JPH08280291A - ペット用キャリーケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ケース体の上面に形成する把手のみに頼らずと
も運搬が行なえるようにして、持ち運びがきわめて容易
に行なえる、取扱いも容易であるようにすること。 【構成】ケース体２の前後方向における後方側の底面
に、前方側を上に引き上げて傾けた状態でも走行可能な
キャスタ３を設け、ケース体２底面の前後方向における
前方側には、ケース体２を水平にした状態で接地してケ
ース体２を支持する脚部４を突設し、ケース体２上面の
前後方向における前方側に、ケース体２を牽引可能なバ
ンド体５を取付け可能にしたペット用キャリーケース
１。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば犬や猫などの
ペットを収容して運搬するペット用キャリーケースに関
し、より詳しくは、持ち運びがきわめて容易であるよう
なペット用キャリーケースに関する。

【０００２】

【従来の技術】ペット用キャリーケースには様々な形態
のものがあるが、いずれもペットを収容する空間を内部
に有したケース体を基本に構成されている。そしてこの
ケース体を運搬するための手段として、上面の中央に把
手を形成している。この把手を利用すれば、ペット用キ
ャリーケースは身体の一側に沿わせて提げることができ
る。

【０００３】しかし、このように把手を用いて持ち運ぶ
のでは、一方の手が完全に塞がってしまうことになるの
で、他の荷物を持ちにくいという問題点がある。

【０００４】その上、ペット用キャリーケースは、把手
を持って提げると、身体の一側にくっつき、膝部部を圧
迫し、時には強く当ることになるため、提げた状態での
歩行はしにくく、特に人混みの中では、人の流れに長さ
れやすく、これにペットの重量も加わって、手が非常に
疲れてしまう。

【０００５】また、ペット用キャリーケースを一度下ろ
して接地すると、次に持とうとする時には、膝を曲げ、
体を屈めて、手を伸ばさなければならず、面倒な動作が
必要であった。この面倒な動作は、ペット用キャリーケ
ースの底面が滑りにくいためペット用キャリーケースを
少しだけ動かしたいときでも不可欠である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、把
手によらずとも運搬が行なえるようにすることで、負担
が掛からずきわめて容易に持ち運びができるようなペッ
ト用キャリーケースの提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めの手段を実施例の図１を用いて説明すると、その構成
は、ケース体の前後方向における後方側の底面に、前方
側を上に引き上げて傾けた状態でも走行可能なキャスタ
を設け、上記ケース体底面の前後方向における前方側に
は、ケース体を水平にした状態で接地してケース体を支
持する脚部を突設するとともに、上記ケース体上面の前
後方向における前方側に、牽引バンドを取付け可能にし
たペット用キャリーケースであることを特徴とする。

【０００８】なお、階段等でも持ち運びに支障を来さな
いようにすべく、ケース本体の上面近傍部位に複数の係
止部を形成し、これら係止部に対して、付属の肩掛けバ
ンドの両端のフックを選択係止可能にしたペット用キャ
リーケースであることを特徴とする。

【０００９】また、部品点数を低減して取扱いを容易に
すべく、前記牽引バンドと肩掛けバンドとを兼用する長
さ調節可能なバンド体を備えるもよい。

【００１０】

【作用】すなわち、請求項１の構成によれば、ペット用
キャリーケースの運搬に際しては、ケース体の上面の前
後方向における前方側に牽引バンドを取付け、この牽引
バンドをもって若干引き上げるようにしてケース体の前
方側を浮かして引張ることで、底面の後方側に設けたキ
ャスタを用いてケース体を走行させる。牽引バンドの牽
引を止めてケース体を下ろせば、ケース体底面の前方側
に設けた脚部がケース体を水平に支持する。

【００１１】請求項２の構成によれば、ペット用キャリ
ーケースの運搬に際しては、上述のようにする他、例え
ば階段等においては、肩掛けバンドをケース体上面近傍
部位の複数の係止部に適宜掛け渡して、肩掛けバンドを
肩に掛ければよい。

【００１２】請求項３の構成によれば、ペット用キャリ
ーケースの運搬は、バンド体を用いてケース体を走行さ
せたり、肩に掛けたりするればよい。バンド体は例えば
肩掛けバンドとして使用できる長さに設定しておけば、
２種類の使用態様に円滑に切換えられる。

【００１３】

【発明の効果】以上の結果、請求項１のペット用キャリ
ーケースによると、ケース体の底面にはキャスタを設け
ているので、運搬はキャスタを用いて走行させることが
でき、少ない力で円滑に行なえる。しかも、キャスタは
ケース体の後方側のみに設け、底面の前方側にはケース
体を支持する脚体を突設しているので、ケースを運搬す
る意思のないとき、すなわちケース体の前方側を浮かせ
て走行させていないときには、ケース体が自ずと安定す
る。このため、例えばペットが内部で暴れたりしてもケ
ース体が動いたり、走行してしまったりすることはな
く、扱いが簡単で都合がよい。

【００１４】また、運搬に要する力は前述のように把手
を持つ場合に比して少なくて済むので、空いている手に
他の荷物を持つこを妨げず、場合によっては牽引バンド
を持つ手に他の荷物を持つこともできる。つまり、ペッ
トの運搬に要する負担を大幅に低減して、ペットのみの
運搬にすべてが奪われ、他のことができないというよう
なことを阻止することができる。

【００１５】さらに、ペット用キャリーケースの運搬は
牽引バンドの操作で切換えるので、牽引バンドさえ持っ
ていれば、一度下ろして接地した後つぎに持とうとする
時でも従来のような面倒な動作は不要であり、扱いが容
易である。

【００１６】請求項２のペット用キャリーケースによる
と、肩掛けバンドを複数の係止部に選択係止可能にした
ので、キャスタによる走行で運搬のできない場所に差し
か掛かったときには、速やかに肩に掛けて持ち替え、必
要な運搬をなしとげる事ができる。

【００１７】しかも、肩掛けバンドにより肩に掛けるこ
とができるので、前述した他の荷物が持ちやすく、負担
が少ないという効果を損なうことなく、確実に達成でき
る。

【００１８】また肩に掛けるので、把手を用いて提げた
場合と異なり、腰近傍でケース体を支えることが可能
で、負担の軽減ができるとともに、例えばペットが騒ぎ
出したりしたときなど、ペットを宥めることも行ないや
すい。

【００１９】請求項３のペット用キャリーケースによる
と、長さ調節可能なバンド体で牽引バンドと肩掛けバン
ドとを兼用したので、このバンド体を、２種類の使用態
様の双方が行なえるように長さ調節しておけば、ペット
用キャリーケースの走行と肩掛け保持との切換えがまっ
たく滞ることなく円滑に行なえ、操作が容易である。ま
た、部品点数が低減できるため、管理等の取扱いも容易
にすることができる。

【００２０】

【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図１はペット用キャリーケース１（以下、キャ
リーケースという）の斜視図であり、この図に示すよう
にキャリーケース１は、ペットを収容する収容空間（図
示せず）を内部に有し、略直方体状をなすケース体２
と、このケース体２の前後方向における後方側の底面に
設けたキャスタ３と、底面の前方側に設けた脚部４と、
ケース体２の上面に着脱可能に取付けるバンド体５とで
構成している。

【００２１】ケース体２は、前面に開閉、着脱可能な扉
体６を有した出入口７を形成し、上面の中央には、把手
取付け凹部８を形成して、把手９を起立傾倒自在に枢着
している。また周面には多数の通気孔１０を形成してい
る。

【００２２】ケース体２の後方側にキャスタ３を設けた
のは、図２に示したようにケース体２の前方側を浮かせ
て牽引した時ケース体２を走行させることができるよう
にするためである。このためキャスタ３の取付けは、よ
り後方側に行なうとともに、ケース体２の後端部の底部
をアール状に形成してケース体２を傾けた状態での走行
を可能にしている。

【００２３】前述の脚部４は、図２に仮想線で示したよ
うに後方側にキャスタ３を有するケース体２を水平にし
たときにケース体２を支持するためのもので、ケース体
２を水平にするのに必要な長さ、左右の２箇所に底面か
ら垂設して突出させて形成している。

【００２４】またケース体２の上面には前述の把手９の
ほか、前述のバンド体５を係止するための係止部１１…
を４箇所に形成している。これら係止部１１…は平面視
略長方形状をなす四隅に設け、平面視長円形の係止凹溝
１１ａと、この係止凹溝１１ａの口縁部に左右方向に掛
け渡した係止条１１ｂとにより構成している。

【００２５】バンド体５は、枠状の調節部材５ａの移動
で長さの調節が可能であり、両端には一部の弾性変位に
より上述の係止条に係脱できるフック５ｂ，５ｂを形成
している。

【００２６】このようなバンド体５は、図１に仮想線で
示したように前述の２箇所の係止部１１，１１に係止し
て使用したり、図３に実線と仮想線とで示したように前
方側と後方側とのそれぞれ一か所ずつの係止部１１，１
１に係止してはすかいに掛け渡して使用したりする。前
者のようにして使用すると、図２の如くキャスタ３を用
いてケース体２を走行させるのに都合がよく、後者のよ
うにして使用すると肩に掛けて持ち運ぶのに都合がよ
い。

【００２７】なお、図３に示したようにはすかいに掛け
渡して肩に掛けられる長さにバンド体５の長さを調整し
ておき、バンド体５の前方側を持って牽引してケース体
２を走行させるもよい。この場合には、両使用態様の切
換えが円滑に行なえる。

【００２８】前述の出入口７と扉体６、およびその取付
け構造は図４に分解斜視図で示したように構成してい
る。

【００２９】すなわち、出入口７には正面視方形枠状の
突出片１２を一体形成し、この突出片１２の上片１３と
下片１４との左右の２箇所ずつに、略筒状の取付け部
（第１取付け部１５、第２取付け部１６、第３取付け部
１７、第４取付け部１８）を一体形成している。上片１
３と下片１４の一方側（図面右側）の第１取付け部１５
と第２取付け部１６は扉体６を枢着するためのもので、
扉体６の一方側の対応部位に上下に突設した枢着軸１
９，１９を回転可能に保持するようにしている。下片１
４の第１取付け部１５には軸孔１５ａを形成し、上片の
第２取付け部１６には貫通孔１６ａを形成している。こ
の貫通孔１６ａには上からロック部材２０を装着し、ロ
ック部材２０が一方に向いたときに扉体６の枢着軸１
９，１９を前後方向に取出せるようにしている。

【００３０】上片１３と下片１４との他方側（図面左
側）の第３取付け部１７と第４取付け部１８は、上述の
第１取付け部１５と第２取付け部１６とで枢着した扉体
６の閉状態を保持するもので、上述の第２取付け部１６
と同様に、貫通孔１７ａ，１８ａを形成し、これにはロ
ック部材２０を装着する。ロック部材２０が一方を向い
たときに扉体６の枢着軸２１，２１が前後方向に解除さ
れ、扉体６の開放が可能になる。

【００３１】この、ロック部材２０が一方を向いたとき
に扉体６の枢着軸１９，２０，２０が前後方向に解除さ
れる機構を、上片１３の他方側の第３取付け部１７を例
にして具体的に説明すると、図５および図６に示すよう
になる。すなわち、ロック部材２０は頭部２０ａの下に
略筒状の回動部２０ｂを形成し、この回動部２０ｂの下
端の全周に抜止め爪２０ｃを形成している。回動部２０
ｂは、枢着軸２１が回動可能な内径を有し、開口幅は枢
着軸２１の径と略同一幅に設定している。反開口部側に
は貫通孔１７ａへ装着するときに必要な弾性溝２０ｄを
形成している。頭部２０ａには、反開口部側を前方に向
けたとき、第３取付け部１７に形成した一方側（図面左
側）のストッパ片２２，２３間に位置する係止突起２０
ｅを形成している。２枚のストッパ片２２，２３のうち
後側のものは高く、前側のものは低く設定している。

【００３２】また、この第３取付け部１７において頭部
２０ａには、回動用のつまみ片２０ｆと、回り止め枠２
０ｇとを形成している。この回り止め枠２０ｇは、図６
に示したようにストッパ片２２，２３に対して上から係
止する。

【００３３】このように構成したキャリーケース１で
は、運搬に際しては、図１または図３に示したようにバ
ンド体５を適宜係止する。そして、図２に示したように
ケース体２の前方側を浮かして引張ることで、ケース体
２を走行させる事ができる。また、バンド体５を長く設
定して肩に掛けられるようにすることで、腰近傍でケー
ス体２を支えて保持できる。

【００３４】したがって、運搬に要する力は把手を持つ
場合に比して少なくて済むので、空いている手に他の荷
物を持つこを妨げず、場合によってはバンド体５を持つ
手に他の荷物を持つこともできる。つまり、ペットの運
搬に要する負担を大幅に低減して、ペットのみの運搬に
すべてが奪われ、他のことができないというようなこと
を阻止することができる。

【００３５】さらに、キャリーケース１の運搬はバンド
体５の操作で切換えるので、バンド体５さえ持っていれ
ば、一度下ろして接地した後つぎに持とうとする時でも
腰を屈めたりするような面倒な動作は不要であり、扱い
が容易である。

【００３６】また、バンド体５を複数の係止部１１…に
選択係止可能にしたので、キャスタ３による走行で運搬
のできない場所、例えば階段に差しか掛かったときに
は、速やかに肩に掛けて持ち替え、必要な運搬をなしと
げる事ができる。

【００３７】さらにまた、肩に掛けたときには、把手を
用いて提げた場合と異なり、腰近傍でケース体２を支え
ることが可能となるので、負担の軽減ができる上、例え
ばペットが騒ぎ出したりしたときなど、ペットを宥める
ことも行ないやすい。

【００３８】また、バンド体５を係止する係止部１１…
はケース体２上面の四隅に形成したので、はすかいに掛
ける場合、右肩に掛ける場合と左肩に掛ける場合とで、
バンド体５を掛ける向きを適宜選択して、無理のない運
搬が行なえる。そのうえ、形成位置は上面であるので、
係止部１１…の形成が、ケース体２の保持に邪魔になら
ないように行なえるとともに、肩に掛けた場合、腰近傍
部位との三点支持ができ安定性がよい。

【００３９】さらに、長さ調節可能なバンド体５一つ
で、ケース体２を牽引する牽引バンドと、ケース体２を
肩に掛ける肩掛けバンドとを兼用したので、このバンド
体５を、２種類の使用態様の双方が行なえるように長さ
調節しておけば、キャリーケースの走行と肩掛け保持と
の切換えがまったく滞ることなく円滑に行なえ、操作が
容易である。また、部品点数が低減できるため、管理等
の取扱いも容易にすることができる。

【００４０】その上、ケース体２の底面に設けるキャス
タ３はケース体２の後方側のみに設け、底面の前方側に
はケース体２を支持する脚体４を突設しているので、ケ
ース体２を運搬する意思のないとき、すなわちケース体
２の前方側を浮かせて走行させていないときには、ケー
ス体２が自ずと安定する。このため、例えばペットが内
部で暴れたりしてもケース体２が動いたり、走行してし
まったりすることはなく、扱いが簡単で都合がよい。

【００４１】また、扉体６はケース体２から分離できる
ので、洗浄等の取扱いも容易である。

【００４２】この発明の構成と、上述の一実施例の構成
との対応関係を示すと、この発明の牽引バンドと肩掛け
バンドは、バンド体５に対応する。

【図面の簡単な説明】

【図１】ペット用キャリーケースの斜視図。

【図２】ペット用キャリーケースの使用状態の側面図。

【図３】ペット用キャリーケースの使用状態の斜視図。

【図４】出入口部分の分解斜視図。

【図５】扉体の取付け構造を説明する断面図。

【図６】扉体の取付け機構を説明する断面図。

【符号の説明】

１…ペット用キャリーケース ２…ケース体 ３…キャスタ ４…脚部 ５…バンド体 ５ｂ…フック １１…係止部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ペットを収容する収容空間を内部に有した
   ケース体からなるペット用キャリーケースであって、上
   記ケース体の前後方向における後方側の底面に、前方側
   を上に引き上げて傾けた状態でも走行可能なキャスタを
   設け、上記ケース体底面の前後方向における前方側に
   は、ケース体を水平にした状態で接地してケース体を支
   持する脚部を突設するとともに、上記ケース体上面の前
   後方向における前方側に、牽引バンドを取付け可能にし
   たペット用キャリーケース。
2. 【請求項２】前記ケース本体の上面近傍部位に複数の係
   止部を形成し、これら係止部に対して、付属の肩掛けバ
   ンドの両端のフックを選択係止可能にした請求項１記載
   のペット用キャリーケース。
3. 【請求項３】長さ調節可能なバンド体を備え、前記牽引
   バンドと肩掛けバンドとを兼用した請求項２記載のペッ
   ト用キャリーケース。