JPH08278124A - 測量機 - Google Patents

測量機

Info

Publication number
JPH08278124A
JPH08278124A JP8043095A JP8043095A JPH08278124A JP H08278124 A JPH08278124 A JP H08278124A JP 8043095 A JP8043095 A JP 8043095A JP 8043095 A JP8043095 A JP 8043095A JP H08278124 A JPH08278124 A JP H08278124A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
object distance
collimation
surveying instrument
telescope
lens
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8043095A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Yamamoto
山本  清
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd filed Critical Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP8043095A priority Critical patent/JPH08278124A/ja
Publication of JPH08278124A publication Critical patent/JPH08278124A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Optical Distance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 視準作業に先立って視準望遠鏡のピントをあ
る程度合わせておくことが可能であり、それにより視準
作業時間の短縮を可能とした測量機を提供すること 【構成】合焦レンズの位置は、物体距離エンコーダ58
によって検出される。制御演算部55は、物体距離エン
コーダ58によって検出された合焦レンズの位置に対応
する物体距離を算出する。表示部8は、制御演算部によ
って算出された物体距離を表示する。従って、作業者
は、合焦レンズを適宜進退させて、目測によって得た距
離が表示部8に表示されるようにする。すると、視準望
遠鏡は、測定対処に対してある程度ピントがあった状態
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、測距儀や測角器等、視
準望遠鏡を備えた測量機に関する。
【0002】
【従来の技術】土地の距離や高低等を測量する測量機と
して、従来より、光波測距儀のような測距儀や電子セオ
ドライトのような測角器が一般に用いられている。測距
儀は、特定の測点から測定対象地点までの距離を測量す
るものである。また、測角器は、測定対象地点の方向
を、特定の測点を中心とした水平角及び高度角として測
量するものである。また、最近では、この測距儀と測角
器とを組み合わせるとともにそれらの測定結果を演算処
理する計算機を備えたトータルステーションが実用化さ
れるに至っている。
【0003】これら測量機では、視準望遠鏡を用いて測
定対象地点の視準を行う必要がある。即ち、光波測距儀
においては、変調光を送光する送光光軸及び測定対象地
点に配置されたコーナーキューブからの反射光を受光す
る受光光軸と視準望遠鏡の光軸とが、同軸又は平行に設
けられている。そのため、視準望遠鏡によってコーナー
キューブを視準すると(即ち、視準用望遠鏡自体の向き
を微調整して、視準望遠鏡の視野中心にコーナーキュー
ブを合わせると)、送光光軸及び受光光軸がコーナーキ
ューブに合致するので、コーナーキューブによる反射を
利用した光波測距ができるようになるのである。一方、
測角器においては、測点に固定された基準台と視準望遠
鏡との間の相対角度が測定される構成となっている。そ
のため、視準望遠鏡によって測定対象地点(又は、測定
対象地点に配置されたターゲット)を視準すると、視準
望遠鏡の方向が測定対象地点の方向に合致するので、基
準台に対する測定対象地点の方向を測量することができ
るのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようにして視準望
遠鏡による視準を行うには、視準望遠鏡の対物光学系を
測定対象(コーナーキューブ,ターゲット,測定対象地
点のことを言う。以下、同じ。)にピント合わせしなけ
ればならない。即ち、対物光学系の位置を調整すること
により、接眼光学系によって観察可能な位置に、測定対
象の像を結像させなければならない。
【0005】しかしながら、これらの測量機は、数メー
トルから数千メートルの距離範囲で測量を行うことがで
きるので、視準望遠鏡のピント合わせが可能な範囲も数
メートル〜∞にわたっている。従って、特定の距離に位
置する測定対象にピントを合わせる作業に時間が掛かる
という問題があった。
【0006】即ち、視準作業の初期においては、測定対
象が視準望遠鏡の視野内に入っていることは殆どない。
また、ピントが全く外れていると、測定対象の輪郭さえ
も見えることがない。従って、作業者は、視準望遠鏡の
方向を適当に振りながら、視準望遠鏡のピント調節装置
を大まか動かして、測定対象が視野内に見えるようにし
なければならない。熟練した作業者であれば、視野内に
見える風景から現時点のピント位置(対物光学系のピン
トが合っている物体側の位置)及び視準望遠鏡の方向を
経験的に割り出すことも可能ではあるが、未熟練の作業
者は当てずっぽうに視準望遠鏡の方向を動かし且つピン
ト調節装置を操作しながら測定対象が偶然に見えるの待
つので、視野内で測定対象が見えるようにするまでに時
間が掛かってしまうのである。
【0007】そこで、本発明は、視準作業に先立って視
準望遠鏡のピントをある程度合わせておくことが可能で
あり、それにより視準作業時間の短縮を可能とした測量
機を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による測量機の第
1の態様は、測定対象の像を視準用面上に結像させる視
準用望遠鏡を有する測量機において、前記視準用望遠鏡
の光軸方向に進退することにより前記測定対象の結像位
置を移動させるための合焦用レンズと、前記合焦用レン
ズの位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段
によって検出された前記合焦用レンズの位置に応じて、
前記視準用面上に結像している物体の物体距離を特定す
る物体距離特定手段と、前記物体距離特定手段によって
特定された物体距離を表示する物体距離表示手段とを備
えたことを特徴とする(請求項1に対応)。
【0009】また、本発明による測量機の第2の態様
は、測定対象の像を視準用面上に結像させる視準用望遠
鏡を有する測量機において、前記視準用望遠鏡の固定鏡
筒と、前記固定鏡筒の軸方向に進退することにより前記
測定対象の結像位置を移動させるための合焦用レンズ
と、前記合焦用レンズを駆動するために前記固定鏡筒に
対して回転する回転鏡筒と、前記回転鏡筒と前記固定鏡
筒との相対回転位置とこの相対回転位置における前記合
焦レンズによって前記視準用面上に結像している物体の
物体距離との関係を示す表示とを備えたことを特徴とす
る(請求項8に対応)。
【0010】
【実施例】以下、図面に基づいて、本発明の実施例を説
明する。各実施例の詳細な説明を行う前に、本発明の各
構成要件の概念を説明する。
【0011】(測量機)本発明は、測距儀や測角器等、
測点を正確に特定する必要がある全ての測量機に適用す
ることができる。測距儀としては、光波測距儀に適用す
ることができる。また、測角器としては、電子セオドラ
イト等のセオドライトやトランシットに適用することが
できる。さらに、本発明は、光波測距儀と電子セオドラ
イトの機能を組み合わせたトータルステーションに適用
することも可能である。
【0012】(測定対象)光波測距儀としての測定対象
は、測定対象地点に配置されたコーナーキューブとして
のプリズム等の反射鏡である。また、測角器としての測
定対象は、測定対象地点に配置されたターゲットや測定
対象地点の測定対象物そのものである。この反射鏡とタ
ーゲットとが一体化されていても良い。
【0013】(視準用面)視準用面は、視準線等の視準
用の枠が形成されている平面である。この視準用の枠
は、視準用望遠鏡の光軸の位置を示すように形成されて
いることが望ましい。この視準用枠は、透明板の平滑面
又はスリガラス等の乱反射面に描かれていても良いし、
空間中に支持されていても良い。
【0014】(合焦用レンズ)合焦用レンズは単レンズ
であっても良いし、一体に移動する複合レンズであって
も良い。合焦レンズは、視準用望遠鏡の対物レンズ自体
であっても良いし、他の固定レンズとともに視準用望遠
鏡の対物レンズを構成しても良い。
【0015】(位置検出手段)位置検出手段は合焦用レ
ンズの位置に対応するデジタル信号を出力するエンコー
ダとして構成することができる(請求項7に対応)。こ
のエンコーダは、アブソリュート方式でも良いし、イン
クリメンタル方式でも良い。また、合焦レンズの位置に
応じて抵抗値や静電容量を可変するボリュームであって
も良い。
【0016】(物体距離特定手段)物体距離特定手段
は、合焦用レンズの位置に一定演算を施して物体距離を
算出するように構成されても良いし、合焦用レンズの位
置と物体距離とを一覧したテーブルを備えてこのテーブ
ルから合焦用レンズの位置に対応する物体距離を読み出
すように構成されても良い。
【0017】(物体距離表示手段)物体距離表示手段
は、測量機の外面に設けられても良い(請求項2に対
応)。この場合、物体距離表示手段は、測定対象を測定
することによって得られる測量結果を表示する表示板と
兼用されていても良い(請求項3に対応)。
【0018】一方、物体距離表示手段は、前記視準望遠
鏡内に設けられても良い(請求項4に対応)。この場
合、物体距離表示手段は、前記視準用面上に前記物体距
離を表示するように構成されても良い(請求項5に対
応)。このようにすれば、視準枠と物体距離とを同一視
度で見ることができる。また、視準用望遠鏡に、接眼レ
ンズとこの接眼レンズと前記視準用合焦板との間に配置
されたハーフミラーとを内蔵した場合には、物体距離表
示手段を、前記ハーフミラーに関して前記視準用面と光
学的等価な位置に配置することができる(請求項6に対
応)。このように構成しても、視準枠と物体距離とを同
一視度で見ることができる。
【0019】(表示)表示は、前記固定鏡筒及び前記回
転鏡筒の何れか一方に示された物体距離の表示と、前記
物体距離に対応する前記相対回転位置において前記物体
距離の表示を指示するように前記回転鏡筒及び前記回転
鏡筒の他方に示された指標とから構成することができる
(請求項9に対応)。
【0020】
【実施例1】以下、図面に基づいて本発明の第1実施例
を説明する。本実施例は、本発明による測量機をトータ
ルステーションに適用した例を示すものである。
【0021】<トータルステーションの外形>図1は、
トータルステーションの外観を示す正面図である。この
図1から明らかなように、トータルステーションは、大
きく分けて、視準望遠鏡部1,本体部2,及び基台部3
から構成されている。
【0022】本体部2は、正面から見て略U字状の外形
を有しており、その正面に操作部7及び物体距離表示手
段としての表示部8が設けられている。視準望遠鏡部1
は、視準望遠鏡を一体に有している。図1は、視準望遠
鏡の接眼側から見た状態を示しているので、その固定鏡
筒部1a,合焦つまみ30b,視度調整つまみ33,及
び接眼光学系15が表れている。また、視準望遠鏡部1
は、軸4によって本体部2のU字状凹部2a内に軸支さ
れ、紙面の上下方向に沿って立てた面内で回転可能とな
っている。この軸4の端部には円盤状の透明スケール5
aが固着されている。なお、本体部2内には、この透明
スケール5a上に描かれたパターンを読み取る検出装置
5bが固設されている。これら透明スケール5a及び検
出装置5bから垂直方向エンコーダ5が構成されて、視
準望遠鏡部1と本体部2との間の相対角度が検出される
のである。なお、視準望遠鏡部1全体は、本体部2のU
字状凹部2aに合わせて、視準望遠鏡の光軸方向(紙面
に垂直な方向)に沿った略四角柱型の外観を有してい
る。
【0023】基台部3は、円柱状の形状を有している。
基台部3は、軸4の方向に直交する方向を向いた軸6に
よって本体部2の底面2bに軸支され、紙面の左右方向
に沿って立てた面内で回転可能となっている。この軸6
の端部には円盤状の透明スケール9aが固着されてい
る。本体部2内には、この透明スケール9a上に描かれ
たパターンを読み取る検出装置9bが固設されている。
これら透明スケール9a及び検出装置9bから水平方向
エンコーダ9が構成されて、基台部3と本体部2との間
の相対角度が検出される。
【0024】以上の機械構成により、視準望遠鏡部1
は、地面に固定された基台部3に対してあらゆる方向を
向くことができる。この時の視準望遠鏡の方向は、垂直
方向エンコーダ5及び水平方向エンコーダ9によって測
定される。
【0025】<視準望遠鏡部の光学構成>次に、視準望
遠鏡部1内の光学構成を説明する。図2は、その視準望
遠鏡部1内の光学構成のみを示す斜視部である。図2に
おいて、視準望遠鏡は、視準光軸lに沿って物体(測定
対象)側から順に、対物光学系10,ダイクロイックプ
リズム11,合焦レンズ12,ポロプリズム13,液晶
表示板14,接眼光学系15から構成されている。
【0026】対物光学系1は、物体からの光を収束させ
て、物体の実像を結像させる結像光学系を構成する固定
レンズである。ダイクロイックプリズム11は、光軸に
対して斜めに傾斜した接合面11aを有している。この
接合面11aには、特定の波長域の光のみを反射すると
ともにその他の波長の光を全て透過する反射コーティン
グが施されている。従って、物体からの光の殆どは、こ
のダイクロイックプリズム11を透過する。
【0027】合焦レンズ12は、対物光学系10ととも
に結像光学系を構成する可動レンズである。この合焦レ
ンズ12が光軸方向に進退すると、特定の物体の実像の
結像位置が光軸方向に進退する。従って、この合焦レン
ズ12の位置を調整することにより、特定の物体像を液
晶表示板14上に結像させることができる。逆に言う
と、合焦レンズ12の位置を調整することにより、液晶
表示板14上にその実像が結像する物体までの距離(物
体距離)を可変させることができる。
【0028】ポロプリズム13は、結像光学系10,1
2によって左右及び上下に反転される物体の実像を、正
立させるためのプリズムである。このポロプリズム13
により、対物側の光軸lと接眼側の光軸lは、オフセッ
トされる。
【0029】液晶表示板14は、視準用焦点板を兼用す
る透明部材である。即ち、この液晶表示板14の接眼光
学系側の面(視準用面)には、図7に示すような視準線
が描かれている。この視準線の中央に描かれた十字線
は、光軸lの位置と一致している。また、図7の下側に
は、「距離」及び「m」なる文字が描かれている。この
文字「距離」と「m」との間には、1から1000まで
の数字,及び無限遠記号「∞」を表示することができる
物体距離表示手段としての液晶表示部が設けられてい
る。この液晶表示部は、複数のセグメントから構成され
ている。これらのセグメントに電荷が選択的に与えられ
ると、その偏光状態が変化して、光の透過を遮断する。
その結果、これらの数字及び無限遠記号が、光の影とし
て表示されるのである。
【0030】接眼光学系15は、これら視準線及び液晶
表示,並びに液晶表示板14表面近傍に結像された物体
の実像を拡大観察するための正レンズ群である。この接
眼光学系15は、視準を行う作業者の視力に合わせて視
度調整ができるように、光軸方向に全体として移動可能
となっている。
【0031】なお、対物光学系10は、測距光の送光/
受光系によって兼用されている。即ち、この測距光は、
ダイクロイックプリズム11の接合面11aにおいて反
射される波長域内の光を利用している。従って、測距光
の送光/受光系は、対物光学系10を兼用するととも
に、ダイクロイックプリズム11によって視準望遠鏡系
から分岐されるのである。以下、この測距光の送光/受
光系の光学構成について説明する。
【0032】発光ダイオード(LED)17は、ダイク
ロイックプリズム11の接合面11aにおいて反射され
る波長の光を出射する発光素子である。この発光ダイオ
ード17から出射された光は、リレーレンズ18を通っ
て光ファイバ(ライトガイド)19に入射される。
【0033】光ファイバ19から出射された光は、チョ
ッパ20に当たる。このチョッパ20はモータ21によ
って特定の同期スピードで回転する円形のシャッタであ
る。このチョッパ20には、回転中心からの半径距離を
夫々異にする2種類の円弧状スリットが、周方向に交互
に形成されている。この円弧状スリットは、光ファイバ
19から拡散出射された光の通過方向を切り替える絞り
として機能する。即ち、短半径のスリットを通過した光
は測距光dとなり、長半径のスリットを通過した光は外
部に送光されない内部参照光rとなる。チョッパ20が
回転すると、これら測距光d及び内部参照光rが所定の
周期で交互に通過することになる。
【0034】三角柱状のプリズム16は、ダイクロイッ
クプリズム11側に面した2つの斜面16a,16bと
これら斜面に隣接する矩形の底面とを有する。チョッパ
側の斜面16aは、測距光dを反射してダイクロイック
プリズム11に入射させるが内部参照光rを透過する様
に、その角度及び反射コーティングが設定されている。
なお、この斜面16aによってダイクロイックプリズム
11内に入射された測距光dは、対物光学系10によっ
て平行光とされ、視準光軸lと平行に送光される。即
ち、光ファイバ19の出射面は、対物光学系10単体の
焦点位置と光学的に等価の位置に配置されている。一
方、内部参照光rは、三角プリズム16の底面において
内面反射して、他方の斜面16bに当たる。また、測定
対象地点に配置されたコーナーキューブによって反射さ
れた測距光の戻り光iは、ダイクロイックプリズム11
の接合面11aにて反射され、三角プリズム16の斜面
16bに当たる。この斜面16bは、戻り光iを反射す
るが内部参照光rを透過する様に、その角度及び反射コ
ーティングが設定されている。
【0035】斜面16bを通過した戻り光i及び内部参
照光rは、干渉フィルタ21を透過する。この干渉フィ
ルタ21は、発光ダイオード17が出射するのと同じ波
長の光のみを透過させる特性を備えている。
【0036】干渉フィルタ21を透過した光は、光量可
変板22を透過する。この光量可変板22は、周方向に
漸次透過率が変化するNDフィルタであり、モータ23
によって回転させられる。そして、測定対象点までの距
離の遠近に応じてその回転位置が調整され、常に同程度
の光量がこの光量可変板22を透過するように、透過光
に対する透過率を変化させる。
【0037】光量可変板22を透過した光は、光ファイ
バ24に入射する。この光ファイバ24の入射面は、対
物光学系10単体の焦点位置と光学的に等価の位置に配
置されている。即ち、常に、無限遠の物体にピントが合
った状態となっているのである。光ファイバ24から出
射された光は、リレーレンズ25を通ってアバランシェ
フォトダイオード(受光素子)26によって受光され
る。
【0038】<視準望遠鏡部内の機械構成>図3は、図
1のIII−III線に沿って視準望遠鏡部1を縦断した断面
を示す断面図である。この断面は、対物光学系10の光
軸l及び接眼光学系15の光軸lを含む面と一致してい
る。
【0039】図3に示す様に、視準望遠鏡部1のケーシ
ングと一体の固定鏡筒部1a内には、そこに配置される
各光学素子の形状に合わせた内部空間1bが形成されて
いる。そして、この内部空間1bには、対物光学系1
0,ダイクロイックプリズム11,三角プリズム16,
光量可変板22,ポロプリズム13,液晶表示板14,
図示せぬ測距光の送光/受光系の光学部材が固定されて
いる。このうちの液晶表示板14は、ホルダ14aを介
して固定鏡筒1a内に固定されている。
【0040】ダイクロイックプリズム11とポロプリズ
ム13との間における固定鏡筒部1aの内部空間1b
は、円筒形状となっている。この部分において、固定鏡
筒部1aには、円筒状の内部空間1bと同軸の環状空間
1cが形成されている。この内部空間1bと環状空間1
cとの間を、特に、固定環部1dと称する。この固定環
部1dには、光軸lに平行な直進溝29が、その内外面
に貫通して形成されている。
【0041】固定環部1dの外周面には、光軸方向に進
退不可,且つ周方向に回転可能に、略円筒状のカム環3
0が環装されている。このカム環30の内周には、有底
のカム溝30aが光軸lに対して斜めに形成されてい
る。なお、カム環30の接眼側端部は、環状空間1cか
ら外部に露出した合焦つまみ30bとなっている。
【0042】また、固定環部1dの内面には、レンズ枠
27を介して合焦レンズ12が光軸方向に進退可能に保
持されている。このレンズ枠27の外周面には、その先
端が直進溝29を貫通してカム溝30a内に入り込んで
いるカムピン28が植設されている。従って、合焦つま
み30bを操作してカム環30を回転させることによ
り、レンズ枠27内に保持された合焦レンズ12を光軸
方向に進退させることができる。
【0043】この固定環部1dの端面には、光軸lに合
わせてその中心軸からオフセットした位置に、接眼固定
筒31が一体に形成されている。この接眼固定筒31の
内周面には、接眼光学系15を保持したレンズ枠32
が、光軸方向に進退可能に挿入されている。また、接眼
固定筒31の外周面には、直進溝33aがその内周面に
形成された視度調整つまみ33が、光軸方向に進退不
可,且つ周方向に回転自在に環装されている。接眼固定
筒31には、光軸lに対して斜めなカム溝31aが、内
外周面に貫通して形成されている。このカム溝31aに
は、一端がレンズ枠32の外周面に固着されているとと
もに他端が直進溝33aに入り込んでいるカムピン34
が貫通している。従って、視度調整つまみ33を回転さ
せることにより、接眼光学系15全体を光軸l方向に進
退させて視度調整を行うことができる。
【0044】ところで、液晶表示板14上にその実像が
結像する物体の位置から対物光学系10までの間の距離
(物体距離)と、合焦レンズ12の位置とは、一義的に
定まる関係にある。従って、合焦レンズ12の位置を検
出すれば、直ちに、物体距離を知ることができる。その
ため、カムピン28と固定環部1bとの間には、合焦レ
ンズ12の位置を検出するためのアブソリュート方式の
物体距離エンコーダが内蔵されている。この位置検出手
段としての物体距離エンコーダの構成を、図4を参照し
て説明する。
【0045】図4は、図3のIV−IV線に沿った横断面の
一部を示す断面図である。なお、この図4では、便宜
上、カム環30,固定環部1d,及びレンズ枠27を、
板状に示している。この図4から明らかなように、直進
溝29の片側壁は、固定環部1dの外表面の直下におい
て大きく側方(周方向)に切り欠かれており、エンコー
ダ収容空間29aを形成している。このエンコーダ収容
空間29aの内面には、その長軸を光軸lと平行にし,
且つその短軸をカムピン28と平行にした状態で板状の
エンコーダ板36が固着されている。このエンコーダ板
36は透明部材からなり、その表面には、縦4ビットの
2進値パターンが黒色塗料を用いて描かれている。この
2進値パターンは、透明部が“1”に対応するとともに
黒色が“0”に対応している。
【0046】一方、カムピン28には、エンコーダ板3
6を両面側から挟む形状の読取りユニット35が固着さ
れている。この読取りユニット35のカムピン側には発
光ダイオード35a及びコンデンサレンズ35bが取付
られており、エンコーダ板36を挟んだ反対側にはホト
トランジスタ35cが取付られている。従って、コンデ
ンサレンズ35bとホトトランジスタ35cとの間に2
進値パターンの透明部が位置するとホトトランジスタ3
5cがonし、黒色部が位置するとホトトランジスタ3
5cがoffする。この発光ダイオード35a,コンデ
ンサレンズ35b,及びホトトランジスタ35cの組み
合わせは、2進値パターンが4ビットであるのに合わせ
て、4段重ねになっている。従って、コンデンサレンズ
35bとホトトランジスタ35cとの間に位置するエン
コーダ板36上の4ビット2進値パターンを、ホトトラ
ンジスタ35cのon/offとして読み取ることがで
きるのである。
【0047】なお、4ビットで表せる数値は16通りで
あるので、エンコーダ36上における読取りユニット3
5の移動可能範囲が16等分され、各々に異なった値が
割り振られている。具体的には、図3に示すように、接
眼側(即ち、無限遠側)から物体側(即ち、最短撮影距
離側)に向かって値が大きくなるように、対応する値が
割り振られている。
【0048】以上の構成により、合焦つまみ30bを操
作して合焦レンズ12を任意の位置に移動させると、こ
の合焦レンズ12の位置に対応した物体距離を、4ビッ
トの2進値として読み取ることができる。
【0049】<トータルステーションの内部回路>図5
は、トータルステーションの内部回路を示すブロック図
である。図5において、基準発振器37は、測距の基準
となる基準周波数信号f1を発生する水晶発振器であ
る。この基準周波数信号f1は、各周波数信号発生器3
8及び計数回路部54に入力される。
【0050】各周波数信号発生器38は、基準周波信号
1を分周して、トータルステーション内部で使用され
る各周波数信号を発生する。即ち、各周波数信号発生器
38は、測距光を強度変調するために送光ブロック39
に入力される変調信号f2,局部発振器40に入力され
る基準信号f3,ゲート回路部53における位相差測定
の際に用いられる比較基準信号f4を、発生する。な
お、これら周波数信号f2〜f4は、その初期位相が同期
するように生成される。また、比較基準信号f4は、変
調信号f2を更に分周して生成される。
【0051】送光ブロック39は、図2に示される発光
ダイオード17,リレーレンズ18,光ファイバ19,
及びチョッパ20である。この送光ブロック39は、送
光光学系L1への送光光dと内部参照光ブロックL3へ
の内部参照光rとを、交互に出射する。
【0052】この送光ブロック39から出射された送光
光dを送出する送光光学系L1は、図2に示される三角
プリズム16,ダイクロイックプリズム11,及び対物
光学系10である。
【0053】この送光光学系L1から送出された送光光
dを受けるコーナーキューブCは、測定対象点に配置さ
れている。コーナーキューブCからの戻り光iを収束さ
せる受光光学系L2は、図2に示される対物光学系1
0,ダイクロイックミラー11,三角プリズム16,及
び干渉フィルタ21である。
【0054】一方、送光ブロック39から出射された内
部参照光rを中継する内部参照光ブロックL3は、図2
に示される三角プリズム16及び干渉フィルタ21であ
る。受光光学系L2からの戻り光i及び内部参照光ブロ
ックL3からの内部参照光rを調節する自動光量調整ブ
ロック50は、図2に示される光量可変板22及びモー
タ23,並びに、このモータを回転制御して戻り光i及
び内部参照光rの光量を自動調整するための駆動回路で
ある。
【0055】自動光量調整ブロック50にて自動調整さ
れた戻り光i及び内部参照光rを受光する受光ブロック
51は、図2に示される光ファイバ24,リレーレンズ
25,及びアバランシェフォトダイオード26である。
受光ブロック51は、戻り光iを戻り変調信号f5に変
換し、内部参照光rを参照変調信号f6に変換し、これ
らを混合器52に入力する。
【0056】局部発振器49は、変調信号f2の周波数
から僅かに異なる周波数の信号f7を発生し、これを混
合器52に入力する。混合器52は、戻り変調信号f5
及び参照変調信号f6に信号f7をミキシングして、この
ミキシングの結果得られた各周波数の信号から周波数
(f7−f2)の信号f5',f6'のみをローパスフィルタ
によって取り出す回路である。この混合器52によって
数kHz程度にビートダウンされた戻り変調信号f5'及
び参照変調信号f6'は、ゲート回路部53に入力され
る。
【0057】ゲート回路部53は、各周波数信号発生器
38から出力される比較基準信号f 4と混合器52から
の戻り変調信号f5'とから、その位相差に応じた信号
(その位相差に応じた時間だけHとなるデジタル信号)
5"を生成する。同様に、各周波数信号発生器38から
出力される比較基準信号f4と混合器52からの参照変
調信号f6'とから、その位相差に応じた信号(その位相
差に応じた時間だけHとなるデジタル信号)f6"を生成
する。なお、比較基準信号f4は、予め、混合器52の
ビートダウンにより生じる信号f5',f6'と同じ周波数
信号として生成されている。
【0058】計数回路部54は、ゲート回路部53から
出力される信号f5",f6"の長さを、基準発振器37か
らの基準周波数信号f1をカウントパルスとして用いて
計数する。即ち、これら信号f5",f6"がHである間に
受信した基準周波数信号f1の数を計数する。この計数
値は、戻り変調信号f5又は参照変調信号f6の位相差に
相当する値である。これら計数値は、制御演算部55に
入力される。
【0059】一方、位置検出手段としての物体距離エン
コーダ58は、図3に示す読み取りユニット35に対応
する。従って、物体距離エンコーダ58は、合焦レンズ
12の位置に対応した4ビット2進値を制御演算部55
に入力する。
【0060】また、垂直方向エンコーダ5は、本体部2
と視準望遠距部1との間の相対角に対応するデータを制
御演算部55に入力する。同様に、水平方向エンコーダ
9は、本体部2と基台部3との間の相対角に対応するデ
ータを制御演算部55に入力する。
【0061】操作部7は、測距や測角の指示を制御演算
部55に与えたり、気象補正における気温・気圧の数値
やプリズム定数を制御演算部55に入力する。また、測
距結果や測角結果に基づいて各種データ処理を行うため
のコマンドを制御演算部55に入力する。
【0062】制御演算部55は、ゲート回路部53,計
数回路部54,自動光量調整ブロック50,及びその他
の回路の全体的な制御を行う。制御演算部55は、その
制御の結果として計数回路部54から入力された計数値
に基づいて、トータルステーションの機械中心(光ファ
イバ19の出射端面位置及び光ファイバ24の入射端面
位置に対する視準光軸l上における光学的等価位置)か
らコーナーキューブCまでの距離を算出する。この際、
制御演算部55は、戻り変調信号f5に対する計数値か
ら参照変調信号f6に対する計数値を減算し、変調信号
2の初期位相誤差分を補正する。
【0063】制御演算部55は、また、水平方向エンコ
ーダ9からのデータ及び垂直方向エンコーダ5からのデ
ータに基づいて、トータルステーションの機械中心(軸
4と軸6との交点に一致)を基準として、測定対象の測
角値を計算する。また、制御演算部55は、算出された
測距値又は/及び測角値に対して、各種データ処理プロ
グラムを実行する。
【0064】物体距離特定手段としての制御演算部55
は、さらに、物体距離エンコーダ58によって入力され
た4ビット2進値に基づいて、合焦レンズ12の位置に
応じた物体距離を読み出す。図3において説明したよう
に、物体距離エンコーダ58は、合焦レンズ12の位置
を4ビット(0〜15)の精度で検出する。制御演算部
55は、ある2進値に対応する範囲の中点に合焦レンズ
12が位置したときの物体距離を、この2進値に対応す
る物体距離として予めテーブルに格納してある。そし
て、物体距離エンコーダ58から何れかの2進値が入力
されてきた時に、この2進値に対応する物体距離をテー
ブルから読み出すのである。
【0065】物体距離表示手段としての表示部8は、制
御演算部55によって算出された測距値,測角値,各種
データ処理プログラムによる処理結果,及び、その他各
種情報を表示する装置である。また、表示部8は、図1
に示すように、制御演算部55によって読み出された物
体距離を表示する。
【0066】物体距離表示手段としての望遠鏡内表示部
56は、制御演算部55によって読み出された物体距離
を液晶表示板14の液晶表示部に表示させるドライバで
ある。電源部57は、トータルステーション全体に電源
を供給する電源部分である。
【0067】<物体距離表示処理>図6は、図5の制御
演算部55において物体距離表示のために実行される物
体距離表示処理の内容を示すフローチャートである。
【0068】このフローチャートは、トータルステーシ
ョンに電源を投入することによりスタートする。そし
て、最初のS01においてエンコーダの絶対位置を取得
する。即ち、物体距離エンコーダ58から、合焦レンズ
12の位置に対応する4ビット2進値を読み込む。
【0069】次のS02では、読み込んだ合焦レンズの
絶対位置,即ち物体距離エンコーダ58から読み込んだ
4ビット2進値から、これに対応する物体距離を計算す
る。即ち、この4ビット2進値に対応する物体距離をテ
ーブルから読み出す。
【0070】次のS03では、計算した物体距離を表示
部8及び液晶表示板14(望遠鏡内表示部56)上に表
示する。その後、処理をS01に戻して、この表示制御
処理を繰り返す。
【0071】<実施例の作用>以上に説明した構成を有
する本実施例のトータルステーションにより測距及び測
角を行う時には、作業者は、最初に接眼光学系15を覗
く。そして、液晶表示板14上の視準線が明瞭に見える
ように、視度調整つまみ33を回転させて視度調整す
る。
【0072】次に、作業者は、測定対象地点に配置され
たコーナーキューブCまでの距離を目測する。そして、
表示部8を見ながら、若しくは、接眼光学系15を覗い
て液晶表示板14を見ながら、合焦つまみ30bを回転
させる。すると、カムピン28及びレンズ枠27ととも
に、合焦レンズ12が光軸方向に進退する。すると、こ
のカムピン28に固着された読み取りユニット35は、
エンコーダ板36に対して進退し、それらの相対位置に
対応した4ビット2進値を制御演算部55に入力する。
制御演算部55は、この4ビット2進値に応じた物体距
離値を、表示部8及び液晶表示板14上に表示させる。
作業者は、表示された物体距離値が目測によって得た物
体距離に最も近づくまで、合焦つまみ30bを回転させ
る。
【0073】次に、作業者は、接眼光学系15を覗きな
がら視準望遠鏡部1の方向を変えて、コーナーキューブ
Cをその視野内に入れ込む。そして、合焦つまみ30b
を更に回転させて、コーナーキューブCのピント合わせ
を精密に行う。このピント合わせの後に、視準望遠鏡1
の方向を更に微調整して、コーナーキューブCの中心を
液晶表示板14上の十字線に合致させる。これにより、
視準望遠鏡部1の視準光軸lがコーナーキューブCの中
心方向に合致することになる。
【0074】この時、水平方向エンコーダ9は、地面に
対して固定されている基台部3と本体部2との間の相対
角度データ(即ち、地面に対する視準光軸の水平角度デ
ータ)を制御演算部55に入力する。同様に、垂直方向
エンコーダ5は、本体部2と視準望遠鏡部1との間の相
対角度データ(即ち、地面に対する視準光軸の垂直角度
データ)を制御演算部55に入力する。制御演算部55
は、これら角度データに基づいて対応する水平角及び垂
直角を算出し、算出した水平角及び垂直角を表示部8に
表示させる。
【0075】作業者が操作部7を操作して測距指示を行
うと、各周波数信号発生器38から入力された変調信号
2により発光ダイオード17が駆動される。そして、
強度変調された測距光dが視準光軸lと平行に送光さ
れ、コーナーキューブCに当たる。このコーナーキュー
ブCによって反射された戻り光iは、ダイクロイックミ
ラー11にて分離されて、アバランシェフォトダイオー
ド26によって受光される。受光された戻り光iは、戻
り変調信号f5として混合器52に送られて、ビートダ
ウンされる。ビートダウンされた戻り変調信号f5'は、
ゲート回路部53において変調信号f2に同期した比較
基準信号f4と比較され、それらの位相差信号が計数回
路部54において計数値に変換され、制御演算部55に
入力される。
【0076】一方、チョッパー20から分岐された内部
参照光rは、三角プリズム16内を通って、直接アバラ
ンシェフォトダイオード26によって受光される。受光
された内部参照光rは、参照変調信号f6として、上記
したのと同様にして計数値に変換され、制御演算部55
に入力される。
【0077】制御演算部55は、戻り変調信号に対応す
る計数値f5及び参照変調信号f6に対応する計数値に基
づいて、トータルステーションの機械中心からコーナー
キューブCまでの距離を計算し、算出した距離を表示部
8に表示させる。なお、表示部8は、この光波測距によ
って算出された測距値と物体距離エンコーダ58からの
データに基づいて読み出した物体距離とを、区別して表
示する。
【0078】このように、本実施例によれば、物体距離
の表示を見ながら合焦レンズ12を移動させて、予めあ
る程度ピントを合わせすることができる。従って、実際
に接眼光学系15を覗いた際に、測定対象(コーナーキ
ューブ,ターゲット,測定対象地点)が周囲から識別で
きる程度に見えるようになる。従って、合焦つまみ30
bを操作することなく、測定対象を視準望遠鏡の視野内
に入れる作業を行うことができる。また、その後で実際
に行われる目視によるピント合わせも、短時間でできる
ようになる。なお、測定対象の実像を結像させる液晶表
示板14上に物体距離を表示しているので、接眼光学系
15を覗きながら一連の視準作業を行う場合でも、作業
者は現在の物体距離を知ることができる。
【0079】
【実施例2】以下、図面に基づいて本発明の第2実施例
を説明する。本実施例は、第1実施例に比較して、物体
距離エンコーダ58がインクリメンタル方式である点,
及び、液晶表示板が焦点板から独立して設けられている
点のみが相違し、その他の構成を同一とする。以下で
は、この相違点についてのみ説明し、その他の構成の説
明を省略する。
【0080】<視準望遠鏡部内の機械構成>図8は、第
1実施例における図3に対応する視準望遠鏡部1の縦断
面図であり、図3と同じ構成には図3と同じ引用番号が
付されている。図8において、合焦レンズ12を保持す
るレンズ枠27に植設されたカムピン28には、読取り
ユニット59が固着されている。また、固定環部1dの
エンコーダ収容空間29aの内面には、その長軸を光軸
lと平行にし,且つその短軸をカムピン28と平行にし
た状態で板状のエンコーダ板60が固着されている。こ
のエンコーダ板60は透明部材からなり、その表面に
は、その短軸方向に沿った同一幅の縞模様のスケールが
黒色塗料を用いて描かれている。但し、このスケール
は、短軸方向上下で分けられて、相互に1/4ピッチず
らされている。
【0081】図9は、図8のX−X線に沿った横断面図
であり、これら読み取りユニット59及びエンコーダ板
60の相対位置関係を示している。図9に示すように、
読み取りユニット59は、エンコーダ板60を両面側か
ら挟む形状となっている。この読取りユニット59のカ
ムピン側には発光ダイオード59a及びコンデンサレン
ズ59bが取付られており、エンコーダ板60を挟んだ
反対側にはホトトランジスタ59cが取付られている。
従って、コンデンサレンズ59bとホトトランジスタ5
9cとの間にスケールの透明部が位置するとホトトラン
ジスタ59cがonし、黒色部が位置するとホトトラン
ジスタ59cがoffする。即ち、コンデンサレンズ5
9bとホトトランジスタ59cとの間を、エンコーダ板
60上の一本の黒色部が通過すると、一個のパルスがホ
トトランジスタ59cから出力される。そのため、パル
スの数を数えることにより、エンコーダ板60の移動量
を知ることができるのである。
【0082】なお、これら発光ダイオード59a,コン
デンサレンズ59b,及びホトトランジスタ59cの組
み合わせは、エンコーダ板60上のスケールが上下に分
かれているのに合わせて上下に二組設けられている。従
って、2つのホトトランジスタ59cから夫々パルスが
出力されるが、そのパルス出力の位相は、90°ずれて
いる。従って、片方のパルスが出力されてから他方のパ
ルスが出力されるまでのタイミングを検出することで、
エンコーダ板60の移動方向をも知ることができるので
ある。
【0083】なお、図8に示すように、読み取りユニッ
ト59の接眼側端面には、合焦レンズ12が接眼側移動
端にまで移動した時にエンコーダ収容空間29a内壁に
当たってON/OFFするマイクロスイッチ61が設け
られている。従って、このマイクロスイッチ61は、合
焦レンズが接眼側端点(無限遠)に位置することを検出
することができる。
【0084】従って、制御演算部55は、マイクロスイ
ッチ61が接眼側端点を検出した後に発生したパルスの
数をカウント(対物側[最短距離側]方向を示すパルス
が発生した時にはパルス数を加算,接眼側[無限遠側]
方向を示すパルスが発生した時にはパルス数を減算)す
ることにより、合焦レンズ12の現在位置を認識するこ
とができる。
【0085】以上の構成により、合焦つまみ30bを操
作して合焦レンズ12を任意の位置に移動させると、制
御演算部55は、この合焦レンズ位置に対応した物体距
離を読み出すことができる。なお、本第2実施例におい
ては、読み取りユニット59及びマイクロスイッチ61
が図5の物体距離エンコーダ58に相当する。
【0086】図8に戻り、接眼固定筒31の内周面に
は、ホルダ63aを介して焦点板63が固定されてい
る。この焦点板63の接眼側面には、図7に示す十字線
を含む視準線,及び「距離」,「m」なる文字のみが描
かれている。この十字線は、視準光軸lに合致してい
る。
【0087】この焦点板63と接眼光学系15との間に
は、図10に示すように、視準光軸lに対して45°傾
けたハーフミラー62が固定されている。このハーフミ
ラー62の接眼側面に関して焦点板63の接眼側面と光
学的に等価な位置には、物体距離表示手段としての液晶
表示板64が取り付けられている。この液晶表示板64
は、図5の望遠鏡内表示部56によって駆動され、制御
演算部55によって読み出された物体距離を表示する。
その結果、作業者が接眼光学系15を介して覗くと、図
7に示すように、液晶表示板64によって表示された物
体距離が焦点板63上の視準線や文字と重なって見える
のである。
【0088】<物体距離表示処理>図11は、本第2実
施例の制御演算部55において物体距離表示のために実
行される物体距離表示処理の内容を示すフローチャート
である。
【0089】このフローチャートは、トータルステーシ
ョンに電源を投入することによりスタートする。そし
て、最初のS11においてエンコーダの原点検出を行
う。即ち、作業者が合焦つまみ30bを無限遠側に回す
ことによって、マイクロスイッチ61が無限遠端点を検
出するのを待つ。
【0090】無限遠端点が検出されると、次のS12に
おいて、物体距離エンコーダ58から通知されるパルス
をカウントする。即ち、最短距離側方向を示すパルスが
発生した時にはパルス数を加算し、無限遠側方向を示す
パルスが発生した時にはパルス数を減算する。
【0091】次のS13では、カウントされたパルス数
に対応する合焦レンズ12の移動距離から物体距離を計
算する。制御演算部55は、あるパルス数がカウントさ
れた時点での合焦レンズ12による物体距離を、予めテ
ーブルに格納してある。そして、カウントしたパルス値
に対応する物体距離を、このテーブルから読み出すので
ある。
【0092】次のS14では、計算した物体距離を表示
部8及び液晶表示板64(望遠鏡内表示部56)上に表
示する。その後、処理をS12に戻して、この表示制御
処理を繰り返す。
【0093】<実施例の作用>本第2実施例によると、
第1実施例と同じ作用を奏することができる。しかも、
本実施例においては物体距離エンコーダ58の方式とし
てインクリメンタル方式を採用している。従って、読み
取り光学系の数は2組あれば足る。しかもアブソリュー
ト方式に比して、読み取り光学系の数に対する読み取り
精度を大幅に向上させることができる。
【0094】
【実施例3】以下、図面に基づいて本発明の第3実施例
を説明する。本実施例は、第1実施例に比較して、物体
距離エンコーダ58及び望遠鏡内表示部56がない点,
液晶表示板64の代わりに合焦板が配置されている点,
制御演算部55が物体距離表示処理を実行しない点,表
示部8に物体距離表示がなされない点,並びに、固定鏡
筒部1aと合焦つまみ30bとの間に物体距離表示が描
かれている点が相違し、その他の構成を同一とする。以
下では、この相違点についてのみ説明し、その他の構成
の説明を省略する。
【0095】図12は、第1実施例における図1に対応
するトータルステーションの正面図であり、図1と同じ
構成には図1と同じ引用番号が付されている。図12に
示すように、合焦レンズ12の移動に連動する合焦つま
み30bには、指標65が印されている。
【0096】この合焦つまみ30bと合焦レンズ12と
の間の関係は、図12のXIII−XIII線に沿った縦断面図
である図13に示す通りである。図13において、合焦
レンズ12を保持するレンズ枠27の外表面に植設され
たカムピン28は、固定環部1dに形成された直進溝2
9を貫通して、カム環30の内周面に形成されたカム溝
30a内に入り込んでいる。従って、カム環30の端部
に形成された合焦つまみ30bを固定鏡筒1aと一体の
固定環部1dに対して相対回転させることにより、合焦
レンズ12を光軸l方向に進退させることができるので
ある。つまり、固定鏡筒1aと合焦つまみ30bとの相
対位置は、合焦レンズ12の位置と一義的に対応する。
即ち、固定鏡筒1aと合焦つまみ30bとの相対位置
は、物体距離と一義的に対応するのである。
【0097】そのため、図12に示すように、固定鏡筒
1aの端面には、物体距離に対応する指標65の位置関
係が刻印されているのである。即ち、合焦レンズ12が
或る物体距離に対応する位置に在る時点において指標6
5が指している箇所に、その物体距離が刻印されてい
る。従って、作業者が任意の距離を示す刻印に指標65
を合わせると、カム環30が相当量回転することによっ
て、合焦レンズ12がその物体距離に応じた位置に移動
する。
【0098】このように、本第3実施例においては、作
業者は、表示部8や液晶表示板14上の物体距離表示を
見る代わりに、指標65が指す固定鏡筒1a端面上の物
体距離表示を見ることになる。しかし、この表示も合焦
レンズ12による物体距離に対応しているので、第1実
施例の場合と同じように作用することになる。
【0099】なお、本第3実施例においては、液晶表示
板14が焦点板と兼用されないことから、図7に示す十
字線を示す視準線のみをその表面に描いた焦点板63
が、ホルダ63aを介して接眼固定筒31の内周面に固
定されている。
【0100】
【発明の効果】以上のように構成した本発明による測量
機によると、目測等によって得た測定対象までの物体距
離に合わせて、合焦レンズを移動させることができる。
従って、視準作業に先立って視準望遠鏡のピントをある
程度合わせておくことが可能であり、それにより視準作
業時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例によるトータルステーシ
ョンの外観を示す正面図
【図2】 図1の視準望遠鏡部内の光学構成図
【図3】 図1のIII−III線に沿った視準望遠鏡の縦断
面図
【図4】 図3のIV−IV線に沿った部分横断面図
【図5】 図1のトータルステーションの内部回路を示
すブロック図
【図6】 図5の制御演算部で実行される物体距離表示
処理の内容を示すフローチャート
【図7】 接眼光学系を介して見た液晶表示板を示す図
【図8】 本発明の第2実施例によるトータルステーシ
ョンに組み込まれている視準望遠鏡の縦断面図
【図9】 図8のX−X線に沿った部分横断面図
【図10】 図8の接眼固定筒内の概略構成図
【図11】 本発明の第2実施例において図5の制御演
算部で実行される物体距離表示処理の内容を示すフロー
チャート
【図12】 本発明の第3実施例によるトータルステー
ションの外観を示す正面図
【図13】 図12のXIII−XIII線に沿った視準望遠鏡
の縦断面図
【符号の説明】
1 視準望遠鏡部 1a 固定鏡筒 8 表示部 12 合焦レンズ 14 液晶表示板 28 カムピン 30 カム環 30b 合焦つまみ 35 読取りユニット 36 エンコーダ板 56 望遠鏡内表示部 59 読取りユニット 60 エンコーダ板 61 マイクロスイッチ 62 ハーフミラー 64 液晶表示板 65 指標

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定対象の像を視準用面上に結像させる視
    準用望遠鏡を有する測量機において、 前記視準用望遠鏡の光軸方向に進退することにより前記
    測定対象の結像位置を移動させるための合焦用レンズ
    と、 前記合焦用レンズの位置を検出する位置検出手段と、 前記位置検出手段によって検出された前記合焦用レンズ
    の位置に応じて、前記視準用面上に結像している物体の
    物体距離を特定する物体距離特定手段と、 前記物体距離特定手段によって特定された物体距離を表
    示する物体距離表示手段とを備えたことを特徴とする測
    量機。
  2. 【請求項2】前記物体距離表示手段は前記測量機の外面
    に設けられていることを特徴とする請求項1記載の測量
    機。
  3. 【請求項3】前記物体距離表示手段は前記測定対象を測
    定することによって得られる測量結果を表示する表示板
    であることを特徴とする請求項2記載の測量機。
  4. 【請求項4】前記物体距離表示手段は前記視準用望遠鏡
    内に設けられていることを特徴とする請求項1記載の測
    量機。
  5. 【請求項5】前記物体距離表示手段は前記視準用面上に
    前記物体距離を表示することを特徴とする請求項4記載
    の測量機。
  6. 【請求項6】前記視準用望遠鏡は、接眼レンズ及びこの
    接眼レンズと前記視準用面との間に配置されたハーフミ
    ラーを有するとともに、 前記物体距離表示手段は前記ハーフミラーに関して前記
    視準用面と光学的等価な位置に配置されていることを特
    徴とする請求項4記載の測量機。
  7. 【請求項7】前記位置検出手段は前記合焦用レンズの位
    置に対応するデジタル信号を出力するエンコーダである
    ことを特徴とする請求項1記載の測量機。
  8. 【請求項8】測定対象の像を視準用面上に結像させる視
    準用望遠鏡を有する測量機において、 前記視準用望遠鏡の固定鏡筒と、 前記固定鏡筒の軸方向に進退することにより前記測定対
    象の結像位置を移動させるための合焦用レンズと、 前記合焦用レンズを駆動するために前記固定鏡筒に対し
    て回転する回転鏡筒と、 前記回転鏡筒と前記固定鏡筒との相対回転位置とこの相
    対回転位置における前記合焦レンズによって前記視準用
    面上に結像している物体の物体距離との関係を示す表示
    とを備えたことを特徴とする測量機。
  9. 【請求項9】前記表示は、前記固定鏡筒及び前記回転鏡
    筒の何れか一方に示された物体距離の表示と、前記物体
    距離に対応する前記相対回転位置において前記物体距離
    の表示を指示するように前記回転鏡筒及び前記回転鏡筒
    の他方に示された指標とからなることを特徴とする請求
    項8記載の測量機。
JP8043095A 1995-04-05 1995-04-05 測量機 Withdrawn JPH08278124A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8043095A JPH08278124A (ja) 1995-04-05 1995-04-05 測量機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8043095A JPH08278124A (ja) 1995-04-05 1995-04-05 測量機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08278124A true JPH08278124A (ja) 1996-10-22

Family

ID=13718063

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8043095A Withdrawn JPH08278124A (ja) 1995-04-05 1995-04-05 測量機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08278124A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006003098A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Topcon Corp 光波距離測定方法及び光波距離測定装置
US7215373B2 (en) * 2001-11-09 2007-05-08 Fujinon Corporation Object distance display apparatus to display an object distance based on measured object distance data
JP2007512523A (ja) * 2003-11-21 2007-05-17 リーグル・レーザー・メジャーメント・システムズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 目標とする空間を記録するための装置
JP2010256287A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Nikon Vision Co Ltd 測距装置
CN102538743A (zh) * 2011-12-26 2012-07-04 山西汾西重工有限责任公司 数字式舵角测试仪

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7215373B2 (en) * 2001-11-09 2007-05-08 Fujinon Corporation Object distance display apparatus to display an object distance based on measured object distance data
JP2007512523A (ja) * 2003-11-21 2007-05-17 リーグル・レーザー・メジャーメント・システムズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 目標とする空間を記録するための装置
JP2006003098A (ja) * 2004-06-15 2006-01-05 Topcon Corp 光波距離測定方法及び光波距離測定装置
JP2010256287A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Nikon Vision Co Ltd 測距装置
CN102538743A (zh) * 2011-12-26 2012-07-04 山西汾西重工有限责任公司 数字式舵角测试仪

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3569426B2 (ja) 測量用反射部材
EP3457080B1 (en) Surveying instrument
US9658059B2 (en) Measuring device having a scanning functionality and a single-point measurement mode
KR101497187B1 (ko) 시준보조장치를 구비한 수동식 측량기
CA2502012C (en) Electronic display and control device for a measuring device
US6504602B1 (en) Tacheometer telescope
JP4210792B2 (ja) 位置検出装置
US6747733B2 (en) Electronic distance meter
US11933632B2 (en) Surveying device with a coaxial beam deflection element
JP3445491B2 (ja) 測量機
US6556283B2 (en) Electronic distance meter
JPH08278124A (ja) 測量機
EP3772633A1 (en) Surveying instrument
US20010050764A1 (en) Surveying instrument having an optical distance meter
JP2003057032A (ja) 測量機の光軸自動調整装置
JP3803188B2 (ja) 機械高測定機能付測量機
JP3069893B2 (ja) 測量機の合焦方法及び合焦装置
CN111580127A (zh) 具有旋转反射镜的测绘***
JP3843028B2 (ja) 光波距離計
EP4239286A2 (en) Surveying instrument
US20230280160A1 (en) Surveying instrument
EP4261500A1 (en) Surveying instrument
JP3527562B2 (ja) トータルステーション及び測量システム
JP2000221035A (ja) Af測量機用反射鏡
JPH1019560A (ja) 自動焦点調節装置を備えた測量機

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20040204

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761