JPH08280952A - シェービングエイド付き剃刀 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 剃刀ヘッド１上の固形化シェービングエイド
９は、後記する特定の高分子量化合物に、さらにポリス
チレン及びその共重合樹脂と抗菌剤と保湿剤と水溶性樹
脂補助剤とを含有したものである。この高分子量化合物
は、後記する特定のポリアルキレンオキシド化合物と、
多価カルボン酸、その無水物もしくはその低級アルキル
エステル又はジイソシアネートとを反応させて得られる
重量平均分子量１万以上のものである。前記ポリアルキ
レンオキシド化合物は、活性水素基を２個有する有機化
合物に、エチレンオキシドを含有するアルキレンオキシ
ドを付加重合したものである。 【効果】 上記高分子量化合物の特性を剃刀特有の要求
性能として発揮できるばかりでなく、シェービングエイ
ド９においてその成形性、使用後の清潔性、使用後の肌
の保湿性、使用時の潤滑性（ヌルヌル感）を高め、この
高分子量化合物の優れた特性をさらに高めることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は刃体を取着した剃刀ヘ
ッドの露出部分に水溶性固形化シェービングエイドを固
着した剃刀に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の剃刀としては、特公昭６
２−３５７９１号公報に示すように、ポリエチレン酸化
物（ポリエチレンオキシド）を利用して固形の水溶性シ
ェービングエイドを形成したものがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】剃刀により髭を剃ると
きにシェービングエイドを水に濡らした場合、シェービ
ングエイドはある程度早く溶ける方が使い易い。又、溶
解したシェービングエイドの粘度はある程度低い方が肌
触りや剃り味の点で好ましい。

【０００４】ところが、前記ポリエチレンオキシド（Ｐ
ＥＯ）については、特に、水溶解速度が遅く、粘度もか
なり高い。そのため、前述した剃刀特有の性能要求を十
分に満足できない。又、このポリエチレンオキシドは成
形性に劣る。

【０００５】その他、剃刀としては、使い捨てものが多
いため、熱分解性や燃焼後の灰分も考慮しなければなら
ない。さらに、溶解後のシェービングエイドは口の周り
に付くため、安全性も考慮しなければならない。

【０００６】しかし、前記ポリエチレンオキシドは勿論
のこと、その他の材質のものにあっても、前記剃刀特有
の性能要求をすべて満足できるものは見当たらない。か
かる点に鑑み、本出願人は特開平７ー２４１５６号公報
に示すシェービングエイド付き剃刀を提供している。こ
こで利用されているシェービングエイド用高分子量化合
物だけでも、剃刀特有の性能要求を十分に発揮すること
はできるが、シェービングエイドの成形性、使用後のシ
ェービングエイドの清潔性、使用後における肌の保湿
性、使用時のシェービングエイドの潤滑性（ヌルヌル
感）をさらに高めるために、本発明ではシェービングエ
イド用高分子量化合物をさらに改善した。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明のシェービングエ
イド付き剃刀は、刃体を取着した剃刀ヘッドの露出部分
に水溶性固形化シェービングエイドを固着したものであ
って、この水溶性固形化シェービングエイドが高分子
量化合物とポリスチレン及びその共重合樹脂からなる
群より選ばれた少なくとも１種との混合物であることを
第一の発明とし、さらに、この水溶性固形化シェービン
グエイドに、抗菌剤、保湿剤及び水溶性樹脂補助剤か
らなる群より選ばれた少なくとも１種が含まれることを
第二の発明とするものである。

【０００８】次に、シェービングエイド付き剃刀の具体
的手段を列挙する。 （水溶性固形化シェービングエイド）本発明の剃刀に固
着する水溶性固形化シェービングエイドは、前記のごと
く、高分子量化合物とポリスチレン及びその共重合樹脂
からなる群より選ばれた少なくとも１種との混合物、又
は、この混合物に、抗菌剤、保湿剤及び水溶性樹脂補助
剤からなる群より選ばれた少なくとも１種を添加したも
のを、例えば射出成形等により適宜所定の形状に成形し
たものである。

【０００９】 高分子量化合物（以下ＰＡＯともい
う） 本発明に使用する高分子量化合物は、ポリアルキレンオ
キシド化合物と、多価カルボン酸、その無水物もしくは
その低級アルキルエステル又はジイソシアネート化合物
とを反応させて得られる重量平均分子量１万以上のもの
である。前記ポリアルキレンオキシド化合物は、活性水
素基を２個有する有機化合物に、エチレンオキシドを含
有するアルキレンオキシドを付加重合したものである。

【００１０】前記ポリアルキレンオキシド化合物におい
て活性水素基を２個有する有機化合物としては、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチ
ルアミン、ポリテトラメチレングリコール、アニリン等
が挙げられる。

【００１１】この有機化合物に付加重合するアルキレン
オキシドは、エチレンオキシド単独、又はエチレンオキ
シドを含有するアルキレンオキシドである。エチレンオ
キシド以外のアルキレンオキシドは炭素数３〜３０のも
のであり、例えば、プロピレンオキシド、ブチレンオキ
シド、スチレンオキシド、α−オレフィンエポキシド又
はグリシジルエーテル類等が挙げられる。

【００１２】ここで、炭素数３〜３０のアルキレンオキ
シド化合物の含有量は任意であるが、前記高分子量化合
物からなる固形化シェービングエイドが水溶性であるこ
とを考慮すると、エチレンオキシドの含有量は全アルキ
レンオキシドに対して７０〜１００％（重量比）とする
のが好ましい。

【００１３】なお、前記有機化合物に対する前記アルキ
レンオキシドの付加重合は公知の方法により行なう。こ
のようなポリアルキレンオキシド化合物の重量平均分子
量は１００以上であることが好ましい。

【００１４】一方、前記ポリアルキレンオキシド化合物
と反応させる多価カルボン酸、その無水物又はその低級
アルキルエステルとしては、例えば、フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、セバシン酸、又はそのジメチル
エステル又はジエチルエステル等、又はピロメリット酸
無水物や他の無水テトラカルボン酸類等が挙げられる。

【００１５】同じくポリアルキレンオキシド化合物と反
応させるジイソシアネート化合物としては、トリレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート等の通常のジイソシアネート
化合物がすべて使用できる。また、ポリプロピレングリ
コール等とジイソシアネート化合物との予備反応を行な
った、いわゆるプレポリマーも同様にジイソシアネート
化合物として使用できる。

【００１６】前記ポリアルキレンオキシド化合物と前記
多価カルボン酸、その無水物又はその低級アルキルエス
テルとのエステル縮合反応や、同化合物とジイソシアネ
ート化合物とのウレタン化反応は熱分解が起こり易いた
め、密閉した容器内で酸素の不存在下で行うことが好ま
しい。

【００１７】ポリアルキレンオキシド化合物と多価カル
ボン酸、その無水物もしくはその低級アルキルエステル
又はジイソシアネート化合物との反応割合は任意であ
る。すなわち、高分子量化合物の重量平均分子量が１万
以上となるような割合であれば、いかなる割合でもよ
い。

【００１８】 ポリスチレン及びその共重合樹脂 シェービングエイドは、ＰＡＯ自体でも剃刀ヘッドの天
板（図１，２参照）に対して密着性があるため、実用上
問題はないが、さらに密着性及び親和力のある素材とす
るために、ポリスチレン及びその共重合樹脂を混合す
る。ＰＡＯに混合するポリスチレン及びその共重合樹脂
は、通常市販されているポリスチレン、耐衝撃性ポリス
チレン（ハイインパクトポリスチレン）、耐熱性ポリス
チレン（ヒートレジスタンスポリスチレン）、ＡＢＳ
（アクリルニトリルブタジエンスチレン共重合体）、Ｓ
ＡＮ（スチレンアクリルリトリル共重合体）、ＡＳＡ
（アクリレートスチレンアクリルニトリル共重合体）等
である。

【００１９】ポリスチレン及びその共重合樹脂の混合割
合は、成形性の面から、ＰＡＯとポリスチレン及びその
共重合樹脂との混合物のメルトフロー（ＪＳ Ｋ６８７
１）が７〜３２、好ましくは１０〜２０になるように設
定する。さらに、前記条件を満たす範囲で、ＰＡＯとの
相溶性を良くするために、例えば、ゴム分を有する耐衝
撃性ポリスチレンと一般用ポリスチレンとを混合し、こ
れを水溶性固形化シェービングエイドに５〜８０％、好
ましくは３０〜７５％添加してもよい。

【００２０】 抗菌剤、保湿剤及び水溶性樹脂補助剤
（但しＰＡＯは除く、以下同じ） 本発明における水溶性固形化シェービングエイド、すな
わちＰＡＯとポリスチレンとの混合物に、さらに添加さ
れる他の特定成分は、抗菌剤、保湿剤、水溶性樹脂補助
剤であり、これらを１種以上添加する。

【００２１】抗菌剤について 例えば、天然起源のヒノキチオールや竹エキス等の天然
起源抗菌剤、銀系無機抗菌剤等が挙げられる。

【００２２】ヒノキエキス抗菌剤は、抗菌性（殺菌性）
を有するヒノキのエキスであるヒノキチオールを、サイ
クロデキストリンとにより包接化合物を作って、熱的に
安定化しかつ粉末化したものである。このヒノキエキス
抗菌剤は、前記水溶性固形化シェービングエイド中に
０．５〜５％、好ましくは１〜２％存在するように添加
する。

【００２３】竹エキス抗菌剤は、抗菌性（殺菌性）を有
する竹のエキスであるフラン系及びフェノール系化合物
を酸化チタンやシリカゲルに取り込んで、熱的に安定化
しかつ粉末化したものである。この竹エキス抗菌剤は、
前記水溶性固形化シェービングエイド中に０．５〜５
％、好ましくは１〜２％存在するように添加する。

【００２４】銀系無機抗菌剤は、抗菌性イオン（銀イオ
ン）をゼオライトやシリカゲルの骨格構造内に取り込ん
で、粉末化したものである。この銀系無機抗菌剤は、前
記水溶性固形化シェービングエイド中に０．５〜５％、
好ましくは１〜２％存在するように添加する。

【００２５】前述したように熱的に安定化すると、上記
各抗菌剤を射出成形原料としてペレット化する際、並び
に、製品として射出成形する際に、有利であり、かつ分
解及び変色しない。

【００２６】この抗菌剤は、剃刀を使用後に風呂場等の
高温多湿な環境で保存した場合、黄色ぶどう球菌（化膿
菌）等の細菌の繁殖を防止する。 保湿剤について 例えば、化粧品の原料として、アロエエキス、シラカバ
エキス、桃の葉エキス、ビワ葉エキス、ヨモギエキス等
の植物エキスなどいろいろな成分のものが挙げられる
が、最近の自然思考を考えると、天然起源で安全性の高
いものを使用する必要がある。その反面、天然起源のも
のは、化学的に、特に熱的に、不安定なものが多い。さ
らに、射出成形時に加熱筒内で２００℃前後の温度にな
るため、熱安定性の高い素材を使用する必要がある。し
かし、射出成形時は大気中の加熱と違って密閉された加
熱筒内において酸素と接触しにくい状態で加熱が行われ
るので、加熱筒内での滞留時間を少なくして加熱時間を
最小にした。従って、例えば、アロエエキスの場合、ア
ロエエキス中の成分で保湿性効果を有する多糖体（グル
コース、マンノース等）を精製した純度の高いもの（ア
ロエの色素や他の成分を含まない）を使用することで、
射出成形時に加熱分解しない有効成分があることを、成
形後、液体クロマトグラフィーにより分収して確認し
た。この保湿剤は、前記水溶性固形化シェービングエイ
ド中に０．０２〜２％、好ましくは０．０５〜０．５％
存在するように添加する。

【００２７】この保湿剤は、使用後肌に保湿性を与え
る。 水溶性樹脂補助剤について 例えば、水に可溶で高粘性となり熱ゲル化性のあるヒド
ロキシプロピルメチルセルロースやメチルセルロース
等、分子量が８万以上であるものが挙げられる。この水
溶性樹脂補助剤は、前記水溶性固形化シェービングエイ
ド中に３〜１５％、好ましくは５〜１０％存在するよう
に添加する。

【００２８】この水溶性樹脂補助剤は、水溶性固形化シ
ェービングエイド付き剃刀の潤滑性（ヌルヌル感）を高
める。これらの抗菌剤、保湿剤及び水溶性樹脂補助剤
は、要求される効能に応じ、適宜添加されるものであ
る。

【００２９】（水溶性固形化シェービングエイド付き剃
刀）前記水溶性固形化シェービングエイドを固着する剃
刀としては、例えば二枚刃Ｔ型剃刀や長柄剃刀等が挙げ
られる。

【００３０】この水溶性固形化シェービングエイド付き
剃刀の一例として、二枚刃Ｔ型剃刀を図１，２を参照し
て説明する。剃刀ヘッド１は、ホルダ２に対し着脱可能
に支持され、刃台３上に下刃体４、スペーサ５、上刃体
６及び天板７が重合された状態で、刃台３と天板７との
間に上下両刃体６，４及びスペーサ５が挟着されてい
る。刃台３の前端部にはガード３ａが形成されている。
このガード３ａと天板７の前端部７ａとの間において、
上下両刃体６，４の刃先６ａ，４ａが前方へ露出してい
るとともに、この両刃先６ａ，４ａ間でスペーサ５の前
端部５ａが前方へ露出している。

【００３１】天板７の後部７ｂ上には上方へ開放された
凹部８が上下両刃体６，４の刃先６ａ，４ａに沿って延
びるように形成されている。前記水溶性固形化シェービ
ングエイド９はこの凹部８内に固着されて上方へ露出し
ている。

【００３２】

【作用】ところで、剃刀により髭を剃るとき剃刀ヘッド
１上の水溶性固形化シェービングエイド９を水に濡ら
す。このとき、上記高分子量化合物の溶解速度は速いた
め、水溶性固形化シェービングエイド９として上記高分
子量化合物を利用すると使用上便利である。また、溶解
後のシェービングエイド９の粘度は肌触りや剃り味に影
響する。上記高分子量化合物は髭剃り上最適な粘度範囲
にあり、肌触りや剃り味が良くなる。

【００３３】水溶性固形化シェービングエイド９の付い
た剃刀は使い捨てのものが多い。上記高分子量化合物は
熱分解性に優れているとともに、その灰分が少ないた
め、使い切っていない水溶性固形化シェービングエイド
９が例え使い捨てられても、ゴミとして残りにくい。

【００３４】上記高分子量化合物は成形性に優れている
とともに、強靱性も有する。従って、剃刀ヘッド１とは
別に水溶性固形化シェービングエイド９を成形する場合
有利である。また、この水溶性固形化シェービングエイ
ド９を剃刀ヘッド１に組付ける場合に破損しにくい。

【００３５】さらに、上記高分子量化合物の毒性は極め
て低い。従って、溶解後のシェービングエイド９が口の
周りに付いたとき安全性の点でも問題がない。上記高分
子量化合物はこのような優れた特性を有するが、この高
分子量化合物に、ポリスチレン及びその共重合樹脂から
なる群より選ばれた少なくとも１種を混合すると、シェ
ービングエイド９の成形時の流れをさらに改善すること
ができる。

【００３６】また、この混合物に対し、抗菌剤と保湿剤
と水溶性樹脂補助剤のうち少なくとも１種を、含有させ
ると、この高分子量化合物の優れた特性がさらに高めら
れる。すなわち、抗菌剤（殺菌剤を含む意味）は剃刀の
使用後に吸湿性を有する水溶性固形化シェービングエイ
ド９自体の清潔性を保つ。保湿剤は剃刀の使用後に肌の
保湿性を持たせる。水溶性樹脂補助剤は使用時の水溶性
固形化シェービングエイド９の潤滑性（ヌルヌル感）を
高める。

【００３７】

【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明をより
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。

【００３８】実施例 所定量の高分子量化合物と、ポリスチレン及びその共重
合樹脂からなる群より選ばれた少なくとも１種との混合
物、又は、この混合物に対し、抗菌剤、保湿剤及び水溶
性樹脂補助剤からなる群より選ばれた少なくとも１種を
含有させたものを、射出成形機（株式会社新潟鉄工所
製）により温度１８０〜２２０℃（好ましくは１９０〜
２００℃）で成形し、水溶性固形化シェービングエイド
を得た。この水溶性固形化シェービングエイドを二枚刃
Ｔ型剃刀に固着し、図１，２に示したシェービングエイ
ド付き二枚刃Ｔ型剃刀を製作した。

【００３９】このシェービングエイド付き二枚刃Ｔ型剃
刀を使用して各種試験を行った結果を表１に示す。

【００４０】

【表１】

【００４１】注１）高分子量化合物の実施例２〜６は、
次のように合成したものを使用した。ポリプロピレング
リコール（重量平均分子量２０００）２０部にエチレン
オキシド１８０部を付加したもの（重量平均分子量２０
０００、エチレンオキシド 含有量９０．１％）に、フ
タル酸ジメチル１．９部を加えて重縮合反応して得た重
量平均分子量１２万のポリマー。 注２） 高分子量化合物の実施例７〜８は、ポリエチレ
ングリコール（重量平均分子量２００００、エチレンオ
キシド 含有量１００％）２００部に、２，４ートリレ
ンジイソシアネート１．５部で反応を行って得た重量平
均分子量１５万のポリマーを使用した。 注３） 高分子量化合物の実施例９〜１０は、上記ポリ
マーの５０／５０（重量比）の混合物を使用した。 注４） 上記試験方法は下記のごとく行い評価した。

【００４２】使用時の潤滑性・・・５０人のモニターに
て剃り味テストを行い、ヌルヌル感を５段階評価して表
１にその平均値を示した。 使用後の肌の保湿性・・・髭を剃ってから１分後に、皮
表角層水分測定装置（高周波 ＩＭＰＥＤＡＮＣＥ Ｍ
ＥＴＥＲ ｍｏｄｅｌ ＩＢ ３３５．アイビイエス
株式会社 製）を使用して、皮膚の電気伝導度を測定し
た。電気伝導度が高いほど保湿性があることを示す。

【００４３】細菌の繁殖性（抗菌効果）・・・黄色ブド
ウ球菌（化膿菌）の菌液を成形品に接種してラップした
後に３５℃で保存し、保存開始０時間及び２４時間後の
生菌数を測定して抗菌効果があることを確認した。０時
間の理論添加菌数は５．０×１０⁶ であり、２４時間後
の菌数が少なくなるほど抗菌効果がある。 なお、前述した実施例以外にも下記（イ）〜（ト）のよ
うに構成してもよい。

【００４４】（イ） 剃刀ヘッド１のガード３ａ上に同
様な固形化シェービングエイドを固着する。 （ロ） 剃刀ヘッド１のスペーサ５自体を同様な固形化
シェービングエイドにより形成する。この場合、露出し
ているスペーサ５の前端部５ａが溶ける。

【００４５】（ハ） 剃刀ヘッド１の天板７自体を同様
な固形化シェービングエイドにより形成する。この場
合、天板７の表面が溶ける。 （ニ） 例えば実開昭５７−６９６８３号公報に示すよ
うな髭かす排除板付き２枚刃Ｔ型剃刀において、その髭
かす排除板自体を同様な固形化シェービングエイドによ
り形成する。

【００４６】（ホ） 前述した実施例では２枚刃Ｔ型剃
刀を例示したが、例えば実開昭５５−１５３０７２号公
報に示すような１枚刃Ｔ型剃刀に応用する。 （ヘ） 前述した実施例では剃刀ヘッド１がホルダ２に
対し着脱可能になっているが、例えば実開昭５５−１５
３０７２号公報に示すように剃刀ヘッドがホルダに対し
一体化されたＴ型剃刀に応用する。

【００４７】（ト） Ｔ型剃刀以外に、例えば実開昭５
７−１２４３７５号公報や実開昭５７−１４９８６６号
公報に示すような長柄剃刀に応用する。

【００４８】

【発明の効果】本発明に係るシェービングエイド付き剃
刀によれば、剃刀ヘッドの固形化シェービングエイドと
して特定の高分子量化合物を利用したので、他の材質の
ものと比較して、この高分子量化合物の特性を剃刀特有
の要求性能として発揮でき、剃刀の性能を高めることが
できる。

【００４９】上記高分子量化合物に、ポリスチレン及び
その共重合樹脂からなる群より選ばれた少なくとも１種
を含有させると、この高分子量化合物の優れた特性をさ
らに高めることができる。さらには、この高分子量化合
物と、ポリスチレン及びその共重合樹脂からなる群より
選ばれた少なくとも１種との混合物に対し、抗菌剤、保
湿剤及び水溶性樹脂補助剤からなる群より選ばれた少な
くとも１種を含有させると、この高分子量化合物の優れ
た特性をより一層高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本実施例のシェービングエイド付き剃刀を示
す斜視図である。

【図２】 同じく剃刀ヘッドを示す断面図である。

【符号の説明】

１…剃刀ヘッド、９…水溶性固形化シェービングエイ
ド。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 刃体を取着した剃刀ヘッドの露出部分
   に、水溶性固形化シェービングエイドを固着した剃刀に
   おいて、 前記水溶性固形化シェービングエイドが、下記の高分
   子量化合物と、ポリスチレン及びその共重合樹脂から
   なる群より選ばれた少なくとも１種との混合物であるこ
   とを特徴とするシェービングエイド付き剃刀。高分子量
   化合物は、活性水素基を２個有する有機化合物に、エチ
   レンオキシドを含有するアルキレンオキシドを付加重合
   したポリアルキレンオキシド化合物と、多価カルボン
   酸、その無水物もしくはその低級アルキルエステル又は
   ジイソシアネートを反応させて得られる重量平均分子量
   １万以上のものである。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の水溶性固形化シェービ
   ングエイドに、抗菌剤、保湿剤及び水溶性樹脂補助剤
   （但し、高分子量化合物は除く。）からなる群より選ば
   れた少なくとも１種が、含まれることを特徴とするシェ
   ービングエイド付き剃刀。