JPH08278077A - 低温ショーケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で美観を損ねることも無く、演出
効果を著しく向上させることができる低温ショーケース
を提供する。 【構成】 低温ショーケース１の側板６に複層ガラス１
１を設ける。複層ガラス１１を二枚のガラス板１１Ｂ、
１１Ｂで構成する。貯蔵室３側のガラス板１１Ｂ内面に
鏡面フィルム１２を貼付する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は食品などの商品を陳列保
存する低温ショーケース、特に、側板に複層ガラスを備
えたものに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種低温ショーケースは、例えば
スーパーマーケット等の店舗に設置されるものであり、
例えば実公昭５８−２６６１４号公報（Ａ４７Ｆ１１／
０４）に示されるように、断面略コ字状の断熱壁と、そ
の両側に取り付けられた側板により前面に開口した貯蔵
室を構成し、この貯蔵室内には複数段の棚を架設してい
る。また、上記公報では側板に鏡を取り付けて貯蔵室内
の演出効果を向上させている。

【０００３】ここで、図５乃至図７を用いて係る鏡を用
いた従来の低温ショーケース１００の側板構造を説明す
る。各図において、側板１０６、１０７、１０８は、断
面略コ字状の断熱壁５の両側に取り付けられるものであ
り、断熱板８に露受け１３を介して複層ガラス１１１、
１１３、１１４を嵌め込むことにより構成されている。

【０００４】上記複層ガラス１１１、１１３は一方をガ
ラス板１１１Ｂ、他方を鏡１１２とし、必要に応じて鏡
１１２を貯蔵室３側（図６）、鏡１１２を庫外側（図
５）として取り付けられる。そして、低温ショーケース
１００を他の非冷ケース（ゴンドラと称される）と並設
する場合、係る非冷ケース側は側板１０８（図７）とさ
れ、貯蔵室３側及び庫外側共に鏡１１２、１１２とされ
た複層ガラス１１４が用いられる。

【０００５】係る鏡１１２により、貯蔵室３側、或い
は、非冷ケース側から相互の棚上に陳列した商品が見え
てしまうことを防止できると共に、貯蔵室３の奥行き感
（連続感）を出して演出効果が向上する。尚、断熱壁５
は面材５Ａ、発泡断熱材５Ｂ、成形断熱材５Ｃにて構成
されており、断熱板８も面材８Ａ、発泡断熱材８Ｂ、成
形断熱材８Ｃで構成されている。尚、１３Ａは露受け１
３に形成された案内樋であり、複層ガラス１１１、１１
３、１１４の表面に付着し、流下した結露水は露受け１
３にて受け止められ、案内樋１３Ａを伝って断熱壁５側
の図示しないドレン受けに排出される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ここで鏡１１２は、通
常硝酸銀水溶液をガラス板の一面に注ぎ、苛性ソーダな
どによってコロイド状の銀をガラス板一面全体に沈着さ
せ、その上に保護膜を塗ることによって構成され、ガラ
ス板の他面側に光を当てることによりガラス板面に沈着
した銀が当たった光を反射するものであるが、鏡は取り
扱い等により保護膜に容易に小さい傷が付く。

【０００７】そのため、上述の如く鏡１１２の表面に付
着した結露水が保護膜に付いた傷や保護膜の端面から中
部に侵入し、沈着した銀を濡らして腐食させることによ
り、光の反射を妨げると共に、鏡面を汚損して美観を損
ねてしまう問題があった。本発明は、係る従来の技術的
課題を解決するために成されたものであり、簡単な構成
により演出効果を著しく向上させることができる低温シ
ョーケースを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明の低温シ
ョーケース１は、側板６に複層ガラス１１を備えたもの
であって、複層ガラス１１を構成する貯蔵室３側のガラ
ス板１１Ｂ内面に鏡面フィルム１２を貼付したものであ
る。また、請求項２の発明の低温ショーケース１は、側
板７に複層ガラス１５を備えたものであって、複層ガラ
ス１５を構成する二枚のガラス板１１Ｂ、１１Ｂの相対
向する面に鏡面フィルム１２、１２をそれぞれ貼付した
ものである。

【０００９】

【作用】請求項１の発明によれば、低温ショーケース１
の側板６に設けた複層ガラス１１を構成する貯蔵室３側
のガラス板１１Ｂの内面に鏡面フィルム１２を貼付した
ので、貯蔵室３側から外部の物品が見えてしまうことを
防止できると共に、貯蔵室３の奥行き感（連続感）を出
して演出効果を向上させることができる。

【００１０】特に、ガラス板１１Ｂの表面に結露が生じ
ても、鏡を用いた場合の如き腐食が発生することが無
く、経年劣化による鏡面効果の低下、及び、外観の低下
を未然に防止することが可能となるものである。また、
請求項２の発明によれば、低温ショーケース１の側板７
の複層ガラス１５を構成する二枚のガラス板１１Ｂ、１
１Ｂの相対向する面に鏡面フィルム１２、１２をそれぞ
れ貼付したので、貯蔵室３側から外部の物品が見えてし
まうことを防止でき、貯蔵室３の奥行き感（連続感）を
出して演出効果を向上させることができると共に、並設
した他のケース側からも貯蔵室３内が見えず、当該ケー
ス内の演出効果も向上させることができる。

【００１１】そして、同様に両ガラス板１１Ｂ、１１Ｂ
の表面に結露が生じても、鏡を用いた場合の如き腐食が
発生することが無く、経年劣化による鏡面効果の低下、
及び、外観の低下を未然に防止することが可能となるも
のである。

【００１２】

【実施例】以下、図面に基づき本発明の実施例を詳述す
る。図１は本発明の低温ショーケース１の斜視図、図２
は低温ショーケース１と他の非冷ケース２（ゴンドラ）
を並設した状態の斜視図、図３は低温ショーケース１の
向かって左側の側板６の拡大縦断側面図、図４は向かっ
て右側の側板７の拡大縦断側面図をそれぞれ示してい
る。尚、各図において図５乃至図７と同一符号で示すも
のは同一とする。

【００１３】実施例の低温ショーケース１は、例えばス
ーパーマーケット等の店舗に設置されるものであり、前
面に開口４を有した断面略コ字状の断熱壁５とその両側
に取り付けられた側板６、７とから構成され、内部を貯
蔵室３としている。断熱壁５の下方に構成された図示し
ない機械室内には冷凍サイクルの圧縮機等が設けられる
と共に、貯蔵室３内には商品陳列用の複数段の棚３Ａ・
・・が架設されている。そして、貯蔵室３の外側（断熱
壁５との間）に形成された図示しないダクト内に設けた
冷却器から送風機によって冷気が貯蔵室３に循環され、
貯蔵室３内は所定の温度（冷蔵・冷凍）に冷却される。

【００１４】前記断熱壁５は、面材５Ａ内の縁部に成形
断熱材５Ｃを組み込み、内部に発泡断熱材５Ｂを充填し
て構成されている。尚、９はフレームである。また、前
記各側板６、７は、断熱板８と、この断熱板８に露受け
１３を介して嵌め込まれた複層ガラス１１、或いは、１
５とから成り、前記断熱板８は面材８Ａ内縁部に成形断
熱材８Ｃを組み込み、内部に発泡断熱材８Ｂを充填して
構成されている。

【００１５】前記露受け１３は後に詳述する複層ガラス
１１、或いは、１５から滴下する結露水を受け止めて集
めると共に、複層ガラス１１、１５と断熱板８の接続部
の飾り板も兼ねており、例えばアルミニウム等にて構成
されている。そして、露受け１３からは断熱壁５側に案
内樋１３Ａが延在しており、露受け１３にて受容された
結露水はこの案内樋１３Ａを伝って断熱壁３側の図示し
ないドレン受けに排出される。尚、側板６と７の露受け
１３、１３は相互に左右対称形を呈する。

【００１６】一方、複層ガラス１１は、二枚のガラス板
１１Ｂ、１１Ｂと、スペーサ１０と、鏡面フィルム１２
とから構成されている。前記スペーサ１０はアルミニウ
ムや硬質樹脂等から構成され、所定の厚さを有してお
り、ガラス板１１Ｂ、１１Ｂを所定の間隔を存して保持
している。そして、貯蔵室３側となるガラス板１１Ｂ
（向かって右側）の内面に後述する鏡面フィルム１２が
貼付されている。

【００１７】他方、複層ガラス１５も同様にスペーサ１
０の両側にガラス板１１Ｂ、１１Ｂを設けて構成されて
いるが、この場合は、各ガラス板１１Ｂ、１１Ｂの相対
向する面（内面）に鏡面フィルム１２がそれぞれ貼付さ
れている。ここで、鏡面フィルム１２に付いて説明す
る。鏡面フィルム１２は少なくとも柔軟性のある図示し
ない透明なポリエステル等の極薄いシートをベースとし
て、銀、酸化チタン、或いは、アルミ導電性金属などか
ら成る薄い蒸着層と、保護膜などを順次重合積層して構
成されている。係る、鏡面フィルム１２は両面を鏡面と
して、一方の面に透明な粘着剤を薄く塗布し、全体とし
て０．３ｍｍ乃至０．５ｍｍ程度に構成されており、ま
た、鏡面フィルム１２はポリエステル等のシートをベー
スとして浸水しても容易に腐食しない特性を備えてい
る。

【００１８】以上の構成で次に図２を用いて本発明の低
温ショーケース１の設置例を説明する。低温ショーケー
ス１は他の非冷ケース２・・、１５などと共に店舗内に
配列され、低温ショーケース１の向かって左側の側板６
外側には複数の棚板１４・・・を備えた非冷ケース１５
の背面が対向されて設けられると共に、右側の側板７外
側及び低温ショーケース１の背面には非冷ケース２・・
が並設されている。

【００１９】そして、低温ショーケース１の棚３Ａ・・
上には冷却が必要な商品（食品など）が陳列されると共
に、非冷ケース２、１５の棚２Ａ・・・、１４・・上に
は冷却を必要としない菓子類などの商品が陳列される
が、このとき側板６の複層ガラス１１の貯蔵室３側のガ
ラス板１１Ｂ内面には鏡面フィルム１２が貼付されてい
るので、貯蔵室３側から非冷ケース１５の背面が見えな
くなる。また、貯蔵室３内の物品（棚３Ａや商品）が鏡
面フィルム１２に映るので、貯蔵室３内の奥行き感（連
続感）が増し、商品陳列上の演出効果も向上する。

【００２０】また、側板７の複層ガラス１５のガラス板
１１Ｂ、１１Ｂの相対向する内面にも鏡面フィルム１
２、１２が貼付されているので、貯蔵室３側から非冷ケ
ース２内が、また、非冷ケース２側から貯蔵室３内が見
えなくなる。更に、貯蔵室３内の物品（棚３Ａや商品）
や非冷ケース２内の物品が鏡面フィルム１２、１２にそ
れぞれ映るので、貯蔵室３及び非冷ケース２内の奥行き
感（連続感）が増し、商品陳列上の演出効果も向上す
る。

【００２１】一方、低温ショーケース１の前記圧縮機が
運転されて貯蔵室３内が所定の温度に冷却されると、貯
蔵室３の側板６、７の複層ガラス１１、１５表面には空
気中の水分が結露し、水滴となって付着する。この結露
水は露受け１３に流下して受容され、前述の如く案内樋
１３Ａを伝って排出されるが、このとき、鏡面フィルム
１２は前述の如くポリエステル等のシートをベースとし
ているので係る結露水が浸水しても腐食することがな
い。従って、低温ショーケース１の美観を損ねたり、鏡
面効果が低下することも無くなる。

【００２２】

【発明の効果】以上詳述した如く請求項１の発明によれ
ば、低温ショーケースの側板に設けた複層ガラスを構成
する貯蔵室側のガラス板の内面に鏡面フィルムを貼付し
たので、貯蔵室側から外部の物品が見えてしまうことを
防止できると共に、貯蔵室の奥行き感（連続感）を出し
て演出効果を向上させることができる。

【００２３】特に、ガラス板の表面に結露が生じても、
鏡を用いた場合の如き腐食が発生することが無く、経年
劣化による鏡面効果の低下、及び、外観の低下を未然に
防止することが可能となるものである。また、請求項２
の発明によれば、低温ショーケースの側板の複層ガラス
を構成する二枚のガラス板の相対向する面に鏡面フィル
ムをそれぞれ貼付したので、貯蔵室側から外部の物品が
見えてしまうことを防止でき、貯蔵室の奥行き感（連続
感）を出して演出効果を向上させることができると共
に、並設した他のケース側からも貯蔵室内が見えず、当
該ケース内の演出効果も向上させることができる。そし
て、同様に両ガラス板の表面に結露が生じても、鏡を用
いた場合の如き腐食が発生することが無く、経年劣化に
よる鏡面効果の低下、及び、外観の低下を未然に防止す
ることが可能となるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の低温ショーケースの斜視図である。

【図２】本発明の低温ショーケースの設置形態を説明す
る図である。

【図３】本発明の低温ショーケースの側板の拡大縦断側
面図である。

【図４】本発明の低温ショーケースのもう一つの側板の
拡大縦断側面図である。

【図５】従来の低温ショーケースの側板の拡大縦断側面
図である。

【図６】もう一つの従来の低温ショーケースの側板の拡
大縦断側面図である。

【図７】更にもう一つの従来の低温ショーケースの側板
の拡大縦断側面図である。

【符号の説明】

１ 低温ショーケース ２ 非冷ケース ３ 貯蔵室 ３Ａ 棚 ５ 断熱壁 ６、７ 側板 ８ 断熱板 １１、１５ 複層ガラス １１Ｂ ガラス板 １２ 鏡面フィルム １３ 露受け

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 側板に複層ガラスを備えた低温ショーケ
   ースにおいて、 前記複層ガラスを構成する貯蔵室側のガラス板内面に鏡
   面フィルムを貼付したことを特徴とする低温ショーケー
   ス。
2. 【請求項２】 側板に複層ガラスを備えた低温ショーケ
   ースにおいて、 前記複層ガラスを構成する二枚のガラス板の相対向する
   面に鏡面フィルムをそれぞれ貼付したことを特徴とする
   低温ショーケース。