
の温度下、および、約2〜20kg/cm2Gの圧力下に分子状
酸素などで酸化することによって、シクロヘキサノン、
シクロヘキサノールなどと共に副生する種々のカルボン
酸類(カプロン酸、吉草酸、酪酸などの一価のカルボン
酸類、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸などの二価の
カルボン酸類、オキシ吉草酸、オキシカプロン酸などの
オキシ酸類)を含有するカルボン酸化合物(混合物)
を、前記酸化反応液から適当な手段で分離して得て、 次いで、それらのカルボン酸化合物(混合物)を、メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノ
ール、アミルアルコール、n−ヘキサノール、n−ヘプ
タノールなどの炭素数1〜8個の一価の低級アルコール
類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオールなどの炭素数2〜8個の二価のアルコール
類などのアルコール類からなるエステル化剤の過剰存在
下に、無触媒で約150〜300℃の高温下および常圧又は加
圧下でエステル化するか、あるいは、エステル化触媒の
存在下に50〜150℃の温度下および常圧又は加圧下でエ
ステル化して、 最後に、そのエステル化反応の生成物を適当な手段で
分離・精製して得られた1,6−ヘキサンジオールエステ
ル、オキシカプロン酸エステルなどを主成分とするエス
テル化物の液状混合物であればよい。
この発明において、前記エステル化物の液状混合物
は、アジピン酸エステル、オキシカプロン酸エステル
を、約10〜80重量%、特に50〜70重量%程度含有してい
て、酸価(AV値)が約1.0〜5.0mgKOH/g程度、特に1.0〜
20mgKOH/gであることが好ましく、必要であれば、前記
のエステル化物が、約30〜70重量%の濃度で適当な有機
溶媒(特に、後述のカルボン酸化合物を抽出するために
使用する有機溶媒など)に溶解している溶液であっても
よい。
前述のシクロヘキサンの酸化反応液から前記のカルボ
ン酸類を分離する方法としては、例えば、 シクロヘキサンの酸化反応液を苛性ソーダなどのアル
カリ水溶液でケン化して、その水層を分離して、種々の
カルボン酸塩を含有するアルカリ液を得て、 そのアルカリ液を硫酸などでpH3以下になるように中
和して、芒硝およびカルボン酸類を生成させ、 そして、その中和液から分離された水層の芒硝水溶液
から、前述の種々のカルボン酸を、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、カプロン酸メチル
などのエステル類、ブチルアルコール、イソプロピルア
ルコールなどの低級アルコール類などの有機溶媒(抽出
溶媒)で抽出してカルボン酸化合物(混合物)を得るこ
とができる。
この発明においては、第1図に示すように、前述のよ
うにして混合槽1で調製された『エステル化物および水
添触媒を含有してる混合液』を、プランジャーポンプ2
で50kg/cm2G以上の圧力、好ましくは100〜400kg/cm2Gの
圧力に加圧すると共に、その加圧混合液に、水素ガス圧
縮機3で100〜400kg/cm2Gの圧力に加圧されそして水素
ガス加熱器4で約50〜150℃の温度に加熱された水素ガ
スを供給し、 次いで、その加圧・加熱された水素ガス含有混合液
を、前段プレヒーターIa又はIbおよび後段プレヒーター
IIからなるプレヒーター5の内部で220℃以上の温度、
特に250〜300℃の温度に加熱し、 そして、前記の加熱・加圧された水素ガス含有混合液
を、水添塔6(多孔板が多段内設された多孔板塔)へ供
給して、好ましくは240〜400℃、特に250〜300℃の温
度、および、150〜500kg/cm2G、特に200〜350kg/cm2Gの
水素分圧で、前記エステル化物の水添反応を行わせ、 前記の水添塔6の頂部からエステル化物の水添反応液
を取り出し、クーラー7で冷却した後、気液分離器8で
未反応の水素ガスなどの気体成分と前記水添反応液とを
分離し、 さらに、前記水添反応液を減圧弁9で減圧して、1,6
−ヘキサンジオールを主として含有する水添反応液を回
収し、この水添反応液を精製して、1,6−ヘキサンジオ
ールの製造を行うのである。
なお、第1図に示す製造フローにおいては、前記のプ
レヒーター5は、前段のプレヒーターIa及びIbと、後段
のプレヒーターIIとからなっており、前段プレヒーター
は、それぞれ切り換えて使用し、混合液の加熱に使用さ
れていないいずれかの前段プレヒーターを洗浄などして
付着している銅などの金属を除去することができるため
に、前述の水添反応を長期間、連続的に運転することが
できるので好適である。
前記の前段プレヒーターでは、前記混合液を、約150〜2
20℃の温度に加熱することが好ましく、そして、後段プ
レヒーターでは、さらに、前記混合液を、220℃以上の
温度、特に250〜300℃の温度(水添塔内の塔底の水添反
応の温度)に加熱することが好ましい。
この発明においては、前述のように、水添塔に、『水
添触媒、エステル化物および水素ガスを含有する混合
液』を供給して水添反応する前に、前述のプレヒーター
において、前記混合液を低温から220℃以上の温度に加
熱して供給するので、還元された金属銅の析出は、220
℃まで加熱される間にプレヒーター内で起こり、水添塔
内において、金属銅の析出、塔壁への付着、および、多
孔板の閉塞などが実質的に起こらず、水添塔での水添反
応を長期間行うことができるのである。
さらに、この発明においては、水添塔を『多孔板が多
段内設された多孔板塔』とすることによって、前記混合
液の水添塔内での逆混合に起因する『生成した1,6−ヘ
キサンジオールのモノアルコールへの分解反応』を抑制
することができ、水添塔での水添反応の反応率を大幅に
向上できるのである。
また、水添塔での水添反応温度をあまりに高くし過ぎ
ると、前述の『生成した1,6−ヘキサンジオールのモノ
アルコールへの分解反応』が進み、1,6−ヘキサンジオ
ールの選択率が急激に悪化するため、この発明の製造方
法においては、例えば、水添塔を『外部ジャケット付多
孔板塔』とし、このジャケット部に熱媒を通して水添塔
内の温度を前述した水添反応の温度範囲内で適当にコン
トロールすることが好ましい。それによって、前記混合
液から高転化率および高選択率で1,6−ヘキサンジオー
ルを生成することができる。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例および比較例を示し、この発
明の製造方法をさらに詳しく説明する。
実施例1 シクロヘキサンの空気酸化によって得られた液相酸化
反応液を苛性ソーダでケン化して得られるアルカリ液を
硫酸で中和し、その際に、中和液の水層の芒硝水溶液の
比重が1.25となるように水バランスをとり、中和液を水
層と油層とに分離した後、該水層の芒硝水溶液中に含ま
れるアジピン酸、オキシカプロン酸などのカルボン酸化
合物を、メチルイソブチルケトン(MIBK)で抽出し、そ
して、前記抽出液からMIBKを蒸発して除去し、カルボン
酸化合物の混合物を得た。
前記カルボン酸化合物の混合物の水溶液(濃度63.5重
量%)を740/時の供給速度でエステル化工程へ供給
すると共に、1,6−ヘキサンジオールの水溶液(濃度61.
1重量%)を740/時の供給速度でエステル化工程へ供
給して、カルボン酸化合物と1,6−ヘキサンジオールと
を、常圧下、200〜260℃の温度でエステル化反応させ
て、エステル化の反応率約99.7%で、『アジピン酸エス
テルの含有率が34.7重量%であり、オキシカプロン酸エ
ステルの含有率が40.5重量%であり、さらに、酸価が3.
1mgKOH/Gであるエステル化物の液状混合物』を得た。
第1図に示した製造フローにおいて、前段プレヒータ
ーIaおよびIbを作動させないようにした製造フローに従
って、 混合槽1において、前述のようにして得られたエステ
ル化物の液状混合物に銅−クロマイト系触媒を添加して
混合し、 その混合液をプランジャーポンプ2で300kg/cm2Gの圧
力に加圧し、そして、約80℃に加温して1250/時の供
給速度で供給すると共に、その加圧された混合液に、水
素ガス圧縮機3で300kg/cm2Gの圧力に加圧され、そし
て、水素ガス加熱器4で80℃の温度に加熱された水素ガ
スを供給し、 次いで、その加圧・加熱された水素ガス含有混合液
を、後段プレヒーターIIのみで270℃の温度に加熱し、 そして、前記の加熱・加圧された水素ガス含有混合液
を、水添塔6(塔内径:530mm、高さ:9860mm)へ連続的
に供給して、300kg/cm2Gの水素分圧で、前記混合液中の
エステル化物の水添反応を行わせ、 水添塔6の頂部からエステル化物の水添反応液を取り
出し、クーラー7で70℃に冷却した後、気液分離器8で
未反応の水素ガスなどの気液成分と前記水添反応液とを
分離し、 さらに、前記水添反応液を減圧弁9で常圧に減圧し
て、1,6−ヘキサンジオールを主として含有する水添反
応液を回収し、最後に、この水添反応液から蒸留精製に
よって低沸物および高沸物を除去して精製し、1,6−ヘ
キサンジオールを299kg/時の割合で3カ月間製造した。
なお、水添塔6としては、その内部へ、8.5mmの孔径
を多数有しておりしかも開口率が10%である多孔板を8
枚捜入して、塔内を9分割した水添塔6を使用した。
前述のようにして得られた1,6−ヘキサンジオールを
含有する水添反応液は、前記3カ月間の連続運転後にお
いて、EV値が19.7mgKOH/gであって、1,6−ヘキサンジオ
ールの濃度が63.2重量%(凝固点41.20℃)であり、そ
の転化率が94.8%であった。また、水添塔6の温度は、
塔頂が285℃、そして塔底が270℃であった。
第1図に示す製造フローに従って、前述のようにし
て、3カ月間、1,6−ヘキサンジオールを連続して製造
した後、水添反応を停止して、プレヒーター、水添塔な
どを分解して、各装置の内壁を調べた結果、水添塔には
全く金属銅などの析出がみられず、一方、プレヒーター
5のプレヒーターIIにおいて、混合液が、80〜200℃に
加熱される個所が、銅−クロマイトに由来する金属銅が
かなり付着しているだけであった。
実施例2 実施例1と同様にして1,6−ヘキサンジオールを2カ
月間製造した後、加熱・加圧された水素ガス含有混合液
の水添塔6への供給量をアップし、1,6−ヘキサンジオ
ールを317kg/時の割合で製造したこと、および、前記加
熱・加圧された水素ガス含有混合液の供給量アップ後の
水添塔6の塔底温度が255℃、そして塔頂温度が290℃で
あったことのほかは、実施例1と同様にして1,6−ヘキ
サンジオールを製造した。
このようにして得られた1,6−ヘキサンジオールを含
有する水添反応液は、3カ月間の連続運転後において、
EV値が24.3mgKOH/gであって、1,6−ヘキサンジオールの
濃度が61.8重量%(凝固点40.99℃)であり、その転化
率が93.6%であった。
実施例1と同様に水添反応停止後に各装置を分解して
各装置の内壁を調べた結果、水添塔には全く金属銅など
の析出がみられず、一方、プレヒーター5のプレヒータ
ーIIにおいて、混合液が、80〜200℃に加熱される個所
が、銅−クロマイトに由来する金属銅がかなり付着して
いるだけであった。
実施例3 水添塔6の外側がジャケットになっており、このジャ
ケット部に熱媒を通すことによって、水添塔6の塔底お
よび塔頂の温度をそれぞれ275℃にコントロールしたほ
かは、実施例1と同様にして、1,6−ヘキサンジオール
を328kg/時の割合で3カ月間製造した。
前述のようにして得られた1,6−ヘキサンジオールを
含有する水添反応液は、EV値が21.5mgKOH/gであって、
1,6−ヘキサンジオールの濃度が64.0重量%(凝固点41.
22℃)であり、その転化率が94.3%であった。
実施例1と同様に水添反応停止後に各装置を分解して
各装置の内壁を調べた結果、水添塔には全く金属銅など
の析出がみられず、一方、プレヒーター5のプレヒータ
ーIIにおいて、混合液が、80〜200℃に加熱される個所
が、銅−クロマイトに由来する金属銅がかなり付着して
いるだけであった。
実施例4 水添塔6の内部へ、6.0mmの孔径を多数有しておりし
かも開口率が10%である多孔板を10枚捜入して、水添塔
6を11分割した水添塔6を使用し、しかも、エステル化
物の混合液の供給速度を1350/時としたほかは、実施
例1と同様にして、1,6−ヘキサンジオールを338kg/時
の割合で3カ月間製造した。
前述のようにして得られた1,6−ヘキサンジオールを
含有する水添反応液は、EV値が28.3mgKOH/gであって、
1,6−ヘキサンジオールの濃度が62.5重量%(凝固点41.
10℃)であり、その転化率が92.6%であった。
実施例1と同様に水添反応停止後に各装置を分解して
それらの内壁を調べた結果、水添塔には全く金属銅など
の析出がみられず、プレヒーター5のプレヒーターIIに
おいて混合液が80〜200℃に加熱される個所に、金属銅
がかなり付着しているだけであった。
比較例1 水添塔6として、中空状の水添塔(塔内径:530mm、高
さ:9860mm)を使用したことのほかは、実施例1と同様
にして、1,6−ヘキサンジオールを289kg/時の割合で3
カ月間製造した。なお、中空状の水添塔を使用した場
合、この生産量が能力の限界であることが判った。
前述のようにして得られた1,6−ヘキサンジオールを
含有する水添反応液は、前記3カ月間の連続運転後にお
いて、EV値が35mgKOH/gであって、1,6−ヘキサンジオー
ルの濃度が61.1重量%(凝固点40.97℃)であり、その
転化率が90.8%であった。
〔本発明の作用効果〕
この発明においては、前述のように、『水添触媒、エ
ステル化物および水素ガスを含有する混合液』を水添塔
に供給して水添反応する前に、プレヒーターにおいて、
前記混合液を低温から220℃以上の温度に加熱した後
に、水添塔に供給するので、水素ガスで触媒が還元され
て銅などの金属が析出することは、混合液がプレヒータ
ー内で220℃まで加熱される間に起こり、水添塔内にお
いては還元金属の析出、塔壁への付着、および、多孔板
の閉塞などが実質的に起こらず、従って、水添塔での水
添反応を、長期間、安定に行うことができるとともに、
水添塔を『多孔板が多段内設された多孔板塔』とするこ
とによって、前記混合液の水添塔内での逆混合に起因す
る『生成した1,6−ヘキサンジオールのモノアルコール
への分解反応』を抑制することができ、水添反応におけ
る高転化率および高選択率を達成できるので、1,6−ヘ
キサンジオールの生産性などが向上するのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の製造方法を実施する場合の製造フ
ローの一例を示すフロー図である。 1:混合槽、2:プランジャーポンプ、3:水素ガス圧縮機、
4:水素ガス加熱器、5:プレヒーター(IaおよびIb:前段
プレヒーター、II:後段プレヒーター)、6:水添塔、7:
クーラー、8:気液分離器、9:減圧タンク。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】混合槽内で、シクロヘキサンを酸化して得
    られたカルボン酸化合物をアルコール類でエステル化し
    て得られたエステル化物の液状混合物に、水添触媒を、
    100℃以下の温度で、添加混合し、 その混合液を50kg/cm2以上の圧力に加圧すると共に、そ
    の加圧混合液に水素ガスを供給し、 次いで、その加圧された混合液を、プレヒーター内で22
    0℃以上の温度に加熱し、 そして、前記の加熱・加圧された混合液を、多孔板形式
    の水添塔へ供給して、前記エステル化物を水添反応を行
    わせ、1,6−ヘキサンジオールを製造することを特徴と
    する1,6−ヘキサンジオールの製造方法。
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